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謎との決戦1

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赤いツバメ ?の初の作品です。不安です。



「俺はアル。ポケモン探検隊を・・・・・しているマグマラシ・・・。運命を変えて仲間と「星の停止」をくいとめた。・・・・・・元人間。
 そしてその元凶をも断たせることができた・・はずだった・・・・。だが・・甘かった。完全に消滅させれば・・・今も変わらない
 はず・・・だが・・いま・・・は・・・。」

(一度は完全に消えたかと思うその命、だがかすかな意識。そこはきたこともない何もない空白の場所にいた。なぜここにいるか
 という事はわかっている気がする。その今も消えそうな意識の中、俺はできるだけ言葉をつなげられるよう
 どこからもなく聞こえた声の主に答えた。)

―オマエハ何者―

―何ヲ望ム― 

―今成スベキ事ハ死カ―
                              
―マダオマエニ希望ハアルノカー
                                             
―心アルモノヲ信レルカ―

(そのときの俺にとってこの質問はあまりにも多かった。薄れ行く意識の中で誰かも知らないがさっきまで耳に聞き覚えのある声・・・。
 誰かはそのとき気にしてることはできなかったの主に必死に俺は答えていた・・・・。

でも・・・もうだめだ・・・。




1 日々の景色 





――緑の草原――

晴天の蒼い空 黄緑色のやわらかい大地
それは本当にひさしぶりの快晴。梅雨が終わって間もない日で気温はけっこう暖かかった。
そこに一匹のポケモンが少し高い丘で蒼い空を見上げ横になっていた。耳に聞こえてくるのは心地よいそよ風と
わずかな虫の声しかなかった。そのポケモンの種族はマグマラシ。
黒に近い紺色の背中の毛がそよ風が吹くたびになびいている。
「フゥ~~・・・・。」とそのポケモンは声に出さないため息に近い息を吹いた。
あまりの心地よさにうとうととし深い眠りについてしまった。



目をこすりながら起き上がるマグマラシの眼はまだ眠いのか半開きだった。そのめはもとから
うすい赤色にそまっているが移りこんでくる色も同じような色だった。
「・・・ぅ・・・んあ!?。」
まだ残っている眠気はすぐにふき飛んでいった。足元の草は黄緑色だが遠い大地を見るとそれはもう空とおなじ色をしていた。
すでに夕日は地平線の山に隠れようとしていて木々の影が真っ黒く目立っていた。その夕日の前に鳥ポケモンたちが黒くかさなり
その景色は昼間の快晴と少し違う美しさがあった。
「寝過ごしたか・・・・あいつと約束してたんだよな・・・。」
少々まいった、というような苦い顔をしてそのマグマラシはその場からゆっくりと立ち去った。そのあと空はあっという間に暗くなり始めた。





「もう~、何してたのよアル!」
俺が「ちいさな原っぱ」の近くにあるグリューン村にある自分の探検隊基地に着いて
最初に聞いたその声はベイリーフのフェリの声だった。
俺の名はマグマラシの「アル」元人間ということはもう別にきにしなくなっている。
予想道理の展開になったと気ずく・・・・当たり前であるかもしれないと思いながら・・・。
「あぅ・・・その・・。なんというか・・・」

俺は何か言おうとしたが何もいえずフェリと顔を合わせられなかった。
そして横を見るとクチートのシュルが少し遠くにいてこっちを見て
わずかにニヤニヤしているように見えた。「(アイツも怒ってるよな・・・絶対)」
「アレだけ時間には間に合うように来てっていったのに!・・・もー!。」

「あっ!ホントに悪かった!ゴメン!・・・その~、つい。」
フェリは俺の言った「つい」という言葉に反応して近づいてくる。
「まさかどこかで昼寝でもしてたんじゃ・・・。
 ホラやっぱり!アルはすぐに顔に出る!私に隠し事なんかアルはできないんだから!時間すぎても待ってたんだからね!シュルとず~っと!・・・どこにいたの?」

俺は何も言っていないがすべてフェリには見通されうろたえるしかなかった。隠し事なんてあまりしたことはないけど・・・。
「緑の草原のあたり・・・・あまり遠くないし約束の時間までは結構時間に余裕があって・・
 景色もいいって前ギルドの連中もいってたからさ・・・悪ぃ。」

