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無理無体

/無理無体

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作:からとり

※この小説は官能小説となります。
また、強姦の表現が含まれています。
後ネタばれとなりますが、アブソルが酷いキャラしています。好きな方、本当にすみません




無理無体



「よし、いいぞ! その調子でわざを決めるんだ!」
「う、うん。やってみるよ」
 木々が鮮やかに生えわたる、自然豊かな広大な土地。
 その一角で、ぼくはとあるわざをライボルトから教わっていた。
「体内にある微量の電気を……感じるんだ!」
 電気か……ぼくはでんきタイプのポケモンではない。だから、普段は電気など意識したことはなかった。
 しかし、ライボルトからそう言われると、潜在的に宿っていたぼくの僅かばかりの電気が反応した気がした。
 己の精神を極限まで集中させる。そして――
 ぼくの身体から、僅かな電撃が発せられ、”ひらいしん”の特性を持つライボルトの元へと引き寄せられた。

「やったなマッスグマ! 成功だぞ」
 ライボルトのお墨付きをもらい、マッスグマであるぼくは無事に新しいわざを習得することができた。
 そのわざの名は、“でんじは”。
 元々ぼくには電気わざの素質があると、ライボルトから聞かされていた。だが、いざ自分自身が電気を発する立場になると何だか不思議な気分だ。
 でも、その気持ちも一瞬なもの。次の瞬間には、電気を使えるようになった嬉しさが込み上げてきた。
「でんじは、使えるようになったんだね。嬉しいよ! ありがとうライボルト」



 ライボルトと別れたぼくは、自分の住処へと戻るべく歩みを進めていた。
 ライボルトとは、お互いがラクライとジグザグマの頃からよく遊んでいた、いわば幼馴染のような関係だ。
 彼は幼い頃から、ぼくに色々なことを教えてくれた。幼馴染でもあるが、頼れる兄貴分であるとも思っている。

 今回教わったわざ、 ”でんじは” もライボルトの勧めにより教わった。彼が言うには、護身用に相手の動きを止めるわざを持ち合わせた方が良いということであった。
 確かにそうだ。ぼくはまっすぐ走ることは得意ではあるが、機敏的に動くことはどちらかというと苦手だ。そういう意味でも、しばらく相手の動きを封じるわざは大切であると感じた。
 あと、もう一つ覚えた方が良い理由を言われたっけ。えーと、 ”愛する者を守るため” だったかな……
 それに関しては、ライボルトは冗談っぽく喋っていたけれども。
 ぼくは今の今まで、そういった関係性をもった異性のポケモンはいなかった。また、ぼくの方からポケモンを愛するという感情を持ったこともない。
 いや、本当のところはどうなのだろう。今抱いているあのポケモンへの感情は――

 ふと、ぼくは張り巡らせていた思考を慌てて消し去り歩みを止めた。
 目の前に、黒と灰色の毛並みが特徴の、あるポケモンに出会ったからだ。
 特徴的な毛並みの中には、多くの木の実が顔を覗かせていた。
「やあ、グラエナ! 今日も木の実を集めているのかい?」
「ええ、そうよ……アブソルさんに頼まれていてね……」
 グラエナからの言葉を聞き、やっぱりそうか……とぼくは吐息をついた。
 最近見かける彼女は、木の実を集めている様子であった。それも、アブソルというポケモンに頼まれて……だ。
 アブソルというポケモンにぼくは直接会ったことはない。だが、グラエナからはとても端正な顔つきの、カッコいいポケモンということは聞かされていた。
 別にそれに関しては嫉妬をしているつもりはない。いや、少しばかりはしているかもしれないが。
 ぼくが吐息をついた一番の要因は、アブソルは毎日のように彼女に対して木の実を集めるように頼んでくることだ。
 それも四六時中だ。彼女はほぼ休む暇もなく頼みを聞いては、木の実を集めて様々な場所へ歩みを進めている。とても身体が持つとは思えない。
 現に最近の彼女はやつれていると、ぼくから見ても明らかだった。表情や声音から元気がないと感じられるのは勿論のこと、彼女の誇りだった全身を覆う美しい毛並み。
 これも現在は見る影もなく、泥のような汚れが入り混じっていた。
「ねえ、グラエナ。君の自慢の毛並みも汚れているし、疲れてるんじゃないかな? いい加減たまには休みなよ」
「心配してくれるのはありがたいけど……大丈夫よ。それにアブソルさんの助けになれるのであれば……私は頑張れるから」
 心配してぼくはグラエナに言葉を発するが、彼女にはお決まりの言葉で交わされた。
 会うたびに、こんな調子で流されてしまうのだ。
 そうこうしている内に、 ”じゃあ” と言い残して、彼女は立ち去って行った。



