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極夜の世界

/極夜の世界

Writer:&fervor


注意 

*官能小説です。そういった表現がいくつも含まれておりますので、お気をつけ下さい。
*また、この作品は人×ポケ、多人数、♂×♂、触手プレイ等を含んでおります。駄目な人はお帰りください。

極夜の世界 

初更 

 郊外の寂れた商店街、その路地裏をするすると抜けた先にある、一軒の古びた建物。見る限りでは二階までしか無く、周りをビルで囲まれていて光も差していない。
じとっとした空気が肌に纏わり付いて不快であり、さらに夜ともなれば真っ暗で何をされるか分からないような場所であるから、当然誰も近寄ろうとはしないのだが。
 今日の夜、一人の青年がその建物の扉を開いた。中には簡素な受付と、何故か上ではなく下に続く階段。こんなちっぽけな建物に、どうやら地下室があるらしい。
青年は受付の前に立つもう一人の青年に声をかけた。続けて札束を差し出す。受付の青年はそれを数え、満足した様子でやってきた青年を地下室へと誘う。
 地下はさながら監獄のよう。牢屋の様な部屋が幾つも並んだ広い空間がそこにはあった。ドアも壁も防音対策は完璧にされているらしい。ドアに付いた小さな窓を青年は覗いた。
中の部屋はホテルの部屋のような作り。どうやら、中に何かが繋がれているらしい。拘束具のような物がちらりと見え、さらにはそこに繋がれている生き物の姿も。
 案内された青年は次々と部屋を物色する。そして一つの部屋の前で立ち止まり、受付の青年に何かを伝える。受付の青年は一つの鍵をポケットから取り出し、案内された青年に差し出す。
「じゃあ後は自由だ。時間が来たら部屋に連絡するから、それまでじっくり楽しんでくれ。途中で退室できないから、そこんとこよろしくな」
 案内されてきた青年は頷き、そして鍵を受け取ると、そのドアを静かに開き、部屋の中へと消えていった。

二更 

「今日はまずまずか。しっかしこの時間は忙しいったらありゃしねえな。手伝いの一人や二人、来て……くれるわきゃねえな」
 そーっとドアを開けると、受付の人のぼやきが早速聞こえてくる。高給なバイトがあると聞いてやってきたは良いものの、こんな暗い夜にこんな場所、どう考えても危ない仕事としか思えない。
これはやっぱり帰った方が良いんじゃないか。もちろんお金は欲しいけど、今僕が無茶をして、将来を棒に振ってしまっては意味が無い。
もう一度ドアを閉めて、来た道を引き返そうとしたその時、受付の人と僕の目線がぴったり一致した。
「お、お前も客か? 入ってこい、ここで合ってるぞ」
「え? あっ、と……僕は、その」
口ごもる僕を余所に、受付の人は僕をカウンターまで引っ張り込んでいく。店の雰囲気からしても断りづらくて、結局逃げることは叶わなかった。
受付の人は僕が喋るのを待っているらしい。けど僕はこの店に買い物に来た訳じゃないし、そもそもこのお店が何かも知らない。何かを売る店ではない、様な気はするけど。
「ぼ、僕、この店に働きに来たんですけど。給料が良いって聞いて……」
「え、何、まさか働いてくれんの? あーもう大歓迎大歓迎! 最近一人じゃ忙しくってやってらんなかったんだよー、ほんと良いときに来てくれたねー君。面接は良いわ、俺が許しちゃう。もう採用ね」
 今の自分の顔を鏡で見たら、狐につままれたような顔をしているのか、あるいは鳩に豆鉄砲を食らったような顔なのか。どっちにしろ驚いたことに変わりはない。
この受付の人の陽気さと言い、このラフさといい、思ってたほど厳しい仕事じゃないみたいだ。危ない仕事ならなおさら面接やるはずだし。
「でも僕、この店がまだ何の店なのかさっぱり……」
「その辺は大丈夫。俺がまず見せてやっから、そのあとお前が同じようにやれば良いだけだって。給料はある程度お前の言い値で良いよ。手伝ってくれるだけでもう大助かりだし」
 は、はあ……と訳も分からないまま話が進んでいく。こんなにあっさりと受けられる仕事があっても良いんだろうか。おまけに給料まで言い値で良いときた。
これはひょっとしたら本当に当たりの仕事かも知れない。ちょっとぐらい危ない仕事でも、きっと何とかなるよね。最悪逃げればいいんだし……。
自分の中に残っていた不安を無理矢理封じ込めるほどのお金の魔力。情けないことだけど、やっぱり僕はお金が欲しい。色々買いたいし、色々やりたいこともあるし。何より親に今まで迷惑掛けた分を。
「っと、名前まだだったな。俺はニトラ。一応お前の先輩になるわけだな。お前は?」
「あ、僕はルファルって言います。よろしくお願いしますね、ニトラ先輩」
 先輩はなにやら少し照れながら笑っている。僕も釣られて笑ってしまう。バイトの先輩としては、かなりいい人なんじゃないか。この人が先輩で本当によかった。話しやすいし面白いし。
 ニトラ先輩は早速、僕に階段を下りるように指示してきた。これからバイトの内容を説明するらしい。ちょっと薄暗くて怖いけど気にするな、なんて言われると却って意識しちゃうんだけど。
外からの見た目とは違って、この建物は地下にかなり広いスペースを造ってあるらしい。階段を全部下りると、そこには無数の無機質な部屋が。
部屋一つ一つが監獄のようで、おまけに分厚い壁やドアに覆われている。音一つ聞こえないけれど、誰か入っているのだろうか。
「そうだなー、今日はこれで店じまいにしたし。どうせ他の奴らは時間いっぱい出られないし。条件は揃った、と。よし、たっぷり教えてやるとするか。まずこの店について簡単にな」
 そう言うと先輩は迷わず一つの部屋の前で立ち止まり、ポケットから鍵を取り出してドアを開けた。無言で僕に目線を送ってきたのはつまり、僕から入れって事だろう。
中に入ると、外からの見た目とは違う割と綺麗な部屋が目に入る。下が絨毯張りだったり、さながらホテルのようだ。しかもその奥がかなり広い。ベッドも置いてあるし、間違って高級ホテルに来たような錯覚に陥る。
「おーい、もっと奥入れよ。そしたら大体の仕事は分かるだろ。ま、ここでやるのは仕事じゃなくってこの店のサービスの体験だけどな」
 後ろから入ってきた先輩にせかされて、僕はぐいぐいと廊下から部屋のスペースへと押されていく。そして広い部屋に辿り着いてみると、ベッドと広いスペース、そしてもう一つ、目を疑う様なものが。
その茶色い毛、長い耳。すらっとした体付きの……ポケモン。ミミロップ、だったっけ。あんまり見ないから分からないけれど。でもこれだけは言える。何かひどく怯えているような目つきだ。
「さてと、今から俺が客がやることをやってみせるから、お前は見とけよ? ま、見てても面白くないだけだろうけど」
 そういうと先輩は手慣れた様子でミミロップを撫でる。耳の辺りから順番に、身体も入念に。毛繕い、とは少し様子が違うし、これじゃまるで……?
そのままベッドへとミミロップを誘導する先輩。ころりと転がったミミロップは何故か四肢を投げ出して無防備に。こちらから見ると、ミミロップの弱い部分、つまりは性器も丸見えだ。
牝なのか、なんて思う間も無く、先輩はとんでもない行動に出た。片手は胸を撫でたまま、もう片方の手は股へと伸びる。まさか、と思った瞬間にはすでに指がそこに差し込まれていた。
きゅぅ、とか細く声を出すミミロップ。先輩の指はミミロップの割れ目に差し込まれ、前後に出し入れされている。いったい、先輩は何でこんな事を。
 どんどんと行為はエスカレートしていく。人間のするそれと全く同じ。だけどミミロップは抵抗する様子も見せず、依然怯えた目をしてはいるものの、若干その目が快楽に潤んでいるのが分かった。
そしてとうとう先輩は全ての衣服を脱ぎ捨てた。見た限り僕のより立派なそれをみて、少し僕は切なくなったけど、そんなことはたいした問題じゃない。
膝立ちでベッドの上に居る先輩。ミミロップは何の迷いもなく先輩のそれを咥えて、ちゅぽちゅぽと舐り始めていた。何がなんだか整理も付かず、ただじっと僕はそれを見つめていた。
「そうそう、いいこだなっと!」
 一気にそれを腰で突き込んだ先輩。ミミロップは当然苦しいんだろう。でもそれを受け入れて、必死で先輩に奉仕している。いや、ひょっとしたら少し……嬉しそう、なのかも。
 結局よく分からないまま事は進み、気づけばミミロップは股の秘所からべっとりと愛液を、そして先輩の精を零してベッドに倒れ込んでいた。軽くシャワーを浴びて出てくる先輩。
 僕自身も混乱していて声が出ない。ミミロップが可哀想で仕方なかった。先輩もいい人だと思ってたけど、まさかこんな。
「分かっただろ? って、お前は初めてだよな、こんなの見るの。でもこれがここの商品ってわけだ。そのうち慣れるし気にすんなって。こいつはもう調教済みの道具だから、仕事は別だしな」
 道具だなんて。僕には到底理解できない。こんな世界があることも驚きだったし、でもそれ以上に、ミミロップを道具扱いして平気な顔をしている先輩に驚いていた。
「可哀想って思えるのも今のうちだぞ。こっからがうちの仕事だ。いっとくけど、一度ここに来た以上、やめられるなんて思ってないよな? なに、お前も慣れたら大丈夫だよ。『ポケモンは道具だ』って、平気で言えるようになるさ」
 そんな馬鹿なことがあるわけない。僕は確かにポケモンを持ってないけど、でもポケモンがただの道具でしかないなんて思えるわけもない。
先輩はどうかしてるんだ。僕は絶対そんなことにはならない。仕事の内容がなんだか知らないけど、僕はポケモンが可哀想だとさっきからずっと思ってる。この気持ちが変わることなんか。
残っていたお客さんを全員帰して、ニトラ先輩はまた僕の前まで戻ってきた。僕はその顔をまともに見られず、足下をじっと見つめて黙り込む。
「さ、下行くぞ。俺に付いてこいよ? ちょっとうるさくても気にせずに、な」
 階段を駆け下りる先輩。逃げようにも鍵がかかってて出られないし、ここは付いていくしかなさそうだ。これさえ終わればいったんは家に帰れるはずだと、そればっかりを考えながら、僕も階段を駆け下りた。