考えてみれば物凄い恥ずかしいことである・・・。
フェリはちょっと不機嫌そうな顔を戻し自分の部屋に戻っていった。
この探検隊基地は大分「家」に近くまだ新しい。この基地はまだ建ててから1年過ぎようとしている。
この基地は入ってすぐに1番大きな部屋があるそこがいつも三匹でいる場所、つまり広間だ。
その大きな部屋の中央から入り口を正面にして左がアルの部屋。後方がフェリの部屋。西がシュルの部屋となっている。


自分たちの基地として住んでいたところは1年前までゲルプ町・トレジャータウンの海岸沿いにある「サメハダいわ」というなかに空洞の
意外と広い空間がありそこで暮らしていた。だがその3年前にそのグリューン村に台風が直撃したのだ。
その村はあまりポケモンは住んでおらず、店を開いているポケモンや「プクリン親方のギルド」の探検隊のポケモン達くらいである小さい村だが、他所から来るポケモンたちで毎日賑わっていた。
店はほぼ壊滅したがギルドは無事だった。
まあ俺達「夏の大三角形」の基地として住んでいた「サメハダいわ」がその日で崩れてしまったけど・・・。
別にそこは不便は感じなかったが、どうせ引っ越してしまうならもっと広い基地にしようということで今の基地に暮らしている。



フェリは自分の部屋で今日の事を考えていた。その部屋は物が結構あるが別に散らかっているわけでもない。
ポケモン探検隊の道具はほとんどフェリがそろえてありいろいろな本が本棚にあった。
なかにも種類が多かったのがやはり道具に関する本だった。
最近ごくわずかだが「不思議な玉の力」や「木の実の調合」で新しい道具を作る探険家がいる。それに興味を持ちフェリも本で学んでいる。

「今日の事はアルがいなくて本当に良かったのかな・・・・・・。」
と小さくつぶやくフェリ。今日はアルとユクシーのいる場所の巨大な高台の上に「霧の湖」という湖に行く予定だった。
そこは地下から絶えず水が湧き出し、大きな湖になっていて霧が晴れたときに見える夜景はすばらしいもので
ただただその輝きが美しいとしか言いようのないところ。
それを見たものは約4年前「夏の大三角形」とギルドのポケモンたちであった。
霧の湖に行くことが決まったのは2日前ののことであった。突然ユクシーの幻影が基地に現れたのであった。
理由は今の時期にあの絶景が見れる
から・・・。という事だけではなく大事な話がある、言いその後その幻影消えた。
そして今日フェリはシュルと霧の湖に行った。・・・・・アルもいっしょのはずだったが。



ー約3時間前ー

「あっ!あれユクシーじゃない?」

「あっホントだ。早く行こうシュル。」
そのとき2匹は「熱水の洞窟」を抜け「霧の湖」についたときだった。
熱水の洞窟は中の温度がとても暑く2匹にとっては温度的にキツイ登りのダンジョンであった。
場所は来るたびに少し地形が変わっていっるのでそう早くは抜け出せない。が、流石にマスターランクの2匹は素早い身のこなしの早さでこの登り終え洞窟から出られた。
2匹は汗を拭きながらユクシーのもとにたどり着いた。

「来ましたね。アルさんはいないようで。」
ユクシーは少し微笑んで二人に話しかけた。そこの景色は6年前見たときは夜の景色であったが、今回は時間帯が違く夕日だった。
それでも泉の中央部に吹き出ている地下水は高く上っていて夕日の色をそのまま映していたてこれも夜とは違う意味で美しく、6年前と同じと感じるのは霧の湖は絶景の場所と思えることだった。
「ユクシー、久しぶり!」
2日前、基地に現れたユクシーの幻影とあったがあれは実際ユクシー本人ではなかったので今日が6年ぶりの再会となった

「アルはどこかへ出かけて待ち合わせ場所に来なくてね、待ちきれなかったからもうここに来ちゃったの。」
アルに対しての不満なのかそのフェリの顔は曇った。
ユクシーはそのアルがいないという事を知って少し考えているように見えたがそれはわずかな時間だった。

「逆に・・・・、今はそのほうが良かったのかもしれません。・・今は。
 私たちははあなた達に救われました。ですが・・・その元凶と遠くない未来についてあなた達に話さなくてはいけない重大なことを今お話します。」

ユクシーは少し険しい顔をしてつぶやき夕日を見る。
まだ何のことも話されていないので「?」と顔に出るフェリとシュル。
だがそのことについてはすぐに話してもらえ理解できた。だがあまりにも衝撃的なことだったので正直2匹の受けたショックは事実だった。
空がだんだんと暗くなり太陽もその体を地平線に身を隠し終えてから少々の時間が過ぎるまでユクシーに話されたことについて質問などをする。その度に動揺も何度となく返していた。

