作者:COM
世間は年の瀬、身を切る寒さが日の落ち切った街に吹き荒ぶ中、寒さを感じさせない軽い足取りで歩く者の姿があった。
明かりの灯った一軒の家の前で立ち止まり、コンコンコンと三度戸を叩く。
「お、来たか」
家人が戸を開けてその来訪者を招き入れる。
「やっほー。年男」
頭の上に乗った雪を、首を振るって払い落としながら屋内へと入る。
開口一番にそのエースバーンは笑いながら家人であるレントラーにそう言うと、流すように笑顔を返した。
「もうあと一日もないけどな。お前こそ来年は年女だろ?」
「確かにね! あ、あとコレどうぞ」
レントラーの言葉を聞くと一層嬉しそうに表情が崩れる。
そしてそのまま手土産として持ってきた荷物をレントラーへと渡した。
いつまでも寒い玄関に居続ける理由もないためすぐに居間へと移動し、コタツに潜って暖を取る。
「早速さっきの開けてよ! 私が飲みたくて買ってきたんだから!」
「どうりで用意がいいと思ったら……」
エースバーンは渡したかごを指差してワクワクしながらそう告げた。
普段と違い珍しく手土産を持ってきたため、レントラーは少々感心していたのだが、理由が分かるとまた呆れた調子で笑っていた。
紐を解くと中から出てきたのは飲み物の入った瓶が二つ。
「年末限定の特製きのみジュースだって!」
「なるほどな。なら丁度今なら冷えてるだろうしそのまま飲むか」
そう言ってレントラーは一瓶をエースバーンに渡し、自分用の物も自分の前に置いた。
しっかりとした栓ではないため、レントラーが軽く咥えて引くだけで抜けた。
「ん? この匂い……お前これ酒じゃ……ってもう遅かったか」
抜く際に顔が近かったため、立ち上る香りにアルコールの匂いが混ざっている事にすぐ気が付いたが、エースバーンの方を見ると既に美味しそうに瓶を傾けて飲んでいる。
ガンッと瓶が勢いよく机に置かれたが既に中身はほとんど残っておらず、一気に飲み干してしまったようだ。
「甘くて美味い……けど、結構度数の高い酒だな」
レントラーの方はチビチビと味を楽しみながら飲んだが、少し飲んだだけでも分かるほど美味いが一気に飲むような酒ではないのが分かる。
当然そんなものを一気に飲み干したエースバーンはあっという間に酔いが回ったのか、もともと締まりのない顔が紅潮しておたふくのような幸せそうな顔になってしまっていた。
「全く……。そんなに酒に強くないくせに適当に買うからだ。横になっとけ」
そのままだと頭を打ったりしそうな程に酩酊していたため、レントラーはすぐにこたつから出てエースバーンの身体を寝かせた。
「ねえねえ」
「なんだ?」
「耳貸して」
そう言うとエースバーンは寄ってきたレントラーの耳を舐めた。
「ちょっ!? もう完全に出来上がってんな……」
突然の事で少々驚きながらも終始にやけたままのエースバーンを見て少し呆れた。
だがエースバーンの悪酔いはそれだけでは終わらない。
コタツへと戻ってから暫くすると、レントラーの股間に何かが伸びてきた。
「お前……またか」
「うへへへぇ~~……よいではないかぁ~~?」
「それは普通男が言うもんだ」
確認するまでもなくそれはエースバーンの足。
何故なら的確にレントラーの玉や竿をふにふにとし続けているからだ。
エースバーンは酒癖が悪く、普段から酒を飲むとすぐにレントラーにちょっかいを出してくる。
素面では恥ずかしくてそんなことができないのか、そういう気分の時はお酒に頼ることがほとんどだった。
最初は事故で酒を買ってきて飲んだものだと思っていたが、様子を見るに分かっていて買ったようだ。
「場所を移すぞ。折角大掃除したのに汚されちゃ適わん」
そう言うとレントラーは寝床へエースバーンを運んだ。
ごろりと転がすと移動させている間に既に相当期待していたのか、自分からうつぶせになって少し尻を持ち上げていた。
できることなら素直になってもらいたいのだが、照れ隠しのために酒に頼ってこうして本能のままに欲情する姿も嫌いではない。
