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災いを背負う者

/災いを背負う者

こんにちは。南十字です。
リクエスト作品を同時執筆という無謀をやらかしております。とりあえずリクの多かったアブソルです。リクありがとうございました~♪
そしてなんとジャストタイミングで春風さんと登場キャラというか主人公がかぶっちゃっています(滝汗

それでは、前置きはこの程度にして
はじまりはじまり~♪




南十字



!!注意!!
修行用作品ですのでクオリティの低さには目をつぶっていただけたらと(汗
久しぶりの一人称で緊張していますorz
官能小説です。しかし描写力が足りていないので煩悩小説の方が表記が正しいかと(滝汗
危険な表現にはGLがあります。   実は得意ではないんですよね(滝汗






「なによなによなによなによぉっ!」
私の名前はラフィー。アブソルっていう種族がらいじめられてるわ。今日もポケモンの集落を追い出されたところ。  そしてさっきぼこぼこに殴られてきたの。
私を宿に泊めてもらえた時には歓喜したわ。でも翌朝、村のポケモンに見つかって身ぐるみみんなはがされてきたわ。ポケモンの世界で通貨として役に立つ木の実、装飾品。どれも生きるのに大切なものをすべてはがして駄々をこねる私を村から無理やり放り出したわ。その時にだいぶ殴られたみたい。右後ろ脚がずきずき痛むわ。折れてなければいいけどね。

怒りに草を踏みしめ石を蹴り転がし憤りをあらわにしていたのはほんの数分。歩き疲れてか私はとうとう力尽きた。 当然、結局宿に泊めてもらえても食事は出ていなかったんだもの。これで2日は食べ物らしい食べ物を食べていないわ。その間水も飲んでいないわね。木の葉をかじって水分みたいなものをとっていたわ。でもそれも持たなかった。
私はぬかるんだ泥の上で倒れた。四肢に力なんて入れる気力すら起きない。でも、こんな中涙だけは出てきた。ここで私は死ぬ。そのことは誰も悲しまない。私がいつどこで消えようとも誰も悲しまないし誰にも影響はしない。むしろ私の死体を見て喜ぶ者もいるのだろう。



―――――――だって私は災いだもの。




                  ~災いを背負うもの~

ブ  ナティ   太陽神トナティウ   
あ  ラフィー  七大天使 明けの明星 セラフィル
ラ  ウィトリエ チャルチウィトリクエ 水の神

プレイ  ソクノの実




気がついたら私は雲の上でもなく先ほど倒れた泥の上でもなくひんやりした洞穴の中に横たわっていた。私の上には体を温めるためか藁のような枯れ草がかけられていた。
ここはどこだろう。私は辺りを見回す。そこには数本の短く切られた竹筒のようなもの、木の実の入った藁で編んだバスケット、そして木を切って作られた棚のようなものが置かれていた。しかし、棚の上にはなにも乗っていなくて何に使われているのかよくわからなかった。
とにかく、今わかることは私は死んでいないということ。でも油断はできない。と、いうか……さっき死なせてくれればよかったのに。どうせ私を助けるだなんてろくでもない理由に決まっている。こんなアブソルだからこそ体を目的とした誘拐は楽じゃないの。そんな屈辱、味わうくらいなら死を選ぶね。
だいぶ眠っていたみたいだし右後脚はまだ痛むけど歩けないわけじゃない。私は丁寧に掛けられた枯れ草を乱暴に払うと痛む足を引きずりながら洞窟の外へ出ようとした。しかし、洞窟の外へ出ようとしたところなにかが私の前に立ちふさがった。私は逃げ切れなかった不運を心の中で嘆いた。どうせろくでもない変態がそこにいるんでしょ。渋々顔を上げたところにいたのは……心配そうな顔をしているブースターだった。
「……大丈夫?  まだ休んでてもいいんだよ?」



結局目の前のブースターの言葉に甘えたの。なんでだかよくわかんない。目の前のブースターの顔見てたら信じられちゃった。なんかとても優しそうな顔してた。でも、回復したらここを離れるつもり。目の前のブースターみたいな優しいポケモンに甘えてブースターに迷惑なんて掛けたくなかったしっ……!?
「いたたたっ!いたいいたいっ!」
「あ……。ごめんごめん。  でも折れてないみたいでよかったじゃない」
そう言ってにっこりほほ笑むブースター。触るんならちゃんと言ってから触ってよね。インファイトくらわされて痛むんだから……。
そんなずきずきと痛む右後脚にブースターは首からかけていたひも付きの竹筒を首から外すと3本ほど右後脚にくっつけた。
うぅ~ん。ひんやり、ひやっこいね。あの竹筒の中には水が入れてあるみたいね。こうして冷やしてもらえるだけでだいぶ痛みが取れるし熱を帯びていた足が冷やされてとても気持ちいい。私が気持ちよく目を細めているとブースターが声をかけた。
「そういえば……、君の名前はなんていうの?」
「フツーは訊く方から名乗るモンでしょ」
そう言ってふいとそっぽを向く。怒るかと思ったけど意外とやさしい声で言った。
「ごめんごめん。僕はナティ。 御覧の通り、ブースターだよ」
「そう、私はラフィー。  …よろしく」
「うんっ。  よろしくね」
そう言って前足を差し出すブースター。渋々ブースターの前足に私の前足をを差し出したら急に握って握手された。 私にはわからない。私を助けても損ばかりのはずなのになぜ私を助けるのか。私といて何かいいことでもあるのか。   あったとしても私にはわからない。
私は訝しげな顔をしてナティを見た。目の前のにこにこしているブースターが何を考えているのかさっぱり分からない。私の表情に心配に思ったのかナティはほかに痛むところはあるか訊いてきた。私はその問いに軽く首を横に振ると再び枯れ草をかけなおしてくれたナティに軽くお礼を言って眠りについた。