「では私が知っている限りの事はお伝えしました。しばらくは心配ありませんがこの期間じゅうに奴は再び動き出します。
 それまでにはアルさんには伝えてください。
 少しでも奴の動きに思い当たることがあったならば時の番人のディアルガのところに・・・。」

ユクシーはそう言って私たちを基地の前に一瞬で移動させてくれた。どうやらユクシー自身は「テレポート」ができないようだが
他人にテレポートをかけることはできたようだ。
アルが帰ってきたのはその間もないあとの事だった。



そしてその日の夜
11時を過ぎた頃頃フェリはまだ眠れずにいた。
村の多くのポケモンのほとんどは9~10時と早めの時間に睡眠に入る。
そして外に誰かがいるように見えそれはすぐにアルだということがわかった。

一方アルはというと基地の裏庭で横になって夜空を見上げていた。昼頃と同じように。
「(あいつらにホント悪いことをしたな・・・・)」
俺は心の中でそうつぶやいた。反省するのは別だがアルはちょっとしたことでも後になって考えてしまいすぐには忘れられないタイプあり
過去にはすぐとらわれやすいのである。今回はちょっとしたことではなさそうだったが・・・・。

そこに眠れない様子のフェリが来た。
「もしかして俺の炎の明かりで目が覚めた?」

「違うよ?私も気になることがあって眠れなかったんだ・・・・ここにアルがいたから来ただけ。」
彼女は俯きながらアルの隣に座った。
当然、気になることとは今日ユクシーに言われたことだった。
フェリはベイリーフ種の中ではひとまわり体が小さいほうでアルと並ぶとフェリのほうが大きいがあまり大して差がない。

「あの・・・」「あのさ。」
2匹の声が重なりそして一瞬の間沈黙が流れる。

「なに?」
と言ったのはフェリ。
「あっ。・・・いやぁ、今日本当に悪いことしたなってさ・・・。
 ユクシーからの大事な話ってまだフェリにもシュルからも聞いて
 なかったから・・・どんな事だった?」

俺は何故かそのときどこか落ち着かなくて口調少し焦り気味だったような気がする。
フェリはしばらく迷っているかのような表情をし黙り込んでいて、何故黙り込んでいるかの理由がそのとき俺にはわからなかった。
「・・・ううん。今はヒ・ミ・ツ♪」

「へぇ?」
思わず声が出てしまった。
曇っていた彼女の顔が一瞬にして晴れた。
「(・・・シュルの[嘘泣き]みたいだ・・・)」

あのユクシーからの大事な話なのであるからにはに何かそれほど大切なことがあったのであろう。
「何で今教えないんだよ。」
フェリは俺をからかうかのようにわずかに笑いながら俺の顔を覗いてきた。俺の反応を楽しむかのように・・・・。
「そのうち分かるって、今は教えないだけだよ。」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
俺はそのうち分かると言われてそれ以上はその話に追求はしなかった。
夜空も夜風も気持ちいい。今感じるのはそれだけ、別にそのときはその話を気にしなかった。

明日は探検隊活動は休暇。

ちなみに今日は朝に「リンゴの森」への救助要請があった。依頼主はオタチであり
友人のキリンリキと食料のリンゴを探しに普段とは別の近道を行ったところグラエナの縄張りに入ったらしく
二人は襲われキリンリキはオタチを背中に乗せ何とか逃げ切れたが、すぐにキリンリキは立ち上がれなくなってしまい
ひどい怪我をしていた。いつ攻撃を受けたなんて分からないほど必死で逃げていた。
それがキリンリキの特性「逃げ足」であったから命からがら逃げ切れたらしい。
オタチではキリンリキを運ぶこともできず安全な場所に動かそうとしてもやはりオタチではどうすることもできなかったらしく
襲われないことを祈り続け救助を要請したというわけだった。

当然このくらいの救助は「夏の大三角形」は余裕であった。
少しは朝からゆっくりしていられる。
探検隊の普段の活動は各ギルドにある掲示板に貼りだされている依頼をうけ、実行するか
気になる地などを探検(調査)をしに行ったりする。
ただ依頼者が尋ねてきたときなど街中などの外で直接依頼を申し込まれたときは
緊急の依頼だった場合は即受けねばならない。それが探検隊の礼儀というもの・・・。

