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触死

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writer is 双牙連刃
この作品には一部、グロテスクな表現が含まれますのでご注意下さい。



「……言い残す事はあるか?」

 厳かで、聞くだけで圧し潰されてしまいそうな程の威圧を感じる……それなのに何処か憐れんでいるような、慈しみさえ感じさせる声が空気を揺らす。

「そうか……それも良いだろう。ならば、誇れ。お前は最期まで、『私』に心折られずに逝くのだと」

 すっと瞳を閉じ、口元に『死』を集める。禍々しい程に強烈で、絶対不変の終焉。けれどそれを紡ぐ様子は何処か穏やかで、まるで我が子を眠らせる子守唄を歌うようで……。
 放たれようとする閃光に、静かに目を閉じる。眩しくはない。けれど、ただゆっくりと、眠るように……。


 ~触死~


 仰向けに寝っ転がりながら、青い空に向けて欠伸を一つ。幾ら眺めが良いって言ったって、それが続けば飽きも来る。もうこの生活も長くなったしな、ここからの眺めにも慣れたもんだ。
 体を起こして、目的の場所に向かってるであろう奴に声を掛ける。一つの愚痴を言う為に。

「んで? 次の気配はもう近ぇのか? いい加減俺も腹減ってきたんだけんど」
「……ふん?」
「いや、なんで疑問形なん」
「多いのは、まだ遠い。そうでなければ、何処にでも」

 ま、そらそうだろうよ。世界中、無いところなんて無いだろうさ。死の気配なんてな。

「別に頓智でも意味深な発言が聞きたい訳でもねーの俺は。お宅は何ともないだろうけど、俺は物食わんとお宅が追う気配をあんたの背中の上で出す事になるんだよ」
「ふん……もうしばし待て。まだ、お前は死なん」

 だろうけど、空腹ってのは結構しんどいんだっての! これだから命にあるのは生と死だけなんて極端な考えしかしなかった奴は……。
 愚痴ったところで何処吹く風と言わんばかりにスルーしかしないから、また仰向けに寝転がる。ま、多分俺は感謝すべきなんだろうな。少なくとも死なないように気を使ってくれる奴と一緒に居る事には、な。

「ん」
「ん? どうしとぅぉぉぉぉ!?」

 いきなり急降下なんかされたらお、落ち、落ちる! っとぉ!? バサッて音がしたかと思ったら崖に生えてる一本の木が目の前に。これは、オボンの木?

「ど、どうしたん……」
「前に食わされて、美味かった」
「で、見つけたから降りてきた、と」
「空腹なんだろ?」
「……イベルタル、そこに直れ。捌いて刺身で食ってやる」
「!?」

 食うのは冗談だけど、急降下が乗ってる奴からすればどれだけ危険かを懇切丁寧にがっつりと説教してやった。普段の気の抜けた俺の様子と違うのにオロオロしてたが、まぁ話はしっかり聞いたようだからよしとしよう。

「ご、ごめんなさい……」
「分かればよろしい。んじゃ、食って休んだら進行再開だな」
「分かった、ルガ」
「だから俺はルガじゃなくてルガルガンだって……んまぁもういいや」

 そう、俺はルガルガン、ポケモンだ。昼間のじゃなくて、夜の方の姿のな。訳ありってか無理矢理ってか、とにかくこのオボンの実をもぐもぐしてる破壊ポケモン、死の象徴とか死そのものとか呼ばれるイベルタルのお役目の付き合いをさせられてる。まぁ、基本背中でダラダラしてるだけなんだけどな。ってか歯とか無い筈なのになんでもぐもぐしてんだ? 謎だ……。
 出会いを語れば……なんの事は無く、不注意で俺が深い川に落ちるヘマして死に掛けた時に、奪う筈のこいつに助けられた事があって、それから半強制的に同行させられてる。死にたくなければ共に来いとか言われてな。

「どうした?」
「ん? いや、お前に付き合う事になった時の事思い出してたんだよ。そういやさ、俺がお前に付いて行かないって言ったら、今でもお前は俺の事殺す気なの?」
「ふん? 何の事だ?」
「何って、言ったろ? 死にたくなければ共に来いって」
「言ったな」
「え、あれ従わないなら殺すって意味じゃなかったの?」
「溺れてるお前が、死にたくないと言うから私はそれを叶えてるだけだぞ? 私の傍に居れば、死なないだろ」

