ポケモン小説wiki
蒼の護り竜は愛を知らない

/蒼の護り竜は愛を知らない

大会は終了しました。このプラグインは外して下さって構いません。
ご参加ありがとうございました。




「ラティオスさんっ」
朝日に照らされる山吹色の駅前噴水に、彼女の声が響く。
白いこじゃれた帽子を押さえながら、小走りに僕のほうへと近づいてくる
息を切らして、汗をぬぐうサーナイトの彼女、付き合って1年の僕の彼女だ。

「ごめんなさいっお待たせしてしまって…」
「いや、僕も今来たところだよ」

例え、20分前から来ていたとしても、待っていないことをアピールすること

「もう切符も買っておいたから、さぁ、電車に乗ろう」
「うん、ありがとう!」

さりげなく、割り勘を避けること 

「楽しみだね、遊園地」
「うん、今は昼間の1時からパレードをするんだって」
「えっそうなんだ…前に行ったときにはそんなのなかったけど」
「秋の間だけ開催する、期間限定のものなんだって、時間になったら行ってみる?」
「うんっ面白そうだね!楽しみ!」

デート先の最新情報も仕入れておくこと、

「わあ、賑わっていますね」
「うん、さすがに休日は人が多いや」
「本当に何年振りかな、いろいろ変ってますね…」
「…まずはどこから行こうか」
「じゃあ、やっぱり、ジェットコースターから!」
「ふふ、じゃあ行こう」

レディーファーストを基本原則とすること

「あら、雨が…」
「…いきなり降ってきたね」
「もう少しでパレードの時間なのに…」
「…大丈夫、空は明るいし、軽い通り雨だよ…パレードまでには晴れるさ」
「そうかな…」
「そうだよ」
「…そうだね」

ネガティブな発言は避けること

「パレード、できてよかったですね!」
「うん、やっぱりただの通り雨だったね」
「ふふふ、すごく盛り上がって楽しかった」
「…少し喉が渇いたね、そこの喫茶店でお茶でもどうかな?」
「うん、休憩も兼ねてお茶しよっ」

時々休憩の時間も設けること

「美味しい…この紅茶…」
「うん、この遊園地内でも人気NO.1なんだって」
「…そうなんだ」

料理店は下調べをしておくこと…
今のところは、問題はない感じかな…

「…ね、ラティ君」
「ん?」
「今日のデート、楽しんでる?」
「え…?」

…まいったな、この質問は本にも書いてはいなかったな…

「…それはもちろん、楽しんでいるよ」
「…」
「っていうか、僕から誘ったんだから、そのセリフは普通逆じゃないかな」
「…そう、そうだよね、ごめんなさい、変なこと言って…」

楽しくないわけがない、だって、恋人と一緒に遊びに来ているんだから、
二人の間の愛を確かめる時間なんだから、楽しいに決まっている。
…そうだよな?

「今日は楽しかったですっ」
「うん、いいデートだったね」

別れ際までしっかりエスコートすること…以上を守れれば、彼女に「愛」が
伝わること間違いなし!デートの時にはここまで書いたことをしっかり守ろう!
…だったか、本で書かれていたこと、今日はしっかりできたはず…

「家まで送ろうか?」
「えっ!…はい、でも、家には両親もいるので、途中まで…」
「…うん、じゃあ行こう」
「はいっ、って、あれ…?」

彼女は僕の後ろのほうへ視線を送っている。その視線の先へと視線を移すと…。

「あ…」

そこには、僕と同じ体格を持った赤い竜、妹のラティアスがいた。駅前のアーケードの
ブティックストアで服を選んでいるようだ、その隣には、体格のいい、ガブリアスの
姿があった、二人は恋人の関係にある。どちらも笑顔で、楽しそうに服を選んでいる。

「妹さん?」
「ああ…横にいるのは彼氏さんだったかな」
「へぇ…なんだかいい雰囲気ですね…」
「…まぁ、お似合いのカップルみたいだから、さあ、そろそろ行こう」
「あ…うん」

そう、別に何か特別なことがあるわけじゃない。妹にも好きな人がいて、付き合っていて
今日はデートの日、ただそれだけ…何もおかしいことなんてない

「あ…そろそろこの辺で大丈夫です」
「ん、そっか、じゃあ今日はこの辺で…」
「あ…あのっ」
「えっ」

彼女の声に振り替える

「来週は、両親が家を留守にするんです…」
「あ…」
「その、だから…来週は私の家に、来ま、せんか…?」
「…」
「私、頑張ってお料理作りますから!けっこう美味しいんですよ私の料理、だから是非…」
「うん、そういうことなら、ぜひご馳走になろうかな」

そういうと彼女は、ぱあっと顔を明るくしてにっこりとほほ笑んだ

「嬉しい…私すごく楽しみにしてますから!」
「うん、僕も1週間後が待ち遠しいよ」

彼女は笑顔のまま大きく手を振って帰路に就いた。僕は彼女の姿が見えなくなるまで
その姿を見送った

「…」

彼女は、僕を愛してくれているのだろう。彼女の行動や言動の一つ一つから、それが伝わってくる
彼女は本当に僕のことを一つ一つ知ったうえで、僕のことを好きになってくれたんだ、
その気持ちに嘘はない、そう思える、が…

「…僕は、どうだ…?」

わからない、僕も、彼女が好きになったから、彼女が愛おしいから、恋人として付き合っている…んだ。その気持ちは伝わっているか?僕の気持ちは、「愛」は、届いているのか?
…そもそも僕は、本当に彼女を「愛」しているのだろうか

「わからない…」

僕は、愛されていなかった。
僕は、孤児だったから。

「わからないんだよ、僕には…」

絞り出された言葉は、行き場をなくし、吹き抜ける秋の風の中に消えていった。



蒼の護り竜は愛を知らない



「…ただいま」

誰もいないマンションに、僕は帰ってきた。暗い室内を壁沿いに進み、スイッチを押すと
部屋の中に光がともる。きれいに片付いた部屋の中、必要なもの以外は何もない殺風景な部屋、その真ん中に置かれた大きめのソファに腰かける。いまだ僕の頭の中には、言いようのないもやもやとしたものが渦巻いていた。

「…ふぅ」

僕は、ここより遠く離れた、小さな山の中にある村の出身だ。両親の記憶は残っていない
気づいたときには妹と二人きりだった。二人で山の中で泣いているところを
育ての親である村の人に拾われたらしい。僕らは村の人に育てられ、大きくなることができた。僕らはそのまま、村の中で暮らしていこうと考えていたが…
ある事件がきっかけで、僕らは村を出ていかなければならなくなった。
流れ流れて、ここまでたどり着いた。生活は楽ではない、二人で働きながら
学校へ行き、何とか暮らしている状態だ。妹と一緒に時間を過ごすことは少なくなった。
最近では、話すことも少なくなってしまった。

「…もう、こんな時間か」

いつの間にか日を跨ぐ時間になっていた。この時間になっても妹は帰ってこない。
明日は学校なのに、一体いつまで遊んでいるのか…そう思っていたとき

ガチャッ
「…ただいま」
「…おかえり」

妹が帰ってきた、疲れた顔をして部屋に入ってくる。手にぶら下げたお気に入りのバッグをソファの上に置くと、腕を上げて体を伸ばした。ふぅ、と大きく息を吐いた。

「…遅かったな、こんな時間まで遊んでたのか」
「別にいいじゃない、お兄ちゃんには関係ないでしょ」
「でも、夜道は危ないだろ…もう少し早く帰ってくるとか、連絡くれれば
迎えにだって…」
「今日はガブリアスさんに送ってもらったの!お兄ちゃんに心配なんでされる必要なんでないもんっ」
「な、僕はただ…」
「それに!お兄ちゃんにそんな資格なんでないんでしょ!?」
「っ!!」

ぴん…と張りつめた空気が、お互いの間に流れ込む。耳鳴りがするほどの無音の空間が
きりきりと耳の中を揺らしている…妹はうつむき搾り出すように言った。

「……ごめん」
「…いや、…僕も、ごめん…」

なぜ、お互いに謝っているんだろう。

「お風呂、入れる?」
「…ああ、沸いてるよ、ご飯もある」
「ご飯は食べてきたから、明日食べる、お休み…」
「…うん、お休み」

妹は部屋を出ていき、バスルームへ入っていく。しばらくするとシャワーの音が聞こえてきた。僕はため息をついてソファへ腰かける。喧嘩するつもりなんてないのに
どうしてこうなってしまうのだろう、いや、原因はわかっている。でもそれは…
どうしようもない、どうしようもないことじゃないか…

「ん…」

ふと、横を見ると妹が持っていたバックから荷物がこぼれているのが見えた
どうやら口を開けたまま持ち歩いていたらしい。いつもチャックは閉じておくように言っているはずだが…ふう、と一息つき、こぼれたものをカバンの中に入れていく
その中に僕は、それを見つけてしまった。

「っ…!こ、れは…」

それは、小さな手のひらサイズの箱、商品としては医薬品に分類されている、
ゴム製の避妊用具。いわゆるコンドームだった。ひと箱1ダース入り、
僕はその箱の中身を引きずり出す。ギザギザが付きどこからでも切れやすくなっている
それが、一つ、二つ、…十個 
二つ足りない
その瞬間僕の中に熱く煮えたぎる猛りのようなものが現れた。腕が震え、拳に力が入る。
今日見た二人の楽しそうな姿の記憶が、黒く染まっていく。なるほど、どうりで遅かったわけだ…叫びたい気持ちを抑え、バスルームのほうをにらみつける。自然と足が視線の先へと進む…が、思いとどまる。ギリギリのところで、足を止める。

「なにが、問題なんだ…」

そうだ、別に何が、なんてことはない。お互いに好きなんだ。好きだから、そういうことをする。自然じゃないか…なにより、僕らだってそうだったじゃないか、そうだったからこそ…

「…くそっ」

黒い猛りを抑えつつ、僕は自分の部屋に逃げ込み、ベットの中へと飛び込んだ。
考えるのをやめ、眠りにつこうとする
しかし、ぐるぐるとかき混ぜられる黒い塊がいつまでも眠りを妨げる。
その黒い塊は僕の腹の中にとどまり、ふつふつと熱を持つようになった
そして僕は一つの決心をした…



一週間後、僕は彼女の家に来ていた。約束を果たすために。

「あっラティオスさんいらっしゃいっ!来てくれたんですね」
「うん、約束したからね…」

彼女はスカートのついたチェック柄のエプロンをつけていた。胸のあたりにはクマさんの
マークがついている。いつもと違う彼女の雰囲気を新鮮に感じた。

「ちょうど料理もできたところなんです、どうぞ召し上がってください!」
「うん、僕もおなかすいちゃったよ、期待していいかな」
「えへへ、、期待に添えるかどうかは…」
「あ、ごめんなさいねこんな格好で…今着替えますから」
「え…あっ…」

彼女は、するりとつけていたエプロンを脱ぎ取る。その下にはプレイド柄の
シャツに空色のカーディガンを着こなしていた。少しサイズが小さいのか
彼女の体のラインが強調されている。胸元が大きく切れているそのシャツは
彼女の豊満な乳房を隠し切れていない。短めに切り詰められたオレンジと白のオーバーチェックのスカートは、彼女の艶めかしい素足を、その色合いとともに強調している。
僕はその姿に息をのんだ。

「?どうかしました?」
「…いや、何でもないよ」
「…ふふ、さ、こっちにどうぞご飯が冷めてしまいますよ」

そういって僕は彼女の後をついていき、食卓へ入った。

料理は絶品だった。
和食から洋食まで幅広く用意されていたが、一つ一つに工夫のされた味を感じた。
とても食べきれないほどの量ではあったが、思わず食べきってしまうほどの
その料理は、彼女の思いが込められているように感じた。
僕が口に料理を運ぶのを彼女は嬉しそうにみていた。
ようやく食べきり、一息つく。

「ふう、美味しかったよ、ご馳走様」
「うふふ、全部食べてくれてうれしいです♪」

料理の片づけを済ませると僕は彼女の部屋へと招かれた。
彼女の部屋はきれいに片づけられていて、かわいいクマの人形や
花柄のカーテンなど女の子らしい物が置かれている。どことなくいい香りのする部屋は
女の子の部屋、と言えるものだと感じた。その部屋にあるシングルベットに
二人で座る。

「少し食べすぎたかな」
「ごめんなさいね、ちょっと作りすぎちゃったかもしれない」
「…大丈夫だよ、それだけおいしかったってことだしさ」
「えへへ…ね、食休みに映画でも見よっか、借りてきてるDVDがあるの」
「ああ…」
「ちょっと待ってて、テレビのリモコンがここにっきゃ!」