 先ほどの階以上に暗いフロア。お客が入らないからだろうか、無駄な装飾が一切無い、本当に監獄のような階だ。さっきよりも扉や壁が頑丈なのは気のせいなのか。
「今日はこいつにしておくか。こいつならお前に見せがいがありそうだしな」
 先輩は何の躊躇もなく一つの部屋の前まで来ると、鍵をさっと探し当てて扉を開く。ぎぃ、と少し開けた途端に響いてくるのは金属が擦れて叩いて触れ合う音。
なにやら呻き声のような鳴き声も聞こえる。さっきのミミロップのような大人しさは全くないみたいだ。とても無傷では帰れない気がする。
 先輩に続いてさらに奥に入っていくと、ベッドも何もない、ただの広い空間。そこには様々な拘束具や、いわゆる大人のおもちゃが無造作に転がっている。
そして部屋の天井や床に備え付けられた手枷足枷に繋がれているのは黄色い身体と白い蛇腹のお腹、ドラゴンポケモンのカイリューだ。その目は先輩を睨み付けていて、猿轡をされた口からは声にならない叫びが漏れている。
 激しく暴れ狂うカイリューを余所に先輩は全く動じない。淡々と辺りの道具を集めて、なにやらこれからの準備をしているらしい。
「さて、こいつはまだ近場の山の中で捕まえたばっかりの、活きの良いカイリューだ。ただこいつも俺達の素性を知ってるから、そうやすやすと心を開いてはくれない」
 ということは、山の中でちょくちょくポケモンを捕まえては、こんな所に連れてきているというのか。ぼろぼろの身体を見ても分かる。一体どんな扱いを受けて、ここまで連れてこられたのかが。
カイリューの目線が僕の方にも向く。けどカイリューの目を僕は見ることが出来なかった。恐怖から、というよりも、カイリューに対して自分がひどく申し訳なく思えたからだ。
お金を稼ぐために、僕はこんな仕事を選んでしまった。逃げるチャンスが無かった訳じゃないし、当然今からでもこれを警察に言うことは出来る。出来る、けど。
それはつまり自分がこんな仕事をしようとしていた、と他の人にばらすことに他ならない。それをするだけの勇気が、人生を棒に振るような勇気が、今の僕にはまだ無かった。
「だからだ、俺達がこいつをお客様に対して従順になるように躾ける訳だ。とりあえずは俺がやってみせるから、お前は見ててくれればいいよ」
 見ててくれればいい、と言われても。これからどんなことがカイリューに対して行われるのか、それを考えただけで目を瞑りたくなる。
 僕がポケモンの一匹や二匹を持っていれば、先輩に歯向かってカイリューを助けられたかも知れない。でもバイトの募集要項は「ポケモンを持っていない者」。
僕は無力だった。目の前で起こることをただ眺めているしかできない。せめて目を背けていようと思った。けれど出来なかった。
僕の中の何かが好奇心を、興味を、期待を抱かせていた。そして何よりも、僕はお金が欲しかった。親のために、自分のために、どうしても必要だったから。
僕を縛る鎖は一本やそこらじゃない。もちろん今すぐ帰りたい。でも帰ってどうすると言うんだろう。他の人に? 言えるわけがない。
 つまりもう、後戻りは出来なかった。カイリューの行く末を見つめていることしか出来ない。先輩の行為を注意深く見ることしか出来ない。
「まずは……そうだな、お前も使うことがあるだろうし、こいつを使おう。上の階から持ってきたモジャンボだ。躾は済んでる」
 一つのモンスターボールを手にとって、それを宙へ投げる先輩。眩い光の中から現れたのは、大量のツタで身体を覆ったポケモン、モジャンボ。
そういえばさっきのミミロップもこいつも、そしてカイリューもなにやら変な輪っかを付けている。普通の輪っか、とは言い難い、黒い石のような物で出来た不思議な輪っかだ。
「ああ、そいつは特製の拘束具だ。それさえあればこいつらの力を押さえ込むことが出来る。指示を出す人間が居ない限り、こいつらはポケモンの技は使えない」
 そんなものが世の中に出回っているのか。あるいはここで特別に作られた物なのか。真相は分からないが、とりあえず凄い代物だと言うことは分かった。
それで、カイリューは逃げたくても逃げられなかったのか。「はかいこうせん」でも「げきりん」でも、この壁や天井ぐらいなら容易に吹っ飛ばせたはずだ。
「さあ、モジャンボ。『からみつく』だ。あとはいつも通り、頼むぞ」
 嫌そうな顔はしたものの、たぶん歯向かうことは出来ないんだろう。モジャンボはその大量のツタをカイリューに絡ませる。そのツタは蛇腹を摩り、口を封じ込め、そしてスリットを探り当てる。
カイリューの蛇腹の一筋にツタがぐいぐいと進入する。その違和感にカイリューは抵抗を一瞬止めてぴくりと震えた。それでもモジャンボの動きは止まらない。
スリットの中を、周りを丁寧に弄るモジャンボのツタ。口の中も優しく蹂躙し、さらに体中を愛撫してカイリューに刺激という刺激を与え続けている。
 数分もすれば、カイリューのスリットからはすっかり大きくなったそのモノがそびえ立っていた。カイリューの顔は恥辱と快感で火照っている、様に見える。
やや荒い息をしながら未だに暴れてはいるものの、大きくなった肉棒をツタで弄くり回される度にその動きがとまり、びくんと反応を示す。
 その様子を間近で見て笑っている先輩。ただじっと見つめられているだけ、とはいえ。カイリューからすればこれは屈辱以外の何者でもないだろう。
必死に耐えている様子のカイリューを見て、先輩はさらに道具を一つ拾い上げた。ケモノの雄槍を模ったバイブ。それにローションをたっぷりと絡めている。
カイリューはそれがなんなのか分かっていないらしい。それよりもツタから与えられる強力な刺激にがくがくと震えながら耐えるので精一杯のよう。
 そして先輩はカイリューの横から肛門へと手を伸ばして、躊躇無くそのバイブを奥まで突っ込んだ。痛みからか、急に暴れようとするカイリューをモジャンボはツタで押さえつける。
暫くそのままでモジャンボが肉棒をいじり続けていると、次第にカイリューは下のバイブを気にしなくなる。それ以上に耐えなくてはならない刺激が大きいからだろうか。
 先輩はそれを見逃さなかった。バイブのスイッチをいきなり強へと変える。中で激しく震えるバイブの振動に驚いたカイリューがまたも暴れようとした。
モジャンボはそれを必死で押さえながら、少し小さくなった様子の肉棒とスリットにツタを這わせる。先走りで滑りがよくなったその辺りが、部屋の薄暗い照明でてらてらと輝く。
 やがて、カイリューの顔が変化を見せる。辛そうだった顔がいつの間にか恍惚の表情に。荒い吐息はどことなく淫らで、なにより痛々しいほど張り詰めた肉棒がそれを物語っていた。
「あーあ、もうバイブで感じるようになるなんて、お前は淫乱な奴だなあ? そういう仔にはおしおきだ。モジャンボ、アレをやってやれ」
 モジャンボは先輩と目を合わせようとはしない。けれど命令には従うようだ。ツタの動きが一気に加速する。肉棒を上下に扱く強さが強くなり、速度が増して、さらにツタの本数も増える。
相変わらず強のままのバイブも快感を生み出し続けている。カイリューの顔はますます火照って、段々と快感で笑みがこぼれてきていた。
 肉棒がびく、びくとふるえて、今にも白濁が飛び出しそうに見えたその瞬間、全ての動きが止まった。バイブも止まり、刺激を与える物が何一つなくなる。
一瞬訳の分かっていない様子だったカイリューだが、直ぐにそれを理解したようで。僕にも分かる。きっといま、カイリューは自分の今までの反応を猛烈に後悔しているんだろう。
少し落ち着きを取り戻して、再び光がその瞳に戻ってこようとしていたカイリューに、またもさっきの攻めが襲いかかる。当然その快感にカイリューはあっという間に溺れてしまう。
口枷のせいで声はよく分からないが、どちらかというと喘ぎ声に近い声を出しているようだ。目は惚けてぼーっと壁を見つめている。
 再びの休止。再開。休止。再開。幾度続いただろうか、もう一時間以上は経っただろう。床は先走りで水たまりが出来ている。カイリューの目はもう常にとろんとしていて。
「さてと、イかせて欲しいか? 俺に従うならイかせてやろう。さあ、返事は?」
 ぶるっ、とバイブを一瞬揺らす。がくん、と大きくふるえるカイリュー。その目に最初の鋭さは残っていない。先輩の方に向ける眼差しは期待に満ちていて、その首は……縦に振られていた。
「よーし、じゃあイかせてやるよ。ほれ」
 モジャンボの強烈な触手攻め。肛門からはバイブの振動が。さっきからずっと待ち望んだ刺激にカイリューは歓喜し、大きく震えながら絶頂を迎える。
大量の精がモジャンボに降りかかる。べとべとになったモジャンボのツタをカイリューの口元へと持っていかせると、カイリューは自らそれを舐め取った。
「よーし良い仔だな。じゃあ後は明日だ。明日またたっぷり可愛がってやるよ」
 軽くお腹を撫でる先輩。カイリューは嬉しそうにくぐもった声で鳴いた。始まってからどれくらいだろうか。まるで最初のカイリューとは別のポケモンのようだ。
「これが俺達の仕事って訳だ。こいつは簡単だったけど、もっと手強い奴も居るからな。ま、明日からみっちり仕込んでやるから」
 ぽんぽん、と僕の肩を叩いて先に部屋を出る先輩。モジャンボは既にボールの中に入れたようだ。カイリューはなおも期待の目でこちらを見つめている。
僕はこれから、こんな事をしなくちゃならないのか。ポケモンをおもちゃにして、性奴隷になんて。でもやるしかない、やるしか、ないんだ……。
 決して陽の当たることのない、闇に包まれた夜の仕事。二度と抜け出せないその闇の中に、僕は足を取られてしまった、気がした。

