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警告:この小説にはそこまでエロイわけでもない幼体のお漏らしや自慰行為はたまたレイプ的なもの更には特殊な動物的特徴を持つペニス描写などを詰め込んでおります。
しかもヒロインが弱ツンデレという、種族的にありがちな設定です
以上の警告文はネタバレ箇所を隠しておりますが、オールOKな猛者の方はどうぞお進みください。
以上のことに嫌悪感を抱く方は
こちらのだっしゅつボタン→凸からどうぞ
降りしきる
すでに動いているという感覚も無く、数時間前に完全に開けた視界は真っ白に塗りつぶされ、
その少し前に立てるようになった足腰は、もはや四つん這いでないと動けなかった
タマゴから生まれたばかりの私は本能に従って親を探し始めたが、見つかる由も無かった
私は産み捨てられたのである
しかし、私はそんな事とは露知らず、命を削る吹雪の中を
「きゅー……きゅわー……」
最早力尽き、言葉を知らぬ私はただ
助けを求める声で鳴き、それを境に体を、ふわりとした雪に預けた
タマゴの中のことは覚えていないが、体が覚えていたのだろう
体を丸め、眠るように瞼を落としていった
しかし、私の命は完全には尽きていなかった
雪を踏みしめる音、そして何かを引きずっている音を携えて、何者かが近づいてくる音がした
「うーんしょ、うーんしょ」
ついでに気の抜けるかけ声も伴って
私が出来たのは僅かに目を開くこと、それだけ
なにか黒くて、藍色の体のなにかがきのみらしきものの入った
私の体より僅かに大きいように見えるなにかは、私にゆっくりと迫ってくる
助けてくれるのか、それとも、食べられてしまうのか、あぁ、生まれたばかりなのに
げしっ
蹴られた、それも結構痛い。
「あれっ? なんかぶつかったのかな~、くんくん……んっ? ポケモン?」
すっごい嗅がれてる、吐き出される息が暖かい……もう眠ってもいいかな……
「うーん、ねぇねぇこんなところで寝ていると風邪引いちゃうよ~?」
「きゅぅ…」
言葉を使えるならば、そして、力が残っていたのなら猛烈にツッコミを入れたい……あぁもぅ…だめ……
「ちょっと~? ……うーん、とりあえず、ボクのお家で寝かせてあげれば風邪引かないかな~? よいしょっ!うー、重い~。うんしょ、うんしょ……」
私はお持ち帰りされるようだ、もうどうにでもなれと、再び深い眠りへと落ちていった
空腹は恋のスパイス
うぅ、昼寝のはずが随分と寝すぎたらしい
太陽は洞窟の中に差し込むほどに落ちてきている
光の中、意識をはっきりさせながら、ふと思う
それは今し方見ていた、随分と昔の事
失いかけた命を救われたあの日、私は私であるための名前を彼からもらった
人間の言う私たちの種族名「ボーマンダ」それとは違う私自身の名前……
私の名は「グー」、大切な彼からもらった、一番大切な贈り物だ。
……語調が雄らしいとよく言われるのだが、私は♀だからな?
たった数日間だが、会っていない彼を夢に見て、のんびり談笑でもするかと思いつく
そして、同時にもう一つ思いつく
夜まで居座れば雰囲気に後押しされて、今日こそ告白できるのでは、と
そうなれば、善は急げだ。
微睡みから覚醒した私は山のおよそ反対側にある彼の元に飛ぶ
私が救われて以降、長らく共に住んでいたのだが、私の最終進化を境に今の洞窟に移り住んだ……
そんな事は今はどうでも良い、暗くなる前に彼を見つけないと、山の陰であるここでの捜索は困難になる
そう思いつつ、彼を探すこと暫く、山の陰に含まれぬ場所も暗くなり始めた所で彼を見つけた
「こら~! 右手も左手も勝手に食べちゃ駄目でしょ~!」
間違いない、おっとりとした声、人間の伝承にでてくるような風貌、そして大量のきのみ…
彼は人間からは「サザンドラ」と呼ばれる種族、だが私は彼をこう呼ぶのだ
「おーい、ニー!」
彼の名は「ニー」命の
「あっ、グーだ~♪ 久しぶり~♪」
私の存在に気づいた彼はこちらに両手を振ってきた
……持っていたきのみを地面にぶちまけて
「あ~! きのみが~、ウワ~ン!!」
うぐぅ、相変わらずおっとりで、なおかつ、泣き声のうるさい奴だ
まったく♂だというのに、……おっと、この発言は人間達の言う
今のうちに撤回しておこう……私は何処に弁解しているのだ?
……ともかく、ハイパーボイスは全然弱点ではないが、実際の意味で耳が痛い。
「まったく、ほら、拾うの手伝うから泣き止め」
「ぐすん……ありがと、グー……」
しかし、私の返事は、つい素っ気無いものになる
「……別におまえがうるさくて耳に障るから拾うだけだ。潰れたやつ以外はこれで全部だな、早く帰るのだろ?」
素直になれない、意地っ張りの私。
「うん、わざわざごめんね~、手伝ってくれて~」
「……私が通りかかったから落としてしまったのだろう? なら私が拾うのは当然ではないか。
それと、洞穴まで私が運んでいこう、また両手に喰われてたら帰るまでに無くなりそうだからな」
本当に意地っ張り、本当の事なんて素直に言えない。
「それもそうだね~、助かったよ~グー♪」
「いや、私が通りかかったせいなのだから、気にするな」
攻撃の力なんて要らないから、誰か私を素直にして欲しい、いや、ほんとに。
命を救われたあの日、彼が炎の牙で火をおこした、
非力なタツベイの私と、命の
私は目を覚ますと、彼はのそりと動きだし、ピンク色のきのみ、モモンのみをこちらに転がしてきた
「君は一日中寝てたんだよ~、何か食べないと倒れちゃうよ~?」
とにかく腹ぺこだった私はそれに手を伸ばそうとする
だが、他人の食料を奪って良いのかといった疑問が、誰に教わったわけでもなく頭をよぎる
しかし、体は空腹のサインをここにきて最大音量で訴えてきた
ぐ~~~っ……
そのままでしばらく固まっていた二人の間に響いた音は私のおなかの音、すると彼は
「ほら、食べて?」
遠慮がちに一口かじる、そして口に広がる味わい
まさに、生まれて初めて食べるそれは、とてもおいしくて、無我夢中になって齧り付いた
「ふふっ、まだまだあるからもっと食べてもいいからね」
あの日の出来事は今でも忘れない
今、目の前にあるこの洞窟、山の
視界が0である彼と出会ったのは奇跡だったのだろう
もし出会わなければ、マンムーなんかにフローズンタツベイとしておいしく食されてたかもしれない
「ほんとにありがと~グー♪ あっ! ちょっとしたお礼なんだけど~、夕飯いっしょに食べない?」
「べ、別にお礼なぞはいらん……が、ただご馳走してくれるというなら、頂こう……」
「うん、じゃあ一緒に食べよ♪ 久しぶりだし、いっぱい作るね~♪」
昔のことを思い出していると、食事に誘われた
本当に素直じゃない私
まぁそんな事はおいといて、ニーは岩の表面を丸く削ったものに火炎放射*1を当てて器用に暖めていく。
そう、彼は食べることが好きで、人間で言う料理が出来るのだ。
無論、人間には遠く及ばないが
きのみを入れて、木の棒で潰して混ぜていく。
徐々に甘い香りが漂ってくるそれは『ジャム』というらしい。
ほのかな酸味と強い甘み、ベットリとしたこれを『パン』と呼ぶものに乗せて食べるのだ
『パン』はニーがよく、まとめて焼いて保存食として洞穴の風通しの良いところにおいてある