起きた時、洞穴の外を見ると空が赤かった。変な時間に起きてしまったものだと思う。ふと横を見てみるとナティは丸まっていた。妙な安心感に包まれるとともに今までが急展開と幸運過ぎて忘れていた空腹感がよみがえってきた。洞穴の奥にしまいこんである木の実を今すぐ食べてしまいたかったが、いくら優しいナティだとしてもそんなことをしたら怒るだろう。
いや、その前に私はここにいると迷惑にしかならない。それならさっさと腹を膨らませてここから出て行った方がいいにきまってる。食い逃げをすれば怒るだろうがそんなことは逃げた私に関係は無いはず。逃げだすには今が絶好のチャンス。私が上に掛けられている藁を払うのとナティが起きるのは同時だった。私はため息をつくと起き上がろうとしていた体を再び地べたへと転がした。もういいや。なんでこんなにもナティは間がいいのだろう。私とは大違い。
「ん……。おはよ。ラフィー…」
目をごしごしこすりながら私にそう言った。私は苦笑して「おはよう」と返す。
「んぅ~……。よく寝たぁ…。   あ。もうこんな時間。
 ラフィー、ご飯食べよ」
あくびしながら伸びをしているナティをみて私はますます迷惑をかけたくないのにと複雑な気持ちになった。しかし、空腹とナティから分けてもらえた安心感には勝てなかった。
「うん」
私は目を輝かせてそう言ってしまった。




「ふぅ…。ごちそうさま」
私はおなかをさすりながらそう言ってにっこりと微笑んだ。
「う、うん……。すごい食べっぷりだったね……」
ナティはそう言うと空になったバスケットを見て苦笑いした。その後、私たちは2匹で寝床を作るとさっさと眠ってしまった。







翌朝、私の足の痛みはすっかり引いていた。別段驚いたりもしないけど。いつも大きなけがをしても私たちはたいてい1,2日で治ってしまう。それに、昨日私が寝ている間に再び水で冷やしてくれたナティのおかげでこうやって早く治ることができた。そしてそのナティは今いない。私が起きた時にはすでにナティはいなかった。ただ洞穴の中にあったバスケットと数本の竹筒がなくなっているのを見ると木の実と水を調達しに行ったのかもしれない。昨日、うっかりバスケットをからなんかにしちゃったからなぁ…。いくらおなかが空いていたとはいえ流石にあれはまずかったかもね。それに、食料とかの調達なら私も起こして連れて行けばよかったのに。
そんなことを考えていると洞穴の外から何者かが近付いてくる。わかってはいたけれどやっぱりナティだったね。と思ったら背中にバスケットを乗せていて危なっかしい足取りでこっちに向かっていた。正直、もうそろそろ落とすね。私の鎌がそう告げている。私の鎌は小さな災難も見逃さないのよ。
「あ。ラフィー。  これ……重っ……」
言い終える言い終えないかのうちにナティは前につんのめって背中のバスケットを落とした。あ~ぁ、言わんこっちゃない。散らばった木の実と苦笑いしているナティを見て微笑ましく思えてきた。私はナティを助け起こすと散らばった木の実と竹筒を集める。そして、2匹で笑いながら洞穴へと入った。








結局それから何事もなく1日を終えそれぞれの床へついた。ただ私の心は未だ晴れない。街から街を転々とさまよい怪我と空腹に耐えながら当てもなく歩き続けてきた毎日と今のナティとの生活を比べると雲泥の差がある。でもこのまま甘えていていいのか、それが問題。私の生活はともかくとしてナティが困らないかということ。幸いここ2日間、ナティが他のポケモンと交流を持っている気配はない。私がいることに関しての周りの目は気にしなくてもいいんだけど、ナティの生活を苦しくするのはいやだ。親切にしてくれているのはありがたいんだけどナティは親切というか度の過ぎたお人よしのような気がする。簡単にだまされるんだろうなぁ。とナティのこととこれからのことを考えながら私は眠りの中へと落ちて行った。




「おい災い。お前が近くにいると不幸になるんだよ」
ああ、なんだ。
「あなたの災いのおかげで私の夫は負傷したのよ……」
またこれか。
「どうしてお前なんかがこの世に生まれたんだ?  いらないんだよ!」
またこの夢か。