三更 

「んじゃ、俺は山の方に行ってくる。帰ったらまた調教の訓練だからな、準備しておけよ」
 基本この仕事は夜にしかやらない。なら残った昼間は何をしているかというと、下のポケモンの調教や身体の診断、そして新たな道具の調達だ。
 山の中は危険が多い。僕もまだ一回しかあそこには入ったことがないが、ポケモンを追い回すのは相当な体力仕事だった。
危険なポケモンも多く、それらを上手く避けながら目標に近づいて、気づかれないようにボールを投げる。
逃げられれば道無き道を駆けて、襲われればあらゆる地形を利用して振り切る。一歩間違えば命を落としかねないような所だった。
 今僕に出来る仕事と言えば接客と、ポケモン達の診察に調教。調教はまだ不慣れなところも多くて、先輩の力を借りたりしているけど。
 たまにお客から寄せられるリクエストに応じて、辺りからポケモンを捕まえてきて調教することも多い。この辺は幸い色んなポケモンが生息していて、バラエティには事欠かないのだ。
さらに調教の方向性でも何通りもあるから、同じポケモンのリクエストが何個も寄せられる、なんてこともある。そんなリクエストを消化するべく頑張っていると、本当に一日たりとも休みが取れない。
先輩は今までこれを全て一人でこなしてきたというのだから驚きだ。僕がこれから先輩に色んなことを教わっても、とても出来る気がしない。
「……遅いな、先輩」
 そんな先輩が、珍しく山から帰ってこない。深追いしすぎて奥の方まで行ってしまったのだろうか、これだと今日中には帰ってこないかも知れないな。
実は前にも同じ事があって、一人で受付をこなしたことがある。そのときはさほどお客がいなかったからよかったのだが、今日はちょっと事情が違った。
というのも、今日来るお得意さんはリクエストのポケモンを楽しみにしているのだ。先輩が言っていた期限がちょうど今日。本当ならもっと早く調教を終わらせるつもりだったらしいけど、それを僕のためにわざわざゆっくり進めていたらしい。
 しかし今はそれが裏目に出ていた。なんとしても今日中に調教を終わらせないといけない。最後の仕上げ、と言っていたけれど。僕一人でやるしかないのかな。
本当はあんまり気が進んでいない。けど全部お金のため。今まで迷惑掛けていた分、親にもせめて孝行くらいはしてやりたい。こんな仕事をしているとは口が裂けても言えないけれど。
 少し迷った末に、僕はいつもの鍵を手にとって地下二階へ。従業員しか入れない、地下二階の調教室。その中の一室のドアを開いて中に入る。
調教室の中でも大きめな部屋。ここはもちろん巨躯を持つポケモン用の部屋だ。従ってここに繋がれているのは……緑色の巨体、バンギラスだった。
「やあ、今日は元気だったかい? 今日は僕だけだけど……その身体に叩き込んであげるよ、礼儀って奴をね」
 これも先輩から教えてもらった方法だ。まずは絶対に相手に対して強気の発言をしておくこと。一睨みして相手が怖がるぐらいがちょうど良いそうだ。このバンギラスも今までの調教の成果か、僕の目を見てびくり、と震えていた。
 さて、今日は思いっきり攻める、がテーマだったはず。最後の仕上げは必ず相手を強い快楽で落とすことが重要、らしい。
となればやっぱり頼れるのはあれだろうか。僕は持ってきていたボール数個を宙に放り投げる。それが開いて中から現れるのは、ピンク色のどろどろしたポケモン、メタモンだ。当然身体の中には小さな黒い輪っかが。どうして外れないのか不思議だ。
 それにしても、流石に三匹も連れてくると量が多い。これをウォーターベッドにしたら気持ちよさそうだな、なんてことを少し考えてしまったけど、今はどうでもいいこと。
「さあ、全員で纏わり付いて……やることは先輩から教わってるだろう? それじゃ、始めだ」
 僕が言うなり、メタモン達はバンギラスの身体という身体を覆う。まだ閉じきったバンギラスのスリットと、前回までの開発で既にゆるゆるになっている後ろの穴には、既にメタモンが入り込んでいた。
口にもメタモンは進入している。一部分をまさしく雄のそれに変化させて前後に動く。バンギラスはもはや抵抗せず、咥えさせられたそれを大人しく舐めている。
 スリットに進入したメタモンがぐりぐりと内壁をなで回していけば、やがてそこからは身体に相応しい巨根がその姿を見せ始める。まだまだ半勃ちという所なのに、既に20cmはあろうかという所。
これが完全にそそり立ったらこの二倍ほどは行くだろうか。こんな凶悪な槍をどう使うのか、それは客次第だが、少し聞いてみたい気もする。
「君も意外と好きだねえ。舐めろなんて一言も言ってないのに……おまけにこんなに大っきくしちゃってさ。仕方ない、じゃあもっと良い物を付けてあげようか」
 部屋の隅に置いてある道具軍団から、小さなバイブが幾つも付いたバンドを取り出す。当然これは雄の肉棒に付けるための物。メタモンがその棒の先端を刺激している間に、僕はぱぱっとそれを取り付ける。
メタモンによる後ろと前の同時攻撃。その快感にバンギラスは早くも虜になりかけていた。当然、肉棒に巻き付けられたそれにも期待の眼差しを向けている。
 スイッチは弱、強、最強の3つ。バンギラスの期待通りに最強にしては面白くない。まずは弱のスイッチを入れてみる。ヴヴヴ、とそれらしい音を立ててバイブが動き出した。
しかしそれでは少し刺激が弱すぎるようだ。荒い息こそしているものの、これではさっきとほとんど変わらない。メタモンの刺激の方がまだ強そうだ。
続いて強へとスイッチを変える。今度はさらに力強そうな音を立ててバイブが動いている。それと同時にがくりと膝をつくバンギラス。これは効果覿面なのか。
 すかさず僕はメタモンに次の指示をする。すると雄槍に絡みついていたメタモンが鈴口へと近づき、そのまま飲み込まれていった。
後ろにいたメタモンは一度するりと抜けると、完全な形で「へんしん」をする。やや狭い隙間だが、壁から離して拘束しているから何とかなるだろう。そして後ろに立つのはメタモンが「へんしん」したバンギラス。
 口では相変わらずメタモンの一部が「へんしん」した雄槍を咥え続けている。メタモンの雄槍がぶるっと震えると、やがて口元からは一筋の白い液体が。
しかしメタモンの「へんしん」したそれは疲れを知らない。大きいまま形を保つそれがまた前後に突き動かされる。解放されることはない。メタモンの精を吐き出すことは許されず、バンギラスはそれを全て飲み込んでいた。
 初日の姿からは考えられないことだ。今や何も言わずとも吐き出された精を飲み込んでいる。それどころか既にそれが自分の快感になっているのだろう、うっとりとした目つきで反対側を見るともなく見つめている。
大分堕ちてきたみたいだ。あと一息、これで最後の仕上げになるだろう。後ろのメタモンに目で合図する。バイブのスイッチも最強へと切り替えた。
「グガァ! ガ、ア……グオオオオォォォ!!」
 後ろからはメタモンがその巨大な一物でバンギラスを突き上げる。前に入り込んだメタモンが射精を堰き止めているために、絶頂を迎えることが出来ずにバンギラスはただただ暴れるばかり。
「さてと、このままが嫌かい? イきたいなら当然、それ相応の態度がある、よね。手枷だけ外してあげるから。どんなポーズをとればいいかは自分で考えることだね」
 がちゃり、と天井からぶら下がっていた手枷が外れる。部屋の入り口に置いてあるリモコンで拘束具の全てが操作可能だ。まだ使ったことのない物も沢山あるけれど。
手枷が外れて、後ろのメタモンも一度その肉棒を引き抜く。バイブが激しく揺れる中、バンギラスがとった姿勢は……臀部を高く突き上げて顔を床に付ける、まさしく服従のポーズだった。
その顔には悔しそうな表情さえ見られない。紅潮した顔で、何かを懇願するような目で僕を見ている。そっと頬を撫でてやると嬉しそうに啼きながら、目線で僕に催促をしていた。
「自分に後ろから突かれて気持ちいいんだね、とんだ変態だ。でもその素直な態度に免じてイかせてあげよう。さあ、終わりにしてくれ」
 後ろのメタモンが先ほど以上のスピードで腰を振り始めた。前に入り込んでいたメタモンがするりと出てきたかと思うと、肉棒を強くもみながらスリットの中を強めに擦っている。
口にいたメタモンからもう一度精液が流し込まれた。しかしそれを飲み込みきれずに顔に零してしまう。それも意に介せず、自らも腰を動かすバンギラス。
 それから少しした後、後ろのメタモンがひときわ大きく腰を突き込んで、一気に全てを吐き出した。本物のバンギラスと同じ精が中に流し込まれている。そう、その本物のバンギラスに。
「ガ、グアゥ……ガアアアアアアアアアアアアアアアッッッッ!!!!」
 肉棒がお腹と床に当たるほど弾けた。バンギラスは嬉しそうな顔をしながら咆えた。肉棒からはまるで爆発したかのような勢いで精が噴射されている。もちろん、後ろのメタモンからも、だが。
「嬉しいかい? 君の精液が君の中に流し込まれてるんだ、それでも嬉しいんだね?」
 最後の確認。口から、後ろの穴から、自分の肉棒からも白濁を垂れ流しているバンギラス。虚ろな目で、しかしまだ期待するような目つきでこちらを見て……大きく頷いていた。

