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炎熱の片想い

/炎熱の片想い

執筆者:フォート ?
全部書き直してます。まだ途中。



鬱蒼と生い茂る草木は互いにひしめき合い、姿形を様々に変え見る者を楽しませる。
果てしなく広がる樹林には天道の日差しが眩しく、しかし暖かくもあり、木陰と相まって程よい気温を保たせている。
時折過る風は遥か遠方に群れる木々をも揺らし、爽やかな音を奏で、巻き上がる木葉は来るものを歓迎していた。
――それは名も無き、人里から何里も離れた壮大な森。多種多様な生物が訪れ、個々に様々な生態系を組み敷く。
そこに、生物と植物と言う隔たりは無い。生物が植物を食すのなら、植物はそれに負けじとさらに増加し、生物はそれをさらに食す。
当然互いに食し合うことも稀ではないだろう。
人知的な介入は一切無い。まさに言葉どおりの食物連鎖が、そこには何の不自然も無く繰り広げられていた。
何も知らずに足を踏み入れたのならば、生息する数え切れないほどの動植物が織り成す非現実的な景観に圧倒され、図らずも感嘆の念を上げてしまうだろう。
が、そこは広大で複雑な森。興味本位で一度足を踏み入れてしまったなら、あっという間も無く迷い、原生物に帰らぬ姿とされてしまう。
よって人間が無闇に近寄ることはまず無く、森の安全は常に保障されていたのであった。
そんな平和な森の一端。木々がまばらで、開けた――というよりは、無理やりこじ開けられた、と言った方が正しいだろうか。
獣道と言っていいであろう、蹴倒された木々が、踏み倒された草木が野性的な魅力を醸し出す道があった。
無残にも手折られた花の茎が、しかし心は折れまいと目を吹き出し、生命力の強さを見せ付け、木漏れ日がそれを応援するかのように当たる。
そんな、まさに生命の神秘の縮図と言える光景が当然のように起きる獣道に、一匹のポケモンが迷い込んで来た。

「うう……ここ、どこだろう……」

学術的名称、ロコン種。
あまりこの緑一色の風景に相応しくないが、木の幹になら合うであろう赤茶色の体、愛らしい小ぶりの両耳、額の巻き毛、
そしてそれぞれがくるりと丸まった六本の尾を揺らし、紅い瞳をきょろきょろしながら歩いていた。
背丈は小さく、木の幹を四等分しても届かないほどである。
ロコンなどといった炎を宿す――炎タイプのポケモンが、森に姿を現すことは非常に稀であるが、この果てしなく広大な森の中ならそういった超自然の怪異もあっさり受け入れられるだろう。
そして炎を操るが故、この森の一体を占拠することなど容易い事であろう。ふっと火を吹けばたちまち地獄絵図の出来上がりなのだから。
周囲の生物も恐れおののき、道を開けてしまう。……の、筈なのだが。

「姉さん……どこ?」

めそめそと、幼い顔立ちに悲しみいっぱいの表情を浮かべ、耳を下げ今にも泣き出しそうな雰囲気を放つそれには、少なくとも他者が畏怖の対象にするには難しいというものだった。
そうしてうろうろと何かを、誰かを探すように頼りなく歩く彼に、道端に追いやられた草むらが反応したかのように揺れる。
気付き、ぴくっと小さく跳ね、ぴんと耳を立て毛を逆立てた彼は歩みを止めた。
多少の狼狽を残しつつも、恐る恐る彼から見て右手の、木々の隙間にある草むらに視線を向ける。

すると、一匹のポケモンが踊り出てきた。



(更新停止中)


中書

ものすごい間が空いてすみません。ようやく全て書き直した上で、携帯のメール保存ボックスの中では完結できました。
……が、打ち込む作業がそれに追いつきません。思ったより長くなりましたので気が持ちません。視力が落ちます。
ここまでは前と変わらないのですが、ここから少しづつ変わって行きます。
新しいPCを購入し次第、時間を見つけてちまちまと打っていきますので、しばらくお付き合い下さい。

話が違くなるのでコメントを一端リセットしておりますが、頂いたコメントは有り難く保管してありますし、元の話も保管してあります。

最新の10件を表示しています。 コメントページを参照

  • 深夜はどうもありがとうございました。
    前回よりもイメージが湧きやすく、読みやすく感じました。続きに期待しております。頑張ってください。 -- 想夏 ? 2008-12-31 (水) 18:57:38
  • >>想夏様
    こちらこそ、ありがとうございました。そう感じていただけたのなら幸いです。
    コメントありがとうございました。頑張ります! -- フォート ? 2008-12-31 (水) 23:29:03
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Last-modified: 2009-12-01 (火) 00:00:00
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