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熱い雪と静かな炎

/熱い雪と静かな炎

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・熱い雪と静かな炎

此処は211番道路・・日は沈み、辺りは薄暗くなっていた・・・・そんな中何所からか声が聞こえる


「ハヤシガメ、葉っぱカッターだ!」
「攻撃を避けて火の粉!」
僕は攻撃を避け、ハヤシガメに火の粉を放つ・・・攻撃は直撃し相手に大ダメージを与える
「負けるなハヤシガメ!地震だ!」
相手の技が僕に決まり、僕の体は少しの間中に浮きやがて地面に叩きつけられる
「大丈夫か?!」
僕は全身の痛みを堪えて立ち上がった
「よし、行けるな?火炎車だ!」
背中の炎がさらに燃えて、僕は炎を纏いながらハヤシガメに突進した
ハヤシガメの体は中に浮き、やがて地面に叩きつけられて相手のポケモンは瀕死になった・・・・体のあちこちに僕は怪我をした。
「お疲れシネス、よくやったぞ」
ご主人が僕の頭を撫でる。そしてご主人が僕をボールの中に戻した・・・・
僕はシネス、種族名はマグマラシだ。最近ヒノアラシから進化したばかりだが・・・・・



・・・・・しばらくして、ボールの中にいた僕はある事に気が付いた。体の傷が治っていく・・・・・ボールの壁を見ると4、5回白く光った
きっとご主人がポケモンセンターに連れて来て僕を回復させてくれているのだろう・・・
そしてすぐに僕の視界が真っ白になった。視界はすぐに回復した
「調子はどうだい?シネス」
僕は小さく頷く
「そうか」
ご主人は家に向かって歩き始めた。僕はその後を連いていく


・・・・数分してハクタイジムが見えてきた。何故かと言うと家がハクタイシティにあるからだ・・・しかもジムのすぐ隣の一軒家だ
ご主人は扉を開ける
「ただいま」
「おかえり、晩御飯出来てるわよ」
ご主人の母親が迎えてくれる。僕とご主人はリビングへ向かい食事を済ませた
食事が終わるとご主人は二階の自分の部屋へと向かう、僕はその後に連いていく
とその時下から声が聞こえてきた
「カイ、ちょっと来て」
カイとは僕のご主人の名前だ・・・・ご主人は部屋を出て下へ降りていった


・・・・・十分位経った頃ご主人が部屋に戻ってきた
「シネス、ちょっと母さんに頼まれてな・・・明日キッサキシティに住んでいるおじいちゃん達にこの袋を届けろって言われてな・・・一緒に来てくれるか?」
僕は顔を上下に動かして頷く
「よし決まりだな」



翌日午後2時にご主人と僕はキッサキシティに向けて歩き始めた
211番道路を過ぎてテンガン山に入りそこからキッサキシティに向けて洞窟内を歩く・・・やがて洞窟が二つに割れた
「あれ・・・どっちだったかな?」
ご主人と僕はどちらが正しい道なのか分からなくなってしまった・・・・思い出そうとするがかなり久しぶりに此処に来たのでどうしても思い出せない
看板が建ててあったが文字が消えている・・・
「しょうがない、とりあえず右から行ってみよう」
ご主人の提案で右の洞窟を僕とご主人は歩き始めた・・・・


・・・・かなりの時間が経った。本当にこっちで良いのかと僕とご主人は不安になってきた
と、その時出口が見えた。僕はやっと狭く暗い洞窟から出れると思うと嬉しくって走り出した
「ん、待てよ・・・・?思い出してきたぞ・・・・確か左の洞窟が正解で右の洞窟は・・・!!待てシネス!!その先は!!」
ご主人がそう言ったときには僕の体は中に浮いていた・・・・僕も今思い出した。右の洞窟の先は崖だと言う事を!!
「シネス!」
洞窟からご主人が顔を出す。僕はご主人の顔がどんどん小さくなっていくのが分かった
そして・・・ガサッ!ガサッガサッガサッ!という音を最後に聞いて僕の視界は真っ暗になった



・・・・どの位時間が経ったか分からないが僕は意識を取り戻した。目を開けると地面が下に見えた・・・僕の体は木の枝に引っかかっていた
そして激しい吹雪が僕の体に当たる
(生きている・・・・)
木の枝がどうやら衝撃を和らげてくれたらしい・・・・だが体は傷だらけになり血が所々少し出ていた・・・・
パキッ・・・パキッ・・・ポキッ・・
何か割れていく音がする・・・・嫌な予感がしてきた・・・・・しかし、その予感は当たってしまう
僕の体を支えていた枝が折れたのだ。そして僕の体は地面に叩きつけられた
「グアっ・・・!」
激痛が体を走り思わず声を上げる
僕の横たわっている近くの雪は所々僕の血で染まっていた・・・・
(だ、誰か・・・・)
僕は動こうとするが動く度に体に激痛が走る
これじゃ、助かった意味が無いじゃないか・・・・・それに吹雪が徐々に僕の体温を奪う・・・僕がもはや駄目だと諦めかけていたときだった
「ど、どうしたの君!」
後ろから声が聞こえる・・・・足音がだんだん近づいてくる
僕の視界にグレイシアの顔が現れる
「た、助けてくれ・・・・」
「意識はあるのね、急がないと」
そのグレイシアは僕の体の下に自分の体を潜り込ませて僕の体を背中に乗せた。血がそのグレイシアの青い体を所々赤色に染める
「有難う・・・」
「礼なんていらないわ今は貴方の命を救わなくっちゃ・・・・」
そのグレイシアは走り始める・・・・・
吹雪の中をグレイシアは十分位崖に沿って走った・・・やがて壁に穴が開いていた。
グレイシアはその穴に入る・・・僕とグレイシアが一緒にギリギリ入れる程度の大きさだった
その先はそれなりに広い空間が姿を現す・・・・奥のほうには木の実や色々な道具などが積まれて山の様になっていた・・・グレイシアは僕を地面に下ろす
「ちょっと待っててね」
グレイシアは木の実の中に顔を突っ込んで何かを探し始めた
その時、僕はグレイシアの秘所が見えてしまい、すぐに顔を背ける
しかし・・・僕は炎タイプだがこんな寒さにはさすがに耐えられない・・・僕は体を縮めて震える
「あった♪」
グレイシアが何かを持って僕の所に戻ってくる
「ちょっと我慢してね」
僕は視線をグレイシアに移す、手には凄い傷薬が握られていた
何所からそんな物を手に入れたのか不思議でしょうがなかった・・・・
シューという音がして薬が僕の体に吹きかけられる
「痛っ!」
「我慢してよ、男の子でしょ」
昔から薬を傷口に吹き付けられるのは嫌いだった。
薬の染みてくる時の痛みと薬で体が濡れるのが嫌いだ・・・・炎タイプっていうのが関係するのかもしれないが・・・
「さてと、これで明日には直っているはずね・・・・寒いでしょ?木の枝とか拾ってくるね」
グレイシアは穴から出て行こうとした
「あっ!そうだ」
穴から引き返し木の実の山の中に手を突っ込んだ。
「何所かな~・・・・・あった!」
グレイシアの手には黒い木の実が握られていた・・・・
「ナゾの実っていう木の実よ食べて」
僕は見た事も無い木の実を見てちょっと戸惑いながらも食べてみた・・・・
辛い・・・その木の実は辛かった。辛いのは好きなほうだ・・・・
「どう?体が温まってくるでしょ?」
僕はグレイシアの質問に頷いた
「じゃ、ちょっと待っててね」
グレイシアは穴から出て行った・・・・