真っ暗な闇の中を私が歩き続けるこの夢。聞こえてくる声はみんな私の存在を否定している言葉。そして、私が生きていくうちでみんな聞いたことのある言葉。
日に日にこの暗闇は長くなってく。聞かされる言葉もどんどん多くなっていく。
こんなもの、聞き飽きたね。何度も何度も同じ場所を殴られれば痛みを感じなくなるのと同じ。やり返すのはめんどくさいし私が災いを呼んでるんじゃないって弁解をしても9割5分のポケモンはまともに聞いてくれない。

そんななか、いつもと違うものが見えた。暗闇の先にある明るい光。眩しい光ではなくて、たとえるなら炎のような明るさ。そんな明るさが見え私はそこへと走っていく。
そこにいたのはナティだった。私は夢の中であることも忘れてナティに歩み寄った。救ってほしかった。こんなわたしを助けてくれる何かを求めて私はナティに近寄る。ナティならきっと手を差し伸べてくれる。そう思って安心しきっていた私に目の前のナティは言った。
「ラフィー。君、災いなの?」
突然のナティの質問に驚きつつも私は必死に首を横に振りナティの質問を否定する。瞳が涙で潤んできている私にそれでもかまわずにナティは話を進める。
「だって、この声はなに?   ラフィーは悪いポケモンなの?」
そう言ってナティは宙に前足をかざす。そこに吸い寄せられてきたかのように聞こえる悪感情に満ちた怨嗟の声の数々。ちがう。私じゃない。やり場のない怒りを勝手に私にぶつけているだけなのに。どうしてナティ?私を信じて。私を守って……。
「ほら。こんなに……。これでもラフィーは悪いポケモンじゃないって言いきるの?」
「そうよ!私は悪いポケモンなんかじゃない!  信じてナティ……」
そう言ってナティに歩み寄ろうとした時にナティが声を荒げて言った。
「やめろっ!  君が近くにいると不幸になる」
そう言ってくるりと踵を返し光の中へとナティは消えて行く。
待って……。置いていかないで……。  私を一人にしないで……。

やっと……やっと信じられる友達ができたと思ったのに…。
まって、行かないで。止まってナティ。

待って……待って…………待ってよナティ!      



待ってよナティ!!



「待ってよナティ!!」
私は半身を急に起こし目の前に前足を空虚を空しく掴もうとするように突きだした格好で眠りから覚めた。先ほどの光景がフラッシュバックする。丁度この洞穴みたいに自分のいるところが暗くて奥だけが明るい。でも、でも違う。ここには私を絶望させる暗さはない。
近くで何かが動く気配がしたけど私は気を留められなかった。私はナティの名前を何度も何度も呼びながら泣いた。溢れ出した涙が胸の体毛を濡らしていくのを見かねてかナティの温かい舌が私の頬を伝う涙を拭っていった。
私が泣き続けている中、ずっとナティは私の頭を撫でながら涙を舐め取ってくれていた。やっぱり夢の中のナティはナティじゃない。妙な安心感が私の中に充満して先ほどの索漠とした気持ちはどこかへ行ってしまった。涙が直に止まり最後の1滴をナティが舐め取るとナティは私に向かって笑って見せた。
あ~ぁ。情けないところを見せちゃったな。目の前のナティを見るのが恥ずかしくって私はそっぽを向いた。


それから今日は一日中ナティと話していた。案の定この近辺にポケモンは住んでいるもののナティは友達らしい友達はいないようだった。つい最近ここに住み着いたのだとナティは語った。私たちは昼食を済ませ話題は私のことに移った。
どうして後脚を痛めていたのか。なぜあてのない旅をしているのか。なんで行き倒れていたのか。ナティは訊きたいことは山ほどあるように思えた私はナティに包み隠さず話すことにした。居候の身のくせに自分のことを黙りとおすほど私は無神経じゃないし、ナティならきっと私のことをわかってくれると信じていた。
「それじゃあ、話すわよ。まず私の種族名って……ナティ知ってる?」
「ううん。わかんない」
この時点で私はすでに緊張して固まってしまった。「アブソル」という種族名を口に出して私がここに居続けることができるのか怪しい。もしかしたらナティに追い出されてしまうかもしれない。緊張の汗が垂れる。でもナティに嘘をつくことは私自身の心が許さなかった。
「私の種族名はアブソル」
「アブソル……?  昔どこかで聞いたような気が……あぁ、あの災いを呼ぶっていうポケモン?」
まるで他人事のように言うナティ。だからそのポケモンが今あなたの目の前にいるんだってば。
「それで、ラフィーは僕をひどい目に合わせるの?」
「そんなことしないわ。  ……というかできないわ」
そして私は前足で自分の鎌を軽くとんとんと叩くとナティに言った。
「昔、私たちにはある使命があった。住処の近くにある集落にこの鎌で感じ取った災いの予兆を伝えに行くっていう役割がね。
 でも、結果アブソルが集落に来た後災いが起こることから多くのポケモンはアブソルが災いを引き起こすと考えた。
 そんな危なっかしいポケモンは追い払うのが一番だと考えたポケモンたちはアブソルの追放を始めたわ。
 そして私たちのような住処の知られていたアブソルたちは殺されるか逃げるかのどちらかしか残っていなかった。
 それで逃げて逃げて、行き倒れた私をナティが拾ってくれたわけ」
ナティはしばらくぽかんと口を開け私を見ていたがしばらくすると地面に頭を伏せて体を震わせて言った。
「ご、ごめんっ!  僕、そんなこと知らずにさっき君にすごく失礼なこと言っちゃった…。本当にごめんなさいっ!」
「……顔上げて。知らなくて当然なんだもの。仕方ないわ」
「でも………」
「でもじゃないの。私がいいって言ってるんだからいいの」
そう言ってナティの顔を上げさせるとにっこりと微笑んで見せた。