四更 

 今日も夜が来た。もちろんこの建物自体が常に薄暗い所にはあるんだけれど、それでも昼と夜ではその暗さが段違いだ。昼間の調教の時には外に出ないから、あんまり実感することも無い。
 僕はいつも通り、受付の前でひたすら客を待っていた。最近は家に戻ることもなく、ここでずっと寝泊まりしている。
大学を卒業してからずっとフリーター生活だった自分にとって、こんなにやりがいのある仕事が見つかったのは初めてだ。まだ一応バイトというくくりにはなっているが、ほとんど正社員みたいな物。
僕が初めてここに来たときの先輩と同じ状況だ。この店を全部任されていて、何から何まで全部僕が責任を持っている。つまりそれは、この店をある程度好きなように出来ると言うこと。
 この店の所有者が誰なのかも気になる所だが、今は考えないことにした。どうせ所有者なんて名ばかりで、たぶんこんな事をやってるなんて知らないんだろう。
先輩曰く、この店は先輩が始めたらしいし。場所だけ提供してもらって、お金を定期的に渡してるだけの大家さん。所有者はそんな感じの人だそうだ。
 ……まあ、どれもこれも考えたって仕方がないことだ。今僕に必要なのはお金。もっともっと働いて、色々な資金にしなくちゃいけないんだから。
 目の前のドアが開く。すこし立て付けの悪くなったドア特有の、ぎぎぎと言う音がややうるさく室内に響いた。
「いらっしゃいませ。……はい、確かに。それではこちらへどうぞ」
 目の前のお客から差し出された大量の札束を受け取って、それが本物であることをざっと確認する。それが済んだらその客を下の階へ案内。ポケモンを選んでもらって鍵を開ければそれで終わり。
あとはそれをお客が来た回数だけ繰り返せば、受付のバイトはあっという間に終わる。全部先輩に手取り足取り教わったままのことだ。
 あれから1年。先輩は依然として帰ってこない。僕が逮捕されていないということは、どうもこの仕事から逃げ出したわけでは無いらしいが。
先輩のことも心配だったが、森の中を探す勇気もない。恐らく足を踏み外して谷底へ落ちたか、それとも野性のポケモンに襲われてしまったのか……。
 いずれにしても、無事では済んでいないだろう。こんな仕事をしている手前、警察に相談にも行けない。この仕事に就いた以上は、割り切らないといけないこともあるんだ。
ぼんやりとそんなことを考えながら、今日も仕事を黙々とこなしていった。今日来ていたのは合計四人。あと一人を呼びに行けばたぶん今日の仕事は終わりだろう。
入ってきた客を呼びに行くのももちろん自分の仕事。一人で全部をこなすのは以外と大変だ。部屋のドアを聞こえるようにノックする。さて、他に残った客は……いないな。
さっきの客も出て行ったし、そろそろ店じまいの時間か。外はまだ暗いものの、一時間もすれば薄明るくなってくるだろう。明るくなってくる頃にこの店を閉める。それが昔っからの決まり、だそうだ。
 一階に戻ると、そこには一人の人間がぽつんと佇んでいた。こんな時間に客とは珍しい。そう思って近づいた次の瞬間、僕は驚きのあまり硬直してしまった。
「せ、先輩……無事だったんですか?! いったい今までどこに行ってたんですか、そもそも何が……」
 最後に出て行ったときと全く変わらない服装。ぼろぼろの服を見るからには、やっぱりあの山で迷っていたのだろうか。だとしたら今日までいったいどうやって生き残ってきたのだろう。
他にも不可解な点が多すぎる。先輩から語られるであろう冒険譚や奇怪な話に僕の期待は膨らむばかり。受付の仕事で退屈していた自分にはちょうど良い楽しみだった。
「あ、あー……それよりまずは、鍵貸してくれないか? ほら、下の階のやつ、全部……」
 先輩はそんな僕の話を一旦遮って手を差し出す。帰ってくるなり鍵を出せ、なんて一体どういう事だろう。ひょっとしたらストレス発散でもしに行くのだろうか。
僕はズボンに付けていた鍵束を全部先輩に渡す。先輩はそれを暫く眺めてから、納得した様子で下に降りていった。その後を追おうとする僕に、先輩は一言。
「お前は残っててくれ。そのうち戻る」
 たたたた、と階段を駆ける音。先輩は一体下で何をやるつもりなんだろうか。僕にも見せたくないような攻めなのか、それとも上の階でゆったり楽しみたいだけなのか。
僕には知る由もない。ただちょっと気にはなる。人の趣味にとやかく言うつもりはないけど、先輩の本気がどんなものかぐらいは知りたい。
けど先輩に怒られるのも嫌だし、何より邪魔をしちゃいけないだろう。やっと帰って来られたんだ、暫く好きにさせてあげても良いんじゃないかな。
 下の方ではポケモン達の声が聞こえる。防音壁を越えるほどの声、それだけでも行為の激しさが感じられる。
僕の調教したポケモン達は、先輩とでも上手くやっていけているのだろうか。もしかすると先輩に駄目出しされるかも知れない。
 少し心配になった僕は、そっと階段を下りて、先輩の所まで行ってみることにした。音を立てないように静かに、ゆっくりと一段一段石の階段を下りていく。
しかしこの階からは何の声も音も聞こえない。先輩はやっぱり下にいるのか。薄暗くて分からないが、これだけ静かならきっとここにはいないはずだ。
 さらに僕は下の階へと続く階段に足を向けた。さっきよりも荒く作られた階段を、極力音を立てずに進む。音を立てたら僕がこっそり見に来たのがばれてしまう。
 だが少し様子が変だ。上の階にいたときには否という程響いていた声が今は聞こえていない。この部屋の奴らはどいつもこいつもうるさくて、防音壁でも防ぎきれないほどの声で叫んでいたはずなのに。
一つの部屋の様子を見ようとドアまで近づくと、さらなる異変に気づく。ドアの鍵が開いているのだ。後ろを見ても、隣を見ても。
中を覗いてみても、本来居たはずのポケモンが居ない。もしかしたら先輩は、一箇所にポケモン達を集めて何かやろうとしてるんじゃないか。
新たな調教方法を考えて、それを試したい、だとか。そう言うことならつじつまは合う。僕に見せたくなかったのは、きっと危険だからだろう。
 けどここまで来たら僕も引き下がれない。その新しい調教とやらを見て見たい。出来るなら自分の物にして、もっとたくさんのポケモン達を調教してやりたい。
そんな期待を胸に、僕は特別大きな一部屋へと足を運んだ。中をそっと覗くと、確かにポケモン達が集まっている。先輩はこの奥だろうか、扉を少し開けただけじゃ分からない。
でもこれ以上扉を開けたら中の先輩に気づかれるかも知れない。ここまできたんだ、見ない手は無いだろう。ただ、一体どうすれば……。
 不意に中のポケモンの一匹と目が合う。暗くて分からないが、確かに目だけは合った。まずい、ひょっとしたら先輩に気づかれたかも。
ドアを閉めようとして、ふと身体の異変に気づく。なぜだか分からないが、急に身体が動かなくなっていた。急な異変に、僕は思わず声を出していた。
「なっ、なんだこれ、動けないぞ? どうなってるんだ……?」
 素早い動きで目の前に現れたのはさっき目があったポケモン、黒い身体をした……シャドーポケモンのゲンガー。こいつは捕まえてから拘束するのに随分と苦労した奴だ。
でも今は腕の所に力を抑制するあのリングを……付けて、ない? そんな馬鹿な、確かに付けたのに、こんな事があるはずが……。
まさか先輩が、いやでもそんなことは、と頭の中が混乱している最中、ゲンガーの目が妖しく光った様な気がした。途端に目の前は暗闇になって、何も考えられなくなって……。


 目を覚ますと、そこはいつもの暗い部屋の中。僕がいつもポケモン達を調教している部屋のうちの一つ、一番広い部屋だ。床に散らばる調教道具も僕が知っている物ばかり。
ただ決定的に違うことは、僕が今、壁の拘束具によって動きを制限されていることだけだ。よく見れば腕には例の抑制リングも付けられている。
 そもそも非力な人間にはこの拘束具を外すなんて不可能なこと。抑制リングのせいで身体が思ったように動かない。付けるとこんな心地がする物だったんだ。
部屋のドアが開く音がした。入ってきたのは先ほどのゲンガーと、僕も調教でよくお世話になったモジャンボ、そして僕が来たときからいるミミロップ。
その奥には僕がよく知っている人物が立っていた。其の手には数々の道具が握られている。まさか、本当に先輩がこんな事を……?
「言っておくけど、これは僕たちが一年くらい前に捕まえた人間の姿を借りただけ。ようやく準備が出来たから、僕は助けに来たんだ。森の仲間をね」
 突然、先輩の身体が歪んだ。粘土のようにぐにゃぐにゃと形が崩れて、そして色がピンク色へと変化を遂げる。そこにいたのは先輩ではなく、変身ポケモンのメタモンだった。
まさか、先輩はこいつらに捕まって、ここのことを洗いざらい聞かれて……その後のことは想像したくない、が。想像するのは容易だった。
 そうこうしているうちに、メタモンは別の形へと「へんしん」を始めた。そこに立っていたのは頭に炎を灯した猿のようなポケモン、ゴウカザル。そして僕の目の前へとやってくると、ニヤリと笑う。
まずい、なんとしてでも逃げないと。こいつらが考えることくらい分かる。間違いなく僕への復讐だ。火で炙られるのか、殴られるのか。それとも別の方法で痛めつけられて殺されるのか。
どう転んでも最悪の結末しか見えてこない。苦しみながら死ぬのは何よりも怖かった。必死に拘束具から逃れようと身体を揺らすが、何の効果も無い。
「お前らふざけるなよ? 僕はお前らを調教する側で、お前らは道具として大人しく鳴いてれば良いんだよ! お前らに僕が殺せると思ってるのか!」
 そうだ、僕は調教する側。こいつらを道具として完成させるのが仕事なんだ。それがどうしてこんな事になっているんだろう。道具が僕を殺せるはずもないのに。
僕自身がみっちり調教してきたんだ、メタモン以外は皆、僕の恐ろしさを知っているはずだ。歯向かったらその後どうなるか、分からないわけがない。
今ここで殺すだけの勇気は、こいつらには無いはず。僕の姿が恐怖になるように、あるいは快感になるようにさんざん躾けてきたのだから。
「……あんたこそ立場を分かってないみたいだな。確かに森の皆は君を恐れてしまっていたようだが、俺は違った。そして今、もう誰も、君を恐れてなんかいない」
 ゴウカザルの姿から、顔だけが一瞬先輩の物に変わる。人間の声は人間にしか出せないのだろうか。先輩の事がどうしても思い出されて、僕は奇妙な感覚を覚えていた。
 それにしても、この僕を恐れてない? そんなことがあるものか、たとえ縛られていたとしても、僕の姿を見ただけで精神に影響が及ぶほどには躾けたのだから。
僕がさらなる躾を施したミミロップが目の前まで迫ってくる。さあ恐れろ、震えながら地面に跪くといいさ。さあ早く、早く……?
「んなっ! あっ……はぁっ、うぁ……こ、れは」
 ミミロップは躊躇なく僕に抱きついてきた。このミミロップの特性、メロメロボディ。拘束リングで押さえ込んでいたその特性が、今はフルに発揮されている、ようだった。
おまけにこのリングには相手からの技を効きやすくする効果もあったはずだ。だから触られればそれだけ感じ、叩かれればそれだけ痛い。
 もちろん今の僕も例外ではなかったようだ。まだ正気をぎりぎり保ってはいるが、ミミロップの匂いがしただけで目がくらむ。理性を辛うじて保っている状態だ。
メタモン……いや、ゴウカザルが数個の道具を拾い上げている。ここに来て僕は自分の認識が間違っていたことに気づく。
「まさか、やめろ、やめてくれ……僕が悪かった、殺すなら殺してくれて良い、だから頼む、これだけは……!」
 しかしゴウカザルは何も言わない。喋れないから当然と言えば当然だが。そしてやめる気配も感じられないことに気づいた僕は必死に力を振り絞る。
しかしそれは全くの無力。ゴウカザルの力によってあっけなく上着が破り取られる。そしてズボンが、下着がはぎ取られて、いよいよ全てをさらけ出していた。
 使い方は他のポケモン達が教えたのだろうか、驚くほど手際よくローションをバイブに塗りたくるゴウカザル。まだ小さい方のバイブだが、それでも未経験のポケモンにはなかなか入らないような大きさ。
それが今は僕の中へと進入しようとしている。後ろの穴にもローションが塗られる。その箇所が部屋の空気に触れていてひんやりと冷たい。
 ぬちゅ、という音を立てて、ケモノの雄を模ったそれが後ろに宛がわれていた。僕の様子を見ているミミロップもモジャンボも、にやにやと笑っているばかり。
「やめてくれ、本当に悪かった、だから……お願いだ、やめろ、やめてくれ……うあああぁぁっ! いだっ……いたいっ……あがっ!」
 これでも小さい方、だったはずなのに。これ以上入る気配もない。後ろの穴が無理矢理こじ開けられて、信じられない痛みが自分自身に降りかかっている。
こんなに痛いものだったとは。しかもまだ全部を突き込んだわけではないみたいだ。まだゴウカザルはバイブをぐいぐいと押し込んできている。
「やめっ……ぐあっ! あっ、いたっ……っつぅ……!」
 最後にひときわ大きく押し込まれ、ようやく後ろの動きは止まった。強烈な違和感が下半身に残っている。これをポケモン達に見られていると思うと。
唇をぎゅっと噛み締めながら、僕は一筋の涙を流していた。痛いからじゃない。……ただ純粋に、悔しかった。
 いつの間にかギャラリーの数は増えていた。ここは一番大きい部屋だから、入ろうと思えば恐らくここに居た道具全員が入ることも出来なくはないだろう。
ゴウカザルはその状態で僕の目の前へ。天井から伸びた手枷と床に付いた足枷。大きく股を広げる形で僕は吊されている。まさしく見せしめ、と言ったところだろうか。
「もう十分だろう?! 僕が悪かった、お前ら全員森に返してやるから、だから僕を放してくれ……お願いだ、頼む……」
 僕はその場にいる全員を見渡した。しかし誰も僕に対して返事をしようとしてくれるものはいない。僕の姿を見てにやついているだけ。
 歯ぎしりをしながら、僕は全員を睨み付けていた。だが誰も僕を怖がるものはいない。今までさんざんやってきた事が全部水の泡になったというのか。
それもこれも全部メタモンの所為だ。こいつが全てを駄目にしたんだ。恐らくはエスパーポケモンの力でこいつらの心を修復して、かくとうポケモンの力で僕を拘束し、すべてを準備して……。
「あがあっ! ぐああっ、あぐっ、うあ゙あ゙あ゙あ゙あああああああっ!」
 下半身の違和感が一気に増大する。快感などどこにもない、ただただ苦しいだけ。僕の中で、バイブがひたすらのたうち回っている。
ゴウカザルは暴れる僕の様子を見て、うるさい、とばかりに僕の頬をひっぱたいた。ぱしっ、と乾いた音が響く。しかし我慢しようにも我慢しきれず、くぐもった声が口から漏れる。
下半身は未だ震えたまま。まさかバイブがこんなにも苦しい物だったとは思わなかった。調教するときはあんなに素晴らしく思えたこのバイブが、今は無性に壊したくて仕方なかった。
 ゴウカザルは僕の全身にローションを絡めている。いや、たぶんこれはただのローションじゃない。感度を高めることが出来る、いわゆる媚薬と同等の効果を持った代物だろう。
それを全身くまなく塗られたと言うことは、やがて僕の身体は性感帯だらけになる。今まで散々使われたポケモン達の様子を見てきた、その本人が言うのだから間違いない。これで何匹の道具を作ってきたことか。
 だからこそ恐ろしかった。僕でさえ使うのはほんの一部分に留めていたっていうのに。値段的にも節約するしかなかったのだが、当然こいつらがそんなことを知るはずもない。
全身くまなく塗りたくられたらどうなってしまうのか、僕自身にも想像できない。ただ、とても耐え難いような苦しみが僕を襲うのだけは確かだろう。
 こんな陵辱を僕が受けることになるなんて。悔しさと苦しさで涙が止まらない。頬を伝う涙を慰めてくれる者はいない。いるのはそれを笑う者だけ、だった。