期待しながら顔だけでレントラーの方を向いているその視線に少々溜息が溢れたが、期待通りに可愛らしいお尻に顔を近付ける。
既に興奮しているのか芳醇な雌の香りが溢れているが、彼はそんな彼女の大事な部分にそっと舌を当てる。
顔を近付け、匂いを嗅ぐ度に触れた息でピクピクと動いていた恥肉が舌が触れると同時にきゅうと締まる。
声が溢れないように両手で口を押さえる彼女の様子を伺いながら、溢れ出す愛液と唾液で周囲の毛が湿るほど舐め上げてから彼女の膣に蓋をするように舌を当て、ぬるりと内側へ滑り込ませた。
彼女の身体が硬直し、ビクビクといい反応を返す。
膣肉をぐるりと円を描くように何度か舐め回し、そっと舌の先で彼女の小さな蕾をそっと舐める。
そこで限界を迎えたのか、一際大きく身体を反らせてから大きく呼吸を乱した。
「んじゃ、挿れるぞ?」
瞼を力強く閉じながら、肩で息をする彼女の耳元で彼はそう囁く。
断る理由もなく彼女はゆっくりと首を縦に振り、そのまま彼女の体の上を彼の温もりが覆った。
首筋を優しく舐め、ぺたりと閉じた耳の先を舐め、自らのモノの先端を彼女の膣を探すように何度も濡れた恥部に押し当てる。
二人の粘膜が触れ合った感触を頼りにずぶぶっと一気に押し込んだ。
力強く押し込まれる彼のモノを受け入れ、ぐにぐにと膣肉が蠢く。
そのまま奥で二人の熱を混ぜ合わせる内に首元をもう一度優しく舐めてから、柔らかい毛を軽く咥える。
それと同時にグチュグチュと粘膜が混ざり合う音が鳴り響いた。
快感と期待感に彼女は腰が浮き上がり、自然と二人の腰は隙間無く重なり合う。
彼女の押し殺した喘ぎ声に被さるように彼の荒い鼻息が混ざり合い、そしてその声をかき消す様に更に腰を打ち付ける音とかき混ぜる水音が音を増していった。
体重を彼女に預けるように腰だけに全神経を集中させ、力の限り打ち付ける。
もう何度も絶頂しているのだろう。
彼女のその内声を抑えるのを諦め、本能のままに獣のように快楽を味わっていた。
そして勢いを一切衰えさせることなく、一番奥まで突き挿れた彼のモノがびくんと跳ね、彼女の中へと白濁液を次々と注ぎ込んでゆく。
まるでポンプのようにビクビクとさせながら注がれ、それに呼応するように鼻息が一際大きくなる。
そうして彼女の赤い毛並みが白く染まるほど注ぎ込みながらグリグリと彼女の中の一番奥まで届くようにモノを押し込んでゆく。
「痛くなかったか?」
呼吸が整うと彼は首筋から口を放し、彼女にそう訊ねたが、彼女は未だ余韻を味わっているらしく、身体を震わせながら大きく息を乱していた。
彼女の首筋を優しく舐め、耳を舐め、彼女の返事があるまで腰を引かずに彼も余韻を楽しんだ。
「ありがとう。とっても良かった」
彼女の返事を聞くとレントラーはそっと腰を引いて彼女の中に収まっていたモノを引き抜く。
溢れた精液と愛液が混ざった液を舐め取りながら、エースバーンが回復するのを待ち、そのまま二人仲良く風呂を楽しんだ。
「ねえ」
「どうした?」
ゆっくりと身体を温めていると、エースバーンが不意にレントラーに声を掛ける。
レントラーがそれを聞いて耳を傾けると、少しだけ恥ずかしそうな表情を見せてからエースバーンは耳元で囁いた。
「来年もよろしくね」
それを聞くとレントラーはフッと笑い、頬を擦りつける。
「大丈夫だ。来年も再来年も、ずっと宜しくな」
そう言うとエースバーンは顔を真っ赤にして、思わず両耳で顔を覆った。
「ほら、のぼせるからもう上がるぞ」
「誰のせいだと……」
レントラーが笑いながらそう言って上がると、エースバーンは耳を少しだけずらして恨めしそうにそう言った。
「そりゃあ恥ずかしがり屋の兎さんのせいだろうな」
笑いながらそう言い、レントラーは風呂から上がった。
しっかりと温まった二人はまた、コタツへ戻り、今度はゆっくりと過ごした。
除夜の鐘が、年の終わりを告げ始めていた。
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