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素直さを欠いた存在

/素直さを欠いた存在

作者GALD
性的な表現が含まれております、苦手な方はご遠慮ください


声が聞こえた気がする。けれども、それはあまりにも言っていることがはっきりと耳にはいってこない気がして、俺にたいしてのものだとは到底思えなくて、俺の頭が拒絶するような音声をしていたので、当たり前のように流した。
触らぬ神に祟りなし、自ら危険に近づくような真似はしたくない。だから素通りしたというのに、いつ触れてしまったのか、俺は問題ごとに巻き込まれてしまっていた。
行く手を阻む黒い障害。目線を交えたくない俺はあえてうつむいたまま避けて通ろうとする。障害物を横切ると、なにか視線を感じる。それを振り切ろうと足を進めると、強く睨まれるような威圧的なものになり、俺の足を止める。
どうやら、俺は術中にはまってしまったようだ。
黒い眼差しという、面倒な技だ。使用者がやめるか、気絶するかしないと使用者から一定の距離以上離れられない。離れようとすると、強い眼力に威圧されて動けなくなる。こうなると、俺は問題を解決するしかない。いくら走るのが早くても、ふりきれないのだからいやになる。モヤモヤしたまま、問題に問題を俺ぶつけた。
「何のようだ?」
「おい、きれていいのは俺だ。」
確かに俺が無視する姿勢を崩さなかったことが悪いのかもしれない。だが、手をつけたくない問題は普通置いておくのがテストであるように、時間を俺は優先させたかった。しかし、目の前の問題は解くことが必修らしい。
そうやって、嫌々問題を解かされている身にもなって欲しい 。
「さっさと用件を言え、ないならいくから。」
「冷たいな、仕方ないここは俺が…」
「またな。」
「ほら、正直になれって…誰も見てないから、な?」
「うん…」
こうやって素を見せるのはブラッキーの前だけ、基本俺は自分になにかを被せている。ブラッキーがまだ同姓だからみせられているのかもしれない。それが、正直になれないことに対する言い訳。自分を曝してしまうのが、恥ずかしくて、普段は隠しているのだか、こうなると向かい合うしかない。これも俺自身、否定しても消滅する存在ではない。
「いい仔だ…」
ブラッキーは俺を押さえたまま、首の白いチクチクしたマフラーの下辺りに顔を埋める。そして、柔らかい弾力が何かを撫でる。不意に走る感覚に俺は腑抜けた声をあげる。
「こんなに感じるなんて、それでも雄か?」
「俺は雌だって、いってるだろ。」
「それは…」
さっきまでとは逆転して、今度は俺がブラッキーを追いかけている。表は俺の方が強く上にいるが、二匹になるとこういう関係が浮き彫りになる。強気なブラッキーに俺は弱く下にでるしかない、それでも満足できる。だから、立ち退いて背を向けるブラッキーを俺は呼び止めた。ちゃんと言われた通りに横になって足を広げた。持ち上げている方の足がだるいが、それ以上に恥ずかしい。
「やればできるのに、反抗的だな。どうしてほしいのかな?」
俺はまた口を閉じた。いつもなら、ここまですれば、相手をしてもらえるのに、今日のブラッキーは当たりが強い。悪タイプだからといって、
ここまで意地悪な態度を示さなくてもいいだろう。でも、抑えきれない欲望は我慢を知らない。閉じた口ぐらいいくらでも、うごかしてみせる。
「舐めて…」
「それが、頼む態度か?教えただろ。」
「俺はえっちな仔です。だから、いけないとこ綺麗にしてください。」
前から色々ブラッキーに言わされてきたので、慣れている。それでも恥ずかしいものは、恥ずかしいが半面は楽しんでいたりする自分がいる。いつも、強く当たられるブラッキーが羨ましくて、二人の時にはこうしてほしいとなんとか伝えた恥ずかしい記憶ははっきりと残っている。ブラッキーもギャップを楽しめるらしいのだが、こうやって、たまに度合いがきつくなることもある。それも、たまにはいい刺激。
「やっぱり、可愛いな、お前。」
足の間にブラッキーは頭をはさんだ。そして、毛に埋もれた谷間に舌をはわせる。ようやく、欲しい所に快楽を得て体は喜びで震える。この当てられる瞬間をどれだけ待ったのだろうか。結局は俺も飢えて欲していただけなのかもしれない。相変わらず素直なのは体だけのようだ。
ブラッキーの舌も口から出てきて間もないので、唾液が付着していて乾燥しきっていないが、俺の体ももともと濡れていただけあって、舐めているのが見えていなくても音でわかる。言わされ慣れているなんて言い訳で、実際に俺はそういうことを考えて求めているのだから、ある意味ブラッキーには責任を押し付けてしまっているのかもしれない。
それがいい気はしないが、そんなことで不満になっていても楽しんでるブラッキーに悪いし、俺だって浸っていたい。それに、素直に答えれるなら答えたいと思っている。
「いつから、こんなにしてたんだ?」
「ぶらっきぃとキスしてから・・・」
