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水と氷と雷と草

/水と氷と雷と草

呂蒙



警告!

 この作品は、官能表現を含んでいます。また「同性愛」を扱ったかなり読み手を限定する場面もありますので、それでもいい、という方だけお読みください。なお、警告を無視してお読みになられて、被った不利益には、一切の責任を負いかねます。


ここのところ、寒暖の差が激しい日が続いていた。雲ひとつない青空が広がり、さんさんと太陽が照りつけ、あたかも夏本番のような陽気になったかと思えば、上空に強い寒気が流れ込み、それが原因で雷雨や雹が降る日もあった。そんな日がやってくると、それまでの夏のような陽気は一変する。気温も10度近く下がってしまう。当然、その気温差に体がついていくことができずに体調を崩すということも珍しいことではなかった。
極端な天気の変化が続いていたある日のこと、家の主であるリクソン=ハクゲンは用事があって出掛けることになった。幸いこの日は晴れており、寒気の流入もないので、天気の急変にも気を遣わなくても良い。家にはシャワーズ、グレイシア、リーフィアの3匹が残って留守番をすることになった。
「いいな、言うまでもないことだけど、知らない人は絶対に家の中に入れちゃ、ダメだからな、分かったな?」
 リクソンが出かける準備をしながら、3匹に念を押す。
「ああ、それと、リーフィア」
「はい?」
「リーフィア、具合が悪いんだったら、オレの部屋のベッドで寝てていいから。早く治せよ」
「ありがとうございます。じゃあ、リクソンさんが帰ってくるまで部屋で寝てます」
 その日、リーフィアは朝から体調が悪かった。食欲も湧かず、妙にだるい。熱を測ってみると、やはり、であった。体温が平熱よりも5度近くも高かった。人間で言うならば、40度の高熱が出ているようなものだ。一昨日あたりから体に調子がおかしいな、とは思っていたが、リクソンに迷惑をかけるのも悪いので、我慢していることにした。どうせ一晩ゆっくり休めば、治っている。今までそのケースが多かったので、そう思ったのだが今回の風邪は妙にしつこい。ちっとも良くならない。
 重い足取りで、リクソンの部屋の前まで歩いていく。部屋の扉には張り紙がしてあった。見ると「部屋の前で騒がない、ドアはノックしてから入ること、部屋は散らかさない」とごく当たり前のことが、紙には書かれている。当たり前といえば、当たり前だが、最近は人間にしろポケモンにしろそういうことも守れないのがいるという。リーフィアがそのことを当たり前と思えるのは、リクソンのしつけの成果といえよう。
 扉を開けると、部屋のセミダブルベッドに身を横たえた。すると、ベッド脇の床の上にトレーが置いてあり、そこには水と熱さましとメモが置いてあった。メモに「熱さましを飲んでから寝ること」と書いてあった。筆跡でリクソンのものとすぐに分かった。その紙に書いてある通りにし、リーフィアはベッドに身を横たえた。薬が効いてきたのか、リーフィアはそのまま眠ってしまった。
 しばらくして目が覚めた。時計を見ると、どうやら二時間くらい眠っていたらしい。ベッドから這い出ると、リーフィアはのどの渇きを覚えた。とにかく体が水分を欲していた。薬を飲んだときにトレーの上に置いてあったデキャンタの中の水は全部飲んでしまった。中に入っていた氷が解けて水となっていたので、空っぽというわけではなかったが、こんな量ではのどを渇きを癒すには全然足りなかった。リーフィアは重たい足取りで、階下まで歩いていった。冷蔵庫の前にある踏み台に登って冷蔵庫を開ける。中から心地よい冷気が流れ出してくる。水でもよかったが、甘いものが欲しくなってしまった。ジュースやスポーツドリンクの類はないかと探してみると、リンゴジュースのパック容器が袋に入って、しまわれているのが見えた。封は開けられておらず、製造年月日も一昨日であるので、買ったばかりの品だと推測できる。リクソンは飲み物に関しては適当に買って入れておくので、好きなときに自分で用意して飲めと言ってある。リーフィアはその袋を引っ張り出して、口にくわえると、部屋まで運んでいった。テープを剥がし、紙パックについているプラスチック製のふたを開けると、デキャンタに移し変えた。袋と容器を階下のゴミ箱に捨てると、それをデキャンタの4分の1ほどを飲んだ。ジュースの冷たい感覚がのどを伝わる。リーフィアは再びベッドの中に入った。