そもそも探検隊は何故あるのかというと、この世界は謎を解くたびに謎がまた現れるという世界で
その不思議な力がこの世界のどこかにあるという伝説があり、それの存在を突き止めるべく
立ち上がったのがずいぶんと昔からある「探検隊」である。
あくまでも伝説・・・・伝説と疑うまでもない。
誰もがそうでしかないと考えている。そうでしかありえない。
この世界のどこかに原因がある。
その謎の中心が「不思議ダンジョン」である。突如あらわれる未知の地・・・・・。
その地は常に災いをもたらしてきた。未知である限り・・・。
そこでの災いをうけたポケモンを助けるべく探検隊の依頼に「救助依頼」も出されるようになった。
ここ最近に救助以来が増加している。ということは未知の地「不思議ダンジョン」も増えているということだ。  
「ふぅ・・・・・・もう寝るね。急に眠くなってきちゃった。おやすみ。」

「おぅ、おやすみ。(もう少ししたらそろそろ俺も寝るとするか・・・・。もう遅いし。)」
フェリそう言って基地の中に入っていった。
しばらくして俺も基地に入って寝ることにした。もうそのときはすぐに眠りにつけた。




2 仲間達との朝 



重い瞼を僅かに開き体を起こし沈黙の時が流れた。聞こえるのは早朝から忙しそうなポッポたちの鳴き声のみ。
俺は昨夜の考えとは裏腹に意外といつもとはあまり変わらない時刻に目が覚めたのは感覚からして分かった。
「・・・・・まだ6時過ぎ・・。」
時計は5分あたりを指していた。
俺はいつもと変わらない起床時刻を休暇に起きてしまいかなり微妙な気分だった。
「(・・・・眠い)]
と思いつつも顔を水で洗い外に行き背中と頭の上からややオレンジ色の炎を吹き出し思い切りのびをした。
「(さーて二人・・・いや二匹は当然まだ寝てるし、とりあえず朝食の支度をしておくか・・・・・)」
自慢するほどではないが俺は料理ができる。できるのだが最近はリネィにまかせっきりだった。
中の広間に入ってソファーの上で一息ついてから準備に取り掛ろうとした。
・・・が。
不意に基地の入り口のほうで大きな声がした。

「アルゥ!!」
その声の主にも驚いたが、あまりにも大きい声が静かだった空間にいきなり響いたのでそっちの事の方が驚いた。
声の主は探検隊「Vs」のサンダースのライアだった。
アルは、ライア!?と一声叫ぶと、しまったといった様に口に手を当て、その後苦い顔をしながら、人差し指を縦にして口の前に持ってきた。
それを見てライアは状況が分かったのか分かってないのか知らないがとにかく何か機嫌が良いようだ。
「俺達の探検隊ランク。昨日ダイヤモンドランクに上がったんだ!」

「へぇ!なんか早くね!?1年前ゴールドランクになったばかりだったよな?」

「そりゃあアルたちに比べれば人数が倍以上なんだしココ1年間かなり頑張ってたしな。最初は死ぬほどキツかったさ、でも
 なんかしばらく続けてると慣れてきたんだよな~。最近のダンジョンはそこの住居ポケモンの感情を殺気立たせるいや~な空気
 が激しいところと薄いところがあるんだよね。気付いてないわけないと思うケド。
 そうゆう変化には感謝だな!」

ちなみに俺達「夏の大三角形」はマスターランク。
「星の停止」を喰い止めた事により有名になった俺達は毎日の忙しさが一気に増し困難も相当なものだった。・・・当時は。
命がけの依頼が多くなった事もありそれなりの結果も出ているというわけだ。
親友のライアに続き、入り口から遠くに見えたきたのはその妹のグレイシアのシェネーだ。
・・・いやな予感がする。俺に向かって一直線に走って・・・・・。
「(・・ちょ・・・来てる来てる・・・・・えっ?えっ?わわっ!?)」・・・・・(ドサ)
俺は軽い衝撃を受け次の瞬間には仰向けになり天井を見ていて腹にはシェネーが乗っている。
「(冷たっ!)」
それは声に出ようとしたがこんなことしたらシェネーに何されるか分からない。
心の中で短く呟いきこの時に眠気はどこかに吹っ飛んでた。
「久しぶり!アル君♪」
俺はたったさっきまで一人・・・いや一匹で沈黙の空間にいたのに突然の事に動揺を隠せずにいた。
「(こいつ等が来たなら「Vs」全員来そうな予感・・・)」

「お~いアル!シュルちゃん起こしてくるぞ~。」

・・・ん゛!?
ライアが口にした聞き捨てならない言葉!
「ちょっ!!・・・何!?・・・いやいやまずい!それはだめだっt(ゥムンン!?)