「キスだけで感じるのか?」
「それは・・・わっ、悪いのかよ。」
「いいよ、別に。かわいいし。」
可愛いと言われるとやっぱり恥ずかしい。自分で自信を持って可愛いという言葉を掲げることは出来ないし、言われて嬉しいというのもあるがやっぱり恥ずかしい。可愛く言えば照れ屋になるのだろうが、やっぱり俺は尖りすぎている。
その刺を削るかのように、ブラッキーは舌で舐めてくる。しかし、逆に興奮して毛は逆立っていき、精神の尖りは徐々に滑らかになっていく。舌が割れ目をなぞっていくので、自分でもなんとなくそこにあるものがわかる。快楽は感じるけれども、やはり割れ目の上からでは得れる量もしれている。
このままでは限界にたどり着くことはできても、かなり距離のある持久走になりそうだ。それはそれで、快楽をあじわえて嫌悪感を持つことはない。
ゆるい快楽が体にぴりぴりと電流のように流れて、体を微妙に振動させる。電気の流れることのない体の俺は電気を流されるとこんな風なのかと思いながらも、その思考は快楽に削られていく。
不毛な考えなど欲と並べば大したことのない事にすぎず、必要とされずに記憶の片隅に消えていく。
体は快楽という麻薬のようなものに手を伸ばしていく。ゆっくりと、舌で舐めるだけのブラッキーに、もっと欲してしまう。
「ぶらっきぃ・・・もっと、欲しい。」
「うっ、うるさい…」
「そんなこといってる暇があるならすることあるだろ?」
今度はブラッキーがあ仰向けになる。何をしたらいいのかぐらい、
ブラッキーの体勢が暗示している。 それとなく俺は悟って動き出した。俺の中に生きる本能に操作されているようだ。ブラッキーに顔を埋める。ブラッキーの毛に顔が包まれて、鼻の中がブラッキー一色に染まる。ブラッキーを感じている気がして、夢中になる。花に集まる虫に同情していると、甘えん坊だと笑われてしまう。
「ほら、大好きっていっていいんだぞ?」
「大好き…」
そういって、頭を下にずらしていく。先にあるのはブラッキーの濃い匂いが漏れだす後ろ足の間。向かい合うだけで、理性をかきむしられる。我慢など許さず、脳を支配するような甘い誘惑に俺は心を持っていかれる。欲望を押さえきれない野獣のように俺は牙をむいた。正確にはむかさせられたといった方が、より適切かもしれない。ブラッキーを目の前に俺は背を向けることができなかった。互いの間に性別の壁だとか言う、偏見でできた幻影の壁など振り払ってしまえばいい。
ブラッキーことを、こうも愛しく思えるのだから、取り壊す勇気など知らずに持っていて、気がつけば障害物ばらばらにしてブラッキーに密接していた。とりあえず、舐めた。表面を優しくではなく、何度も激しく。それでも、気持ちは収まらずに顔をつけて舌を中に入れ込んだ。中は若干濡れていて、舌が容易に滑り込む。
何も止めるものかいないので、行為は加速していく。俺は欲望を剥き出しにしていた。こうも食らいつきがいいと、本当に俺は自分に素直ではない。
ここまで欲していたのに、外装を適当に作って、誤魔化そうとして自分から目を背けていた。だから、せめて好きだと形ぐらいで表したかったのかもしれない。
不器用なりにも必死になった。義務感などではなくて、それとなく自分の意志の証明のために。
柔らかい肉同士が触れ合ってるだけなのに、ブラッキーは息を荒くしていく。さっきまで口が達者であったブラッキーは呼吸をするのに必死のようだ。それでも、この行為を跳ね除けようとしないのは、ブラッキーもまた快楽に浸っているのだろう。
柔らかい中にちょっとざらついた舌が擦れ合うと、体が震えるブラッキー。このまま、俺がなかで何をしたとしても、快楽として受け入れてしまうであろう。
だから、取り柄の速さをこういう時に活かそうとして、スピードを上げてぴちゃぴちゃと音を立てながら、水を弾いて俺のしたがブラッキーの中を駆けた。
その甲斐あってか、ブラッキーはヨダレは止めれないようでだらしなく顔に垂らしていたが、息を止めたかと思うと歯を食いしばった。そして、 顔から俺は液体をかぶることになる。変にぬるくて暖かくて、まるで誰かの体温のような温さ加減。それがブラッキーの存在を俺に感じさせた。
「なんだか上手くなったんじゃないか?」
「五月蝿い・・・」
「あっ、また元に戻って・・・あだっ。」
することを終えて、頭が少し覚めると、言われたことに対する恥ずかしさで反射的に電撃を浴びせてしまう。
そう言って俺は背を向けて歩いて行った。内心では嬉しかったりするのに向かい合って話し合えないのはやはり俺には素直さが欠いているらいしい。もっともどうしようもないんだけどね!


原点回帰したつもりです。


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Last-modified: 2012-06-16 (土) 00:00:00
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