 ……いやぁ、第一印象から来る勘違いって怖いね。あれそういう提案だったのかよ。いやまぁ、ぶっちゃけこいつの背の上とか、この世においてこんな安全な場所は無いかもしれんけど。

「……ここだな」
「っと? うへぇ、こりゃまたどぎつい事になってんなぁ」

 話してる間にお役目を果たす場に着いてたわ。見た限りだと、相当数のポケモンの集団同士が戦った戦場ってとこだな。
 ゆっくりとイベルタルが高度を落としていく。イベルタルの勤めは一つ、強い死の気配を追って、そこに残っちまってる命を回収する。いい感じに言えば、もう助からない命の最期を看取ってやりに来たってとこだな。
 降り立ったその場所は、戦いがあって三日ってとこかな。酷い臭いに、吐き気がするような光景だ。それに慣れてきてる俺の感覚も大分狂ってるんだろうなぁ。

「縄張り争いか、抗争ってとこなんかね……こんなところでまだ生きてる奴なんて居るのかよ?」
「居る。死の淵にあるのに、死ねずにいる者が。……こっちだな」

 羽にもなってる前肢を畳んで、足でゆっくりと歩いて行くイベルタルの後に続く。その間にも、俺達の足元にはポケモンだったものが無数に転がってる。何があったか知らないが、凄惨なもんだ。

「居た」
「ん? ……マジ、か?」

 俺達の前に居るのは、ザングース。だったんだろうが……体の毛は白い部分を探す方が難しいし、自慢の爪は折れて、右の片目は潰れちまってる。そして何より……腹が裂けて、もう……。

「げぼっ、ばだ……ぐる、が……」
「……喉も、か」
「嘘だろ? これで、こんな体で、まだ生きてるって言うのかよ?」
「ぼで、は、じね……だい……! ごろ、ず!」

 うわっ、動きやがった! あんな体でまだ動けるのかよ、ありえねぇ……。
 で、今更足元に転がってる死体の特徴に気付いた。これ、全部爪で引き裂かれて死んでるじゃねぇか。まさか、こいつが?

「ルガ、下がっていろ」
「あ、あぁよ」
「強く生を望む者よ。分かっている筈だ、お前の生はもう、終わっている」
「だん、だど?」
「私は、お前の命を終わらせる者。怨嗟と憤怒、そして……その願いを断つ者」

 始まった、イベルタルの看取りだ。本来ならもう死んでいる筈なのに、楽になっていい筈なのに、そうしない奴を渡す儀式。
 たまに、居るらしい。ゼルネアスか、他のポケモンの影響か。本来終わる筈の命を終えられず、死んだ、死んでいなければならない苦痛の中にあるのに、命をその体に燃やし続ける奴ってのが。
 そういう奴は、生まれ育み老いて死ぬっていう摂理から外れちまった者。放っておけば、他の命を蝕む世界の淀みになっちまうんだってさ。まぁ、目の前のこいつがそれだな。
 そういう奴から命を回収して、そいつ等を渡してやるのがイベルタルの役目、なんだとさ。少なくとも、俺が一緒に居るこいつのは、な。

「おでは、じな、ない! ごどず、もっど、ごろず!」
「おい、なんで……」

 そこまで何かを殺そうとするのか。聞こうとした俺を、イベルタルが静止して、首を横に振る。……知ったところで、俺に出来る事は無い、か。
 イベルタルがふわりと舞い上がって翼を広げた。途端に、辺りから音が消える。まるで何かに怯えるように、何かの終わりを見守るように。

「! ……お……で……死ぬ……のか?」

 イベルタルが持つダークオーラ、だったかな? その特性を開放すると、嫌でもそれを向けられた相手に死を意識させる。これが、イベルタルが死の象徴と言われる所以、だそうだ。日が差している筈なのに、この一帯だけは夜の帳が下ろされたんじゃないかって程暗く、静かで……穏やかなんだ。

