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私の主人

/私の主人

えr入るかも...by shift


窓からサンサンと光が入って来て、私の意識をはっきりさせていく...
「ふぁぁ〜」
リビングのソファーからひょいと降りる。
私の寝床は、このソファー、いつもお世話になってる。
ここには、テレビ、本棚、テーブル、エアコン...いつでも快適に過ごせる物が揃ってる。
リビングから出て二階に上がっり一番奥の部屋をノックする。
...とんとん...
私たちは、人間のように手を上手に使えないから"コンコン"なんて澄んだ音が出せない...でも、ノック出来てるよね?
「入って良いよ...」
起きてる見たいですね...
御主人様の寝てるベットの横に座ってニコッと笑って挨拶をした。
「おはようございます♪」
「ん、おはよう」「今日は、6月26日金曜日、がんばりましょうね」
「ありがと、アイス」
私は、アイス?グレイシアの女の子、いつも御主人様のサポートをしていて人間の言葉を話す事が出来るの...普通は話せないみたい...
「飯...食べるか...」
「はい」
「先に行ってて」
御主人様の方を向いて一礼して、リビングに向かう...
階段、上る時はいいんだけど...下りる時ちょっと怖いんだよね...
リビングに入り、ソファーに座り御主人様を待つ...
静かな時間が流れる...
「お待たせ〜」
しっかりと制服に着替えた御主人様が下りて来た。
「いえ...」
「朝ごはんは、これ」
御主人様がコンビニなどで売っているスティック状のパンを袋を開けて渡してくれた。
それを両方の前足で挟み込むようにして食べる。
口の中に広がるジャムの味をゆっくり堪能した。
「アイス、今日一緒に学校来るか?」
「え?え〜と、その...」
「毎日、留守番じゃ退屈だろ?」
「はい...」
「じゃ、行こうね」
御主人様に押されてしまった...でも、せっかく誘ってくれたのだから、行った方が良いよね?
8:00
「そろそろ行くか...」
御主人様が玄関に向かう
私もついていく...
「あの...」
御主人様が靴を履くためにしゃがむ。
「ん?どうかした?」
「私はどうやって行けばいいのですか?」
ボールに入るのか?一緒に歩くのか?
「歩きだけど...嫌?」
「いえ、大丈夫です」
「あ、あと...学校では人間の言葉話さないでね、みなパニックになるから...僕と話す時は小声で...頼むよ」
「はい」
「よし、行こう!」
御主人様が扉を開ける。
朝の風が頬を撫でる。
よく考えたら外に出るなんて凄く久しぶり...こんなに気持ち良いものだったんだ...
歩いてる間、景色を楽しんだ...だけど一番楽しいのは、御主人様の傍に居る事。
「ほら、あの学校だよ」
御主人様の指す方を見ると白く綺麗な建物があった...
あれが<学校>かぁ...
「立派ですね!」
つい、声を上げてしまった。
「静かに...頼むよ」
「ごめんなさい...」
今度は、小さく......
御主人様が前後を振り返って言った。
「大丈夫みたいだ」


私は、授業の間大人しく御主人様の隣に座っていた
この学校は、授業に支障がなければポケモンは出していても良いらしい...
待つのは余り好きじゃないけど、家に居るよりずっと楽しい...御主人様の顔が見れるし、たまに私を書いた落書きを見せてくれた
席は、窓側の一番後ろ、人気のある席だった。
休み時間には、御主人様の友達のポケモンと軽く話した......もちろん、ポケモンの言葉で...
昼休み
「よし、ご飯だ、アイスの分もあるからな...」
御主人様は教科書を片付けてコッペパンを出してくれた。
基本的に御主人様はパンをご飯にする事が多い、なぜなら、私はパンの方がたべやすいからと知ってるから...
お米や麺類だと、どうしても一人じゃ食べられない...
御主人様が食べさせてくれてた時もあるけど、迷惑が掛かるから...と無理矢理パンにして貰った。
でも、さすがに身体に悪いと夜は栄養のあるしっかりした物を食べさせて貰っている...いや、食べさせられる...
「おい、一緒に食べようぜ」
御主人様の友達が話しかけて来た。
「あぁ...」
友達が近くの椅子を持って来て座る。
そして、その隣にガーディが座る...
...............
昼ご飯も食べ終わって御主人様達が話しをしている...
私は、特にやることが無いのでただボーっとしていた。
「ねぇ、君?」
不意に声をかけられた...
相手は、ガーディだった...
私より少し年下か同年の小柄なガーディ...どうやら友達のポケモンみたい...
「ん?なぁに?」
ニコッと微笑んで返事を返すと、顔を紅く染めて俯いてしまった...
「どうしたの?」
「あ、いや...あの...綺麗...ですね」
「フフッ、ありがと」
綺麗なんて初めて言われた...少しうれしい...
「少しお話しませんか?」
「あ、はい...いいですよ」
「えーと、僕の名前はフィスナ」
フィスナ...男の子かな?女のかな?"僕"を使ってるから男の子かな...
「私はアイス、よろしくね」

「アイスはパートナーの事、どう思ってる?」
御主人様の方を見る...楽しそうに友達と話している...
「大切な人かな...」

「ふ〜ん...なんでそう思うの?」
大切な人...私をイキモノだと認めてくれた人...御主人様。
「少し長くなるけど聞きますか?」
「話してくれるなら聞きたい」
私の過去...誰にも話した事ない過去...
「私がイーブイだった頃...私は普通のイーブイで森で暮らしての...
でも、ある日人間に捕まったの...
人間に捕まってから毎日戦わされた...
それでグレイシアに進したけど...人間はずっと私を戦わせてたの。
理由も無く、毎日毎日私が皆を傷付けて...
それが...耐えられなくて...戦う事を止めたら『お前は道具なんだから俺の言うこと訊いてればいいんだよ!』って言われて逃げたの...
もう戦いたく無いからもっと平和な街を探して...
でも、一週間も歩いて疲れていたから倒れてしまったの...
はっきり言ってもう助からないと思った...
こんな汚れたぼろぼろのグレイシアなんか誰も助けないと...
何処まで来たのだろう...
夏で熱くなったアスファルトが私の体を焼く。
通る人間も見てみぬふりばかりだった。
意識が朦朧としてきて、もう駄目と思った...
だけどね、一人の人が助けてくれたの...
それが御主人様だったの...」
「で?それからどうなったの?」
「名前をくれたし、私をポケモンとして見てくれた...だから...御主人様に一生を捧げてもいいと思って...それで...今日に至るの...」
「...優しいパートナーだね...」
キーンコーンカーン.........
「じゃ、また話そうね」
フィスナが微笑んでくる...
「はい♪」
続く
私の御主人様2



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Last-modified: 2009-12-01 (火) 00:00:00
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