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男パレスチャレンジ

/男パレスチャレンジ

ポケモンユナイトでイワパレスを使いすぎたために書いてしまった作品です

作者……リング


「言ったよねー……負け試合でも構わないけれど、評価点が他のみんなにダブルスコアをつけてビリッケツだったら、罰ゲームがあるって」
 今回は負け試合ではあったものの、敵チームを12回もノックアウトし、評価点59点でMVPを取ったニンフィアが、14点でビリッケツだったイワパレスに詰め寄る。
「亀も取れない、ロトムも横取りされる。挙句、ゴールすらまともに出来ないだなんて恥ずかしくないのかしら?」
 サーナイトも同じく、イワパレスに詰め寄った。
「私はこういうのはあまり好きではないが……まぁ、事前に言っていたことだ。覆すつもりはない」
 無難に活躍したルカリオはそう言ってため息をつく。
「ま、まぁ……なんだ。元気出せよ。調子や運が悪いことなんて誰にでもあるからさ」
 エースバーンの俺も励ますのだけれど、やっぱりイワパレスは沈んでいる。
「罰ゲームって……何すればいいの?」
 負けた際の罰ゲームの内容はMVPが決めることになっている。今回の場合はニンフィアだ。
「そうだなぁ……イワパレスには、男パレスチャレンジをしてもらおうか」
 ニンフィアは黒い笑みを浮かべてそういった。
「そんな!? 男パレスチャレンジって、そんな痴女みたいなこと……」
「あらー……とってもいいわぁ。サーナイトお兄さんも男パレスチャレンジを見てみたいわぁ」
「……そんなふしだらな……でも、性癖に刺さる」
 ルカリオも何だか嬉しそう。俺には何のことかわからないが、俺以外のみんなは分かっているらしい。
「いや、なんだよ!? 男パレスチャレンジってなんだよ!?」
「あら、エース君知らないの? 人間の女性が、男物の水着を着て海岸を歩いて、女だとバレないようにふるまう遊び……男水着チャレンジっていうのがあるんだけれね。これは、イワパレスの女の子が男物のヤドをかぶって、女だとバレないように歩くっていう応用版が男パレスチャレンジよ」
「おう、わかった。で、女物と男物のヤドって何? 俺には違いが判らないんだけれど……」
 なるほど、確かに人間は身に着けるものや髪の長さで、匂い以外でも男女の区別がしやすい種族だ。それを踏まえれば、水着? とやらを変えてみたら、鼻の悪い人間には区別がつかなくなるということもあるかもしれない。
「何言ってるんだ、全然違うじゃない!? こうやって見ているだけでも感じるけれど、こうやってリボンに触れたときにははっきりわかる。女もののヤドのこのぬくもりを……」
 と、ニンフィア。
「物には心が宿るものよ? その心が、女物のヤドと男物じゃ大違い」
 サーナイトは言う。いや、知らん。
「波導がわからなければ識別は難しいかぁ……」
 わかるのルカリオ!? お前もわかるの!?
「うぅ……男物のパレスなんて恥ずかしいよぉ……」
「泣いたって無駄だぜ? 実はもう男物のヤドは用意してあるんだ」
 言いながらニンフィアがイワパレスがいつも背負っているヤドに似たものを取り出した。
「う……本当にこれをかぶらなきゃダメ? 女の私がこんなのをかぶるとか、いくら何でも……」
「いや違いわかんねえよ! 誰かわかりやすく説明してくれよ!?」
「全然違うじゃない……この地層のぬくもりある模様。強さよりも優しさと繊細さが感じられるざらつき。どう見たって男向けのヤドじゃない!」
「……お、おう」
「うぅ……でも、やるしかないのよね。ごめん、エース君、何かあったときのために付き添ってくれない?」
「……いいけれどさ? ヤドの違い、わかんねーよ」
 イワパレスは心底恥ずかしそうだ。それはとても可哀そうなことなのだが、何がどう恥ずかしいのか全く分からん……わからん。なのに、どんどん話が進んでいくのが釈然としない。なぜか俺とイワパレスはエオス島を歩くことになるのであった。
「はぁぁぁ……なんか私、すごく見られてる気がする。女なのに男のヤドかぶってるとか……」
「いや、知らねーよ」
 イワパレスの発言がいじらしい。しかし、男物のヤドとやらは、別に今まで雄のイワパレスが使っていたとかそんなこともなく、新品だったので匂いも付いていない。うん、っていうか新品のヤドだなんてわざわざどこから仕入れてきたんだ?
「おい、見ろよ。あのイワパレス、女のくせに妙に可愛い顔してるじゃねえか」
「確かに、男のくせにあの有名チームのイワパレスに似てるなぁ」
 シュバルゴとアギルダーの男二人組がそんなことを言ってはやし立てる。俺は耳がいいから聞こえるけれど、イワパレスには話の内容まではわからないだろう。
「私、ああいう子が好みかも……男の子なのにあんなかわいい顔……ちょっと罪作りね」
 ハハコモリの女性もそんなことを言ってイワパレスを凝視する。だから男物と女物の違いは何なんだよ!? 虫グループ同士だから、何か通じるものがあるのだろうか? イワパレスは自分のことを話していることはわかったのか、一層恥ずかしそうだ。
「あいつ女なのか? 男なのか? なんか女っぽくね?」
 と、通りすがりのコイルが言えば……
「男物のヤドだけれど、まるで女の子のように見えますねぇ」
 スターミーは言う。いや、お前の目はどこだよ!?
「ねぇ、エース君……今すれ違った人たち、何を話していたかわかる……?」
「あー……男なのにかわいい顔だなって……」
「あぁ、やっぱり! こんなんじゃもう私、試合に恥ずかしくて出られないよぉ!」
「た、多分大丈夫。お前がファイターだってことには気づいていないから……多分」
 俺にはわからん。わからんのに、勝手に話が進んでいる感じが怖い……とりあえず、これ以上話がややこしくならないように、俺はどうするべきかと悩んだ結果、俺に注目してもらえるように小石を炎でコーティングしてリフティングをした。俺に視線が集まって、うまいことイワパレスから視線がそれたので、良しとしよう……

「はぁ……もう私お嫁に行けない!」
 イワパレスはハサミで顔を隠してそう嘆く。……具体的にどうしてお嫁にいけないのかはいまだによくわからないから、どう声をかければいいかわからん。
 しかし、翌日になると彼女はこの罰ゲームを避けるためなのか、プレッシャーをばねにして獅子奮迅の大活躍を決めるのであった。おかげでMVPをとった彼女と、逆に全く活躍できなかったウッウの♂……彼の評価点は23。イワパレスは64と、味方同士でも大差がついている。
 今回は自分が罰ゲームを決められると目を輝かせるイワパレスが決めた今回の罰ゲームは……
「それじゃあ、ビリッケツだったウッウには、女サシカマスチャレンジね!」
「女サシカマスチャレンジってなんだよ!?」

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Last-modified: 2021-10-17 (日) 23:21:14
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