 しゅるしゅると伸びる蔦が僕の目の前で止まる。散々こき使ってきた僕のお気に入りの道具……モジャンボ。それが今、僕の身体を絡め取ろうとしている。
自分が使う側だったときは気づかなかったが、いざこうして巻き付かれる側になると分かる。怖いのだ。これからこの触手にどうされてしまうのか、自分がどうなってしまうのか。
 やがて大量の蔦が僕の身体に絡みついてきた。触手の先端が伸びてきて、両腕と両足が巻き取られようとした、その瞬間。
「ひゃあっ……うあぁっ……あ、あ……」
 情けない声を上げながら、僕は身悶えた。こんな普通の場所を触られただけなのに、まるで絶頂を迎えたかのような快感が全身に迸ったのだ。
これほどの快感が、こんな普通の場所からも生まれるものなのか。だとしたらそれを塗られた僕の肉棒を、もしも触られたとしたら。想像したくないが、どうしてもその光景が頭に浮かぶ。
さらに蔦は遠慮なく僕の身体を這い回る。ずるずると擦れる度に、僕はびくびくと身体中を震わせていた。周りを見ると、そこには僕を見てにやけるたくさんのポケモン達が居る。
 ゴウカザルは残ったローションの容器の先を細いものに変えている。一体何をするつもりなのかは、使っていた僕が何より一番分かっていた。
その先端が僕の後ろの穴に入り込む。ある程度入ったことを確認して、ゴウカザルは残りのローションを中へと流し込んできた。
 少しひんやりとした感触を内側に覚える。しかしそれをしっかりと感じるどころではなく、さらに僕の胸と股をめがけて這い回ってきていた触手の快感にひたすら耐えるので精一杯だった。
続けて先ほどのバイブにもローションが塗られ、また後ろに差し込まれていく。ぐいぐいと入り込んでくるそれは、先ほどよりもスムーズに最奥まで達していた。
 首を下に向けると、いつの間にかすっかり張り詰めていた僕の棒がそこにはあった。それをゴウカザルは見逃さず、必死にローションを絞り出して僕のそれにまぶしてきた。
 ローションが全部空になると、今度はゴウカザルがポケモンの群れの中へと鳴き声を発した。やがて群れから出てきたのはメタモン。こいつらも僕がよく使うポケモンだ。
ゴウカザルがその中の一匹を僕の肉棒へと持ってきて、そこに乗せる。ジェルのようなひんやりした感覚に、僕は小さく声を上げた。
メタモンは僕の鈴口へ。まさか、と思ったときにはもう遅かった。するりとその隙間に入り込んでいき、メタモンはあっという間にそこから居なくなったのだ。
中に強烈な違和感を覚えるが、すぐにそれも蔦の快感で消え去ってしまう。そして蔦の先端が僕の二つの乳首へと到達した。さらに遅れて僕の肉棒にも先端が触れる。
「ふあ、あっあ……あ、ぅあ……っはぁ」
 声を上げようにも声にならない。胸を弄られただけで僕の頭の中は既に火花を散らして真っ白になっていた。通常ならとっくに絶頂を迎えているはずなのに。
入り込んだメタモンがそれを許さず、僕は寸止めを喰らい続けていた。さらに蔦の本数は増え、首元やお腹にも絡みつく。そして肉棒を突っつくだけだった蔦が、ついにそこに絡まって。
「うあああっ! あっ、あぁ……ふはあっ、あぅ……やぁっ、あ! あふ……ぅ」
 そのまま上下に動かされたのだから堪ったものじゃない。絡まった蔦が擦れる動き、そして上下の運動。二つの玉袋もふにふにと蔦で弄ばれている。
その全ての刺激がローションによって増幅されて、僕はひたすら喘いでいた。いや、そうせざるを得なかったのだ。
 ポケモン達の声が聞こえる。ぼやけて見づらいが、ポケモン達の顔も見える。散々僕が調教してきた道具達の前で今、僕は喘いでいるのだ。
それを見て笑うポケモン達の声。何と言っているのかは分からないが、嘲笑が混じっているのが僕には分かった。
 皆に恐れられていた僕の顔は今、快感で自然と笑みが零れている。惚けた目で、荒い息で、だらしない顔つき。ポケモン達に、僕は今そんな姿を晒している。
けど僕は必死にその顔を普段通りに戻そうと頑張っていた。だめだ、こんな所で快感に溺れちゃ駄目なんだ。これじゃほんとに、あいつらと同じ運命を辿ってしまう。
「いあああああああああっ!! ひゃああ! ああああ、あ……ひゃぅっ! っは……ぁ」
 その気持ちが一度完全に吹き飛ぶような快感が内部からこみ上げてきた。差し込まれていたバイブが急に動いたのだ。その振動で僕は涎を垂らしてがくがくと跳ねた。
それは少しの出来事だったが、その快感はかなりのもの。こんな快感、未だかつて感じたことはなかった。それでもまだ、絶頂は迎えられないのだ。それはつまり。
「うああああああああっ! あああああっ! やあっ! ひゃああああああああああああああ!!」
 身体中が暴れる。自分の意志ではなく、身体が勝手に反応しているだけなのだが。今度はそれが全く止まる気配がない。触手は身体中を這い回り、肉棒はかなりの早さで扱かれているのに。
 ゴウカザルが目の前にやってきて、先輩の姿へと「へんしん」した。にやついた顔を見る余裕などなく、僕は訳の分からない悲鳴を上げていた。
「これが今まで森のみんなが受けてきた辱め、らしいな。どうする? このままずっとこれを続けるか? それとも……絶頂、迎えたいのか?」
 全ての動きが一斉に止まった。身体中をまだ快感の余韻が包んでいた。この快感を耐えきる自信などない。でも、ここで屈するわけにはいかないんだ。
暫く僕が黙っていると、またもやゴウカザルに「へんしん」し、僕のお尻を一度引っ叩いてきた。ぱしん、と乾いた音が部屋に響くと同時に。
「ひゃっ……あ、あ……」
 叩かれたのに、痛いはず、なのに。どうして今僕は喘いだのだろうか。笑い声が群れの方から聞こえる。違う、今のは僕の声じゃない、僕はこんな……こんなはずは。
「うあぁっ……ひゃあっ! ふぁっ! う……あ……違う、こんな、僕は……僕は……んぁっ!」
 二回、三回、四回、叩かれる度に、なぜか声が漏れる。ローションの効果はこれほどなのか、いや、それでも僕は、叩かれて喘ぐような性欲の塊じゃない。こいつらとは違うはず……なのに。
 ゴウカザルから先輩の姿へ。またにやけながら僕を見る先輩の姿をしたメタモン。僕はそのメタモンに若干の恐怖を覚えていた。先ほどの快感地獄がまた来たら、と思うと、このメタモンに逆らうことが出来なかったのだ。
でもこれはローションの効果のせいだ。だったらこの効果が切れるまで耐え続ければ、あるいは何かしらのチャンスがあるかもしれない。そうだ、まだ負けたわけじゃないんだ。
「にしても気持ちよさそうだな。これはただのローションだってのに。お前が知ってる媚薬ローションはこっち、だろ? 随分と変態なんだな?」
 別の容器を手で持ち、僕の目の前で振ってみせるメタモン。……そんな、じゃあ、僕は今まで何をしていたんだ。ただのローション塗れになって、それだけであんなに喘いで、悶えて……。
 変態? 僕は変態、なのか。触られるだけで感じるような、そんな生き物だったのか。僕は、でも、そんな……そんな、ことが。
……あったんだ。そんなことがあった。だから僕は何も言えずに俯く。恥ずかしかった。同時に僕のプライドが、音を立てて崩れていくような気がした。
「お前はこいつらを変態呼ばわりしてたみたいだけどな。お前も同じように……いや、それ以上に、勝手に感じて喘いでたんだぞ? みんなもどうだ? こいつの方がよっぽど変態だろう?」
 鳴き声が部屋中に響く。聞こえないはずの声が聞こえる。その全部が僕を変態と罵っていた。否定しようにも言葉が見当たらない。
「さあもう一度聞くぞ、変態。認めれば楽にしてやろう。さあ、お前はどうするんだ?」
 僕は、違、わない……? 僕は……変態? でも、あの快感が、さらにはさっきから切望していた絶頂が、手に入るのなら。それなら、変態でもいいんじゃないか。どうせ僕は変態なんだ。
今更否定も出来ないなら。今更後戻りが出来ないなら。楽になりたい。僕はもう変態で良いから。躊躇うことも……もうないんだ。
「僕は……変態、です。だからお願いします……イかせて、ください」
 メタモンは笑った。笑いながらバイブのスイッチに手を伸ばし、それと同時にモジャンボに合図をして……身体中に刺激が走った。
もはや声も出ない。ガクガクと震える僕は、いつの間にか口元がゆるみ、自然と笑顔になっていた。これだ、この快感だ。僕はこれが欲しかったんだ。このためになら……僕は、何だって。
「さてと、イくまえに条件がある。お前に散々辱められてきたこいつらが、恨みを晴らしたいらしいからな。どうすればいいかは分かるだろう?」
 手足の拘束具が外れ、蔦で床に寝かされる僕。またゴウカザルになったメタモンに、首輪を付けられて、部屋の真ん中まで引っ張られていく。
立とうとするとゴウカザルに蹴られた。それだけでひぅっ、と喘ぐ僕。どうやら立つな、ということらしい。四つん這いで、まるで犬のような格好の僕。
群れのポケモン達は僕の周りを輪のように囲んでいる。これから見せ物が始まるらしい。最初に僕の前に現れたのは……前に僕が調教した、バンギラス、だった。


