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訳が分からない―wikiVer

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作者:想夏 ?
この小説はイースタ小説板の第一回1レス小説大会の自分の小説を元に加筆(軽くr18指定)、一人称にした作品です。
もしよろしければ、そちらの方もご覧ください。


「もう、あなたとは友達でいられない」
「……う、嘘、だよね?」
「本当に決まってるでしょ! 私は嘘を付かないよ」
私の気持ちも知らないで! 本当、何なのよ! 訳が分からないのはこっちなのに……。
彼とは友達だったけど、もう無理! 耐えられない。

私と彼は同じ種族でムウマージ。
自分で言うのも変だけど、私と彼は友達として仲が凄く良かったと思う。それに私の方は彼の事を――
その証拠に、私と彼は毎日一緒にいた。共にお互いの技を磨き、一緒に遊んでいた。笑顔が絶えなかった。
彼は優しかった。
私たちがムウマの頃、昼寝をしている彼の夢に入り、彼のお気に入りの進化の石コレクションを叩き壊してしまった。
「今日の夢心地はどうだった?」ってイタズラ笑いを浮かべながら尋ねてみると、もちろん彼は怒った。
彼が昼寝をしてるからつまんなくて、ちょっとからかってみたかっただけだったのに。けど、彼に怒られた事で自分がしたことの過ちを知った。
でも、彼は私がちゃんと謝っただけですぐに許してくれた。しかも、笑いながら。
あの日から、私の気持ちは少しずつ変化していったんだと思う。
別の日、私が大切にしていたメガネを無くしたのを知って、彼は夜遅くまで探してくれた。
お礼をしたかった。でも、言えなかった。恥ずかしかった。
私が言おうと口を開いて、でも、何故か口が閉じちゃって。
そんな事を繰り返していたら、彼は「ふふふ、分かってる。どういたしまして」
そう、言って、くれたんだ。
彼に何かお返しがしたかった。でも、何故か私はその反対の事をしてしまう。
彼の一番大事な闇の石。私はこっそりと彼に内緒で持ち出した。私の家の中の、大切な物を入れている箱の中に隠した。
彼はお見通しだった。しかも、彼はいつも私の予想以上の、私の胸を打つ事を簡単にやってのける。
「ちょうど良かった。それ、君に渡すプレゼントだったんだ。誕生日おめでとう!」
はぁ、彼は簡単に私の心の中へ入りこんでいく。私が昼寝してる彼の夢の中へ入っていくみたいに。私はお礼がしたいのに、何故か彼に対して借りが大きくなっていく。
もっと、彼の前で素直になりたい。
そして、ちょうど今から一週間前の日。私たちの運命が別れてしまうほどの出来事が起きてしまった。
私はまた彼の昼寝の夢にお邪魔した。夢の中だったら、恥ずかしい事も恥ずかしがらずにやれそうな気がした。今までの感謝の気持ちとか、ね。
でも、そんな考えが吹き飛んでしまうほどの出来事だった。
――彼に告白された。
所詮夢の中だって分かってる。あっちは起きた後に、何であんな事したんだろうって思うんだ。でも、嬉しかった。そして、私はすぐに返事をした。涙を流しながら。
私たちはデートをした。
彼が恋人になっても、私は相変わらず彼に素直になれなかった。でも、夢の中の彼も笑ってくれた。
でも、それからが問題だった。
私は彼に押し倒されてしまった。
何度も言うけど夢の中。現実の私と彼には繋がった証は残らない。
夢の中の彼は積極的だった。彼の別の一面を見てしまったって位違っていた。
私はただ喘ぐだけ。彼が私の反応を見て、満足な顔をする。
快楽という波に飲まれていった。
繋がって、一緒に絶頂を体験した。
甘く、切ない初体験だった。
でもこの体験はきっと、私の胸だけに残る体験。彼にはきっと、残らない。いつもの彼じゃなかったし。
だってこれは、夢の中の甘い一時。
私の胸をトゲがチクッと刺した。
「ねぇ、聞いて聞いて。今日の昼寝でさ、幸せな夢を見たんだ」
その夕方、彼は私にとってとんでもない発言をした。
どんな内容? どういう風に幸せだったの!?
どう質問しても、
「へへへ、内緒だよ」
としか答えてくれなかった。
だから、私は今日まで悩んだ。
彼がその夢をどこまで覚えているのか。これから彼とどう接すればいいのか。そもそも、彼の『幸せ』ってなんだったのか。私と付き合えた事だったのか。性の捌け口だったのか。
悩めば悩むほど、頭の中で考えてた事がぐるぐる回って、もう、訳が分からない。
とりあえず、分かった事が二つ。
私はこれまでの彼が大好きで。
これ以上、今の関係は維持出来ない。
彼はこの一週間、私が悩んでたことは分かってないだろう。今までと変わりなく私と接していたから。
でも私は、その鈍感で優しい彼が大好きなのだ。
とりあえず、今訳が分からなくなっているであろう彼に質問してみる。
「あ、あんた、本当に何も心当たりないの?」
彼はますます困惑する。……やっぱり、分かってないみたいだった。
「と、り、あ、え、ず、もうこれ以上は友達は無理!」
今から告白する。夢の中とは違って、私が彼に。
ありがとうも言えないような、私の中のちっぽけな勇気を奮い立たせ、今……、あれ?
彼が泣いていた。顔が悲しみで満ちていた。体がぐるぐる回っていた。
「ちょ、ちょっと大丈夫? な、泣かないでよ。」
彼が怨めしそうにこちらを睨む。そして、ぽろぽろと涙を溢し続けるだけだった。
「もう! 私の話の続きを聞いて!」
彼はまだ怒っていた。どうやら、全部の関係を終わらせると思っているみたいだった。
「もう……。私は友達は無理って言っただけなのに」
彼は混乱していた。
わけが わからず じぶんを
「わぁー、ストップ、ストップ! 要するに、こういう事!」
どうか私の想い、彼に届け!
私は、彼にそっと、キスをした。
「……私と付き合ってください」
「ど、どうして……?」
「だって、すぐに言うのって、恥ずかしいじゃん。それに、ああいう風に言ったら、どんな顔するかなって」
嘘だ。本当は切り出すのが怖かっただけ。私は私でいっぱいいっぱいだった。
「こんな状況で、それはないだろ!」
「ごめんごめん。でも、あなたのせいでもあるんだからね?」
「僕が何したってのさ!」
どうやら、まだ分からないみたいだった。……しょうがないなあ。
「まだ分からないのかなあ? まあ、それはいいとして。返事、まだもらってないんだけど」
「もちろん。これからは彼女として、よろしく」
「うん! あ、そうそう。私たちの記念日覚えててよ。ちょうど、一週間前だからね!」
そして、私は彼にいつものイタズラをする。これはやってもいいよね?
「へ? 今じゃないの? ん? 一週間前って……、あ! あ! ああ!」
彼の顔が赤くなったのは、言うまでもないと思う。
だって、正式に付き合っていないのに、初体験済ませちゃったもんね。
これからも、私のイタズラは続く。
もちろん、夢の中でも。……今度は大人っぽいイタズラをしてみようかな?


この後の加筆は読者様方の妄想d(ry
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  • 最初の方では、
    どうなるかわかんなかったけど
    まさか、あんなふうに終わらせることができたなんて・・・
    ――だれかさん ? 2010-03-28 (日) 00:56:49
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Last-modified: 2010-03-27 (土) 00:00:00
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