「……言い残す事はあるか?」

 厳かで、聞くだけで圧し潰されてしまいそうな程の威圧を感じる……それなのに何処か憐れんでいるような、慈しみさえ感じさせる声が空気を揺らす。
 イベルタルの声が、体に染み込むように嫌にはっきり聞こえる。絶対に逃れられない、濃縮された重圧。もうある程度慣れる程度には聞いてる俺でも、心臓をゆっくりと掴まれてる錯覚がする。

「うっ、うぅっ……ぼでが、がらだがじんでも、ごごろは、ごろざれない! ごろざれで、だばるが!」
「そうか……ならば、誇れ。お前は最期まで、『私』に心折られずに逝くのだと」

 すっと瞳を閉じ、口元に『死』を集める。禍々しい程に強烈で、絶対不変の終焉。けれどそれを紡ぐ様子は何処か穏やかで、まるで我が子を眠らせる子守唄を歌うようで……。
 ザングースも覚悟を決めたのか、イベルタルの事を片方になった眼でキッと睨みつけて、目を閉じた。それを見て、俺も放たれようとする閃光に、静かに目を閉じる。眩しくはない。けれどただゆっくりと、眠るように……ザングースが逝けるように。少しだけ、そう祈って。
 瞼ごしに、赤く黒い閃光が放たれたのを感じて目を開ける。その閃光は真っ直ぐにザングースの胸、心臓がある場所を捉えてる。
 デスウィング……生ある者を此岸から彼岸へ送る、死出の翼。名の通りの効果のある光線が、確実にザングースの命をイベルタルと繋ぎ、吸い取っていく。
 けど、ザングースの顔に苦悶は浮かんでなかった。苦しむどころか、力を抜いてゆっくり眠っていってるみたいだ。

「何があんたをそうさせたんかは知らんけど……お疲れさん。もう、眠っちまいな」

 俺の声が最期に聞こえたのかは分からんけど、ほんの少し微笑んだような顔をしたザングースに当てられていた光線は止む。終わったみたいだな。

「ふぅ……」
「お疲れさん。……見れたのか?」
「うん。……ふん」
「ん? なんか不機嫌だな?」
「……ルガ、乗れ。看取りもだが、やる事が増えた」
「う、うぃっす」

 この立腹具合からして、看取った時に託されたな。死そのものとも言えるこいつを怒らせるとは、何処の誰かは知らんが……南無南無しとくか。



「はぁ、なるほどね。あの盗賊団がザングースが暮らしてた村を襲って略奪に殺しに散々やらかして」
「ザングース含む村のポケモンが必死に抵抗したが、それが仇となって村は徹底的に蹂躙、この凄惨な状況が生まれた……これが結末だ」

 他の死ねなくなったポケモンからも出来る限りの看取りをして、イベルタルがザングースから託された願い、『村を襲い全てを踏み躙った盗賊団に復讐を』って遺言をこなして報告に戻ってきた訳だ。ま、渡っちまってるからしてもう意味はあんまり無いんだけどな。
 盗賊団がどうなったかって? 大変立腹したイベルタルが直々に手を下したんだ、言わなくても全滅以外の言葉は出てこないと思うがな。
 途中で見つけた小さな花だが、亡骸の前に供えてやる。最初はそんな事する必要なんか無いって言ってたイベルタルだけど、俺がケジメって奴だって言ったらふーんって言って止める事はしなくなったよ。ま、自己満足なんだけどさ。

「さて、んっ、んん」
「ん? やるのか?」
「まぁな。笑わば笑え」
「笑わんよ」

 それじゃあ一つ。空に向かって、遠吠えを辺りに響かせる。鎮魂、になるかは微妙だが……埋葬もしてやれない代わりだ。俺一匹くらい弔い代わりにしてやってもいいだろうさ。

「ふぅぃ、っと。お待っとさん」
「……良い声だった」
「へっ、世辞は要らんぜ」
「毛頭言うつもりも無い」

 少し見晴らしの良いところに行こうってイベルタルが言ったから、同意して背に乗る。そこから飛んで、丁度ザングースが居た場所が見える崖があったから来た。空には星空、夜風は、腐臭を払うには丁度良いな。