立ち上がってリモコンを取り上げる彼女に
僕は何も言わずに、後ろから抱きしめた。

「え…え、ラティオス君何を…あっ!やぁ!」

そのまま手をずらし、豊満な乳房を揉みあげる。

「あっ、…ラティオスく、んぅっ!何して…」
「…意外に積極的だよねサナちゃんって」
「…え」

両手で両乳房を大きく揺らして柔らかさを楽しみつつ、耳元で僕は囁く。

「わざと小さめな服に、胸元を広げたシャツにさ…丈の短いスカートに…
気づかないほうがおかしいって」
「ち、違…私そんなつもり…んんっ!」

指先で乳首を弄る。

「こうしてほしいって、そう思ってたんでしょ?」
「ち、違います、私…!ああ…やだ、もうやめてぇ…」

さらに激しくその乳房を弄繰り回す、がその手をピタリと止めて、再度彼女の腰へと手を回す。

「はぁ…あ…?」
「サーナイトちゃんごめんね、本当に嫌なら、やめるよ?僕の勘違いなら謝るから…」
「え…」

彼女は、少しうつむき、下を向く。しばらくの間静寂が二人を包んだ。ややあって
彼女が顔をこちらに向ける。少しうるんだ瞳と、高揚した頬は言葉にせずとも、その意思を伝えているようだった。

「ラティオス君の…意地悪…」
「…」ちゅ、
「ん、んぅ…」

顔をむけた彼女にキスをする。舌を絡めながら、お互いの唾液の交換をする。
音が響く深いキスを交わしながら、再度手を胸元へ持ち上げ、再度大きく上下に運動させた。キスの合間に甘い悦楽の声が漏れてくる。
僕は左手で、柔らかさを楽しみつつ、右手を服の中へ潜り込ませる。

「ひゃっ!ラティく…」
「直接触るよ」
「ああ…そんな…やんっ」

潜り込んだ右手は速やかにブラジャーのフックへ到達する。器用に片手でフックを外すと
ゆるくなったブラジャーと彼女の柔肉の間に手をねじ込む。左手もそれに続く。

「あああ…くすぐったいよ…ラティ君…」
「くすぐったいだけ?」
「んんっ…もう…やぁん…」

手の平を畳み込むと、手の中に納まりきらない肉の一部が指の合間からはみ出してくる
手の平を広げてその上に乗る柔肉を転がすように撫でると、彼女の体が震えた。
その柔らかさは女性だけが持つ、至極の弾力。
それをたっぷり楽しんでいるうちに、お互いの息が荒く、熱いものに変わっていく
僕は、彼女の体を引っ張り、ベッドの上に座り込んだ。彼女は驚いたような声をあげて
こちらに顔を向ける、その眼には潤みがさらに増し、甘い息遣いが聞こえてくる。

「ん…ラティ君っておっぱいそんなに好きなの?」
「うん、大好きだよ、だからもっとよく見たいな」
「え…」
「…よくみせて」
「…はい」

彼女はゆっくりと服をたくし上げて、上半身に着ているものを脱ぎ捨てていく。
肩にかかっていたブラジャーを外すと、緑と白に彩られた彼女の艶やかな肌があらわになる。大きな乳房に対して小ぶりの乳輪はその大きさをさらに強調する。
ふわりと香る、あまい果実のような香りは、彼女が使っているボディソープの匂いか、あるいは…
彼女は一層顔を赤くしてうつむき気味に僕を見る。

「そ、そんなに見ないでください…」
「…凄く綺麗だ」
「っ!ラティ君何っあ!」

僕は、大きく実ったそれに顔を埋め、中心部にそそり立っている、ピンクの肉芽に
舌を這わす。舌の上で転がすように肉芽を弄り、しゃぶりつく。徐々に肉芽が
固くなっていくのを感じる。

「んん、んぅ…やだ、赤ちゃんみたい…」

彼女は愛おしそうな声で、僕の頭を抱きしめる。それに答えるように、二つある肉芽を
交互に吸い付いて、舌の上で転がしていく。しばらくの間続けると、二つの乳首はすっかりと固く立ち上がってしまった。僕は満足すると、彼女の下腹部のほうに手を伸ばす。

「あ…?ひゃ!!」
「すごい…蒸れているどころか、水気をおびてるね」
「あぅ…や…!」

指先で縦になぞると、びくりと彼女の体が震える。乳房を楽しみながら
こちらも弄ろうとすると、彼女は僕の手を止める。

「だ、ダメ!ここからは、駄目です!」
「…どうして?」
「そ、その…今日、料理してて、汗もかいてるし、こ、こんなにぬれてて
その、匂い、とか…」
「…」
「ともかくその、お風呂、お風呂に入らせてください…綺麗にしてきたらその…
続けていい、ですから」

彼女は、足を閉じて顔を真っ赤にしながら言葉を絞り出す。その姿がオスの嗜虐心をくすぐった。

「…うん、そういうことならしょうがないかな」
「あ…じゃあその、急いで…」
「その前に、これを何とかしてほしいな」
「え…きゃ!!」

僕は彼女の前に、自分のものをさらけ出した。青筋を立て、先端からは
透明な汁を垂れ流している。小刻みに震えるそれを彼女は見るのは初めてなのだろう。
僕のそれに釘付けになり、じっと見つめている。

「もうさっきからこの状態なんだ、何とか沈めてくれないと苦しくてしょうがないんだよ」
「で…でも、私やり方も何も…」
「僕が指導するからさ、しっかり最後までして口で受け止めてくれたら、お風呂に行っていいよ」
「そ、そんな…」

彼女はしばらくうつむいて、上目づかいで僕のものを見つめていた。そうした後に
決心したようにうなずく

「わ、わかりました…」
「ありがとう、じゃあお願いね」
「う…」

彼女の前にモノを差し出すと、彼女は顔をしかめた。初めて感じるオスの匂いが鼻を突いたのだろう。それでも顔をモノに近づけ、舌を這わす。

「ん…っ、んんぅ…」
「うっ、サーナイトちゃん、上手だよ…先端を中心になめて」
「ん、んちゅう…んぁ…」
「うう、茎の部分は手でやさしくこするんだ」

彼女は言われたとおりに口と手を動かして、必死に愛撫する。時節涙をこぼしながら
嗚咽が出そうになる。口の中でも鼻を突き上げてくる強力なオス臭は、耐え難いものがある。しかし舌を這わすごとに小刻みに反応する、彼のモノに、漏れてくる彼の喘ぎが
自分の奉仕によって、喜んでくれていることが伝わってくる。それがメスとしての
悦びに変わり、先端から涎を垂らしているそれが愛おしくなってくる。
大きく口を開け、口内に彼を受け入れる。モノはこれまでになく大きく震え、彼が大きく呻いた。

「んん!いいよ…そのまま舌をかき回しながら、上下にっぐ!」
「んん!んうぅ!!」

口の端から涎がこぼれるのも構わず、激しく上下に頭を振る。彼の喘ぎはさらに激しくなり、モノがこれまでになくぶるぶると震え始めた。

「ふっううう!気持ちいいよサーナイトちゃん!そろそろ出る…」
「んんん!!」
「で、出るから、しっかり受け止めるんだよ!んぐ、ぐうぅ!!」
「ん゛!ゔぅ!!」

彼のうめき声とともに、粘度の高いものが口の中にぶちまけられる。
初めて感じる男の精の濃度と粘度に思わずむせかえる。口の端から
生臭い白濁液がしたたり落ちた。必死に呑み込もうとするが、いくらかが零れ落ちる。
口の中で飛び跳ねるモノが徐々に収まっていく、口の中にたまった苦いものを何とか飲み込んだ。

「んく…んんっ…けほ、ラティオス君…気持ちよかった?」
「ふぅ…うん、よかったよ、とっても」
「えへへ、よかった、じゃあ、その、まっててね」

そういって立ち上がろうとする彼女を、無理矢理に押し倒した。
彼女は小さく悲鳴を上げて、ベッドへ倒れこむ。その上に僕は覆いかぶさり
動けないように腕を抑えた。

「え、え…何するのラティく…」
「受け止めきれなかったね、サナちゃん」
「え、あっ」

上から覆いかぶさった体制で、彼女の両乳房を両手でこねくり回す。

「しっかり口で受け止めてっていたのに、こんなにこぼしちゃって」

彼女の口からこぼれた液は、彼女の白い乳房に別の白の染みを残していた。
「あ…でも、それは…」
「約束は約束、守れなかったのは事実だよだから…」
「お仕置きだね」
「え…」

そういって僕は、サッと手を下腹部へ伸ばした。はっとした顔で彼女も
手を伸ばすが、一瞬早く僕のほうが早く、一気にショーツをずりおろした

「あっ!きゃああ!!」
「…染みができてる」
「っ~~~~!!」

声にならない声を出して、右手で顔を隠す彼女、左手は下腹部を隠している。
その手の間からは彼女の秘穴がわずかに顔を見せている。僕は湿り気を帯びた
ショーツを床へ落とし、彼女の足をつかみ広げようとするが、固く閉じられ開くことができない

「サナちゃん、見せて」
「む、無理!無理です!後生ですから…」
「しょうがないよ、それに僕のはもう見せてるじゃない」
「!…」

僕の股下にあるそれは、首をもたげていたが、徐々に根元から立ち上がりつつある。

「サナちゃんが見せてくれないのは、ズルいと思うな」
「………」
「幻滅…しないでくださいね…」

彼女は、顔を真っ赤にしてきゅっと唇をしめる。目をつむり
そろそろと足を開き始める。ひた隠しにしていた彼女の秘部は
綺麗な縦筋一本に滑りを帯びた透明な液が塗り拡げられていた。
わずかに部屋の中の湿度が上がったように感じた

「…綺麗だ」
「……」
「めくるよ」
「っひ!」

縦筋に指をあて、左右に開く。穢れのない純粋のピンクが顔をのぞかせる。
開くと同時に、内部からこぼれた粘液が指に絡みついた。彼女の白い足が
桃色に高揚していくのが見て取れた。

「…あの、や、優しく…お願いします…」
「大丈夫…力を抜いて…」
「あ…っひ!!やあ!なにっ!?」

彼女は、生まれて初めての感覚に目を開き、こちらを見る。僕は彼女の股に
顔を埋め、縦筋にそって舌を這わせた、中身をほじくるように、先端を使って
何度も上下させる。

「ひぃ!や、やだ!何してるのっぁああ!」
「れろ、何ってお仕置きだよ、ほら、こことかどう?」
「っあ!!やぁっダメ!汚い、よそこは!」
「そんなことないよ、それに…」

指で中身のひだもめくり上げると、ぷくりと膨らむ小豆と、ひくひくと
痙攣する小さな穴がのぞく。僕はそこに顔を埋め深呼吸した。

「すごく濃い女の子の匂いがする」
「!!!い、いやああ!もう許して!やだぁ!あ、ああん!!」

パタパタと足をばたつかせて、彼女は悲鳴を上げる。それにかまわず僕は
ひたすらに舌を踊らせた。しばらく時間がたつと、彼女の足は動かなくなり
悲鳴の合間に甘えたような声が聞こえてくる。

「ひぃぃっ!やぁっあ!はぁ、はぁ…あうんっ!」
「気持ちよくなってきた?」
「ああ、ぁああ…ラティ君…」
「そろそろお仕置きもお終いだよ、んっ」
「ひぅ、っあ!?ああああ!!」

僕は、すっかり赤く立ち上がった彼女の小豆を思い切り吸い上げた。彼女の体が跳ね上がり、ひときわ大きな喜びの声を上げた。

「あっ、やああああああ!!」
「んんっ!」

彼女の秘部から透明な潮が吹きだした。大きく体を痙攣させながらその絶頂を愉しむ
やがてピークが通り過ぎると、くたりとベッドの上に体を落とした。荒い彼女の息が部屋の中に響く。僕はその彼女の上に再び覆いかぶさった。

「はぁ、はぁ…ラティ君…」
「……ちゅ」
「ん、ぅん…」

舌を絡める濃厚なキス、お互いの気持ちを理解するのに言葉はいらなかった。
口が離れると、うっとりとした彼女の瞳が映った。艶やかで、堪らない。
すでに限界まで立ち上がったモノを彼女の秘部に押し当てた。

「んぁ…熱い…」
「もう、わかるよね…いくよ?」
「あ…ま、待って!これを…」

そういって彼女は枕の下から、小さなビニールを取り出す。それは、つい最近見た
ことのある避妊具だった。何かいいようのない、のどに絡みつくような感覚を覚える。
…あいつもこんな感じだったのかな、
何も言わず僕はそれを取り付けた。

