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空の特攻隊! 時を超える叫び

/空の特攻隊! 時を超える叫び

お久しぶりです。遅筆ながら、空の特攻隊も第三話となりました。(覚えている人が居てくれるか怪しいですが…)
基本、ポケモン不思議のダンジョン探検隊シリーズのお話を下にオリジナル要素を加えつつ進んでいく作品になるので、原作に思い入れのある方はブラウザバックをして下さいませ。お読み頂ける方は、↓からスタートとなります。お楽しみ頂ければ幸いです。

目次はこちら



「ほっほっほっほっと……よーし到着」

 毎朝のお勤めをしっかりするって言うのは気持ち良いなー。海の水面も眩しいくらいキラキラしてるし、今日も調子良さそうかな。

「ふぅー、朝からそんなに飛ばしてよく平気だね? キーネ」
「ん? いつも大体こんな感じだけど? 慣れたらこれくらいならなんともないよ」

 とかなんとか言っても、ちゃんとついて来てるところはハーモも流石かな。まぁ、走るっていうより飛んでたけど。
あれ、そう言えばアークは?

「ふぅ……こっちは慣れてないんだから、ちょっとは待ってくれないか?」
「はぁっ、はぁっ……キーネは朝から元気だね。ガディさん、待ってくれてありがとう」
「これくらいまだまだだよ? ギルド入る前はこれ五周だったから」

 あらら、私以外の三匹が今のを聞いてヘタリこんじゃった。まだまだだなー。
あ、そうそう。実は……ガディがブレイブに入ってくれたの。ガディ自身からの申し出でね。
それまでは一匹で、フリーで探検家をしてたみたいなんだけど、この前みたいな事があって一匹で探検するのは危険だって思ったみたい。
それで、一度自分を正気に戻してくれた私達とチームになるのが安全だと思ったみたいね。こっちとしてもメンバーが増えて困る事は無いから、断らずにチームになったって訳。
ハーモはブレイブに入った訳じゃないけど……たまに一緒に探検に行くって約束はしたよ。ギルドに居るだけじゃ、ハーモもストレスでくたびれちゃうだろうしね。

「ご、五周は厳しいが、こうして朝に走るのはなかなか気分が良いな」
「でしょ? 一日をスッキリスタート出来るし、体力作りにもなるしね」
「うん、僕も頑張って皆と走るよ。少なくとも、皆に守ってもらってばかりじゃダメだもん」
「アークも向上心は高いし、キーネやガディが付いててくれればすぐに強くなれるんじゃないかな」
「探検隊としてはアークもキーネも初心者なんだ。一匹で焦る事は無い」
「そうそう。一緒に頑張ろう、アーク」
「うん!」

 ま、アークも何日かこうして走るのを続けてれば慣れてくるでしょう。体力はあって困るものじゃないしね。
四匹で軽く柔軟体操して今日の朝は終わりかな、後は帰るだけだし。
登り始めた朝日を見ながら、今日も一日が始まる。そう言えばあの嵐があってからこっち、天気はずっといいかな。少し崩れてもいい気もするけどね。

「……よし! 天気も良いし、今日も依頼頑張らないとね!」
「そうか、確か昨日の話では、ブレイブのギルドでの仕事はそうだったな」
「まぁ、仕事初日で大仕事をしたんだから、探検隊としての実力はランク以上だけど、こればかりは仕方ないからね」
「そう言えば、探検隊のランクってどうやれば上がるの? ハーモ」
「ふむ、その辺りをまだ説明してなかったね。今日の仕事を説明する時に一緒にするよ」
「俺が説明してもいいんだが……」

 うわ、そう言ったガディをハーモが恨めしそうにじ~っと見てる。ここは、ハーモから聞くのがいいみたいだね。
それじゃあって事で、皆でギルドに戻る。そろそろ朝礼も始まりそうだからね。



 朝礼も終わって、皆各自の仕事に入ったみたい。……私達の仕事は探検だけど、皆は何してるんだろ? 今度ちゃんと聞いてみようか。
さて、朝の話からして今日もハーモの説明から始まるみたいだけど、今日は何の説明されるんだろ? 依頼の説明は昨日聞いたんだけどな?

「それで? 説明ってなんなの、ハーモ?」
「うん、それは上に行って説明するんだけどその前に……パズ~!」
「パズ?」

 あ、ハーモが言ったのはどうやら名前だったみたい。弟子の一匹のビッパがこっち来たわ。

「は、はい! なんでゲスか!?」
「お前は、今日はこのブレイブと一緒に仕事してきなさい♪」
「……えぇ!? あっしがでゲスか!?」
「そう、ついでに……要らないかもしれないけど、トレジャータウンの中の案内もすること♪」
「ふむ、ここの案内か。それなら俺にはありがたいな」
「そっか、ガディはここに来た事無いんだ。別に私が案内してもいいんだけど……どういう事?」
「まぁ、案内は必要無いかと思うけど、これは君達にお願いするって形になるかな」

 ……なんとまぁ、最近このパズってビッパがなかなか良い仕事出来ないでいるから、私達と一緒に行動して気を張り直させようって事みたいね。

「昨日も失敗してきたし、今日はブレイブの皆の仕事を見てよーく勉強してくること!」
「えぇ!? あ、あっし先輩弟子なんでゲスけど……」
「じゃあ聞くけど、チームを組んでるとはいえこのガブリアスのガディと戦ってお前は勝てるかい?」

 ガディの方を向いて……青ざめてるね。こりゃダメだわ。
その視線にガディも思わず苦笑いね。まぁ、下手なポケモンが昨日のガディに挑んだら返り討ちに遭うだけじゃなく命に関わるだろうけど。

「む、無理でゲス~」
「そうでしょ? この二匹は、私が居たにしても暴走するガディを止めてるの。その辺しっかり見て、探検隊としての心構えなんかはガディを見て見直す事! いいね♪」
「私達に拒否権は……まぁ、あっても使わないからいいか」
「えっと、パズさんですね。よろしくお願いします」
「俺もそんな大した探検家じゃないんだが……頼まれたのなら、まぁ少し手解きしよう」
「うぅっ、お願いするでゲス~」

 急遽にはなったけど、今日は四匹で行動ね。……涙目だけど、このパズってビッパ大丈夫かな?