・・・・しばらくして穴から何かが入ってくる音がした
カタンッ・・・カタンッ・・・カタンッ・・・
コンパクトに切られた木が一本づつ入ってきて地面に落ちて音をたてる・・・入ってきた木はは太いのや細い物もあった。きっとグレイシアが入れているのだろう
数分するとグレイシアも入ってきた
「ごめんごめん、うるさかった?」
「大丈夫だよ」
グレイシアは数本、木を僕の傍に集めた
「さぁ、火をつければ焚き火の出来上がり」
「火はどうするの?」
「決まってるじゃない、貴方がつけるのよ」
「あ、そういう事・・・」
僕は木の枝に向かって火の粉を吹いた。木に火がつき焚き火が出来上がった
炎の暖かさを僕は感じた。・・・・そういえば名前をまだ聞いていなかった・・・
「ところで君の名は・・・・?」
「あら、名前を尋ねるときは普通自分の名前を言ってから言うものじゃない?」
「ごめん・・・」
「いいわ、私の名はシナ・・・貴方は?」
「シネスって言うんだ」
「シネス・・・よろしくね」
「こちらこそシナさん」
「それにしても何であそこで倒れていたの?」
僕はどうして倒れていたかを説明した・・・・
「そう・・・・そのカイとかいうトレーナーとはぐれたという事になるのね貴方は」
頷いて返事をする
「分かったわ・・・じゃ明日キッサキシティに向かいましょう」
「ご主人はどうn・・・」
シナにキスをされて最後まで喋れなかった
「シナさん!?今のは・・・」
「細かい事は気にしない。大丈夫よ、きっと助けを求めるなら貴方のご主人はキッサキシティに行っているはずだから、キッサキシティの方がハクタイシティより近いからね
それに貴方の怪我はまだ完治してない・・・・吹雪が激しいし、今行ったら遭難するだけよ」
「そ、そうか・・・・」
その時、僕は睡魔に襲われ始めた。無理も無いだろう・・・・こんな酷いめにあったんだから・・・・・
「シナさん、僕ちょっと寝て良いでしょうか?」
「別に良いわよ」
僕は少し焚き火の近くに寄り瞼を閉じた。炎の暖かさと体の疲れで僕はすぐに夢の中へと入って行った・・・・・


気が付くと僕は自分の家の前に居た・・・扉を開けて中に入る・・・・
そして階段を上りご主人の部屋に入る
そこにはマスクをしたご主人が居た
「どうしたシネス?そんな驚いたような顔をして」
ご主人は僕の体を抱きかかえる
「!」
僕はすぐに抵抗して腕から抜け出す。そして身構える
こいつはご主人じゃない!僕は見たのだ。マスクの隙間から口が無いのが見えた・・・それに体が死人のように冷たかった
「ご主人に向かって身構えるだなんて、そんな悪い子にはお仕置きが必要だな」
ご主人・・・いや、そいつは背中に手を回した。するとそいつの手には斧が握られていた!
そして腕を上げて振り下ろしてきた
とっさに僕は右方向に転がって斧を避けて火炎放射をそいつにおみまいした
「ぎゃゃゃあ!」
相手の体が燃える。そいつはもがき苦しむ
「何ちゃって」
「!?」
奴の目が光って僕は身動きが取れなくなった
「くっ」
そいつはまた腕を上げて振り下ろした
・・・そして斧が僕の首に当たる瞬間!