ニーが言うには、ムギ*2と呼ばれる、きのみより小さい植物の実をすりつぶし、水を加えてこねる
その時に、別にムギと水を混ぜて置いといたものを少し加え、一日程置いてから焼くと膨らむのだという
こうして出来た、僅かに酸味と弾力のある黒っぽいものがパンというらしい
人間の本に書いてあった、茶色くてふわふわしたものとは違う気がするが、こちらの方がなぜだかカビにくいのだ。
「そんな難しい顔してどうしたの~?」
「いや、気にするな、久々の『パン』だから、ちょっと考え事してただけだ。それより、『ジャム』もうまそうだな」
意識を現実に戻し、その甘い香りをゆっくりと吸い込んだ
昼食を睡眠により食べ損ね、長距離を飛んだ体は腹ぺこで、性格と違って非常に素直で……
ぐ~~~っ……
なんとも自己主張の激しいやつだ
これは確実に聞かれたであろう、顔を真っ赤にすると、
「んっ? ……あっ! 待たせてごめんね~、ふふっ♪」
「わっ、笑うな!!」
「ごめんごめん~、ほら、食べて?」
四足の私は、このような物は食べさせてもらうしかなく、差し出された、ジャム大盛りのそれを汚れるのも厭わずかぶりついた
「むぐ…もぐ…、うむ、やはりうまいな」
「やった~♪ 自信作だったんだ~。……なんかあの時みたいだね~」
ニーの差し出す食べ物を頬張る自分、さっきも思い出していた、初めての食事の後の事
「グーの名前を考えた時の事、懐かしいな~」
大切な私の名前、私だけの……
一つ目を葉っぱまで食べ尽くした私は、差し出された二つ目も貪っていく
それでもまだお腹から発せられる空腹の音は何度も響く
一心不乱に食べ続け、ようやく六個程平らげたところでようやく人心地付く
ことが出来た
疲れきった身体はモモンのみのおかげで動けるくらいになり、元から真っ青な顔には生気が戻ってきた
「もうお腹いっぱい?」
「きゅう~♪」
「良かった~、元気になって~♪ あれれ? いっぱいこぼしてるみたいだよ~? ちょっと動かないでね~」
急いで食べたせいか、口の周りはベタベタで、きのみをもっていた手も汚れていた
果肉の割に果汁を多く含むモモンはそれだけに止まらず、どんどんたれていく
おそらく、匂いでわかるのだろう。
ゆっくり近づいてきて、
「きゅわ!?」
口元を舐められた、しかも、ぺろっどころじゃなくて、ぺろーんと。
「まだまだついてるね~、きれいにしないとベトベトしちゃうよ~、えい!」
押し倒される、のっかられる、そしてしっかり、ぺろぺろぺろぺろ。
「きゅ~っ?! きゅう! きゅう!!」
「ほら、じっとしててね~」
いや、舐めてる方はいいだろうけど非常にくすぐったい
それが、徐々に下に迫ってくる
まだ大雑把にやられたらマシかもしれないけれど、粗暴ポケモンなんて嘘のようだ
念入りに体中を舐め尽くされていく
そして彼の舌は下半身に到達してしまった
モモンのような水分の多いきのみをあれだけ食べたら……
ご存じの通り、生理現象が起きるわけで
加えて言うと、まだ幼いということも、彼の舌が膀胱を押したというのも
簡単にいうと、私は耐えられなかったというわけだ。
「きゅ…! きゅ~…!!」
「あれ~? この辺いっぱいたれちゃってる~、動かないでね~」
よりによって、
今思い出せば、そりゃもう自殺物の記憶だ。
だが、その頃の自分は、まだ恥ずかしいという感情を持ち合わせて無かったようで、
「きゅ~~~♪」
排泄による僅かな快感、舐められる度に走る甘い痺れ
ふと、彼を見ると、彼の口からは黄色い滴が滴り、それでも、私から出ていくそれを飲み続けていた……
もちろん、いままでニーに、その時のものは排泄物とは一切言っていないし、今の私にそんな趣味があるわけでもない、あしからず
なにはともあれ、体はキレイになり、呼吸も落ち着いて、
「うーん、君の事どうやって呼べばいいかな~?」
「きゅ~?」
「いつまでも君ってわけにはいかないし~」
そこに再び響くあの音
ぐ~~~っ……
ほとんど水分だったモモンは既に消化され、体は空腹のサインを出した
「あれ? またお腹すいてるんだ~、待ってて~、はい、どうぞ~」
今度はヤチェのみを受け取って、硬い表面に幼い牙を立てていると
「そうだ~! 君の名前、思いついたよ~」
「きゅわ~?」
「君の名前はね~、グー! グーはどうかな~!?」
「きゅ、…ぎゅー?」
「グー、どうかな?」
「ぐ、ぐー! …ぐー! ぐー!」
「よかった~、気に入ってくれたみたいだ~♪」
彼からもらったこの名前、その時の私の全てで、呼んでもらうだけでうれしかった
……共に思い出す、素敵な思い出と、恥ずかしい過去
ま、まぁニーが知らない事実なのだから良しとしよう……。
「今思えば安直だったかな~、グー、ごめんね? ボクが勝手に名前付けちゃって……」
「そんな事は無いぞ、簡単で発音もしやすい、「グー」、おまえのつけてくれた、とてもいい響きの名だ」
おぉ、私にしては珍しく素直になれたぞ
……自分で言うのもなんだが、悲しいな
「どういたしまして~、あっ! グー、口にジャムついてるよ? ちょっとじっとしててね~」
「いや! 大丈夫だ! これくらい自分でとれる!」
流石に、今やられるのはヤバい、なにも知らない
ニーには、これがキスになることを気づいてないのだろうか?*3
しかし、接吻ごときにビビるとは我ながら情けない
よく考えたら、告白前に唇ぐらい渡しても良かったかな、
……あぁ、私が意地っ張りでなければ「うん、取って♪」とか言えるのだろうか、
――駄目だ、そんな私は想像出来ないな
「それより、ニーの方こそ「ニー」という名前で良かったのか?」
「うん♪ お兄ちゃんって意味から取った名前だもん、嫌いなはずないよ~♪」
「……なぁ、今更なんだが、なんでニーは捨てられたのだ?」
言い切ってから気づいた、心を抉るようなことを言ってしまったのでは無いか
「すまん、聞くようなことでは「いいよ~♪ 教えてあげる~♪」
予想に反して、明るくそう言った
「じゃあ今日は昔話だね~♪」
「グーと会う三ヶ月前ぐらいの事かな……
ボクは野生じゃない、それはグーにも言ったっけ?
ともかく、ボクはトレーナーさんのポケモンだったんだ。
タマゴの時にトレーナーさんが他の人にもらったんだって。
でも、本当はボクがもらわれるはずじゃなかったんだ。
トレーナーさんのパパさんはコジョフーさんのタマゴって聞いてたみたいなんだ。
だから、ボクが生まれてすぐに逃がせって言ってきた。
確か「養えない!」とかって言ってたと思う。
でもね、トレーナーさんはボクが野生で生きていけるようにって育ててくれた。
その時ね、トレーナーさんは自分のこと「お兄ちゃん」って呼ぶようにって言ったんだ。
すぐにボクはいっぱいご飯を食べるようになって、いつもパパさんに怒られてた。
だけど、トレーナーさんは「君は悪くない」っていつも守ってくれた。
ある時、ボクは夜にトレーナーさんに見つからないように、こっそりパパさんにこの山に連れてこられたんだ。
そして、捨てられた……。
迷惑をかけてたから、捨てられても仕方ないと思ったけど、トレーナーさんの顔、一度でも見てみたかったって、たまに思うんだ……
そこからはグーも覚えてるよね?