「それじゃあパズの事は頼むよ。次は上に行って今日やってもらう事の説明をするよ」
「了解。え~っと、パズでいいよね? 先輩なんだからもうちょっとビシッとしてほしいなぁ」
「き、キーネ。もうちょっとソフトに、ね?」
「うっ、こういうのって私苦手なのよねぇ……」
「い、いや、キーネの言う通りでゲス! あっし、頑張るでゲスよ!」

 あ、なんか自力で立ち直ったからまぁよし! ……こういう相手との接し方も覚えていかないとねぇ。
それじゃあ皆で上の階に移動。上って事は、やっぱり仕事内容は探検なのかな?
上に来ると……ハーモが昨日とは逆の左の方へ向かった。そういえば、そっちにも何か掲示板があったわね。

「来たね。じゃあ今日の仕事を説明するよ♪」
「えっと、これも掲示板だね。昨日見たあっちの掲示板とは違うの? なんだか、こっちのにはポケモンの絵が写真に貼られてるけど」
「これって……」
「一言で言うと、キーネがやりたがっていた事が今日の仕事だよ」

 なーるほど、つまりこれはあれってことね。ふふっ、面白そうじゃない。

「キーネがやりたがってた事? ……あ」
「アークにも分かったみたいだね。そう、これはお尋ね者の指名手配書さ!」
「うぇぇ!? それって……あっしもお尋ね者退治に一緒に行くんでゲスか!?」
「そうだよ。第一、昨日お尋ね者に逃げられてるんだから当たり前でしょ!」
「ふむ……ギルドでこういった事をしているとは聞いていたが、実際にやる事になるのはこれが始めてだな」

 いいじゃない、こういうのを私は待ってたのよ! 探検ももちろん楽しかったけど、こういうのはどんと来いよ!
っていうか、パズは昨日これに失敗したのね……何かの犯人を逃がしたんなら、怒られても仕方ないか。

「お尋ね者退治か……僕、大丈夫かな?」
「確かに、キーネはともかくとして、アークは完全に駆け出しの探検家だ。もう少し経験を積んでからでもいいのではないか?」
「まぁ、これは弟子の登竜門みたいなもので、必ず最初にやってもらってるんだよ。もちろん最初は大それた事をしたポケモンを捕まえるのは無理だろうから、なるべく弱っちそうなポケモンを選んでもらうけどね」
「えー? 私は誰でもいいけどなぁ」
「まぁ、キーネとガディが居れば誰でも大丈夫かもしれないけど……これにも探検隊ランクで受けられないものがあるから、最初は我慢しておくれ」
「む~……あ、そういえばそのランクってどうやったら上がるの? まだ聞いてなかったよね?」
「それなら簡単さ。依頼やお尋ね者、それらをどんどん解決していけばいいんだよ♪」

 ふむふむ、どうやら依頼なんかを達成すると、名声みたいなポイントが探検隊に与えられるみたいね。で、それを貯めればランクは上がると。分かりやすくていいわね。
ランクを上げる為に依頼をこなすようになったら本末転倒だけど、色んな困ってるポケモンを助ける為にはどんどんランクも上げないとね。

「じゃあ、早速選ぶ? キーネ」
「それでもいいけど……まずはパズのタウン案内を受けちゃおうか。後からだと時間が掛かっちゃった時に大変になるし」
「ふむ、確かにそうかもね。それじゃ……パズ! しっかりやるんだよ!」
「ひぃぃ! 分かってるでゲスよぉ!」

 そう言ってハーモは自分の仕事に戻ってったわ。プクリンはマイペースだし、実質のここの管理者ならやっぱり忙しいんだろうなぁ。
さて、ここからのナビゲートは……ちょっと頼りない感じだけど、大丈夫だよね?

「それじゃ、とりあえず私達はついて行くから。よろしくね、パズ」
「よろしくお願いします、パズ先輩」
「せ、先輩……ぐすっ」
「ちょ、ちょっと、どうしたの?」
「いや、二匹が入るまであっしがこのギルドで1番新米で、そのあっしもついに先輩になったと思うと……」

 感極まっちゃったと。そう言っても……探検隊としての経験値が上なのは分かるんだけどねぇ。やっぱり頼りなく感じちゃうな。間違っても口に出さないようにしなきゃ。
とりあえず気を取り直してもらって、まずはこのギルドの中を軽く教えてくれるみたい。また下に行くのは面倒だけど、よく分からないものもあったし丁度良いよ。

「えっと、まずはあの不思議な大釜でゲス!」
「あぁ、あのグレッグルがいつも居る。あれってなんなの?」
「それが、あっしもよく分からないんでゲス。何か準備してるみたいなんでゲスが……」
「……クククク、お前達もいずれ世話になるかもなぁ。因みに、俺の名前はルガンだ」

 うわ、聞いてたのね……横向いたままだから気付いてないのかと思った。と、とにかく名前は覚えときましょ。

「え、えーと、その先にあるのが食堂でゲス」
「結構広かったわよね。でも気になったんだけど、あんなに無造作に食べ物置いといて大丈夫なの?」
「あそこの食べ物は昼間はべルゥ、いつもご飯の時間を教えてくれるチリーンが居るから盗み食いなんか出来ないし、何がどれだけあるかをハーモ一番弟子が記録してるから、減ってたらすぐにバレるでゲス……」

 は、ハーモそんな事もしてるのね。それならつまみ食いなんか出来ないか。

「あ、パズ先輩、あの穴はなんですか?」
「あれはギルドの覗き穴に通じてるでゲス! あの先でダグがどんなポケモンが来たかを見て、ドゴに教えて扉を開けるんでゲスよ」

 なるほどねぇ。で、何か異常があればあのダグってディグダが伝えて、ドゴが声を張り上げると。私達が初日に乗り込んできた時みたいになるって事ね。

「あと、親方様の部屋と弟子の部屋はいいでゲスよね?」
「その辺はね。あ、他の弟子の部屋って自由に出入りしていいの? 私達、まだ皆の使ってる方の部屋って入ったこと無いのよね」
「弟子なら出入り自由でゲス! あ、でも……時々誰かの日記なんかがそのまま置かれてたりするでゲスが、それは覗いちゃダメでゲスよ?」
「それは覗けという振りか?」
「ち、違うでゲス!」

 いやまぁ、ポンッと置いてたら誰でも気になるでしょ。それで覗くなって言うのは酷よね。仕舞わない方も悪いし。
覗く覗かないは今は別にいいわね。見つけた時にでも考えよっと。
どうやらこれでギルドの中の説明は終わりみたい。そこまで何かあるって訳でもないし、こんなものだろうね。
パズに続いて次は外へ。ガディには待たせて悪いけど、今回だけだろうからもう少し我慢してもらおう。
後は見慣れたトレジャータウンへ。結構行き交うポケモンも多いし、今日も賑やかそうかな。

「えーっと、まずは……そこの、ヨマワル銀行。ここにはポケを預けられるでゲス!」
「……き、キーネ……お店のポケモンさんがこっちじーっと見てるんだけど……」
「あぁ、ヨマワルさんって無口でね、ああやってお店番してる時は必要な事しか言わないの。でも、時々私の家にも遊びに来るし、お話してると楽しいよ」

 あ、今の聞こえてヨマワルさん照れてる。今度からは依頼でお金貰う事も増えるし、利用回数も増えるかも。今までは殆どお話しに来てたからなぁ。

「で、あっちはエレキブルの連結店でゲス!」
「ん、連結?」
「あぁ、連結についてはガディも知らなそうだね。うーん、でも今はエレキブルさん居ないみたいだし、今度エレキブルさんが居る時に説明聞きに来ようか」
「そうだね。……あれ? パズ先輩、あっちのはなんですか?」
「ふむ、何か大きめの建物があるな」
「あれ? なんでゲしょう?」
「あそこは潰れた道場だよ。昔は探検家を育てる施設だったんだけど、ライバルが出来ちゃってあんな感じに、ね」

 ライバルって言うのはもちろんプクリンのギルドだよ。と言っても、私もガルーラおばさんから聞いて知ってる話なんだけど。

「キーネ、詳しいでゲスね」
「そりゃあこっちに暮らしてたんだもん、このタウンの事なら大体分かるよ」
「それならあっしが説明する意味無いんじゃ……ゲスン……」
「ゲスンって……まぁ、今日の本来の目的はお尋ね者退治なんだし、拗ねない拗ねない」
「……なんていうか、キーネの方が先輩に見えるのは……」
「アーク、この世には当事者に知らせるべきことと、そうでない事があるって訳だ」
「そ、そうだね」

 ……頭撫でる振りしてパズの耳塞いでよかったよ。もう、ガディもアークももうちょっとタイミングと言葉を選んでよ。ばっちり聞こえちゃってるからね?

