作者:COM
誰でも色んな体質なんかを持っていると思う。
花粉症やアルコールに対する耐性の有無、怪我が治りにくい人や化学物質が全く肌に合わない人。
自分もその例に漏れず、とある体質に問題を抱えていたのだが、これがそういった一般的な体質ならばあまり大きな問題にはならなかったのだろう。
まあわざわざこんな前置きをするぐらいだから、つまりは何かが既に起きてしまったということだ。
「さて……どうしたものか……」
目の前にはモンスターボール。
目下の悩みの種はこれだ。
別にポケモンアレルギーという訳では無い。
寧ろその方がまだ対処が楽だったことだろう。
前述した通り、自分にはとある体質があるのだが、これがあまり一般的ではなく、それでいてそれが如何に重篤かという認識があまり浸透していないことが起因し、この面倒な状況に陥っている。
というのも、このモンスターボール、自分のものでは無い。
同僚から、少しの間だけ面倒を見て欲しいとほぼ強制的に受け取らされたのだ。
同僚の言う『少し』が数分なり数時間なりの話なら構わないが、数日となると体質の問題で受け取れないことは普段から公言しているし、その場でも懇々と言ったのだが、精密機械を扱う場所での研修ということもあり、必ずポケモンを預けてから来るようにと言われていたことを忘れ、ポケモンを一匹も持ち合わせていない自分に縋り付き、終いには押し付けて去っていったというわけだ。
そんなどうしようもない奴から渡された物だとしても、ポケモンに罪は無いし、邪険に扱う訳にはいかない。
別にポケモンが嫌いなわけでも苦手なわけでもなく、寧ろポケモンの事をよく思っているからこそ距離を置いていた。
というのも、その特殊な体質というのが、どうもポケモンを魅了してまう匂いを発してしまっているらしい。
らしい、というのも自覚症状が一切無いからだ。
これでも少年時代はイケイケのポケモントレーナーだった。
明日は未来のチャンピオン、と意気込み毎日ポケモンバトルの特訓に相棒と打ち込んでいたのだが……異変が訪れたのは自分が思春期を迎えた頃だった。
いつものように特訓を終え、風呂に入り、夕飯を済ませて相棒と共に床に就いたまではよかった。
だがその日の晩、下腹部に違和感を覚えて目を覚ますと、相棒のガーディが自分のちんぽにむしゃぶりついていた。
性知識の無かった当時の自分はただただ困惑しながらも、本能的なその快楽に身を委ね、そのまま相棒に精通させられたのだが、問題はそれだけでは終わらなかった。
次第にガーディの性的なスキンシップは場所を選ばなくなり、自室では遂に一線を越え、何も考えずにウインディに進化させたのが止めとなり、最早力関係が変わったウインディに搾り取られるようになっていた。
更にその悪影響はどうも野生やら他のトレーナーのポケモンにまで及んでしまうらしく、このままでは収拾がつかなくなると自ら医者に駆け込んだ。
結果分かったのが、自分の汗にはポケモンを発情させてしまう特殊な匂いが含まれているのだろう、というものだった。
というのも、そういうものにはあまり前例がないため、何が原因なのか対処療法的に対応する他なく、制汗剤を使ってみたところこの体質の効果が薄くなったことでようやく原因が判明したというほど特殊なものだからだ。
ガーディが急に発情したのも、性的に習熟し、子を成せる状態になった時に風呂に入り、汗腺が開いた事で最初に影響を受けた事が原因だろうということも分かったが、子供の身体にウインディの巨体は余りにも手に余るという判断の元、なくなく手放す事になってしまったのは今でも辛い記憶だ。
それ以降、外出の際は必ず自分の為に医師が特別に調合してくれた特殊な制汗剤を使用するようになり、制汗剤の影響であまり激しい運動をすると体温調節の観点から命に関わる可能性がある、ということでチャンピオンになるという夢は諦めざるを得なかったが、おかげで同時に体質に悩まされずに済むデスクワークの仕事を選ぶことが出来た。
当然会社にも他の社員のポケモンがいるため、自分の体質の話と汗をかくような事は出来ない旨を伝えていたため、別段会社で不自由することもなかった。
そう、今日までは。
本来ならば長時間ボールから出してやらねばポケモンにストレスになるし、食事を得られなくなるため空腹にもなってしまうが、一日だけならばここは心を鬼にしてボールから出さない方が賢明だと判断し、そのままにして過ごした。
そして翌朝、無理矢理押し付けてきたトレーナーといて一言文句を言いたい同僚の姿を探すが、どういう訳か姿がどこにも見当たらない。
「すみません。ヨシダは今日出社してないんですかね?」
「ヨシダさん? ああ、彼なら研修で一ヶ月戻ってきませんよ」
これは非常に困った自体に陥った。
ヨシダの言う『少し』はもう二度と信用しないとして、問題なのはそこでは無い。
一ヶ月もの間、よりにもよってパーソナルスペースにポケモンを迎えなければならないということは、その間世話をしてやらねばならない。
