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緩く湿っぽく、尚且つ熱く厚く

/緩く湿っぽく、尚且つ熱く厚く

注意。この作品は官能表現を含みます。
苦手な方は速やかにお戻り下さい。

ワタリガラ ?


ここに至って普遍的な『焚き火』があるとする。放射状に薪が積まれ、それに火が灯っているものだ。

ここで問題。

この『焚き火』は何を考えているのだろうか。

「炎よ更に燃え盛れ!」とノリにノって自身から出される火と熱を楽しんでいるのだろうか。

「焼かれたくないっ!炎よ早く消えてくれ!」とあくまで木製の自身の身体を守りたいのであろうか。

それとも、意思があるのは薪ではなく出ている炎の方に?


もしそうならば性格は手に取るように解る筈だ。

不規則に揺らめき、不意に大きくなったりするが、いずれは小さく縮んでしまう。
全くもって統一性が無い。しかも薪にしても何か可燃物から離れようとしない。
然るにこの炎の性格は、『内気』『優柔不断』『天気屋』『臆病者』
……およそここまで絞り込める。




しと、しと。
薄い灰色の雲が完全に青空も太陽もすっぽりと覆い尽くしき、幾分か空が近くなっている。
地面に大粒の水滴が鈍く落ちてきて、水辺のポケモン以外は誰も得しない。誰もがげんなりする。


ある雨の飛沫も届かない洞穴の奥には、ある一匹のポケモンが鎮座している。
尻尾に点いている炎を明かりとしてはいるものの、このポケモンにはする事がない。

昼寝は先程したばかりで二度寝しようとは思わない。第一無理矢理岩を枕にしたためか首が痛い。

木の実を採りにいく事はしたくない。

どこかに行こうとも思わない。

一度そのポケモンは大きな溜め息を吐いて、再び何もせずに鎮座を再開する。
何も考えないことによって次第に眠気が復活し、しかし首がどうなるか検討もつかないので

「……相変わらず何やってんだか…」
「………何にもしていないんだよ。」
雌の高いオクターブの声が耳に入った時には、内心嬉しく思っていた。

「暇だし、木の実でも採りに行かない?この間ラブタの実を見付けたから。」
「雨が降る日は動きたくない。」
「じゃあ、さっき採ってきた木の実はいかが?」
「……それなら、快く食べられるよ。」

ポケモンが振り向いた先には、また別の種族のポケモンが木の実を抱えて立っている。
声の高さからして雌の筈なのだが、その体躯は雄である岩場のポケモンよりも大きく、
されど全体的に見れば丸みを帯びた身体のラインや肉感溢れる四肢と腹部などを……

「…あれ、ひょっとしたらまた太「そいやっ!」「痛っ………」
ポケモンが言い切る前に強く地面を踏み締めると、ごろごろとした岩が数個頭上から落ちてきた。
「仮に真実でも四重ぐらい優しく包んで言ってよ!リザの馬鹿!」
「だってカイリューは元々俺より身体が大きい種族で例によって重さも「そぉいっ!」「ぬわー……」

リザと呼ばれた橙色のポケモンが岩に埋まる。唯一はみ出ている火の灯る尻尾がびちびちと暴れている。

「……逆に言うと私は種族的に平均体重!むしろ雌なんだから小さい方なの!」
「…………」
「……今度またそんなこと抜かしたら…ってあっ…!」
はみ出ていた尻尾の動きと先の炎がが弱々しくなるのを見て、
カイリューと呼ばれたポケモンは直ぐ様リザードンの身体を掘り起こしにかかった。



リザードンは先程の衝撃で少々頭部の短めの角が曲がったような気もしているが、実際はそんな事起こっていない。
但し頭に相当喰らったのは事実であり、今でも視界が海上にいるかのように揺れている。

「悪かったよ。謝ってよ。」
「ごめんなさい。今後は触れないでね。」

岩が転がる地面にはカイリューの採ってきた木の実が置かれ、リザードンはそれを手に取り、口へ運ぶ。

「……うん、辛いな。強いて言えば頭上の痛みが辛いけども、何か辛さと辛さが絡み合って。
今甘い物食べたらきっとお口の中が桃源郷になるんだろうな。あ、でも頭の揺れは止まらないなぁ…」

「りゅうせいぐんっ!」
威勢の良い掛け声と共にカイリューの上手投げによって放たれた木の実は、リザードンの口内へと。
柔らかめなそれは潰れかけてじわりと甘美な果汁をリザードンの喉奥へと注ぐ。

