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雪白のオカリナ

/雪白のオカリナ

……いろんなジャンル……かなあ……。グロいです。
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すぅ…。

〜♪〜〜♪〜、〜〜♪
順調にオカリナを吹く。
この調子なら出来そう。

ぴふぃっ。
甲高い音がでる。
ああ、やっぱり間違えた。

溜め息をつく。
その想いは風に流された。
どうしてこんなに出来ないんだろう。

判らない。
この世にある、全てが。
自分が。

世界を知り尽くしてる人なんていない。
それが姉の言葉だった。
何で消えたんですか。

判りません。
貴方の想いしか……。
私を愛してくれて、ありがとう。

ごめんね、一番辛いのはきっとあんただ。
あたしが何も言わずに去って行ったから。
でも、帰る事は出来ないんだ……、ごめんね……。

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私は一年経った今でも。
姉の帰りを待っている。
ちゃんと姉の部屋まで用意してあるし。
毎日毎日掃除をしている。

ーーやっぱ一人は淋しい。
ちょっとそう言う想いがちらつき始めた。
孤独と一人は違う。
それが姉の口癖でもあり、モットーでもあった。

私は……?
私のモットーって何だろう?
姉が帰ってから。
心が失った感じ。

「……ぁ……」
声が嗄れていた。
あまり独り言は言わない。だからなのだろうか。

まあいいや、と能天気な台詞を心に残し、庭にオカリナを吹きに行く。

ぴひょー。
びふぃ。
「でやああ!」
ごて。
私はオカリナをたたき落とした。
涙があふれてくる。

「ど……して……?!ねえ!ねえ!姉貴!早く来てよーーーーーーーー!」
キィィン……。
一軒家に声が響き渡る。

『あたしはあんたの心にいるよ』

心から声が響く。
「姉貴……!」
『泣いちゃいけない。あたしは必ず戻る。待ってろ……あたしはその家に戻るんだ!何があっても!泣いちゃいけない!泣きたいのはこっちなんだ!』

ソウダッタノ?
ワタシガイチバンカナシンデルトオモッテタ。
アネモ。
オナジオモイヲシテイタノ!?
ナラナンデ!?
ナンデワタシノモトニカエッテコナイノ!?
カエッテキテヨ!アネキ!


−2−

私はノーマルタイプだ。
だからどうって訳ではない。知らせたかった訳でもない。
ノーマルだと白って感じが直感的に浮かぶかもしれないけど、私は違いますから。
……こんな美しそ〜な喋り方だけど、私種族プリンだから……。

姉はエネコロロだ。
美しい外見で、振り向く男は☆の数。
けど、姉は私と後……恋人がいて、ずっと断って来た。
恋人は、確かサンダース。
すっげー格好良かった気がする。私も速く彼氏作りたいって思ってた。
でも……私に彼氏なんて要らない。というより、一番大事な人がいる。
姉…………姉は、私の事も大切にしてくれた。

そんな事を思いつつ、自分は掃除をしている。
雑巾掛け、からぶき、窓ふき、その他諸々玄関掃除等。

「早く彼氏作りたいのぉ〜」
ちょっと独り言。すると転けて階段を転がり落ちた。
どかっごてっぼて☆
「いってぇ……」

バン!
「大丈夫!?ねえ!プリン!怪我はない!?」
「よく私達の居場所がわかったね、アメモース」
アメモース…人生の中で最強&最悪な奴。

「ささ、ヤロウょ〜」
「嫌よ、ハイパー……」
私の持っている技の中で最強な技をやろうとしたその時。
姉の言葉が浮かんで来た。
『本当に困ったときだけにしか、ハイパーボイスは使っちゃ駄目。貴方の使うハイパーボイスは……破壊光線をも超えるわ』

「ちっ……10まんボルト!」
ビガジャバビゴベガア!
「うぎゃっ!?」
ビリビリビリ……。
アメモースは麻痺した。
だが。
「あ、甘いね……ま、麻痺直し!」
「反則だろ!」
ふぁあん……。
アメモースを煙が包む。
私は野生である故にこの煙は嫌いだ。
激しく咽せ込む。もう……息が……絶え絶え……。

−3−

ここは何処なんだろう。

真っ白な、夢の中。

誰もいない。自分もいない。

ただ、見える。

自分の身体が、透けている。

どうして……?