 その目は以前のような怯えた目をしていない。むしろ怯えた目をしているのは僕の方だ。今の立場は完全に逆。逆らうことは出来なかった。
 手綱がゴウカザルからバンギラスへと渡される。バンギラスはニヤリと笑うと、その手綱を引っ張って僕を足下まで引きずり寄せる。
ずるずると床を引きずられるだけで、僕の身体は正直に反応していた。痛い、けど。けど、その痛みが同時に快感でもあった。
 そのままお腹辺りまで僕の身体が引き寄せられる。そこには僕がかつて調教していた、あの肉棒の隠れたスリットの筋が。
僕はその筋に口を近づけ、それに沿ってそっと舌を這わせた。スリットの筋の中は温かく、それでいて柔らかい。その内壁をなぞるように舌を動かす。
 傍観者となっていたゴウカザル……いや、またもや人間の姿になったメタモンはケタケタと笑う。一体何が可笑しいというのだろう。首を傾げる僕に向かって、メタモンは告げる。
「気づいてないのか? 誰も舐めろなんて言ってないのに……そうとうな淫乱だな、お前。しかも刺激もないのにそんなものおったてちゃって、なあ?」
 言われて初めて気づく。僕は何をしているのだろうか? 刺激もないのに何故か僕は興奮していて、言われなくとも目の前の雄に奉仕をして。
興奮の原因はどこから来るのか。自分では分かっていたが、認めたくなかった。それでも、見られていると思うと……僕の雄は自然とぴくぴく震えていた。
 それだけじゃない。バンギラスの雄が少しずつスリットから顔を覗かせ始めている。それを見て、僕は変な想像をしていたのだ。
これからこの雄が、もしかしたら僕の口に突き込まれて、そして後ろに突き込まれるのだろうか。痛い? 苦しい? いや、気持ちいいかも知れない……?
 言われたのに僕は何故か舐めるのをやめなかった。いや、やめられなかった、と言った方が正しいのか。これからの行為に期待を寄せつつ、僕は必死にバンギラスに奉仕していた。
「はは、そんなに欲しいのか? 言われなくても、バンギラスはそのつもりだったんだろ? お前の好きなように仕返ししてやれよ」
 僕はその間に、既に口の中にその肉棒を咥えていた。とても口に収まるサイズではなくなっているその肉棒を、半ば抱くような形。そして先端を口に含んで、ちゅぽちゅぽと淫らな音を出しながら。
しかしそれでは満足しきれないのだろうか、バンギラスは手綱を操って僕を無理矢理引きはがす。そして僕の後ろ側に立って、僕を抱いて……肉棒の先端が、僕の穴の中へと進入してきた。
「ああああああっ!! んあっ、がっ……くぅ、あぅ……あがあぁぁぁっ!!! うあああああ!!!」
 ごりごりと押し進んでくるバンギラスのその肉棒は、僕のまだ解れていない箇所を容赦なくこじ開けていく。しかし中に残っていたローションのおかげもあってか、不思議と痛みは感じない。
それとも単に痛みが快感に変換されているだけか。それは分からないが、ともかく快感は確かにそこにあった。太い、立派な肉棒が進んでくる度に、僕は善がる。
 バンギラスは満足しているのだろうか。バンギラスに満足してもらえるまで僕は頑張らないと。中にたっぷりと熱い物を吐き出して欲しい。それで僕が気持ちよくなれるんだから。
人間の限界を超えたようなサイズまで僕の後ろが拡張される。お腹が軽く突き出た形をしているのも気のせいではないはずだ。それを手で軽く摩る僕。なぜだか笑みがこぼれる。
そしてバンギラスは一気に僕から肉棒を引き抜く。先端を残してずるりと引き抜かれると、ぽっかりとそこに空洞が。かと思えば、もう一度勢いよく肉棒がぶつかってくる。
「ああっ! う、あぁ……はあっ、あうっ! くああ、あ、うぐああああ!! ふあっ、ひああああ!!!」
 訳の分からない声を発しながら、僕は体中を震わせてその快感を感じていた。もっと、もっと、もっと。バンギラスの巨体ではこの速度が限界なのだろうが、僕はそれ以上の快感が欲しくなっていた。
 その物足りない表情がメタモンにも伝わったのだろうか、なにやらメタモンがゲンガーと話している。やがてゲンガーが集中を始めると、空間がぐにゃりと歪んで、直ぐに元通りになった。
一体何があったのだろうか、これで何か変わるというのか。しかしあの技はどこかで見たことがある気がする。ゲンガーの技は僕も把握していないけど……なんだったっけ。
 再びバンギラスの動きが再開されたとき、ようやく僕はその技が何だったか思い出すことになった。バンギラスの動きが先ほどまでとは明らかに違ったから。
ずるる、ばこっ、ずるる、ばこっ、とでも言えばいいのか、そんな緩慢な動きのピストン運動が、急激に加速していたのだ。普段のバンギラスでは絶対に出せないような速度に。
引き抜かれたかと思ったら既に最奥まで突き込まれていて、最奥に達したかと思えば既にそこにはぽっかりと空洞が。そんな速さであの巨根が僕を突いていた。
「あがぁっ、くああっ、あっ、あっあっ、ああっ! ふあああっ、ああああっ! んあっ、ふはあっ、あふっ、あ、あ、ああああっ!!」
 息をする間もないほどの高速運動。僕の身体は激しく揺さぶられていて、行き場のない快感は体中に染み渡って、もはや何も考えられなくなる。
目はどこへ向いているのか、完全に焦点を失って彼方此方へと動いているだけ。理性を保つことなど到底出来ず、僕はこの悦楽の虜になっていた。
 やがてその動きにも終わりがくる。ひときわ大きく突かれたかと思うと、バンギラスは猛々しく咆えた。その声が部屋中に響くと同時に、僕の中には想像を絶する量の精液が吐き出される。
「はぐぁっ……ああっ、あ……ふぁぁ……」
 腸どころか胃にまで達したのか、僕のお腹はぱんぱんにふくれていた。バンギラスが雄を抜こうとすると、ゴウカザルになったメタモンがバイブを持って駆けつけてくる。
そのバイブは先ほどよりも明らかに大きい、大型ポケモン用。こんな物が入るのか、と僕は期待していた。これならまだまだ気持ちよくなれるんじゃないか。
 ずちゅっ、とぬかれた雄槍に代わって、素早くその大きなバイブが差し込まれる。それが栓の役割をして、精液が下から溢れるのを防いでいた。
「どうだ、気持ちよかったか? さて、ここでお前には、皆に自己紹介してもらわないとな。さあ、お前は何だ?」
 ゴウカザル、いや人間に「へんしん」したメタモンは僕に変な質問をしてきた。僕が何なのか? 何を言っているんだろうか。当たり前じゃないか、僕は……僕、は?
僕は……僕は、何だったんだろう。僕は快感が欲しい。僕はそのためにずっと生きてきたんじゃなかったか。違ったっけ。いや、違わない、はずだ。
思い出せない。どうも何か大切なことが快感に塗りつぶされてしまっている気がする。道具、調教、そんな言葉が頭の中に残っている。
 道具、調教……ああ、そうか。僕は皆の道具で、調教されていて。皆は僕を自分好みの道具に調教して、それで遊んでいるんだったっけ。
考えれば直ぐ分かることだったじゃないか。何で忘れていたんだろう、こんな簡単なことを。そうだ、僕は皆の道具。性欲を満たすための、汚らしい存在。それが僕の誇りじゃないか。
「僕は、皆の道具です。……だから、もっともっと、使って下さい。僕で遊んで下さい。僕に、もっともっと……快感を、下さい」
 周りのポケモン達が笑う。僕は何か可笑しいことでも言ったのかな。いや、僕のぱんぱんにふくれたお腹を見て笑っているのかも知れない。けどこれはバンギラスの精だから、僕にとっては大切な物。
けどまだこんな物じゃない。僕はまだまだ大丈夫だ。僕が壊れるまで、皆には満足してもらわないと。それが僕自身の快感にもなるんだから。
 ポケモン達のざわつきの中、僕はバンギラスの雄を丁寧に舐めて掃除していた。バンギラスの精はとても濃厚で、やみつきになるような味と匂い。先端を掃除していると体中がべたべただ。けどそんなことは気にもならない。
 やっとのことで掃除し終えると、既に次のポケモン達が数匹僕に向かってきていた。ミミロップとオーダイル、それにハブネーク、だろうか。三匹を見て、僕はもう既に、次なる快感に心を躍らせていた。


