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聖なる夜に君に捧ぐ

/聖なる夜に君に捧ぐ

こんばんは。夜空に浮かぶクrすみません。調子に乗りました。夜空に浮かぶ役立たずです。修行中です。
もう突っ込まないでいてください(泣)    ありとあらゆるところで失敗していて凹みまくっているのですorz
作品と言えるほどの出来栄えではないですが読んでいただけたら嬉しいなぁ……と。








「メリークリスマス。レシラム。」
「メリークリスマ~ス♪ゼクロムッ♪」


イッシュ地方最古の建造物と謳われるリュウラセンの塔の最上階。英雄と共に闘い全てを無に帰した神と並ぶほどの圧倒的存在感を祀る部屋の漂わせる威厳の中に場違いとも思えるほどのはしゃいだ声とともに二匹のとても巨大なポケモンの影が映っていた。
2匹のやり取りで察しがつかないわけないだろうが今日という日は人間が「聖夜」と呼び神を祝う日であった。退屈な毎日の繰り返しであったこの2匹のポケモンは人間について何かと詳しいゼクロムの提案でこうして人間の真似をしてこの日を祝っていたのだった。もちろん、何を祝ってのことなのか2匹はさっぱり理解していなかったのだが。
ほかのポケモンたちはこの2匹の甘い雰囲気を邪魔するのは忍びなかったのかこの日だけリュウラセンの塔にはポケモンがいなくなった。ほかのポケモンたちから見ても甘い雰囲気を醸し出しているこの2匹だったが当の本人たちには自覚は無いようでほかのポケモンたちの期待しているような展開は全く見られなかった。それにもし2匹がそういう関係ならばこんなにもちぐはぐしたテンションで聖夜を楽しむわけないだろう。
「どうしたの。ゼクロムゥ? もっと盛り上がろうよっ♪」
「いや。すまんレシラム……。  流石に1739回目となると飽きてくる」
そう言って2匹が持ち寄ったり塔に住んでいた信仰心厚いポケモンたちから分けてもらい床の上に敷かれた布の上にきれいに並べられている食べ物の中から取り出した骨付きの肉をゼクロムが豪快にかぶりつきながら言った。
「相変わらずすごい食べ方………」
「こら。レシラム。話をずらそうとするな」
そういうと手に取っていた肉を軽く放り投げ速度を落とし始め落下してきた肉を口の中に収めるとバリバリと音を立てながら骨ごと咀嚼しごくんっと音を立てて飲みこみながらレシラムが逸らそうとしていた話題の軌道修正を始めた。
「さて、この夜、いつも俺たちがやっていることは?」
「う~ん……。 食べて話す?」
「そうだ。その通り」
話しながらモモンの実を両手に取ると果汁が口の周りに付くのも気にせずに食べている伝説のポケモンらしくないレシラムを繁々と眺めながら話を続けた。
「それで、つい最近知ったのだがこの行事において俺達は大事なことを忘れていたようだ」
「大事なこと?  なぁに。それ?」
ゼクロムが軽く頷くと得意気な顔をして言った。
「プレゼント交換だ」
『プレゼント』という言葉に反応して目を輝かせるレシラム。やっぱりゼクロムはいいやつだね。と思いながらレシラムはゼクロムに訊いた。
「で、ゼクロムは今日どんなプレゼントを用意してくれたの?」
目を輝かせながら無邪気な笑みを口元に浮かべているレシラムにゼクロムはバツの悪そうな顔をして頭を掻いた。
「あ………いや…。   すまん。忘れてた」
そう言ってごまかし笑いを浮かべようとしたがそれよりも先にレシラムの目が潤んできているのに気が付いてしまった。
「レ、レシラム?」
恐る恐る目の前で泣きそうになっている伝説のポケモンの顔を覗き込む。その途端ついにレシラムの大きな瞳から涙がこぼれた。
「わっ。わわわわわ…。す、すまん。よ、用意できなかったものは仕方がない。来年のこの日に、とびっきりのものをあげるからな?なっ?」
ゼクロムがあわててレシラムの涙を止めようとレシラムの頭を撫でながら必死になだめている様は親子かと思えてしまうほど微笑ましいものだった。レシラムは来年プレゼントをもらえることに安堵して泣きやみにこにこと「約束だよ?」とゼクロムに念を押しながらモモンの実に手を伸ばした。