 “アブソルさんの助けになるのであれば”
 この言葉をグラエナはよく発する。ただ、それには確かな理由があった。
 数カ月前、彼女は1匹で山地の道のりを歩いていた。この日は天気も良く、遠くまで散歩をしていたらしい。
 その帰り道、突然前触れもなく崖部分から巨大な岩が崩れ落ちてきた。彼女が気づいた時には、岩は真上まで来ており、もう駄目だと思い、咄嗟に目を瞑っていた。
 その時、天地を裂くような爆音が頭上から響いた。……まだ意識がある? 思わず目を開くと、1匹のポケモンがグラエナの目の前に佇んでいた。
 それが、先ほどから話に出ているアブソルである。つまり、グラエナが巻き込まれたであろう巨大な岩を寸前のところでアブソルが破壊して、危機を乗り切ったのだ。
 彼女からしてみれば命を救ってくれた、カッコいいヒーローである。

 その話を最初にグラエナから聞かされた時は、 ”そんなことができるのか……?” と半信半疑であった。ただ、アブソルには自然災害の予兆を感じる力がある。その力を持ってすれば、可能なのかもしれない。
 とにかく、ぼくとしてもグラエナを助けてもらった件についてはアブソルに感謝したい。グラエナもまた、ライボルトと同様に幼い頃――ポチエナの頃からずっと遊んだりしていた、ぼくにとって大事な友達であったから。

 ただ、その後の彼の行いに関しては疑問符がつく。彼は助けたグラエナに対して、毎日のように木の実を集めさせている。それも一緒に食べるとか、そういうことをせずに全て自分の取り分としているのだ。
 そして彼女が疲弊している姿を見ても、その行為をやめることはない。それは、本当にカッコいいヒーローの姿であるのか?
 だがグラエナは、いくら己の体力が限界になろうとも、彼の頼みを受けて木の実を集めてくる。これは命を助けてもらった恩があるからだと思うが、それ以上に彼女自身の種族の性質なのかもしれない。
 グラエナはリーダーと認めた者の命令には絶対に従う、忠誠心の非常に高い種族だ。
 だから、身体では拒否反応を示していても、本能が休むことを許してくれないのかも知れない。

「でも……このままじゃダメだ」
 無意識の内に、ぼくは呟いていた。
 そうだ。このままではグラエナは確実に身体を壊してしまう。それに、あのアブソルと一緒にいて、幸せな未来が築けるとも思えない。
 彼女はポチエナの頃から、とても無邪気で一緒にいて楽しかった。そして、成長するにつれて可愛らしい仕草も増えて、思わずドキッとしてしまうこともあった。
 当時はあまりこのことについて考えていなかった。でも、今改めて思うと――

 ぼくはグラエナのことを――愛しているのかもしれない。

 ライボルトにも言われた。愛する者を守る――
 ぼくは自分の住処へと向かっていた足を翻し、アブソルの住処を目指した。
 彼の住処は分かっていない。それでも、行動はしなければならない。
 彼女のことを守るために――





 空は既に闇夜に覆われていた。
 ぼくは様々なポケモンたちに聞き出し調査を行った。そして、ようやくアブソルの住処の目途が立ち、小走りで向かっていた。
 しばらくすると、薄暗い森林の中に生える白の体毛が目についた。
 アブソルが見つかった――すぐに彼のもとに駆け寄ろうとしたが、寸前のところで立ち止まる。
 アブソルの他に、ポケモンの姿が見えたからだ。それも、1匹や2匹ではなく、ザッと見ただけでも数十匹はいる。
 ぼくは彼らに気づかれないように、近場にある大きな木の裏に隠れて様子を伺うことにした。身を隠しながら、慎重に周囲の様子を覗き込む。アブソルの元に数十匹はいるであろうそのポケモンは、ヤミラミであった。
「さすがアブソル様! こんなにすごい数の木の実を集めるなんて!!」
 どうやら、アブソルとヤミラミたちは、大量にあるであろう木の実を食べている様子だ。
 確証はないがその木の実のほとんどは――グラエナが集めたものであろう。
「しかし……あのグラエナってやつも馬鹿な奴ですねぇ。騙されていることも知らずに、毎日木の実を渡しに行くなんて」
 ヤミラミの1匹から、耳を疑うような言葉が発せられた。
「おいおい。騙してはいないだろうよ。俺はただ、巨大な岩からあいつを守ったんだからよ」
「たしかにそうですねー ”みらいよち” を使って、影の上にある巨大な岩へ攻撃を仕組んで、図ったように助ける。見事な自作自演でした」
 ゲラゲラと、周囲に響き渡る笑い声の数々。
 ぼくは、突として発せられたその会話に、頭が真っ白になっていた。
「でも、どうするんです? もうそろそろ、あのグラエナも限界なんじゃないですかね」
「構うことはねぇよ、壊れたらそれで終わりだ。捨てれば良いだけだ」
 邪悪な笑みを浮かべながら、はっきりと言いきるアブソル。
 そして、閃いたかのように――
「あっ、でも捨てる前にヤることをヤんなくちゃな……クククッ」