グーに会って一緒に暮らし始めて。
そして、ボクは君に名前をあげて、何日かたって、言葉を覚えた君が、ボクに「ニー」って名前をくれたこと。
そして、君もボクも進化した時から、君はあっちの洞窟に引っ越したこと…
……こんなものかな~?」
「そうだったのか……、私がまだタツベイの頃は、その「お兄ちゃん」と一緒にいたとしか聞いてなかったからな」
「聞いてくれてありがとうね~♪」
ちなみに「ニー」はその「お兄ちゃん」がいかに頼れる人かと聞いて、それをもじった名だ。
まぁ、他にも理由はあるのだが……
さて、すっかり話し込んでいたので、辺りは真っ暗になった
来る前に考えていた、告白することも、静かな洞穴で
さぁ、いまこそ……!!
「な、なぁ……」
「んっ? なに~?」
「えっと、私、ニーのことが」
「?」
「わ、私、……」
「わたし?」
「私・・ニー……」
あと一言、言い切る!
「ニー……の洞穴に、泊めてくれないか……?」
あぁ、ホントの気持ちなんて、やっぱり言えない……、でも、まだ、この台詞なら……!
「大丈夫だよ!」
えっ?や、やった!
「暗い中ちゃんと送ってってあげるから、心配しないで♪ 一緒に行けば怖くないよ♪」
あれ……?なんか話が……
「じゃあ行こっか♪」
「いや、怖くなんてないから、
この時ほど、自分の意地っ張りを呪ったことは無かった。
住処の中、
あそこで意地を張らなければ、自分の洞窟に連れ込めたかもしれないのに。
後悔先に立たずと言う奴だろう。
自己嫌悪の中、ニーへ思いはさらに募っていく。
――ニー、大好き……なんて、一言だけでも言えない。
小さい頃みたいに、
いつまでも一緒にいたい。
できるなら、
そこまで、考えて赤面した。
頭によぎった言葉はこっそりと呟かれた。
――――彼と……繋がりたい。
言葉に出すとよけい恥ずかしくなった、これでは、ニーの前では絶対に言えないだろう。
でも、言葉にしたら改めて考えてしまう
そして、下腹部は疼く
我慢することもないだろう、そう思って、私は川辺に向かった
気温は少し
慣れた滑空で中州へと降り立ち、とあるものを探す
見つけた、川の水に磨かれた、滑らかで、ちょうどいいサイズの石である
それを咥え、中州を形作る先端に座す、平らな岩の上に乗せ、私自身はそこに跨る。
いつものように、位置を合わせ、腰を下ろす。
「んんっ…」
屋外で事をする以上、声を押さえるのいつも通り。
くちゅり、くちゅりといやらしい音が響く。
選別した石は、適度に刺激を与えつつ、貫く事はしない。ねらい通りである。
「……ニー…もっと…」
無意識にニーの名を呼び、腰の動きは早くなる、もはや、川のせせらぎの音ではかき消せない湿った音が辺りに響く。
「…ニー…私…ニーの…事が…っ…!!」
岩の傾きに沿って、私の秘部から漏れだしたそれは土に消え、
「……大好き…」
囁いた言葉は、風の音に飲み込まれ、
快楽を貪った体はそのまま眠りへと落ちていった……。
拾われてから、半年ほどたった夏の日の事。
――――「ねぇねぇ?私の事はグーって名前で呼んでくれるのに、なんであなたは名前が無いの?」
「名前はね~、他の人からもらうものだからだよ~、トレーナーさんとは、ボクが名前をもらう前にバイバイしちゃったから~。だから、ボクはモノズっていうんだよ~」
「モノズは「種族名」でしょ? あなたが籠に乗っけてきた本に書いてあったわ」
「へー、ボクそんなもの拾ってきたんだ~」
「……まぁ、そんな気はしてたけど……」
「ボクはな~んにも見えないからさ、ボクが
「別にそのくらいならいいわよ、ご飯も食べさせてもらってるんだし、助けてくれたわけだし」
「それにさ~」
「なに?」
「グーの顔、早く見たいな~」
「っ……!?」
「だってグーの事、好きだもん」
「……!!!」
「どうしたの~?」
「……別に何でもない…」
辺りの寒さに耐えかねて目が覚めると未だに彼わ誰時*4の空で、何処かで、ホーホーの声が森にこだましていた
見た夢の記憶が薄れていく中で、強い寒気が体を襲う
力尽きて眠ってしまったために、体が凍るように寒く、思うように体が動かない
いざ戦闘となると、体を守る強靭な鱗も、寒さは防げない
さらに種族柄、低温にはめっぽう弱いというのも少なからず関係しているだろう
ここはきのみでも食べて体を温めようと、目の前の対岸にある森へと飛び立った
「…? んぁ?! ひゃ!! …」
昨日使っていた石がそのままナカに入っていた事を忘れ、
そのまま飛び立つ時に勢いよく落ちたそれは、朝っぱらから、そこに熱を持たせてくれた事は内緒だ。
陽も昇らぬうちの空は、その寒さが体に突き刺さるようだ。
冷えきった体を冬でも実の生るきのみの群生地に降ろし、ひとまず、好物のクラボや、ニーが好んでジャムにするハバン、体力回復のオレンやらにがっつく
口に残るクラボの辛さがたまらない
数分もしないうちに体は暖まり、辺りも僅かに明るくなってきた
「・・んぐ…んぐ・・、ふぅ、む? あれは…?」
見つけたのは、カゴのみだ。
知っての通り、その渋さは寝ぼけた頭をさっぱりさせてくれるらしい…
いや、確かそうだったはずだ、私は渋いのは嫌いだしな、当分の間食べていない
だが、ニーは私と違って渋いのが好きだったはずだ。
そこに思考が至った後は、簡単に考えがまとまる。
「そうだ、これをニーへの土産に朝から押し掛けるとしよう!」
早速、実りの良い枝を一本拝借し、口に咥えてニーの洞穴に向かったのだった。
洞穴の前に降り立ち、声をかけるべきか少し悩む、が、その時、中から物音がし、
洞穴の主は、声をかけてきた。
「ふわぁ~、……くんくん、この匂いは~、もしかしてグー?」
「
ふむ、小さい頃から鼻がいいのは変わってないな
とりあえず、枝を離さないことにはしゃべるのにも一苦労だ
ともかく、伝わっただろうと思い、中に入ろうとすると、
「あっ! 待って待って! 入ってこないで~!!! ひゃん!!」
どすっ! と響くような音が洞穴に反響して耳に入る
……なにがどうなっているというのだ
おっとりしたニーがここまで慌てているのも珍しい
それに、重たいものが落ちる音も、悲鳴らしい声も聞こえた気がするのだが……
「
「ひゃぁ! み、見ちゃ駄目~!!」
そのタイミングで背後で太陽が顔を出した
その光は、恐らく隠れようとして転んだのだろう、頭をこちらに向け、仰向けで転倒している彼の姿を浮き彫りにし、そして
「お、おい! ニー大丈…夫…か……」
最後まで、言葉は言い切れなかった
眼下には、両手を使っても隠しきれていない程の男性器、それも全体的に細かなとげが生えており、
太くてしっかりとしたそれが、なんと二本も、腹より下の横に開いたスリットから飛び出していた、それも限界まで張りつめて
「――あぁ、ダメ……グー…これは……」
朝日に照らされたニーの姿を見て、動けなくなる私、
すっかり失念していた、朝の男性の生理現象のことを
それを見て、私は昨晩の自慰の時の事、頭の中で思い描いた淫らな姿を見せるニーと重なった
「…ゴメン、えっと……グー、できれば、見ないで欲しい……な……?」
言葉では冷静なふりをするも、真っ赤になって、恥ずかしさから今にも泣きそうな彼の顔
そんな表情さえも情欲をそそらせる
どうやら私の理性というやつは、そうなる事を望んでいたかのように、すぐさま飛んでいったらしい