夜も更け夜行性のポケモンの鳴き声が聞こえ始めたころ、レシラムとゼクロムは塔の大きく作られた窓から羽ばたこうとしていた。2匹とも普段は違うところに住んでおり点々と場所を変えて暮らしていた。人間たちにはなるべく見つからない地を目指しときには海を越えることすらあった。しかし、1年に一度。この塔でお互いはお互いの無事を知ることができる。ここで別れたらまた1年、独りぼっちで暮さなければならない。それがどうしても耐えきれずゼクロムに泣きついてしまうレシラムを見るのも2匹だけの聖夜の夜を迎えた数と同じであった。
「…ひっく……ぐすっ…。  さみしぃよぉぉ………」
ゼクロムと別れるのがつらく、さびしいものに感じたレシラムはいつものことながらゼクロムに泣きついていた。この別れの瞬間が永遠の別れを示しているような感覚に陥ってしまうレシラムのさびしがりやな性格に困らされながらも決してゼクロムはレシラムを突き放したりはしなかった。困ることのほうが多かったにもかかわらずゼクロムは生まれてから一度も一緒にいたくないと思ったことはなかった。もちろんゼクロムもポケモンであり、感情を持っている。さびしいと感じていた。しかし、レシラムがさびしがっているなら自分はさびしがっている風に見せてはいけない。そう思い、いつもレシラムを支えていた。
レシラムが泣きやみゼクロムから離れると軽く別れの挨拶をしてさっと飛んでいた。あまり長く別れの挨拶をしているとさびしくなってくる、ということを知っているのかレシラムは俯き加減で別れの言葉を言っていた。ゼクロムも塔を後にし来年のレシラムへのプレゼントについて考えながら鼻歌を歌い夜の闇にその体を溶かした。