 ◇◇◇

 しばらくして、リーフィアは目を覚ました。のどが渇いたというのもあるが、隣の部屋から妙な声が聞こえてきたのだ。
 リクソンの家はもともと古い一軒家だったが、それをリクソンが買うときに、建て替えた、とリーフィアは聞かされていた。もっともリクソンにそこまでの財力があったわけではない。たまたま首都の再開発計画の一環で、住んでいたアパートが立ち退きになり、それと引き換えにこの家と当面の生活費という名目で、多額の金を手に入れたのである。
 二階建てで、二階には三つの部屋があったが、一つ一つがそれほど広くないので、二部屋にし、その分一部屋辺りの面積を広くしたのだ。ひとつはリクソンが使い、もう一つをポケモンたちに使わせていた。普通に使っていれば、リクソンは文句を言うこともなかった。基本的にリクソンはポケモンたちが部屋でやることには干渉はしてこない。仲が良いのは事実だが、だからといって四六時中一緒に入れるものではない、と考えているからだ。
(うるさいわね、何やってるのよ……)
普通の会話ではおよそ出さないであろう声が壁の向こう側から聞こえてくる。リーフィアは隣の部屋のドアを開けた。
「お姉ちゃん、ちょっと静かに……」
リーフィアは言葉が最後まで出なかった。部屋の中では、グレイシアとシャワーズが戯れていた。戯れていた、というよりもお互いに、敏感なところを刺激しあって、その度に声を漏らしている。
(何、やってるの? しかも雌同士で……)
 毛繕いを手伝ってもらっているようには見えなかった。どうみても性行為である。膨らんだ胸にある突起物や、体の前側にある雌特有の割れ目に、舌を当てて動かし、また、それに吸い付いている。
「シャワーズちゃんの体ってぷにぷにしてて、気持ち良いぃ」
「ぐっ、グレイシアさぁん。こっ、ここに、グレイシアさんの、ちょうだい……」
「いいわよ、その代わり、私のも後で刺激してね」
 グレイシアはシャワーズを仰向けに寝かせた。
「よいしょ、っと」
 グレイシアが、シャワーズの上に覆いかぶさる。尻尾の部分を除けば体の大きさはほぼ同じである。グレイシアの目の前に顔を赤らめたシャワーズがいた。
「シャワーズちゃん。溜まってた?」
「うん。リクソン、夜のほうは全然だから、このままだと欲求不満で死んじゃうよぉ」
グレイシアとシャワーズは顔を近づけると、お互いの口を密着させた。
「んんっ、っふぅ……」
 お互いの声が、わずかな隙間から漏れる。いつものしっかりした二人はどこへやら。
(雌同士で、ディープキスって。二人とも頭は大丈夫かしら……)
どうやら、部屋にリーフィアが入ってきたことは気づいていないようだ。力ずくでやめさせようと思ったが、何だかやめさせたら、後で酷いことをされそうな気がしたし、熱のせいで体に力が入らず、声を出そうにものどが痛くて声も出せなかった。
「ぷはあっ、ううんっ、グレイシアさぁん。私、もうダメ……」
「じゃあ、シャワーズちゃん。本番に行きましょうか」
「うん」
 グレイシアは、シャワーズの後ろ脚の方へと視線を移していった。そして、雌特有の割れ目に視線を落とした。
「あ、まずは、濡らしてからじゃないと」
「う、うん」
 シャワーズは自分の口から出した水で、自分の割れ目を濡らした。水が放物線を描いて割れ目に着地した。
「あ、あうぅ……。ぐ、グレイシアさぁん。もう、ダメ。我慢できないよぉ……」
 グレイシアはシャワーズの水で濡れた割れ目を口をつけ、そして、そっと舌を滑らせた。グレイシアの舌が滑るたびに、シャワーズの体には快感という名の電撃が走った。それは、普段の理性すら抹消させてしまう。今のシャワーズに日頃の理性はなかった。
 液体が滴る音と喘ぎ声が部屋中に響く。リクソンの部屋には秒針付きのアナログ時計がないので、その音をかき消す物はなかった。
「どう? 気持ちいいでしょ?」
「ぐっ、グレイシアさん。も、もうやめてっ……」
「えー? どうして?」
 グレイシアは、シャワーズの割れ目に口を密着させ、連続攻撃といわんばかりに、ぺろぺろと舐めまわす。
「くうっ、あああっ、ぐっ、グレイシアっ、さん……」
 シャワーズの割れ目から、尿とは違う液体がグレイシアの口の中に放たれた。
「きゃうぅ、うっ、ああぁっ」
「きゃっ、ちょ、ちょっとシャワーズちゃん?」
「だ、出しちゃった……。私の『潮水』」
「あはは、気持ちよかったでしょ?」
「う、うん……」
「でも、私の口の中で潮吹きしちゃうなんてね。これは、お仕置きが必要ね」
「だ、だから、やめてって、言ったのに……」
グレイシアは机の上から、一つのワイングラスを落とさないようにベッドの上に持ってきた。フルート型ワイングラス、つまりシャンパンなどを飲むために適している細長いワイングラスである。
「そろそろ、ちょっと解けて、丁度いいんじゃないかしら。じゃあ、シャワーズちゃん。今度はうつ伏せになって」
 シャワーズは言われたとおりに、ベッドの上で今度はうつ伏せになる。グレイシアはグラスを型にして作った氷を器用に前脚に持つと、シャワーズの後の秘部に押し入れた。