「そんな大声出したらフェリさんも起きてしまいますよ♪」
それほど大声を出しすぎたのか最期まで言い切れずシェネーに口を押さえられてしまった。
ライアを止めようとした口を逆に止められてる・・・。
「n~~~!!!」
フェリが起きてしまうのはフェリには悪い・・・。
いや、それよりもっとまずい事がいま起ころうとしている。
気付けばシュルの部屋のドアが開いていた。「(非常にまずい。)」
「・・・・・・・・・・・・・・(ってか!・・・ホント苦しいんですけど!・・いや本気本気!!)」

「ん゛ん゛ん゛~~~~!!!!!」(必死)

「ああっ!ゴメンなさい!」
シェネーはまだ俺の口を押さえていた手をどかした。
俺は息切れをしていたが何とか隠そうとして息を弱めながら呼吸をした。
「・・・・・・・・・・」
軽くシェネーに『睨み付ける』をしてやり、それに反省したのか耳は垂れ下がった。


一方ライア

「シュルちゃん!起きてよ!オレ達つい昨日ゴールドランクからダイヤモンドランクに上がったんだ!
 アルにも報告し・・・・?・・・シュルちゃん?」

「・・・・ぅ・・ん」

「シュルちゃん!?どわっ!!」
【ドス~ン!】 【ドカ!】
凄い振動が。。。
ライアはやってしまった。ライアにも危険があるがこの部屋にも危険がある。
「痛!え゛!?・・・なんかした?オレ!?」



そして一瞬忘れかけていたことだがシュルの部屋から大きな物音がしてきたのを聞いて俺は
「あちゃー」と呆れてめを瞑るしかなかった。次第にその部屋から聞こえてくる物音は大きくなってきて激しさを増す。
その中にはライアの悲鳴のような音もまじっていて振動も伝わってきた。
「・・・どうなってるの?」

「うん。さすがにやばいなコレ。行ってきたほうがいいかも。」
俺はシュルの部屋に顔を出しその様子を見ようとした。

「お~い。ライア~。大丈夫k!!?」(へぶっ!?)
顔だしてライアに話しかけた瞬間何かが飛んできて直撃した。・・・ライアだった。
そのまま二匹は壁にたたきつけられた。
「え?え?何?シュルちゃん何?」

「いてて・・・やってくれたな~ライア~
 シュルはただでさえ寝起きがホント悪くて無理やり起こすなんて事すると本人は気付いてないけど凄く荒れるんだよ!
 こうなってしまうとしばらくは手をつられなく・・(!!)」
シュルは荒れてるというより、もはや暴れてる。目はほぼ閉じた状態のまま・・・。
「アル!!ちょ、どうにかして!?グハッ!!」
シュルのの頭の大顎の一撃をもろ喰らったライア。
「え!?・・・・なんか前より激しくね!?」
俺は眠そうな表情とは裏腹の凶暴なシュルに青ざめる。こっちに来る・・・恐ろしい。
「・・・・ん゛・・ぅぅ・・・ん・・」
と、シュル。もはやこれでは「睡拳」と名付けたほうが状況が分かりやすい
「(どうにもできない・・・お手上げです、ハイ。)」
と、そのとき眠気が差すほどの心地良い音が聞こえてきたかと思うとシュルがまたその場に倒れて眠りだす。
「・・・・zzz。」
その音の正体はすぐに「草笛」だと分かった。この音色と奏で方はリネィしかいない。
「・・・ハハ。フェリ起きちゃったんだ。」

「・・・あ、ボクですアルさん、ボクが「草笛」を吹いたんです。シュルさんはすぐ起きますよ。」

「?。でも今の「草笛」って間違いなくフェリの・・・・、あ!そうか。お前この前フェリに教わっていたんだっけ?
  へ~、まったく同じ音色だったからフェリが吹いてるのかと思ったよ・・・・・。」(!?。てゆうかお前いつの間に居たの!?)」

「草笛」を吹いたポケモンは「フィス」リーフィア種。「Vs」の末っ子だ。
「フーーー助かった。(俺は何とか殴られずにすんだ。朝っぱらから何やってんだ俺達・・・・・)」

「なんだったんだ・・・シュルちゃん・・・。」
と呆然としているライア・・・。元々はライアが遣らかした性であるが。
「おじゃまします・・・。」
と三女のエーフィーのエミーが入ってくる。

