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欲望の下で

/欲望の下で

駄文執筆者 文書き初心者
※獣姦、牡→牝への強姦描写があります。話が全体的に暗め。結構鬼畜。苦手な方はご注意下さい。


 五番道路――ハナダとヤマブキの間に存在するその道路上には、一軒変わった店がある。其処は嘗てポケモンの育て屋であった筈なのだが、四の島に出来たもう一つの育て屋によって、経営困難に陥り、終いには廃業してしまったのである。
 しかしながら、以前の商売主はある一人の男性と手を組む事によって、別のビジネスで見事成功を収めた。
 今回の話は、その奇妙な店舗に取り巻く客についての物語だ。


 太陽が西に沈み、夕焼け模様であった空も次第に暗くなってくる頃合に、即ち夜になった途端に店は密かに営業を始める。すっかり太陽が消え去り、空を明るく灯す邪魔なものが無くなった今宵もまた、欲望に溺れた一人の男がその店へと赴いた。

 広くもなく狭くもない店内には、カウンターテーブルを前に、一人の男性が椅子に座っていた。その男性の頭は髪の毛の一部に白髪が混じり、また所々に禿げ上がっていた。簡単に言ってしまえば、その男性は初老にさしかかっていた。
 その初老の男性はカウンターテーブルの上に置かれた白い箱の様なものを険しい形相で眺めている。それは今となっては当たり前になったパソコンで、画面には丁度メールボックスの欄が浮かび上がっていた。
 初老の男性がメールを開いては、お客からやお得意からの伝達内容を確認している矢先に、突如出入り口のドアノブが動く。その次の瞬間にはドアが開かれ、一人の男が店へと入ってきた。
「やあ、よく来たな、あんちゃん」
 初老の男性はパソコンから目を移して、店内へと入ってきた男に、パソコンを眺めていた時の表情とは打って変わって、いつもの営業面で気前良く挨拶をした。
「予定通り、約束の物を買いにきた」
 それに対して、客であろう男は初老の男性の挨拶なんかお構いなしに、無表情のまま低い声の調子でただ端的に言い放つと、開けたドアをきちんと閉ざした。
 男の服装は、ジーパンを履き、黒いコートに包まれている。その装いはいかにも目立たなさそうな、別の表現を借りるならば暗闇に溶け込んでしまいそうであった。しかし、そんな服装とは比例せずに顔立ちはどことなくまだ幼さが残っており、夜の社会を渡り歩くには不十分な感じであった。更には何も知らなさそうな無垢な面構え。その容姿を見る限り、漠然と男と言うよりは若々しい青年と言うのに妥当であった。
 カウンターテーブルにまで歩み寄り、青年はコートのポケットに手を入れて財布をおもむろに取り出した。そして初老の男性に向かって口を開いた。
「……幾らぐらいだったか?」
「――――円。まあ、あんちゃんぐらいの歳なら買えなくもないな」
 初老の男性は、ははと軽く笑いながら、こちらもカウンターテーブルの引き出しから一つだけ入っていた小さな赤と白の球状の物、つまり収縮されたモンスターボールを取り出す。それをカウンターテーブルの上にこつんと音を立てて置いた。
 青年は初老の男性の嘲笑には気にも掛けず、二つ折りの財布を広げ、金札を何枚か抜き取り、何も言わず黙り込んで初老の男性へと差し出した。
 初老の男性は青年から、彼にしてみれば紙切れ同然の金札を受け取ると勘定をし始めた。
「ひぃ、ふぅ、みぃ……。よし、丁度ぴったりだな。ほら、約束のブツだ。持ってけ」
 初老の男性は自分のズボンのポケットに、小遣い程度の金札を乱暴に捩じ込んだ。反対に青年はカウンターテーブルにぽつんと置かれたモンスターボールを片手で握り締めると、財布と一緒にコートのポケットへ仕舞いこんだ。
「そうそうポケモンの返品はお断りだからな、これ営業当初からの決まり文句」
 そう言うと初老の男性は、がはは、と今度は品の無い大笑いをした。しかし、それに対しても青年は相変わらず無反応であった。感情なんか無い人形なのではないか、と疑いたくなる程であった。
「ちゃんと言う事聞くのか、コイツは?」
 青年は冷めた疑いの目差しをしながらも、初老の男性に訊いた。
「大丈夫さ。今はこの場には居ねえけど、元育て屋の主人が丹精込めて調教してるからな」
 初老の男性の言葉を聞いて青年は、ふぅんと相槌を吐く。そして初老の男性は気付かなかったが、この時、青年の口元がどことなく緩んでいた。
 予定通りに事を終えた青年はもう此処にいる用も無いので、初老の男性に背を向ける。そして出入り口に近付き、青年がドアノブを握りしめた。ドアを自分が通れるくらいに開き、ドアの向こうに広がる闇夜の世界に入ると思いきや、最後に青年の口が開いた。
「そういえば、おじさん、またコイキング売れるといいね」
 彼もまた、先程同様の初老の男性みたく嘲笑いながら足を外へと運んで、暗夜に溶けていくのであった。