その日の日中に水を汲みに行った。……今度はもちろん2匹で行ったわ。その時、思ったよりも泉が遠いってことを知った。こんなに遠くてはいくら住み心地のいい洞穴があったとしても暮らすと決めるポケモンは少ないでしょうね。
泉につくと私はフレイに言われた通りに竹筒の栓を失くさないように分かりやすい石の上に置くと竹筒の中にたっぷりと水を入れた。フレイによるとここの泉の水は年中通して水が冷たいのだそうだ。全ての竹筒に水を入れ終わり首にぶら下げようかと思いふとフレイを見ると何とも気持ちよさそうに水浴びをしている。
そう言えば私もしばらく水浴びしてなかったな。体毛がほんの少し灰色に近くなっているのに今更気がついて苦笑した。白と黒のコントラストが昔の私のお気に入りだったのにいつからこんなにも疎くなってしまったのか。きっと旅を続けていたせいだろう。そう思い私は水の中に浸り毛にたまった旅の汚れを丹念に落とした。

それから冷たい泉に体を浸し目を細めている私をフレイが苦笑していたのに気がつき顔を赤くして泉から出た。竹筒を首から下げる前に体を細かく左右に振り毛についた水を飛ばす。もちろんナティにはかからないように注意しながらね。
泉から出てきた私の体は自分でも驚くほど雪白な色合いをしていた。今までどれだけ自分が薄汚れた体をしていたのか思い知らされた。今度からまめに水浴びしよ…。


水を汲みに行ったあとはそれほどやることもなく日が沈み始める時までずっとナティとゴロゴロしていた。ゴロゴロしているうちにまぶたも重くなっていって………


気がついたら夜になっていた。しかも深夜。藁もかけられていないところを見るとナティも一緒に寝たのかと思いきやナティの姿が洞窟の中に見えない。変だなと思い立ち上がろうとしたところ後ろ足の付け根のあたりに何か違和感を感じた。まさかと思い前足を持っていきそっと後ろ足のあたりを探ってみる。……案の定、前足が濡れたのを確認すると濡れた前足を地面につけないように3本足でぴょんぴょんと跳び外へ出て前足を月明りに照らしてみた。血がほんの少しだけ薄くなったような液体が前足についているのを確認すると私はため息をついた。
なにもこんな時に来なくていいのに………。
自分の体に悪態をつくとナティのことはいったん置いて午前中に言ったあの泉へと眠気でふらつく体を揺らしながら向かっていった。

「…あれ? ナティかな………」
泉には先客がいた。ナティが月明りを受けて光る泉の水を自分の腹部へかけているところだった。私は……別段やましい理由があるわけじゃないよっ?ただの生理現象だから仕方がないことだとは分かっていながらも………やっぱり恥ずかしいよ…。
ナティは気がとっても利いていてとってもキレイ好きだけど、雄であることには変わりないよね?そんな雄のいる前で発情期に入りかけているうえに生理まで来てしまった私が体を洗うだなんてそんなの無理だった。帰ろうかと一瞬思ったけど赤っぽい染みが白い体毛についたらそれこそ悲惨以外の何物でもないし自分で舐め取るのはここまで来ておいてやりたくない。
結局私はナティに気がつかれないようにそろそろと泉へと向かった。
「わっ。ラ、ラフィーっ!?」
泉の水に触れたところ気がつかれたのかナティが柄にもなく大声を上げた。とても上ずってて雌の悲鳴に聞こえなくもない。私は申し訳ない程度に頭を下げると泉に入って体を洗おうとした。

少し離れた場所から聞こえるもう一つの水音。それを意識しない程私は我慢強い雌ではなかったみたいね…。何度も何度もナティの方を向いては顔を振り自分の下腹部へと水をかける。乾ききっていないのが幸いですこし撫でる程度で血のようなものは落ちてすぐにきれいな純白の体毛に戻った。……流石に後ろ足のあたりだけ洗っていくのは違和感があるだろうし私は泉の中へと体を浸す。ナティも泉の中に体を浸けているようですぅっと私の方へと寄って来た。
「ふぅ…。やっぱり水浴びは気持ちいいよね。   あ。さっきは大声出してごめん……」
「え、あ……うん。気にしないでよ」
私は視線を宙に泳がせてそう言った。今はまともに目を合わせられなかった。
ナティは私にとっての命の恩人だったし、優しいし、何より私を差別することなく接してくれた。昔聞いたことのある迷信よりも私のことを信じてくれた。それがたまらなく嬉しくって……。
でも忘れちゃいけないことがある。ナティにはナティの生きる道がある。そこに災いと呼ばれる私がいていいわけがない。ナティのことは……その…好きだけど。でも、私が一緒にいていいようなポケモンじゃない。いつかはわかれなくちゃいけない。私がナティの生活を壊さないうちに、私は去らなきゃいけない………。
「ナティ……」
「ん?  どうしたの?」
口からついうっかり漏れてしまったナティの名にナティが反応して聞き返そうとした。その優しそうな透き通った瞳を見た途端に自分の心がどれだけ濁っているのかを知らされたような気がした。
「わ、私帰るっ……!」
私は逃げるようにして泉から出た。 私は本当に逃げたかったのかもしれない。どんどんナティの優しさに引き込まれてナティが私のすべてになりつつあるこの気持ちから。私がこの気持ちに飲み込まれる前に、ナティ無しじゃ生きていけなくなる前に、私はこの気持ちを捨てたかった。  私はきっとナティのあの優しさが怖かったんだと思う……。