「それじゃあ、いくよ?いいよね」
「は、はい…でも、優しくしてください」
「…もちろんだよ」
「…んっ!ぅう…」

ずにゅり、と意外にあっさりと僕のものが彼女の中にめり込まれていく。コンドームについたローションも相まって、スムーズに内部へはいっていく。が、何かにあたった。
それが何なのかは、お互いにすぐ理解をした。

「…ラティ君…こ、怖い…」
「大丈夫、僕の手を握ってて」
「は、い…あ、っぐうう!」

物理とさける感覚とともに、僕は彼女の最奥までたどり着く。痛みに耐えるあまり
痕ができるほど強く僕の手を握る。涙を浮かべるが、弱音を吐かず、深呼吸をして
苦しみに耐えている姿は、僕のモノをしっかりと受け止めようとしているようだった。

「痛…いよ、ラティ君…大き、過ぎ…」
「ごめんね、すぐ、よくなるから」
「うっ…あ、あ…」

すこしずつ腰を前後させて、彼女の中の感覚を楽しむ。痛みに耐える、苦しそうな声を出しながら、必死に僕を受け止める彼女の顔にはいく筋もの涙が伝っていた。
しばらくの間、部屋の中にはくぐもった彼女の息遣いが響き続けたが、徐々に彼女の吐き出す声のオクターブが上がっていく。動きづらかった膣内がほぐれていくことも感じ取れた。

「ふ、ん…ふぁ、…あ」
「サナちゃん、大丈夫?」
「ん、うん…まだ苦しいけど、少し良くなった…あっ」
「うん、なら少し本気で行くよ、もう、我慢できない」
「へ…ぅあ!いっああああ!」

彼女の腰をしっかりとつかみ、腰を大きく引いて思い切り突いた。ごつり、と奥にあたる感覚がある。その反動を使って腰を同じ位置まで引き、もう一度突く。それを今までよりもずっと激しく繰り返した。自分の欲望を満たすために、彼女の体を貪る。

「ああっ!あいっ!痛いっよラティ君!うああ!」
「ごめん、ごめんね…すぐ、すぐだから!う、ぐ!」
「う、ぅうう!ラティ君…!」

彼女は僕の背中へ手を回し、僕の猛りを痛みとともに受け止める。苦しそうな声の中にメスの喜びの声が混じる。苦痛と快楽に狭間にいる彼女の喘ぎと表情は、僕の雄としての欲望をどうしようもなく刺激した。あっという間に臨界が近づいてくる。

「サナちゃん!はぁ!はぁっ僕もう…!」
「んん!うんっいいよ、気持ちよくなって…あっあああ!」
「うううっ!も、もうダメ、っうう!!」
「あ、うああああ!!」
―ドクンッ!!-
「あっ…」
―ビクッ!!ビクンッ!ドクッ―
「あああ…中で、跳ね回ってる…」
「ふーっ、ふううっ!!」

臨界を超えた僕は、迸る白の濃液をゴムの中にぶちまける。彼女には僕が膣内で
達している感覚だけが伝わっている。彼女にとって初めての感覚に、うっとりとした表情を浮かべていた。やがて白の膿を出し切ったモノは縮んでいき、自然と中から零れ落ちた
先端には、入りきらないほどの白の膿が人肌より少し熱い熱気を放っていた。
彼女は、そのゴムに手を伸ばし、つるりと取り上げる。

「…あったかい、こんなに出してくれたんですね」
「はぁ、はぁ…すごく気持ちよかったから…たくさん出たよ」
「えへへ、嬉しい…ん」
「あっ」

彼女はゴムをひっくり返し、こぼれた液を口に流し込む。苦しそうな表情をしつつ
ごくりと飲み込んでしまった。

「今度はしっかり飲みましたよ?」
「…うん、ありがとうサナちゃん」
「えへへ…こっちに残っているものも貰いますね」
「え、あっ」

彼女はしぼんだ僕のモノをつかみ、口に含む。舌で丁寧になめとり、先端に残っている濃液を吸い取る。音を立てながら上目づかいで僕を見てくる表情は、既に純朴な少女ではなく男を知った艶やかな女の表情な変わっていた。僕の物が綺麗になるころには、しぼんでいたモノはすっかりと上向きになり、完全に立ち上がってしまっていた。

「ん、ふふ、綺麗になったと思ったら、こんなになりましたね」
「サナちゃんが上手だからね、」
「じゃ、もう一回しましょうか、ゴムもまだ残ってますから…」

そういって彼女は僕に背を向けて再度枕の下を探る、四つん這いの形になり僕にお尻を向ける。
真っ白なお尻の中心にピンクの秘部が顔をのぞかせる。新たに上塗りされた
愛液がぽたりとシーツの上に零れ落ちた。それを見た瞬間、僕の心の中にある黒いものが
音を立てて爆発した。

「サナちゃんっ」
「え、ひゃあ!な、何っあ!」

彼女の後ろから覆いかぶさり、先ほどより大きくはれ上がったモノを直接押し当てる。
彼女も何をするつもりなのかすぐに理解し、首を振る。

「い、嫌!ダメッラティ君!!それだけは絶対に…!!」
「サナちゃん、サナちゃん…!!」
「う、うああっ!やだ、やだあ!生はだめだってば!ダメえ!!」

腰を振って、ねじ込んでしまおうとするが、彼女を必死に腰を振り回し、
何とか逃れようとする。しかし偶然にも、モノを押し当てた場所に、ピンポイントに秘部が当たってしまい、先端が僅かにめりこんでしまう。一瞬彼女が動きを止めたのを
僕は見逃さなかった。

「ぅあ!あ、あああぁぁ…!やぁ…膣に…」
「あ、あああ…凄い、ぬるぬるして、熱い」
「ひぃ…やだ、抜いて…ラティ君…だめだよぅ…」

彼女の制止を振り切り、無言で腰を振り始める。先ほどのようにやさしさなんで
微塵もなく、ひたすら黒い欲望を彼女にぶつける。じかに感じる彼女の熱に、膣内のひだに、ぬるぬるに滑った彼女の膣内の味、それらはゴムありとはまるで違う快感を僕に与えた。その感覚は彼女も共有しているようだった。

「ひっ!ひぁ…ああっあああん!!」

甘い声で喘ぎながら、体を震わせるたびに、膣内が収縮を繰り返す。そのたびに
僕のモノは激しく刺激され、腰から快感が脳を突き抜けていく。ただし彼女は僕よりも
さらに激しい快感に飲まれているだろう。

「ああ…サナちゃんの中凄いよ、うごめいてる…」
「やああ!ラティ君のも凄い…固くて、熱くて…ああん!で、でも、でも…!」
「サナちゃん、大丈夫だから…今は僕に身を任せて…」
「んぅ!うんっうああ!」

さらに激しく彼女の中に、欲望をたたきつける。背面位のまま彼女の胸へ
手を回し、乳房を握りしめる。指がめりこむほど強く握り、大きく揺さぶると
また趣の違った収縮が膣内で起きた。そのままの体制で腰を振っていると、
彼女の体が痙攣を始めた。

「う、ううあ!あああっ!ああああ!ラティく、やあ!」
「サナちゃん、逝きそうだね、いいよ、僕はまだ持つから…先に…!」
「ひっぁあああああ!!!」
「ぐっ!!」

体を海老反りにさせて、大きく体を震わせる。二人の接合部からはぷしゅっと
透明な液が迸る。膣内も奥から入口まで不規則に何度も収縮を繰り返した。
彼女の口からは、初めての快感に反射的に声が漏れる。恥じらいもなく快楽に身をゆだねた雌の鳴き声をしばらくの間漏らし続けた。僕はそんな彼女をしっかりと抱き留め
彼女の絶頂を受け止める。しばらくして、彼女はへなへなとベットの上に崩れ落ちる
全身の力が抜け、小さく息をしながら、枕に顔を埋めた。ぼんやりとした表情は、いまだ彼女の中で快感が反芻していること示していた。
僕はそんな彼女をしり目に、いまだ最大膨張しているものの運動を再開した。

「っひぅ!やあん…ラティ君…今はダメえ…」
「まだまだ終わらないよ?僕が逝くまではね」
「あ、あああっ、気持ちいい…ああん…」

―意外にも彼女は、性欲が強いタイプだったらしい―

「んああ!もっと…激しくしていい、よ、ラティ君!ひゃうん!」

一度逝ってからは、激しく僕を求めてきた。

「あああっ!逝く!また逝っちゃっあ!ああああ!」

僕の上に跨り、乳房を大きく揺らして、僕のモノを貪るように腰を振った。
普段の純朴な彼女からは考えられないくらいに、乱れていた。

「ひいぃ!すごいっラティ君のおちんちんいいよっああっ!もっとぉ!」
「くっ!うう!サナちゃんっ!」

まるで娼婦のように、淫らな言葉を垂れ流し、快感に身を寄せる彼女に僕はもう
耐えることができなくなっていた。二回目の臨界が近い、再びバックの状態に持っていき
彼女の体に密着する。体が持ち上がってしまうほど力強く彼女を突く。これまでにない激しさに彼女も察した。

「あっあああ!で、出る!?出るのラティ君!?」
「はぁ!はぁ!サナちゃん…!!」
「あん!あっ!ダメ、赤ちゃんできちゃうっ!そ、外に…」
「…だ」
「え…?」
「好きだ…好きだ…!サナちゃん、サナちゃん…!!」
「ラティ、君、あっ!あああああぁぁ!!」

あふれる気持ちが言葉になる。彼女も強張らせた体のすべてを僕に預けた。
頭の中で何かがはじける、大きく腰を引き、まっすぐに突き入れる。ぶくりと
モノが膨らみ、先端から快楽が迸った。

「サナちゃんっ!!ぐううう!」
「んあっああああぁぁああ!!」

―ぶしゅううッ―

「っ…あ」

ぶびゅっ!びゅっ!どびゅ、どくっどくッ…ぷしゅ―

「はぅ…あああ、ああ…、あ」

噴き出した白湯は彼女の膣内にこびりつき、その熱を膣内から全身に伝える。
ほとんど隙間のない膣内で行き場をなくした精子は、接合部から噴き出していき
お互いの体を汚す。そのうちのいくらかは、狭い隙間を通って、子宮内に侵入していく。
そそぐ快楽、そそがれる快楽、遺伝子に刻まれている原始的な快楽に飲み込まれ、
その思考まで真っ白になっていく。
数分にわたる射精の後、二人で崩れるようにベットに横たわり、お互いを抱きしめる。

「…いっぱい出たね」
「…ごめんね」
「ううん、いいの、おなか一杯にもらって…とっても幸せ」

彼女はウットリとしたままおなかを撫でる。
彼女の気持ちが伝わってくる。

「ラティ君…大好き」

彼女は僕を愛してくれている。だから僕を受け入れてくれた、だから、僕に抱かれてくれた。こうして、そばにいてくれている。

「…うん、僕も大好きだ」

僕も彼女を愛している。だから、僕は彼女に襲い掛かった。だから僕は彼女の中に注ぎ込んだ。愛の言葉も伝えた、お互いに幸福な気持ちになれた。

「…おなかがあったかい、えへへ、できちゃうかもね」

なれた、はずだった。なのにどうして…

「その時には、ね…ちゃんと責任を取るよ」

なんで僕は、僕の心は空っぽなんだ。

「…うん、私もいいお嫁さんになるよ…ラティ君に尽くす、お嫁さんに…」

本当は気づいていた。幸せなんかじゃない、幸福なんかじゃない…罪悪感、後悔、憤慨、真逆の感情が僕の中に渦巻いている。

「…さすがに疲れちゃった…一緒に寝よ?」
「…そうだね、僕も疲れた…」

僕は彼女を好きじゃなかった

「ラティ君…愛してる」
「僕も、…愛してるよ」

嘘だ。
ただ僕は、僕の中の欲望を
彼女で晴らしただけだ。彼女の気持ちを利用しただけだ。
最低だ、最低で卑怯で無責任だ、僕は…欺瞞に満ちている
僕は彼女を愛せてなんかいない

「お休みラティ君…」
「……お休み」

この世界の愛は一体何なんだろう、どうしても愛せない、ほかの人を
友達も サナちゃんさえも、…僕にとっては空っぽだ。何もない、
でも、その空っぽの心の隅に一つだけ残っているものがある。
いつまでも離れずに、ぞの存在は遠ざけようとするほど大きくなった。
小さく笑う、僕の太陽

(ラティアス…ごめん…)

僕の心は、いつだって、妹への思いでいっぱいだった。
僕は、実の妹を愛していた。家族として、兄妹として、何より
一人の女性として…妹への気持ちでいっぱいになって
僕は眠りについた。



