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雄を欲しがるオンナノコ

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官能及び残虐表現がありますので、ご注意お願いします。





「お願い。おじさんのオチンチンを、ボクにちょうだい?」



「…………は?」

 可憐な少女の口を吐いて出た、赤裸々にもほどがある言葉の列に、オイラの思考は真っ黒な頭の中で一時停止した。
 いったい、何がどうしてこうなったのか。記憶をほんの数分前まで巻き戻して確かめよう。






 アローラ地方アーカラ島の東海岸を走る7番道路を、ワカツダケトンネルの南入り口手前で西に曲がって坂を上ればヴェラ火山公園に入る。活火山の峰というスリリングな場所柄ではあるものの、断崖からの眺めは絶景で、オイラ達のようなここならではのポケモンも多いため訪れる観光客は多い。客が多ければどうしてもマナーの悪い奴も混ざるわけで、そんな奴らが残したゴミを片づけて回るのがオイラの日課だった。
 大切な仕事だってのはよく解ってんだが、地味な役目が退屈で堪らなくなることもしばしば。歳の近い姉貴が華々しく活躍したという頼りを聞いた今日のような日は尚更苛立ちが募る。ジャッジさんにはオイラの方が姉貴より素養があるって言われてたのに。生まれる種族を間違えたばっかりに――!
 どうにもならんことで悩んでも仕方がない。さっさと仕事を済ませて寝床に帰ろう。茂みに落ちていたピンク色のゴミを背負った籠に放り込む。……うへ、使用済みのサックでやんの。多分人間用の。こんなところまできて盛りやがってリア充め! 忌々しさに毒吐きながら、茂みの奥へと踏み入っていく。

「う~ん……」

 ……?
 何だ? か細い呻き声が聞こえる。
 草を描き分けて黒い頭を奥に潜らせると、緑の髪を紅い飾りでツインテールに結んだ人間の少女が、白いスカートの裾を広げて座っている後ろ姿を見つけた。
 やべ、見ちゃいけねぇお花詰みをしてるとこだったか、とも思ったが、ペタンと尻をつけた座り方を見る限りそういうわけでもなさそうだ。

「どうしたい嬢ちゃん? どっか苦しいのかい?」

 呼びかけに振り向いた顔を見て、自分の勘違いに気づく。
 服と見えた身体と同じ純白の顔立ち。こいつは人間じゃなく、ポケモンだ。アローラじゃ野生の仔は見ねぇが、余所からきたトレーナーが連れているのを見たことがある。確かキルリアとかいう種族だったか。

「あ、こんにちは。ううん、そうじゃないよ。ボク、これが使いたいんだけど、使い方が分からなくて困ってたの」

 途方に暮れた様子でキルリアは、胸元に携えていた物をこちらに見せた。
 楕円状にカットされた、青緑に透き通る美しい石。中心から八条に走るアステリズム模様が神秘的に輝いている。

「こいつぁ……?」
「目覚め石、だよ。ボク、エルレイドに進化したいんだ」

 エルレイド。乏しい知識の中から、その名前に関する情報を辿る。
 確かにキルリアから進化するポケモンだ。だけど、目覚め石を使ってエルレイドになるキルリアつったら……?

「あ、悪ぃ。ひょっとして嬢ちゃんじゃなくて、坊ちゃんだったか? オイラてっきり……」

 そう、エルレイドに進化できるのは、雄のキルリアだけ。だからエルレイドになろうとしているこの仔は当然雄のはずだが……?

「ううん。ボク、雌の仔だよ」

 しかし、キルリアはかぶりを振った。

「やっぱり、雌じゃエルレイドには、なれないのかな……?」

 あ…………。
 そういう、ことだったか。
 つまりこのキルリアは、ヤトウモリであるオイラの逆……いや、同じなんだ。生まれちまった性に、未来を縛られてやがる。
 なれるわけねぇだろ、で片づけるなんて、オイラにはできねぇ。こいつの気持ちが嫌と言うほどよく……ん?