今までずっと押さえつけていた気持ちが暴走し、ゆっくりとニーに近づいていく
昨日の興奮が蘇り、本能に体を委ねる。
「ニー、何故隠そうとする? そんな必要は無いぞ。
それより、私と……気持ち良いことを……しないか……?」
いつもの自分とはかけ離れた台詞、ただニー自身を体は求めていた
動くことも出来ず、涙目になって、それでも必死に生殖器をスリットに収めようとするニーに近づいて、逆さまな顔を覗き込む
「ねぇ、グー……急に、どうしたの? ……いつものグーじゃないみたいだよ……」
私は何も答えない。
長年、伝えたかったこの気持ちを伝えるために体は動いていた
「…………ニー、番になろう」
深い、深い口付けをした
仄かに甘く感じる、ニーの口の中は病み付きになりそうだ
どれくらい、そうしてただろうか
一分も続かなかっただろうが、私には数時間にも思えた
そんな、柔な繋がりだけじゃ物足りない。
もっと強く、ニーを感じたい
そして、今の私にはご馳走にしか見えない
「やめて!!」
洞穴にニーの拒絶の言葉が響き渡った
愛する彼からの予想していなかった言葉に動きが止まる
私の頭の中はウイのみを齧った時よりも混乱する
我に返った時には既に遅かった
いつのまにかニーは目の前に立ち上がり、一言だけ私にこう言った
「――――ごめん」
次の瞬間、ニーは己を守るように縮こまったまま、大空へと飛び出して、そのまま麓に広がる樹海へと姿を消していった
渡したかったカゴのみのたわわに実った枝は入り口に転がり、私は朝日の中、そのまま洞穴の中にヘたり込んだ
「……私は、……なんて事を……ニーに…嫌われた……?」
全身を露わにした太陽の見守る中、私は彼の去った後の虚空を見つめていた
いつまでそうしていたのだろうか。
記憶は全て抜け落ちて、気がつくと自分の洞窟の前にいた。
どうやって帰ってきたかなんてまったく覚えてない。
ふと振り向くと、先ほど昇ったと思っていた太陽が沈む所だった。
その光は厚い雲に遮られ、辺りは暗くなっていく。
「まるで、私の気持ちのようだな……」
そうひとりごちた。
寒い風が西から吹き込む、どうやら明日は一雨ありそうだ。
そして、得てして、そんな予感は当たるものだ。
……天候以外でも。
「にー?」
「うん、ニー、あなたの名前。考えてみたんだけど……どうかな?」
「…ニー、ボクの、名前……?」
「あなたの言ってる「お兄ちゃん」って名前をもじってみたの。あなたの頼れるのが、その「お兄ちゃん」って人なら、私にとって、頼れる
「……ふふっ、はははっ!!」
「えっ! ちょ、ちょっと! どうしたの!?」
「だって、…だって嬉いんだもん♪ ふふっ!」
「きゃっ! 急にのっからないでよっ!」
「ほら、気にしないで~、ぎゅ~っ♪」
「むぎゅう…く、苦しいよ」
「ふふっ♪ ごめんごめん♪」
「けほっ…けほけほっ…もう、一体どうしたの?」
「だって、名前をくれたのも嬉しいし、ボクがお兄ちゃんってことは、ボクとグーは家族になれたんだもん!」
「……家族? でも、私たち、……えっと、人間の言葉で…「血のつながり」ってやつが無いんじゃない?」
「ううん、「地の突っかかり」なんて関係ないよ!」
「いや、それじゃ、ただの
「だ~か~ら~、そんな事はいいの~! ボクがお兄ちゃんなら、グーは妹でしょ~?
「だから、ほら! もうボクたち家族なんだ~♪」
――――頼れる兄、守ってくれる兄、そしてもう一つ、名前に込めた想い。
大好きな
言葉に出来なかった気持ち、大好きだよ「ニー」……
跳ね回る彼の顔は、とっても眩しい笑顔で、私もつられてにっこり微笑んだ
夢を見ていた。
幼い頃の夢。
未だに覚め切らぬ、ぼんやりとした頭の中で、夢の中身を思いだそうとする。
……ダメだ、靄でもかかったような記憶は、掬った水が爪の間からこぼれるように、無へと帰していった。
西を向く、この洞窟は午前の間、陽の光を浴びることが出来ず、今が何時かもわからない
重い体をゆっくり起こし、洞窟の外の山の影を見て、時を知ろうとしたが、
影の先が無い
いや、正確には全てが影に飲み込まれていた
洞窟の外に身を乗り出して空を見上げると、今にも泣きだしそうと言ったところか、暗い表情を見せる、曇り空が広がっていた
風はより冷え込み、体には力が籠もらない
「そういえば、昨日は朝食しか食べてなかった……はずだな」
曖昧な記憶の中には、食事をした事は含まれていない
そして、腹の底から訴えかける音
ぐ~~~っ……
脱力しきった体に喝を入れ、大空に飛び立つ
幾分もしないうちにきのみの群生地へとたどり着く
「これは……なんとも運がよい……」
実りの良いヨプ、貴重なオボン、さらには大好物のクラボ、端っこには熟したオッカまで生っている
疲れた体を癒すために、手近にあったオボンに手を伸ばす
しかし、手にすることは叶わなかった。
「そこまでだ、不法侵入者殿」
その声が私の動きを一瞬にして止めた
いつの間に近づいていたのか、頸もとには
そして取り囲む、
その奥で腕組みをしてこちらをにらみつけてくるマニューラ ――恐らく、先ほどの声の主であろう―― が、再び怒りの声を上げる
「我が縄張りに侵入し、
声高らかに告げてきた
確かに、縄張り内であるのなら、このようにきのみが群生していることも頷けるし、オッカやヨプがあるのも納得である
しかし、私はそれらを食べるどころか、触れてもいないのだ
事情を話せば釈放されると信じ、静かに言葉を紡いだ
「……そなたらの縄張りを犯してしまったことは謝ろう。
だが、しかし、私は偶然降り立ったまでであって、そなたらの縄張りと知って侵入した訳ではない。そして、そなたらのきのみにも手を出してはいない。
すぐに飛び去るので、どうにかこの
帰ってきた言葉は冷たい声だった。
「ならぬ」
「何故だ? 拘束を解かれてもそなたらには危害を与えない事を誓おう! 速やかにここを立ち去る、だから…」
「ならぬと言っておろう!」
私の体より小さい体から発せられる言葉は威厳に溢れており、言葉を切らざるを得なかった。
「汝の言葉は弁解しかしておらぬ、謝罪の言を一言も口にせず、だ。汝は我々の縄張りに侵入し多大なる不快感を
よって、汝は、我々に誠意を見せよ! 我々が納得するまでだ!!」
「……っ…」
前足を折り、頭を下げる、それは私の知っている限り、最も
その動作と共に、僅かに両脇のニューラは離れる。
「私は、ただ知らなかったがためとはいえ、そなたらの縄張りに無断で侵入し、食料に手を伸ばしかけた、誠にすまない。
私はすぐにここを立ち去る、どうか許してはもらえないだろうか」
刹那、私の体は、いつのまにか傍らに近づいたツンベアーに殴り飛ばされた
格闘の力は半減されるとはいえ、馬鹿力の攻撃力は生半可なものではない
痛む体から絞り出すような声を出すが、まともに言葉は綴れそうにない
「…うぐ…、何故…だ……?」
「まったく、礼儀のなっていない小娘だ。今更言葉だけで我々が許すとは、
答えは否だ、汝が我々に与えた不快感はそれほどでは消えぬ、そして此の期に及んで、自己弁護から謝罪を始めるとはなんとも笑わせる事だ」
周りの群からは乾いた笑い声が聞こえてくる
そして、私は、地面に強く体を打ち付けたまま、仰向けの姿勢から動かすことすら叶わない
そして、再びニューラの氷のような鉤爪が喉元に宛がわれた。