「うわぁ!」
心臓がドクンドクンと高鳴っている
僕はキョロキョロして今の状況を確かめる。シナさんの住処だった・・・・
「ふぅ・・・夢だったのか」
焚き火の辺りは明るいが焚き火から少し離れた所は暗かった
額の汗を僕は拭う・・・焚き火は消えかけていた。すると今気がついた・・・寝ているシナさんの顔が目の前に映し出された
一瞬ドキッとしてしまった。シナさんの顔はかなり可愛らしかった・・・・
心臓の鼓動がまた早くなっていく・・・・キスをしたいという気持ちが出てきた
(駄目だ。シナさんにそんな事は・・・・・)
僕はそう思いシナさんと反対の方向を見ようとした時だった
何かが僕の口を塞ぐ、僕が視線を上げるとシナさんが僕にキスをしていた
「!?」
さらにシナさんは僕の背中に手を回して逃がさないとばかりに抱きしめてくる
・・・・・そしてシナさんは舌を僕の口内に侵入させてきた。舌を僕の舌に絡ませてくる・・・・
その気持ちよさに僕も思わず自らも舌を絡ませる
・・・やがてシナさんは口を離す
「貴方ってもしかしてキスされたこと無い?・・・私もそうなんだけどね」
その質問に僕は頷く
「シナさん、何故僕にキスを・・・・?」
「貴方がして欲しいみたいな顔をしていたからよ」
シナさんはそう言って笑顔を見せてくれる
「さて、まだ夜みたいだしもう一回寝ようか?」
「う、うん・・・」
僕は地面に寝転がる。シナさんは焚き火に木を入れてから僕の傍に来て寝転がった
(!)
シナさんが自分の背中を僕の背中にくっつけてきた
「おやすみシネス」
「お、おやすみなさいシナさん・・・」
ちょっと緊張しながらも僕は目を閉じた・・・・・



・・・気が付くと僕は自分の家の前に居た・・・扉を開けて中に入る・・・・
(って、さっきと同じ夢じゃないか!)
僕は後ろ足で立って玄関の扉を開けようとした。だが元々は四足立ちなのでうまくいかない
(くそ、開いてくれ)
「何を・・・しているの・・・かな・・・・」
「!」
背筋に冷たい物が走る。振り返ろうとするが恐怖で体が強張りうまく首が回らない・・・僕は唾を飲み込んだ
ブルルゥゥンン!
この音は?!僕は首を無理やり回して振り返る
「誰か助けて!」
さっきの奴がそこには立っていた。しかも今度は斧ではなくチェーンソーだった!
「死ねぇぇぇ!」
奴がチェーンソーを振り下ろしてくる!僕はすぐに避けた
バリバリバリ!
玄関の扉が粉々に砕け散った
「こんな夢懲り懲りだ!」
そう言いながらも粉々になった扉から僕は外に出た
「!?」
外に出た僕の目には信じられない光景が映った
同じ奴が5人、僕を取り囲んでいたのだ。強行突破しか方法しかなく奴の一人に火炎放射をおみまいする
そいつが少しの間、ひるんだ。その隙をついて僕は素早くそいつの股の間を潜り走り出した
「待てぇぇぇ」
一番最初の奴と取り囲んでいた奴ら、合計で6人が僕の後を追いかけてくる
しかも意外と足が速い!
僕は全力疾走でサイクリングロードを下る。奴らはチェーンソーを振り回しながら追いかけてくる
「こんな悪夢早く覚めてくれぇ!」
やがてサイクリングロードが終わった時には僕は疲れはてていた・・・・それなのに奴らはさっきより早いスピードで追いかけてくる
テンガン山の方へ行くと沢山の身を隠せるほどの大きな岩が転がっていた。僕はその内の一つに身を潜める・・・・そしてそこから覗き込む
奴らは沢山ある岩の陰を一つ一つ探し始めた
「いなぁい・・・いなぁい・・・」
岩の陰を確認して僕の姿がないとその度に岩を破壊する
僕は岩の陰で恐怖に体を震わせている事しか出来なかった・・・・
・・・・やがて奴らの足音が遠ざかっていった
僕の緊張が一気に取れた
「た、助かった・・・」
そして僕が立ち上がって後ろを見ると
「みぃつけた」
チェーンソーが振り下ろされる
「うわぁぁぁ!」
僕の視界が赤色に染まり
頭に衝撃を感じた時だった



「ちょっとうるさいわよ・・・2回もうるさくするだなんて」
僕は状況が読み込めずポカ~ンとする
「ほら、そんな惚けた振りしないで謝ったらどう?」
「シ、シ、シ、シナさん!」
「どうしたの・・・・?」
緊張でうまく喋れない・・・
僕の体は汗だくになっていた
「何か悪い夢でも見たの?」
質問に僕は頷く
「じゃあこうs・・・」
シナが横に倒れる
「えっ、えっ・・・ちょ、シナさん!?」
「クスクス・・・」
「だ、誰だっ!」
僕は辺りを見回すが誰もいない・・・・確かに笑い声が・・・・・
「此処よ」
「!」
その声に僕は振り返る。すると目の前に二つの黄色い目が現れた
「うわぁぁぁ!」
僕は驚いて尻餅をする
「そんなに驚かなくても良いんじゃない?」
そこにはムウマージが浮かんでいた
「久々ね・・・こんなに驚いてくれるポケモンは」
そこでムウマージは笑顔になる
「何の目的で此処いるんだ」
僕は戦闘体勢をとる
「そんな身構えなくてもいいじゃない、私は貴方達を攻撃したりしようとは思ってないわ」
「じゃあ、何の目的で」
「人を驚かすのが好きなの」
「も、もしかして・・・あの夢も・・・?」
「そうよ、私の技で・・・まぁ、ちょっとやり過ぎたわね・・・・お詫びに私は貴方達に連いていくわ」
「え?」
「だから、貴方達に連いって行ってあげるって言ったの」
「え・・・でもシナさんに聞かないと・・・・」
「いいから、いいから・・・・あ、私ムクっていうのよろしくね・・・・このグレイシアは眠らせただけだから心配しなくて良いわ」
「は、はい・・・」
そう言いムクというムウマージは眠り始めた・・・・
今日は忙しい日になったと内心考えながら僕は深い眠りの中に落ちていった・・・・


