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蒼鋼のピカチュウ3-We are BERSERKER-

/蒼鋼のピカチュウ3-We are BERSERKER-
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―9t.九尾は元帥なのか?最終鬼畜キュウコン―

ペルシアンがキュウコンに話しかける
「私事で戦闘艦を使用する。…そんな事が許されると思うんですか?」
キュウコンは指を一本立てて横にチッチッチと振る
「大丈夫さ、彼ならあの艦を上手く使ってくれる」
ペルシアンが大きくため息をつき、愚痴をこぼす。
「あたしゃねー、そういう心配なんてしてないの。
奴ら怒るよー、"伝統深き海軍のうんたら"とか"規律のかんたら"とか言ってさー」

「なぁ参謀長、大艦隊の特性を知ってるかい?」
「あん?そりゃ攻撃力と防御力だろうよ。艦砲は巨砲(威力)より口径(射程)と"数"だ
対空にしたって弾幕を綿密に張ることが出来る。攻撃は最大の防御とはよく言ったものね」
「ならば、弱点は?」
「ぶっちゃけ"無い"。潜水艦には対潜駆逐艦、攻撃機には空母艦載機か対空砲火、対艦には艦砲
戦術によって隊列(バトリオ)を変えればどんな戦闘にも対応出来るし」
「ならば――」
「彼らに言わせれば"無敵の帝国艦隊"ね」
ペルシアンが割り込み、結論を我先にと言う。その結論にキュウコンは渋い顔をする。

「奴らは守ってくれるのか?」

「――は?
…ど、どうしたの?キュウコン」
「誰が私を守ってくれる?国民を守ってくれる?」
「海は海軍が守る。陸まで来る敵は陸軍が――」
「無理だ、彼らは無敵では無い……。」
「…元帥らしくないよ。臆病風にでも吹かれたの?」
「彼らだけでは我々は守りきれん」
「……。またまた御冗談をw」
「その艦隊は、どれほどの敵を相手にできる?」
「いくらでも、彼らならやってのけますw」
「ならば、コインを撃てるか?」
「……は?」
「弾かれ、表裏翻るコインに風穴を空ける事が出来るか?」
「――つまり?」
「臓器の腫瘍を一本のメスで切り落とすような、そういうのが必要なんだ。
チェーンソーや、斧ではそんな芸当できまい?」
「なぜ、そんな事を?」
「殺戮は……避けるべきなんだ」
「え?」
「別に我々に反旗を翻し、抗われるのは構わない。
例えが悪かった、――軍隊が相手に出来るのは軍隊だけだ。
サッカーをするのに相手をねじ伏せてはならん、同じフットボールでも違いがある。

いずれ、ファールをする奴が居る。
人殺しと戦争は違う。その人殺しの討伐にあの艦を使うんだ……」
「ふーん、わかった。
……けど、そんな用意しなくてもねぇ?」

「怖いんだ…
ただ、突然人殺しが我が家(くに)に現れ愛しい国民が無抵抗の内に殺されるのが怖いんだ。
もしそんなときに手をこまねいて、死体の山でもできてみろ…
私は軍隊に人殺しはさせない。軍隊は敵に損害を与え、討ち滅ぼすだけだ。
死んだり殺したりするのは仕方ない。それを約束した上の"ケンカ"が戦争だ。
けど国民には!…国民にはそんな準備がない。一応国民の身を守れるよう必要な事はしてる。

ああ、ただ私は臆病なだけだ
艦隊の構成に隙が無いのは私が臆病だからだ
兵裝が充実してるのも、もしもに備えてだ
怖いんだ…仲間が死ぬのが、屍を見るのが…
殺すのも嫌なんだ…」
キュウコンが炎タイプに見合わないほど青ざめ、震え、目に涙を浮かべる
「歴史は我々を許してはくない。
負ければ国民仲間に見放れ、勝ってしまえば敵に悪魔扱いされいずれ将来歴史は我々を愚か者として名を刻まれる。
戦争は、この人殺しゲームは、なにも生み出さない!」
涙を溢れさせ、嗚咽を垂れ流すキュウコン
「ふっ…」
それに対し、ペルシアンは吹き出し
「くっくっく…あはははは、あーはっはっは」
腹を抱えて転げ回ってしまった。
「大将!大将殿!軍隊指揮官殿!総統(鳳凰)代行!代行殿!
そうだ。あんたはそうさ!戦犯だ。A級戦犯だ。
悪魔だ!そして愚か者さ。

で、私の上官様だ。私はあなたの僕だ
命令するがいい。私になんなりと、命を燃やせと、敵を滅ぼせと
臆病者め、泣き虫め。あんたは優しいな、仲間に、敵に、命に」
ペルシアンは自分の鋭い目に涙が溢れてるのに気づき、前足で拭った
「が、いいじゃないか。殺すくらい
たまには殺し合いも、優しさだけが生き物の心ではない。
来世国民が殺しを知らないのがあなたの願望か?