 とあるホテルの一室に、一人の男が入室した。その男は黒いコートに備えつけられたフードを深く被っており、顔を窺うことは出来ない。しかしながら、中年男性にありがちな肥満的な肉付きをしてなくて、細身で健康的の身体である。その華奢な身体を見るからには若そうな感じを醸し出していた。
 部屋には冷蔵庫やテレビに風呂場等々一通り揃っている。しかし彼は、それらの物には見向きもせずに、真っ先にダブルベッドへと向かう。顔を隠していたフードを脱いで、黒いコートのポケットに手を突っ込んで、手の内何かを納める。そして、手をポケットから取り出すと、身に纏っていた黒いコートは乱暴に床上へと脱ぎ捨てた。
 遂に彼の顔が露になった。その面構えを見るからに――先程、某店でモンスターボールを買った青年であった。
「早速、楽しませて貰おうか……」
 その独り言をぼそりと呟く。すると青年の口元は先程同様に綻んでいた。なにか悪巧みや目論みでもありそうな、そのくらい不気味な表情を浮かべていた。
 青年は手の内に秘めていた物を、隠すことの出来ないくらいにまで膨張させた。それは赤と白の色でお馴染みのモンスターボールであった。そして、青年はダブルベッドに向かってボールを投げると、眩い白光と伴にポケモンは実体化した。
 そのポケモンはもふもふとした体毛で色合いは無彩色である灰色に黒色とあまり目立たない。それと対称的な血走った赤い眼に、赤い鼻。そんな見た目とは裏腹に、人間の命令には忠実であるから、組織的によく扱われる悪タイプのポケモン――グラエナだった。
 光から具現化したグラエナは酷く怯えていた様子であった。折角、ボールの中と言う窮屈な空間から出られたものの、身体を縮こまらせてぶるぶると震えていた。初対面の青年がそんなにも怖いのか、はたまた何か別の理由があるのか――――。
 青年が手元に戻ってきたモンスターボールを収縮し、ジーパンのポケットへと入れた。そして、ベッドの上にいるグラエナを撫でようと、しゃがみこんで目線を合わせながら手を差し出した瞬間に、グラエナは死にもの狂いで毛を逆立てながら素早く身を退いた。それだけでなく青年と視線を合わせようとはしなかった。その素振りから、やはりこのグラエナは過去に何かあったに違いなかった。
 グラエナの拒み様に対し、ちっ、と青年は苛立ちながら舌打ちをした。反対に、青年の舌打ちを聞いてグラエナはまたもや慄きながら後退りした。
 グラエナは一刻もこの人間から離れたかった。この人間から発せられる威圧は、以前に一緒にいた人間と同等の物であった。先程の目差しも自分をポケモンとして扱うのでなく、単なる物として扱う目付き――――。それが嫌で嫌で堪らなかった。
 でもこの運命を逃れる事は出来ないとグラエナは悟っていた。やはり自分はあの初老の人間に掴まった時点で終わっていたのだと。そして今はこの人間に従順にならなければ殺されるのだと。
 そんな危機的な考えをしているグラエナとは対称的に、この人間つまり青年の頭は己の欲望で埋めつくされていた。こいつが今日から俺の肉奴隷。時間問わずで壊れるくらい犯したって構わない、都合の良い性的欲求の捌口。さっさとこの玩具と一緒に遊んでやりたい、と。
「さあ、始めようか。――グラエナ」
 そう言うと、にやりと嫌らしい笑みを浮かべ、ベッドに上がりこむ青年。近付いてくる青年にグラエナはもう退かなかった。否、そうする事は自分の命に関わるために出来なかったのだ。
 青年はグラエナの前で胡座をかいて座り込む。自らの手でジーパンのファスナーを下ろしては、そのまま下ろした手で穴へと突っ込んでまさぐった。そして、出てきたのは欲望を露とさせた汚らわしい肉棒であった。
 青年は突如、もう一方の手でグラエナの耳を抓る。痛がって叫ぶグラエナに構うことなく、自分の手前に乱暴に引いて、グラエナの口内へと肉棒を突っ込んだ。
「グゥゥ……」
 グラエナは苦しげな声を上げて、自分の意志も関係無しにこの肉棒を受け入れる。そして、自ずと舌を動かして肉棒を舐めていく。そうする様に以前一緒にいた人間に強いられたからだ。
「おお流石だな、グラエナ。良い子だ」
 青年は、よしよしとグラエナに褒めながら背中の体毛を撫でた。しかしグラエナは微塵も嬉しくなく、自分のしている事が涙が溢れるくらいに辛かった。
 グラエナは肉棒から溢れてくる透明液や、肉棒の先端やら根元等隅々まで舐めていく。更には口を動かし、肉棒を上下に扱いて、青年を必死に悦ばせる。ちゅぱちゅぱと飴でも舐めるような卑猥な音が室内に響いていた。
 青年は押し寄せてくる刺激に堪らなかった。娼婦は娼婦で巧みに追い詰めるので気持ちが良い。だが、このグラエナはグラエナで性的な経験が皆無に等しいので、稚拙な感じがまた良かった。
 この青年、感情の無い人形だとは思っていたのだが、いやはやグラエナと触れ合ってからは感情を隠すこと無く露としている。ポケモンを道具としか見なさない冷淡さを。
 そう言うグラエナは最初から気持ちを出している。だからこそ、自分がそんな余計な気持ちを一切持たない、感じる心なんてありはしない物になりたかった。
 片方は悦び、もう片方は悲しみ……。ふたりは正しく背中合わせだった。