穴からの朝の気持ち良い日差しが体に当たり僕は目を覚ます
昨日の疲れからか大きな欠伸をする。寝転がったまま僕は右の方向を見る・・・
「!」
シナさんの顔が目の前にある、顔を逸らそうと左の方向を見る。
「!」
今度はムクさんの顔が目の前に姿を現す
立ち上がろうとするが二人に両方から抱きつかれて動けない
「困ったなぁ・・・」
しょうがなく僕はシナさんの体を揺らす
「シナさん起きてください・・・シナさん・・・」
「ん・・・」
シナさんがゆっくり目を開ける
「おはよう・・・シネス」
「お早う御座いますシナさん早速なんですが腕を放してくれると嬉しいんですが・・・」
「・・・・わかったわ」
少し残念そうに腕を放す・・・・ちょうどその時にムクさんが起きる
「おはようシネス」
「おはようございます」
返事をするとムクさんが微笑む
「だ、誰この人?」
シナさんが聞いてくる
「ムクさんです・・・昨日僕が悪い夢を見ていたのはこの人のやったことです・・・・・でも悪戯程度で悪気はないそうです」
「ならいいわ・・・さてと朝ご飯としましょうか」
シナさんは消えた焚き火の横を通り山のようになった木の実の所へ行く
「どうしたの?シネス来ないの?」
「は、はい」
僕とムクさんはシナの所へ行った。そして木の実を皆で食べた・・・・
辛いもの好きな僕は出来るだけ辛いものを食べた
「さてと、そろそろ行きましょシネス」
「分かった」
穴から僕とシナさん、ムクさんが出る。天気は快晴だった
シナさんが歩き始める・・・・僕とムクさんは後に連いていく
「ところでシネスのトレーナーのカイっていう人は貴方以外にポケモンは持っているの?」
僕は首を横に振る
「僕だけだよ」
「えっ!って事は手持ち無しの状態?それって危なくない・・・?」
「あっ!」
しまった・・・・ご主人どうか無事で・・・・
「急ぎましょ」
「分かったムクさん」
僕達はキッサキシティに向けて走り始めた





一方その頃・・・

「シネス無事でいてくれよ・・・」
俺は助けを求めるべくキッサキシティに向けて走っている・・・
昨日は吹雪が強く走れなかったが今日は快晴のため全力疾走で行ける
「はぁ・・はぁ・・あっ!見えてきた」
俺の視界にキッサキシティが入る
「がんばれ俺、あと一息だ」
その時だった。いきなり目の前に野生のマニューラが現れる
「うわっ!」
止まりきれずマニューラとぶつかってしまう
「痛たたた・・・」
「マニュ・・・」
野生のマニューラは相当不機嫌の様だ
(おっと、これはまずい・・・・)
するといきなりマニューラが電光石火を発動してきた。マニューラは俺の腹にぶち当たり俺は後ろに飛ばされて仰向けになった
立ち上がろうとするとマニューラが俺の腹に乗って俺の顔を殴りつける
そしてマニューラの鋭い爪が上に上がり振り下ろされてきた!
死んでしまうのかと諦めたときだった背の高い草むらからグレイシアが出てきてマニューラに突進する!
マニューラは突進で吹っ飛ばされた。さらに、吹っ飛ばされたマニューラにマジカルリーフが当たり、火の粉が連続で当たる
そこでマニューラは力尽きた



その少し前・・・

「キッサキシティまであと少しよ」
シナがそう言う、僕は相槌を打つ
ふと、僕が空を見上げると雲行が怪しくなってきた
「シナさん雲行が怪しくなってきましたよ」
「・・・本当だわ、近道しましょ」
僕とムクさんは後に連いて行く
・・・・しばらく歩いていると僕達より高い雑草が沢山生えていた・・・・シナはその中に入っていく・・・すると誰かが走ってくる音がする
僕達は音がする方を見るが雑草が沢山生えているため見えない
そのまま進むと道に出た。僕は顔を草の中から出した
その時足音が止まり何かとぶつかった音がする
僕はその方向を見て驚いた。そこにご主人が居た・・・それにマニューラがご主人の前にいる
「ご主人だ・・・」
「あの人が?」
頷いて返事を返す
そのまま様子を見ているとご主人がマニューラに電光石火を決められて倒れた。
そしてマニューラがご主人の顔を殴りつけた後止めを刺そうと腕を振り上げる
「ご主人!」
「シネス、ムク、援護お願い」
「えっ?」
そう言うとシナさんは草むらから飛び出してマニューラに突進を喰らわせた
「ムクさん!」
合図をムクさんにしてムクさんと同時に攻撃を仕掛ける。ムクさんはマジカルリーフを・・・僕は火の粉を発射する
・・・攻撃はシナさんの突進でひるんだマニューラに当たり瀕死にした
「ご主人!」
僕はご主人の元に走っていき抱きつく、言葉は通じないがご主人は抱き返してくれる
「大丈夫だったかシネス・・・・」
このご主人の温もりを僕は好きだ・・・・
「ところで、何で崖から落ちて無傷なんだ・・・?もしかして、このグレイシアとムウマージが?」
ムクさんは違うが僕は頷いた
「そうか・・・俺の大切なパートナーを助けてくれて有難うな・・・・」
ご主人はシナさんとムクさんにお礼を言う、ご主人は抱くのをやめた。
「ところで、長年お前と居るからだいだいは分かると思うんだが・・・ズバリ、お前はこのグレイシアとムウマージと付き合ってるだろ」
『!』
シナさんとムクさんが顔を赤らめる
(えっ・・・ちょっと待って彼女達は僕の事をそう思ってる訳・・・?ま、まさかな・・・・)
「やっぱりそうみたいだな!このこの、シネスったらいつの間に彼女作っちゃって、しかも二人もな」
ご主人が指で突っついてくる
「まぁ、天気も怪しいし行こうか・・・・おっとシネス彼女達も連れて行くのかい?」