「ちょっと待った。嬢ちゃんキルリアだよな? キルリアはエルレイドになれなくたって、他に進化系があったんじゃなかったっけか?」
「うん。サーナイト」
「だったら、無理にエルレイドにならなくったってそっちを目指せば……」
「ダメなんだよ。ボク、サーナイトには向いてないんだ」

 他に道があるならその望みすらないオイラよりゃマシなんじゃねぇかとも思ったが、そう単純な話でもないらしい。キルリアは悲しげに語る。

「〝特攻〟ってわかる?」
「ん、特殊攻撃力のことか? へへ、自慢じゃねぇがオイラトップクラスよ」
「そうなんだ。いいなぁ……。ボク、その特攻が生まれつき全然ダメなの。性格もまるで特殊系の技には向いてないんだって。物理系の技だったら自信あるんだよ。影打ちなら家族で一番ボクが強いもん。でも……」

 硬く握られたキルリアの白い拳は、繊細そうな容姿とは裏腹に筋肉が力強く浮き上がっていた。

「サーナイトは技も能力も特殊系ばかり強くて、物理が強くても意味ないんだ。エルレイドに進化できれば、力も強くなってサイコカッターとか強力な技もいっぱい覚えられる。念力を使うのにいちいち瞑想を積まなくても良くなるんだよ。だから早く進化したいのに、みんな『お前は雌だからダメだ』ってさ……」
「嬢ちゃん……」

 こりゃあある意味、オイラより深刻だな。
 進化できなくたってオイラはヤトウモリとして働いていけてるけど、この嬢ちゃんはあまりにも個体の能力が種族のそれと反しちまってる。キルリアとして生きることさえ難しいわけだ。

「オイラも何かできるもんなら何とかしてやりてぇけどなぁ……。悪ぃがこればっかはどうしようもねぇよ。チンチンがついてなきゃ、エルレイドにはなれっこねぇ。それが天が定めた運命だもんなぁ……」
「オチンチン、かぁ……」

 つい露骨すぎる呼称を口走っちまったが、それをこうも恥じらいもなく復唱されるとこっちの頬が加熱しちまう。思わず口ごもっていると、唐突にキルリアは顔を上げた。

「ねぇ、おじさんはオチンチンを持ってるんだよね?」
「え゛? あ、あぁ、そりゃ雄だから持ってるがよ……?」

 戸惑うオイラに、キルリアは詰め寄って紅い眼差しで真剣に見つめる。

「じゃあ、お願い」

 そして、こうなったわけだ。



「おじさんのオチンチンを、ボクにちょうだい?」



 よし、OK。
 話の流れとしては分かったが、しかし言うか普通?

「オチンチンさえあれば、エルレイドになれるんでしょ? ボク、どうしてもエルレイドになりたいんだ! だからおじさんのを、ボクにちょうだいよ?」

 いやいや、くれと言われてやれるもんじゃねーだろいったいどーしろと?
 つーか台詞がやべぇって。事情を知らん奴が聞いたら、まるで――
 まるで……?
 不意に。
 毒々しい思考が、尻尾を伝う炎の腺に脈を打たせた。

「いーぜぇ……。オイラのチンチン、嬢ちゃんにくれてやるよ」
「ほんと?」

 表情を輝かせたキルリアに、オイラは漏れかけたヨダレを舌で拭いながら囁く。

「その礼にってことでよ、嬢ちゃんのマンコもオイラにくれねぇか?」

 下心が口調に混ざるのを抑えきれなかったが、キルリアはきょとんと首を傾げただけだった。こいつ、マジで何も知らねぇのな。エスパーならではの感受性の高さでこっちの思惑なんぞ見通されそうなもんだが、見通せても知識がなけりゃ対処のしようもねぇか。

「オイラも嬢ちゃんと同じさ。才能はあっても雄ってだけでエンニュートにゃ進化できねぇ。サーナイトみたいな別の道もねぇ。雄のヤトウモリは一生ヤトウモリのままだ。だが、嬢ちゃんがマンコをくれたら、オイラも進化できるかもしれねぇ」
「そうなんだ……。いいよ。ボクのなんていくらでもあげる。交換だね。一緒に進化しよ」
「よっしゃ!」

