ポケモン小説wiki
来世でまた会おう

/来世でまた会おう

大会は終了しました。このプラグインは外してくださって構いません。
ご参加ありがとうございました。

エントリー作品一覧



作者……仮面の分厚さにおいて右に出る者がいない人


 突然、空から隕石とともにやってきたそのドラゴンは、隕石からあふれ出る強力な力を浴び、まるで巨大な掌を思わせる形態に変化し、全身から瘴気を吐き出しながら地上に破壊をバラまいていく。
 隕石の落下地点は瞬く間に不毛の地となり、生物が住むには適さない土地へと変えられていった。
 当時、この国には禁足地へ踏み入る習慣もなく、肥えた土地ゆえに食糧は豊富。それゆえ、よく言えば平和。悪く言えば平和ボケそのもので、瞬く間に『掌』に蹂躙された。討伐隊が結成されるも、撤退した討伐隊の生き残りから、全滅の報告が空しく届くのみであった。そして、今は他国へ救援を求め、飛行できるポケモンたちが交渉に行っている。
 そして、掌の襲撃が始まった場所からほど近いところにあるこの町では、救援が来るまでの時間稼ぎに、町の男たちが駆り出されることとなったのである。

「あー……無理だ無理だ無理だ。こんなの無理だよ……俺達確実に死んじゃう。俺達防御できないし*1
「まさか、僕達が生きているうちにこんなことになるだなんてね」
 時間稼ぎの討伐隊に選ばれた男の一人がこのニダンギルの青年、アルバとルバスである。もちろん、一個体で、本当の名前はアルバスというのだが、ややこしいのでニダンギルの間は二つに分け、ヒトツキとギルガルドのあいだは本来のアルバスという名前に戻すといったところである。
 うるさいのがアルバで、比較的静かなのがルバスである。
「畜生! まだ女も抱かず、童貞のまま死ねるか!!!! おい、ルバス! こうなったら出撃する明日の夜までに、女捕まえて童貞捨てるぞ!」
「えぇ……そんなまた突然な」
「うるせぇ! 突然なのはあの掌だ! 俺達が突然になるのは仕方ねえだろ! よし、タンザちゃんの家に行くぞ」
「え、タンザちゃんのほうに!? 僕はシバレルちゃんのほうが……」
「いいから! 行くぞ!」
 こんな性格の違う二人なので、女性の好みは当然違う。
  アルバが好みなのは、明るく良く喋り、テンションの高い感じの女の子。そしてルバスが好きなのは、落ち着いていて、穏やかな時間を過ごせる女の子。アルバが先導して向かったタンザちゃんとは、前者の明るい女の子だ。ルバスは少し不満そうだが、いつもアルバに引っ張られがちな彼はそれ以上の文句は言えずにアルバに主導権を握らせることになった。