「シナさん、ムクさんどうしますか・・・・?」
「き、決まってるじゃない!私も行くわ」
「私もシナさんの意見に賛成しますわ」

僕はご主人の質問に頷く
「そっか」
シナさんとムクさんが二つのボールの中にそろぞれ入っていく・・・・・
ボールのボタン部分が赤く点滅して、やがて点滅が止んだ。そしてご主人はボールを拾った
「本当に良かったんだろうな・・・?」
僕は頷いて返事を返す
「さてとキッサキシティのおじいちゃん達の所へ行こうか」
そう言ってご主人が歩き始める。僕はその後に連いていく・・



・・・やがてキッサキシティに着いた。そしてご主人の祖父の家に向けて歩いた

10分位僕とご主人は歩いた。ご主人の祖父の家が見えてきた時だった空から小雨が降り始めてきた
「うわぁ・・・マジかよ、おいシネス急ぐぞ」
僕とご主人は走り始めた。雨はだんだん強くなってきた
そして家にたどり着くとご主人はすぐにピンポンを押す
《はい、何方でしょうか?》
「おじいちゃん、カイだよ」
《おお、カイか入ってくれ》
ご主人と僕は扉を開けて中に入った
ご主人の祖父と祖母が迎えてくれる
「久しぶりねカイ、シネス・・・大きくなったわね」
「久しぶりおばあちゃん、おじいちゃん。突然来てごめんね、でも母さんに頼まれてさ」
ご主人は頼まれた袋を手渡す
「わざわざありがとうねカイ」
「どうだいカイ、ちょっとゆっくりしていかないか?」
「大雨が降っているし、そうさせてもらうよおじいちゃん」
ご主人達は居間に向かう、僕はその後を連いていく
居間に着くとご主人達は話し始めた。僕は暇が出来たので居間から抜け出して和室へ向かった
いつもご主人達が話している時は此処でのんびりするのが好きだ
ところが今日は先客が居た。和室の奥の方にボーマンダが寝ていた・・・和室の中央に背の低いテーブルがあり、その周りに座布団が置いてあった
ボーマンダを起こさないようにその座布団を取ってちょっと離れた所に座布団を置いてその上に乗り体を伸ばした。そこで欠伸が出てきた
だんだん瞼が閉じて僕はそのまま眠った・・・・



・・・・はずだったが体の上に何か重いものが乗ってきて痛いし苦しい
僕は目を開けて何が乗っているのか確認した。背中にさっき眠っていたはずのボーマンダが乗っていた。正確に言うとのしかかり・・・・
「貴様は誰だ・・・」
「あ、怪しい者ではないです」
ボーマンダは僕を睨みながらも顔を近づけてきて僕の目を直で睨む
正直言って本当に怖い・・・怖くてたまらない・・・・・
「あ、あの・・・そういう貴女こそ何方で・・・?」
「私か?サフという名だ」
「ぼ、僕はシネスっていいます・・・此処に住んでいるおじいさん達の孫の手持ちポケモンです」
「泥棒ではないのだな」
「あ、当たり前じゃないですか!ご主人の付き添いで来てるんですから」
「なら、良い」
そのサフさんはそのまま、ちょっと大きめの窓から外に出て行こうとした
「あの・・・・結構、雨降ってますよ」
「そんなのどうでも良い」
サフさんはそのまま雨が降る中飛び立っていった・・・・
僕は一人和室に取り残された・・・・

・・・・とりあえず此処に居てもしょうがないのでご主人達の居る部屋に戻った
「シネス、最近おじいちゃん達が捨てられたコモルーを拾ったんだってさ・・・それで育ててあげたらすぐにボーマンダになっちゃったんだと」
絶対サフさんの事だ・・・・もっと早く言って欲しかった
「雨も止みそうにないしどうだ?カイ、今日は止まっていくか?」
「そうするよおじいちゃん」
どうやら今晩はご主人の祖父の家に泊まることになった



・・・・それから結構時間が経った。気が付くと時計は11時37分を指していた
僕は眠気で大きな欠伸をする
「おやおや、大きな欠伸だね~。先に眠ったらどうだいシネス?」
ご主人の祖母に言われて僕は二階に上がりベットに潜り込んだ
そして瞼を閉じて寝ようとした・・・時だった。ドサッという音がして何かが僕の隣に寝転がった
僕がその方向を見るとシナが寝転がっていた
「一緒に寝て良い?シネス」
「い、良いよ・・・」
ちょっと緊張気味でうまく喋れなかったようだがシナにはどうやら伝わったようだ・・・シナは僕の腕に抱きつく・・・
って抱きついて良いと言ってない!
「シナ・・・って、あれ・・・?」
シナはもうすでに寝ていた・・・・寝るの早っ・・・・
しょうがないから僕も瞼を閉じて眠りについた・・・・・・
そうしようとしたが誰かに見られている気が・・・
瞼を開けると目の前に目を閉じたムクさんの顔がどんどん迫ってくる
「ちょ、ムクさん!?」
「!」
ムクさんはすぐに僕から離れる
「ム、ムクさん・・・今、僕にもしかしてキスを・・・・?」
顔を赤らめてムクさんは床に消えていった・・・まぁ、ゴーストタイプだからね・・・・
もしかして僕って、他の♂ポケからみたら羨ましい状況?
そう考えながら今度こそ僕は瞼を閉じ眠り始めた・・・