「……ぐ…み……っんっ、ぷ…分かった。素直に感謝する。」
丸ごとその実を飲み込んで、リザードンは改めて首を曲げ感謝の意を表した。
「分かれば宜しい。誘いを断られたんで、今から木の実採りに行ってくるね。独りで。」

「解った。じゃあね。今度は晴れの日に誘ってくれたら嬉しくて行くような気がしないわけでもないなぁ…」

リザードンの呟きを聞かず、数個の木の実を残してカイリューは翼を広げ、
ばさばさと幾らか羽ばたき、その巨体が地面から離れて前に、まだ雨が滴る外へ。
世界を半日経たずで一周できると言われる程の速さで、まるで滝を登るような勢いで洞穴を飛び出した。

「うわ……」
吹き戻しの湿っぽい風で堪らず目を瞑る。岩に反響したのか、独特な音が洞穴に響く。
「………最近、木の実も少ないし、ありがたいんだけどね。」

自分と足して二で割ったら丁度良いだろうにね。

そう誰にも聞こえないように心の中で呟くと、地面の木の実を集めて貯蔵場所へ、
但しその内の半分は自身の腹の中へと納めた。



翌日は見事に太陽と青空が見える、目の覚めるような晴れだった。
「晴れの日は良いなぁ、普通に外出できるから。」
リザードンは木の実を採ろうと近場の森に(じめじめした空気のない)赴いていた。
「どれだけ雨が嫌いなん?」
その頭上に全身黒色に飾り付けられたような金の模様が混じった四足のポケモンが乗っている。
「何か雨が降っていると全身がだるくなる。」
言いながら木からもぎ取った熟した木の実を小脇に抱えていく。

「あ、くださいなくださいなっ。」
「すぐ俺の頭の上で食べるんだろう?降りたらやる。」
「見張らし良いのになー」
言いながらポケモンは頭から地面に飛び降りた。その際後ろ足の爪を軽く立てることを忘れない。

「相変わらず悪どいね……」
そこでわざと一番大きく、ポケモンの身体ほどもある木の実を渡してやる。
「むぎゅー」
するとポケモンは猛烈な勢いで木の実を食べ出す。球形をしたそれは、瞬く間に半球になった。
「身体の何処にそんな入ってるんだか……」
「胃袋だよ。」
「入った食べ物の圧縮率がね……っ?」

突然リザードンの首筋にヒヤリとした感覚が走る。上から水が落ちたような……
確実に水滴が首筋から背中を伝う感覚が走った。どうやら落ちてきたのはまさしく水のようだ。



「……まーた雨だよ。にわか雨は一番嫌いな天気だってのに」
「流石嫌いなもの程気付き易い…って、雨にしては何か遅…あ、来た。」
ぽつりとポケモンの背中辺りにも水滴が落ちている。
「湿気がある訳じゃ無いのになぁ。誰だかさんの綿胞子も空に舞い上がっているし……」
「…良く見たら綿じゃない。何回か見たことがあるけどさぁ……」

綿胞子が儚げにリザードンの手に落ちてくる。と、手の上で綿胞子が掻き消え、水滴が残った。
「何このブービートラップ…俺に対する壮大な嫌がらせ?」
「そこまで君は偉くない。これはね……」

リザードンとポケモン、両者の身体にその『綿胞子では無いもの』が止めどなく降り注ぐ。
暫くは地面に落ちては溶けたりと森の木々や短く生えた草原を濡らすだけだったのだが、

次第に気温が下がり、それにつれて地面に白色が残るようになった。
鋭く風が吹き付けて、木の側面全体も白が降り積もった。
その内に太陽も曇天に隠れて、緑溢れる景色も見事に真っ白に染まって。

「何これ?俺達に対する壮大な嫌がらせ?」
「……僕もそんな……偉く……無いって…」


リザードン達が立っている森(じめじめしていない)は、僅かな時間の間に白銀の世界(旧森)と化していた。----

カイリューは戸惑いながら凍える風が吹き付け染み渡る寒さに耐えながら
どうしてこうなったのか考えながら空を飛びながら突然の異常気象で困っているポケモンを探していた。
「急に何で雪なんか降るのよ……私の一番嫌いな天気と知っての壮大な嫌がらせ?」

