運命による物語 作•ジューダス
運命による物語 登場人物リスト
登場人物の紹介のページです。
「ーこれは昔のこの世界で起こったお話しです。
百年以上前、この世界全部を巻き込んだとても大きな戦争がありました。みんな、領土が小さい、とか、他の国も自分たちのものに、とか、それはそれはいろんな理由で戦争をしていました。しかし、戦争は10年経っても、20年経っても終わる気配がなく、各国の病院や戦場には、どの国も、ポケモンも、人間も関係なく、沢山の死体が出ていましたが、各国の王は止める気配がありません。実は王にももう止められずにいたのです。
誰もが、もう嫌だ、助けてくれ、と思いながらも戦争は続いていました。
しかし、そこへ8人の若者が現れ、4人の王に取り次いで一人一人に戦争終了の提案をして、見事それを成し遂げたのです!
それからやっと国民も落ち着き、世界に平和が戻りました。
4人の王は、これを感謝すべく、8人の若者を探しましたが、結局見つからず、神の化身としてすべての国に崇められましたとさ。ーおしまいっ!」
物語の本を読んでいたプラスルの女の子が本を閉じる。
「やっぱり、この物語の若者って、かっこいいよね!僕もそんな風になれるかな?お姉ちゃん。」
本を読んでいたプラスルの膝の上でお話しを聞いていたマイナンの男の子がこう言った。
「あんたはまだまだ小さいし、しかも、まだあたしの膝の上でお話しを聞いているようじゃ、まだまだね。」
プラスルのお姉ちゃんが言う。
「ぶーー。じゃあ、僕もっと頑張るもんっ!」
頬を膨らませながら、マイナンの男の子が言った。
「はいはい、頑張ってね。」
プラスルのお姉ちゃんが少々呆れ顔で言った。
ここはレミリアの王国、ダコスから少し離れた森の中。今そこに、フード付きの薄茶色のマントを着た男と、同じマントを着た、赤い体にクリーム色の毛があるポケモン、ブースターが息を荒げながら駆け込んできた。
「此処まで来ればもう大丈夫だろうな…ハァ、ハァ…。」
「そ…そうね。…此処までは…来ないでしょ…。」
二人(正確には一人と一匹)は、誰かから逃げているらしい。
「急に大きな声がしたと思ったら、何故か逃げるように言われて…そこで逃げた私はいいが、民は、兵士達は大丈夫だろうか?」
「大丈夫よ。ローガイ。あの人達は、あなたを慕って毎日毎日訓練してたのよ。そう簡単にやられはしないわ。」
「そうだったな。信じない私が愚かだったか…。ありがとう。ビファール。」
「どういたしまして。…と言いたいけど、まずはあなたが無事でいないとしょうがないでしょ。早くもっと遠くへ逃げましょう。」
その時、小さい声が聞こえてきた。
「おーい。そっちはいたかー!」
「ダメだ。見つからない。そっちは?」
「見つかったら聞かねーよ。」
何かを探しているようだ。しきりに周りをキョロキョロしている。
「まずい…。こうも囲まれちゃ、下手に動けない…。仕方ない。強行突破だ。…いくぞ、ビファール。」
「え…。「あれ」をやるの?」
「ごめん。だが、頼む。」
「仕方ないわね。…いくわよ!「かえんほうしゃ」!」
ビファールは茂みから飛び出すと、近くの兵士達三人に炎を浴びせる。
「「あ、あっちぃ!」」
そのうち二人は炎を浴び、異口同音に叫び、のた打ちまわる。
しかし、一人はかわし、ビファールに反撃しようとするが…
「ウッ…」
とうめき声を漏らし、気絶する。
ローガイが、木でできたバットで殴ったのだ。
「おい!こっちで何か音がしたぞ!」
「みろ!逃げ出した王族どもだ!つかまえろ!」
どこにこんなにいたのか、沢山の兵士達が襲いかかってくる。
その数、実に30はいるだろう。
「よし!逃げるぞ!」
「わかった!」
ローガイ達は、一目散に逃げ出した。
悲しみと、復讐の念を心に刻み込んで…。
「やっっっと着いたわねー。私、もう船はこりごり!