他人のポケモンであるため間違いが起きれば洒落にならないが、かといって一ヶ月間常に制汗剤を使うわけにもいかない。
内服薬として処方されているもの故、あまり多用すると身体に良くないし、なによりそんな量は無い。
誰か他の社員に事情を説明して渡したい所だが、育てるポケモンが一匹増える事の大変さは身に染みて知っている。
ダメ元でヨシダの同僚に訊ねたが、やはりヨシダ自身が一度無理を言っていたらしく、押し付けられた事を話すと同情はされたが断られてしまった。
結局自分が預かるしかなく、要らぬ心労が増えたせいでその日の仕事は全く手に付かなかったが、もうこうなった以上細心の注意を払う他ないだろう。
帰りに久し振りにポケモンフードと道具一式を買い、少しだけ懐かしい気持ちになりつつも、制汗剤の効果が切れる前に諸々を済ませなければならない為急いで家へと戻った。
趣味用の部屋にポケモンの室内飼い用の準備を整え、いざモンスターボールを開く。
中から出てきたのはグラエナ。
名前はおろか、どんなポケモンなのかすら教えて貰っていなかったため、完全初対面になるがやはり出された場所が全く見知らぬ場所で、本来のトレーナーではない人間しかいないとなると、途端にそのグラエナは牙を剥き出しにして威嚇してきた。
グラエナからすれば一日ボールに閉じ込められた挙句、密室で出されたとなれば目の前にいるのは誘拐犯にしか見えないだろう。
だが、ポケモンは賢い。
「ごめんよ。君のトレーナーのヨシダから暫くの間、面倒を見て欲しいとお願いされたんだ」
威嚇されても怯えずにしっかりとポケモンの目を見て、にっこりと微笑みながら敵意が無いことを伝えてトレーナーの事を伝える。
ポケモンは人間の言葉を理解できるし、よく人に懐いたポケモンならば子供相手でも大人しくしていられるほど寛容だ。
だからこそ敵では無いこと、同時に格下ではないことを伝えられれば良好な関係は築ける。
だが、一つ厄介なのがこのポケモンがグラエナだということだ。
グラエナは野生でも群れで生活し、群れで狩りを行う高度な社会性を確立したポケモンだ。
故に忠誠心が強く、一度決めた主人以外の言う事はあまり聞かない傾向にある。
だからこそ決して下手に出てはならない。
一度下手に出れば高度な社会性をもつグラエナの認識の中では、自分はグラエナよりも下になってしまう。
こうなると決して言うことを聞かなくなるので、グラエナよりも上であることを示し、同時に忠誠までは必要ないので制御できるような状況を整えておかなければならない。
ポケモンとの交流においては、人間以上にファーストインプレッションが重要になる。
だからこそ怯えた素振りを見せず、威嚇にも屈しない態度を見せ、それでいて相手を仲間として迎え入れようとしているのだと言葉ではなく態度で示す。
そうすれば……まだ少し警戒心は残っているものの、寄ってきて自分の手を嗅いでいるので敵意は無くなったようだ。
相手の体臭を覚えるのはポケモンに置いてはとても大事な挨拶だが、自分の場合はあまりそうも言っていられない。
軽く嗅いで警戒心が薄れたのを確認したらそのままそっと手をグラエナの顔に寄せてから顎の下を撫で、首を撫でる。
撫でる事に抵抗を示さないようであればこれで一先ず自分は一時的にグラエナを預かる立場の人間であると理解してもらえたことだろう。
すぐにポケモンフードと水鉢、それからトイレと寝床を用意してグラエナに目と指を使ってそれぞれの場所とそれが何かを教える。
同僚が普段どのようにグラエナを飼っているのか知らない以上、ポケモンも知らない事を前提に教えていくと、慣れない場所にも少しずつ慣れてきたのか、指し示した寝床に潜り込み、早速自分の匂いを擦りつけて自分のものだと誇示してくれた。
その後はドアを閉めていつものようにワイシャツを洗濯機に入れてシャワーを浴び、昨日の炒め物の残りと発泡酒で一日の疲れを癒して眠りに就く。
翌朝は制汗剤を使ってからグラエナに挨拶し、これから先暫くの事情を今一度しっかりと説明してから出社した。
とりあえずグラエナの事は一段落したこともあって仕事の方は順調そのもの。
後は何事もなく時間が過ぎ、ヨシダに酒の一杯でも奢らせればいいだろう、と考えていたが、久し振りにポケモンと触れ合うのはやはりよかった。
別にポケモンそのものが嫌いなわけではないため、一度は雄のポケモンなら大丈夫だろうとポケモンを手に入れたことがあったのだが、自分とパートナーの間には何も起きないが、自分の匂いが移ったパートナーの方が周囲の雌を狂わせてしまうためそれも泣く泣く断念したのだ。
その後も手を変え品を変え色々試したが、結論としてポケモンは眺めるだけのものとなった、といえば色々と苦労したのが理解してもらえるだろう。
仕事帰りにグラエナの様子を見ると、かなり退屈そうにはしていたが、自分の姿を見ると尻尾を振る程度には警戒心を解いてくれたようで安心した。