「……何故、自ら命を燃やし、燃え尽きてしまうのか」
「あん?」
「お前が教えてくれた看取り、それをやる度に思う。何故、短いと知る命を、より短くするのか、と」
「ふーん……」

 俺が言葉として看取りって奴を教えてやるまでは、どうやら看取りもなんとなくやってただけらしい。まぁ、お役目は死ねなくなった奴を逝かせるだけであって、看取りはついでみたいな力だろうし、仕方ないかもな。

「ルガ、お前が正しいんだ」
「な、なんだよ急に」
「命は、生きようとしていいんだ。死にたくない、そう叫んでいいんだ」
「そりゃあそうだろ。誰だって死にたくて生きてる訳じゃあるまいに」
「本当に、そう言えるか?」

 ま、まぁ、事情があってそう思わない奴も居るだろ。命掛けで守りたいもんがあったり、やり遂げたい事があったりな。それは俺だってあるってのは分かるよ?
 んー……でも今の問い掛けも分からんでもない。イベルタルが触れて来た命、生や死はそればっかりだったんだろうな。役目的にもさ。

「あのザングースもな、生きたかったそうだ。家族や、共に暮らすポケモン達と、これからも、ずっと」
「生きたかった、か。まぁ、そりゃそうだろ」
「ああなる前に、生きる事を選ぶ事も出来た。けれど、あのザングースは死んでも構わないから戦う事を選んだ。命を、手放した」
「それは……ちっと違うんじゃないか?」
「ふん?」
「あいつの生きたい場所は、暮らしてた村なんだよ。村で生きて、村で最期を迎える。それが、あのザングースが決めた命のあり方だった。だから、村が壊されてそのザングースの命も壊されちまったんじゃないかな」

 目を閉じて俺の言う事を聞くイベルタルが、今何を考えてるかは俺には分からん。俺が言った事が正しいかも分からん。けど、思う事を言う。それが多分、こいつが今聞きたい事なんだろうと思うから。

「壊れても、村で生きる為に。村の為に命を使う為に、ああなっちまったんだろうさ。せめて、壊された村と自分の命の復讐の為に」

 ……言い切ってから、なんか恥ずかしくなってきた。ったく、俺は何語っちゃってんだっての。根拠なんか無いし、ただの俺の想像でしかない事をべらべらと……ちっ、柄じゃないんだよ、こういう真面目なのは。

「あーっと、まぁ、つまりはさ。生きるって事を手放したんじゃなくて、生き方を選んだってこったよ。結果はどうであれ、あいつは自分のありったけで生きたんだよ。それが間違ってたーとか、命を粗末にするなーとかはさ、あいつからすれば大きなお世話だって話だ!」
「ありったけを生きた、か。ならば私は、満足のいく死を迎えさせられたと思うか?」
「さぁてね。後悔はあっただろうけど、託された遺恨は終わらせてやったんだし、ただ逝った奴よりなんかは救われた方なんでねぇの?」
「……まぁ、そうしておくか」

 少なくとも、一気に命を吸い上げられて石になっちまったあの盗賊共よりは上等な送られ方をしたろうさ。後はもう、もしあればだけど……向こうで逝っちまった連中と再会して、よろしくやってんだろうよ。血生臭いもんは、命と一緒にこっちに置いてったろうしさ。
 ごろんと寝転がると、眩しいくらい瞬く星が空いっぱいに広がってた。今日は散々な光景を見て来たけど、締めがこんな星空ならまぁ、少しはマシかなとも思う。

「もし」
「ん?」
「ルガ、お前が命の在り方を……生き方を決めたなら。決めていたとしたら……私と共に来る必要は無いぞ」

 ふぅん、俺の語りはなんかイベルタルに思うところを与えられたのか、そんな事を言い出しましたかっと。生き方ねぇ?