「じゃ、あっち側の説明もよろしくね」
「分かったでゲス!」
「完全に主導権を握ったな」
「キーネ凄いなぁ」
「アーク、変な感心の仕方しなくていいからね……」

 ガディも変な煽り入れないでよ……私はその、ちょっと元気付けただけなんだから。
ペズが気付いてないみたいだからいいか。っと、ガルーラおばさんの倉庫の方に行ったからちゃんとついて行かなきゃ。

「こっちにあるのがガルーラさんの倉庫と、カクレオン商店でゲス!」
「倉庫の方は昨日キーネに聞いたけど、こっちはお店だったんだ」
「そっか、昨日はまだ準備中だったもんね。ここでは食べ物とか、探検に必要な物を買えるよ。日によって品揃えが変わっちゃうから、欲しい物が無い時もあったりするけどね」
「基本的にこういった商店は、店長がダンジョンに行って商品を集めるかこの店に立ち寄った探検家から商品を買い取って売っている場合が多いから仕方のない事だな」
「おっ、ガディ流石物知りだね。こればっかりは仕方ないから、必要な物が無い時は現地調達で頑張ろうね」
「うん、分かった」

 あと二つ、今は何もやってないお店があるんだけど……これについては私も知らないし、パズも知らないみたい。何かお店が出来たらいいのにな。場所があるのに空いてるってなんか気になる。
って、気にしてても仕方ないか。この先はサメハダ岩で、私の家があるだけだし……ガディは今度招待するってことで、今はこんなところかな。

「タウンの説明はこんなところでゲスね」
「なるほど、トレジャータウンの名に間違い無い施設の充実ぶりだ。拠点にはもってこいだな」
「ガディってトレジャータウンには来た事無かったんだよね? どうやって探検の準備とかしてたの?」
「そうだな……決まった寝床も無く、殆どは野宿だったな。道具はほぼ現地調達だ」
「わぁ、大変そう……」
「でゲスな……」
「苦労はしたが、お陰で修練にはなった。今まで独り身で探検家をやれてたのも、そういった経験があったからだな」
「なるほどね……ま、これからは一緒に探検するんだし、なるべく万全の状態で探検出来るようにするよ」
「あぁ。……頼りになるリーダーの下につくというのも、悪くなさそうだ」

 流れ的に私、よね? そういうの決めてなかったけど、いいのかな? なんかアークも頷いちゃってるし、まぁいいか。
それじゃ、お尋ね者退治の準備も兼ねてカクレオンさんのお店でも見ていこうか。昨日の依頼のお金もあるし、探検隊として来るのは初だから顔見せも兼ねてね。

「カクレオンさんこんにちは~」
「はい、いらっしゃ……おや、キーネちゃんか! なんだか今日は賑やかだね?」
「うん、私、プクリンのギルドに弟子入りしたんだ。で、探検隊の仲間のアークとガディの紹介にね」
「こ、こんにちは、ニャースのアークです」
「見ての通りガブリアス、名はガディと言います。お見知り置きを」
「これはこれは! へぇ~、キーネちゃんが探検隊か。うん、まずはおめでとうだね!」

 なんか面と向かってそう言われると照れちゃうな。このお店にはお世話になってたし、なんだかちょっとだけ変な感じ。
あ、お祝いって事でオレンの実メンバー分貰っちゃった。お祝いを断るのも失礼だし、大事に食べさせてもらおっと。

「ところで、そっちに居るのはギルドのビッパ君じゃ?」
「ど、どうも、ビッパのパズでゲス」
「今日だけのゲスト参加でね、これからお尋ね者退治をちょっと」
「ほぉ! それならオレンの実をあげて正解だったね。気を付けて行ってきておくれよ?」
「もちろん。またリンゴなんか買いに来たいしね」

 ご贔屓にしてくれてるお客さんが減っちゃうのはこっちも困るよーなんて事を聞きながら商品を見たけど……オレンの実貰っちゃったし、買う事は無いかな。
っと、話してたら誰か来たみたい。あれは……マリルとルリリだ。そういえば、この辺りに親と兄妹で暮らしてる子達が居るって聞いた事はあったかな。
多分買い物かな? あ、カクレオンさ~んなんて言ってるから間違い無くそうだね。少し避けておかなきゃ。

「カクレオンさん! リンゴを下さ~い!」
「はいはい! いつもお使い御苦労様、ニ匹とも。はいこれ」
「わ~い、ありがとうございます!」

 きちんとお辞儀までしてる。へぇ、礼儀正しい子達だね。始めて買い物してるところ見たけど、タイミング的に会わなかっただけかな?
袋に入れてもらったリンゴを持って帰っていく。ルリリは持てないからマリルが全部持ってあげるんだ。良いお兄ちゃんだね。
……兄妹、か。なんだか羨ましいな、ああして仲良くしてるのを見ると。私には、そういう相手……もう居ないから。

「……キーネ?」
「え? あぁ、何? アーク」
「いや、ちょっと様子が変だったから……大丈夫?」
「大丈夫大丈夫。ちょっと考え事してただけだから」

 あれ? さっきの二匹が走って戻って来たみたい。どうしたのかな?

「カクレオンさーん」
「おや、どうかしたかな?」
「リンゴが多いです。僕達、こんなに買ってません」
「あぁ、そういう事かい。それはいつも頑張ってる君達へのおまけだよ。二匹で分けてお食べ」

 おぉ、パァッと顔が明るくなって、ありがとうって言ってる。流石カクレオンさん、お客の心を掴んで離さないのはこの辺りにありそうね。
あ、ルリリが持ちたいって言ったのか、一個のリンゴをマリルが乗せてあげてる。可愛いなぁ、ああいう妹が居たら楽しそう。
あらら、でもバランス崩して転んじゃった。リンゴは……アークの目の前。変なところに行かなくてよかったかな。

「あ……」
「大丈夫? もう落とさないように気をつけてね」
「ありがとう、ニャースのお兄さん!」
「……え?」

 あれ? リンゴを渡そうとしたアークが止まった。何かあったのかな?

「? どうしたの?」
「え、あ、ううん、なんでもないんだ。ごめんね、はい」

 不思議そうにはしてるけど、ルリリはリンゴを受け取った。アークは……どうしたんだろ?
あ、マリルがルリリを迎えに来た。本当に優しいお兄ちゃんだね。
とりあえず見送って、難しい顔してるしアークに何があったか聞こうか。

「アーク、何かあったの?」
「キーネ、皆も、今……助けてって声、聞こえた?」
「? いや、俺は特に何も」
「あっしも何も聞こえなかったでゲス」
「私も聞こえなかったな。アークには聞こえたの?」
「聞こえたって言うか、感じたって言うのかな? 頭の中に急に響いてきた感じ」

 うーん……実際の声じゃないのは皆が聞いてないんだから確かだよね。アークだけが感じたのかな?