制汗剤の効果が切れない間なら軽いスキンシップならできるため、スーツだけ脱いでブラッシングついでに頭を撫でてやったが、この制汗剤を使い出してからはポケモンと触れ合う事を避けていたため、重要な事がすっぽりと抜けていた。
股の間で嬉しそうにしていたグラエナだったが、くるりと身体を起こして股間を嗅ぎ始める。
かと思えばあっという間に股間を舐め始めたのだ。
完全に失念していた。
確かに汗の発生を抑える効果はあるが、完全に汗をかかないようにする代物ではない。
鼠径部なんかは汗をかきやすい場所だが、かといって普通そんな場所を嗅がせるようなことはない。
だが、嗅覚の鋭いポケモンなんかはこの程度の触れ合いでも敏感に自分の匂いを感じ取ってしまったようだ。
急いで立ち上がったが、ポケじゃらしに夢中のエネコのようにもう止まらない。
千切れん勢いで尻尾を振って自分の股間を追いかけてくる。
気を抜いた自分が悪いが、急いで部屋を出て触れ合いを強制的に終えたが、よりにもよって三日目にして問題が発生したのはあまりにも先が思いやられる。
念のためにその日はグラエナのいる部屋には寄らないようにしたが、翌日以降も餌と水の確認はしないといけない以上、間違いが怒らないことだけを祈るしかあるまい。
翌朝、同じように制汗剤を使用してから念のために少しだけドアを開けて中の様子を確認したが、もう定位置にいない。
というよりドアを開けた隙間から既に視線がこちらに注がれている。
さあ困った。
ものの数時間で警戒心を持って接していたはずのグラエナが骨抜きになっている。
あまりにも久し振りで自分自身、自分の体質がどれぐらいのものなのか忘れ始めていたが、少しばかり効き目が強すぎるような気がする。
にわかには信じ難いが、もしかすると普段汗をかかないように抑えているのが原因で効き目が濃縮でもされているのだろうか? と思えるほどだ。
これまでは仕事の時間は面倒で、早く家に帰りたいと思っていたほどだったが、今ほど家に帰るのが億劫に感じる事はこの先絶対に訪れないだろう。
憂鬱になりながらも帰宅し、そっと部屋のドアを開けると、やはり定位置がベッドから扉の目の前に更新されていた。
「餌と水だけ確認したいから、少しドアから離れてもらえないかな?」
ポケモンは賢い。
自分の指示に従った方が賢明だと既に理解しているのか、扉の前からベッドへと移動し、フリフリと尻尾を振っている。
ポケモンの毛が付いてしまう事も承知の上で今度はスーツのまま部屋の中に入り、水とフードを足してトイレを掃除し、その間ずっと大人しくしていたグラエナの頭を軽く撫でてやる。
だが同時に自分の服からグラエナからすれば嫌な匂いがするのを感じ取ったのか、飛びついてくるような事はなかった。
念の為購入しておいたシルバースプレーが功を奏したようだ。
そのためスーツに飛び掛ることはなかったが、代わりにと言わんばかりに撫でる手がベロンベロンになるまで舐められた。
シルバースプレー作戦はポケモンの嫌がる匂いであるため、少々心苦しかったが、お互いの平穏のためにもこれでよかったのだと言い聞かせ、暫くはそれで対応することにした。
だが、グラエナが家にやってきてから一週間が経った頃、漸く大人しくなったと思っていた矢先に事件は起きた。
いつものように風呂を終え、身体を拭いていたその時、股間に違和感を覚えたのだ。
何度でも言おう。
ポケモンは賢い。
ここ最近大人しくなっていたと思っていたが、そうやって自分が普通に部屋に出入りするようになった頃、自分がどうやって部屋を出入りしているのかを注意深く見ていたらしく、シャワーを浴びる音が聞こえた時に部屋の扉を開けて出てきてしまったようだ。
レバータイプのドアノブで、特に鍵なども無かったため、体重を掛ければポケモンでも開けられる。
その上今の自分はシャワーを浴びているため裸、更には薬の効果も既に切れているためシャワーを浴びて汗腺は開いており、ポケモンを魅了する匂いが全開。
もう止まらない。
ベロベロと全力で自分のペニスを舐めてくる。
刺激されれば当然勃ってくるわけで、急いで止めさせようとしてもタオルぐらいしかないため、匂いの染み付いたもので覆うなど逆効果にしかならない。
なんとか身体を抱き上げて抵抗できないようにするが、その間顔をベロベロと舐められ続けた。
部屋に戻してとりあえず近くにあった届いてそのまま置いていたダンボールの荷物で扉の前に封をし、部屋から出られないようにしたがもう問題としてはかなり限界の所まで進んでしまっている。
たかだかポケモン一匹の為にドアノブを鍵式の物に交換してもらうにしても、高いし今すぐにできるわけではない。
かといって野放しにしているわけにもいかないが、かといって自分が招いた種でも無いのに何故自分がこんな事で気を揉まなければならないのかと馬鹿馬鹿しくなってくる。