今度から車にしましょ、車!」
「運転出来たらとっくに乗って来てるんじゃねーの?」
「う…五月蝿いな!」
私は、今黄色のピンとのびた耳に、ギザギザの尻尾があるポケモン、ピカチュウが言い争いをしている。
「まあまあ、そこですぐ言い争いにならないの。イシュア、カーツ。」
そこでカイリューが止めに入る。
確かにこれ以上続けても仕方無いので、
「「はーい。」」
と返事し、素直に従った。
…っと、自己紹介が遅れたけど、私はイシュア。学生です。ここに来たのは、この近くの歴史の専門の学校に入ろうと思ったから。
あと、このピカチュウはカーツ。
さっき止めたカイリューはネイム。
二人共バトルは強いの。でも生活や、行動に少々問題が…
「何してんだー!早くいこうぜー!」
わぁ、ちょっと待ってよ。ひどいなぁ。
「ちょっと、待ちなさいよ!」
と言いながら2匹のあとを追いかける。
「ーえっと、イシュアさんと、ピカチュウ、カイリューの3人だね。
ようこそ。はい、じゃあこれが部屋の鍵。」
と言って、10センチぐらいの銀色の鍵を渡して来た。これが部屋の鍵なのだ。
「部屋は上の205号室だからね。あと、わからないことや、何かあったら下の101号室へきてくれ。そこにいるから。」
何か聞きたいことはあるかい、と聞かれたので首を横に振った。
「じゃ、頑張ってね。それじゃ。」
そういって、管理人の男の人は自分の部屋に戻っていった。
「じゃ、私達も部屋にいこうか。まだちょっと寒いからね。」
階段を上り、部屋の前へ来て、鍵を開け、中に入る。
「いやはや、結構立派だねぇ。」
そう思うのも不思議ではない。綺麗に清掃されたシンクに、アパートにしてはちょっと広い居間。
どれをとっても立派である。
そのとき、ネイムが思い出した風に、
「私は、そろそろ夕食だから、材料買ってくるわね。」
「ありがと、ネイム。頼むわ。」
それを聞いて、ネイムが部屋から出て行く。
「…じゃあ、ここは私が使うから、あんたはそっちで昼寝でもしてなさい。」
「なんでだよ。広いから同じ部屋だっていいだろ。」
「あれ~。キミはそんなに私といたいのかしら~?」
「俺は向こうに居るわ。」
「よろしい。」
そうこうしてるうちに、ネイムが帰って来て、夕食を作り始めた。
ほどなく、いい匂いが漂ってきた。
「ねえ、ネイム。今日の夕食は?」
「今日は、ご主人特製カレーですよ。」
忘れてた…ネイムの主人は私ではない。私のお母さんだ。
お母さんは、仕事が手放せなく、でも心配なので、ネイムを私に同行させたのだ。
だから、ネイムが「ご主人」と言ったら、私のお母さんのことだ。
3分後、綺麗に盛り付けられたカレーを食べながら、私はなぜだかこう思った。
この後ここをすぐに出る事になりそう…と。
あの後、布団で眠ったイシュア達。
その後、日が登りだし、辺りを闇から光へと導く。
「イシュア、カーツ、起きなさい。もう朝ですよ!」
エプロンを付けたカイリュー、ネイムが怒ったように2人を起こそうとするが、なかなか起きない。
しかし、ネイムは何を思ったか、フライパンとお玉を持ってきて、イシュア達に近づく。
「さあ、目覚の時間…おっと。忘れてた。…これこれ。」
ネイムは、エプロンのポケットから耳栓を取り出し、耳にはめた。
「イシュアとカーツは…うん。付けてないわね。
……いくわよ。秘技!死者の目覚め!」
そう叫んで、手に持ったフライパンとお玉を打ちつけ、鳴らし始めた。
普通の死者の目覚めでも十分うるさいのに、それを人間よりパワーがあるカイリューがやったら、どうなるかは想像は付くだろう。
「「うわぁぁあぁあああぁぁぁああぁぁぁあぁあぁあぁあああぁあぁああああぁああぁぁぁあぁあぁあぁぁあぁあぁあぁあぁぁぁぁぁぁあああぁあぁぁあああぁあぁぁあああぁあぁぁあああぁあぁぁあああぁっっっっっ!!」」
「ーもうっ!あれは止めてって言ってるでしょっ!
あなたの力で叩いたらお玉も、フライパンも壊れてお金かかるでしょ!