私、シンジャッタ……?

アネニモアイタカッタノニ……。


「ねえ!ねえ!プリン〜!」
「はぇ……ああ、イーブイじゃない、どうしたの?」
「僕ねえ、イーブイの事がだ〜い好きだよ!」
「……?どうしちゃったの、イーブイ……もう私達中学生よ?」
「だから言ってるの。食べごろの身体でしょう?」
「私食べ物じゃないよ?」
「違うよ?ほら……射精とかあるでしょ?」
「私あまりそう言う授業好きじゃないの……」
「だあ〜め。逃げられないんだよ、僕からは」
「な、何をするつもりなの?」

「君は今から僕の性奴隷になるんだよ……さあ、いっぱい出してあげる。ささ、やろうよ」
「キャア!?嫌!ちょっと!イーブイ……イーブイ……どうして!?」
「君の身体はSEXしやすいのかな〜と思ってさ。君のここもずいぶんとぬれてるじゃない?」
「お願い……!お願いイーブイ、何でもやるから……処女だけは許して……!」
「駄目」

「ア”アアアアアアアアアーーーーーーーーーーーー!」

「ギャーーーー!」
ガバアッ!
「ああ……夢かあ……」
私は変な夢を見てしまった。
でも……私はイーブイとやった事ないのに……どうしてあんな夢が……?

「大丈夫?心配したんだよ?煙がはれたら君が倒れて……」

まさか、これは未来予知なのでは……?
多分……アメモースは……私を……!
「出てってーー!」
「駄目だよ、ここはもう僕が買い取ったんだ。ついでに君もね」
「ふざけんじゃねーよ!」

バゴーン。
と、言う扉が壊れる様な音の先には……。
紫の耳、艶やかな白い肌、すらっと伸びた手足……。

「エネコロロ!」
「姉さん!」
私とアメモースは同時に叫んだ。

「どうして帰って来たの?」
「いやー、お隣にサンダースが要ると聞いてね。顔を見に。」
「そんな台詞で……!?私が悲しんでるって知らずに!?」
「……お前なら……お前ならちゃんと彼氏作るだろうと思ってた。違うかい?」
私の怒りが爆発した。
良心では意味が分からないのに。
どうして……どうして!?

「私、友達の家に泊まってくるから!姉さんはサンダースとでも会って来なよ!アメモース、あんたは帰って!」


がしゃん……。
ドアが閉まった。
荒い息を付きながら、これからどこに行くか迷っていた。
お金もない。バッグもない。
「ど……しよ……」
かすれた声を聞いてくれたのはただ一人。

「僕んちに来てよ。ずっと音信不通で心配したんだよ」
「イーブイ……じゃなくてブースター?」
「うん、僕進化したんだ」
目の前に現れたのは、鮮やかな赤、黄を持つブースターだった。
イーブイとは幼なじみだった。
私も、イーブイも好き、両想いだった。
けれど身勝手な親の理由で離ればなれになり、それから一度も電話をかけなかった。

「ん……くぁ……」
「君って本当にまるっこいよねえ、このカールもそう」
「やめて……本当にブースター……どうしちゃったの?」
虚ろな目で私はブースターを見つめる。
「私を……ぐちゃぐちゃにして……何が楽しいの?」
「君が喘ぐ姿を携帯で撮るんだ。それで待ち受けにする。良いだろ?」
私の堪忍袋の緒がきれた。
「もうブースターなんか大っ嫌い!ハイパーボイス!」
「甘いね、耳栓!」
「すきあり!10まんボルト!」
ガバビゲボゾベビガジャン!
「ぎゃふぅっ!炎の渦!」
「サイコキネシス!」
向かって来た炎の渦をサイコキネシスで弾き帰す。
すると、家の中が燃えて来た。