「んー……仮に俺がここで、なら勝手にさせてもらうっつったら、お宅はどう思うんだ?」
「それは……ふんっ、どうも思わない」
「はいうっそー。強がりなんか言わなくていいから、本音を言いなさいなって。じゃないと、愛想尽かして本当に行っちゃうぜ?」
「うっ……」

 俺的に暇潰しにイベルタルを観察した結果、イベルタルの鼻を鳴らすのには大まかに分けて三つの意味が込められている。一つは、立腹。腹が立って心が波立つと鼻を鳴らす。二つ目、これは疑問が浮かぶと出る。ま、これはなんか癖みたいなもんだろう。
 で、三つ目が今の強がりだ。これは暇潰しに俺がイベルタルを揶揄った時に強がったら鼻を鳴らすのを何回か見てて気が付いたんだよな。で、今の鳴らしたのは三つ目って訳だ。特徴は立腹時より鳴らすのに力が入ってる事な。

「私は……その……」
「煩いのが居なくなって清々するか?」
「では、ない。こうして話すのは、その」
「その?」
「楽、しい」

 かっはっは。はい、よく言えました。ま、そらそうだろうな。死の象徴なんて言われてるんだ、碌にこうして話せる相手なんて今まで居なかったろうさ。
 この妙な生活が始まった頃に、俺はイベルタルから逃げようとした事がある。いやだって、こいつおっかなかったし。けどその時にめっちゃ寂しそうにしてるのを見ちゃってさ、ほっとけなくなっちゃったのよ。で、そのままこうしてダラダラ付き合ってやってる訳だ。

「全く、こうして話してると、お宅もただのポケモンと変わらんもんだ」
「ぐっ……」
「……ま、生き方なんて高尚なもんは決めてないさ。んで、やる事があるでもないし、もうしばらくは、付き合ってやるよ」
「……そうか」

 分かり易くホッとしたような声に、思わず笑いが零れる。それを聞いてちょっとむくれてるイベルタルの顔を見て、もう一つ。
 死、か。まぁ、無条件におっかないし近寄り難いもんだよ。それを振るうこいつも、扱いとしては同じになる。当然だ。
 けど、こいつは『イベルタル』であって『死』じゃない。笑うし、怒るし、寂しがるポケモンなんだよ。それが分かっててさ、こうして茶化してやる奇特な馬鹿が一匹くらい居ても罰は当たらんだろう。

「星、綺麗だな」
「あぁ」
「……俺がもし逝く事があったらさ。お宅は、看取ってくれるんかね」
「嫌だぞ」
「うぇい!?」
「嫌だから、死なせない。お前も、生きろ」
「……ぷっ、あははは! ったく、死の象徴が言う台詞じゃないっしょそれは」
「う、煩い」

 やれやれ。多くの命を看取ってきて、これからも看取る役目を背負ってる奴から生きろって言われるたぁ、俺も責任重大だね。けどま、イベルタルの周りには死が溢れてるんだ。俺くらい、しっかり生きてみるとしようか。

「そんじゃま、明日からもしっかり生きる為に、寝るとしますか」
「うん。お休み、と言うんだったか?」
「そうそう。じゃ、お休み」
「あぁ。……お休み、ルガ」
「……頼むから、お宅はあんまり意味深な感じでそれ言わないでね?」
「うっ、わ、分かった」

 ……ま、明日からもとりあえず、退屈しないでは生きていけそうなのは、間違い無さそうだ。


~後書き~
遅ればせながら……今作をお読み下さった皆様、ありがとうございました! イベルタルメインではありますが、テーマとして看取り、死に瀕した相手の最期の想いに触れるといったちょっと変わった作品でしたが如何でしたでしょうか?
大会参加作品という事で、投票で頂いたコメントへの返信もさせて頂きます!

・あのお方らしい小説でした!
 これは、バレちゃってますかね? 一応作者が分からない書き方を模索してますが……難しいですなぁ。

・続編見てみたいです
 ありがとうございます! おまけ的な続編を書き上げておりますので、そちらもお楽しみ頂けましたら幸いです!

・引導を渡すってこういうことを言うんでしょうか。台詞回し含めて、とても印象に残りました
 インパクトとしては少なめなものかなと思いましたが、印象に残るものが書けたのなら書き手としても本望。ありがとうございます。

という訳で、お読みいただいた方、投票コメントを頂けた方、皆さまありがとうございました! これからも遅筆ながら何か書いていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願い致します!

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Last-modified: 2017-09-10 (日) 21:59:50
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