しかも、毎日毎日あれじゃ、耳が持たないのよ!」
「そうだぜ!俺はもう聴力が…」
イシュアとカーツが怒鳴っている時に、電話がかかってきた。
「こんな時に…誰かしら…?
……はい。もしもし。」
その直後、イシュアの顔が驚きに変わり、慌てた風に電話を切った。
「誰だったんだ?」
「…父さん。…開拓の手伝いをしなさいって…。」
「「嘘!昨日来たばっかりだろ!」じゃない!」
「そう思ったけど、迎えの船が1時間後くらいには来るって…。」
部屋に先ほどとは違う、重苦しい空気が漂う。
ーかれこれ1時間後
私達は港に来ていた。とはいってもカーツとネイムはボールの中だけど…。
しかし…遅い!
人の夢を踏みにじった上に、時間に遅れるなんて、サイテーね…あらっ?あの船…もしかして…。
「やあ。イシュア。久しぶりだね。…ほら、お前も挨拶ぐらいしとけよ。」
「お…お久し…ぶり…ですね…イシュアさん…。」
出た…。随分前に開拓に行ったサタキと、パートナーのワタッコ、シワルのデコボココンビ。
やっぱり相変わらずのようね。
「久しぶり。サタキ。シワルも相変わらず。
でも何、あんたが父さんの遣いなの?」
「お前も、変わらずに裏表激しいな…いてててっ!」
一言余計だったので、私は地面の石を掴めるだけ掴んでを投げつけた。
反応からすると、3hitはしたようだ。
「いきなり石を投げるな!痛いだろ!」
「あんたが余計なことを言うからでしよ!ドアホ!」
「誰がドアホだ!くそっ!まてっ!」
「あたしはあんたに捕まるほど遅くないし、体力もある!」
「黙れぇ!」
こうして、1時間弱の追いかけっこが始まった。
ー開始から約1時間後。
ようやくみんなが揃い、怒りも収まり、船に乗ってこりごりとイシュアが言っていた海へ再出発する事になった。
海に出て30分。
私はさっきから聞きたかった事をシワルに聞いてみた。
「そういえば、サタキって方向オンチなのに、よくここまで来れたわね。
「えっ…と、ナ…ナビが付いてるので、流石のサタキさんも来れたのでしょう。」
その時、操縦席のあるほうから声(絶叫?)が聞こえた。
「大変だ~~~!!まずい!これじゃ…くそっ。どうしたら良いんだ…?」
最初の声(絶叫?…ってしつこいか。)が気になったので、操縦席に行ってみた。
「どったの?何?操舵輪でも外れた?それとも、お化けでも出た?」
「心して聞け…ナビが…」
「ナビが?」
「……壊れました……。」
「ふーん。」
私の返事が以外だったのか、サタキの目が点になっている。
「何でだよ!」
「だって、海図見ればいいじゃない。」
「その海図も無いと言ったら?」
「…………ね。」
「へ?何だって?」
「貴様はさっさと死んでね!」
その後、サタキが滅多打ちにされたのは言うまでもない。…だろう…。
「仕方ない。近くの島に上陸して、海図を手に入れないと…。」
そこでカーツが、
「潮の流れに任せればいいじゃないか。」
と言ったが、それはそれで危ない。
ああ…やっぱりこの馬鹿野郎を信じるんじゃなかった…。
ここは、山の近くの港町。
その村にはちょっとおかしなポケモンがいた。
頭にあの猿の妖怪が付けられたような金の頭飾りをつけ、その頭飾りに大きな真紅の宝石が埋め込まれていたのだ。
…これだけなら別になんとも思わない。しかし、そのポケモン、タツベイは、凄い口数が少ないのだ。
いつも同じような表情しかせず、それゆえに凍った男と呼ばれている。
その男は、遂にもう町にいて欲しくないということで話がまとまり、14歳ということもあってか、小ポケ院に送られる事になった。
タツベイたちが港で待っていると、船がやってきた。
「おーい!こっちだこっち!」
やがて船が来て、タツベイを押し付けるように船に乗せた。
食料と船の燃料を渡すと、船は港を出航していった。
その後に本当の小ポケ院の船が来たという…。
自己満足程度の駄文ですが、読んでいただければ、幸いです。
誤字脱字、その他何かあれば遠慮なしにどうぞ。
最新の10件を表示しています。 コメントページを参照