「あっつぅ!」
跳んで来た火の粉に当たった。
火傷を負ったが、今度はブースターが何処に要るか判らない。
「何処だ!出てこいブースター!」

「オーバーヒート!」
貰い火で強くなった炎が。

私の全身を熱く、粗く包み込み。

威力の高い技が。

ブースターの怖い想いが。

私の中を、駆け巡ったーー……。


「ぅ……あ……」
ぷっつりと糸が切れた様に倒れた。
それはまるで操り人形が倒れる様に。
私の心も崩れ落ち。
家も崩れ落ち。
微かに聞こえて来た火の粉のはぜる音が。
聞こえなくなった。

もう駄目だ、私多分死んだんだ。
さよなら、ブースター、アメモース。
一緒に来てよ……姉さん……姉さん!
ごめんなさい……酷い事言っちゃって。

サヨナラ……。


「……やだよ!プリン!僕は悪くない!死なないでくれ!僕は捕まりたくないんだ!嫌だああー!」
「黙れ!さもないと裁判抜きでぶち込むぞ」
「……」


戻って来ました 真っ白な世界に。
空気が新鮮です とても涼しいです。
かつて私の恋人だった。
ブラッキー、貴方に会えて、嬉しいです。

「どうして来てしまったの?」
「コロサレチャッタノ……ブースター、ソウ、アナタノオトウトニ」
「そっか……それは運命だったんだね……」
「シカタガナイコトヨ、ウンメイハカエラレナイワ」
ブラッキー、少しは悲しんでよ……。
そんな心の突っ込みを知らず、ブラッキーは明るく笑う。
「良かった、プリンがここに来てくれて。僕、寂しかったよ?」
「ゴメンネ……」

トーンの高い声が。
ピンクの丸いポケモンから。
カールした毛がチャーミングな。
愛する妹よ。
ここに、永遠なれ。
皆の心に。永遠なれ。

沢山愛してました。
けど貴方はそれを知らない。
汚れを少しはは知りなさいというキモチで。
旅に出たのがいけなかったね。
ごめんね、プリン……。


「どうしたの?プリン、身体が光ってるよ?」
私の身体が、金に光る。
何かを忘れていた様なキモチ。

「オカリナ……」
「へっ?」
「オカリナトアネ……イル、モドラナイトダメ……サヨナラ、ブラッキー……ソウダ、イッショニキテヨ」
「駄目だよ、僕はこの汚れを知らない世界が好きなんだ…君はもう帰るの?」
「ワカラナイ……よ……私……ブラッキーと…会えて良かった。元気そうだね。じゃあね……『アリヴェデルチ』」
あっと言う顔をするブラッキー。
ごめんね、もう遅いよ。
私は誰よりも姉を愛してる。

bay bay……


「プリンちゃんの星だね……」
「サンダース、ありがとう気を使ってくれて」
「ううん、僕は気を使って何かいない…あんなくずのせいで……プリンちゃんが死ぬなんて……」
エネコロロは自信に溢れた眼を帰した。
「…プリンはまだ生きてる。私達への感謝を持って。ほら……」

ほら、玄関の前に。
1匹のプリンが立ってるでしょ。
大きな大きな花束を持って。
顔はクリームだらけで。
にこっと笑って立ってる。

「ただいま、そして結婚おめでと。姉さん」


END


すみません、変な感じになってしまいました。
第三話の最後はグロいです。そしてエロです。
エネコロロとサンダースは結婚して、プリンの家で暮らしてます。
嗚呼、初めまして、作者の抹茶味団子です。
これからもどうぞ宜しくお願い致します。


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Last-modified: 2009-12-01 (火) 00:00:00
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