「あううっ、なっ、なに……」
「大丈夫よ、そんなに奥まで入れないから」
 ちょうど、雄のモノそっくりになった氷をグレイシアは、シャワーズの秘部に出し入れをしている。氷が解けかけているため、そのときにできた水が潤滑油の役割を果たしている。そのため、氷はスムーズにシャワーズの中に出たり入ったりを繰り返している。
「きゃうっ……」
「やっぱ、シャワーズちゃん。かわいい。私、こういう妹が欲しかったなぁ。あ、でてきたわね。シャワーズちゃんの愛液」
 グレイシアは、シャワーズの愛液がかかった氷をぺろぺろと味わうように舐めている。
「シャワーズちゃんの愛液、おいしい……。でも、氷が解けてきちゃったわね。外が暑いから仕方ないわね」
その時、出かけていたサンダースが一足先に帰ってきた。
「あれー、リーフィア。どうしたんだ? 風邪は治ったのか?」
「いえ、その……」
 リーフィアは部屋のほうへと、視線をやった。サンダースも部屋のほうを見る。部屋の中には、ベッドの上で抱き合う二匹。
「お前ら、何やってんの?」
その声に、驚いたように振り返った二匹。
「サ、サン君にリーフィア。いつからいたの?」
「ついさっき。リーフィアはしばらく前からここにいたってさ」
「あらら、見られちゃったかしら? まぁ、リーフィアなら雌同士だし、いいか」
「それより、床とベッドシーツは濡れてるし、それより、何だこの匂いは? 場合によっちゃリクソンも怒るぞ?」
「あ、それなら、リクソンさんが帰ってくる前に元通りにするから大丈夫よ」
「元通りって言ってもなぁ……」
 サンダースは初めて、この時何かがおかしいことに気がついた。体が重く、頭もボーっとする。この状況では自慢の俊足も発揮できない。
(あれ? 風邪がうつったのか?)
「サンダース、あんた本当に単細胞ね、知らなかったの?」
 シャワーズに言われ、サンダースは言葉を返した。
「あぁ? 何がだよ?」
「個体数が多くないイーブイとその進化系の雌は、雌同士でえっちなことをすると、イーブイやその進化系の雄をメロメロ状態にして、引き寄せるフォルムに変化するのよ、知らなかった?」
「何のためにだよ?」
「子供を作るために決まってるじゃない」
「あ、そう。まぁ、そうだとしても、オレはお前みたいな寸胴には、興味ないからな。な~んとも思わないぜ」
「あ、言ったわね。じゃあ、水タイプの私が電気タイプのあんたを屈服させることができたら、どうする?」
「煮るなり焼くなり、好きにすりゃあいいさ」
 サンダースは、仮に電気技が使えなかったとしても、体毛で激痛を与えることや、脚力で蹴りを入れることだってできる、かかってきやがれ、と高を括っていたのが悪かった。いつもの素早さが殺され、シャワーズの繰り出した技をまともに受けてしまった。アイアンテールは腹に当たり、体はそのままベッドに投げ出された。背中から落ちたサンダースにシャワーズが胸の辺りに馬乗りになって言う。
「勝負あったわね」
「ふん、しょうっ、ひゃあっ、シャワーズっ、お前っ」
「私、何もしてないわよ~? ほらほら得意の雷は?」
サンダースの後ろ脚、人間で言うなら下半身にあたるところだ。そこにはグレイシアがいて、雄特有のモノを舐めまわしたり、口に含んでいたのだ。こんな事されては、体に力が入らない。
「あ~あ、電気タイプなのに、私に勝てないなんてね」
「う、うるせえよ、てか、グレイシアさん、やめて。1対2とかずるい……」
 それでもグレイシアは行為をやめない。サンダースは何とか耐えようとするが、この状態で力を入れると、体毛が逆立ってしまい、自分の体毛でベッドのマットレスやシーツを穴だらけにしてしまう恐れがあったので、あまり力を入れることができなかった。
「あはっ、サン君のおっきくなっちゃった。これもフォルムチェンジかしら?」
「ぐっ、グレイシアさん。恥ずかしいから、本当にやめて……」
 懇願するが、グレイシアは行為をやめてくれなかった。そして、サンダースの悲鳴に近い声が部屋に響いたと同時に、モノの先端から白く粘り気のある液体が、放出された。サンダースが最後の最後まで我慢していたためか、それとも、単に量が多かったからなのか、一回、二回、三回と断続的にモノは精液を放った。
「ぐうっ、うわあぁっ、あっ、はあっ……」
 そのたびに液体は放物線を描いて、白く粘り気のある液体は、シャワーズやグレイシアの体を白く汚した。
「これがサンダースの『水鉄砲 エロエロバージョンね』炎タイプが出てきたら、使ってみたら?」
よほど恥ずかしかったのか、このシャワーズの言葉が屈辱的だったのか
「ち、ちくしょう、覚えてろよ……」
 と、返したサンダースの目には涙が浮かんでいた。
 リーフィアはリクソンの部屋に戻ろうとした。このままいたら、何をされるか分かったものではない。しかし、グレイシアとシャワーズはリーフィアの方へ歩いてくる。
(えっ、ちょ、ちょっと、やっぱり、お姉ちゃんたちどうかしてるわよ、あれ? また熱が、もうダメ……)
 リーフィアの意識は途切れてしまった。

