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死神の詩11

/死神の詩11

ぬうやの部屋。 ?

死神の詩
第十一話 ごめんね

「・・・レイが森を出てきたのは、仲間を探すためじゃなかったの?」
「・・・んっと、それもある・・・かもしれないんだけど ほんとはちがうの」
「ほんとは?」
「ん。・・・もりをでることにキボウなんてなかったのかもしれない。
 あたし、もりのみんなからにげてきたんだ、ほんとは」

・・・え?

「にげて、きた?・・・どうして?」

「うーん、なんていえばいいのかな・・・。
 かんたんにいうと、キラわれてたんだな、あたし。
 トレイタ・・・ウラギリモノなんてよばれてたし」

レイは少し笑った。

(情けないなあ、あたし)

そんな笑い。
ちょっとだけ悲しい笑い。

「・・・どうして」

「?」

「どうしてすぐ話してくれなかったの?」

ユキの紅い目はまっすぐレイを見た。

どうして笑えるの?
どうしてそんな風に自分を見られるの?

「・・・どうしてって」

レイは軽くうつむいた。

「・・・僕

 僕はレイのこと何でも知ってるつもりでいた。
 でも、違ったんだね。
 僕もミナもレイのことが大好きで、レイもそうなら、
 僕だけがレイのことをたくさん知ってるなんて、できないんだよね。
 ごめんね」

レイを見ていた紅い目から涙がこぼれる。

「ごめんね」

ぽつりとユキが呟いた。

「ウラギリモノなんて呼ばれてたなら、ヒトを信用できなくて当たり前なのに。
 ほんとに、ごめんね」

「ッ・・・・ユキはわるくないよ!
 ウソついてたあたしがわるいんだよ!あたしが・・・」

涙がこらえきれない。
ユキを悲しませたくない。

レイは思わず家を飛び出した。

 ごめんね 

 ごめんね

どうしてユキがあやまるの?

ユキはあたしをしんじてて、あたしもユキをしんじてた
ハズなのに、なのに、

レイは立ち止まり自分の足元を見つめた。

「・・・・・・あたしが、こわしちゃったんだ・・・」

「ごめんね」は

あたしがいわなきゃいけなかったのに・・・・・・・!!

きれいにつみあがってた、フタリのパズル
ほんのちょっといきをふきかけたら

かんたんに くずれてしまった

「・・・・・・ふーん。
 ユキって言うんだ、あいつ」

後方から声がする。

忘れたかった声。
胸の奥深く、しまっていたはずの声。
心に重くのしかかる声。

柳華(りゅうか)・・・!」

レイの顔が一瞬にして絶望の色に変わる。

今日も山の向こうに陽が堕ちる。
山のすぐふもとの村でなにがあったかなど
知る(よし)もなく。

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なんか疲れた・・・。

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Last-modified: 2009-12-01 (火) 00:00:00
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