「タンザちゃん! 突然押しかけてごめん!」
 アルバは刀身を鞘にしまい、カギがかかっていないドアを勢い良く開けるとともに、深々と頭を下げた。
「あ、アルバス君……どうしたの?」
 熱気のこもった室内から出てきたのは、セキタンザンの女の子、タンザである。彼女はこの町周辺に自生する竹をバリバリ食べては体の中で熱を加えて圧縮し、内部に石炭を作って有事の際にはそれを燃やす。そうして体から発せられる熱で鉄を打つのが得意な熱い女性だ。アルバスは彼女の親に、何度も焼き入れや焼きなまし等をしてもらった関係であり、今は彼女にも刃を鍛えて貰っている仲だ。
 活発で積極的な性格で、アルバが惚れている女性である。
「実は俺、討伐隊のメンバー選ばれてしまって……村の喧嘩自慢達も次々とやられちゃってるし、俺なんかは戦い始めると退くことができないから、きっと生きて帰ることはできないと思う……」
「そっか……そういう話になっていたけれど、やっぱりそうなっちゃうんだね……何とか力になりたいけれど、私には何もできないし……」
「俺、こうなった以上は悔いなく終わりたいんだ。本当なら進化してからにしたかったけれど、君と結ばれたい。もう、今日じゃなきゃ無理だから」
「アルバス君が? ……いいけれど、ルバス君は納得しているの?」
 今まで喋っていたのは、全部アルバだ。ギルガルドに進化してから告白したかったというのはつまり、ニダンギルの時点ではこういった時に意見の相違が出てしまうことが原因だ。
「うん、僕も納得してる……こうなった以上、僕も君を愛すると誓う。いや……こんな、戦いに向かう時だからこそ、君の熱いエールで送り出してもらいたいんだ。君を抱いて、夫婦として……男女として! 同じ死ぬにしても、どうせなら君を守るために戦いたいんだ」
 ルバスにとって、タンザの性格は少し鬱陶しいとすら思えてしまう存在であったが、しかし彼も童貞のまま死んでしまうのは嫌だからと、ここは嘘をついてでもアルバに合わせることにした。ニダンギルはテレパシーで繋がっているので、こういう時の息はばっちりだ。
「……わかった。じゃあ、その……どうしよう。私、何の準備もしてないし、心の準備も……いや、ごめん。心の準備が出来ていないのはむしろアルバス君の方だよね! わかった、アルバス君が心の準備をするためなら、好きにして!」
 タンザは深く迷わなかった。小さいころから友達として付き合いのあった幼馴染が、明日いきなり死ぬかもしれないのだ。気が動転せずにはいられないだろう。それなら、彼の気持ちを受け止めてあげることが自分に出来る唯一のことだと、覚悟を決めた。
 そうと決まればと、タンザは家に閂を掛け、来客が入れないようにしてアルバスを寝室に招く。扉を閉めたおかげで熱気が立ち込めた家の中はとても暑苦しいが、時に鉄が赤くなる温度で刀身を鍛えるニダンギルにはこの程度の暑さはなんてことない。
「やり方は一応お母さんから教えてもらったけれど……アルバス君は、どうすればいいかとかわかる? っていうか、アルバス君のちんちんどこ? 刀身の部分? 柄の部分? それともこの鞘?」
「え、この手だけれど……」
「へぇ、そこなんだ……じゃあ、今まで握手した時とかって、ちんちん握ってたわけ!?」
「ま、そうなるけれど……い、今は気にしないでいいじゃないか……」
「そうよね……じゃあ、これを……」
 身の丈2.8メートル。頭の高さでも2メートルに達する彼女にとって、0.8メートルのニダンギルなど子供のようなもの。柄から伸びた布のような彼の手は、彼女の大きな手に包まれると、その先端がすっぽりとおおわれてしまう。今までにないくらいにゆっくり、じっくりと触られていると、アルバとルバス、どちらもこみ上げるものがあるようだ。両手で一本ずつ手を握られていると、その暖かな刺激が血流を増加させて、体が本能的に昂っていく。
 彼らのそれは、ペニスとはいっても一般的に股間についているものとは違い、自由に動き、鞘のような重いものも支えられるために、生殖に備えたからといって固くはならない。だからこそ、目に見えての変化は小さく、その変化を敏感に感じられるのは本人たちだけだ。それを知らないタンザは、無邪気に彼らのそれを揉み解すだけ。話で聞いたように固くならないことを怪訝に思い、ちょっと力を強めてみたり、擦るように触れてみたり試行錯誤をしている。
「ちょっとタンザちゃん……もう限界が近いんだけれど」
「僕も」
「あれ、そうなの? 男の人ってこういうことをすると、固くなるって聞いたから……」
 アルバとルバス、どちらも限界が近いことを告げると、タンザは慌てて手を離す。こんな、手で撫でるだけで終わってしまっては死んでも死にきれないだろう。
「ごめん、俺達そういう種族じゃないんだよ……」
「そうなんだ……。ところで、私のほうはもう準備万端だよ……なんかもう、タールでトロトロになってきちゃった……二人のなら、慣らさないでも大丈夫かも」
「何か入れたことあるの?」
「もう、そんなこと聞かないでよ……ほら、恥ずかしいから、早く」