 ◇◇◇

 リーフィアが目を覚ますと、そこはリクソンの部屋だった。熱が下がりきっていないせいか、体がだるく、頭も痛い。
「リーフィア、おはよう。リクソンが朝食できたってよ」
部屋にサンダースが入ってきた。
「あ、サンダースさん。おはようございます。よかった、元気になったんですね」
「え? 何を言ってるんだ、リーフィア」
 きょとんとするサンダース。部屋を見渡すと、そこには確かにリンゴジュースの入ったデキャンタがあった。といっても、ほとんど残っていなかったが。
「んーっと、リクソンさんたちは?」
「下にいるぞ」
「私ってどうしてたんでしたっけ?」
「ひどい高熱で、うつっちゃうといけないから、リーフィアだけリクソンの部屋で寝ることになったんだよ、覚えてねえのか?」
ボーっとする頭で、必死に昨日からの出来事を整理していく。
(と、なると、あれは夢? そう、そうよね、もぅ、何で風邪を引いてるときって妙に生々しい悪夢を見るのかしら……)
「先に行ってるぞ」
サンダースは部屋から出て行った。

 ◇◇◇

「サンダース、リーフィアはどうだった?」
「何か、高熱のせいで、昨日のことも覚えてないみたいだったぞ、重症じゃねえのか?」
「ええっ!? とりあえず、ゴミを出して、食事を済ませたら、すぐに病院に行ったほうがいいな。脳に異常があったら、大変だ」
 朝食後、リクソンはすぐにリーフィアを病院に連れて行った。診察の結果、たちの悪い風邪ということだった。しかし、一応検査するので3日間だけ、入院することになった。
 検査の結果、体に異常はなく、リーフィアは予定通り3日後に退院することができた。

 おわり

↓一応、コメント欄を追加でつけましたので、何かありましたらどうぞ(作者)

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Last-modified: 2012-06-10 (日) 00:00:00
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