気が付いたときには二人きりだった。
山の合間にある、寂しくも趣のあるその村は、独特の特産品に恵まれる
郷土豊かな田舎村、その村を見下ろすように、小さな神社が町のはずれの
山の中にあった。商売繁盛、豊作祈願、毎日のように村の人がそれぞれの思いを
地元信仰の神に祈りに参拝に訪れる場所、そこの神殿の軒下に、僕らは寄り添うように
眠っていたらしい。
親がいなくて、寂しくて泣く僕らを、村の人は優しく面倒を見てくれた。
僕らに、ご飯や、着るものもくれただけでなく、神社のすぐ近くに
僕たちが暮らす家まで作ってくれた。
村の人が神社に参拝に来るたびに、いろいろと世話をしてくれた。
ご飯を作ってくれたり、掃除を手伝ってくれたり、
年の近い子供とは一緒に遊んだりと…
それが、本来は親から与えられえる愛情なんだと、僕はそう思った。

親はいなくとも、寂しくはなかった。親代わりの村の人はもちろんだが
何より僕には、妹がいた。
可愛い妹だった。生意気で、言うことを聞かないこともあったが、根は真っ直ぐで
嘘をつけない、純真な心を持っていた。
僕は、彼女のそばにずっといたいと思っていた。そばで一緒にいるだけで、心が安らいだ。
安心できた。妹が傷つくことがあれば、どんな理由があれ、彼女の味方になって戦った。
妹がいいことをすれば、自分のことのようにうれしくて、妹のことを抱きしめて、たくさんほめてあげた。逆に悪いことをしたら、わかってくれるまで全力て話し合って、時には殴り合いになっても、最後にごめんなさいを言えれば、笑顔で許した。
彼女のためなら、自分のすべてをなげうってでも、彼女を守る。本気でそう思っていた
掛け値も理屈も理由もなく、無限大の犠牲を払える覚悟を持てること、
それが愛するということなのだと、僕はそう思っていた。
村の人もそう思って僕たちを育ててくれているって、そう思っていた。

僕たちは少しずつ大人になっていった。それでも僕たちが離れることはなく
いつでも一緒だった。寝る時も一緒の蒲団の中だった。眠るときには
キスをして一緒に眠りについた。僕は妹が好きだったから、何もおかしいことはなかった。
でも成長するにつれて、少しずつ変化があった。
妹はキスした後、体を摺り寄せてくることが多くなり、僕は下半身に力が入ることが多くなった。お互いの息が荒くなりながら、眠りにつくまで時間がかかるようになった。
その変化の理由は、すぐにわかるようになった。

「お兄ちゃん、あれなんだろう?」
「ん…?」

神社のすぐ近くの雑木林の中に、無造作に置かれた複数の本、よくある子供のころの初めての性へ目覚め、この日僕らは初めて、子供の作り方を学んだ。
どうして僕の下腹部が膨らむのか、お互いの息が荒くなるのか、理由がわかるとお互いの顔が真っ赤になった。

「お兄ちゃんは、私に赤ちゃんを産んでほしいの?」

一緒の蒲団の中で身を寄せ合って、いつものようにキスをしているときに、頬を赤らめて、妹が呟く。僕のモノは、これまでにないくらい大きくなっていた。

「うん…最近おかしいんだ、ラティアスと一緒にいると、なんかむらむらして…
ここもこんなになっちゃってさ」
「ふふふ、…いいよ、お兄ちゃんとの子供なら、私も作りたい。お兄ちゃんのこと大好きだもん」
「…ラティアス…」

ラティアスはゆっくりと寝巻のボタンを外し、ほとんど凹凸はないが、メスとしての魅惑が感じられる綺麗な裸体をさらした。

「お兄ちゃん、いいよ…」

僕は迷うことなく彼女に襲い掛かった。
初めての時は大変だった。本にあった通りにしようとしても、なかなかうまくいかない。
何度も失敗しては、互いに愛撫を繰り返した。ようやく中に入ったと思えば、激痛に
泣き叫ぶ妹に、初めての女の肉の感覚に、野獣のように妹を貪る僕、時間にして数分もたたずに僕は彼女の中にすべてを放った。
その時の感覚は今でも覚えているほど刺激的だった。

「…ひどいよお兄ちゃん…痛いって言ってるのに…お兄ちゃんばっかり気持ちよくなって…」
「ご、ごめん…あんなに気持ちいいなんて思わなくって…」
「…じゃあ、明日は…痛くしないでくれる?」
「……うん、もちろん…」

それからは毎日のように、寝る前に布団の中で、気が済むまで身をかわした。
汗まみれになって、夜が明けるまで、一体になっていたこともあった。

「んんっ…あ、お兄ちゃん…ひゃっ!そこ…いい!」
「ん、入口の…この辺?それともここ?」
「あっ!やん!お兄ちゃんのいじわる…っあ!」

お互いの気持ちいいところを、少しずつ理解し

「うっ、ううう…ラティアス…上手だよ…」
「んん…お兄ちゃんはこの傘の内側がいいんだよね…」
「うぐっ、そ、そんなに焦らさないでくれよ…」
「さっきのお返しだよ!」

お互いの気持ちを高ぶらせて

「ううっぐうう!ラ、ラティアス!僕もう…!」
「ああっ!んああああっ!あ、あたしも逝く、からっ一緒に…あんっ!」
「うんっうん!一緒に…う、ううう!い、逝く!出る!!」
「あああ!!逝く、逝っちゃう!!んああああ!!

―ぶちゅうう!ぶびゅう!どぶっ!どくっどく…―

「ぅあ…はぁ…ふぅう…」
「あん…出てる…んぁあ…」

一緒に絶頂にたどり着くようになるまでに時間はかからなかった。
なかなか子供はできなかったが、それでも愛おしい妹を胸に抱いて眠っているときは
言いようのない幸福感を得られた。誰かを愛し、誰かから愛されることは、こういうことなんだと思うようになった。 
それから数年間、ずっとその関係は続いた。その間に妹の体は、少しずつ大人びていき
くびれや、胸のふくらみが出てきた。その変化を感じるたびに、新たなに生まれる欲情を彼女の中にぶちまけた。ただ一緒にいるだけの幸せはずっと続くと思っていたが…
その日は、突然やってきた。

「じゃあ、夕食も作っていくからね」
「いつもすいません、クインおばさん…」

その日は、僕らのことを一番よく面倒を見てくれた。ニドクインのおばさんが
前日から泊まり込みで、掃除や洗濯などを手伝ってくれていた。
僕らからすれば、母親のようなものだった。

「あら…材料が足りないわね…おばさん材料を買ってくるから、ちょっと待ってて?」
「あ、それなら僕らが行きますよ…なんだか申し訳ないですし」
「いやいや、いいんだよ。すぐに行ってくるから待ってなさい」

そういっておばさんは神社の階段を下りて行った。しばらくの間、妹と二人きりになる
妹は神社の縁側で落ち葉の掃除をしていた。

「クインおばさん買い物に行ったの?」
「…うん、材料が足りないんだってさ」
「そっか、じゃあ帰ってくるまでに掃除を終わらせ…きゃあ!」

僕は後ろから、妹に抱き付いた。お椀型に成長した乳房を揉みながら、既に上を向いたものを柔らかなお尻に押し当てる。

「ちょ、ちょっとお兄ちゃん…」
「昨日からずっとお預けだからさ、もう僕、我慢できない」
「や…あん」

息を荒くしながら、妹の体をまさぐる。妹の匂いを嗅ぎながら、体のラインに手を這わしていくと、ますますいきり立ったモノが、妹のお尻に食い込む。下腹部へ手を伸ばすと
既にぐっしょりと濡れていた。

「ん…しょうがないなぁお兄ちゃんは…すぐにイカせてあげる…」
「ああ、これだけ濡れてれば前戯はいいよね、ねじ込んじゃうよ」
「いいよ、我慢できないのはあたしも一緒だから…」

そういって下着を脱ぎ捨て、お尻を突き出す。

「いれて、お兄ちゃん」

僕は躊躇なく、妹の中にねじ込む。誰もいない神社の縁側で、オスの荒い息遣いと
メスの甘い声が響く。的確に妹の感じるポイントを攻めていくと、声は激しくなり
ぎゅうぎゅうと膣が閉まる。屋外というシチュレーションも相まって、いつもより早く
絶頂が押し寄せる。

「ぐう!ラティアス…!出る…」
「うんっ!ううんっ!!いいよ、出して!あっあああ!」

ぶるっと二人が同時に震え、しばらくの間動きが止まる。そしてゆっくりと腰を引くと
ちゅぽ、という音とともに、白の濃液が漏れだす。なんてことのない二人にとっていつもの光景だった…でも、

「なっ…!!何をしているのあなた達!?」

振り返るとそこには、買い物に行ったクインおばさんがいた。僕たちを見る目は
僕らが今まで見たことのない、何か異形のものを見るような、冷ややかでかつ
困惑したような視線だった。僕は、この視線を今でもしっかりと覚えている。

「あ、いや、これはその、我慢できなくて…」
「なっ!?…あなた達自分が何してるか…わかっているの!?」
「何って…その、僕はラティアスが好きだから…こうしたいって思って、その、昨日はできなかったから、我慢できなくって、」
「……は…ぁ…!?」

おばさんは、その表情をどんどんゆがめていき、みるみるうちに怒りの表情が浮かんできた。

「こ、の…ケダモノ!!」

バチィン、と思い切りたたかれる音が境内の中に響く。視界が揺れてめまいが起きる。
耳の中が痛い、キーンという音が鳴る。こんなに思い切り叩かれたのは初めてだった。

「実の妹をレイプするなんて…自分が何をしたと思っているの!?たった一人の家族でしょ!?我慢できないって何よ!!ふざけるのもいい加減にしなさい!!」
「え、は…?レイプって…」

意味は知っていた。その最低さも、でもそんなはずはないよ。だって僕は妹とは…

「お、お兄ちゃん!おばさんなんで…」
「とにかく…こっちへ来なさい!村の皆にも伝えないと…警察にも…」
「え、え…ちょ、ちょっと…」

おばさんは僕の手をつかみ、無理矢理に引っ張って階段を降りようとする。

「お、おばさん!待ってよ、お兄ちゃんは私をレイプなんてしてないよ!」
「ラティアスちゃんは家の中にいなさい!このケダモノの近くいると危険よ!」
「な、違うってば!むしろ私から誘ったの!しようって…だから…」
「は……??」

ラティアスはおばさんに駆け寄り、僕とおばさんを引き離そうとして、揉み合いになる。
おばさんは、混乱しきった表情で、しかし確かな憎悪を僕ら兄弟に向けていた。

「い、異常よあなた達…普通じゃないわ…はやく、みんなに伝えないと…」
「い、いやあ!お兄ちゃんを離して!!」
「こ、こら駄目!!離しなさい!はな…っあ」

思い切り腕を振り回し、ラティアスの手が離れる。その勢いが強すぎた。
体制が崩れる。階段の一番上。百段近くある、石作の階段の上で
おばさんの足が、階段から離れた。

「あっきゃあああああああ!!!」
「お、おばさんっ!!」
「そんなっ…嫌ぁ!!」

勢いは止まらず、階段の下までおばさんは投げ捨てられる。道に降りた後も
しばらく転がり、ようやく止まる。ピクリとも動かない、
おばさんの悲鳴に、近所の人が集まってきた

「なんだなんだ!?何があった?」
「クインさん!?、大丈夫かい!?おい、おい!!」
「誰か、救急車を呼ぶんだ!」

僕たちはただ、おばさんが運ばれていくのを見ているだけだった…


数時間して、おばさんが目を覚ましたこと、町の病院に運ばれたことを聞いた。
ともかく、今日のことを謝ろうと町へ向かった。幸いにも僕たちは空を飛ぶことができたので、町にはすぐについた。病院に入り、病室へ向かう。
その部屋の近くまで来たときに…