 青年の肉棒は遂に、達する手前へと辿り着いていた。いつ汚ならしい液体が溢れ出しても可笑しいはない、一触即発の状態であった。
「……ちゃんと全部飲めよ」
 青年はグラエナにそう耳打ちして、グラエナの口内に白濁した液体を勢いよくぶちまけた。
 グラエナはそれらを確かと受け止めて、嫌々ながらも喉を鳴らしながら飲んでいく。音を聞く限りでは美味しそうなのだが、グラエナにとっては不味くて仕方が無かった。そしてそうでありながらも、肉棒に付いたものまでも綺麗に舐めて取った。
 グラエナの口内から解放された肉棒は萎縮すること無く、依然として膨張したままだった。まだ青年の欲望が満たされていない事を示していた。
「前の口はそれなりに楽しめたな……。今度は――――」
 青年はグラエナの下腹部にゆっくりと手を這わせていく。体毛を指で掻き分け湿り気のあるところで動かすのを止め、その茂みに隠れていた窪みへと指を入れた。すると、グラエナは頓狂に身体を震わせた。
「――こちらを満喫させて貰おうか」
 くちゅくちゅと淫らな音を立てて、指でグラエナの秘部をまさぐる青年。其処から引き抜いた指には何だかぬるぬるとした液体が纏りついていた。
 あんなに行為を拒んでいたグラエナでも身体は心に忠実であった。秘部から潤滑油をだらしなく垂らして、肉棒を――牡を迎える準備が万全に調っていた。終いには血迷ったのか、振り返って青年に向けて尻を高々に突き出していた。
 晴れて心身共に青年の僕へとなったグラエナ。その態度を見て青年は、ああ、面白いな、と心の奥底で嘲りながら思った。人の心が砕け散る瞬間は何度見ても心地が良い。――こいつは人では無くポケモンと言う道具に過ぎないが。
 青年は肉棒を握り締め、恥じらいも無く曝け出された秘部へと宛行う。躊躇う事無く、即座に肉棒を膣内へと押し込んだ。それも乱暴に。
「グワアッッ……」
 未開発の地に異物が入りこんだ事で、悲鳴を上げて悶えるグラエナ。それに形振構わず、グラエナの脇腹辺りに手置いて、獣みたいに腰を振る青年。交尾という火蓋は切って落とされた。
 始めての牡の感覚に適応出来ていないのか、グラエナの喘ぎ声は尽きることは無い。しかし反対に、幾度となく経験があり手慣れていた青年からは悦を含んだ声が聞こえなかった。他に聞こえるものと言えば、肉と肉とがぶつかる事で生じる音、ベッドが鈍く軋む音、じゅぶじゅぶと肉棒で膣内の潤滑油を掻き混ぜる音が重なり合った和音くらいだった。
 嘗てに交わった遊女とは違って、グラエナの膣内はきつきつに締まっていて、肉棒からは確かな快感が伝わっていた。今までに味わったことの無い感覚に、青年は満足を覚えていた。
 グラエナの秘部からは、ピストン運動で発生する摩擦によって、血が滲み出ていた。本来なら相手を思い遣り、安否を問うのだが、やはり青年は気にもかけていなかった。それどころか、腰に置いといた手をグラエナの胸元へと忍ばせ、硬く勃起した乳首を摘んだ。
 敏感になったそれを摘られたグラエナは、びくんと一度だけ身体を大きく震わせて反応する。青年が指先で転がしたり、抓る等をして刺激を与えれば、びくびく小刻みに震える。要するに、グラエナは弄ばれて感じていたのであった。その証拠に、口元から涎が垂れてベッドのシーツを湿らせていた。グラエナの瞳は生気が籠ってない虚ろの状態であり、青年の玩具であった。
 その玩具――ダッチワイフに、青年は依然として見境無しに何度も肉棒を沈めるものの、限度が近付き始めていた。種を残すという生理的現象を迎えようとしていた。
「へへっ……お前に俺の精子を沢山注いでやるよ。……孕むくらいにな」
 青年は卑劣な笑みを浮かべてそう言った。そしてピストン運動を加速させていき、グラエナの膣奥を突く頻度が増えていく。己の欲望を満たす為に。
「クゥン……キャンッ……」
 青年の行動に、グラエナは嬌声を上げて、ただひたすら善がる。無抵抗に肉棒を受け入れては、伝わる快感を噛み締める。
「おらよっ!」
 青年は最後に大きくグラエナの膣奥を突いて、肉棒の先端から液体を噴出させた。その液体はみるみる内に膣内を満たしていき、終いには結合部から漏れるくらいにまで隈無く行き届いた。
「クゥゥンッッ……」
 青年が絶頂を迎えたのと同時に、グラエナもまた飛切りの快感を感じていた。自分がこれまでに体験した事の無い心地良さを呼吸が乱れてまでも味わう。熱いどろどろしたものが自分の中に流れてくる感覚も新鮮で堪らなかった。
 青年がグラエナの秘部から肉棒を抜く。すると、栓が無くなった為に秘部から精子が溢れ出してしまう。溢れた精子はやがてグラエナの体毛へと付いて、白と灰色、最後に黒と全ての無彩色が揃った一種の芸術となる。
 しかし、青年は芸術なんてものにはさらさら興味無い。犯したという軌跡だけが重要なのであり、それもまだ過程にしか過ぎない。口内に秘部とそうしたので、他には無いと思われるのだが――――。
 次の瞬間には肉棒を彼女の肛門へと沈めていた。