その上ここ暫くは全く悩まされなかった性欲がこんな一件で舞い戻ってきてしまうのはなんとも言い難い。
自分でも幼少の頃の経験が原因で、普通に恋愛もして、恋人も作ったし、その恋仲の人と当然大人の関係も持ったのに、いまいちイけずにそのまま関係が悪くなって別れた経験は忘れていない。
てっきり不能になったものなのだとばかりに考えていたが、今回の一件ではっきりした。
こんな体質なのにも拘らず、ポケモンでなければイけない身体になっているということだ。
結局悶々とした気持ちは酒でなんとか紛らわし、翌朝ちらりと様子を見たが、最早隙間から覗き返してきている事は言うまでもなく、キラキラと目を輝かせてこちらを見つめ返してきているではないか。
仕事中も今後あの荷物を動かされるようになったならどうするか、ストレスで暴れ始めたらどうするかと悩みの種が増え、次第に仕事の効率も落ち始めた。
だがやはり予想通りというべきか、完全に発情してしまっているグラエナはストレスが少しずつ溜まり始めているのは目に見えていた。
明らかに毛艶が悪くなり、部屋で待っている間に走り回ったのだろう荷物のズレがそこかしこに見られる。
このまま夜泣きでもされれば近隣住民から苦情が入るのは目に見えている。
自分自身も少しずつこの問題が面倒になりつつあったのと、全ての元凶は俺の事情を考慮せずに自分の大事なポケモンを押し付けてきた同僚が悪いと半ば正常ではない判断で下した。
仕事が終わって家に戻るとすぐにスーツを脱いで肌着だけになり、餌とトイレを交換してから全力で甘えてくるグラエナを敢えて快く迎え入れた。
要は発散させてしまえばいいのだ。
以前はウインディだったせいで一切制御が効かなかったが、グラエナ程度の大きさなら最悪抱き上げれば無力化できる。
そのため今は全力で顔を舐めてきているが一切抵抗せずに舐めさせ、その間に指でグラエナの股間を撫でる。
発情中の雌ポケモン特有の陰唇がぷっくりと膨らんだ感触と、いつでも雄を受け入れられるように愛液が十分に溢れている雌穴にぬるりと指を入れてゆく。
やはりそういった経験はなかったのか、グラエナは一瞬身体を強張らせたが、すぐに指を受け入れた。
とはいえ初めての行為に不安を覚えたのか、顔を舐める速度はいっそう早くなる。
そのまま指を奥へ入れてゆくと一瞬グラエナが悲鳴を上げた。
その場から離れ、自らの股間を舐めだした所を見るに、やはり処女だったようだ。
軽い痛みで不安そうにしていたため抱き上げて暫くは撫でて不安を取り除いてやり、また顔を舐めだした辺りで今一度指を入れる。
少しだけ戸惑った様子をみせるが、しっかりと安心させながら指を入れてゆき、根元まで入ったところで軽く指を中で動かす。
ガーディの時に覚えたテクニックがまた役に立つ日が来るのは嬉しいやら悲しいやらだが、一先ずは喜ぶべきだろう。
口元をしきりに舐めてくるグラエナの舌を受け入れて落ち着かせ、根元から入口までを優しくこねる。
何度かそうする内に鼻息を荒くし、大きく身体を震わせた。
グラエナとしては初めての絶頂であるため、そのままキスを続けて安心させ、そのままベッドに戻して自分は風呂に入った。
とりあえず今はこれでグラエナの興奮を治めるしかないだろう。
だが、二度目、三度目と重ねていく内にやはりグラエナの方も刺激に慣れ始め、次第に尻をこちらに向けて誘うようになり始める。
完全に伴侶としてのパートナーとして見られており、これまでの行為はただの遊びだと気が付いているのだろう。
だがそれだけはダメだ。
確実にこのグラエナが戻れなくなる。
ネットで軽く漁っただけの知識だが、ポケモンにとって人間との交尾はかなり快感なものらしい。
だからこそ故意にそういった行為に及ぶのは御法度となっているとかなんとかという情報を見た事があるが、真偽は定かではないにしろ、一応他人のポケモンだ。
別に同僚の所に戻った後、このグラエナに襲われようが自分の知った事ではないが、それで苦しむのは間違いなくグラエナになる。
だが指で何度もイかせても満足する様子はなく、もう一度もう一度とせがむように舌を入れてくる。
ポケモンの方が圧倒的に体力があり、同時に欲に正直な分、人間の体力が追いつかない。
流石に疲れ果てても開放してくれる気配が無かったため、最終手段に手を出さざるを得なかった。
パンツを下ろしてグラエナが一番欲しているであろうものを御開帳する。
グラエナに手淫をしている以上、当然自分だって興奮する。
そのためギンギンに勃起したペニスからは既に先走りが溢れており、自分の体質も相まってグラエナからすれば極上の逸品だろう。
もう正直これだけは使いたくなかったが、色々と面倒になり始めていた。
待っていましたと言わんばかりにペニスをベロベロと舐め始めた。
久し振りの感覚と、自分にもかなり限界が近かった事もあって思わず声が漏れる程、グラエナの舌は気持ちが良かった。