「どうしてこんな目に合わなきゃならないのよ!!」

おばさんの叫び声が外まで聞こえる。思わず声を潜め、聞き耳を立てる。
僕はこの時、妹を連れてきたことを、後悔している…本当に、後悔している

「もう、足が動かないって、車いすって、何なのよそれ!私が何をしたのよ!!」
「お、おいっ…今は安静にしろよ…傷に触るぞ」

クインおばさんの悲痛な叫びと、夫のキングおじさんの声が聞こえる
そのほかにも何人か、村のひとが来ているみたいだ。

「今まで十何年も世話してきて、育ててやって、それでこんな恩を仇で返すような
真似されて…何が守り神よ!こんなのただの厄病神じゃない!」
「おいそんないいかた…」
「あなたもさっきからなんなの!?私もう歩けないのよ!?子供だってもう…生めるかわからないなんて言われて…何にも思わないわけ!?なんでそんなに無関心なのよ!!」
「なっ…!俺はただ…!!」
「まぁまぁまぁ…二人とも落ち着いて…喧嘩してもしょうがないよ」
「…それにしても、守り神のあの二人が、近親相姦とは…」
「同意の上で、って話ですけど」
「そうじゃなくても異常だぜ、常識がねぇのは昔からだが」
「…そもそも守り神ってキングさんが言い始めたんですよね確か」
「…ああ、そうだよ。だってそうだろう?あの子たちが来ていた産着、あれをもとにして
作った村の綿織物が、爆発的に売れたんだ。あれがなければ村はとっくに限界集落になっていた。そのほかにも、持っていたあの綺麗な宝玉だって、砕いて、加工して、売ったら
あれも高値で売れて、借金で首の回らなかった村の財政が救われたんだ!全部あいつらのおかげだろうが!」
「…って言ってもね、もうそれも過去のことだしね」
「だな、いつまでも昔のことを引きずってよ、あいつら養育する費用だって村の財政、つまり俺らの金から出てるってのに、あいつらがなんか守っているようには見えないぜ」
「な、何を言ってるんだ…あいつらはただ…」
「あの子たちはもう、子供じゃないんですよ?それこそ、二人で交尾しちゃうくらいにさ」
「村の財政は上がっているし、観光客も増えてるし、もういいんじゃねえの?」
「いいって…まさか…」
「若い子にはこんな田舎見合わないでしょ、都会に出て、二人で住んだほうがいいんじゃないでしょうか。きっとそれがあの子たちにも都合がいいでしょ」
「だよなあ、神社の近くにホテルを建てる計画もあるし、ちょうどいいんじゃね?立退料ってことで、引っ越し代ぐらい払うから、それでいいんじゃね?」

―なんだよそれ、要するに出て行けってこと?―

「ば、馬鹿な、あの子たちを放り出して、あとは勝手にってそんなの…守り神様にそんなことして罰が当たったら…」
「…はぁ、だから奥さんも言ってた通り、あの子たちはもう守り神なんかじゃないんですよ。奥さんの言ってた通りただの厄病神ですよ!あの子たちがいつまでも村にいたらそれだけでいくらかかると思っているんですか!?」
「俺も最初は反対したよな?いずれこうなるって!!あんたが守り神だとか言ってみんなを丸め込んだ結果がこれだろ!?育ての親を一生ものの傷をつけて、近親相姦なんて吐き気のすることやりやがって、これでお前の子供や村の子供たちが真似でもしたらどうする?あんた責任とれんのかよ!?」

―まるで厄介者払いじゃないか―

「そ、それは…その…クイン、お前もそれでいいのか?」
「………よくないわよ」
「クイン…やっぱり」
「だって今追放したら、あたしが復讐できないじゃない…」
「え…」
「絶対に許さない…いま目の前にいたら、八つ裂きにしてやる…」

―本当はみんな、僕たちのことを厄介に思っていたんだ―

「…わかった。二人には私から、話をするよ…なるべく穏便に…」

―誰も庇ってくれる人もいない、そうか僕らは―

「……お、兄ちゃん…」
「………帰ろう」
「え…」
「もう、…帰ろう」
「……うん」

―愛されてなんかいなかった―
―全部嘘っぱちだったんだ―

どこからどうして帰ったのか、もう覚えていないが、気づいたら布団中にいた
隣に、妹はいない。この日初めて僕らは、別々の蒲団でなることになった。
眠ろうとしても、ぐるぐると頭の中に、大人たちの言葉が反芻する。
眠れないうちに、夜が明けた。

田舎だけあって、さすがに対応が早い。次の日から村の中はまるで別の雰囲気を出していた。僕らが村に降りると、会う人すべてが下を向き、気づかないふりをする。声をかけても無視をする。食材も何も売ってくれない、ひたすらにだんまりだ。
駆け寄ってくる子供がいた。すぐに親が飛び出してきて、無理矢理に子供を引っ張っていくこちらをにらみつけてから、家の中に入っていった。その視線はクインおばさんのそれによく似ていた。
これが人の心の本質、偽りのない無垢のままの本心
だとしたら人の愛は一体どこにあるんだろう

家に戻ると、手紙が一通置かれていた。内容は、キングおじさんから、クインおばさんが無事なこと、今回の件については怒っている人は誰もいないこと、しばらく社会勉強として都会に出て暮らさないか、という提案が書かれていた。手紙と一緒にいくらかのお金が
入っていた。

「…こんな手紙で、直接来たりもしないんだ」

卑怯だな、と僕は思った。でもこれが本質なんだろう。腫れ物に触るような扱い方

「……」

愛されていたと思っていたことがすべて嘘だと分かった瞬間、僕の中のあらゆるものが
壊れていく気がした。何もない、空虚な心が僕の中に出来上がった。
この時から、僕は愛するということが分からなくなってしまった。何が本当で何が嘘なのか…人を信じることすら出来なくなってしまった。

それから僕らは、逃げるように故郷を旅立った。あちこちをうろついて、何とか住めそうな町にたどり着き、小さなアパートを借り、アルバイトを見つけ、奨学金をもらって
学校に通うようになった。全部自分の手で行った。
アパートを借りたその日、僕は妹に話をした。

「…もう、やめよう」
「え…」

最低限の家具と、何とか買うことのできたソファの上で僕は、絞り出すように言葉を出した。

「俺たちの関係は間違っていた、だから、今後は二人とも違う道を行くんだ、
お互いがお互いのパートナーを探して、その人と恋人になるんだ」
「え…なんで…だって私お兄ちゃんと…」
「それが間違いだったんだ!」
「っ!!」
「どんな理由があるにせよ、クインおばさんは下半身不随になって、村の人からは見捨てられて、こんなアパートに押し込められて…ふたりっきりになってしまった…これまでの全部を失って…みんながみんな、不幸になってしまった。それもこれも、僕たちが愛し合っていたせいだ…」
「そ、そんな…」
「周りを見たろう?兄妹で愛し合っている人なんていない、僕らがしていることは世間ではタブーなんだ。間違っているんだよ、兄弟で愛し合うのは…もうこれ以上間違えないように、これまでのことは忘れて、本当に正しい愛を見つけるんだ…」
「な…なんで…おかしいよ…だって私お兄ちゃんが好きだよ?本当だよ?
正しいかどうかなんてどうでもいいよ!私はお兄ちゃんを、愛してるのに…」

ぽろぽろと涙をこぼすラティアス、でも僕には、彼女を抱きしめてあげることはもう、できない。最後に僕ができることは…

「僕は…嫌いだよ」
「……え」
「僕はお前のこと嫌いなんだよ!そうやってわがまま言うことも、僕の言うことを聞けないことも!昔っから!!」
「…ひどい、…なんで、そんなこと言うの?」
「決まってるだろ!お前のことが嫌いだからだ!お前なんか大っ嫌いだ!!」
「っ!!」

取り返しのつかないことを言った。もう戻ることはできない、気づくのが遅すぎた
僕はまた、間違えてしまったのだ。

「……あ…」
「お、お兄ちゃんの、お兄ちゃんの馬鹿!!大っ嫌い!!」
「っ!!あ…!」

そういって妹は自分の部屋にこもってしまった。これでよかった、これでもう大丈夫なはず、だ。でも、大好きな人に嘘でも、嫌いっていうのがこんなにつらいなんて、きっと言われたほうはもっとつらいだろう。

「…ごめん」

その日から、妹とはまともに話をしていない。
その日からもう1年以上がたってしまった。いまだに僕は愛を知らない。



目が覚めた。横には、妹が…ではなく、僕の恋人のサナちゃんがいた。
幸せそうに寝息を立てている。

「…ごめんね」

彼女の髪を撫でて僕はつぶやいた。彼女はそのまま起きることなく眠り続けた。
眠る彼女をそのままに、僕は出発した。
妹がいる、自分の家へ



夜になっていた、僕は家の中一人で妹の帰りを待っている。
考えるべきことは、すべて考えた。たぶん、こうするしかないだろう
自分が自分として生きていくためには。

「…ただいま」
「おかえりラティアス」

妹が帰ってくる、どこか疲れた表情は、いつもと変わらない。いつものように荷物を置いて、体を伸ばす。

「…お風呂沸いてる?」
「ああ…お先にどうぞ」

妹は、そのままお風呂に入っていく。それを見送り、僕はそのままテレビを見る
しばらくすると、妹はお風呂からあがってきた。寝間着姿に、お気に入りのシャンプーの香りがする。

「…お兄ちゃん」
「ん…?」

珍しく、妹が僕のそばに座ってくる。うつむき気味で、僕に目を合わせようとしない。
それでも何か言いたげな表情をしている。

「…どうかした?」
「…あの、…あのね…お兄ちゃん、私…」
「…」
「…ごめん、やっぱり何でもない」

そういって、逃げるように自分の部屋へ行ってしまう、一瞬目に涙が溜まっているように見えた。ああ、そういえば、妹はいつもそうだった。あんな風に、隠してることや、後ろめたいことがあるときには、あんなしぐさをしていたっけ。
そんな時、僕はいつもこうしてたっけ
僕は、妹の部屋へ向かう。耳を澄ますと、妹のすすり泣くが聞こえてくる。
胸がちくりと痛む、…ああ、やっぱり、うまくいかないよな…
大丈夫、もう、答えは出ている。

「ラティアス、入るよ」
「あ、え?お兄ちゃん!?」

びっくりしたような顔をして、慌てて涙にぬれた目をこすって、平然を装う
そんな妹をしり目に、妹の座っているベットの上に一緒に座る。
妹はうつむいたまま、やはり目を合わせようとしない。

「…何か、用?」
「こっちのセリフ、何か言いたいことがあったんだよね」
「…何にもないよ」
「嘘、昔からそういう態度をするときには何かある」
「何にもないってば、もう出てってよ!」
「じゃあ、出ていくけどその前に一個だけいい?」
「なによ」
「好きだ」
「…え」

びっくりした表情で、妹が僕を見る。スッと妹の手を取り、胸元まで持ってくる。

「ラティアス、大好きだ」
「え…お、お兄…んっ」

吸い寄せられるように、キスをする。久しぶりに味わう妹の唇。柔らかくて、弾力がある
変っていない。
電気が走ったように体をはじけさせ、妹が離れる。その表情は赤くなり、息が上がっている。

「お、お兄ちゃん…なんで…」
「…やっぱり駄目だった」
「え…」
「好きになったはずの人と映画を見たり、好きになったはずの人と遊園地に行ったり
好きになったはずの人と一夜を共にしても、それでも僕の中にはラティアスしかいない
僕には、当たり前の愛が分からない」
「…」
「好きになったはずの人に近づくほど、ラティアスの存在が離れていくような気がして
そう思ったら、すごく、すごくつらくて…気が付いたら、体が動いていた」
「…お兄ちゃ…」
「ラティアス…僕は、お前を離したくない…僕は、こうなってしまった今でもお前を愛している…それが、ようやくわかったんだ」
「あ…」
「今まで、悪かった…ごめん」
「…ううん、怒ってない…怒ってないよ…私…」
「…ラティアス」
「んん…」

再び、唇を奪う。今度は先ほどとは違い、舌を絡める。お互いに背中に手を回し、お互いの体温を交換する。
体が覚えている、いつもこうしてキスをしていたことを覚えているのだ。ぴったりと息を合わせて舌を絡める。リズミカルに水音を交わし、しばらくの間、お互いの唾液の交換をする。
息が苦しくなり、唇を離す。妹の顔はさらに赤くなっていたが、目には大粒の涙が浮かんでいた。

「お兄ちゃん…やっぱり駄目…」

水って妹は涙をこぼして、俯き、すすり泣く。ぽろぽろとこぼれる涙がシーツの上に落ちていく。

「…私ね、もう、お兄ちゃんだけのモノじゃないの…その、私…」
「知ってるよ」
「え…」
「ガブリアス君とは、深い仲なんだろ?」
「…ごめんなさい」
「…謝ることないだろ」