「気のせいじゃないのか? このタウンの中で誰かが危険に遭うとは思えないが」
「そう、かも。うん、気にしないで。変な事言ってごめん」
「いや、いいよ。これからも何かあったら遠慮無く言って。独りで考え込んじゃうと、余計に気になるでしょ?」
「……うん、ありがとう、キーネ」
「信頼してるんだな、アークの事」
「まぁね。出会ってまだ三日だけど、もう命懸けで一緒に戦ったりしてるんだもん。それに、アーク程じゃないけど、私もそういう気配みたいなの感じられるしね」

 現にガディを止める時は、アーク程じゃないけど私も嫌な気配を察知してたし。アークに何か、目や耳で捉えられない何かを感じる力があるのは確かだもんね。

「うーん、あっしにはよく分からんでゲス」
「そうだな……これは普通に探検家をやってるだけでは得られないものだ。どんな宝よりも貴重な、な。羨ましいよ、俺もこういう出会いをしたかったものだ」
「な、なんか照れるから止めてよ。アークとは偶然知り合っただけだし、私が振り回してる感じなんだから」

 アークも照れたところで、そろそろギルドに戻って今日成敗するお尋ね者を決めないと。日が出てる内に帰ってきたいし。
今度は私が先導してギルドへ戻る。っと? またさっきのニ匹……それに、この辺りでは見た事無いポケモンが居るわ。

「わーい♪」
「ありがとうございます!」
「今日はよく会うわね。どうかしたの?」
「あ、カクレオンさんのお店の前に居た……」
「実は、僕達前に大事な物を無くしてしまって、今までずっと探してたんですけど……」
「このスリープさんが見掛けたかもしれないから一緒に探してくれるって!」
「いやぁ、この位の小さい子が困ってるのを放っておけなくて、力になれそうだからと言ったんですよ」

 ……怪しい。この子達が無くした物が何か分からないけど、このスリープ……なんか胡散臭いわね。
とは言えども、胡散臭いだけで打ちのめす訳にもいかないし……うーん?

「じゃあ、そろそろ探しに行きましょうか」
「はい! それじゃあ、僕達は行きますね」
「ばいばーい!」
「あ、むぅ……」

 駄目だ、切り出す口実が無い。悪党って決まった訳じゃないし、一先ず泳がせましょうか。案外、胡散臭いだけかもしれないし。

「おっと、失礼」
「あ、こっちこそすいませ……!?」

 あ、あいつアークにぶつかっていった。ちゃんと周りくらい見なさいよね。

「アーク、どうした?」
「……まただ、今度はもっとはっきりと……」
「大丈夫?」
「平気。でも、これは一体……」
「今度は何が聞こえたんでゲスか?」
「聞こえたんじゃない、見えたんだ。ルリリと、それに詰め寄るみたいな……」

 ……あのスリープの姿が!? 言う事を聞かないと、痛い目に遭わせるぞって脅されて、ルリリが助けを求めた、か。
でも、さっきの様子ではそんな感じでは無かったし、それに見た事無い岩場に居たって言うのが気になるわね。

「確かにあのスリープ、妙だったな」
「え、そうなんでゲスか?」
「大体、話が美味過ぎるのよね。あの子達の無くし物が何かは分からないけど、それが都合よく誰かの目に触れる場所にあって拾われないかしら?」
「それに、何故あのスリープがその落し物とやらを拾わなかったかにも疑問が残る。それほど価値の無い物であったと言われればそれまでだがな」
「……僕、なんだか嫌な予感がするよ。追った方がいいんじゃないかな」

 確かに……アークの見たものと言い、不安材料が多いわ。一緒に探してあげようと思ったとか、言いようは何とでもなるし、追いかけようか。

「で、でも、今日の仕事はどうするでゲス? サボるとあっし、あっし……」
「あ、そっか……事情を話せばハーモだって分かってくれると思うし……一旦ギルドに戻ってハーモに話そう。それでいいよね? パズ」

 渋々そうだけど、納得してくれたみたい。なら急いでギルドに戻らないと。
小走りでギルドに戻ってきたよ。なるべく時間を掛けずに追いかけたいからね。

「ハーモは、下に居るよね」

 下り梯子を降りきって、更に下へ……ん?

「な、なんだ? 辺りが揺れ始めたぞ?」
「あ、これは掲示板の更新でゲス!」
「更新?」

 パズがついて来てって言うからお尋ね者の掲示板の前に来たけど……。

『掲示板を更新します! 近くに居る探検隊は離れて下さい! 繰り返します……』

 警告が終わったと思ったら、いきなり掲示板が回った。……これ、回るんだ。

「一日に数回、こうやって掲示板は更新されるんでゲスよ」
「まぁ、捕まったポケモンや事態が解決した依頼等もあるだろうから、更新は必要だろうな」
『更新が終了しました! 近くに居る探検隊は再度離れて下さい!』

 あ、もう終わったんだ。またグルンと掲示板が回って、紙が貼られてる面が前に来た。……これ、両面に貼れば回すの一回で済むんじゃないの? なんか、効率悪いなぁ。
って、こんなの見てる場合じゃないよ。私達、今急いでるんだから。

「もういいよね? 早くハーモのところへ……」
「ま、待ってキーネ! こ、この掲示板の左上の辺り、見て!」

 ? アーク、急に慌てだしてどうし……!?
見えた用紙を慌てて千切り取ったわ。間違いない、これは!

「馬鹿な、スリープだと!?」
「え、えぇ!?」
「指名手配理由は詐欺と誘拐ですって!?」
「そ、それじゃああのスリープは……」
「喋る前に行くよパズ! あの二匹が危ない!」

 あのスリープがこの紙のスリープじゃない可能性もある。けど、不安材料は十分にある。
くっ、やっぱりあの時すぐに追ってれば……そんな事思ってる場合じゃないわね。急いであの二匹の無事を確認しなきゃ!
飛び出すようにしてギルドから出て、階段を降りて十字路へ。あ、あれは……マリルだ!

「君! 確かルリリと一緒にいたお兄ちゃんだよね!?」
「あ、さっきの! あの、ルリリとスリープさんを見ませんでしたか!?」
「どうした、あの二匹は何処へ?」
「それが、探し物をしてる内に居なくなっちゃって、スリープさんがルリリと一緒に探し物してたから安心してたんですけど……」
「やっぱりアークの見た通りルリリちゃんが……」
「……そ、そうだ! 探してた場所の近くにこう、岩場みたいな場所は無かった!?」
「い、岩場? えっと、あの近くにトゲトゲ山っていうところへ通じる道ならありますけど……」

 ここはアークの見た場所の特徴を信じるしかないわね。マリル君にそこに案内するように言って、全員で走り出したわ。

「あぁ、あっしが戻ろうなんて言わないですぐに追ってれば……」
「大丈夫だよパズ。まだ間に合う……間に合わせてみせる!」

 あのスリープ、もしもルリリちゃんに何かしててみなさい。生きてる事後悔するくらいどつき回してやるから!