 どうする……どうすればいいんだ!?
 ぼくはアブソルの住処から急いで立ち去り、夜の夜道を駆け出していた。
 あまりの突然のことに、頭が狂いそうになるのを必死に抑えながら考えていた。

 このままではグラエナは心身共にあいつらに壊されてしまう。どうすれば彼女を守ることができるんだ!?
 今あったことを正直に話すか……ダメだ。彼女の種族上すぐに信じてもらえるとは到底思えない。粘り強く伝えれば、いけるかもしれないが……今はそんな時間もないだろう。
 奴らと戦うか……これも難しいだろう。強靭なアブソルだけでもぼくが敵うとは思えない。そして周囲には数十匹ものヤミラミたちもいる……たとえライボルトに協力してもらっても勝つことはできないだろう。

 他にも複数の案がぼくの脳内で思考を始めては、瞬く間に却下される。くそっ!
 どうすれば……一体どうすれば……

 その時、最後にアブソルから口走った言葉が脳裏を駆け巡った
 “捨てる前にヤることをヤんなくちゃな”



 ぼくは今、グラエナの住処である洞窟の中にいる。
 目の前には、すでにぐっすりと眠っている彼女の姿。
 身体が泥だらけにも関わらず、毛づくろいすらせずに眠っている姿を見ると、毎日の過酷な日々の凄まじさを感じてしまう。
 しかし、顔を覗き込むと彼女は幸せそうな表情をして静かに寝息を立てていた。
 最近出会う際の彼女は、いつも苦しそうな面持ちをしていて気づかなかったけれども、改めてその顔を見るととても可愛らしく愛らしく――ぼくの煩悩を刺激する。
 つかの間の休息だけに見ることのできる、彼女のありのままの美しさ。
 この顔をいつでも見ていたい。そしてなにより、それをぼくのものにしてみたい。
 そう思うと興奮が収まらなくなり、ぼくの下部に静かに収まっていたであろう、逸物がうねりを上げてそそり立ってきた。

 ぼくがグラエナを救うために考えた最終案は――ぼくが彼女を襲って、交尾に及ぶことであった。
 もし彼女がタマゴを宿せば、無理してアブソルの頼みを聞くことはないのではないか。
 種族の本能が働いたとしても、そこは雌の持つ本能が勝るのではないかと――そう考えた。
 あとは……もしかしたら、この交尾でぼくのことを頼れるリーダーとして認めてくれる――そんなことはあるはずはない。
 ぼくのやっていることは彼女の気持ちなど微塵も考えていない、ただの強姦行為だ。
 それでもぼくは彼女が大好きだ。そして、彼女を守りたい。
 守るという言葉は――ぼくや彼女と行為をしたいだけの、ただの口実かもしれない。本当に最低な行為だと思う。
 ただ時間はない――どんなに彼女に憎まれても、ヤるしかない。
 ぼくはグラエナに向かって教わったばかりのわざ、 ”でんじは” を繰り出した。




 こんな行為に教わったわざを使うことをライボルトが知ったら、烈火の如く怒るだろうな。
 心の中で彼に ”ごめん” と呟きながら、ぼくはグラエナをマヒ状態にさせた。
 痺れから、すぐに彼女は目を覚ました。そして、目の前にぼくがいることに驚いている様子だ。
「……マッスグマ? どうしてここに……うっ」
 困惑。そしてすぐに襲ってくる電撃の痺れ。
 思わず片目を瞑り、苦しそうな表情で痺れに悶える彼女。
「ごめんよ……」
 ぼくは一言だけ呟き、すぐに行動を開始した。