「ってエミーも来くるんだ。」
と全員来そうな予感がするがあえて口にする俺。

「俺ら全員来ると思うよ?」
と、ライアが素っ気なく言う。
「(ウン、お前が先に来たときからそんな気がしてたヨ。)お前達休日の朝ぐらいゆっくりさせてくれよな。・・・あとシェネー重いんだけど。」

シェネーが俺の背中に乗ってしがみついてる。シェネーは会うと必ず俺にまとわり付いて来るがその行動に俺は
あまり気にしていなかったが今は1年も会っていなかった為かなぜか違和感がある・・・・。
具体的にいうと・・・・妙にドキドキするようになったのか。
「そうだ、朝食の支度するんだった、お前らのも作るからな。」

「お?アル料理できるのか?」

「別に珍しくもないだろ?まぁ最近やってないけどな。」

「あーー・・・。俺はやったことがないな。兄貴とフルスとシェネーにまかせっきりだからな。」
シェネーが離れないままキッチンに向かい料理に取り掛かる俺。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(しかしやりにくいな)・・・。」
(シェネー)「(じぃ~~~~~~~~~~~~~~~~~)」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・シェネー、いい加減降りてくrどあっ!!」
(シェネー)「(じぃ~~~~~~~~~~~~~~~~~~)
俺はシェネーに降りるようにシェネーに話掛けようとしたが眼が合ってしまった。顔の距離も近い。
思わず飛び上がってしまいそうになった。
「気付くのに37秒、鈍感さんだね~~。ボクも朝ごはん作り手伝うよ♪」

「あ?あぁ。(さ・・・37秒!?何37秒って・・・・ずっと凝視してたのか!?)」
「♪~。」
シェネーは鼻歌を歌いながら別の料理を作り始めた。



随分しっばらくしてシュルが何事もなかったように起きてきた。
「・・ふぅ・・・あれ?。」

「「おじゃましてます。」」
エミーとフィスが口をそろえてシュルに挨拶する。
「あ、おはよう。なんか君達久しぶりね。・・・・あ!」
シュルは急に何かに向けて走り出してしがみ付いた。勿論ライアだろう・・・。
「は~~気持ちいい!♪」
突然しがみ付かれたライアだったが驚いてはいない。少し顔を赤らめているが。
「あっ。シュルちゃん起きたんだ。」
シュルは説明したとおり、肌触りが良く軟らかいものには目がない。特に普通ではないライアの
異常なまでもののサラサラな毛、いや寧ろフワフワにちかい軟らかさのライアの体毛が会った頃からの
お気に入りであった。
「ちょっ・・・・くすぐった・・・・」
シュルは体がもともと小さいので全身で彼の体の温もりを感じていたが。
「・・・・・zz・・」

「・・・マジ!?」

「・・・・お前の体毛ってそんなに気持ちいいものなのか?」

「さぁ・・・。」

そこにいる一同はしばらく苦笑いをしていた。


「さーてもうすぐ朝食できるぞ。そうだライア、フェリ起こしてきて。」

「え!?起こすの?」
ライアは自分の体に蹲っている三度寝のシュルを見て少し黙った。朝の一件のことで。

「いや~オレは人を起こすのはちょっと・・・じゃなくて!オレは今動けないんだよね。」

「私が行って来ますよ。」
と言ってエミーはフェリの部屋に向かって歩き出した。
「あぁ、悪いなエミー。」
俺はエミーに礼を言った。


(コンコン・・・ガチャリ)
「失礼しま~す」
囁くようにフェリの部屋に入ったとき

「おはようエミーちゃん。あれ?驚いた?」
フェリに不意に話しかけられて「ビクッ」としたようなエミー。
「はい・・・てっきり眠っておられるのかと・・。」
「さっき起きたばかりよ♪。」
突然の音に驚くのはエーフィーらしくないことである。
「そっか!じゃあ行こうか・・・朝食はもうすぐできるんでしょ。」
「はい。」


フェリの部屋から二人が出てきた。
「あ・・・クロ兄さんとフルス姉さん。」
フルスとは「Vs」の長女だあるシャワーズである。

「おお、今来たんだ。悪いなフェリ、アル。朝っぱらから兄弟姉妹全員ズカズカと・・・朝食まで!?」
モーントは本当に申し訳なさそうな顔をしている。
「ううん、いいのよモーント君。休日くらい朝からゆっくりできるんだから。」

「(俺は良くないぞ!朝っぱらから変な事起きたし。まぁシュルに殴られなかったことが不幸中の幸いだったけど。)」

俺は朝食を盛った皿をテーブルに並べる。シェネーも同じように運んでいる
「それよりモーント君、あ~の~今日は何の用で?」
「え?ライアとシェネーから聞いてない?・・・・・」