「だがしかし、だ。礼儀を知らぬ汝のような小娘を、無知は罪であるということだけで許さぬ程、我々も残酷では無い。
よって、我々はなんとも寛大な事に、汝に誠意というものを教えてやろうではないか。それを汝が受け入れるというのならば、命は助けてやろう。どうだ、悪いことではなかろう?」
つまり、断るならば殺されるという事だ
タイプ相性は最悪である彼らは雑作も無いことだろう
私は、ただ生きたいという一心から、ただ頷くしかなかった
力の入らない体を、オニゴーリは氷塊を生成し、一瞬で拘束した*5
前後の足は可動範囲を僅かに越えて地面に括りつけられ、特に尻尾は念入りに氷漬けにされた
つまりは、竜の急所である腹部が丸見えという事だ
肩の関節から来る痛みに加え、体を蝕む冷気は抵抗の意志さえも削り取っていく
マニューラは
「改めて、汝の悪行を言い渡そう。
汝は我々の縄張りに侵入し、我々の食料を無断で採取しようとした。その上、謝罪の言葉を我々に向ける際も弁を弄し、自ずから誠意を見せようともしなかった。以上が、汝の罪である。
だが、先程も述べたとおり、汝の無知によって、その命を無駄に散らす事を我々とて快くは思わぬ。
よって、我々は汝に
これから、何が始まるというのか
うすうす感づいてはいたが、認めるのが怖かった
私は彼らの慰み者となるのだろう
彼らは騒ぎ立ち始め、さっきまで頸を掻ききれるように鉤爪を構えていたニューラは耳元でこう言った
「ふん、最初から股開いて体を売れば、こんな痛い目遭わずにすんだのによぉ。
俺らの言う「誠意」って奴はな、「物よこせ」ってこーとーなーのー。
けけっ! もっとも、雄の性処理穴しか持ち合わせてねぇ、おめぇさんは、どうせこうなるしか無かったんだがなぁ! かかかかかっ!!」
高笑いしながら、
言葉はほとんど耳に入らなかった
私の頭の中では、こんな奴らに処女を奪われるのか、それしか無かった
「さぁ、汝は我々に与えた不快感に見合う程の苦痛を味わってもらおう。
すでに気づいておるのだろう? そう、縄張りを犯された報復は汝自身を犯す事、
それを受け入れることで、罪を償ってもらおう!」
「…………くっ……!」
「ふん、苦痛は苦痛で返すのがもっともである、汝の命を以て償うよりは、汝にとっても有益な話であろう!」
改めて宣告され、さらに盛り上がる集団の中で、私は口を閉ざす事を決めた。
なんとしてでも、奴らを喜ばせてたまるものか。
「じゃ、俺から俺から!」
「ふむ良いだろう
「ど~も、リーダー、へへっ!
さぁ、楽しませてくれよ!」
その股間には小さくも、黒色の体に映える赤黒い醜悪な姿をしたものが、飛び出していた。
「ふ~ん、こっわい顔だね~。
下手すりゃ俺の最強の
無言で、ただ耐える。反抗しても奴らを喜ばせるだけだろうから
「ったく、ダンマリかよ。まぁいいや、だったら喘ぎ声でも聞かせてもらおうかな~」
口を真一文字に閉じ、視界も瞼で覆いかくしてしまう
ただ受け入れていれば、命は助かるのだ
腹の上、さらには子宮の上を踏みしめられる痛みに耐えながら、それでも反応はしない
「まったく、……面白味のねぇー奴。
じゃあ、どこまでダンマリを貫けるかなっ♪」
弄ばれるのが先かと思いきや、いきなり挿入が始まった
だが予期せぬ開始にもまだ耐えきれる
「ふぅん、まだがんばるんだぁ。それじゃ、これはどうかなっ!」
さらに衝撃が走る、そして膣から感じる痛み
塞げない耳から入ってくる、
しかし、私は冷静な判断ができた
まだ、膜は破られていない。
痛みはまだ膜を軽く押すような微弱なものだ
ドラゴンタイプ特有のしっかりとした生殖器の作りに対して、体が猫*7に酷似する彼の男性器はお粗末すぎたのだ
もちろん、彼としてはそんな事は夢にも思ってないだろう
「けっ! 破瓜しても*8、何とも言わねぇとはなぁ!
こうなったら、アンアン喘がしてやんよ!」
トゲのついた
だが、彼はこの場においてはあまりにも相性が悪すぎた
「…ふっ…はぁ…イく…ぞっ!」
……あきれて物が言えなかった
まさか、こんなに早く、そして、我ながら本当に喘がずに、終わるとは
「んんっ……、はぁ…はぁ…。ちっ、ったく、口の
とりあえず、瞼を開き、哀れむような視線を送っておく
視界の隅では、マニューラがその狭い額に手を当てて、やれやれといったポーズをしている
「……んっ? おい、みんなどうしたんだ?」
「もう良い、
ツンベアーに首根っこを掴まれ、私に刺さっていた男性器ごと、彼は引き抜かれていった
何故かレイプを受けている側なのに居た堪れない気持ちになるとは予想外だった
「こほん……」
気まずい雰囲気の中、マニューラは一つ咳払い。
「さぁ、汝は我々に与えた不快感に見合う程の苦痛を味わってもらおう。
すでに気づいておるのだろう? そう、縄張りを犯された報復は汝自身を犯す事、
それを受け入れることで、罪を償ってもらおう!」
……いや、なんというか呆然とした。
先程のあれはノーカウントにしてやり直すらしい。
なんとも律儀な集団である、いや、馬鹿なのか、馬鹿としか思えないのだが。
ともかく、拘束されている以上、貞操の危機は去っていない
再び、覚悟を決めたそのときだった。
「りりり、リーダー!! なんかとんでもない奴が! ふみゃ~!!」
見回りに出ていたニューラの声がしたと思ったら、爆発音が響き、空からニューラが降ってきた。
「おい!
「ふみゅう…や、やばいです! なんか紫色の何かが……!」
「りゅ~せ~ぐん!!!」
どこからともなく、強力なエネルギー弾が降り注ぐ、わずか一日なのにとても懐かしい声と共に
群が怯んだ隙に彼は真っ直ぐマニューラへと飛び、そして捕獲した
「動くなぁ~~!!」
大胆な人質の確保に不意を突かれたのか、群はピタリと止まってしまう
「ニー……」
逆さまの視界で確かに見えた彼は、やはりニーだった
彼はまた、私の危機を救ってくれたのだ
「そこにいるグーを今すぐかいほ~しろ~!
じゃなきゃ、きあいだまが君たちのリーダーさんに当たっちゃうぞ~!!」
なんとも力の抜ける脅迫である、これがニーにとっては至極真面目なのだが
突然の乱入者のために、群に動揺が走り、逃げ出す者、倒れ込む者と、まともに動けるものはいなかった
「早くグーを離せ~!!」
右手にマニューラを抱え込み、左手にチャージしたきあいだまをあてがっている
当のマニューラは弱点のタイプを構えられて、すっかり言葉を失っているようだ
「そこのサザンドラ! 待ちな!」
森の奥から、鋭い声が飛ぶ
輝くダイヤモンドダストを身に纏い、優雅に
「おぉ姐さんだ!!」「姐さんが来られたぞ!!」
「うるさい! 雄共だまりんしゃい! そこのサザンドラ、早くウチの旦那をこっちに寄越しな!」
鋭い眼光を光らせながら、まるで女王のように現れた彼女は、いきなりの命令口調である
「じゃあ、グーも解放してよ!!」
「んなこた出来んさね。そいつはウチのシマに入ったらしいじゃないか。
なのに代償も払わずに返せだって? はん! 笑わせてくれるねぇ
おそらく、ウチの馬鹿な雄共は、雌の寄りつかない季節だからって交尾なぞを償いに仕立て上げたのかもしれないけど、
本当の償いは謝罪の意を込めて、血を見せてもらうのが早いんだけどねぇ。なのに、馬鹿雄共のヤろうとしたことすら終ってないんだろう?