 するのは交換じゃなくて強姦だがな。まさに飛んで火に入る夏の虫。こうも簡単に騙されてくれるとは。
 天真爛漫な少女を騙してレイプするなんて罪悪感を感じなくもねぇが、日頃不遇を託っているオイラが少しぐらい美味しい想いをしようと思ったって、罰も当たるめぇよ。

「そうと決まったら、もっと奥の方へ行こうぜ。あんま他の奴に見られたくねぇことすっからよ」
「うん!」

 ふたり連れだって、背の高い茂みの奥へ入っていく。
 運命に気づいた獲物が悲鳴を上げても、草葉に遮られて届かなくなるように。






「この辺でいいかな」

 頭上まで覆うほど高く茂った草の狭間に、丁度キルリアを横たわらせられる程度の岩棚を見つけた。
 ここなら何をしようと、飛行ポケモンにすら覗き込めねぇだろ。後はこのまな板の上で料理するのみ。

「さぁ、早く交換しようよ!」
「慌てんな。まずはこいつを、胸一杯に吸っとけよ」

 背中から尻尾にかけて走る炎の腺に力を込めて、濃密なガスを噴出する。

「何これ? なんか、いいにおい……」

 フェアリーの彼女にオイラの毒ガスは効果抜群。たちまちの内に、紅い瞳がトロンと蕩け出した。

「まぁ、麻酔みたいなもんだ。敏感なところを交換するわけだかんな。それなりに痛い想いをする。少しでも楽な方がいいだろ?」
「あ……。フラフラしてきた。どうしよう、たってられない……」
「ここに寝っ転がりな。そしたら後はもう、オイラに全部任してくれりゃいいから」

 細い身体を支えて、岩棚の上に導く。
 頭を岩に打たないようそっと横たわらせると、オイラはキルリアの足下へと回り込み、しどけなく投げ出された緑の両足を掴んで、大きくこじ開けた。

「うひょお……っ」

 断崖の絶景が、そこに広がっていた。
 なだらかに膨らんだ緑の土手をスッパリと縦に割る秘裂は、淡くも艶やかな桜色。押し開くとまだ蕾の花弁が密やかに咲く。奥を覗き込めば、未開の聖地であることを証明する膜が確かに深淵に掲げられていた。すぐ下のすぼまりも実に健康的な色づきだ。
 このすべてが、これから一刻オイラのもの。あぁ、今日はなんて素晴らしい日だ!

「おじさん、くすぐったいよぉ……」
「ちょっとだけ我慢しな。これから嬢ちゃんのマンコを奪うんだから、しっかり解しとかねぇと」

 息を荒ぶらせた鼻先を秘裂へと近づけ、チロリと伸ばした舌先で花びらを舐める。

「ひゃあうっ!」

 堪らず跳ねたキルリアの脚を押さえつけ、舌を奥へと潜らせる。プニプニと柔らかな弾力を広げ、幾重にも重なった襞の感触を味わった。ここに挿れたら、どんだけ気持ちいいか……っ!

「……それが、おじさんのオチンチンなんだね」

 いつの間にか勃起したモノを剥いちまっていたみてぇだ。潤んだ紅い眼差しにオイラのが曝されてやがる。

「お、おうよ。どうだいオイラのは?」
「うん。カッコいいね……」
「へへ、照れるなぁ」
「欲しいよ……。ボクのに、したい」

 合意だと受け取った。
 自分に生やしたいとか、そんな非常識な解釈は知らん。知ってなんかやんねぇ。

「あぁ、待たせたな。今……くれてやるよ!」

 穢れなき純白の胸に、ドス黒い脚で這い登る。
 唾で湿らせた秘裂の断崖に、猛り勃ったこの身を投げ落とした。

「んああああっ!」

 突き込んだ先端を、ブチリと弾け飛んだ感触が打つ。

「へへ、破っちまった。さすがは処女、キツいな……よく締まりやがるぜ……!」

 熱い肉壁を掻き分ける毎に、開かれた襞がチンチンを包んでいく。凄ぇや、オイラ、本当に処女とヤってるんだ!