 手綱がバンギラスからオーダイルに渡される。引っ張られて仰向けになる僕。その上から顔を覗き込んでくるオーダイルも、先ほどのバンギラスと同じように笑っている。
ミミロップは随分と蔑んだ目で僕を見ている。ハブネークはぎろりと僕を睨むと、その牙を見せつけて僕を威嚇してきている。
そして僕はと言うと、三匹に対して何かを期待するような眼差しを向けていた。さっきのバンギラスぐらいの、いや、あるいはそれ以上の刺激を与えてくれる事への期待だった。
 一番近くにいるオーダイルに気を取られていると、不意に僕の肉棒に強い刺激が加えられた。首を傾けて見てみると、ミミロップが僕の棒を足でぐりぐりと踏みつけている。
「うあっ、ぐ、あぁ……んあっ! ああっ、あっ……あっ!」
 肉棒を震わせてその刺激を悦ぶ僕の顔に影がかかる。顔に跨るようにして立ったオーダイルのスリットが、僕の目の前にあった。僕は自然とそのスリットへと顔を近づけて舌を這わせる。
オーダイルも僕が舐めやすいようにと少し身体を傾けてくれている。その期待に応えようと、僕は手も使ってそのスリットを満遍なく刺激していく。
 オーダイルのスリットはバンギラスのそれよりも少し大きいようだ。となれば当然、その中身も同じように大きいのだろうか。ひょっとしたら、それが僕の中に……。
そう思うだけで体中が熱くなるような気がした。ミミロップに踏まれる快感がその熱で増幅されて、ひときわ大きく震える僕。
 オーダイルに奉仕しながらミミロップの快感に耐える僕に、さらなる喜びが与えられるようだ。しゅるしゅると近づいてくるハブネーク。余っているのはあと一箇所。何が来るかは想像できていたのだが。
期待とは違い、背中に何かが這いずる感覚が。その快感にも敏感に反応してしまう僕。一瞬スリットへの刺激が途切れると、オーダイルは容赦なく僕を軽く足で蹴ってきた。
けれども蹴られる痛みも僕にとっては快感でしかない。もちろん僕はそういう道具だから当たり前と言えば当たり前、なのかもしれないが。その様子を見て、皆は僕を嘲っていた。
こんな姿を見られて、しかもそこで遠慮無く喘ぐ姿を笑われて。でももう恥ずかしくはない。いや、むしろそれこそが快感なんだ。僕はそれを見られて興奮するような変態なんだから。そういう道具なんだから。
 ハブネークが僕にどんどんと絡まりついてくる。身体が擦れて生まれる快感を必死で耐えながら、僕はオーダイルへの奉仕に全力を尽くしていた。その間にハブネークは後ろの穴でバイブを引き抜いている。
やがて完全にバイブが抜けると、今度は僕の穴に何かの先端を突き込んできた。見なくても容易に想像できる。ハブネークの特徴である、二本の雄槍が、きっとまとめて僕の穴に入り込んでいるのだ。
一本ではバンギラスのモノほどの大きさはないが、二本なら話は別。先ほど以上に広げられた僕の後ろの穴。バンギラスの精のおかげもあってすんなりと入ったその二本。内壁を擦るその動きと感触は独特で、新しい快感だった。
「ひあああっ、ああっ、くあっ、ふ、あぁ……うあああっ!! ああっ、んあああっ!!」
 三方向からの違った刺激に、僕の頭はもはや考えることを放棄していた。ごちゃ混ぜになった快感だけが何もかもを支配していて、性欲が体中を動かしているような、そんな感じ。
いつの間にかオーダイルのスリットからは大きな肉棒が顔を覗かせている。その肉棒を手で刺激する僕。口を使おうにも、先端が上を向いていては咥えることが出来ない。
それを察したのか、オーダイルは四つん這いになって、僕の口をまるで雌の割れ目のように使って、腰を振って雄槍を突き込んできた。喉の奥まで雄槍が突き込まれるたびに、僕は激しく噎ぶ。
断続的に呼吸も止まるような、激しい攻め。けどそれでオーダイルが気持ちよくなってくれるなら、と僕は道具らしく出来ることを出来る限り頑張っていた。
 肉棒への刺激はいつの間にか止んでいる。しかし次の瞬間、僕の頭の中がふっと真っ白になるほどの刺激が。ミミロップの雌が突然、僕の雄をすっぽりと覆ってしまったのだ。
「うああああっっ、ああああっ、んあああああああああああっっっ!!!」
 そして最後まできっちりと僕の雄が入り込む。ぐにぐにとミミロップの膣が僕の雄を絞るように蠢く。温かい、と言うよりも熱い。これが雌の中なのか。
実を言うと、僕は今まで一度も雌との行為を経験したことはなかった、はずだ。もちろん、ポケモン達とも。ずっと前から道具だったはずだけど、何故かその記憶は全くない。
 ともかく、僕の初めてはミミロップに奪われた。初めての感覚で僕の頭はもう訳が分からなくなっている。ただ一つ分かるのは、気持ちいい、と言うことだけだった。
「ひゃあっ! あぐっ、はぁ、あっ! うああっ、あうっ、んあああっ!! あああっ、あっ、うああああああああああっっっ!!」
 自ら身体を動かして、三匹の動きと呼吸を合わせてさらに大きな動きに。ずるずると内側が擦られて、口の中はオーダイルの先走りで溢れていて、肉棒はミミロップの割れ目に握られていて。
ミミロップの身体に触れているだけで、もはや達せそうなほどの刺激が体中に走る。メロメロボディ、の力だろうか。この行為の快感が何倍にも増幅されて、もはや僕は理性を失っていた。
「ああああっ!!! ひゃあああっ!! はうっ、あっ、くあああああああああああああああっ!!! うあっ、あああああああああああああっっっ!!!!!」
 ミミロップの秘所が大きく動く。僕の精を搾り取る動きとともに、割れ目の豆からは大量の潮が溢れていた。それが僕のお腹に、顔に、そしてオーダイルにもかかる。
ミミロップの絶頂に合わせて、オーダイルとハブネークも精を吐き出す。後ろから注がれたそれは行き場がほとんど無く、結果としてバンギラスの精が胃へと押し出される形に。
しかしオーダイルの射精は膨大な量。既に満たされていた胃では収まらず、食道も満たして、ついには僕の口からごぽっ、と溢れてしまった。
 ずるり、とハブネークが二本の雄を引き抜くと同時に溢れる精。そこにオーダイルがバイブで栓をする。さらにそのスイッチを最強にされたから堪らない。
ミミロップが僕の雄を引き抜いて離れる。僕は一人で、バイブの快感にのたうち回っていた。暴れる度に僕の口からは白い精液が零れる。
「やあああああああああああっっっ!! あがっ、ごっ……うああああああああああああっっ! ひああああああああああああああっっっっっ!!!!」
 快感の嵐は次々と。その刺激にとうとう脳が壊れたのか、僕の意識が段々と薄れていく。その異変に気づいたのか、ゴウカザルが何かを言った。
ちゅるん、と僕の雄から飛び出すメタモン。栓をしていたそれがようやく抜かれた、と言うことは。仰向けで暴れていた僕は、そのままの体勢で叫ぶ。
「うああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっっっっっっっっっっっっ!!!!!!!!!!!」
 これが僕の肉棒なのか。あり得ない量の白濁が僕の顔を越えて飛び出す。僕の顔へと飛び散り、僕のお腹へと飛び散り、そして数十秒も経って、ようやくその射精は終わりを告げた。
しかしバイブの振動は続く。精液を吐き出した直後の僕には辛すぎる刺激。それに気づいたゴウカザルがバイブを止めてくれた。
「はぁっ、あ……ありがとう、ございます」
 僕の所有者であるゴウカザルが、きっと僕のことを一番分かってくれているのだろうか。その優しさに、僕は素直に感謝の言葉を述べた。
 ゴウカザルは僕の腕に注射器を刺して、中の液体を注ぎ込む。けどここには麻薬やそういう類の物は無かったはず。あるのは確か……ポケモンを回復させる道具だけだ。
針が引き抜かれた直後、僕は自分の身体の異変に気づく。先ほどあれだけ激しい射精をしたというのに、身体の疲れがほとんど取れていた。
それだけじゃない、まるで数ヶ月間一回もそういう行為をしていないかのような、激しい性欲が僕の肉棒から伝わってきていた。いつの間にか僕の肉棒は痛々しく張り詰めていて。
 そうか、「すごいキズぐすり」と「ピーピーマックス」か。ポケモンに使えばどちらも体力やPPを回復してくれる道具だけど、他にも使い道はある。
なかでも「ピーピーマックス」には、ポケモンに使えば性欲回復効果や精液・愛液の増量効果があるらしいから、当然僕が使っても効くはずだ。
これが与えられたと言うことは、まだ僕に快感を与えてくれるのだろうか。僕は四つん這いになってお尻を高く上げる。もう待ちきれない。早く、早く僕を……めちゃくちゃにしてほしい、な。