その答えも冷たい風が返す。

「……ったく、のんびり木の実を食べていたかったのになぁ…」
身体を震わせながら飛び回っていると、不審なポケモンの集団を見付けた。
この辺りでは全く見掛けない種族。見事な白色と末端に緑青色という現在の天気に擬態した体色。
大声で話しているため耳をそばだてる必要も無く内容は聞き取ることが出来、

「ヒャッハァ!見ろよこの降雪量を!
このままなら冷やしミカンなんざ自然に出来るぜー!」
「目に優しいらしい森の緑色も忽ちに真っ白だぁ!
目を閉じれば黒、開けば白!凄ぇシンプルだぁ!」
「お前等ぁ!これは俺達が生きている間の不可抗力だ!存分に住みやすくしようぜ

但し尻尾に火のついたトカゲ、
目付きの悪いオレンジ色っぽいやつ
尻尾が六本生えたもふもふ
九本生えたもふもふ
鬣が火で出来た馬
もふもふが首についたちっこいの
火の鳥
首の裏とかから火が出るもふもふ
骨がはみ出た黒犬
生きてるねばねばした赤いの
性なる炎を持った鳥
えー、え……なんかのロリコン
朱い鳥頭
背中に穴の空いた重い奴
煙を吹き出す亀
ケツに火の付いた猿
ガチャガチャ動いて30はいそうだけど貴重なの

……には十分注意しろよぉっ!」
「了解しましたぜ先輩ィ!」
「さすが適当に集まって作ったグループ内の最年長者だぁぁぁぁぁっ!?」

両手を上げて喜ぶポケモンを青色の炎が優しく且つ厳しく且つ無慈悲にその白い身体を包み込む。
「誰だっ!?もしかしたら……」
「今すぐ荷物纏めて帰れ!このままだとミカンも冷凍ミカンになっちゃうじゃない!」

・単純な正義感である
・寒さを嫌悪する心情
・余所者に対する猜疑心
・この好きな森を滅茶苦茶にした恨み
・むしゃくしゃしていた


このような理由の数々がカイリューをポケモン達を相手に立ち向かうことに至らせた。のだろう。

「残念だが、俺等には『もしかしたら』なんてものは存在しねぇぜ……お前に限ってはなぁ………」
「先輩が吐き出す必要も無いっすよ……けけっ!」
「俺のネタじゃねぇか………」

ポケモンが戦闘体勢を取り出したので、カイリューは雄々しく吼えて全員を威嚇し、
数体が同時に氷の塊を飛ばしてきたのを空に飛んで回避し、
されど圧倒的な冷気はカイリューの翼を、身体を、手足などの末端を凍り付かせて動けなくするのは容易く、
「ヒャッハァー!乱数関係無い、確定なのさ!」
ポケモンが雪に埋まりかけのカイリューを囃し立てて苦痛に歪んだ顔に更に頬をぷにぷに突っついたりして、
「……お前等、その辺にグォ──ァッ!?もしや…四倍っ…」
……する……先輩……赤……燃え…純…炎………………あっと……れた。
「……ザ─〜─君────
──リューの──先───────何時………黙な………が。
「いやいや、六倍、もしくは十二…〜…
リザー……は……一吹きす…〜……ケモン──逃げ…─焦…─〜薄氷を割〜─……∧=…〇♪∴∴`ω´…

(急激な温度変化に対応が出来ず、一部描写が途切れます。改めて御了承ください。)



「…………」
見覚えのある洞穴の中でカイリューは目を覚ました。
夢オチかと思ったが翼の動きが若干ぎこちない上に空気はじっとりと湿っている。

「……雲は普通に残って雨が降ってる。しかも白いのの大体が水になってあちこちべちゃべちゃだし」

岩に向き合っているリザードンは、何もしていなかった。

「…それを踏まえた上で、死んでなくて良かったような気がしない訳でも」
恐らく反論のつもりでカイリューはリザードンに頭突きを放とうとした。
が、翼に痺れるような痛みが走って無様に地面に頭を擦り付ける羽目となる。

「あー、暫くは飛ばない方がいいみたい。」
「……てか、あなたは私を助けるほどまともな精神してたっけ?」
「あいつら、水でもごつごつしたのでもなかったし」鼻筋を爪で掻きながらリザードンが答えた。