「ここです! ここがトゲトゲ山への道です!」
「……まだ新しい足跡が二つある。大きさからして、一つはルリリのもので間違い無いだろう」
「じゃあ、二匹はここに居るんでゲスね!」
「お手柄だよアーク! 皆、用意はいいよね」

 三匹とも頷いた。なるべく早く、二匹を見つけないと。

「キーネ、僕が見た場所はかなり開けた場所だった。きっと、ここの道中じゃないと思う」
「なら、なるべく最短で登っていきましょう。ガディ、パズ、ニ匹ずつのチームに分かれていきましょう。上へ行くルートを見つけたらもう一つのチームを呼ぶの」
「俺とパズ、キーネとアークのチームだな。分かった、行こう!」
「が、頑張るでゲス!」
「あの、僕は……」
「マリル君、君はここで待ってて。ルリリちゃんの事は僕達が必ず連れて帰るから」
「は、はい! ルリリを……プワの事をお願いします!」
「任せて! よし、行くよアーク! 皆!」

 四匹で走り出して、さっき決めたチームで探索を開始。周囲への警戒は怠れないし、急いては事を仕損ずる、ね。
……なんとなく違和感があったからそうじゃないかと思ってたけど、ここも不思議のダンジョンになっちゃってるわね。どう考えても、山の面積より広い迷路になってるわ。

「くっ、急いでるのに……この不思議のダンジョンって一体どうなってるの?」
「前にも言ったとおり、空間が捻れちゃってるみたいね。ほら、ここ見て」
「……なんだろう、岩の繋ぎ目が不自然だね?」
「多分、これは元々頂上へ向かう道だったものが捻れて、あべこべに繋がってこんな迷路になってるのね」

 そして、その道の横は岩壁だった。だから、こんな迷路上になっちゃったのね。
なんというか、物理法則を無視した空間だわ、改めて考えると。これ、寧ろ壁があって助かったかな。何も無い草原とかだと、余計に迷いそうだわ。
でも、この不思議のダンジョンには一つの法則があるの。それが、階層って呼ばれるものね。
一見すると同じような道が続いてるだけに見えるこのダンジョンにも、一箇所だけ明らかに他とは違う道って言うのが存在するの。
どういうものかはそのダンジョンによって違うけど、あるいは階段だったり、不自然に狭い道だったりっていうのが殆どかな。
そこを抜けると別の階層に出れて、それを続ければその道が本来続いていなきゃならない場所に出られるって訳。もしかしたら、この場所が歪みを直す為にそういう場所を生み出してるのかもね。……これは、私の考えでしかないけど。

「! キーネ、何か居る」
「あれは……ムックルね。飛ぶポケモンってあんまり相手したくないんだけどな……」
「え? どうして?」
「いや、単に逃げられて面倒だから」
「あはは……ん? 他にも何か居るみたいだよ」
「あ、あっちはイシツブテね。あれなら発勁が効くから大丈夫」
「なら、ムックルは僕が頑張ってみるよ。僕も少しずつでも戦えるようにならなきゃ」

 そんなに焦らなくてもいいんだけど……ううん、アークは焦ってる訳じゃないか。探検隊として、皆の力になれるようになろうとしてるんだよね。

「分かった。でも、無理はしないでね」
「うん。キーネも」
「分かってるよ」

 それぞれに決めた相手に仕掛けて、難なくこれを撃破。良い調子だね。
そりゃあ、暴走ガディと本気で戦ってるんだもん、このくらいの敵なんてもうアークの敵じゃないよ。戦いは基本、相手に気持ちで負けなきゃどうとでもなるもんね。
あの一戦がずば抜け過ぎて、アーク自身に自覚が芽生えなかったのが問題だけどね。これから戦いをしていけば、自ずと分かってくると思うけどね。
立ち塞がるポケモンは蹴散らして、次の階層への道を探してるんだけど……無いわ。もぉ、面倒だなぁ。

『キーネ、聞こえるか?』
「ふぇ!? い、今、ガディの声が?」
「探検隊バッジからしたみたいだよ。えーっと、ガディさん、聞こえる?」
『その声はアークだな。なるほど、どうやら俺はちゃんとブレイブの一員になれているという事か』
「え、なにこれ、どうなってるの?」
『この探検隊バッジにはこういうことも出来るんだ。ただし、同じチームになっている相手とだけだがな』

 ……本当に、探検隊の道具ってどうなってるの? まぁ、便利だからいいけどさ。
どうやらガディ達の方が先に上の階層に行く道を見つけたみたい。それで、合流するにはバッチを掲げろって言われたけど……。
おぉ!? 光が伸びていく。この先にガディが居るってことで……いいのよね?
とりあえず光が伸びてる方へ進むと……うわ、本当にガディとパズが居た。もうなんか……。

「どれだけ便利なのよ、これ?」
「噂程度に聞いた話だが……キーネ、不思議な球というアイテムがあるのを知っているよな?」
「それって、穴抜けの球とかの事?」
「あぁ、どうやらこれには、それらの力を集めた石が使われているらしいぞ。大昔の遺跡から見つかり、一から作るのは無理だったが、一部の宝石を使って複製する事は出来たそうだ」
「へぇ~、じゃあこれって結構貴重な物なんだ」
「結構どころじゃなくて、物凄く大事なものだよ、キーネ……」
「ん~、バッジの事はよく分からないでゲスが、今は急ごうでゲス!」

 そうね、もたもたしてるだけ、ルリリちゃんが危険に晒される可能性が上がっちゃうわ。
緩い上り坂になってるところを上りきって次の階層へ。チーム同士のやり取りは出来るようになったし、これでもう分かれて探検しても心配は無いわね。
パズにガディと逸れないようにって事だけ伝えて、どんどん行くとしましょうか!

 ……ふぅ、今までのところより大分長かったわ。山登りだし、それは仕方ないか。
ここまで来るのに、アークが言ったような広場は無し。なら、やっぱりこの先がそうってことよね?

「ガディ、どう?」
「……居た。間違いない、スリープとルリリだ」
「ここまでルリリちゃんを連れて来れたって事は、それなりに実力はあるって事ね。さて、どうしようかしら」

 相手の方にルリリちゃんが居るとなると、相手に盾にされちゃうとこっちは手出しが出来ないわ。なら、先にルリリちゃんを救出しないとね。
うーん、流石に私もあいつに気付かれる前にルリリちゃんを助けるのは無理か。あいつの気を引き付けておいて、その隙に別働隊がルリリちゃんを救出って流れがベストかな。

「ガディ、この岩場でも滑って移動って出来る?」
「うん? あぁ、可能だが……」
「オッケー、それなら……パズ、アーク、少しお願いがあるの」
「どうしたんでゲスか?」
「何か作戦? 多分、まずはルリリちゃんを助ける必要があるよね」
「その通り。その為に、ニ匹には……」

 やっぱりパズもアークも驚いちゃうか。でも、この作戦が現状ではベストだと思うんだよね。

「ほ、本当にやらないとダメなんでゲスかぁ?」
「……でも、確かに確実にルリリちゃんを助けるにはその方がいいね。分かった、頑張るよ」
「うぅ……せ、先輩弟子として、あっしも頑張るでゲス!」
「オッケー。じゃあ、手筈は言った通りでよろしくね」

 さてさて、こっちの準備としては私がガディに乗せてもらってと。ガディの滑るスピードなら、スリープにちょっとでも隙が出来てくれれば相手の後ろに回り込むのも簡単でしょ。
で、その隙を作ってもらう為にパズとアークには一芝居してもらおうって訳。タイミングは、アークが知ってるだろうからね。

「あの……スリープさん。ここに落し物があるんですか?」
「落し物? あぁ、落し物ね。……実は、ここには無いんだ」

 おっと、何か語りだしたわね。あいつがここに来た理由でも喋るつもりかな?