 優しく照らす月が見えない、今宵。
 金に目が眩み不当取引をする者や生ける者を玩具として扱う者、性的快楽の虜になった者等を映すかの様に夜空は漆黒であった。そんな彼等へと差し込む一筋の光すら存在しない。広がるのは何もかもを飲み込む闇ばかり。
 まだ夜は、明けることを知らない。


原稿用紙(20×20) 18.15 枚
総文字数 6259 文字
行数 97 行
台詞:地の文 426文字:5833文字


後書き
駄文の御愛読、どうも有難う御座いました。
またもやポケモンの世界観を改竄です。これをお気に召さない方もいらっしゃると思うので、この場を使いお詫び申上げます。

初老の男性は初代、リメイク版初代をプレイした方達なら分かると思いますが、ポケセンでコイキングを売っていた人です。騙されて買った人もいるのではないでしょうか?
今回の駄文は上記を踏まえて売買されるポケモン、それを買う人間に焦点を当てて執筆致しました。それ故、いつもより物語を暗めに、一人称はなく転々と登場人物が描写出来る三人称を用いました。三人称は用いたのは二度目でしたが、依然として慣れなかったです。
官能描写もネタ切れ感が否めません。今回は滅多に書かない牡から牝の強姦でしたが、上手く描写出来たのやら。
駄文のモチーフとなった作品はかの有名な「羅生門」だったり。
グラエナは公式設定より命令に忠実なのは“優秀な”人間ですが。


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Last-modified: 2016-05-24 (火) 02:02:03
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