必死すぎて自分のペニスがあっちこっちに振り回されているが、一度先端を拾われるとピタリと押さえてまた舐め始める。
そうする内に前足でペニスが動き回らないように押さえ込み、何度か舐めたられた後、自分も限界を迎えて久し振りに射精した。
びゅるびゅると飛び散る精液をグラエナはあっという間に舐めとってゆき、初めから何もなかったかのように綺麗に舐めきってから、まだ少しずつ溢れてくる先端を先程までよりも早い舌遣いで舐めとってゆく。
久し振りの感覚に自分も思わず身悶えしたが、漸くグラエナも落ち着いてくれたようで自分もそのまま風呂へと向かった。
とはいえ、一度口で舐めてもらえば次以降も求められる。
翌日も当然のように股間めがけて飛び込んできて、自分がパンツを下ろすのを今か今かと待っている。
下ろすと同時に少しだけ快感を思い出して僅かに大きくなっているペニスにグラエナがむしゃぶりつき、その間にグラエナの股間をまさぐるのがここ最近になってきていた。
そうする内に遂にグラエナは舌で舐めるだけでは満足できなくなったのか、口に招き入れて口全体でペニスを味わうようになりだした。
牙が当たらないようにしつつも、舌全体でペニスを包み込まれる感覚はとてもではないが人間には真似できない。
あまりにも心地よくて手が止まってしまうが、そうするとグラエナが自ら手のように下半身を押し付けてくるため、思い出したように弄ってあげる。
そのまままた射精してふと冷静になるが、これでは完全にグラエナの好き放題になっているではないか。
グラエナのためと思ってやっていたが、グラエナの悩みと仕事の忙しさで完全におかしくなっていた。
そこで急いで切り上げて軽くブラッシングするだけで済ませたが、やはり昨日まで満足いくまでさせていたのが原因でかなり不満そうな表情を見せていた。
翌日以降も同じように手で何度かイかせてあげ、自分のペニスは舐めさせないようにしたのだが、やはり満足していないようだ。
とはいえ冷静に考えてこれ以上を続けるのは非常によくないため、そのまま切り上げて風呂に入る。
が、遂に二度目の脱走が発生した。
やはりポケモンは賢い。
今度は自分がどんな手順で荷物をどかして部屋を出入りしているのかを覚えたらしく、開け放たれたドアの向こう側にはドアから遠くに離れた荷物が見えた。
しかしここ最近ずっと口で相手してもらっていたせいで自分のペニスも既に反応している。
逃げ出し方を覚えられた以上、今の自分ではもうグラエナを部屋に閉じ込めておく方法はもう思いつかない。
かなり重い荷物だったはずだが、それを動かせる以上、自分の筋力ではそれ以上の重さの物を毎日動かせば筋肉痛になるのは目に見えている。
そうなると出来る対応は一つ。
グラエナに従順に言う事を聞いてもらう他無い。
大丈夫。
ポケモンは賢い。
「いいか? 本当はポケモンと人間はこんな事をしちゃいけないんだ。だから、俺の言う事に従わないなら今後一切相手をしないからな? いいな?」
「ガウッ!!」
グラエナにそう言うと、嬉しそうに尻尾を振って答えている。
言ってしまった。
最早悪魔の契約だが、言う事を聞かずに暴走されると困るのは俺だ。
決して久し振りに致してしまったのが原因で自分自身、久し振りにムラムラして収まりがつかないとかそういうわけではない。
そうして身体を拭いて下着を着てからまずは食事を……と思っていたが、グラエナが今すぐにでもという目で訴えかけていたため、そのまま一旦グラエナに貸している部屋で事を致す。
パンツを下ろした時点でグラエナがすぐに駆け寄り、すぐにペニスを舐め始めた。
ペニスが充分な硬さを持つとグラエナはあっという間に口全体で味わうようにしゃぶりつく。
ペニスの下側を這うように舌がうねり、そして巻き付くように蠢きながら顔全体を動かして飴でも舐めるように前後に動く。
余りにも心地よい魔性の口に身を任せたくなるが、そのままグラエナのペースにさせていれば体力が持たなくなる。
むしゃぶりつくグラエナの身体を引き寄せて反転させ、ぷっくりと膨れたグラエナの雌を味わう。
獣独特の臭気と溢れる愛液、そして人間よりも高い体温か舌を伝い、寄せた口元に伝わってくる。
吸えば溢れ、舌を這わせれば初々しく収縮する。
自分から舐めるのは本能なのか、それともここ数日の慣れなのかは知らないが、こちらがお返しとばかりに同じように陰唇を抜けて腟内まで舐めると明らかにグラエナの動きが止まる。
快感に忠実だからこそ、今全力で性の快楽を味わっているのだろう。
何度も舌を使ってよく感じている場所を重点的に責め、完全に意識をそちらに向けさせると、軽く身体を震わせながら潮を吹き出した。
しっかりと絶頂させられたのなら大丈夫だろう、と体を抱き上げてそのままグラエナ用のベッドにそっと寝かせて部屋を出る。
息を粗げている所を見るに、相当具合が良かったようだ。
結局風呂上がりだったのにも拘わらず、またシャツがベチャベチャになったため着替え、そのまま夕食を済ませた。