粗方、爪の先っぽしか突っ込んでないみたいだしねぇ」
「じゃあ、……どうすればいいの?」
すると、グレイシアはこちらに体を向けつつ言った
「どうするって、そんなの簡単なことさね。
血の償いをすればいいだけさ、本来は自分でやってこそ意味があるってもんだが、この子は動けないみたいだしねぇ。
今回は、特別にわっちが手伝ってあげようじゃないの」
言い切ると、グレイシアの周りには更なる冷気が渦巻き、彼女の体毛は残らず小さな
戦闘態勢に入った彼女からは殺気すら感じられた
牙を剥き、まさにグレイシアは飛び掛らんといった体勢になる
「待って!!!」
そして、襲い掛かってきた彼女に頸元にか見つかれる寸前、響くニーの声、そして空気を揺るがす爆音
その音に私とグレイシアは同時にニーを見た。
マニューラが血塗れになっていた。
違う、その血はニーの右腕から垂れていた
荒い息を吐きながら、真っ直ぐにこっちを見据えて
「ボクの……血でいいでしょ……?
早く……グーを離してよ……」
恐らく、爆音はチャージしたきあいだまを空打ちした音だろう
抱えられたマニューラは頭部スレスレをかすって右腕に噛みついた左手に恐れをなしたのか失神していた
「…………ちっ、いいよ、さっさとその子を持って帰んな。
あんたら、行くよ!!」
そう言うと、グレイシアは氷の拘束具を手下に破壊させ、そして、すでにニーの足元に解放され、先ほどから気を失っているマニューラを咥えて回収すると、
群と共に森の奥へと去っていった。
「グー! 大丈夫?!」
強ばった体を起こしてもらい、血にまみれた右腕で支えてもらいながら、問われた一言に何故か涙が溢れた。
「ど、どうしたの!? どこか痛いの!?」
優しい言葉に涙が止まらない
「ニー……ニーのバカぁ!!」
「ええっ!? ちょ、ちょっとどうしたの?!」
「だって、……だってなんで、そんな怪我までして……」
「こんなのすぐに治るってば♪ ほら、帰ろ?」
促されるが、私は動かない。
なんで、彼が優しくしてくれるのかわからないから。
勝手に私の頭の中で自己完結してしまったその事
ニーは、私のこと……
「……嫌いだよね」
「……えっ?」
「だって、私…私、考えもせずに、昨日、ニーのとこ、押し掛けちゃって…それで、それでっ!」
頸もとをギュッと抱きしめられた。
予想外の事態に言葉はもう出てこない。
「……それはボクが謝るべきだ、グーは、悪くないよ……」
「でも、……私が……ニーに、あんな事を…」
「怖かったんだ……、グーを幸せにできるかどうか、自信が無かった
だから、……だからボクは逃げ出した」
静かな声で、ニーは呟いた。
自分は、やっとあの時の『ごめん』の本当の意味に気付いた。
それは、別れの言葉なんかではなくて、本当の謝罪の言葉だった
「ニー、私は……幸せだ……」
「…………えっ……?」
「ニー、貴方といるだけで……私は幸せだ……、貴方がいてくれるだけでいい。
それが、私の、幸せなんだ」
言葉を搾り出すように、想いを告げる。
「だから、もう、離れたく、無い……ずっと、ずっとニーと一緒にいたいんだ!!」
「それって……」
私は、抱かれたままニーに体を押しつけた。言葉を遮るように
そして、再び向かい合うと幼い頃のしゃべり方から、戻すように咳払いをして、彼にこう言った。
「今日……ニーの洞穴に泊めてくれぬか?」
「……うん、いいよ♪」
私にとっては告白も同然の台詞を言えたのは百点満点だ。
暗くなっていく空のもとで私たちは
「どうせ、俺のチン○なんざ、ぐすっ、爪の先っぽ程度さ……」
因みに、端っこのほうで、仲間に気遣われた挙げ句、グレイシアにトドメを刺されたニューラが
雨雲だろうと思っていた雲からは、思い掛けず雪が降ってきた、冷えた体を暖めようと洞穴の奥に
着いたばかりの時は
本当にニーはあくタイプなのかと、疑うぐらい優しくて暖かい、そして愛情のこもった抱擁だった
「なぁ、今更だが、なんで私の場所わかったんだ?」
「えっと~……言わなきゃ、ダメ?」
ニーの右を陣取って、彼が自分で傷つけた
長い沈黙の後、ニーが口を開いた
「…………匂い」
「……えっ?」
「今日、グーに謝りに行こうと思ってさ、それで、お昼ぐらいに勇気を出していったんだけど、居なかったから、
だから、匂い嗅いで辿ってった……。
意識しちゃうから、そんなに言いたくないけれど、……今も、すごい良い香り。
でも、なんか、ヤな香りもちょっと……」
私が謝るべきだった、って言い返す前に衝撃発言が飛び出した
そういえば、私ぜんぜん水浴びしてないではないか!!
「…すまん!最近、水浴びしてなくて……!」
あわてて、ニーから離れた
顔が真っ赤になるのがわかる
「いや、違うって!そ、そう意味じゃなくて~、な、なんというか、他の雄の臭いっていうか……」
すっかり忘れてた、そういえば私…
「ニューラに犯された……」
バチュルに片腕を入れられた程度だから気にしてなかったのだが
「ええっ!だ、だ、だ、大丈夫なの!!?」
「いや、そんなに大したことでもないさ。
ちょっと入れられただけで」
「その時点で大問題だってば~!!」
なんと、いきなりひっくり返された
って、ええぇぇっ!?
も、もしかして、独占欲からの暴走!? あっ、で、でもそれも良いかも!
って、そういうのはちゃんとした告白をしてから、いや、ちょっとくらいなら、ああぁぁぁ~~!
「ほら、じっとしててね~」
……いや、まぁ、そんな性格じゃないって知ってたけどさ……
「ぺろぺろぺろぺろ~♪」
まさか、ここに来て、舐めてくるなんて…
しかも、この後に及んで尻尾から舐めてくるなんて生殺しだ
一気に脱力してしまった
「大丈夫だよ~、ニューラさんの臭いもきれいにとってあげるから~」
その言葉は、「ボクの匂いしか付けちゃダメ~」とかかな~なんて、都合の良い脳内変換をしていると
「ちょ、ちょっと! ニー! なにしてるの!?」
「なにって、きれいにしてるんだよ?」
早くツッコんどいて正解だった、だって、そっちは、
「そっちは、お・し・り・の・あ・な・だ!」
「あっ、そっか~、ごめんごめん~」
ニーはこれで素なのだから恐ろしい
しかし、菊門から離れたのだからと安心して四肢を完全に投げ出す。
もちろん、ニーはやらかす訳で
「ひゃ!! ……ニー! そっちは、お、お、……おし・・っこの穴!!
なんで小さい方を選ぶんだ!!」
恥ずかしい事を叫ばせないで欲しいのだが、ニーは悪気がないので強く当たれない
……状況が幼い頃となんとなくデジャブだ
「ごめんね~、じゃあ、こっちかな~?えい!」
「ひゃっ……!!」
正解の穴へとニーは舌を押し進める、体は僅かに揺れた
「ちょ、早い!! 待って、あぅ!」
貧弱な
体の奥から舐めとられる感覚に痺れ、快感が限界を振り切れる直前
「はい、終わり~♪」
待て待て待て、いくら何でもそれは無いだろう!!
どうせ、無意識だろうけど!
「もう大丈夫だよ~、グーからは、グーのいい匂いしかしないから~♪」
そういう問題ではなくて!! あぁ、一言、一言だけ言うんだ、自分!!
「待て! ニー頼みがあるんだ!!」
そうだ、引っ込め、意地っ張りの自分!
「ん? 何~?」
「私っ!! わ、私をっ!!!」
わたしをニーの
改めて、ちゃんと求婚をしたかった
本当の気持ちをストレートに伝えたかった
「???」
「私をっ!!ニーの香りで塗りつぶしてくれっ!!!」
わたしゃ変態かーー!?