 ずるり、と後ろの穴から雄槍が引き抜かれる。ぽっかりと空いた穴からは白い液体が溢れて止まらない。口からも溢れたそれを、もったいないとばかりに僕は舐め取った。
 何時間経っただろうか。薬で体力と性欲を回復させながら、僕は次々とやってくるポケモン達に弄ばれていた。僕の中は既に精液と愛液で満たされていて、お腹を軽く押しただけで穴と口からこぽり、と零れる。
もはや何も考えることは出来なくなっていた。肉棒やスリット、割れ目が目の前に来たら舌を出して舐める。肉棒を突き込まれたら悦んで喘ぐ。僕の雄が雌に飲み込まれたらその快楽に善がる。
それが僕のやるべきことで、それが僕の存在の理由で、それが僕の全てなのだから当たり前だ。僕は皆の奴隷であって、道具なんだ。
 付けられた首輪は僕が皆に飼われていることの証。腕輪は……なんだったっけ。思い出せないけど、きっとこれも皆が付けてくれた物なんだろう。
記憶なんてどうでも良かった。この快楽が一生続くなら、それだけで満足だ。僕を可愛がってくれる皆がいるなら、それだけで十分だ。
 一通り皆の行為が終わったのか、僕はようやく全てから解放されていた。けど、何かが物足りない。さっきまでの快感がすっぽりと抜け落ちた今の状態では、もう僕はいられない。
ゴウカザルは僕の元へやってくると、ぐにゃりと形を変えて、誰か人間の姿へと「へんしん」する。知っているような気もしたけれど、思い出せないし、思い出そうとも思わなかった。
「ぼく、まだ……まだ、欲しい、です」
 僕はメタモンに向かって懇願する。体中が精液と愛液でべとべとで、身体の中にもそれはたっぷりと入っている。それでも僕は足りなかった。
「じゃあ皆にお願いしてみたらどうだ? 道具の分際で生意気だけど、調教してくれるかも知れないぞ」
 そうだ、確かにこれじゃ僕は生意気かも知れない。立場も弁えずに、失礼なお願いだ。けど、僕はとにかく快感が欲しかった。溢れかえる快感の虜になっていた。
射精できない状態にされたときの、あの狂ったような刺激が恋しい。口の中も、穴の中も、そして雄も。全てを支配された時の、あのぞくぞくする感覚が恋しい。
 僕は何の迷いもなく土下座する。行為が終わってほっと一息ついていた群れの皆に向かって、深々と。
「お願いです、淫乱な僕を……もっともっと、躾けて下さい。調教して下さい……ご主人様達」
 僕を嘲る笑い声。とんだ変態だ、と笑われているのだろう。その言葉は、もう僕にとっては甘い響きにしか聞こえなかった。現にその言葉で僕の雄はいきり立って震えている。
ゴウカザルが僕を仰向けになるように蹴っ飛ばし、そして乱暴に僕の肉棒を掴みながら、僕の後ろの穴に雄槍を突き刺してきた。内壁が擦られるだけで、もう僕は甘い声を上げてしまう。
「ひゃあ、あんっ……あっ! やあ、うああっ!」
 右手はぐにゃりと形を変えて、僕の肉棒の鈴口へと入り込む。これでまた、射精できない、あの無限の悦楽が僕にやってくるんだ。そう思うだけで、僕は胸を躍らせていた。
 雄は僕の右手と左手にその肉棒を掴ませてくる。もちろん僕は両手でそれを扱き、その二匹に快感を味わってもらう。さらに他の雄も僕の様子をおかずに自慰を始めているようだ。
 雌は僕の口元へ。秘所を満遍なく舌でなぞり、豆をころころと転がせば、雌も気持ちよく達してくれる。愛液が顔中に広がっても気にならない。目は段々と愛液に濡れて、多少の濁りを見せ始めていた。
 ゴウカザルの動きに喘ぎながら、次々にやってくる雌に奉仕する。その間に雄達は僕の身体に次々と精液を掛けてくれる。べとべとした液体の感触。独特の香り。それは僕にとってのご褒美。
 突いてくれるゴウカザルの雄槍はその体格よりも遙かに大きなモノ。メタモン故の自在な大きさ。その大きな雄槍に突かれるたびに前立腺が擦れ、大きく震えて仮の絶頂を迎える僕。
しかし実際の射精には至っていないから、その快楽は無限に続く。これだ、さっきと同じ、この可笑しくなりそうなほどの快感。これこそ僕が一番欲しかった物だ。
 僕に必要な物。僕の最も大切な物。それは快感だ。僕には服も、食べ物も、住む場所も要らない。そんな物無くて良いから、皆からの快感が欲しい。
「ひゃああっ! くあっ、あああ、あん……んあぁっ! も、っとぉっ! く、ださぁっ、いぁぁっ!!」
 ゴウカザルはその欲求に答えて、さらに動きを加速させてくれる。誰かが「こうそくいどう」を「バトンタッチ」してくれたのだろうか。
誰かの放った「メロメロ」で僕の快感は膨れあがり、「スキルスワップ」された「たんじゅん」の効果で僕はその快感をより鋭敏に受け取る。
 もはや声も出なかった。口をぱくぱくさせて、涙を流しながら善がっていた。愛液と精液にまみれた身体を必死で動かし、自らその快楽に溺れていく。
絶頂はもはや最後のひときわ大きな快感、ではない。絶頂状態が普段の状態であるかのような錯覚を覚えるほど、僕は何度も達していた。
 達しているのに達せない。けれどそれは苦痛なんかじゃない。それこそが僕の望んでいた快感なんだから。それを与えてくれるご主人様達に感謝しなくちゃいけない。
身体は白く染まりそうなほど精液に濡れ、顔は涙が愛液に代わるほどにそれを浴びていて。それでも次々にやってくる雄と雌に、僕は頑張って奉仕していく。
 僕だけが快感を受け取るなんて事は出来ない。仮にも僕は躾けられる側なんだから。躾けてくれる、調教してくれるご主人様にはしっかりとそのお礼をしなきゃいけないんだ。
 さっきまで数時間もの間ずっと行為に及んでいたというのに、僕の身体は快楽にはとことん貪欲らしい。疲れもどこかへ消え去ってしまった。
気を失いそうな快感に悶えながらも、奉仕だけはしっかりと。僕は道具としての役目をしっかり果たしながら、同時にそのご褒美を受け取っていた。
 やがてゴウカザルが唸る。吐き出された精の行き場はもはやどこにもない。鼻や口から逆流したり、下から勢いよく溢れたり。ゴウカザルが雄を引き抜けば、まるで後ろの穴から射精したかのように精液が流れ出してくる。
そしてゴウカザルが右手を僕の雄槍から抜き取った次の瞬間、僕のそれは爆ぜた。辺り一面に白濁をまき散らしながら暴れる肉棒。僕は身体を痙攣させながら、体中に駆け巡る極度の快感に善がっていた。
「――――――――――――――――っっっ!!!」
 声は出なかった。口を開け閉めして、呼吸も出来なくなるような悦に浸って、意識は真っ白に染まって遠のき……ぷっつりと途切れるのだった。

五更 

 郊外の寂れた商店街、その路地裏を暫く奥へ進んだ先にある、一軒の古びた建物。見た目から判断すると二階までしかなく、周りのビルによって日の光も遮られている。
湿った空気が肌に纏わり付くような日当たりの悪さ。さらに夜ともなれば決して安全とは言えないであろう、人通りもない細い道の奥にあるから、当然誰も近寄ろうとはしないのだが。
 今日の夜、一人の青年がその建物の扉を開いた。中には使われていないカウンターと、何故か上ではなく下に続く階段。こんなちっぽけな建物に、どうやら地下室があるらしい。
青年はドアを閉めるとその姿を変え、本来の姿、メタモンとなった。カウンターの近くに立っていたバンギラスは、何かを終えたような、満足そうな様子でメタモンに地下室へ行くよう催促する。
 階段を下りた先はさながら監獄のよう。牢屋の様な部屋が幾つも並んだ広い地下室がそこにはあった。しかし、その部屋はもう使われてはいない。
さらに階段を下りると、先ほどの階よりもぼろぼろの壁や床が。こちらは本当に劣悪な環境らしい。そんな階の廊下を進み、メタモンはひときわ大きなドアの前でゴウカザルへと「へんしん」した。
 ドアを開けたその中は、まさしく拷問部屋のような作り。どうやら中に何かが繋がれているらしい。拘束具のような物がちらりと見え、さらにはそこに繋がれている生き物の姿も。
ゴウカザルの姿を確認した、中に拘束されているその青年は、なぜだか既に彼の肉棒を精一杯滾らせながら暴れていた。ご主人様、ご主人様、と狂ったように叫びながら。
 その姿を見てゴウカザルは嘲笑う。もはや山のポケモン達の仕返しは終わった。あれ以上することはなかった、のだが。彼の壊れぶりが、彼の堕ちようが、あまりにも滑稽だったから。
 彼には永遠にその罪を償ってもらうことにした。そのおかげでポケモン達も性的に満足し、何より彼自身が一番悦んでくれている。散々に痛めつけられているというのに、何故か彼は悦んでいるのだ。
 ゴウカザルは彼の手枷、足枷を外す。彼はお尻を高く持ち上げてゴウカザルに向けてアピールする。差し出されたそこを蹴り飛ばすゴウカザル。しかし彼は歓喜の声を上げる。
 彼は暗い部屋の中で、ひたすら喘ぎ、善がり、果てるだけの道具となりながら、永遠の夜を楽しんでいた。彼は闇に足を取られ、身体を取られ、心を取られ、そしていつの間にか、全てを失っていた。
だがそれさえも彼は理解できない。彼の壊れた頭の中には、もはや性欲と快感しか存在しなかった。彼の夜は終わらない。彼の営みも終わらない。
彼はもう、この闇から戻ることは出来ないのだ。一度ブラックホールに入った者が、決して出られないのと同じように。
 陽の昇らない、極夜の世界。彼は今、そんな世界にいる。決して明けることのない夜に溺れ、晴れることのない闇に飲まれた彼はなおも望む。

――この夜が、どうかずっと続きますように。

あとがき 

今回はいつも通り万人には受けないであろう小説を。予想は簡単だったんじゃないでしょうか。文章の癖もそのままだったりしますし。
発想自体は割と前からあったんですが、書くのが辛いのでずーっとほったらかしでした。
それを今回は引っ張り出してきたのですが、途中でネタ提供もしてもらいつつさらに増量。
好きなものは仕方ないですよね。時間がぎりぎりでしたが、本当はもっと書いていたかったですw
書くのが辛かった、というのも同時にあったりはしましたが。ここまで書けたから良しとしましょう。
それでは、投票してくださった方のコメントに返事を。

>男でも女でも結構楽しめる。 (2010/09/22(水) 13:30)
そういってもらえると嬉しいです。特に女性の方にうける、っていうのはなかなか無いので……。

>変態ならこれしかない! (2010/09/23(木) 00:24)
ありがとうございます。出来る限りの官能を突っ込んでみた結果ですw

>立場が逆転する展開は大好きです。
>ローションの罠が悪魔的。これ、本当は媚薬ローションを塗っていて、ルファルの精神を貶めるために引っ掛けたのだったりして。どっちとも取れるだけに怖いです。
>ニトラ先輩はどうしたんでしょうね? やはり捕らえられて情報を吐かされた後、森のポケモンたちからルファル以上の責め苦を受けて……ガクガクブルブル。 (2010/09/30(木) 01:02)
どうなんでしょうね、一応ルファルはボトルを見て本当だと思ったみたいですが、実は入れ替えた物だったのかも……真相は闇の中、ですけど。
正直な話、たぶんニトラ先輩はもう……。ルファル君は殺されていないだけましなのか、それとも。それは皆さんのとらえ方次第です。下手にイメージ狭めても面白くないですしねw
ちなみに立場の逆転と屈服って大好きです。おもにされる側としてry

なんだかんだで第七位。投票して下さった方も、読んで下さった方も、どうもありがとうございました。

【作品名】 極夜の世界
【原稿用紙(20×20行)】 94.5(枚)
【総文字数】 32849(字)
【行数】 485(行)
【台詞:地の文】 13:86(%)|4283:28566(字)
【漢字:かな:カナ:他】 33:60:6:0(%)|10952:19876:2180:-159(字)

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Last-modified: 2010-10-01 (金) 00:00:00
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