 ぼくはこういった行為の経験は全くない。
 だが、周りのポケモンからある程度話は耳にしていた。
 実際に本番の性行為に及ぶ前にすることといえば……
 ぼくは思うように動けないグラエナを押し倒して、彼女を仰向けにさせる。
 そして、彼女の下部部分の毛並みを前脚で掻き分け――雌の象徴である秘所を露わにさせた。
 桃色に揺れている割れ目を初めて見たぼくは、思わず見とれてしまいそうになる。
 グラエナはというと、幼馴染であるぼくの突然の行為に戸惑い、そして怯えた表情をしていた。
 必死に抵抗も試みていた様子だったが、 ”でんじは” による痺れからぼくの行為を止めるまでの力は残っていないようだ。
 そんな彼女の様子を眺め、湧いてくる罪悪感――
 ぼくは湧いてくる気持ちを抑えつけ、桃色に光る割れ目に自らの舌を挿入する。
「あぁっんっっ……」
 グラエナが身体を震わせる。これは痺れだけではなく、感じてくれているのかな。
 そして艶を含んだような喘ぎ声。もちろん、初めて聞いた。そしてそれは、ぼくの舌の速度を自ずと加速させた。
 加速するに連れてグラエナはより激しく、色のある音色を発する。
 そしていつの間にか、割れ目には甘そうな雫が中から湧き始めていた。
 ぼくはその雫も味わいさらに舌を内部へとかき乱し、雌の味を貪る。
「あっん……ひゃあぁっん……!」
 そして彼女は絶頂を迎え、甘い雫がブシャっと周りに噴き出された。
 雫はぼくの顔にも張り付くようにかかっていた。それでも、その感触はとても暖かく、そして心地良い。
 顔についた雫を舐めとり、休む暇もなくぼくは本番行為に挑もうとしていた。
 今の舐め回しで彼女の秘所は準備を終えており、そしてぼくの逸物は先ほどの行為により、痛くなるくらいに大きくなっている。
 逸物を挿入する前に――ぼくは彼女の顔を覗き込んだ。
 荒い息遣いに、快楽を底から感じているであろう表情。全てがとても可愛らしい。
 いや、それでもぼくは気になっている。おかしいな、あんなに覚悟をしたはずなのに。
 恐怖に震え、涙を流している目に―― ” やめてっ!” と必死に伝えようとしているその口の動き――



 本当にこれでいいのか――
 彼女を守るため――?
 彼女を救うため――?
 いや、絶対に……違う!
 これじゃあ、ぼくが彼女を壊しているだけじゃないか……!!
 


 知らぬ間にぼくの瞳は、潤んでいた。
 瞳から頬に、そして仰向きになっているグラエナのお腹にもその涙が落ちる。ボロボロと。止まりそうにもない。

 ごめんよ……本当にごめんよ……





 ぼくは予め用意していたクラボの実をグラエナに食べさせた。
 身体の痺れが消え去り、少しばかり興奮が収まってきた彼女。
 ぼくは彼女の顔を見ることなどできなかった。ただ、俯いて隣に佇んでいただけだった。
「ねぇ、なんでこんなことをしたの……?」
 君を守るため……などと言える訳はなかった。
「あのさ……私、怒ってないよ……? 幼い頃からあなたがとても優しいポケモンであることは知っているから……何か、理由があるんでしょう?」
 とても暖かみのある声だった。本当にありがたかった。
 ぼくはその彼女の言葉を受けて、より申し訳ない気持ちが膨れ上がっていた。
 そして、少しずつ、これまであったことを正直に話していった。