「ここには、君に協力してもらいたい事があるから来たんだ。君の真後ろに小さな穴があるのが分かるかい?」
「穴……ですか? はい、ありますけど……」
「その穴の中に昔、名のある泥棒が財宝を隠したっていう噂があるんだ。それを取ってきてもらいたいんだよ」
「……財宝だと? それが、奴の狙いなのか?」
「てっきりルリリを攫うつもりなのかと思ったけど、攫うのに理由があったみたいね」

 ルリリは明らかに怯えて嫌がってるわね。それをスリープがはやし立てて行かせようとしてると。な、なんかちょっとスリープが変態に見えてきたわ。

「や、やです! 私、帰ります!」
「こ、こら待て! お前に行ってもらわないと俺が困るんだ! 大人しく行かないと……」
「あ、ここ……ここだ、僕が見たのは! パズ先輩、行くよ!」
「え! あっしまだ心の準備が!」
「痛い目に遭わせるぞ!」
「ひっ、た……助けてぇ!」
「待てぇ!」

 よし、良いタイミングだよアーク! ……本当に、アークが言った通りのシチュエーションになっちゃった。まさかアークが見たのは……予知?

「な、なんだお前達は!」
「僕達は探検隊のブレイブ! その子を放すんだ!」
「探検隊だと!? まさか、俺を捕まえに……ん? そのビッパ、震えてないか?」
「ぅえ!? そ、そんな事無いでゲス!」
「はは~ん……さてはお前等、探検隊でも新米だな? お尋ね者を捕まえるのも始めてなんだろ」
「そ、そんな事……」
「うぅ……」

 おぉ、アーク迫真の演技だわ。パズは……演技よりも若干素みたいだけど。
私の下ではもうガディの準備は万端。後はちょっとでもあいつの気がルリリちゃんから離れて、あと一歩くらい離れてくれればいけそうね。

「はっはっは! そんな新米なんかに負ける気がしないな! 邪魔するなら……」
「くっ」
「ひぇぇぇ……」
「お前達を先に倒してやる!」
「離れた、ガディ!」
「行くぞ!」

 スリープがアーク達に襲いかかろうとした瞬間にガディが飛び出す! このスピード、いける!
アーク達の横を……すり抜けた!

「な、なんだ!?」
「ルリリちゃん!」
「え!? ぅ、えーい!」

 飛び込んできたルリリちゃんをキャッチ! そのまま、アーク達の方に戻るっと。我ながら完璧ね。

「何!? まだ仲間が居たのか!?」
「あんたにルリリちゃんを盾にされると厄介だからね、先に助けさせてもらったわ。……怖い目に遭わせてごめんね?」
「アークもパズもよくやった。大丈夫か? パズ」
「へ、平気でゲスよ。はははは……」

 相手は一匹、こっちは四匹。おまけにもうルリリちゃんは助け済み。これはもう、どうも抗いようが無いわね。

「チェックメイトよ。自分の欲の所為でこんな小さな子を怖がらせて……覚悟は出来てるわよね?」
「お尋ね者、スリープ。先ほど自分で言ったという事はやましい事をしたと自覚しているようだな」
「「……成敗!」」

 後はまぁ……私とガディが居てどうなったかは語らなくてもいいでしょ。

「ぬぉぉぉぉぉぉ……ぉ……」
「口ほどにもない」
「こんなのでもお尋ね者になるとは、世の中まだまだ平和ねぇ」
「単純に、キーネとガディが強すぎるだけだと思うんだけど……」
「あんなにあっさりお尋ね者を退治するなんて、凄いでゲス!」

 褒められる程スリープが強ければ胸も張れるんだけど、正直微妙よねぇ。反撃する暇すら与えなかったし。
でもまぁ、これでお尋ね者も退治出来たしルリリちゃんも助けられたし、めでたしめでたしよね。
あ、スリープは今ガディが自作の縄で捕縛してくれてるよ。草の蔓を編んで作ったって言ってたけど、あの爪で結構器用だね、ガディ。

「ルリリのプワちゃん、でいいんだよね? 何処も痛いところとかは無い?」
「あ、はい……あれ? どうして私の名前を?」
「君のお兄さんから聞いたの。その様子だと、なんともないみたいだね」
「う、うん! ありがとう……」

 ……あら? あとルリリちゃんの感じは……なるほど、助けられて、あんな紳士的な対応されたらグッときちゃうかもね。
まぁそんな事ウォッチしてる場合じゃないわね。バッジの効果で帰るのは楽々だし、ここでゆっくりしてても仕方ないから帰りましょうか。

「それじゃ、一休みもしたし帰りましょうか。マリル君も待ってるだろうし」
「そうだな。……」
「ん? ガディ、どうしたの?」
「ガディさんも、やっぱり気になるでゲスよね? スリープが言ってた財宝」
「探検家としては……まぁ、な」

 そういえば、なんかそんな事言ってたね。財宝って響きは気になるけど……。
穴に近付いて確認してみるけど、するまでも無く私やアーク、パズでも入るのは無理ね。ルリリちゃんでギリギリか。

「どうやっても中の確認すら出来ないんだからどうしようもないでしょ? 見た感じ奥はありそうだけど、こんなところにそんな財宝なんて呼べる程の物が入ると思う?」
「確かに、言われてみるとそうだな」
「でも、噂になってるんでゲスよね? なら、やっぱり何かあるんじゃないでゲスか?」
「諦めも肝心だよパズ。さっきも言ったけど、この中を調べる方法が無いんだから」
「あ、あの! 私、その中に入ってみてもいいですか?」

 え? ルリリちゃん?

「どうしたの急に? さっきは怖いって……」
「怖かったのはそのスリープさんです。私、ちょっと探検とかに憧れてて……」

 で、これくらいの冒険をしてみたくなっちゃったって事か。まぁ、私達も散々煽るような事言っちゃってたけど。
んー、でも自分で行ってみたいと思った気持ちを無下にするのも悪い気もするし、私もその、やっぱりこの中気になるしねぇ。

「……もしルリリちゃんが本当に行ってみたいと思ったんなら、私達は待ってるよ」
「キーネ、いいの?」
「ただしこれが条件。ちょっとでも危ないとか、怖くなったりしたら引き返してくる事。守れる?」
「はい!」
「良い返事ね。ガディ、縄ってまだある?」
「ん? あるが、どうするんだ?」

 ガディから縄を受け取って、ちょっと痛そうかなと思ったけどルリリちゃんの尻尾に結ばせてもらったわ。これなら何かあっても、こっちから引っ張るって事が出来るもんね。

「痛くないかな? もし何かあったら、これで尻尾を動かしてくれればこっちから引っ張ってあげられるんだけど」
「なるほど、命綱か」
「あ、ありがとうございます」
「もっと準備出来ればいいけど、現状出来るのはここまでかな。不十分かもしれないけど、どう? アーク」
「うーん……分かった、気を付けてねプワちゃん」
「はい!」

 アークも納得してくれたところで、ルリリちゃんが穴の中へ入っていったわ。縄は感覚を澄まして持ってなきゃね。
とりあえず順調にスルスル縄は入っていく。立ち止まるような様子も無いし、穴は真っ直ぐみたいね。

「うー、うん……」
「あっ」
「寝てろお前は」
「ふごぉ!?」
「スリープが目を! って言う必要も無かったでゲスね」

 スリープはこのままガディに気絶を継続させておいてもらえば大丈夫ね。こんな事しなければ、こんな目に遭う事も無かったのに。
あ、結構ロープが入ったところで止まった。それから何処にも動かないって事は、どうやら終点についたみたいね。一本道だったんだ。
っと? 縄にちょっとだけ引っ張るような反応が。慌ててる感じでは無いけど、引っ張ってって事よね?
それなら、行きましょうか。ルリリちゃんが痛くないように、なるべくゆっくりと。
……よし、尻尾が見えた。この感じだと、何も無か……ん?