僕は、妹を抱きしめて頭をなでる。妹も僕の胸に顔を埋める。しかしそれでも、妹は泣き止むことがない、むしろ、さらに涙がこぼれていく。

「…違うのお兄ちゃん、私、それだけじゃなくって…」

涙にぬれた顔を上げて、妹がやっと言葉を絞り出す。予想はついた、
覚悟をしてその言葉を聞く。

「もう私、お兄ちゃん以外の子種、受け入れてるの…」

きっと、僕の表情は歪んでいたろう。わかっていても聞き入れたくない言葉だった。

「ガブリアスさんはすごく積極的で、私拒めなくって…最後は外で、て言ったのに…
中で、ガブリアスさんのがはじけた瞬間、私、本当にお兄ちゃんとさよならしなきゃいけないんだって思った。そう思ったらすごく、すごく辛くって…」
「私も、お兄ちゃんと一緒…お兄ちゃんがもう手の届かないところに行っちゃうような気がして、取り返しのつかないことしちゃったって思ったら、涙が止まらなくなっちゃった…」
「…」
「今の私はもう、身も心も、ガブリアスさんの物、ガブリアスさんに尽くさなきゃいけない、だって私は、ガブリアスさんの恋人だもの。」
「そう思って、お兄ちゃんを遠ざけようとするほど、私の中でお兄ちゃんが大きくなっていく。いつも夢の中で抱かれてる相手は、恋人じゃなくってお兄ちゃん。ほかの人を受け入れてもまだ、こんなにもお兄ちゃんが好き…最低だね、私って…」

そういって、あきらめたような笑顔で、自嘲気味に笑う。涙をこぼしたまま、
僕はその涙を指で拭い、しっかりと相手を見て話す

「ラティアス…」
「はい…」
「お兄ちゃんもさ、サナちゃんと一夜過ごしたとき、彼女の中に子種を植え付けてる」
「っ…」

一瞬、すごく悲しそうな表情を浮かべるが、すぐに取り繕うように、妹はうなづいた
きっと僕もこんな顔だったのだろう…

「でも、僕も最低さ…結局彼女の気持ちにしっかり答えるなんてできなかった。そこまでしておいて、僕の中に、愛の気持ちは生まれなかった…ラティアス以上に愛しいなんて思えなかった」
「…」
「結局僕らは、どこか狂っているのかもしれない…あの時から、もう誰も信じれなくなった。いや、それどころか僕らはこの世界の何もかもを信じられなくなっている。相手を信じることができないのに、誰かを愛するなんて最初からできっこなかったんだ。」
「…」
「でももう、それでもかまわない」
「…え」
「この、嘘と欺瞞に満ちた世界で、僕ら自身も嘘と欺瞞の中に飲まれて行って…大切なものを失うくらいなら、すべてを失っても残っていた、ラティアスへの愛を失うくらいなら
この愛のために一生を生きたい」
「……」
「どんなに狂ってたって構わない、世界のすべてが敵にまわっても、僕はラティアスを愛したい。それが僕の中にある「愛」だ!」
「…お兄ちゃん」
「私でいいの?…」
「ラティアスじゃなきゃダメだ、ラティアスは?」
「…私も、お兄ちゃんじゃなきゃやだ…」
「まともに生きることがこんなにも苦しいなら、こんなにも悲しいなら、
間違ってたっていい、狂ってたっていい、これまでの全部失っても構わない。
お兄ちゃんのそばにいられるなら、私は…この身も心も、私のすべての愛を
お兄ちゃんに捧げます…」
「…ラティアス」


自然と唇が引き合った。先ほどよりもやさしい、唇のキス。それでも、二人の間にできた溝が埋まっていく感覚を、僕は確かに感じていた。唇が離れると、妹はにっこりと
笑顔になった。こんなにきれいに笑う妹を見るのは何時以来だろう。僕も、それにつられて笑顔になった。妹はベットの上に寝転がり、その体を完全に預ける。ゆるんだ
寝巻きの下には、ラティアスの柔肌が顔をのぞかせている。
頬を染めてうるんだ瞳で僕を見る。ふわりと香るボディソープの匂いの中には、懐かしい
妹のにおいも混じっている。服の隙間から除く、メスの体は
これまで感じなかった雌の艶めかしさを感じさせ、どうしようもなく僕の中の雄をくすぐった

「お兄ちゃん、いいよ」

懐かしい響きだった。初めてのあの時に戻ったような、あのころの気持ちを思い出して僕は妹に襲い掛かった。

「…脱がすよ」
「…うん」

僕は妹の上に覆いかぶさり、服のボタンを一つ一つはずしていく。外していくうちに
妹の吐息に熱が入っていくのが分かる。僕自身も心音が早くなっていくのを感じていた。
すべてのボタンを外すと、重力に伴って、服がはだける。
妹の白い肌が露出した、下着は来ていなかった。
ゆっくりと、服を開く。

「んっ…」

服に引っかかった乳房が、反動で元に戻ろうとする。ぷるりと揺れるその姿は
柔らかさを象徴させていた。お椀型で、重力に負けずその形を保っている。
記憶にあるよりもはるかに、大きく、艶めかしくなっていた。
ゆっくりと両手を両乳房に添える。

「あ…」
「………」

柔らかい、片手ですっぽり入ってしまう大きさだが、手の中で形を変えて
柔らかさを掌に伝えるそれは、確かな存在感で、僕の中の雄をたぎらせる。
お互いの吐息が、激しく、熱いものに変わっていく。
手のひらの中で硬くなっていくものがあった。手のひらの位置を変え
そそり立つ乳首を指を使って転がす。

「んっ!…んぅ…お兄ちゃん…相変わらずだね」
「はぁ…ふふ、大きくなったな、おっぱい」

僕は妹のおっぱいをこねくり回しながら、つぶやく。先ほどよりも妹の匂いが強くなった気がする、甘い吐息を漏らし、乳房の下に蒸気を迸らせる。メスとしての悦びを少しずつにじませていた。
体つきは随分と大人びたが、それでも感じるツボは昔と変わりないようだ、的確な場所を攻めると、妹は面白いように反応した。

「あ…やんっそこくすぐったい」
「気持ちいい、っていいなさい」
「あっ、ん…気持ちよくないもん…」
「そっか、じゃあこれは?ん…」
「やっ…あうんっ!」

すっかり硬くなった乳首を、大きく口を開けて乳房ごと咥えこむ。思い切り吸い込みながら舌をらせん状に乳首に絡ませる。そして立ち上がった乳首を舌の全体を使って、前後左右に揺さぶる。何度も何度もそれを繰り返す。甘い声を漏らしながら妹は僕の頭を抱えて
きゅっと抱きしめる。

「ああっん…もう、甘えんぼさん…」

僕の頭をなでながら、ぼそりとつぶやく妹、その挑発に乗ってやる。さらに激しく乳房に吸い付く、容赦なく、妹の感じるポイントを攻めていく。乳房をすする音と、悶える妹の声が部屋の中に響く、両乳房の乳首が、限界まで立ち上がったのを確認すると
僕は妹の下半身へ手を伸ばす。
スリットに合わせてなぞると、妹はビクリと体を震わせる。ジットリと粘性のある
体液でぬれていた、鼻息を荒くして僕は妹のショーツへ手をかけるが…

「はぁ…はぁ…待って」

妹が、その手を止める。妹の手はそのままするりと僕の下半身へ延び、もはや決壊寸前の僕の物に届いた。上下にさすられると、それだけでも爆発しそうになった。

「すごい…こんなに硬くなってる…もう我慢できない?」
「ああ、もう限界近いよ」
「入れちゃう?」
「…いや、まずは口で行きたいな…」
「ふふ、いいよ、気持ちよくしてあげる」

そういって妹は、そっと僕の物を布越しに触る。すりすりと手を上下にすり合わせると
僕の物はピクリと反応する。にっこりとほほ笑みながら僕のズボンを一気におろす。
降ろされるズボンとは対照的に、反動をつけて再度持ち上がった僕の物は、既に
幾筋も先端から粘液を滴らせている

「ふふ、すごい…お兄ちゃんの昔よりおっきくなってるね」
「成長してるのは、ラティアスだけじゃないんだよ」
「ホントだね、じゃ、いただきます」
「うっ…」

人肌よりやや暖かいものが僕の物を包む。妹の舌がうごめく感覚が、脊髄から
脳へと直撃し、思わず声が漏れる。舌を絡めながらのどの奥まで押し込み、吸い込みつつ
舌で、裏筋を刺激しながら引き出す。いつもの昔ながらの妹の奉仕手順だ。
彼女もまた、僕の弱点をすべて把握している、とてもじゃないが、我慢は効かない。
あっという間に限界に到達する。

「う、うううう!ラティアス…もう、…!」
「ん、んんっ!」

さらに激しく頭を前後させる。これまでにない快感が迸り、目の前が白くなっていく。

「うぁっ!ううぐっラティアス!逝く、逝くよ!出るっ!!」
「んっんんん!!」
―ぶびゅううっ!びゅううう!ぶぷっ!―
「んんっ!!んく、ちゅう…んぐ…」

僕は容赦なくラティアスの口の奥で思い切り弾ける。口の中を完全に満たすほどの大量の精子がそそぎこまれるが、それをラティアスは苦しそうな顔をしつつもゆっくり飲み込んでいく。その表情がたまらなくかわいい。出し切った後も搾り取るように、僕の物を吸い上げ残った精液もすべて飲み込んでしまった。

「ん、ぷはっ、お兄ちゃんのおいしい…」
「ちゃんと飲めたな、偉いぞ…」
「えへへ…」

僕は妹の頭を優しくなでる。妹は嬉しそうに頬を緩めた、そのまま再度キスをする。
舌を絡めて、押し倒す。妹の体をまさぐりながら舌を絡めると、甘い息を漏らしながら
妹の舌がさらに熱が入ったように動き回る。僕はゆっくりと唇を離し、再度妹の下腹部に手をかけた。

「あっ…お兄ちゃん…」
「…脱がすよ?」
「…うん」

ゆっくりと妹のショーツを下す。先ほどの奉仕によってオスの香りを嗅いだからか、
ラティアスのそこは既に洪水状態になっていた。パンツと秘部の間に幾本も糸が引くほどに

「…糸引いてる」
「えっ嘘、やだ!!」

顔を真っ赤にしてサッと手で秘部を隠す。と同時に自分の洪水状態を確認したのか、
さらに顔を赤くする。その隙に僕はショーツを足もとまでずりおろした。

「すごいな、さっきのご奉仕で興奮したのか?」
「だって…お兄ちゃんのおちんちんの匂いも、熱も、反応も全部…夢に見たのとそっくりで…ずっとこうしたかったって、思っただけだもん」
「…しょうがないな、綺麗にするから、手をどけて」
「う、うん…」

おずおずとゆっくりと手が外される。そこには、ひくひくと痙攣し、少し花弁の開いた
めしべが顔をのぞかせていた。さらに新たな粘液がシーツへ垂れていく。
妹の香りが鼻を突いた。押さえつけていた欲情の塊に、ひびが入るのが分かった

「ああ、すごい懐かしい、これ、ラティアスの…ラティアスの匂いだ!」
「きゃっ!あっ!ひゃああ!お兄ちゃっあうん!」
「はあ!はあ!すごく濃い、ラティアスの匂い…!はあっ!はーっ!」
「あっ!やだっ変なこと言わないで…ああんっ」

決壊し始めた欲情に任せて、ラティアスの秘部に顔を埋める。顔をぐりぐりと抑えつけながら舌を使ってめしべを堪能する。息をするたびに、ラティアスの香りが僕の中に入っていく、さらにそれが僕の欲情を刺激してさらに激しく舌を絡める。舌をとがらせ、中へねじ込み、吸い上げる。同時に鼻先で、ぷくりと膨らんだ小豆をこする。
妹は何度も体を震わせて、色っぽい雌の鳴き声を響かせた

「ひいぃ!やあっああ!お兄ちゃんダメ!もうダメぇ!!」
「ふーっ、ふーっ!かわいい、可愛いよラティアス…!」
「あっあああっ!!ダメ、ダメぇ!!ぁああああ!!」

ビクンと腰が跳ね上がると、ぷしゅっと花弁から蜜が噴き出す。
僕はそれをすすりこみ、妹の味を堪能する。妹は荒い息をしながら、浸透する快感に酔いしれている。僕は痙攣している妹の秘部を再度指を使って開く。完全に露出した小さな肉豆がたまらなく愛おしい。僕は舌全体を使って、肉豆を舐めあげた。

「っひ!!やあっ!お兄ちゃ、今はダメ!イってすぐはダメだよぉ!」
「ラティアス…!ラティアス…!!」
「ああっ!!やあああ!そんなっ!そこ、すごいぃ!!」

妹の甘い声が、僕の頭の中に何度も響く。それは何か魔力のある旋律のようで
僕の脳をとろとろに蕩けさせていく。ただひたすらに妹の膣を味わう、舌を膣口に
突っ込み、思い切り吸い込みながら舌を引き抜く、真っ赤に勃起した肉豆を円を描くようになめまわす。そのたびに妹は体をはねさせながら悶える。

