「……暇だ、暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だァァァァァァァ!」
くそ、暇すぎる。今ならビリリダマでサッカーが出来る、そのぐらい暇だ!
「…………」
う……隣からものすごい威圧感が、うるさい的なオーラを出しながら無言でコッチを見てくる。
さすがにこのままではオーラで殺される。ひとまず謝らなければ……
「すまん、黙るからノーリアクションでコッチ見るの止めてくれないか?スチール……」
「…………」
うぅ……怖い。
ほぼ2mもある鉄の塊が目の前にいるだけでも相当恐怖心を煽られるのにそれがコッチを向いてただつっ立ってるなんて……
ふとスチールの方に目が行く、すると……
「……ギギ……」
……メタルクローを発動していた……
「イヤ!!スチール!!ちょっと落ち着いてはなすうか!!」
……呂律が回ってない、まさかここまでおびえるとは、まぁとりあえず脳内自己紹介、私はスチール、で目の前のヘタレは、一応私のトレーナーのバグ、遺跡で出会った当初から私を見て腰を抜かしていたが今も偶に情けない悲鳴を上げることがある。
……こいつ、もう腰が砕けてるみたいだ……今、凄く情けない顔してるぞ……バグ……
「ギギ……」
とりあえずメタルクローを引っ込めてやる、するとホッとしたような表情を浮かべる。
その表情が非常にムカついたため軽く蹴飛ばしてやった。
奴は頭を押さえながらコッチに近づいてくる、多分私を叱る気なのだろう、さすがに悪いと思い一歩ずつゆっくりと近づいてやる。
「え?ちょッ!な、なにする気だ?!」
……ハァ……こいつどこまでヘタレなんだ……?最後、声が裏変わってたぞ……?
「ギギギ」
とりあえずその場に座って説教を受ける体勢にしはするが奴は腰が引けてしまい部屋から逃げるように去っていった。
……ダメダメだな、こいつ……
場所が変わって現在居間、ごろんと寝っ転がりあいつがボールを持ってくるのを待つ。
ヘタレで間抜けだがバトルの知識はずば抜けている。正直、鋼タイプが炎タイプに勝てる指示を出せるのはこいつぐらいだろう。
「スチール、準備出来たぞ」
「ギギ」
軽く返事を返し、のそのそと玄関へと向かった。
やってきたのは近所の公園、まだ幼いトレーナーが元気にバトルをするような場所。
そこで私をボールから出した状態でベンチに座っているバグ(ここでは手持ちポケモンをボールから出していたら勝負を受けれるという合図)……場違いにも程があるだろう。……何を考えているんだ?
「キキ……ギ?」
とりあえず”何を考えているんだ?”とジェスチャーを交えて聞いてみようとしたが、バグはベンチから姿を消してしまっていた。チッ……何処いったんだ?あいつ……面倒だが探しに行くか。
ふぅ、自由すぎる主を持つと大変だ、去年の夏も「ハクタイの森を散策してくる!!」といい私と同じく手持ちで現在近くで座っているロックスと足の構造上超低空浮遊しながらロックスと会話を楽しんでいるフリーズを連れて散策に向かったが、三人仲良く迷子になり私が迎えに行ってやったことがあった。
あの時は
とりあえず彼処の粗大ゴミ二個を……コホン、仲間の二人を引き連れてあのバカを捜索する事にした。
そのためには先ずあの二人にバグが居なくなった事を伝えなければならない訳だが……果たしてあいつ等に私が言ったことを理解する事が出来るのか……其れだけが気掛かりだ。「おーい二人ともー」
「それでさぁ……って、ろっくすぅー聞いてる?」
「…………」
……ダメだ、ロックスは意識が異次元入りしてるし、フリーズに至っては私をガン無視している。
取りあえずはロックスの意識をこっちに引きずり戻さなければ……
「おーい……ロックスー?」
「……………………」
「…………;」
「あれ?、すちーるいたんだ」
「まさかお前今、私が居る事に気付いたのか……?」
「うん、今気付いた」
「……フリーズ……お前……」
「んー?何?何?」
「いや、何でもない」
本当は「一体どういう神経してんだ」と言いたかったが止めて置こう、無駄に喋りたくないし、其れよりもあの粗大ゴミ……コホン、ロックス(の意識)を早めにこちら側に戻さなければ……何でこうも面倒事が増えるんだ……もういっそ泣きたい……
もう、面倒だ、最終手段に出よう。
「許せ、ロックス……」
「ゴッ!……ぐぅ……」
「お帰り、ロックス」
「ぐぬぅ……スチール、貴様、いい加減其れを止めろ……俺の身が持たん」
「眠気は抜けただろ?」
「貴様にとって重要なのはそこなのか!!」
ロックスが右肩辺りを押さえながらこちらを怒鳴ってきた。さすがに
「すまなかったなロックス……さすがに悪かった」
「Σうぬぅ!?……貴様に素直に謝られると何か気持ちが悪いな……」
この言葉を聞き、私はロックスを一つの岩にした。
この後バグはペットボトルを片手に帰ってきて、無惨な姿になったロックスの看病に勤しんだのは言うまでもないだろう。
後書きらしき部分 鉄人形はこれで終わりです。 コメディーっぽいものになっていることを祈りつつ書き書きしてました。 ロックスさんはちょっと扱いが酷くなっちゃいましたけど器の大きい彼なら多分許してくれると思います 最後に読んでくださって有り難う御座います。
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