 
 グラエナはとても真剣な表情で、ぼくの話を全て聞いてくれた。
「そっか……全てはアブソルさんが……」
 彼女は意外にも冷静に話を受け止めてくれた。時々、少し寂しそうな表情も見受けられたが。
「マッスグマ……実は私、薄々は気づいていたんだ。アブソルさんに、いいように使われているってことはさ……」
 思いもしない言葉を聞き、ぼくは思わず目を見張った。
「それでも、毎日頼みを聞いていたのは……怖かったんだ。頼れると思っていたリーダーを、失うのは……」
 彼女もわかっていたんだ。それでも、グラエナという種族の本能が、やっと見つけたであろうリーダーを手放したくなくて――
「体力的にも精神的にも辛かった。でも、今日で気持ちも変わったんだ……新しいリーダーを見つけたから……」
 新しいリーダー? ぼくが思考を張り巡らせようとしたが、思わぬ行為により中断を余儀なくされる。
 気がついたらぼくの口に、グラエナの口が重なり合っていた。
 そして彼女の舌がぼくの口をこじ開け、びちゃびちゃと音を立てる。
 彼女の舌にぼくもつられて、互いの舌を絡ませ合う。
 濃厚で、激しいとも思える感触を2匹でゆっくり、ゆっくりと味わっていた。
 舌での堪能を終えた後、グラエナは口を離す。怪しく輝く唾液が一瞬2匹を結び、そして落ちる。
「あなたは昔から私のことを優しくしてくれた……そして、今回も私のことを強く想ってくれた……こうでもされなきゃ、私はずっと逃げてたと思うの。……大好きよ」
 愛する者からの、告白の言葉。ぼくは一瞬夢なのではないか……とも思ってしまったが、これは夢ではない。ぼくの心が自然と踊っているのが感じられた。
「あんなことをしたのに……好きと言ってくれてありがとう。ぼくも心から……きみのことを愛しているよ」
「ありがとう。そしてさっきしてくれた行為なんだけど……私もあなたにお返ししなくっちゃね……」
 そうグラエナが言うと、ぼくの逸物から思わぬ感覚が襲ってくる。
 見ると彼女がぼくの逸物を前脚で――爪で傷つけぬように触っていた。
 彼女にモノを触れられている。それだけでぼくの逸物は再び、天高くそり立った。
 逸物がそり立つことを確認した彼女は、口でぼくのモノを咥えた。
 ぼくは今、愛する者からの、最高の奉仕を受けているのだ。
 逸物が経験したことのない不思議な――何よりすごい快楽を感じている。
 ぼくの身体は今、未知の心地よさが広がっている。
 そんなぼくの様子をみたグラエナは、より刺激的に、逸物を舐めまわしてくる。
 さらなる快感に、ぼくの逸物はもう限界だった。
「グラエナ……で……るぅぅ!」
 言い終わるうちに、ぼくは逸物から白い液を吐き出していた。
 ドクッドクッと精液はしばらく逸物から垂れ出し、グラエナの口の中を満たす。
 彼女はその白い液を飲み込んでいった。
 飲み込んでいる際に彼女は一瞬、顔を歪ませたように見えた。それでもその液を飲み続けていった。
 そうして、飲み終えた後に逸物から口を離す。彼女の口元は白い液で汚れており、何だか申し訳ないようにも思えた。
「最初は苦いとも思ったけど、マッスグマの気持ち良さそうな顔を見てたら飲むのに夢中になっちゃった」
 妖艶に笑いながら、そう囁くグラエナ。
 息を整えながらも、ぼくは彼女のその言葉と表情によって、先ほど液を吐き出したばかりの逸物もすぐに元気になってしまった。
「ねえ……マッスグマ……来て……」
「……ありがとう。行くよ」
 ぼくはグラエナの言葉の意味をすぐに理解した。ぼくも、彼女と一つになりたい。
 お互いが納得して、本心で愛してあっている今はより強く思う。
 仰向けになったグラエナの雌の割れ目に、ぼくの逸物をあてがい、慎重にその中へと進めていった。
 お互いに心身ともに準備を終えていただけに、挿入自体は問題なかった。ただ2匹共に未知の快楽であるそれは、激しすぎる刺激を感じされていた。
「ううっ!」
「…あぁっん」
 そして、ある場所で逸物は止まった。内部には、侵入を防ぐ壁があったからだ。
「グラエナ……」
「……いいよ」
 確認を終えると、ぼくはより力を込めて、その壁を破る。
「うっ……あああっ」
「グ、グラエナ。大丈夫か?」
「うん、なんとかね……それよりも、早く来て……」
「よし……行くよ!」
 痛くても笑顔で声をかけてくれる彼女のためにも、ぼくは逸物を少しずつ、上下へと移動させた。本能的に、どんどんその動きは激しくなっていく。
「はぁはぁ……気持ちいいよ、グラエナ!」
「ひゃああん、わたしもよ! マッスグマ」
 愛の刺激が、ぼくを、そして彼女の全身を駆け巡る。
「もうだめ……いくよ……っ!」
「私も……いくぅぅ!」
 ほぼ同時に、ぼくたちは絶頂を迎え、精液と雫が放たれた。