ただ、このままナティの洞窟へと帰ることはできなかった。このまま帰ってしまったらもうナティから逃げられないような気がした。こういうことも鎌が反応してくれればいいのに。私はナティの住処から大きく外れた獣道へと入った。
なかなか嫌なところに来てしまったものだと思う。木は鬱葱と生い茂りなんだかじめじめしてた。がさがさという木の葉の擦れる音に何度も振り返りながら恐る恐る進んで行く。一瞬帰ろうかとも考えた。でもナティにもう迷惑はかけられない。ナティのこれからを滅茶苦茶にしてしまうくらいなら私がここで果てた方が正解だと私も思う。
力ない足取りで進んでいく私の鎌に何か違和感を感じる。悪意に満ちたようなどす黒い感情が鎌から全身へと広がる。間違いない。これは何度か経験したことがあるけど災いが起こるうちでもなかなか感じることのない、私に向けての災禍だった。
すぐに辺りへ未来予知を張り巡らせる。強力な念動波が空気中へと溶け込みしばらくしてその場に居合わせたポケモンへ振りかかる時間差のある技。フェイントに有効なような気もするけど攻撃として使用するには発動が遅すぎる。
直感からさっと上を向いた私が見たのは赤く光る目が8つ。夜目は効く方だったが生憎シルエットしかわからなかった。4つの影は私の近くに降り立つと四方から私へ罵声を浴びせかけた。
「おい災いポケモン!俺たちになんか用か?」
「てめぇみたいないらねぇやつは早く帰ってくれねぇかな」
「まあ、帰る気がないってんなら俺達があの世に送ってやるよ……」
「これも世のため平和のためってやつだな!」
降りて来たのは4匹のヤルキモノ。4匹が言い終えるが早いか私に掴みかかって来た。どうやら本当に殺る気らしいね、って、今うまいこといってもしょうがないか……。私は1匹の手をかわすと後ろへ跳びのいた。でも4匹に囲まれたこの状況。どうしろって言うんだろう。簡単に後ろに控えていたヤルキモノに捕まってしまった。私が手を噛みつこうとした途端、ヤルキモノに頬を思いっ切りひっぱたかれた。両の頬に2発ずつくらわされた平手打ちは技だったのだろうかそれともただヤルキモノが馬鹿力だったのかものすごい痛みだった。口の中に血の味が広がり頬は赤く腫れ力なくヤルキモノに掴まれているだけだった。
どうせ生きることを諦めていたんだしこのままここで嬲り殺されるのも手かな。どうせ私が死んだところで悲しむやつは……あぁ、ナティ…。でも、私が彼の将来をめちゃめちゃにはしたくは無い。これはもう分り切ってることなのに。なんでこんなにも私は悲しんでるの………?
「…ぅっ………」
ヤルキモノに首を絞められる。徐々に空気が肺に入らなくなっていくのを感じる。意識が朦朧とし視界が狭まっていく中で急にヤルキモノの手が緩んだ。いきなり多くの空気を吸い込んで地面へと落とされた私は急いで顔を上げた。そこには炎を口元で赤々と燈しているナティがヤルキモノの肩にかみついていたのだった。なんで、どうして……。死ねなかった悔しさとナティが来てくれた安堵感が混ざって自分の自分のの気持ちが分からなくなる。
それからのナティはすごかった。ヤルキモノの攻撃をすべてかわしながらヤルキモノ達の足を攻撃し動きを鈍らせていく。ブースターにしてはなかなか素早い動きだった。それでもやっぱり4対1。今はなんとか避け切れてるけどいつかは当たってしまいそうだった。既にナティの体にはいくつかかすり傷ができ始めている。ナティの動きも遅くなってきた。完全に頭に血が上っている様子のヤルキモノがナティの後ろでこぶしを振り上げる。
にげて、そう言おうとした私の声は空気が念動波によって歪む音によって掻き消された。何かと一瞬考えてしまったがそう言えば私、さっき未来予知発動させてたんだっけ。見事に4匹のヤルキモノに念動波によって生じた歪が当たり痛みで倒れてしまった。
ナティは辺りをきょろきょろと見回すとヤルキモノが気を失っているのを確認し、私の方へと近づいてきた。あれだけ去らなければと自分に言い聞かせていたのにもかかわらずこの安堵感はいったい何なのだろう。やっぱり私はもうナティ無しではいられなくなってしまったのかな?