翌日以降、グラエナとのスキンシップは風呂の前になり、一度イかせるまで続けて終わりという日課に変わり、そして当然のように俺の食事の時も横にちょこんと座るようになっていた。
万年床の中にも潜り込み、一緒に眠るのが当然のようにまでなっていた。
最早自分の相棒と言い張れてしまう程従順になっていたが、それはつまり貞操の危機でもある。
同僚の研修が終わるまであと一週間を切ったが、最早自分もグラエナの毒気に当てられ始めていた。
最初の頃のような必死さは無くなり、まるで旦那を迎える新妻のように玄関の前の通路で笑顔で待っている。
尻尾を振りながら横を付いて回り、鞄を置いてスーツを脱いでハンガーに掛け、ワイシャツを脱いで洗濯機に入れる様子を静かに、しかし獲物でも見るように鋭い視線で追いかけてくる。
遂に定位置は風呂場の前へと変わり、愛液で床が汚れないようにバスタオルを敷くのが合図となり、その上にグラエナが移動して尻をこちらに向け、期待に満ちた妖艶な視線を送ってくる。
あと数日。
そう思う一方で自らの下半身はこの快楽に正直に、あっという間に完全に勃起する。
舐められた訳でもなければ、今か今かとせがまれて身体が触れ合った訳でもない。
ただ静かに待っている。
ポケモンは賢い。
最早自分が口実を見つけなければならないほど、彼女に夢中になっているのだということに。
寝そべるとその上にグラエナが跨り、美味しそうに自分のペニスをしゃぶり始める。
同じように自分もグラエナの陰唇を舐め始める。
自分の舌使いすらすっかり慣れてしまったグラエナはもう口の動きを止めることは無い。
そのまま自分の舌を楽しみながら、自分をイかせ、精液の味までも楽しむ余裕が生まれていた。
あと四日。
もうすぐこの生き地獄のような状況から解放される。
そう言い聞かせるのが精一杯だった。
だからこそ油断していた。
グラエナの巧みなフェラにもうすぐイきそうだとなっていた矢先、急に刺激がなくなったと思ったら、グラエナは急に身体を動かした。
そう、自ら前に動いて自分の熟れた陰唇をペニスに狙いを定め、あっという間に呑み込んでしまったのだ。
これまで指二本より太い物を受け入れたことの無いグラエナの膣は、自分のペニスを根元まで咥え込み、がっちりと自らを快楽を味わっているのかきゅうきゅうと切なげに締め付けてくる。
突然の快感と久し振りの感触に思わず一瞬視界が明滅したような感覚に襲われたが、実際にグラエナに襲われており、これ以上の言い訳などしようも無いが、それでも最後の一線だけは超えてはならぬとグラエナの腰を掴み、ずるりと切なく絡みつく腟内から自らのペニスを抜き放った。
本当に紙一重だった。
自分のペニスが跳ね、精液が空中に解き放たれてゆき、グラエナの腰元を汚してゆく。
グラエナはくるりと身体を丸めて自らの膣を何度か舐めた後、もったいないとでも言うようにタオルの上の精液と、溢れてくる残りの精液を丁寧に舐めとってゆく。
そのまま続けようとしたグラエナを抱き上げて無理矢理一緒にシャワーを浴びて、身体にかかった精液を洗い落とす。
「俺の言う事が聞けないのか?」
本当なら一言、そう叱りつけでもするべきだろう。
だが、望んでいなかったと言えば嘘になる。
今の自分は叱れるほど欲に流されないとは言いきれない。
あと三日。
自分が携帯の目覚ましで目を覚ますと、同じように布団がもぞもぞと動いて起きてくるのが当たり前の景色となり、隔離するための趣味部屋にあったグラエナの為の道具一式は、隔離する意味の無くなった今では居間に揃えられ、一緒に朝食を摂るようになっていた。
「……じゃあ、行ってくるから大人しくな」
「ガウッ!」
遂には朝様子を確認するために部屋を覗き込んでいたのが、逆に見送られるようになっていた。
最早グラエナの処遇で悩まされる事は無くなったお陰で仕事はまた落ち着きを取り戻したが、もう夜の生活と呼んで差支えのなくなったグラエナとのスキンシップは文字通り肌と肌の触れ合いになっている。
ポケモンは本当に賢い。
一度した事、自分の様子、何もかもをよく観察している。
服を脱ぎ終わると寄ってきて、振っていた尻尾を横に逸らして尻を見せつけてくる。
ガーディもしていたからよく知っている。
それは、交尾の相手に見せる雌からのお誘い。
一度、たった一度気を抜いていたとはいえ、確かに自分はグラエナと正真正銘交わった。
これまでも一度経験したことは次以降もグラエナは求めてきた。
要は最後まで、ということだろう。
腹を決めるしかない。
もはや隠す気の無くなった自分のガチガチになったペニスを、遂に自分からグラエナの、愛液が滴るほどペニスを待ちわびている膣に宛てがい、挿入してゆく。
全体を包み込まれてゆく心地よい感覚。
漸く来たとでも言うようにぎゅうぎゅうとグラエナの腟内が収縮し、絡み付き、揉みしだくように蠢く。
挿入れているだけで凄まじい快感が押し寄せてくる。