「メリークリスマス。レシラム。」
「メリークリスマ~ス♪ゼクロムッ♪」
春を迎え、夏を過ごし、秋も過ぎた2匹にやってきたのはこの季節。寒い寒い真冬の夜の塔の床に腰を落ち着けいつもと一味違う夜が始まろうとしていた。
「…ん?  ゼクロム。その袋はなぁに?」
レシラムはゼクロムが担いでいる袋が気になったのか指をさして訊いた。ゼクロムは袋の中身を訊かれてほんの少し顔を赤くしながら躊躇いがちに言った。
「い、いや……。プレゼントを渡そうと思ってな…。あれやこれやと考えたのだがどうにもまとまらなくて……。
 それで、一番無難だと思われるものを選んできた。似合うといいのだが……」
そう言うと袋を地面に置き縄で縛ってある袋の口をほどいて開け、布が畳まれているのか、分厚い何かをレシラムに手渡した。
「ん…?  ……なぁに?これ?」
赤く染められた生地と白いままの生地が見えるその布を広げようとしているレシラムを見ながらゼクロムは頭を掻いて言った。
「この夜に今お前が持っている服を着た妖精のような存在が家々にプレゼントを置いていくと信じられているようだ」
「わぁ~……。じゃあこれは妖精さんのお洋服なの?」
「まあそんなところかな。  生地はエルフーンに分けてもらったものだ。お前に合わせて作ったから着れるはずだぞ」
レシラムが両手で今渡した服を広げるとレシラムでも着れそうなことが分かりゼクロムは多少ほっとしていた。レシラムがはしゃぎながらさっそくその服を着ようとした。ちょっとぶかぶかだったのかすんなりと服を着るとレシラムはゼクロムのほうにすすっと寄ると興奮しきった声で言った。
「ねぇねぇっ!どうどう?  似合ってる?」
「あ……あぁ………」
今着せた服の名前は「サンタガール」と呼ばれているものらしいが……不覚にもどきんっと大きく心臓を脈打たせたゼクロムはあいまいな言葉を口から漏らすとレシラムに見とれた。こんな雌のポケモンが家にプレゼントを届けに来てくれたら…。などとゼクロムが考えていると不意にレシラムに声をかけられた。
「ねぇねぇ…。涎垂れてるよ?大丈夫?」
「だ、大丈夫だ。問題ない……」
実際のところ大丈夫なんかではなかった。目の前にいる一番いい装備をしたレシラムをまともに見ることができないのだ。大丈夫かどうかだなんて見ればわかりそうなものだったがとりあえず涎を手で拭きながら「大丈夫だ」と繰り返し答えた。
何を取り乱しているのだ俺は。落ち着け。今目の前にいるのはレシラムだ。何をここまで緊張する理由がある。 そう自分に言い聞かせ変な気持を振り払おうと首を左右へ振り再びレシラムを見据えることが……やはりできなかった。 少し俯き加減でレシラムの腰のあたりに視線を置き話をずらそうとゼクロムは違う話題を持ちかけた。
「そういえばさ。レシラムはなにを持ってきたんだ?」
そう訊かれしかめっ面をしたレシラムをゼクロムは確認することなく答えを待つ。
「そ、その……わすれてた」
「なっ……。おまえ……なぁ…」
流石のゼクロムでもレシラムの答えには呆れてしまった。ゼクロムは大きなため息をつき、レシラムに言った。
「まったく……。去年プレゼント用意してなくて泣きだしそうになったのはどこの誰だよ…」
「うぅ……ごめんね。ごめんね?」
「別にかまわないけどさ…」
別にかまわないようだったが見るからに残念そうな顔をしているゼクロムを見かねてかレシラムがとんでもないことを提案した。
「そ、それじゃあさっ。ぼ、僕をプレゼントってのは?」
「はぁ!?」
ゼクロムが素っ頓狂な声を上げるのも無理はなかった。レシラムが何を言っているのかは分かるが何を言いたいのかがよくわからない。レシラムの意図していることがよくわからずにうろたえるゼクロムをよそにレシラムは話を続けた。
「だってプレゼントなんてすぐに用意できないし、この日しか会えないんだからね?」
「そ、それはわかっている。だから来年でも………」
「だ~めっ!それじゃあ不公平だからっ。  はい。ど~ぞ♪」
そう言ってゼクロムに寄り添うレシラム。2匹にとってはいつものボディタッチだったがゼクロムは心臓が口から出てきてしまいそうなほどその鼓動を激しくしていた。
「わぁ……。ゼクロムのからだ、あったかぁ~い♪」
「や、やめろっ。お前のほうが数倍温かいって言うか熱い……」
そう言ってひっつくレシラムを遠ざけようとしたがレシラムだって仮にも伝説のポケモン。そう簡単に離れようとはせずに結局ゼクロムに顔をこすりつけるレシラムをなるべく見ないように視線を宙に泳がせるのだった。
「ねぇゼクロム?  このままさ、ずぅ~っと僕をゼクロムのものにしてもいいんだよ?」
「なっ、お前何言って………」
ふわりとした純白の体毛から漂う雌の匂いがゼクロムの鼻をくすぐった。一瞬くらっと視界がおぼろげに見え、しっかりしろと自分に言い聞かせた。
「僕なんかいらなかった?」
そう言ってしゅんと顔を俯かせ寄り添う力を弱めるレシラム。今だったら簡単に引き離すことができただろう。話を逸らして今までの関係でいることができただろう。しかし、ゼクロムはレシラムを抱きよせた。聖夜の夜に訪れるであろう妖精を自らの腕の中に収め言った。
「俺なんかのものになっても……後悔しないな?」
「………うんっ…」
そうレシラムが答えるのと同時にレシラムの口はゼクロムの口によって塞がれた。驚くレシラムをよそにゼクロムはレシラムを押し倒した。



最上階より下に誰もいなくなった塔の中で2つの喘ぎ声が木霊する。

でもその声はとっても幸せそうで――――



喜びに満ちていた。







~おしまい~





役立たずのつぶやき。

修行用作品です。面白味も何もないとっても短い駄文の集合体ですorz
とりあえず書ききれた作品の内の一つの中でまだ読めるものだったので投下しました。
いろいろとお待たせしてしまいすみませんでしたorz


P.S.
コメント欄の作り方を忘れるという作者失格な僕(涙)


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(コメント=スランプ脱出の糧)




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Last-modified: 2013-01-10 (木) 00:00:00
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