「あっ!!ああああああぁぁ~~~っ!!!」
「んっ!」

一回目とはまるで違う、雄叫びに近いような声とともに、妹は二回目の絶頂にたどり着く。
体全体がびくびくと震えるほどの、快感が何度も何度も体の中を反芻しているらしい。
体が震えるたびに、甘い蜜が僕の顔に飛んでくる。こちらも一回目とは比べ物にならない量だ。妹をたっぷりと浴びていると、やがて妹の体は動きを止め、ぐったりとベットへ体を横たえる。甘い雌の喘ぎだけが部屋の中に響く。

「すごくかわいかったよラティアス…」
「はぁ…はぁ…あ…お兄ちゃんの…ばか…」

僕は再び彼女の上に覆いかぶさり、腰に手を回して抱きしめる。妹も僕の背中へ
手を回す。それだけで、身も心も一つになれたような気がして、堪らなく心地いい
ずっとこうしていたいとも思う。でも…

「お兄ちゃん、当たってる」
「…なにが?」
「お兄ちゃんの♪」

もうずっと前から僕の物は完全に復活していて、今も妹のおなかの上を圧迫している。
先端からあふれ出るぬるぬるの粘液は、とめどなく溢れてきて、既に妹のおなかの上を汚していた

「お兄ちゃんの、入れちゃっていいのか?」
「うん、欲しい。お兄ちゃんので私のおなかの中をいっぱいにして…」
「…わかった」

お互いの息を荒くしながら、僕らは再び禁忌を犯す。でも構わない、
常識も、理屈ももうどうだっていい、ただ妹が欲しい、ただ兄が欲しい
ただそれだけ、
入口に、青筋が限界まで浮き上がったモノをあてがう。そのままゆっくりと腰を進めた。

「あっ…ぁぁああああぁ…」
「うっ……ラティアス…」

一番求めていた人が、自分の肉をかき分けて入ってくる。あれから少しだけ大きく
太くなったそれは、変らぬやさしさを保って膣内を犯してくる。
肉襞が万遍なくかき分けられる間隔は、脊髄から脳へ電撃を伝える
切なさと安らぎを入り混ぜたその感覚は、メスの悦びとなって口からこぼれ出す。
自分でも信じられないような、雄に媚びる雌の旋律。
ラティオス自身も分厚い肉壁が絡みつく感覚を感じていた。固く閉じ来ているように見えて驚くほど柔軟にオスの肉壁を受け入れられる、そのあとは自分の形にぴったちと密着するように変形し、その肉襞を擦り付ける。数年前には感じなかった雌の感覚、
気持ちよさに気が飛びそうになるのを何とかこらえる
どちっと奥までは入り切り、子宮口に先端が当たる感覚。お互いが完全につながったことを感覚で理解した。しばらく、お互いの鼓動を交換する

「お兄ちゃん…」
「ん…?」

ラティアスは目に涙を浮かべながら、それでも嬉しそうに微笑んだ。

「…おかえり、お兄ちゃん」
「うん、ただいま…」

お互いが望んだこと、それでも心の中で押し込めたまま果たせなかったこと。
ようやく叶ったという思いが、思わず言葉に漏れた。
ずっと…こうしたかった。

「あ…ん…あぁ……」

僕はゆっくりとしたストロークでラティアスの中を突いていた。抜ける寸前まで腰を引き
ゆっくりと中へ押し込む。よりじっくりとラティアスの中を感じることができた。
ラティアスの中は、昔とはまるで違っていた。
中を移動するたびに、うごめく膣内が不規則に僕を刺激してくる。微妙に腰を動かしてより奥まで僕の物を受け入れようとしている。
それはラティアスが一匹のメスとして成長をしていることを感じられた。
艶めかしく響かせるメスの悦びの声が、堪らなくいやらしい。

「はぁっはぁ!すごいよラティアス…絡みついてくる…」
「んっあん!お兄ちゃんも、大きくなってて…あん!気持ちいい…」
「う、ううっ!ラティアス、そろそろ…」
「うん…もっと激しくして…あんっ!あああ…」

先ほどとは違い、短いストロークを激しく妹の中にたたきこむ。奥の壁にぶつかるたびに
短く悲鳴を上げるラティアス。呼応するように膣内の収縮も激しく、強いものに変わっていく、熱い吐息とともに漏れ出すメスの悦びの声、同時に溢れてくるメスの潤滑油と
にじみ出る汗が蒸発し、艶めかしさを含んだラティアスのメスの香りが、僕の物をさらに固くし、腰の動きもダイナミックなものに変えていく。

「…アス、ラティアス…!!」
「あんっ!ぁああ!な、何?…」
「ずっと、こうしたかった…ずっと…」
「んっ私も、お兄ちゃんに、こう、されたかった…」
「お兄ちゃん、私、幸せ…あっ!んああっ!!」

僕は乱暴に妹の唇を奪い、舌を絡ませる、息が苦しくなっても貪るように
妹の舌の味をかみしめた。ラティアスの腰に手を回し、上へ持ち上げると
さらに奥まで届き直接子宮口を刺激する。すると妹は体を震わせて反応し
ぎちぎちと僕のモノを締め付けた。
いよいよ限界が近い、苦しくなった口を離して喘ぐように息を荒立てる。
ほとんどの理性はオスの猛りにとってかわり、ずっと押さえ込んでいた思いが言葉になって溢れだした。

「あ、あああ!ラティアス!お前は、僕の、僕のものだ!!」
「あんっ!あんっ!お兄っひゃう!!やああ!!」
「もうだれにも渡すもんか!僕だけの、僕だけの女にしてやる!!」
「うんっ!うん!いいよ、お兄ちゃん…私をお兄ちゃんのものに…」
「う、あっああああ!!!出す、出すぞっ!!」
「あっあああっぁあああああ!!!」
―ぶびゅううっ!!―

「うっ!!!」
「っぁあ!!!………あ」

―びゅるるっ!びゅっ!どぶっどぷっ…!びゅくっ!―

「はぁあ…ああ、ああああぁ…」

自分の肉棒から濁った白湯が噴き出すたびに、視界が真っ白な靄に包まれる。
駆け抜ける快感が、反射的に脊髄を刺激し再び腰をラティアスに打ち付ける。
痙攣する肉襞の滑りが、さらに僕の白湯を搾り取っていく。
ラティアスも、兄の猛りを必死に受け止めていた。お兄ちゃんが雄たけびを
上げる度に火傷してしまいそうなほど熱いものが膣内にこびりついてくるその感覚は、言いようのない感覚で、ただただ幸福感で満たされる。狭まっていく視界の中で、兄が必死の表情で自分の腰を打ち付けている姿は、メスとしての悦びを刺激し、無意識に膣内を締め上げた。
お互いに知っているはずのその感覚は、まるで初めての時のように、お互いの体を共有するように、何度も反芻された。
数分してようやく腰が止まる。ゆっくりと僕が腰を引くと、ごぷっという音と共に、
大量の白濁液がシーツにこぼれた。

「……いっぱいでたね、お兄ちゃん」
「ああ…凄く、気持ちよかった…」
「うん、私も…こんなに気持ちよかったんだね、交尾って」
「そうだな…うん、でもそれだけじゃない」
「えっ?」

お互いに背を向けて、見るべきものを見ないようにして、壁を作っていたらきっと
分からなかったこと

「一番好きな人と一番近くに入れることは、こんなにも心地いいって、そういうことだよ」

何があっても構わずに、ただ好きになった人のそばにいること。それが愛するということなんだってこと。

「ラティアス、愛してる」
「…私も、お兄ちゃんのこと、愛してる」
「大好き、お兄ちゃん…」

僕はようやくわかった。もう、迷わない。僕の腕の中で涙を流す彼女を離しはしない。
これからもずっと…


「ん、んっお兄ちゃんの、おっきくなってきた…」
「うう、いいよラティアス、上手だ」

僕は仰向けになって、ベットへ寝転んでいた。いまだこびりついている子種をラティアスがなめとっている。ざらざらの舌が僕の肉棒を這いまわると、みるみるうちに僕は力を取り戻す。

「わぁ、もうこんなにおっきくなったね…」
「ラティアスが丁寧になめてくれるから、嬉しくなっちゃったよ」
「えへへ…ね、今度は私が気持ちよくしてあげるね!」

そういって妹が僕の上にのしかかってくる、ぷるんと実った二房の乳房が目の前で揺れる
さらに肉棒が固くなった気がした。いまだ子種があふれてくる花弁をたどたどしくも
なんとか僕のモノの先端に押し当てて、一気に腰を落とす。

「んっ!んぁああ…」
「う…」

既に、解れきったメス穴は抵抗なく、天井を向く肉杭をずっぽりと包み込む。
重力の力も加わって、先ほどよりも奥まで咥えこまれているのが分かる。
ややあって、ラティアスが上下に動き始める。ごつごつとラティアスの肉壁に
先端が当たる、それに呼応して甘えるような声が響いてくる。ベッドのきしむ音と
いやらしい水の音と、甘い雌の旋律が、三重奏を奏でていた。

「ああっ!あんっ!お兄ちゃんっ気持ち、いい…?」
「うぅ!いいよ、すごい奥まで入ってて…し、搾り取られる…!」
「んっ、うれ、しい…んん!ぁああ!」

汗を迸らせながら、僕の上で淫らに乱れるラティアス、ふと彼女の胸の上で踊るものに目が行く。小ぶりながらも上下に揺れてメスの魅惑を漂わせるそれが、堪らなくいやらしく見えた。思わず胸に顔を埋める。

「ひゃっ!お、お兄ちゃん何を、やっ!ああん!」
「んんん…ラティアスのおっぱい…」
「やんっ!もう甘えん坊さん、なんだから…んんんっ!」

上下に揺れる乳房にむしゃぶりつくと、ラティアスは体をのけぞらせて反応した。
きゅうっと肉棒の先端が締め付けられる。より強い雌の嬲りがあっという間に僕の限界へ導く。ラティアスも腰を痙攣させ、これまでになく激しく腰を振ってきた。

「あっ!あっ!ああっ!ああああ!お兄ちゃん私…!」
「ああっ!僕ももう、もう…」
「いいよ、出して、いっぱい中に…」
「うううっ!ぐううっ!!」
「ん、ぁあああああ!!」
―びゅうううっ!びくっ!びゅくっ!どびゅううっ―
「んあ…はぁあ…ん…」

柔らかな妹の胸に挟まれて、僕はぶるぶると身を震わせる。既に子種で満たされている膣内に新たな子種を注ぎ込む。妹も、僕の噴火を満足げな表情で受け止める。
もはや僕たちの間にはしがらみや壁は存在しない。ただそこにあるお互いの愛を存分に確かめ合う。

「はぁ…はぁ…もうお兄ちゃんてば、まだおっぱい吸ってるの?」
「ん、ちゅう…だってラティアスのおっぱいがエロいから…」
「んふふ、エッチなんだから…」
「今度は、僕の番だよ」
「あ、ひゃん!」

それからも僕たちはただひたすらにお互いを求めた。

「お兄ちゃん、これでいいの?」
「そう、おっぱいで挟んで…う、そう上下にこするんだ」

これまでの埋め合わせをするかのように、
「ん、ん…お兄ちゃんの、匂いがする…」
「はぁ、はぁ…ああ、ラティアス…うう…」

空っぽの心が満たされていく感覚は、自分の体に失っていた高揚感を感じさせてくれる
生きている感覚を、感じさせてくれた
でも…

「うううっ!また出るよ、ラティアス!!」
「んぁ!!やあんっ!すごい、おっぱいの中で、暴れてる…」

同時にその至福の時間の終わりが近づいているのも感じていた。

「ん、ちゅ…お兄ちゃんのあったかい…おっぱいがお兄ちゃんのでぬるぬるだよ…」
「はぁ、はぁ…ごめん、思わずぶちまけちゃった」
「ううん、いいの…お兄ちゃんの匂いがいっぱいするから…」

またあの、死んだような世界に戻らなきゃならない、真実も確かなものもない
嘘ばかりで塗り固められたあの世界に、

「お兄ちゃんの硬いままだよ…もう、どれだけ溜まってるんだか」
「ラティアスのこと、可愛くってしょうがないって、言葉だけじゃないだろ?」
「…えへへ、嬉しい…ね、また今度は私がするね!」
「ああ、何度でも一つになろう、何度でも、さ」

僕らは、その時が来るのを惜しむように、お互いの体を貪った…

東の空から薄明りが差し込んでくるころになって、僕たちはようやく動きを止めた。
部屋の中はオスとメスの匂いでいっぱいになり、僕らの体も、お互いの体液で
ぬるぬるになっていた。それでも僕は妹に向かって腰を振る。お互いにもうほとんど
声も出ない。部屋の中にはベッドのきしむ音と、激しい息遣いだけが聞こえる