そのあと、ナティに連れられてもと来た獣道を戻って行った。始終ナティは私のことを気遣っていた。決してナティに黙って出ていこうとした私を責めることはしなかったのにナティの優しさを感じ気が付けばナティに安心しきって体を預けていた。
ほんの少し離れただけでこんなにも胸が締め付けられる。今まで孤独で生きてきて、信じ合える者もいない中で感じることのなかった温かさ。  いままで何も感じてくることもなく、わかるはずもないのだけど……。これが……恋っていうものなのかな…?



洞穴の中に戻った時、眠気なんてものはとっくになくなっていた。それはナティも同じだったらしく藁にくるまりながらお互い目を合わせていた。月明りに照らされたナティの顔を見てみると改めて端正な顔立ちをしていた。でもブースター特有のくりくりとした目は雌の私ですらかわいいと感じてしまうほどだった。私は種族がらつり目だからこういう目には憧れを抱く。
「……ん、ナティ?どうしたの?」
「え…。う、ううん……」
ナティの目がかわいかったから凝視しちゃったみたい。いけないいけない。……って、ナティ、顔が赤いよ。きっと私も顔が赤いのかなぁ……。
う~。繁殖期だからか変なことばかり頭の中に浮かんじゃう。今までは生理の時も一人だったから別段支障はなかったんだけど……今は目の前にナティがいる。とっても魅力的なポケモンが今目の前にいる。それが私の理性を掻き乱す。下腹部にこそばゆい何かを感じ始めたときに私はついにナティに声をかけた。
「「ね、ねぇっ」」
二つの声が洞穴の中に響く。私の方を向いているナティは驚いている。私だってびっくりした。どちらが先に声を発そうかお互いうかがっている。ナティが言い出すのを待つのもよかったけど……私は我慢できそうにもなかった。
「ねぇ、ナティ……」
「な、なに?ラフィー」
どくどくと自分の心臓の早い鼓動が聞こえる。鼓動はどんどん速くなり息が少しずつ吸いにくくなる。言い出したくとも言いだせない。でも、伝えなきゃ。繁殖期だからとか、そんなことじゃない。気が付いたこの想いを私の心の中だけにしまっておくのは心苦しい。ナティにこの想いぶつけたい。私は深呼吸をすると静かに声を発した。
「ナティ…。私、ヘンなの。いつでもナティのことを考えちゃってる……」
「ラ、ラフィー……?」
更に顔を赤くしながら私の名を呼ぶナティにしっかり目を合わせながら私は続けて言った。
「私、よくわかんないけど…。でも、きっとこれは…恋っていうものなんだと思うの。
 私で……私でよければつきあって……くれる?」
声が震えている。あっけにとられて口を開けているナティ。受け入れてくれるのか、それとも断られるのか。でも、私の想いは伝えた。杭は……
「ラフィー…。僕も、僕もラフィーに逢ってからラフィーのことが頭から離れないよ…。
 僕も……この想い伝えたくって……見事にハモっちゃったけどね」
ははは、と照れ隠しに乾いた笑い声を発するナティは気恥かしげに頭をかいた。
「え……それって………」
ナティの言葉を聞いて私は動揺を隠すことはできなかった。わたわたと目を宙に泳がせている私にナティは寝転がりながら寄ってきて軽く抱き締めた。