だからこそ、そのままグラエナの腰を優しく撫でる。
これが快楽の最上級であると錯覚させればこれ以上を求めてくることは無い。
腰回りや尻尾の付け根を撫で回す度にぎゅうぎゅう締め付けてくる。
それほどにポケモンは快感を感じやすくなっているのだ。
だがやりすぎた。
グラエナが腰をくねくねと動かしたのが原因で、ペニスが少しだけ腟内から出た。
それを押し戻したほんのちょっとの動きだったが、一際ぎゅうと収縮し、それが心地良いと知ってしまった。
ステップを踏むように腰を動かし始めたため、すぐに果てないようにするために身体を引き寄せるとまた収縮し、そして腰を自ら押し付けてくるようになった。
覆い被さるように動きを止めていたが、自分の顔を舐める位には余裕があるらしく、腰の動きを止める様子は無い。
ならばとグラエナの身体を抱き上げる。
グラエナの体重をペニスと腕だけで受け止めるような姿勢となった。
もしこの瞬間だけを見られれば、自分はグラエナを羽交い締めにして犯している変態にしか見えないだろう。
そんな姿勢のまま、下から突き上げる。
下手に暴れられる位ならこれでいい。
一番奥、グラエナの大事な部分に自らのペニスが届いているのが感触と切ない鳴き声からすぐに分かった。
そのままぐちゅぐちゅとグラエナの中を掻き回し、射精寸前で一気に引き抜いた。
タオルの上へ精液が飛び散り、暫く一人と一匹息を粗げていたが、もう回復したとでも言うようにグラエナは飛び出し、またペロペロとあちこち舐めて回った。
あと二日。
もうグラエナは完全に雌の顔をしている。
体質関係無く、一度身体を重ねてしまった以上はグラエナからすればそんな態度をとっても何もおかしくはない。
おかしいとすれば、押し付けられたはずのポケモンと結局こういう関係になってしまったということだ。
どう考えてもこのままヨシダの元に返しても絶対に丸く収まらないのは分かりきっているが、かと言ってどうしようもない。
思わずウインディとの青春を思い出してしまうが、あの子も思えば体格のせいで制御が効かないだけで基本的にはとてもいい子だった。
そういう意味ではまだ抱え上げればギリギリ制御できるグラエナは丁度いいのかもしれない。
いや、このようなことを考えている時点でもう駄目なのかもしれない。
そうする内にまた夜。
グラエナは今日も期待の眼差しを向けている。
……分かっている。
本当は想像妊娠でも構わないから、最後まで終えない限り発情は治まらない。
もうここまで来たら最後までやっても一緒な気がするが、一応最後の理性……ということにしておきたい。
最早手馴れた動きでいつものセットを準備し、グラエナの身体を引き寄せるとペロペロと顔を舐め、そして尻を差し出してくる。
挿入すればたった二度のの経験のはずなのに、もうぴったりと収まっているような感覚が襲ってくる。
肉体的にももう自分が伴侶なのだと示してくるような気がする。
先端から根元までみっちりと包み込み、それでいてリズミカルに収縮する膣内は正に名器。
そしてやはりこちらの腰の動きに合わせて腰を動かし、少しでも大きく腰を引こうとすると腰を押し付けてくる。
ならば昨日と同じしかないが、当然抱き上げようとすると主導権を握られる事を理解しているから全力で抵抗してきた。
とは言っても全力で顔を舐めながら身体を反転させようとしてくるぐらいで、お互いが怪我をするようなことはしない。
だが流石にこれ以上暴れられると最悪挿入中故不慮の事故が発生しかねないため、諦めてグラエナの身体を一度下ろしてペニスを引き抜き、身体を仰向けにさせる。
何度も搾り取られたからよく知っている。
向かい合わせでのセックスはかなり深く挿入できるため更に気持ちがいい。
グラエナがそんな事を知っているはずがないので、恐らく自分が率先して動いているから任せているだけなのだが、これではどっちが襲っているのか分からない。
だがもう自分から仕掛けた以上、常にコントロールするしかないだろう。
期待にグラエナの尻尾がバサバサとバスタオルを擦っているが、ペニスの先端が触れるとピタリと動きが止まった。
ずぶり、ずぶりと魔性の肉壺に自ら侵入してゆく。
恐ろしい程すんなりとグラエナは自分のペニスを受け入れ、鼻を鳴らしている。
ぐにゅぐにゅと膣内をかき混ぜ、グラエナの中を堪能すると、お返しというように息を切らしながら舌で顔を舐めてきた。
その舌を受け入れ、ガッチリと身体を固定して全力で腰を振る。
そうして果ててしまう前に一気に引き抜き、グラエナの腹を精液で汚していった。
漸く訪れた最後の日。
久し振りのポケモンとの触れ合いそのものは久し振りであり、とても新鮮で、そしてとても楽しかった。
だが、たった一ヶ月の触れ合いで警戒心を剥き出しにしていたグラエナがこれ程までに骨抜きになった所を見るに、やはり自分はポケモンに関わるべきではない。
仕事は終わったが、家に帰れば最後の一仕事が待っている。