「…っう…」
「んっ…んぅ」

びくっと僕のモノが震える、がもう出るモノは残っていない。乾いたオスの猛りが空しく
ラティアスの膣内に響く。申し訳程度に数滴が先端からこぼれると、力尽きたように僕はラティアスの横へ寝転がる。と同時に、肉棒が引き抜かれ、一体だったものが二体に戻る。
栓が抜かれたように、生臭いオスの白湯が音を立てて噴き出してくる。

「あ…お兄ちゃんの、出ちゃう…」
「はぁ、はぁ…もう、駄目だ…もう、動けない」
「私も…もう無理、腰が、限界…」

最後の力を振り絞って、お互いの体を抱き寄せる。その全身を自分の雄臭に包まれてもなお、妹からはほのかに甘い香りがする。

「お風呂…もういいや、動けない」
「そうだね、明日お兄ちゃんと一緒に入る…」
「うん、そうしよう…」

そのまま、目を閉じて眠りにつこうとする。しかし、眠ることはできない。
泥のように疲れた体をしているのに、脳にまとわりつく靄のようなものが
いつまでもぐるぐると自分の頭の中を旋回している。
もう、夢の時間は終わった。

「…お兄ちゃん」
「…何?」
「…これから、どうしよう…」
「…」

僕たちは戻らなければならない、僕は僕の彼女と、妹は妹の彼氏と、偽りの愛を紡いでいかなければならない。また、お互いがお互いに背を向けて、気持ちを偽って、
お互いを、遠ざけて生きなければならない。
誰もが不幸になってしまう、あの世界に
でも…

「この世界は、それが普通だ…この世界で生きる限りは、そうするしかない」
「そうだよね、兄妹が愛し合うなんてありえないって、そういうものだもんね」

…僕の答えは決まっていた。
僕はその答えを、ラティアスへ伝える。それはつらい選択だ、僕は二度も
妹に強制させようとしているのだ。自分のすべてを捨てることを

「…そういうって思ってた」

妹はにっこりと笑う。屈託のない、まぶしいほどの笑顔、迷いなど微塵もない
ほかの選択肢なんていくらでもあるのに、選びたい選択肢はこれしかない。
ああ、やっぱり僕たちは狂っているんだろう…

「お兄ちゃん…大好き」
「ああ、僕もラティアスが大好きだ」

そういって僕たちは眠りについた。きっとこうして柔らかな布団の上で眠るのは最後になるだろう。
この日僕らは、世界を捨てた。



「え……?」
「…」

僕は、その日学校を休んだ。心配になったサナちゃんは僕に連絡をくれた。
そんな彼女を、僕は近くの公園へ呼び出した。授業中のはずの時間帯だが彼女は来てくれた。ああ、やっぱり彼女は優しい…だから、言わなくちゃいけなかった。

「い、ま…何て…?」
「…別れようって言ったよ、僕には君を愛する資格がないから」

彼女は、困惑しているような顔だったが、意外にも落ち着いていた。うなづいて
絞り出すように言葉を出す

「…妹さん?」
「!…」

やっぱり、といった表情をする。その眼には、涙を浮かべていた。それでもしっかりと僕を見つめて僕を見る。どこかで僕も感じてはいた。彼女にはおそらくばれていると

「女の勘って怖いですね、本当に当たっちゃうんですもん」
「やっぱり、気づいてた…?」
「もしかして、くらいでしたけど…雰囲気っていうかなんて言うか…お二人の間には確かにつながる何かを感じてました。私とラティ君の間にはないものを…」
「…」
「…悔しくって、私…無理していい女の子を振舞ったり、誘惑もしてみて、あなたの心を私に向けたかった。でも、結局は…私のことを見てはくれないんですね…」
「…ああ」
「今までも、これからもずっと?」
「…ごめん」
「…ラティオスさん」

乾いた音が、公園内に響いた。耳まで響くほどの平手打ちを食らう。びりびりと響いてくる痛みを真摯に受け止める。だが彼女自身が、僕以上に苦しい顔をしていた。

「ラティオスさん…あなたって…最っ低!!」
「…」
「……私の気持ちなんてどうでもいいんですね、こんなに苦しんで、悩んで、身も心も捧げたのに!私よりも…妹さんなんですね!」
「ああ、そうだ。僕は妹を愛している」
「異常です」
「わかってる」
「…周りの人だって認めやしないです」
「構わない」
「……まともに生きることすら、難しいんですよ?」
「覚悟しているさ」

また、サナちゃんが手を振りかぶる。いいさ、何度だって受け止める。彼女の気持ちを
すべてを受け止めて、最初の一歩を歩き出すと決めたのだから。
ふわ、と柔らかい感触の香りを感じる。サナちゃんは僕に抱き付いてきていた。

「一つだけ、いいですか?」
「…なに?」
「妹さんのこと、絶対に幸せにしてください」
「!…」

思わぬ彼女の一言に、はっとする

「…そして忘れないでください。こんなに泣いて喚きたいって思うくらい、悔しくって
思い切りひっぱたくくらいに裏切られても…それでも、幸せになってほしいで思えてしまうくらいに…あなたのこと、好きだった人がいたことも…」
「…わかった、必ずラティアスを、幸せにするよ」

僕は彼女の肩に手を置き、前へ向かって押す。彼女の体が離れ、手が離れていく。
彼女の目からは幾筋も涙が流れていた、それでも真っ直ぐに僕を見つめる

「さようなら、サーナイトさん」
「…さようなら、ラティオス君」

それを最後に僕は、その場を去った。背中から、彼女が泣き崩れていく気配がする。
僕は振り返らず、その場を離れていく。彼女も後を追ってくることはなかった。
心に何かが突き刺さっている感覚がする。じりじりとした痛みがしみ込んでくる。
きっとこの痛みは一生残り続けるだろう…だが背負っていく。もう決して背を向けないと決めたから。

「お兄ちゃん」

気が付くともう家の前まで来ていた、家の前にはラティアスがいる。手には小さなカバンを持っている。いつも身に着けている。お気に入りのカバン。

「もう、いいのか」
「お兄ちゃんこそ」
「…こっちは、済んだよ」
「私はもうとっくだよ」

妹の顔には涙の痕があった。ああ、僕と一緒だろう。思うところはあったろうし
しがらみがないと言えばうそになる、兄弟そろってつくづく業が深い。
深呼吸して、目を閉じる。

「そろそろ、行こうか」
「うん、行こう…二人で暮らせる楽園に、ね」

僕たちは、その日すべてを捨てて旅立った。


随分と長い間、僕たちは旅をつづけた。目的は、自分たちの生きる場所、楽園を探すこと僕たちの生きる道が世界の中のどこにもないのなら、自分たちで作るしかなかった。
簡単な道のりではなかった。木の実が探せないときにはすぐに飢えが襲ってきた。
木の根を食べて飢えをしのいだこともあった。追剥に会いそうになることもあったし、
吹雪や、豪雨に、自然の脅威にさらされることもあった。
それでも何とか旅をつづけられたのは、ラティアスと一緒にいれたからだろう。
寒いときにはお互いに身を寄せ合って、様々な危機にも、お互いに協力して切り抜けた。
落ち着ける場所を見つけては、何度でもお互いに愛し合った。辛いことも苦しいことも
何度でも乗り越えられた

旅立ってから一年、僕たちは遂に見つけることができた。

「すごいぞここは…島なのに、こんなにも水が豊富だ。」
「木の実もたくさんあるし…ほかには誰もいないみたいだね」

空を飛んで、海へ出た。懐かしい感覚にひかれてこの島にたどり着いた。
町があったような跡は残っているがほとんど草の中に埋もれていた。
今は何も、残っていない。ただ豊富な水と、その恩恵を預かった自然が
生い茂っている…ここはまさに、楽園だった。

「ようやく見つけることができた…ここが僕らの…」
「楽園だね…お兄ちゃん…」

僕たちは、そこへ住み始めた。手ごろな洞窟を見つけた。そこを住処にした。
生活のすべては自給自足、電気も水道もない。不便でないと言ったらそれは嘘になる。
でも、今までで生きてきた中で、僕はいちばん充実感を感じていた。
今日も僕は、木の実を集めて洞窟へ戻る。

「ただいま、ラティアス」
「あ、お帰りなさいお兄ちゃん!」

草でできたベッドの上に寝ていたラティアスが起き上がる。が、バランスを崩し
洞窟の壁にもたれかかる。

「お、とと、あぶない」
「おいおい、気を付けないと…もう一人の体じゃないんだぞ」
「…えへへ、ごめんごめん…」

ラティアスはおなかをさすりながら、頬を掻く。もうそのおなかは見た目で分かるほど大きくなっていた。旅の最中に、僕の種付けが成功したようだった。ここへ着くときにはもう、そのことはわかっていた。そのことが分かった時には、僕は本当に声を上げて喜んだ。
妹も幸せそうに微笑んでいた。もうすぐ、僕たちの子供が生まれる。

「たくさんとってきたね」
「なんといっても三匹分だからね、しっかり栄養をつけないとさ」
「うん!でもその前に」
「あ…」

妹は僕の腰についた布きれをめくり上げる。するっと柔らかな手が僕のモノをつかみ
しごき始めた。ぴくんとモノが反応し、血流が集まり始める。

「疲れたでしょ?今日の分抜いちゃうね」
「う…頼むよ」

みるみるうちに上を向き始めた肉杭をラティアスは、一気に咥えこむ。
妊娠が分かってからは、さすがに交尾はできなかった。代わりに毎日こうして口でしてもらっている。そのせいで、ラティアスのテクニックはうなぎのぼりに上達してしまい、
最近では数分も持たなくなっていた。

「ラ、ラティアス!出る!」
「んぐっ!ん、んく…」

吹き出るオスの猛りを難なく受け止める。愛おしそうな目で僕を見上げながら、
最後の一滴まで搾り取る。ここ最近のよくある光景。
ふと、脳裏によぎる。本当にこれでよかったのか、町に出れば何不自由のない
快適な暮らしができる時代に、こんな穴倉の生活。身重の体なのに、こうして草のベットの上に寝ていることしかできない。きっと町に残っていればもっといろいろできたはずだ
少なくとも、ここにいるよりは…
何度も僕のモノにキスをして、したたり落ちた子種を吸い取っている妹を見て、思わず声がこぼれた。

「ラティアス、ごめんな…」
「んちゅ、ん…?いきなりどうしたの?」
「子供ができたのに、こんな穴の中で一日いるのもつらいだろう?本当なら、こういう時には病院で落ち着いて出産ができるはずなのに…こんな穴の中で、僕の下の世話までさせて…」
「…」
「なんていうのかな、うまくいかなくて、ごめんな」

あの約束は果たせているのだろうか、と不安になる僕を、妹はにっこりとほほ笑んで見せた。

「ホントにね、この生活、大変じゃないっていえば嘘になるよ」
「…!」
「電気もなければガスもない、この洞窟の中も雨が降れば水がしたたり落ちてくるし、
いつでも寒いし、虫もいるわカビは生えるわ…大変なことはあげたらきりがないね」
「でもね…」

そういって妹は僕のそばに寄り添い、大きくなったおなかを優しく擦る。

「今私、生きてきた中で一番…幸せ…」
「…ラティアス」

自然と唇が重なる。舌が絡むことはない優しいキスが、すべての答えを示していた
ゆっくりと僕は、草のベッドの上にラティアスを押し倒す。

「えへへ、お兄ちゃん…私したくなっちゃった」

そういってラティアスは自分の服を剥ぎ取り、指で開いて自分の花びらを見せつける
既に溢れる蜜が幾筋も垂れ落ちていた。

「お、おいおい…身重の体なのにそれは…」
「大丈夫、安定期に入ったし、口で抜いたから、少しは落ち着いてるでしょ?」
「いや…しかし…」
「それにね、いっぱいお兄ちゃんに愛してほしいの」

頬を桃色に染めて、満面の笑みを彼女は見せた。オスを求めるその姿はもう、
僕のブレーキを壊すのには十分すぎるモノだった。体中の血流が、下腹部に集まるのを感じる。

「わかった…何せ半年ぶりだからな…覚悟しなよ」
「うん、半年分の愛を私に注いで、お兄ちゃん♪」

誰もいない島の、小さな穴倉にオスのうめきとメスの喘ぎが止むことなく響き続ける。
僕はいまだに当たり前の愛はわからない。
それでも何を大切にしないといけないかは知っている

終わり


トップページ   編集 凍結 差分 バックアップ ファイル添付 複製 名前変更 再読み込み   新規作成 ページ一覧 ページ検索 最近更新されたページ   ヘルプ   最終更新のRSS
Last-modified: 2014-11-01 (土) 22:56:37
This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.