「こーいうこと」
ナティは相変わらずの笑顔を私に見せてそう言った。ズルイよ。いま、この時にそんな顔を見せてくれるなんて……。
ナティは目を開けてじっと私の顔を見る。そういえば、さっきから私見られっぱなしだな……。何か待ってるのかな…。だったら……
「……んぅっ…」
そっと顔を近づけてナティの唇に私の唇を重ねた。ナティの唇は柔らかく抱き締めている体はとても細くきれいであった。唇を重ねるだけのキスからお互いの舌を絡ませ口のまわりもお互いにぺろぺろとなめ合う。甘いキスの後にはやっぱり……
「ねぇ、ナティ…。順序が逆だったような気がするけどさ……しよ?」
「それ、僕も言おうと思ってたところだよ」
にこっとナティが微笑むと自分の前足を軽く舐め、私の後ろ脚の間へと潜り込ませた。手なれたような手つきで私のスジを撫で上げてくる手に驚きながらも私はナティの股間へと前足を突っ込んだ。
……あれ? 棒が、ない。もしやと思って少し下のあたりをまさぐってみるとナティが甘い声を上げた。触れた場所には一本のスジ。驚いて私はナティに声をかけた。
「ね、ねぇ。ナティって……女の子だったの?」
「え……うん。気が…付かなかった?」
そう答えながらもナティは私のスジを撫で続ける。小さく嬌声を上げながらもナティの問に私は答えた。
「う、うん……。なんか変だとは思ってたけど……」
「ふふっ。同性でも、僕はラフィーが好きだよ……。ラフィーは、雌の僕じゃ…いやかな?」
秘所を撫で上げる前足をピタリと止めてナティはそう訊く。今までナティが見せたことのない不安の混じった瞳の色だった。でも、私の答えは決まってる。私はナティが好き。そこに性別も種族も関係ない。私はナティっていうポケモンに恋したんだから……。
「いやなわけないよ。 さ、続けよ……?」
「あふぅっ……う、うんっ」
私がナティのスジを弄り始めることで行為は再開した。再びナティのスジを撫で上げている私に対してナティはなかなか積極的だった。一度自分の前足を舐めると私の秘所にゆっくりと入れ始めたのだった。
やっぱり外側と内側の感度は違う。自分の意思で刺激していないっていうのもあって、すごく気持ちいい。私が初めてだということに感づいていたのか入口のあたりを軽くなでる程度だったけど、それでも私には充分すぎる快感だった。
膣内を撫でられてとろんとしてきている私の股間からナティが前足を離した。どうしたのかと思って顔を上げるとナティが立ちあがって言った。
「そのさ……。今日、月明るいからラフィーの、見ながらさせてくれる…?」
「えっ…。う、うん……」
戸惑いながらもそう答えた私。藁の中でお互いのを触りあっているのもなかなか興奮的でよかったけど……見せながらなんて恥ずかしいよ……。それでもナティにだったら恥ずかしくても見せられるような気がする。  私の答えを聞くや否や私の上にかぶせてあったわらを払い落して私を明るいところに転がした。こういうところは本当に雄っぽいと思うのに。性別なんて関係ないんだけど…ね。
洞穴の中に差し込む月明りの下、無防備な格好をして寝転がる私の下腹部の毛をナティがかき分け始める。秘所の湿気が毛にまで伝わっているのかいつもは立っている毛が今は毛先が下へと向いている。ナティは筋を見つけるとじぃっと観察を始めた。スジを左右へと広げられたり再び前足の先を入れられたりと声を我慢するので精いっぱいな観察だった。
「ラフィー、もっと…いい?」
「うん…。お願い……」
気が付けば私も歯止めが効かなくなっていたのかもしれない。戸惑うこともせずに更なる行為への期待だけを感じていた。もっとナティに気持ち良くされたい。ナティと触れていたい。そんな感情が私の中で膨らみつつあった。
ナティは小さく頷くと顔を私の股間へと近付けていった。 ぺろっと一舐めされただけで私は情けない喘ぎ声をあげた。だって、ナティの舌が少しだけざらついていて痛くは無いのだけれど物足りなさも感じない絶妙な力加減で秘所を舐め上げてきたのだから。
ナティは舌を離すと口で秘所を覆うように吸いついた。何をするのかと思っていたその時。
「っひゃぁぁぅっ!」
秘所の中にいきなりざらついた舌を突っ込まれたのだった。それが出たり入ったりしながら角度を変えて私の中を舐めてゆく。前足を入れられていた時よりも繊細で細やかで、ナティの体温を感じられたその動きは私が絶頂に達すには充分すぎたようだった。
「あっあっあっ…。なてぃっ。なてぃぃぃっ!」
秘所から勢いよく愛液が飛び出しとっさに秘所から口を離したナティの顔を汚していく。愛液を舐め取りながらナティは満足げに微笑む。私は体中痙攣させていた。膣が引くひくと痙攣しているのがありありとわかるほど。
ナティが顔についた愛液を舐め取り終えた頃には私の息もだいぶ整っていた。それを確認するとナティは起き上がろうとする私の体をおさえ、ナティは私の真上にナティの秘所が来るように私の顔を跨いだ。
「ラフィーもさ、僕を気持ちよくさせてよっ」
そう言い終えたかと思うと勢い良く腰を下へと下ろされた。ぬちょっと言う音と共に口に甘酸っぱい味が広がる。鼻からは理性を掻き乱す艶めかしい香りが侵入しさらに私の鼓動を早くする。私の欲を剥き出しにさせる。
私は押し付けられていたナティの膣口に舌をつけずにその上、雌にとって一番感じるであろうその突起を甘噛みした。
「あぁぁっ!  ちょっ……そこはだめぇっ……!」
そう言って突起を舐めはじめた私から逃れようと腰を浮かそうとするナティの腰を両前足でしっかりと押さえる。体にうまく力が入らないのかバタバタともがきながら体を震わせるナティ。今度は私の番なんだからねっ。