この準備も最後になるが、丁寧にバスタオルを準備するとグラエナは何も言わずに仰向けになる。
恋人同士のように優しく唇を重ね、そしてペロペロと舐め始めたグラエナの舌を口の中へと受け入れる。
最後だからこそ丁寧に、初めての逢瀬のように優しく進める。
首元から優しく撫で、少しずつ腕を下ろしてゆく。
胸、腹と撫で回し、そして柔らかく膨れた陰唇に触れる。
指で入口を開き、満たされた愛液と指を絡めて滑りを良くしてからつぷりと入れてゆく。
ぐちゅぐちゅとかき混ぜて音を立て、中を十分に解してから一度身体を起こしてペニスを沿わせる。
根元から手で押し付け、ぐいと入口を拡げてそのまま滑らせて先端を押し込む。
するとあっという間にペニスがグラエナの中へと滑り込んでゆく。
ペニスの動きに合わせるように覆い被さり、一番奥のグラエナの大切な部分にしっかりと先端が届く。
ぐりぐりと押し当て、そしてゆっくりと大きくペニスを動かす。
グチュグチュと大きな音を鳴らしてグラエナの中をペニスが出入りする。
自分がしっかりと動かすからこそ、グラエナは一切動かずに身を任せているのだろう。
だからこそしっかりと最後まで楽しむ。
自分のペースで少しずつ腰の動きを早くしてゆき、自分専用になってしまったかのような膣を堪能する。
心地良い、あまりにも心地良い感触がペニスを包み、そして快感が全身を駆け抜けてゆく。
水音を激しく立て、じゅっぷじゅっぷと卑猥な音を立てる。
少しずつ湧き上がってきた射精感に少しずつ腰の動きを抑えて、身体を起こして引き抜こうとする。
……抜けない。
ペニスがグラエナの中に吸い付いたかのようにピクリともしない。
グラエナの仕業かと思ったがどう見てもそう言った様子はない。
ただただ快楽に身を任せて息を荒げている。
ぎゅうぎゅうと締めつけ、波打つように刺激が訪れる。
やってしまった。
丁寧にしたからこそ、グラエナをしっかりと絶頂させたのだ。
膣痙攣を起こしてしまっているため、がっちりと食いついて離れなくなってしまっている。
これは非常にまずい。
ギリギリまで楽しむつもりだったから射精感がこみ上げてくる。
ダメだ……! もう我慢できない!
結局、身悶えしながらグラエナの中に自らの精液を、遂に解き放ってしまった。
ペニスが大きく脈動し、グラエナの中に注ぎ込まれてゆく。
この背徳感が尚更自分の興奮を高めているのだろう。
ビクビクとまだ自分のペニスをくわえ込むグラエナの身体を抱き寄せて横に寝転び、心地良い疲れに少しの間身を委ねた。
「ほら、ボールに入るんだ」
翌朝。
最早言い訳も効かない。
グラエナに中出しまでしてしまったが、そのおかげでグラエナの様子は一先ず収まったようだ。
発情中特有の陰唇の膨らみも解消されたが、態度は全くもって変わっていない。
ボールを見せるとこの関係に終わりが訪れた事を悟ったのか、とても寂しそうな表情を見せている。
とはいえ成り行き上こうなったとはいえ、同僚のポケモンであることに変わりはない。
覚悟を決めてくれたのか、このままでは遅刻すると言うと、自分を困らせたくないからかボールに収まってくれた。
「おいてめえ!! 俺のポケモンに何したんだ!!」
まあ当然こうなる。
グラエナを返した日の更に翌朝、勝手に押し付けておいて厚顔無恥も甚だしいが、正直言い返せるような身分でもないため黙って話を聞いていたが、どうやらヨシダの言う事を全く聞かなくなったようだ。
普段から彼もバトルのためのパートナーとして連れているわけではなく、ほぼ愛玩用となっていたようだが、まあグラエナはただでさえ一度決めた主人の言う事を絶対に聞くポケモンであるため、自分が初めてグラエナと会った時と同じかそれ以上の猛反発をしたようだ。
だが元々グラエナも従順だからという理由で飼っていただけのようで、言う事を一切聞かなくなったのは自分のせいだからその責任を取れと捲し立てられている最中だ。
訴えるだのなんだの言っていたが、もしそうなれば詳しく調べられるだろうから自分も社会的に詰むことになるだろう。
と、覚悟していたのだが、どうもその高慢な態度は普段からだったらしく、あっという間に周りの人間が自分の方を味方してくれた。
「ポケモンは賢いからな。どっちの方が主人として優れてるのか態度で示してるだけだろ?」
「そういう態度だからポケモンにも嫌われるんですよ」
とまあ、みんな言いたい放題してくれたおかげで、何の因果かグラエナは正式に自分のパートナーとなってしまった。
社会的に死なずに済んだのは良かったが……果たして身が持つのだろうか……?
「どうなんだろうな? グラエナ」
「ガウッ!」
賢いはずのグラエナは、人目も憚らずに自分の足に頭を擦りつけ、全力で甘えている。
本当に、ポケモンって奴は賢いよ……。
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