「シ・・・ネス・・・シ・・・・・ネ・・ス」
だれかが僕の名を呼んでいる・・・誰だろう・・・・?
「シネス起きてってば!」
そう大きな声が聞こえたかと思うとパシッという音がして僕の左頬に痛みが走る
「痛っ!」
痛みに僕は飛び起きる
「せっかく人が起こしてあげてるのに何が「あと、もうちょっと・・・」よ」
そんな事、言った覚えがない・・・・
「何か言うこと無いの?」
「ご、ごめんシナさん・・・」
「まぁ、いいわ朝食だから呼びに来たの。下りましょ」
「う、うん・・・」
僕とシナさんが下りると食卓にはご主人とその祖父・祖母とムクさんが居た。僕とシナさんも食卓につき朝食を頂いた
朝食を済ませると僕は昨日の和室に向かった。サフさんは居ないようだ
窓から外を見ると天気は曇りだった
窓っていっても天井から床まで長さがある・・・・多分サフさんが通り易いようにしたのだろう
僕は窓を開けてみた。涼しい風が僕の体に優しく当たる・・・・
「何してるのシネス?」
シナさんが僕の隣に座る
「風が涼しくってね」
シナさんにも風が当たる
「本当ね・・・」
それからは二人で出会う前の自分の生活などをお互いに話し合った・・・楽しい時間はあっという間に過ぎた
時計は午前10時48分を指していた
「シネスー!帰るぞ」
玄関からご主人の声が聞こえてくる
「行こうかシナさん」
「ええ」
玄関に行くとムクさんとご主人とその祖父と祖母が待っていた
「おじいちゃん、おばあちゃん、じゃあね」
「気をつけるんだよ」
そして僕達はキッサキシティから出た
216番道路まで僕達は歩いてきた時だった。ドシンどいう音がして目の前に何かが着地して雪が舞い上がる
「な、何だ!?」
ご主人が驚きの声を上げる
舞い上がった雪が消えるとボーマンダが姿を現した
「よう、シネス」
「サフさん!」
「知り合いなの?」
「ご主人の祖父達が飼っているボーマンダだよ」
「家まで送ってやる」
「い、良いんですか?」
「ああ」
「意外とサフさんって優しいんですね」
「や、優しくなんかないぞ!」
サフさんは恥ずかしいのか顔を逸らす
「シネス、もしかしてこいつは、おじいちゃん達が拾ったボーマンダか・・・・?」
ご主人の質問に頷く
僕はサフさんの首に乗る
ご主人に僕は手招きする
「もしかして、送ってくれるのか?」
僕が頷くとご主人はシナさんとムクさんをボールに戻した
ご主人もサフさんの首に乗った
サフさんは飛び立った・・・・・



それから15分程度時間が経つと僕達は自宅前に居た
「ありがとうサフさん」
「礼には及ばない」
そう言いながらもサフさんはちょっぴり笑顔を見せてくれた
飛び立ちだんだん姿が小さくなっていくサフさんに僕は手を振って見送った・・・
「そろそろ入ろうかシネス」
ご主人と共に家に入った
「ただいま、母さん」
「あら、お帰り」
昨日の内にご主人は自分の母親に電話で、泊まる事を知らせたのでご主人の母親は心配してはいなかった
ご主人はシナさんやムクさんをボールから出して、仲間にした事や僕の命の恩人である事を母親に話していた・・・・
僕はそのまま二階のご主人の部屋に入った
「此処が貴方とカイさんの自宅ですか・・・・気に入りました」
床からムクさんが出てくる
「そ、そうですか・・・ムクさん」
ムクさんは笑顔を見せてくれる
部屋の入り口が開きシナさんが入ってくる
「結構、気に入ったわこの家」
「それは良かったです」
その時ご主人が入ってきた
「シネス、すまない・・・ちょっと今から母さんと二人で友達の所で用があるから行くんだけど、その友達が大のポケモン嫌いでね・・・留守番頼むよ」
僕は頷いて返事をする
ご主人とその母親を玄関で僕とシナさんとムクさんで見送った
玄関の扉が閉まるといきなりシナさんが抱きついてきた
「うわっ」
「こんなにタイミングが良いのは神様のおかげかしらね!」
「そうですねシナさん」
ムクさんからも抱きつかれる
「ちょ、ムクさんまで」
「今夜楽しみにしててね」
「何が?」
「何がですか?」
僕とムクさんはそう聞くがシナさんは笑顔を見せるだけだ・・・・
『?』
首を僕とムクさんは傾げる
シナさんとムクさんが僕を優しく押し倒し三人の唇がお互いに触れたときだった。玄関の扉が開きご主人が入ってきた
「・・・おっと邪魔しちゃったかな・・・?ちょっと忘れ物があってな」
ご主人は二階に上がっていった
シナさんとムクさんはご主人にこういう姿を見られて顔を赤らめた。・・・・しばらく沈黙が続く・・・その沈黙を破ったのはご主人だった
ご主人が下りてきて靴を履く、そして出て行く直前にこう言った
「シネスそういう事やるなら俺の部屋の隣の部屋のベットでやってくれ」
ご主人は少しにやけながらそう言って出かけていった・・・・その言葉にまたシナさんとムクさんが顔を赤らめる
ご主人の隣の部屋っていったら僕の部屋だ・・・・
「とりあえずシナさん、ムクさん手を離してくれますか・・・?」
シナさん達は素直に腕を放してくれた
また抱きつかれないうちに散歩をしようと僕は家から逃げ出す様に外に出た・・・・

「ふぅ・・・ご主人のおかげで助かった・・・・」
僕はとりあえずソノオタウンの花畑でゆっくりしようと思い、ソノオタウンに向けて歩き始めた
205番道路はすぐに終わりハクタイの森の入り口に着いた
僕は森の中へと入っていった・・・・
森の中は高い木が沢山生えているため少し薄暗かった・・・・風が涼しい
涼しい風に吹かれながらも僕は足を進めた

・・・・やがて森が終わりソノオタウンに着いた。
そして僕はソノオタウンの花畑に入る
何時来ても思うがソノオタウンの花畑は本当に綺麗だと思う・・・・色んな種類の花が沢山生えていて鮮やかだ・・・そして花は風で左右に揺れる
辺りには花のいい匂いが漂い、太陽はポカポカしている・・・・
心地良かった僕は自然に眠くなってきた
その場に僕は寝転がった・・・・するといきなりあるポケモンの顔が姿を現す
「ムクさん!?」
ムクさんは僕の驚きの声を聞いて少し微笑む
「何故此処に・・・?」
「暇だからこっそり連いてきたの・・・それにしても此処は綺麗ね・・・・」
ムクさんは花畑を見渡す
「ムクさんもそう思いましたか」
「ええ・・・でも、何だか心地よすぎて眠いわ」
「僕もですムクさん」
だんだん僕の瞼が閉じていく・・・・ムクさんも僕に抱きついて静かな寝息をたて始めた
そこで僕は眠りについた・・・・