モーントがライアを見る、ライアと眼が合う。
「・・・?」
と、ライアが首を傾げた。
「はーーー・・・・・。いやあとで説明するよ。」
モーントは呆れて手を顔に当て、顔を上げる。

そして。
《《いただきまーす。》》
七人が声を合わせて言った。いや、七匹が。

「えっと。今日は休日らしいから明日でいいんだけど、この大陸から海を越えて西のメルクヴュルディヒ大陸に
 行くことが許可されたんだけどいきなりの探検要請が来たんだ。「平原の森」ってとこで 所々に小さな平原が森の中にあるのが特徴らしい。
 探検隊連盟から「結構広い森なので他の探検隊と共に依頼を実行せよ」って言われたんだけど・・・アル達に頼めるかな・・・。」

「う~ん。私達は別にいいよ?メルクヴュルディヒ大陸に着くには船で1日以上かかっちゃうからね。どうするの?明日の早朝に
 出発するんだったら明後日の夜に着くから朝のうちに到着したいんだったら今日の夜には出発しないとねぇ。」
流石はフェリ、瞬時に計算をした。

「あのー、動けないんだけど・・・。」
「いやお前まだそこにいたのかよ!」
とライアにツッコんでしまう俺。

「(取りあえずどかしてみるか・・・)」・・・(ぱちっ)

「え?ああ、私また寝ちゃってた?」

「・・・うん。」

「(ライアの体から離れた瞬間に起きた・・・あいつの体は安眠枕か?)」
と思った俺。
「お前らも早く食べろよ・・・。」


「ハハハ・・・悪いな。・・おお、チャーハンと木の実サラダか。」
とても大きい皿には野菜パスタなど他にもいろいろある。なにせ九人分もあるのだから。
俺は久々に料理をしたが九人分なんて多く作ったことは初めてだった。
「お前のとこはいつもこんなも作ってるんだよな・・・。」
俺がライアに質問する。

「まあな、料理はこんなにば多くはないけどな。」
ライアが言い終わるか言い終わらないかのところで三人がライアを睨む。勿論モーント、フルス、シェネーの三人だろ。 [ライアの防御力が3段階下がった]
「よく言う・・・自分は何も作らないくせして何を言うんだか。」
と、モーント。
「ホント何もしないんだから・・・・偉そうに。
 あっ・・・・・・(このアル君が作ったチャーハン・・・ボクが作ったのより美味しい。)」
これは、シェネー。
「・・・・・不器用なんだから。こういう事は何もできないの?一番食べるくせに。」
急所を突いてくるのはフルスだろう。

ライアは順番に三人の罵声を浴びる。特にフルスは無表情のわりに痛いところを衝いてきてライアは怯んで何も言えなくなった。
「・・・スイマセン。」



―そして20分後―

俺達は今日の朝食がいつもよりとても賑やかで話がはずみ楽しかった気がした。
俺達は全員で食器を洗い後片付けをしたため、とても早く片付いた。

「Vs」の奴等がいると賑やかすぎて奴等のペースになっていくことが多い。
そして今日も段々と・・・。

「そういえばフィス、今日を楽しみにしてたのよね♪」
と何気な時に言ったのはシェネー。
「え?・・・(あ、あの笑み・・・シェネー姉さん何かたくらんでる)」
「尊敬してるアル君に久々に会えるって喜んでたじゃない♪」
「なっ!そんな事わざわざ言わなくてもいいんじゃ・・・。」
「(クスクス)顔を赤くするほどの事でもないんじゃなぁ~い?」

「(また始まったよ・・・。シェネーのフィスいじり・・・。)」
モーントはその状況をいつもの事だと何事もないように放っておくことにした。
「まさかアンタ、アル君のことなんか思ってるの?男の子のくせして♪」
「そんなんじゃないよ!ただ尊敬してるだけだって!何言ってるの!?」
フィス、真っ赤っ赤である・・・。

「姉さんの方こそアルさんのこと・・」
「好きよ♪」
フィスは言い終わらないうちに返答された。
「・・・・だよね。」

その状況は明らかに普通に会話していたもので当然俺にも聞こえてくるが、あえてモーントと同じように放っておいた。
俺はとても恥ずかしい・・・放っておくしかなかったと思う。

「え~~っと。じゃあ今日の夜には出発できるようにしましょうか。」
こういうところで皆をまとめられるのはフェリなんだよな。
「わかった。感謝してる。」
何やら明日からの予定が決まったらしい、今日には出るらしいが。
それまでには十分準備しておかなければならない。