「第一、俺には友達少ないし。もしカイリューが知らない奴だったら、平然と逃げてたというか」

ぶつぶつ呟くリザードンの口を、カイリューが口で塞いだ。
「…………」
「………い」
単純に、口同士を触れさせるだけの軽い接吻。容易く口が離れ、リザードンは固まる。

「……そんな展開は、少しね…」

リザードンの言葉が再び詰まる。カイリューが近寄って、両肩を確りと掴まれた。
嫌でも意識せざるを得ない理由は、カイリューが此方を見据えているからだ。
ぐりぐりと丸っこい眼が色を帯びているような、ともかく目に入ってしまう。
顔を背けようと思っても、背けたらいけないような気がした。

「……じゃあさ、私が前からあなたの事を思っていたなら…?」
カイリューが更に身を寄せてくる。
「…有りじゃないかな……始めてだから、お手やわら」
再び、リザードンの口がカイリューの口で塞がれる。舌を絡めはしなかったが、長くそのキスは続いた。



「身体が熱いけど、興奮してる……?」
「…こんな経験っ、無かったもんで……」
カイリューとリザードンが、お互いの身体を抱き締め合っている。
強靭かつ滑らかな皮膚の感触や拍動を共有する。双方共に、鼓動は大きく早くなっていた。
「ふぁっ!?…ちょっとぉ……」
「とりあえず、慣らすよ…」
リザードンは手を伸ばして、カイリューの股間、そこに薄く存在する縦筋に触れる。
ただの筋に見えるそこを指で割り開くと、カイリュー自身の女性器の甘酸っぱい香りが辺りに広がる。
それをまるでガラス細工を扱うように、優しく指を滑らせる。

「…んくぅっ…!熱……」
「仕方無い事だって…!」
指を一本内部に入れると、異物を入れないためなのか濡れた内襞が指を締め付けてくる。
リザードンの縦割れからも、体格に比べて長めの肉棒が露となって、雄の臭いを辺りに漂わせる。
「…んっ…凄い匂い……」
「…っ……そっちだって……」

忽ちに、洞穴の中はむせかえるような熱気と生々しく淫靡な香りで満たされる。
指は数本纏めて柔らかくこね回し、内襞は蕩けて粘液を流しながら指を強く締め付ける。


「…くぅ……もう…」
完全な雌の色の目をしたカイリューが体重を後ろにかけ、仰向けに転がる。
むちむちとした身体は艶かしさを感じさせ、より扇情的に見えた。
「…………」

リザードンはその大きめの身体に乗り掛かって、秘部へと屹立した雄棒を当て、
ゆっくりと、突き入れた。

「…んっ…!…ひゃあぁっ……」
「ぐ…っ……凄い…」

その剛直の長さと硬さ、何よりも圧倒的な熱にカイリューは体を反らせ、喘ぐ。
リザードンもまた、雄棒を締め付ける肉々しい襞の始めての感触を、存分に受けていた。
精神的な余裕は無く、堪らず腰をぎこちなく動かし出す。

「ひゃあぁっ!?もうっ…ゆっくりぃ…」
「…が…ぐるっ……」

カイリューの静止も受け入れず、まさな獣のような唸り声を上げながら腰の動きを更に早める。
リザードンの尾に付いた炎が一層激しくなり、お互いが身体を抱き合わせて。

「が…っ……ぐぅぅぅっ!」
「ひゃ……熱…っ……うぁぁぁっ!?」

そして奥にまで捩じ込まれた雄棒が震えながら、マグマの如く高い熱量を持った白濁が巡り、

それを溢すことなく受け止めたカイリューも、身体を震わせて絶頂に達した。



誰かの綿胞子が、何処までも飛んでいきそうな晴れの日。

「…………」
リザードンは住んでいる洞穴の中から、外の景色を見ていた。
それ以外の事は何もしておらず、ひたすらに景色を見ていて

「晴れの日は動けるって言ったじゃないのよ!」
「…………」
「……一線越えた私を気にしないなんて、最低の所業よ。」
「…じゃあ、俺が君が来るのを待ち構えていたとしたら?」
「…っあなたがそんな…っ…!」
「いや、さっき思い付いぁぁぁ……」

埋まったリザードンに言葉を浴びせかけるカイリューは、頬が赤く、

それどころか顔全体に朱が差し込んでいた。




リクエストされた通り、内気と活発……?
にしても二人で一つのリクエスト。お二人ともお気に召しますか。



何かご意見あればどうぞ。




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Last-modified: 2010-05-12 (水) 00:00:00
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