「痛い……痛いよおじさぁん……っ!」

 破瓜の苦痛に顔を歪ませて苦悶の声を上げるキルリアの手をそっと握って、努めて優しく囁きかける。

「頑張れや、雄になりてぇんだろ? 雄の仔は辛くたって泣かねぇもんだ」
「うん……うんっ!」

 涙を滲ませながらも笑って頷く様子が何とも健気でいじらしい。長引かせるのも可愛そうだ。さっさと済ませちまおう。

「ゆっくり呼吸を落ち着けろ。力、抜けるか?」
「こ、こう?」
「よし、いい仔だ。ちょいと激しくするが、堪えてくれよ」
「大丈夫……。ボク、雄の仔になるんだもん。何にだって堪えられるよ!」

 開いた緑の脚を抱え、尻尾を立てて熱く滾った炎腺を躍動させる。
 絡みついた肉襞の一枚一枚が、ぬっぽりとチンチンを撫で上げた。

「あ、く、あぁぁんっ! 裂けちゃう……。ボクの雌が、壊れてく……。壊れちゃえ……っ! ボクは、ボクはエルレイドになるんだ……っ!」
「んはぁ、マジ気持ちええ……っ! こいつぁ名器だぜ……っ!」

 加熱した炎腺がざわつき始めた。こんないいマンコ、幾擦りも保ちゃしねぇ。

「出る……っ! 嬢ちゃん、出すぞっ!」
「あぁ、オチンチンを出してくれるんだね……? やっとエルレイドになれるんだ。嬉しい、嬉しいよ……。あぁぁぁっ!」

 震える細身を抱き寄せて、とどめとばかりに腰を震った。

「ぬおおおおおお~~っ!」

 どくっ! どくっ!
 チンチンが脈を打って熱いマグマを噴出し、神聖な谷間を猛毒で満たしていく。
 とうとう、中出しを決めちまった。処女の秘裂に。
 最高だ。
 ヤトウモリの雄として生まれて、初めてオイラは雄で良かったという悦びを全身に感じていた。






「ふぅ……良かったぜ嬢ちゃん。気分はどうだい?」
「何だか、変な感じ……あんなに痛かったのに、すっごく身体の中が満たされてるみたい」
 
 キルリアは茫然と、自らの股間を拭う。
 指先を染めた鮮血混じりの白濁液を、紅い瞳が興味深く見つめた。

「何コレ……ベトベトしたのがいっぱい出てくる……?」
「そいつぁオイラの出した雄の種だよ」
「そうかぁ……交換ってそういうことだったんだね。この種が、ボクにオチンチンを生やしてくれるのかな? そしたらボク、エルレイドになれるんだよね?」
「…………」
「おじさん?」

 ……やっぱ、ダメだ。
 調子に乗ってヤっちまったけど、コトを済ませてみると罪悪感が酷ぇわ。ここまでオイラを信じ切って身を委ねてくれた純真な娘を、騙してレイプしちまったなんて。
 どうせいずれバレちまうし、だったらさっさとゲロって謝って、穏便に済むよう言い繕った方がマシか。

「なぁ嬢ちゃん、いい想いをさせてくれたとこ悪ぃんだが……済まねぇ、騙してた。こんなことしたって、エルレイドにゃ進化できねぇよ」
「え…………っ?」

 絶句した声が凍てついて響く。まともに顔も向けられやしねぇ。

「ありゃあ交尾っつって、タマゴ作りのためにヤることだ。性別の交換どころか、雄が雄であり、雌が雌である意味そのもんだ。オイラたちの親たちもその親たちも、ずっとやってきたことなんだ。だから、それで性別違いに進化できるぐらいなら誰も……オイラも嬢ちゃんも、苦労してねぇんだよ」
「……」

 キルリアは、ただ静かに黙っていた。

「まぁよ、考えようによっちゃまったく無駄ってわけでもねぇんだぜ? 嬢ちゃんの資質も性格も、息子を産んで遺伝させりゃ立派なエルレイドになれるんだからよ。オイラと嬢ちゃんとじゃタマゴはできねぇが、予行演習になったとでも思ってくれりゃいいだろ。な?」
「…………」

 我ながら身勝手すぎる屁理屈に反吐が出そうだったが、しかしやはりキルリアは何も言わないまま。
 やっぱ怒っちまったか? それとも泣き出しそうなのを堪えてんのか?
 心配になって顔を覗き込むと、 