この流れでこんな変化球を繰り出すなんて!!
うぅ、さっきまでは、あんなに自分に素直になれてたのに、やっぱり面と向かってなんて言えない……。
それにこんな台詞、ちゃんと告白してから言うならまだしも、今のタイミングじゃただの変態ではないか……。
そのせいで、ほら、ニーにも嫌われて
「う、うん……君がいいなら……」
真っ赤な顔で断ら……って、えっ?
「昨日は逃げちゃったけど……本当にボクなんかで良ければ……寧ろ、グーは良いの?」
「もももももももも、もちろん!!
ニーじゃなきゃダメなんだ!!」
ニーにフォローされることで一気にまくしたてる
……なんか、この台詞、雄が言うべきものな気が……いや、この発言は人間達で言う
「そっか、ボクもね、グーの事、ずっと好きだよ」
「!!」
「それに、ボクたちは、ずっと家族だから」
なんで、なんで言いたかった好きって台詞取っちゃって、
それに、そんなこと言われたら、また涙が止まらない
「ぺろっ、……ほら、泣きやんで。
ちっちゃい頃話したよね? 早く顔が見たいって」
ニーの顔がゆっくりと近づいてくる。
私は、こくりと頷いた。
「せっかく、君の顔が見えるようになったんだもの、君には笑ってて欲しいから♪」
両頬をぺろりと舐められて、最後に深く口の中に舌を入れてきた。
昨日と違い、ニーが積極的になってくれている。その事がとても心地よくて、それだけで私は体がじわりと快感を感じるほどだ。
口を重ねて深く長く続いたそれは、どれくらいしていたのかわからなかった。
「なんというか……流石だな……」
「ねぇ……グー、そんなにマジマジ見られたら、……その、恥ずかしいよ……」
長い、長い口づけが終わった後は、体を起こし、彼の生殖器と対面した
表面にトゲはあっても、あんな
圧倒的な重量感を持つ彼の男性器は、暗闇の中でもまったく遜色無い
寧ろ、体に落とす影も相俟って、一層大きく見える
2つのそびえ立つ巨塔を目の前にして、私の雌が疼くのを感じる。
「さて……今度は私が舐める番だな……味わせてもらうぞ♪」
ごくりと唾を飲み、ゆっくりと頸を伸ばす
まずは、右がわから、ちょっぴりだけ
ぺろっ
「んんっ……」
僅かに舐めただけで、ニーの体は大きく震える
今度は左を舐めてみる
ぺろっどころじゃなくて、ぺろーんと
「っ!」
ふむ、今度は堪えたか。ならば……
ぱくっ!!
「ふあぁぁぁっ!? ちょ、ちょっと! グー?!」
むぐぐ、大きすぎて先っぽしか咥えられん
しかし、それなら私にも考えがある
「えぇ!? グー! 待って、それはだめっ!? んぁぁぁああ!!」
どうせ先っぽしかダメなら2つ同時に咥えてやろうではないか
ニーは派手に声を上げ、生殖器からはねっとりとしたものが染み出してきた
おそらく先走りというものだろう、舌で感じる濃厚な味、そして鼻腔に届いたニーの香りはいつまでも味わっていたいものだったが、今はここまでだ。
「もぅ、でちゃ……」
「ちゅぷ……ぷはっ、もうダメなのか、仕方ないな」
俗に言う寸止めである。ニーの煽情的な姿で、「なんで?」とでも言いそうな表情を見る限り、
「むぅ~、グーのイジワル~~」
「うむ? どうかしたのか? 前戯はここまでというだけだ。私も我慢の限界だから、な」
なにはともあれ準備は整った、残すは本番である
背を向いて、尻尾を上げる、伝統的な四足系の交尾姿勢をとろうとする、しかしここでニーからの希望が告げられた
「出来れば、さっきみたいに、仰向けになってくれる?」
「……? 何故だ?」
「だって、……だって、グーの顔、せっかくだから、見てたいし……それに、ぎゅ~ってしたいから……ボクのワガママ、聞いて、くれる?」
私は何も言わずに頷いて、再び腹部を晒す、彼の望むままに
「ここで……あってるよね?」
「あぁ、そこだ……ニー、来て……」
押しつけられたニーの男性器は、火炎放射でも当てて熱しておいたかのように熱い
それが徐々に
改めて実感する圧倒的な質量、あの
「んんあぁ……ニー……入って、きてる」
ニーの右側のモノが私の
しかし、それでも初めて*12の交尾であるが為に、拡張による痛みは避けて通れないようだ。
「グー……大丈夫……?」
耳元から聞こえる心配そうなニーの声、気づかぬうちに身を竦めていた私を守るように抱きしめられていた
大丈夫だよ、と言うかわりに私もしっかりとニーを抱き留める
長い抱擁に終わりを告げ、再び奥に入ってくる感覚、そして突っ張るような痛み
「ニー……お願い……」
「……うん」
その言葉を合図に圧力が高まるのを感じた
引き裂かれる痛みに体を強ばらせていると
「グー、
痛みはますます大きくなる中、差し出された何かを噛みしめる。
全身を掛け巡る痛みから、ちょっとでも意識を遠ざける為に
そして頭の中で何かが弾けたような音、そしてお腹のそこを小突かれたような感覚
「……大丈夫? グー……全部入ったよ」
とてもお腹の中が熱く感じる
そして、口の中に広がる、鉄の味……鉄?
「もがっ!?」
噛みついていたものを見て、驚いた。何故ならそれは、ニー自身だったからだ
しかも、先程まで舐めていた傷口の隣である
「す、すまん! ニー! まさかニーの体だとは思わなんだ!」
「ううん、大丈夫だよ~、ボクにはグーの痛みがわからないから、だから、グーの痛みがちょっとでも紛れてくれるかな、って思ってやったことだからさ。
それに、ほら、さっきのボクの歯形と、グーの歯形、ぴったり寄り添ってまるで仲良しでしょ?