「ぷはぁ! あぁ、暗かったぁ」
「何かあったのか?」
「はい! 何かは分からないけど……」
「これは……ハーモニカかな? へぇ~、こんなに綺麗なのは始めて見たかも」
「もう一つのは、指輪かな? 細い鎖でネックレスみたいになってるね」
「す、凄い! 本当にお宝があったでゲス~!」

 これが財宝なんて言われる程のお宝かは分からないけど、ルリリちゃんの始めての探検は大成功かな。
それにしてもこのハーモニカ……綺麗なだけかと思ったら、なんか強い力が出てるかも? 装飾なんかも本当に宝石使われてるし、すっごい掘り出し物かも……ま、私の物になる訳じゃないけど。

「それじゃ、はい」
「え?」
「これを取ってきたのはルリリちゃんなんだし、これはルリリちゃんの物。間違ってないよね?」
「え!? そ、そうでゲスね!」
「……いいん、ですか?」
「いいも何も、探検隊ってそういうものでしょ? ねぇ、ガディ」
「そうだな。この探検も、それで得た物も探検をしたルリリの物だ。他の誰かがそれを取り上げられる訳が無いな」
「う、うぅ~……」

 何やらパズがこんなお宝を見つけたって皆に言えば~なんて言ってたから釘を打つのにね。他のポケモンが取った杵柄を自慢しても、それは実力って言わないし。

「じゃあ、これも返さないとね。はい」
「……あの、この指輪は、ブレイブの皆さんにあげます。貰ってください」
「え? いいの?」
「はい。助けてもらったし、私の我が儘を叶えてくれたから……貰って下さい!」

 アークが手渡した指輪が、今度は私の手に渡されちゃった。いいのかな? うーん?
……折角だし、貰っておこうか。仕事のサブ報酬って事で、いいよね?

「ありがとうルリリちゃん。大切にさせてもらうね」
「はい!」
「よーし、ちょっと寄り道しちゃったけど、帰ろうか!」
「うん!」
「あぁ。……パズ? お尋ね者は退治出来たんだ。宝は、これから自分の探検で見つけるんだぞ」
「うぅ、そうでゲスね。あっし、これからもっと頑張るでゲス!」

 パズもやる気が出たみたいだし、ハーモからのお願いもこれで解決かな。これから先はパズ自身が頑張る事だし、後押しくらいにはなったよね。
それじゃバッジを掲げて、この山の入口に戻るとしましょうか。



「オタズネモノノタイホニキョウリョク、アリガトウゴザイマス」
「うぅ、くそ~」
「いえいえ。逃がさないように連れて行ってくださいね」
「モチロンデス。デハ」

 よっし、スリープの警察隊への受け渡しも完了。あ、警察隊は、悪いポケモンを捕まえて更生させる為の組織ね。なんでかコイル系のポケモンが多いから、喋り方が独特なのよねぇ。
その集団を見送って……あぁ、来た来た。

「プワ~!」
「あ、お兄ちゃ~ん!」

 マリル君とルリリちゃんも無事再会。怪我とかは無いし、おまけも付いてるんだからこっちも成功よね。

「ありがとうございます! プワを助けてもらって!」
「気にしないで。探検隊としてもお尋ね者は放っておけないし、私達がスリープの事に気付いてたら、あんな怖い思いさせずに済んでたって責任もあるから」
「で、でも、何かお礼しなくちゃ……」
「大丈夫。お礼なら、もう貰ったから」

 ルリリちゃんの方へ笑い掛けると、私の首から下げられた指輪が揺れる。アークもガディも私が身につけたらいいって言うからこうなったのよ。
よく事情が分かってないマリル君を早して、ルリリちゃんはペコッと一つお辞儀をして帰っていったわ。ふふっ、帰りながら、あのハーモニカの話なんかするのかな。

「これで依頼も誘拐騒ぎも解決だな」
「思わぬ収穫もあったし、結果良しよね」
「うん、似合ってるよキーネ」
「あっしはお尋ね者が退治出来て一安心でゲス~」

 アーク……いきなりそんな事言われたらちょっと照れちゃうったら。とにかく、ギルドへ戻り足になろうか。
そう言えば、昼ご飯も食べないで探検してたからお腹空いたなぁ。カクレオンさんから貰ったオレンの実は勿体ないし、ギルドへ戻って晩御飯まで我慢かな。
あら、なんか横から盛大にグゥ~って音が……あ、アーク照れてる。

「あ、あはは……気が抜けたらお腹空いてきちゃった」
「確かに腹が減った。一日仕事になってしまったな」
「タウンでのんびり準備してた時は、こんなに忙しい日になるとは思わなかったわ」
「そういえば……アークが見たのって、結局なんだったんでゲス? あれのお陰で、ルリリちゃんを早く助けられたでゲスけど」

 アークは、首を傾げてるか。やっぱり分からないみたいだね。……もしかしたら、記憶を無くす前のアークなら何か知ってるかもしれないけど、こればっかりはどうしようもないからね。
その内アークの記憶も戻るかもしれないし、今はアークにはそういう力があるって事だけ分かってれば問題無しでしょ。

「考えても今は分からないんだし、気にしない気にしない。その内アークの記憶が戻ったりすれば分かるだろうしね」
「なんとも悠長というか……しかし、キーネの言う通りなのかもしれないな」
「それでいいんでゲスか?」
「いいの。ね、アーク」
「うん……そうだよね。ありがとうキーネ」

 不思議な力か……気にしないって言いはしたけど、アーク自身に関わる事だからやっぱり気になるな。
アークの記憶が戻れば分かるのは確かだけど、何か調べられる切っ掛けがあったらなるべく調べてみようか。それでアークの記憶が戻るかもしれないし。



 ……これを見るのも二日目になったけど、ここのギルドの皆って……。

『ガツガツ! ムシャッ! ガツガツ!』

 なんで皆こう、食事が荒いんだろ? もうちょっとゆっくり味わって食べないのかな?
私はマイペースで食べさせてもらうよ。問題は、アークやガディもガツガツ食べてる事。これ、正した方がいいかなぁ? 食べ方って個体差があるからなんとも言えないんだよね。
よし、食べるの終わり。……なんでゆっくり食べてる私より皆の方が遅いんだろ? 量の問題? そう言えば皆おかわりしてたっけ。

