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薄闇坂

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 昼間にも関わらず薄暗く深い闇に包まれた不思議な坂。この坂では奇妙なことが起こると言われていた。多人数でこの坂を上ると必ず一人いなくなると言うのだ。もちろんこの話を信じてはいない。いや、信じたくなかった、が正しいのかもしれない。
 遡ること数日前、私はいつものように手持ちのポケモン達と他愛のないやり取りをしながらその坂を上っていた。坂といってもそれほど急でもない、だが恐ろしく長いのだ。そして全く景色が変わらない。ずっと同じ道を延々と通っているかのように、そして何時しか木の葉のざわめきが耳を突いた。風は殆ど無い。いや、無風といってもいい。そんな状況で木の葉がざわめきだしたのだ。
 勿論、ゴーストタイプの仕業だと思った。だが、現実はそう甘くはなかった。周りにいるはずのポケモン達がいなくなっていたのだ。置いていかれたのか、そう考えた私は走ってみた。だが走っても走っても彼らの姿は見えなかった。もしやと思い、私は目印に杭を一本地面に突き立てその場から走った。そして予想通りに、見たくなかったが、私が突き立てた杭が目の前に現れた。

 そんな馬鹿な……

 この事実を私は冷静に、そして焦りながら受け止めていた。永久に続く坂道。決して終わらないという恐怖。そろそろ私の脆弱な精神が狂い出すだろう。その前に餓死しているかもしれない。
 もし、もし私の手帳がこの空間を抜け出せたならそしてこの手帳を見つけた人はどうか。私のポケモン達に届けてはくれないか。



                                                 見知らぬ誰かへ
                                                           ×月××日 サトル キヤマ



『次のニュースをお伝えします 二年前失踪したサトル キヤマさんの物と見られる手帳が発見されました その付近でキヤマさんと思われる遺体も発見されており……』

END


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Last-modified: 2011-07-30 (土) 00:00:00
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