いずれ満足出来ぬ時代が来る。
死と殺しをとんだ見当違いで"ヤろうと"する。
皆が皆、お前の嫌いな人殺しになる。
人を愛せない、自分が解らず体を売り、皆働かず、死ぬときはただ己の首を括る時代が来る。

今が狂ってるか?そんな時代が狂ってるか。
誰にもわからない。
私だって士官だ。無茶が祟って自分の隊がボッコボコにやられた事もある。

死はいつの時代もある。殺しくらい"時代"が許してはくれるさ
歴史は、いつもポケモンを政治を世界を罵倒するだけだ。
時代は、その時の奴らの精神を愛してくれている」

ペルシアンがキュウコンの肩をぽんと叩く
「私は…悪魔か?」


「いや、あんたはただの狐だ」
かわいらしい、お花が似合う狐だ。

―総員起床、寝具畳め―

ストライクとピカチュウは軍港に居た

軍港といってもキュウコンが極秘に設置した仮設補給港である。

「……」
「……」

二人とも鋼鉄(くろがね)を見上げて居た
「少佐殿……話が違いませんか?」
「どう違う?知ってる事をそのまま喋っただけだが」
ストライク准尉が艦に鎌を向けて反論する
「こんなにデカい駆逐艦はありません!五千トン近く、十分に巡洋艦クラスです
…しかもコイツは……」
「俺は元陸軍なんだ、詳しいことはわからん…」
「さいですか」

「とにかく必要なのは乗員だ。乗員が居なければただの鉄くずに過ぎん!そこでだ」
「はい」
「そこに浮いてるのはなんだ?」
「ポケモンです」
「種族はなんだ?」
「炎タイプのバクフーンかと思われます」
「彼はなにをしている?」
「どざえもんごっこか、生死の境でフワンテ探しかと思われます」
「彼は使えるか?」
「赤紙を発行すればいいのです。使えないなら沈めてしまいませう」
「一銭五厘で死んでもらう。なあに、悪い話じゃあるまい」

二人は浮かんでいたバクフーンを引き上げ、意識がないのを確認し
「心肺蘇生開始!」
[ピカチュウのかみなり!]
[いちげき ひっさつ!]

センターまで運んだ。

―その火イタチ、可憐に―
瞼を開けると、段々に意識がはっきりしてくる

……天井?
ここは……部屋の中?
だめか、結局逃げられなかったのか
溜め息を吐き出し、独り言を言う
「ベッドがあるだけましか。」
「いや、三度の飯とちょっとした年俸を保するぞ」

うわぁぁ!?誰?
右?左?誰か居るの?

「あんたの腹の上だ」

そこに居たのは――。ネズミ?あなたは……ポケモン?」





「ぎいてー、ストライク准尉いぃ〜
超国民英雄賞クラスの僕が…僕があぁ〜(泣)」
「ヨシヨシ、おとといから今日の朝まで寝ずに研いだ鎌でぎゅーっと抱きしめて切り刻んでも良いですかピザ少佐?」
「背中に鎌の有効面が触れた瞬間に、効果抜群の電撃を……」

「暴力は…だめ、ですよ」
あは、あはははー…と、まるで蝶と戯れる少女のような声で笑うバクフーン

「炎タイプって海に投げれば死ぬかな?」
「いや少佐殿、沈めてやるべきです」
いやいや鋼材の十字架に括ってから…それより魚雷に括って…
と、兵力の無駄遣いシリーズな会話をしていると、バクフーンが申し訳なさそうに
「ここは、どこでしょうか?」
とかしこまって聞くので、二人の軍人は地図を出し、正確な病院の場所を示した後

「沈めるならここだ。ここは潮流が早く…」「こっちでしょう。深い海溝があってだな…」
否、ならばこっちは魔の三角地帯…それより超兵器の実験場…と
暴力性の無駄遣い(over violence)な会話を楽しんでいた。一方
「流されていけ…私は留まるしかない」
と、有名なボスのセリフを吐くバクフーンでした。


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Last-modified: 2009-12-13 (日) 00:00:00
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