だから、これはボク達も、きっと……ううん、絶対、絶対いつまでも仲良く一緒にいられる印だよ」
気がつくと、涙が溢れてた
そして、ニーにぎゅっと抱きついて、耳元で言葉をささやいた
「ニー、……大好き……♪」
あぁ、やっと、素直になれたのかな
いつまでそうしてたのだろうか。
切り出したのは、ニーからだった。
「……グー、もう動いても大丈夫?」
「あぁ、続き……だな」
今度は、ゆっくりと引き抜かれていく。彼のモノを見る限りでは、幸いにも破瓜の時の出血はほぼ無いようだ。
その快感に耐えきれず、つい
「あぅ、なんかグーの中におちんちん吸い込まれてる……」
「……ニー、私まで恥ずかしくなるから、せめてペニスとか表現してくれないか?」
半分ほど引き抜いた所で、再び押し込まれる
「だって、おちんちんはおちんちんでしょ? お兄ちゃんが教えてくれたんだもん」
「その頃は
奥を小突かれる、これほどの台詞を言って、未だに1ストローク、恐らく気遣われているか、まだ遠慮気味かのどちらかだろう。
そして、抜かれる
「それに、……んっ、今、ニーが入れてるこれはなんというのかわかってるのか?」
「えーっと……ワレメ?」
潜り込んでくる
「それは形の名前だろう……ここはヴァギナとふぁあ!?」
「へ~、じゃあ今こすれた所は?」
「……クリトリス」
表面で滑る、ニーのもう一つのモノが僅かにぶつかったようだ
ピストン運動も徐々に早くなり、思考を溶かしていく
「そんな名前なんだ~、ボク初めて知ったよ~♪」
「ううぅ……もう、わかっただろ? 名前はもう良いから、交尾を楽しもうではないか……?」
甘い痺れに体は支配され、今のことしか考えられなくなってくる
「うん、じゃあ、早くしても大丈夫だよね?」
言葉に疑問を感じる暇も無かった
唐突にあがったスピードに、ついていけるはずもなく
「ふぁぁぁあああ!!?」
わずか数秒で達してしまう、一方ニーはというと
「わぁ! すごーい! グーの中、すっごく締め付けてきてる~♪」
余裕のご様子だ。
……いやいやいやいやなんでだ
一応、私を気遣ってか、ピストン運動はしていないものの、目の前の顔は余裕そのもの
確か、さっき口でやった時は、あんなにすぐイきそうだったのに
「とっても、気持ち良いよ、グー♪ 右だけじゃなかったら、ボク耐えられなかったよ♪」
理由判明……まさか、両方ヤられると弱くなる体質とか予想外だ。
「じゃあ、次いくね♪」
休む間もなく連戦である
コツを掴んできたのか、滑らかに動き出す
「ちょっと!ひゃ! 待ってえ!ふぁあ!」
中のモノにかき回される度に体を巡る快感と、外のモノが充血した陰核に擦れる度に襲う痺れ
口からは、衝撃が走る度に喘ぎ声が漏れだしていく
真っ白になりゆく頭の中で、何故かよぎったのは反撃の二文字だった
それが、意地っ張りの私というものだ
「ほら、グー、もっと気持ちよくさせてあげ、ひゃぁぁああ!?」
うまくいったみたいだ、ニーの動きが止まった。
「はぁ…はぁ…、ほら、ニー、気持ちよくさせてくれるのではなかったのか?」
「う~……そんなの反則だよ~、んんっ……」
私の考えた反撃、それは尻尾を巻き付かせて、もう片方のモノへの刺激だ
初めての試みだが、意外とうまく出来ているようで、前後に扱くと、あれほど余裕だったニーの顔に焦りが生まれた
「ひゃっ!! じゃあ、ボクも手加減しないよ!!」
対抗するように、ニーも腰を早く打ちつけてくる
流れてくる快感は、まさに身を焦がしているようで、とにかくアツい、特にニーに触れている部分なんか溶けてしまいそうなほど
しかし、私はやはり意地っ張りだ。尻尾は搾り取るように動かし、ニーに追い打ちをかける。
そして、感じる、脈を打つような振動、私もニーも、終わりが近い
不意に口に感触があった
ニーが、深い、深い、キスをしてきた。
こんなタイミングだなんて……そんなの……そっちこそ反則だ……
ドピュッ、という溢れる音と、彼のモノをキュッっと締め付けたのは一緒だった。
お互いに、しっかりと抱きしめあい、それから、口を離した。それでも、私の中に注がれる、そして、外からもかけられていく、熱いニーの子種は私を染め上げていく
「ふぁぁ……ニー、私、ニーの匂いに染められてるよぉ……」
体も、中も、真っ白に染められていく
ぼんやりとした意識の中で、唯一鮮明に聞こえたニーの言葉
「――――ずっと、一緒だよ……」
じきにニーの射精も止まり、抱き合ったまま、夢心地のなか、瞼を落とした。
瞼を貫いて差し込む陽の光を浴びて目を覚ました。
夢を見ないほどにぐっすり眠ったのは久しぶりだ。
眠りに落ちたときに繋がっていたニーの姿はどこにもなく、
「あっ、起きたんだ~♪ おはよ~グー♪」
いた、まだ早朝だというのに、すでにニーは料理中だ。
作っているのは……スープ?
そんな水どこから、と尋ねかけて、すぐに解決した。
洞穴の奥まで届く光は、未だ昇り切らぬ太陽のものではなく、一面に降り積もった雪の照り返しが眩しく感じたようだ
そして、洞穴のすぐ外の雪は大きく抉られていた、恐らく、この雪を溶かしたのだろう
「もう少しで完成するよ~、待っててね~」
「あぁ、楽しみだな」
眼下に広がる真っ白に染め上げられた森を一望していると、とある事に気づく
確か……昨日、全身にかけられた気がするのだが……
まったく、残っていないニーの子種はどこへ消えたのかと訝しみつつも中に戻る
「お待たせ~、特製カゴのみスープだよ~」
「うぐ、渋い味か……しかし、それすら気にならぬほど旨そうだな。
……んっ? カゴのみ?」
「そうだよ~、一昨日グーが持ってきてくれたやつだよ~」
思えば、このカゴのみが遠回りして恋を叶えてくれたのだろうか、
調理に使っていた岩よりも小さいものによそられたスープをみて、ぼんやりとそう思った
一口舐める、途端に目がはっきりと覚めていった。
渋い味は苦手だが、僅かに入っているクラボが食欲を引き出してくれる
そして、気がつくと完食していた
「……ふぅ、おいしかったぞ、ニー」
「どういたしまして~♪」
クリアになった視界が捉えたのは愛しのニーの顔、そして、口元に垂れている白濁色のアレ
……ということは、きっと、全部舐めて処理してくれたのだろう
私は躊躇いもなく、ニーのそれを舐めとった
「うわっ!?グー?!」
「ニー、ごちそうさま♪」
ちょっぴり苦くてほんのり甘かった気がした。
「ところで、住処どうするの?」
「ん? あぁ、そうか、手狭だからといって離れて住むのも耐えられんしな……」
「じゃあさ、ちょっと遠いけどお引っ越ししない? おっきい洞穴見つけたんだ♪」
なんとも準備万端な事だ。そうと決まれば僅かばかりの所持品を持って早速向かいたいところだ
しかし、このタイミングであの音が響いた
ぐ~~~っ……
顔が真っ赤になるのがよくわかる……あれだけの
恥ずかしさから目を伏せていたのだが、急に目の前に桃色のものが現れる
「ほら、食べて?」
あの日と同じ、モモンのみ、今では一口だが、その味わいは、相変わらずおいしかった
食べ終えた私たちは洞穴の前で向かい合っていた。
やっと新天地へと向かう前の後片づけも済ませたあと、ニーに、ちょっと一言だけ言わせて、と頼まれたからだ
「……
「なんだ、改まって」
「……グー、いつまでもボクのこと好きでいてくれる?」
「当たり前だ、今も、昔も、そしてこれからも」
「ずっと、ずーっとだよ?」
「あぁ、死が私たちを
「うん、そうだね、……グー、大好きだよ」
「私もだ、ニー……」
永遠の誓いをたてた私たちは、青空のもと、祝福をうけるように朝日に照らされていた。
お腹が減りそうな一日の始まりだった。
ー完ー
実は、こっそり初挑戦と公言していたのですが……気付かれた方はいらっしゃったりしますかね……?
どうも、こんにちは、いや、こんばんはかな?
長い間
今回は皆様の応援のお力で3位に入選致しました!
(実は大会中、きのみの描写に関して間違ってたのですが……ばれなかった、かな?)
それでは、コメントを返させていただきます。
・キャラにそれぞれの特徴があり、誰がしゃべっているか分かりやすかった。
・擬音がなく、とてもテンポよく読めた。 (2012/09/17(月) 23:18)
名前に捻りが無いのでその分、キャラに個性を強めに持たせてみました。
擬音の方は、最初に入ってたりしますよ、げしっ!
(2012/09/19(水) 23:10)
投票ありがとうございました!
ツンデレだけど本当は素直なグー、どこか子供っぽくてマイペースなニー、
種族名の威厳溢れるイメージとは程遠いギャップ萌えが良かったです。 (2012/09/20(木) 22:24)
子供っぽいという設定は、進化レベルが高いという所からむりやり作りました。
幼年期や青年期が長かったなら精神年齢も低いかなーなんて・・・
ニ―のサザンドラに似合わないちょっと抜けている感じが可愛いです。 (2012/09/21(金) 10:31)
この仔は性格がおっとりなのです。
特攻が高いので選んだらこんなキャラになりました。……なぜだ?
投票してくださった四名様、そして、最後までこの作品を読んでくださった延べ6566名の皆様、
誠にありがとうございました。
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