「ねぇ、お願い。おじさんのオチンチンをボクにちょうだい?」



 爛々と燃える視線がオイラを貫き、前と同じ要望を繰り返した。

「は……? い、いや、だから、ヤったって無駄だったって……?」
「うん。あの方法では、ボクは雄になれなかったんでしょ? だから、今度は違うやり方でおじさんのオチンチンをもらうの」

 不意に。
 途轍もない力に鷲掴みにされて、オイラは宙に浮かび上がった。

「へ……っ?」

 見えざる力は、オイラの下腹をなぞるように渦を巻く。
 スリットが押し広げられ、チンチンが揉まれて引きずり出される。

「じょ、嬢ちゃんがやってんのか? いったい何をするつもりで……? う、うぎゃっ! 痛ててててっ!」

 力の渦がチンチンの根本に集中し、締め付けられるような痛みが股間から駆け上る。

「何をするって? 言ってるじゃないの。オチンチンをもらうんだって」

 怒るでもなく、恨むでもなく。
 まるで素晴らしいアイデアを打ち明けるような微笑みで、キルリアは言った。



「おじさんのオチンチンを捻り切って、ボクのにするんだよ」



 うわああ最悪の手段に目覚めやがったぁぁっ!
 ままま待て待て、おかしいだろ? 手段の有効性云々以前に、何だこの強烈な念力は? こいつ、特攻が全然ダメなんじゃなかったのかよ? 毒ポケのオイラが超能力に弱いからってだけじゃ説明なんてつきっこねぇ。できもしねぇエルレイドへの進化を、大真面目に考えてんのはそのためだったろうが! さっき言ってたじゃねぇか。エルレイドに進化すりゃ、いちいち瞑想を積まなくても良くなるって…………瞑、想?
 ま、まさか。さっきからずっと黙ってたのって……?
 熱いはずの炎腺が、ゾッと冷気に襲われる。
 ヤバい。
 このままじゃオイラ、大マジでチンチン引っこ抜かれちまうっ?

「ひぃぃやめろぉ! やめてくれいいっ!」
「どうして嫌がるの? オチンチンをボクに明け渡せば、ボクは雄に、おじさんは雌になれてどっちも進化できるでしょ。お互い万々歳じゃないの」
「なれっこねぇぇっ! 小便もまともにゃ垂らせずダダ漏れにするしかねぇ身体になるだけだ! 雌になれるわけじゃねぇんだよ! つーかそっちだって無理! オイラのをつけたって雄になんてなれるわけねぇだろ!」
「やってみなけりゃわかんないよ。なった仔がいないならボクたちが前例になるんだよ! でももしやっぱりダメだったら、おじさんのが不良品だったってことでね?」
「酷っ! 勝率0%の賭にオイラの雄とプライドを勝手に張りやがったっ! 誰か、誰か助けてくれいぃぃっ!」

 泣けど叫べど、頭上まで届く草葉に遮られ、運命に気づいた獲物の悲鳴は誰にも届きっこねぇ。通りすがりの飛行ポケモンすら覗いてくれる望みは絶望的だ。

「おじさん雄でしょ? 雄の仔だったら辛くても泣いちゃダメだよ?」
「ああああああ……っ!」

 罰が当たったんだ。
 幼い雌の純真につけ込んで欲望のままにレイプした、その報いがこの有様だ。

「わ、悪かった! 済まなかった! ごめんなさいごめんなさいごめんなさい! 金輪際レイプなんてしません誓います! 許して……! 進化できないオイラから、雄としての拠り所まで奪わないでくれいぃぃぃぃ~っ?」

 涙を迸らせてもがく我が身が、何とも惨めでいじましい。
 当然ながらそんな哀願は、天にも、そしてキルリアにも届きゃしなかった。天使のような無邪気な笑顔が、冷酷に宣言する。

「それじゃ、オチンチンゲットだぜ!」
「ひぎゃああああああああああ~~っ!」

 ブチリ。
 世界が崩れ落ちるほどの激痛が地獄のどん底で炸裂して、オイラは目の前が真っ暗になった。


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Last-modified: 2019-06-02 (日) 02:14:03
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