早速俺達は準備に取り掛かり「Vs」には必要な道具の補充をしなければならないらしい。
「最近突っ走りすぎたからな~。すぐに道具とかなくなっちまう・・・」
と呟くライアにフェリが言う。
「だったら私たちの道具使えばいいじゃない。十分だと思うよ?ちょっと散らかってると思うけど私の部屋に来て。」
フェリに続きモーントとフルス、ライア・・・そして俺がフェリの部屋の入る。
相変わらず散らかっている、というか散らかるのも分かる気がする。むしろ物が多すぎてこの部屋が散らからない
方が凄い。それでも俺とシュルの部屋より若干広い。
「・・・・・ああ、凄い道具の数だな。」「・・・うん・・。」「・・・・・。」
三人はまるで倉庫の中に入ったかのように部屋を見渡す。3人とも感想が短いな。っていうかフルス感想言ってないし・・・別に良いかそんなこと。

「・・・で?何が必要なの?必要なものけっこう持ってっていいよ。」
「・・・・ホントにいいの?」

「別に遠慮しなくてもいいよ。沢山あるし奥の方の物なんていつの物かも分からなくなっちゃったくらいだし。
 ・・・あ!でもちゃんと整理してるんだよ!毎日でもないけど。」

「じゃあ、えっ・・・っと・・。」
ぎこちないほどスローモーションに見えるモーントに呆れたフェリは少し怖い顔でモーントの顔を覗いた。

「わ~た~し~がなんて言ったかきこえてたぁ~?遠慮しなくていいよ!?」
「は・・・はい!」

「じゃ!私は川で水浴びに行ってくるからあとはアルに任せたよ。」
といって部屋を出て行った。
「・・・・・・。」
返事はしなかった。するほどのことでもなかったか・・・。
モーントたちはしばらくして準備を終えたらしい。俺達の道具にはそれでもやはり遠慮をしたらしく、もらった道具は本当に少ししかなかったようだ。
流石長男だ。

準備もできたし今日くらいはゆっくりしたい・・・。俺がこんなに疲れているんだったらフェリはどうなんだ?。
ベイリーフ種はマグマラシ種より体力があることは知っているが、最近の活動はとてもハードだったし。
フェリはベイリーフにしては体格が小さく俺とほぼ同じだとしてもそれほどタフなのか?それとも無理をしているのか・・・・・・。
シュルは昨日、いつもより早めに眠りについていたから睡眠は十分に取っているよな

そう思っていると早朝の眠気がまた戻ってきた。昨日は思いっきり寝たはずなのだがまた疲れが残っているらしく眠い。
不幸にもさっきまでどこかに吹っ飛んでいた眠気が完全に今になって戻ってきた。

基地の広間にはモーントが全員の持ち物の最終確認。
シェネーはソファーの上で丸まって寛いでいてエミーがその隣で何を考えているのかボーーっとしている。

「・・・?・・・三人しか居ないのか?。」
「ええ、みんな何処かにそれぞれ行ってしまいました。」
それならそれで休みやすい。カゴの実を食べようとしたがあれは眠気を無くす効果があるが
疲れた体には長時間にわたり睡眠をとれないので精神的にも体にも負担がかかりやすく俺は戦闘時にしか使わない。
俺は三人にまた少し睡眠をとると言い、自分の部屋に戻りベットの上で横になった。
昨日昼寝までしたのにそれほど疲れているのかと自分自身が不思議になり考えているうちに意外とすぐに眠りにつけた。


「ねぇ♪・・・エミー・・・。」
「何?姉さん・・・・・・あ、まさか!また・・・そんなことしていいの?」
「・・・・・大丈夫よ♪気付かないって。大した事じゃないし。」

「私は知らない・・・・。」
エーフィーであるエミーは他人の心を読める能力がある。
彼女だからこそシェネーの言葉も聞かずとも何がしたいかは大体理解できる。

「フフフ♪アル君の隣で寝るくらい気付かれないって。本人寝てるし。まぁ起きてても問題ないんだけどね。」
といいながらアルの部屋に向かうシェネーを見て
「(・・・アルさんには問題しか無いと思う・・・・・。)」
と心の中で呟くエミー。


そのころフェリも・・・。
「・・・・・zz♪」
河の近くで水浴びした後に昼寝していた。



長くなりそうですが宜しくお願いします。



コメントなど頂けると嬉しいです。




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Last-modified: 2010-01-10 (日) 00:00:00
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