・・・・僕が目を開けると辺りは日が半分沈みオレンジ色に染まっていた
僕に抱きついて眠っているムクさんの体を僕は優しく揺さぶる
「ムクさん、起きて下さい!ムクさん!」
起こしてもムクさんは起きない・・・・
「しょうがないな・・・」
ムクさんの体の下に僕は自らの体を滑り込ませる
そしてムクさんの体を背中で背負った。家に向けて僕は歩き始める・・・・ムクさんの体はこう言ってはいけないだろうけど、意外と軽かった
・・・だから家には案外早く着いた。
「ただいま」
ドタドタドタという音がしてシナさんが来る
「・・・・おかえりシネス」
僕はシナさんは僕の背中で寝ているムクさんを見て羨ましそうな顔をした気がした・・・・
とりあえず僕はムクさんをベットに寝かせようと思い階段を上った
そしてご主人の隣の部屋、つまり・・・僕の部屋に入った。壁に掛けてある時計は午後6時19分を指していた
僕は寝ているムクさんを静かに自分のベットに寝かせて布団を掛けてあげた
「おやすみなさいムクさん・・・」
そして自分の部屋から出て下へ降りた。
「シナさんは夜ご飯は食べたんですか?」
「まだよ」
僕がキッチンへ向かうとキッチンには僕達三人分の夕食が置いてあった。きっとご主人の母親が作ってくれたのだろう
食べ物を温めて僕はテーブルに運んだ。その時リビングの扉が開いてムクさんが入ってくる
「ちょうど良かったムクさん、一緒に食べよ」
皆で席に着き、ご主人の母親の優しさを感じながらも食事を済ませた
そして食器をキッチンに持っていき僕が皆の分の食器を洗った
しばらく僕達はテレビを見たりして過ごした。そして時計の針が午後9時48分頃を指したときだった
「・・・シネス、ちょっと来て」
シナさんがそう言ってきた。僕はシナさんに連いていった・・・・シナさんは階段を上り、僕の部屋に入った
しかし、この後何が起きるかこの時の僕は知るわけが無かった・・・・
シナさんが僕が入ったのを確認すると扉を閉めた・・・部屋にはシナさんと僕だけだ
「・・・」
「・・・」
「・・・」
「シナさん・・・?」
「・・・えっ?」
「だから、何で連れてきたんですか?」
「・・・」
シナさんは顔を赤らめ、顔を逸らす
僕は首を傾げるしかなかった・・・・
シナさんは前足を少しもじもじさせて落ち着かない様子だった。まるで何か言おうとして躊躇っているみたいだ・・・・
「えっと・・・シネス・・・・・」
「何ですか?」
「その・・・実はね・・・・あ、貴方のこt・・・・」
そこまで言ってシナさんはまた顔を真っ赤にして顔を逸らす
「僕のことが・・・?」
「だから貴方の事が・・・・その・・・・・」
シナさんは(此処まで言ったんだから分かってよ)という顔をしたが僕は冗談抜きで本当に何を言いかけているのか分からない・・・・
「ああ、もう!じれったい!こうなったら行動で・・・」
するといきなり僕の視界がぐちゃぐちゃになった・・・・・・
・・・しばらくするとぼやけた視界が回復してきた。するとシナさんが僕を押し倒して僕の上に覆いかぶさっているのが分かった
「シナs・・!」
僕の口はシナさんの唇で塞がれて最後まで喋れなかった
さらに僕を驚かせたのはシナさんが自らの舌を僕の口内に侵入させて僕の舌に絡ませていたのと同時に
左手を下へと伸ばしていった・・・・まさか!?
その予想は的中してしまった。シナさんは左手で僕の肉棒を握り、上下に動かし始めた!
僕は抵抗しようとシアさんの左手首を掴むが尚もシナさんは手を動かす。しだいに僕の肉棒は大きくなってきた
シナさんと僕の呼吸が荒くなってきた
「!」
するといきなりシナさんが自分の秘所を僕の肉棒に擦り付けながらも腰を振ってきた
快感の波が僕とシナさんを襲ってきた。僕と繋がっているシナさんの口からは時々小さな喘ぎ声が聞こえる
「んん!」
シナさんの口からそう聞こえた途端にシナさんの秘所からは沢山の愛液が出てくる
と同時に僕もイった・・・・・しばらく僕とシナさんは肩で息をした
呼吸が整うとシナさんは僕に質問した
「ねぇ、これで何を言いたかったか分かったでしょ・・・?」
僕は頷いて返事を返す
「挿れてくれる・・・・?」
「えっ・・・でも・・・・・」
「大丈夫よ来て」
「う、うん・・・」
少し不安だがシナさんは僕の上から退き四つん這いになって僕に秘所を向ける・・・シナさんの秘所が丸見えになる・・・・
シナさんの秘所はかなり綺麗だった。
僕は自らの肉棒をシナさんの秘所に宛がう
「シネス、そんなに不安な顔しなくて大丈夫よ・・・私は大丈夫なんだから」
シナさんは胸を張る。シナさんに勇気付けられて僕は自らの腰を進め始めた。愛液で濡れているシナさんの秘所は簡単に僕の肉棒を受け入れた
「ねぇシネス、一気に来てくれる?」
「い、一気にって・・・痛くないんですか?」
「別に・・・?シネスとこの気持ちを分かち合えるならどうってこと無いわ!」
シナさんは笑って尻尾の先で僕の首を撫でてくれた
「ほら、一気に」
僕はシナさんの言う通りに腰を一気に進めた。
バチッ・・・・ズププププ
処女膜を突き破り、僕は奥まで入った
「あぅ・・・」
シナさんは小さな喘ぎ声を上げる
そして僕はシナさんの腰を両手で掴んで腰を動かし始めた
ずぷっ・・・ずぷっ・・・
「ひゃん・・・うぅん・・・」
シナさんの腔内を突く度にシナさんは小さな喘ぎ声を上げる
そして秘所からは肉棒を引く度に隙間から愛液が垂れてきて小さな水溜りを作る
それを見た僕はさらに興奮したのか肉棒がさらに大きくなっていく感覚が伝わってきた
「あぅ・・・シネス、まだ大きくなるの!?それ以上大きくなると収まりきらない・・・!」
肉棒が大きくなった為に秘所の隙間は埋まって今度は隙間からではなく僕の肉棒を伝い始める
氷タイプのシナさんの体は少し冷たかったが腔内はかなり暖かった
僕は腰を振るペースを速めた
ずぷっ・・・ずぷっ・・ズプ・・ズプッズプッ・・ズプッズプッ
徐々にだが確実に少しずつ腰の速度を上げた
「ぅん!・・・ひゃ・・ら、らめだよ・・シネス・・・・」
シナさんはかなり感じているらしく少し大きな喘ぎ声を発する。僕も理性を保つのが精一杯だ
「シナさん、あまり大きな声を出すとムクさんが起きてしまいますよ!」
「そ、そんな事言ったって・・あぁん・・・し、自然に出ちゃうんだもん」
「そこを何とか・・・!」
「で、でも・・・(!)も、もうイくぅぅ!」
シナさんの体がびくっと震えたかと思うとシナさんの秘所から愛液が噴出す
「ああぁぁぁ・・・・」
絶頂を迎えたシナさんは前足に力が入らなくなり前のめりになる
「はぁ・・・はぁ・・・」
結果的に僕がシナさんと繋がっている腰の高さを腕でシナさんの腰を持ち上げて保たなくてはいけなかった。
しかし逆にシナさんの腔内を突きやすくなった
これはいいと思い僕は本能のままに残っている力をシナさんの腔内を突く事に使った
ズプズプッ・・ズプッ・・ズプズプッ
「シ、シネス!激しすぎだよぉ!気持ちよすぎて私、壊れちゃいそう!」
シナさんの腔内はかなりきつく閉まっていたが僕は力をいれて腰を激しく動かす。それがかなりの快感を生む
僕も、もうイきそうだ。さらに速度を高める
「シネすぅぅぅ・・・・!!」
「ぅぐ・・・・」
僕達は同時に絶頂を迎えた
ドクンドクンという音がしてシナさんの腔内に沢山僕の精が放たれる
「シネスが入ってくる・・・・」
そして僕とシナさんはその場に倒れる
『はぁ・・・はぁ・・・』
二人ともかなり荒い息遣いだった。不思議な事に息をするタイミングはぴったりあっていた・・・・
・・・しばらくすると呼吸が整い、僕は肉棒を引き抜く・・・シナさんの秘所からは僕の精とシナさんの愛液が混ざった液体が溢れる
疲れているのかシナさんは瞼を閉じようとしていた
「シナさん、こんなところで寝たら風邪引きますよ!」
「しょ、しょうがないじゃない!足が震えて立てないのよ」
確かにシナさんの後ろ足はさっきの快感で震えていた
「分かりました。じゃあ、こうすれば・・・」
「えっ!?ちょ、シネス?!」
シナさんの背中に手を回して持ち上げた・・・と言うよりは抱き上げた・・・いわゆるお嬢様抱っこだ。
驚きの声を上げるシナさんを気にせず僕はベットにシナさんを寝かせる。僕もその隣に横になる
「おやすみなさいシナさん」
僕は布団を引き寄せて自分とシナさんに掛けた。そしてシナさんの背中に腕を回して抱いた
「!」
シナさんの驚いた表情を見るのは実に楽しいものだと思いながらも僕はシナさんの唇に軽くキスして瞼を閉じた。
瞼を少し開けてシナさんの様子を見るとシナさんはしばらく戸惑っていたが小声で
「おやすみなさい・・・私の好きな人・・・・」
と呟き笑みを少し見せて眠り始めた・・・・