ナティの秘所から溢れだす愛液が私の顔を濡らしていく。それでもまだまだ溢れ出すナティの愛液。もしかしたら濡れやすいのかな? なんてこと考えながら顔にかかる愛液を舐め取らずにナティの秘所に吸いつく。じゅるっという音をたてて口の中に甘くとろりとした液体が流れ込む。
「あぅぁっ。  も、もう…っ、すっちゃ……ひぁぁああぁぁあぁんっ!!」
いつもの落ち着いたこえとは想像もつかない甲高い声を上げてびくびくっと体を震わせる。私は吸いついていた口を離してナティの様子を確認する。体全身をけいれんさせて力なくうつぶせに倒れる。ありゃりゃ、やりすぎちゃったのかな~、なんて思いながらナティの愛液を舐め取っていると水の音がした。ナティの下半身に目を向けると洞穴の床がじわりと湿っていく。イった後のはずだし、どうしたのかな。愛液とは違った粘り気のない液体を前足につけてぺろりと舐める。……ははーん、そういうことね…。
「ナティ~? おもらししちゃったの~?」
「う、うぅぅ……。だってあんまりにも気持ち良くって我慢できなくて……ふぇぇ……」
にやにやしながらナティにそう声をかける私。我ながら意地が悪いとは思うけどね。でもナティを責めたいわけじゃないもんね。ナティの頭を撫でながらナティの困っている顔を堪能する。赤い体毛に覆われていながらも赤面しているのが分かっちゃうほどなんだから、ホントに照れ屋さんだよね。
まだまだ出るのかな、なんて思ってナティの秘所に前足を当てる。爪で傷つけないように優しく、でも激しく強い刺激を頻りと送った。
「ふぇぇっ、だめっ、だめぇぇっ!」
ナティの制止も空しく体の力の入らない秘所から再び放尿を始める。前足がびしょびしょに濡れながらも私は手を止めない。今更、ナティのおしっこが汚いだなんて私は思わないよ。むしろそんな姿もかわいいと思えてしまうぐらいにナティが愛おしかった。
秘所から溢れだすそれが終わると私はいったん手を離してナティの横に寝転がる。いったん休憩しないとね。ナティもさっきのですっかり息があがっちゃってるみたい。それでも寄り添ってお互いの体に触れあう。1分1秒でも早く行為の続きがしたいという本能からなのか、それとも思っていたよりも私たちが変態だったのか。もしかしたら両方かもしれないね。

しばらく私の胸のあたりをまさぐっていたナティが前足を離して立ち上がる。私は首を傾げてナティの方を向く。ナティは洞穴の奥にしまわれている木の実の入っているバスケットの方へと歩いて行ったようであった。まさかおなかが減っていったわけじゃないと思うけど……、ナティはごそごそとバスケットの中をかき回して一つの木の実を取り出してきた。それは、だいぶ珍しい木の実、ソクノの実だった。ナティが器用にへただけきれいに取ると微笑んで私にそれを見せた。
「ね、これでさ……繋がろうよ?」
「えっ……」
うん。確かに2匹で入れるにはもってこいの太さと長さ、ついでに撓り具合もその……雄のアレみたいだけど……。 私は…こういう行為は初めてだし、膜もまだ破けてはいない。ナティが相手だけど…不安は残る。
「ん……ダメ…だったかな?」
不安そうにナティが訊いてくる。なんて答えればいいんだろう。ナティと間接的にでも繋がれるけど……やっぱり怖い。  でも、ここで勇気を出さなきゃいけないんじゃないかな…?今までナティにいっぱい救ってきてもらった。今度は、私がナティを幸せに、気持ちよくさせてあげるんだよね。うん、さっき自分に言い聞かせたじゃん。『私の番なんだからねっ』てさ。
私は火照った体を起き上がらせるとナティに近寄ってそっと頬にキスをした。
「ううん。 私もナティと一緒になりたい。一緒に気持ちよくなろ?」
「……ありがと。ラフィーっ」
そう言うが早いかナティは私を押し倒した。ごろりと仰向けに寝転がり後足を広げてナティの右前脚に持ったそれを待つ。お互いの秘所はまだびしょ濡れで入れようと思えばすぐにでもそれを入れられる状況だった。
くちゅりという水音が洞穴の中を反響する。ナティの持つそれが秘所にあてがわれる。ナティはゆっくりと差し込んでいく。木の実の先端が私の膜にあたったのを感じた。でも、もう怖くない。むしろ、ナティに破ってもらえるのを楽しみにしているかのように期待と高揚感が心拍を上げてゆく。
膜を押されておなかのあたりで変な感覚がした。 でもそれもすぐ終わったことだった。一瞬の痛みと膣内のさらに奥が押し広げられてゆく感覚。痛みで思わず顔を歪めた私、だけど…痛かったのは一瞬で後はそこまで痛みを感じない。膜を破いた感覚が木の実越しに伝わったのかナティが心配そうな顔をして私の顔を覗き込む。私はそんなナティの顔に笑顔を見せた。
「初めての……破けちゃったけど、痛くないの…?」
「うん、全然平気だよ」
別に強がったわけじゃないよ。ホントに痛くなかった。あれだけ痛い痛いと思いこんでいた私には拍子抜けしてしまうほどだった。 私が全く平気なのをナティは確認すると私のに差し込まれたそれに自分の秘所を押しあてた。
ナティも我慢できなかったのか何の躊躇いもなく腰を木の実の上から下ろす。ナティの秘所からあふれ出る愛液が木の実を伝って私の繋がっている場所を濡らす。ナティがそれを中に入れていく間、木の実の先端はぐいぐいと私の奥を押してくる。その快感にたまらず声を上げる私。そんな様子にナティは笑って言った。
「ふふっ。僕がラフィーを犯してるみたいだね……」
言い終えると同時にナティはそれを奥まで入れる。その時、私たちの奥をお互いに刺激しあってびくりと体を震わせる。 繋がったままお互いの体を抱きしめて深く濃厚なキスをする。お互いの吐息と心臓の鼓動を感じながら虚ろな目で見つめ合う。
まだまだ夜は、私たちの愛は始まったばかりだった。




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Last-modified: 2012-02-21 (火) 00:00:00
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