「ほらアーク、口の周り拭いて拭いて」
「んぐ……あれキーネ、もう食べ終わったの?」
「私は元々、そんなに食べる方じゃないからね。ゆっくり食べてると自然と食べる量も減るんだよ」

 それに、食べる量抑えても普通に動けるようにならなきゃならない理由もあったし。低燃費で動けるのは悪い事じゃないよ。
アークが美味しそうに食べてるのを見ながら時間潰し。……ん、なんだか外が騒がしくなってきたかな。
どうやら雨が降ってきたみたい。なんだか久々だな、アークを見つける前の日以来か。
そろそろ皆も食べ終わったみたいだし、後は寝るだけだから部屋に戻ろうか。片付けは皆が食べてるの待ってる間に済ませたから問題無いよ。

「ふぅ……ん? 外は雨か」
「みたいだね。さっきより雨足が強くなってるみたいだし、今晩は荒れるんじゃないかな」
「なんだ、キーネはもう気付いてたのか」
「降り出した辺りでね。出歩く事も無いんだし、大人しく朝まで眠るのが妥当だよ」
「ま、それもそうだな」

 アークとガディと一緒に食堂を出て、自分達の部屋の方へ。上の方からも声がするって事は、雨を避ける為にここに泊まる探検隊も居るのかな。
ハーモはそれの様子を見に行ってるのかな? さっき上の様子を見てくるって言ってたから、きっとそうだよね。
他の弟子の皆にお休みって言いながら部屋へ入る。ガディの分の寝床が増えたからちょっと手狭になったかも。まぁ、まだ十分寝れるスペースあるけど。

「嵐、か……」
「……何か思い出した? アーク」
「ううん、でも、なんだろう? 雨の音を聞いてると、胸の辺りがもやもやする……」
「確かアークは、嵐の夜に海に投げ出されたんだったな? その所為じゃないのか?」
「どうなんだろ? そもそも僕、海に投げ出されたのかも分からないんだ」
「うーん、アークを見つけたのは海岸の波打ち際だったし、足跡が無かったから海の方から来たのは確かだと思うんだけどね」

 アークの断片的な記憶……何処から来たのか、何処に居たのかなんかは分からないけど、自分が人間だったなんて事を言ってたわよね。
あの時は混乱してるだけだと思ってたけど、もしそれが本当だったら……? どうしてアークがニャースになっちゃったかもまだ分かってないって事になるわ。
アークは……本当に、何処から来たんだろう。

「ふぅ~、酷い嵐で泊まりにくる探検隊も多かったよ。参った参った。ん? どうかしたのかい?」
「ま、アークの無くなった記憶の話を少しね。アークを見つけた前の日も嵐だったから、なんとなく気になっちゃって」
「ふむ、なるほど。そういえば、アークと言えば予知が使えるんだって? 悪いポケモンが何をするかが分かるなんて凄いじゃないか」
「それも正確にはどうなんだ? 俺を助けてくれた時は、あの時の俺の気持ちを感じ取っていたようだが」
「それは、予知って言うよりテレパシーよね」
「でも、思い出してみると感じは似てた気がするんだよ。ガディさんの時も、頭にガディさんの気持ちが見えた感じだったし」

 なら、この二つは同じ力って事? ノーマルタイプであるニャースにエスパーの力は使えないし、超能力とは関係無い力なのかな?

「まぁとにかく、今日はお疲れ様。パズもやる気を出したみたいだし、任せて良かったよ。でもよかったのかい? 報酬を全部パズにあげちゃうなんて」
「あぁあれ? いいのいいの。私達はルリリちゃんから別に報酬貰ってたし」

 改めてハーモに見せるように指輪を手に乗せたよ。近付いてきて、ハーモも見てるみたい。

「へぇ~、これがトゲトゲ山にあった財宝の一つなのかい?」
「ん? パズにでも聞いたのか?」
「まぁね。折角のお宝だったゲスのに~なんて言いながら皆にさっき話していたよ」
「やれやれ、まだ未練があったのか。まぁ、あのハーモニカは確かに惜しい品だったがな」
「? ガディ、何か知ってるの?」
「憶測でしか無いが……この世界に、七秘宝と呼ばれる物があるのを知っているか?」

 秘宝? さぁ、聞いた事無いわね。
ハーモやアークも知らないみたい。なんなんだろ?

「俺も前に知り合った探検隊から聞いただけの話なんだが……この世界には、伝説のポケモンに守られた秘宝というのが存在しているそうだ」
「伝説のポケモンに守られた……」
「秘宝?」
「その秘宝には、悪しき力を消し去り世界を浄化する程の力を秘められていると言われている。……確か、その探検隊はそんな事を言っていたな」
「へぇ~、でもそれじゃ、あのハーモニカは違うんじゃないかな? 伝説のポケモンなんて、あそこには居なかったよね?」
「そうねぇ。でも、あのスリープが言ってた噂が本当だとすると、誰かが手に入れたあのハーモニカをあそこに隠したって考えられなくもないけどね」
「私もそんな宝の話は初耳だよ……うーん、今日もついて行けばよかったかな? そうすれば、そのハーモニカを私も見れたのになぁ」

 ……ん? ちょっと待って。なんでそれであのハーモニカがそれだって話になるの?

「疑問そうだなキーネ。その秘宝なんだが……どうも全て楽器の形をしているそうだ。だからハーモニカであった事を鑑みるともしやと思ってな」
「あ、なーるほど。確かに普通の楽器じゃないなぁとは思ったけど、もしかしたら本物だったりしてね」
「……キーネの無欲さを見てると、自分が小さいポケモンに思えてくるよ」
「器の大きさでは、この中で間違い無く1番だろうな……」
「は、ハーモも元気出そうよ。プワちゃんに頼めばあのハーモニカ見せてくれるだろうし、ね?」

 そうそう、別に何処かに無くなった訳じゃなく、持ち主と知り合いなんだからいつでも見せてもらえるからね。小さい事は気にしなーい。

「さっ、明日も仕事はあるんだし、そろそろ寝ようか。もちろん朝のランニングもあるんだし、寝坊したら一周プラスしちゃうからね~?」
「て、手厳しいな……」
「朝には雨も止んでてくれるといいんだけどねぇ……掃除的な問題で」
「あはは、それじゃ皆、お休みなさい」
「お休み。また明日ね」

 悪いポケモンに伝説の七秘宝か……秘宝の方は本物か分からないけど、探検隊になってから知らない事に楽しい事が目白押しね。
アークの記憶や力の事……分からない事はまだまだあるけど、今は毎日を楽しんでもいいよね? やっと、最期に言ってた仲間も出来たんだし。
ね、いいよね? ……師匠……。


~後書き~
いかがでしたでしょうか? 今回は、原作での初ボス戦となるスリープ編をお送りさせて頂きました。
スリープの探し物については、オリジナルで追加した要素としてあの物をチョイス。財宝と呼ばれるレベルを超えてる気もしますが…。
次のお話が何時出来るかは分かりませんが、また皆様のお目に触れられれば幸いです。ここまでお読み頂き、ありがとうございました。

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Last-modified: 2013-06-30 (日) 00:00:00
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