 あの夜の後、ぼくたちはライボルトにアブソルのことを相談した。
 ライボルトは周囲にいる仲間たちに声をかけていき、数カ月後には合計で数百匹ものポケモンたちが集まってくれた。
 そのポケモンたち総出でアブソルたちの元へ向かった。
 さすがにアブソルたちも数百匹ものポケモンたちをみて敵わないと判断したのか、もう悪いことはしないと誓って他の地へと旅立っていった。
 その後、ぼくとグラエナは正式に契りを交わした。
 今では可愛らしいポチエナの子供も生まれて、2匹とも子育てに奮闘中だ。
「ほーら、たかーいたかーい」
 そして、ライボルトもよくぼくたちの元を訪れてくれて、ポチエナと遊んでくれる。
 彼はぼくたちが契りを交わした際も、快く祝福してくれた。本当に頼りになるナイスガイだと思う。ただ勿論、 “でんじは” の件は彼には話していない。話したら彼も傷つくと思うから。
 そして、強姦行為をしたにも関わらず、ぼくを心から愛してくれたグラエナ――彼女には本当に感謝をしている。
 まだぼく自身は、取り返しのつかないことをしてしまったという自責の念はある。それは、一生抱えなくてはいけないものだと思っている。
 ただ、それをグラエナに――周りのポケモンに出すことはしなかった。出したところで、誰も幸せにはならないからだ。

 ぼくができること――それは彼女と、子供を幸せにするために力を注ぐことだ。
 今日も前を向いて、家族のために頑張るぞ!



 End






ノベルチェッカー

【原稿用紙(20×20行)】 31.5(枚)
【総文字数】 9123(字)
【行数】 306(行)
【台詞:地の文】 14:85(%)|1327:7796(字)
【漢字:かな:カナ:他】 30:58:6:4(%)|2814:5294:630:385(字)



〇あとがき

 第七回仮面小説大会以来の投稿となりました、からとりです。
 今回は期日までに(ギリギリですが)投稿することができましたが、
 結果は0票ということで……すみません。
 投稿した直後に他の作者様の投稿作品を読み進めましたが、
 テーマといい描写といい官能表現といい、とても素晴らしく楽しめたと同時に
 自分の作品の未熟さを痛感しました。
 感じた反省点を次に生かして、今後も作品を執筆していこうと思います。

〇作品について

 愛のある、優しい強姦を書きたかった――
 ……のですが、急展開過ぎてよく分からないことになっていますね。
 技量の不足はもちろん、そもそも文章量が少なすぎたのが大きな反省点であると感じています。
 登場ポケモンの選定としては、グラエナの図鑑説明にある"リーダーには逆らわない"
 部分が作品に合うと思いそこは確定させて。そこから周りのポケモンをホウエン組で
 埋めていった形となります。グラエナもマッスグマもかわいいよかわいい。
 作中ではかなりあくどい感じにしてしまいましたが、もちろんアブソルも好きです。




 最後になりますが、作品をご覧になって下さった皆様。大会主催者様。
 本当にありがとうございました。



 感想、意見、アドバイスなどがあればお気軽にお願いします。

最新の10件を表示しています。 コメントページを参照

  • ひとりで抱え込み、先に交尾してしまえばいい、と、短絡的な結論に走ってしまうマッスグマさんの、その背徳感が素敵。ゾクっと来ます。
    守りたいからこそ、理性的な部分では襲うことを拒んでいて、葛藤の中で酷く自己嫌悪する様など本当に愛おしいです。
    なんだかんだでそれを受け入れ、リーダーとして慕うグラエナさんのその恍惚とした様子もとても素敵。彼ら彼女らが末永く幸せでありますよう。 --
  • 短絡的に動いてしまうマッスグマですが、彼の誠実すぎる性格が逆にそうさせてしまったのでしょう。
    守りたい想い、助けたい想い、雄として襲いたい想い、結ばれたい想い……色々な葛藤の中で苦しみながら行動する姿、私も大好きですw
    グラエナも今までのマッスグマの姿を見てきたからこそ、彼の行為が心に響いたのでしょうし、本当に彼ら彼女らには幸せに過ごしていてほしいものです。

    ご感想、本当にありがとうございました! -- からとり
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Last-modified: 2015-12-19 (土) 23:05:51
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