気が付くとすでに朝日は昇り朝になっていた
僕は隣を向く、隣にはシナさんが気持ち良さそうな顔をして寝ている・・・
その逆を向くと目の前にベットから顔だけ出して此方を見て笑みを浮かべるムクさん・・・・・って!?
「うわぁ!」
僕は思わず驚いてしまう
「お早う御座います、シネスさん・・・宜しければ今度、私とやって頂けないでしょうか?」
「な、何が・・・?」
「惚けないで下さいシネスさん」
「そうだぞシネス。」
「ご、ご主人!?」
「いやぁ・・・そのシナというグレイシアとそんな仲だったとはな!お前やるな!」
「な、何でその事を!?」
「ほら、あれ」
ご主人の視線の先には昨日シナさんとの行為の途中で出来たシナさんの愛液で出来た小さな水溜りがあった。
(しまった・・・・)
今頃後悔しても遅かった・・・・
「まぁ、お前の言葉もムクのテレパシーのおかげで分かるのは助かったぜ」
「何かあったの・・・?」
後ろを振り向くとシナさんが丁度起きたところだった
「シナさん!」
僕はシナさんに抱きつく
「ちょ、どうしたのよ?!」
「昨日の事ばれちゃいました・・・・」
「えええぇぇぇぇ!!」
「どうだった?二人とも、愛し合うというのは」
僕とシナさんは恥ずかしくって顔を赤らめて下を向く・・・
「ま、異性だもんな!」
ご主人は僕の頭を撫でて部屋を出た
「シネスさん、今度私もよろしくお願いします」
「・・・う、うん」


熱い雪静かな炎完結


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Last-modified: 2015-04-02 (木) 10:22:29
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