 どうやら彼女は自慰の経験があるらしい。手も届かなそうな体型だから、きっと何らかの道具を使ったことは予想できるが、それについては秘密のようだ。顔を赤くして、部屋を鍛冶場の室温に変えている。
「じゃ、入れるよ……」
「僕も……」
 二人は鞘に収まったまま、彼女の下半身に手を伸ばす。タンザの体温は気分の高揚につられて体の温度も高まっているようで、彼女からにじみ出たタールは、ねばつくことなくさらさらしている。こうなると、胎内に男性器を挿入するのも楽になり、体格差もあってか確かにするりと入ってしまう。ただ、ニダンギルの手は、自由自在に動くため、小さいからと言って不足はない。それどころか、がっついた二人が一気に二本差しをするものだから、タンザはその刺激に思わず声が出そうになる。
 二人の手捌きは、剣術と同じく以心伝心。統率が取れていて、優しくもいやらしく、様々な刺激でタンザを翻弄する。彼女の体温はさらに上がり、下手なポケモンでは長く突っ込んでいたら低温火傷をしてしまいそうなほど。その温度はむしろニダンギルには程よい塩梅だ。
 痙攣するように締め付けと開放を繰り返す彼女の下半身は貪欲に雄を搾り取ろうとしているようで。アルバスは射精を堪えるのに精一杯だ。先に限界を迎えたのはタンザの方だった、今までより強く痙攣したかと思うと、口を閉じて必死にこらえていた声を漏らす。体内からはさらにタールがどろりと漏れ出し、床とアルバスにべっとりと張り付いてしまった。
 一方、彼らの生殖器を兼ねた手はタンザの締め付けのきつさに、アルバもルバスもあっけなくやられてしまい、彼女の体内であっけなく射精してしまった。
 こうなると、これ以上動かす気にもならず、体温が上がったタンザの熱を心地よく味わいながら、射精の余韻に浸る。やがて、性器の痙攣が収まったところで、アルバとルバスはぬるりと手を引き抜いた。性格が全然違っても、射精を含めてこういう生理的なタイミングが一緒なのはやはり双子の兄弟分といったところか。
「……すごかったね。初めてだったけれど、気持ちよかったし……それに、楽しかった」
「それは俺達もだよ。テレパシーで伝わってきたけれど、こいつも俺もすごく楽しんでたぜ……最後の思い出を、ありがとう」
「うん……明日、討伐に行くんだよね。これからその準備?」
「あぁ……役に立つかはわからないけれど、刃を研いでおこうと思ってる」
 アルバは今度の予定を聞かれ、即座に出まかせを言う。そんな予定はなかったが、戦うならば少しでも傷をつけられるようにそうするのもいいかもしれない。
「じゃあ、タールを落としておかないと……私が洗ってあげるね」
 タンザはそう言って洗浄液を持ち出し、お湯を温めて二人を洗い清める。タールまみれになった二人の体が綺麗になると、タンザは二人を抱きしめた。
「生きて帰ってきてね……たとえそれが絶望的でも、私は待ってるから」
「そうはいわれても、俺は攻撃を避けることができないしな……まぁその時はその時さ。大丈夫、俺はゴーストタイプだから、生まれ変わることくらい出来るさ。その時は、来世でまた会おう……そしたら、君の子供と恋をしたりなんかしてな」
「ふふっ……何それ……でも、そういうのもいいかもね」
 タンザは涙目になりながらも微笑み返す。アルバスは彼女を抱き返し、顔を上げた。
「それじゃあ、俺は体を研ぐために家に帰るよ」
「うん……ご武運を!」
 こうして、二人はタンザの家を後にした。そして間髪入れずに……
「よし、次はシバレルちゃんの家に行くぞ」
 次の女の元へ行くことを決める。
「え、シバレルちゃんにも?」
「そうだ……童貞のまま死ぬのは辛いってのもそうだけれど、お前だって好きな女を抱けずに死んだら、死んでも死にきれないだろ!? 俺だけ好きな女を抱いて死ぬのも不公平だし……どうせ明日には死ぬ命だ、天国に女を連れていくことができないなら、今のうちに抱いておくぞ!」
 アルバはめちゃくちゃ言ってルバスを引っ張っていく。


 ルバスが好む落ち着いた雰囲気の女の子、シバレルというのは、ユキメノコである。ヒトツキ族は、作物の収穫に優れた種族で、アルバスやその家族も普段は農作業に従事している。収穫物のうち、常温保存がきかないものは彼女とその家族に預けているため、幼いころから親交があり、独り立ちするようになってからも関係は良好な仲である。
 寒いところを好む彼女は夏の季節は洞窟で眠っていることが多く、特に昼ともなるとよほどの緊急事態でもない限りは外に出ると身体の危険があるほどだ。それゆえに今は掌が攻めてきているのに避難もままならない。
 氷室の管理や氷屋という名目で仕事を与えられた彼女らを守るためにも、アルバス達徴兵された者は戦わなければならないのだ。そんな彼女の家は、小高い丘の石灰質の洞窟内部にある。岩盤で構成された地層の内部は彼女の冷気によって冷やされ、ドアは凍り付いて空気が密閉されてしまわないよう、あえて少しだけ隙間がついた構造になっている。ゴーストタイプゆえに夜眼は利く方なので、そこからわずかに入り込む光だけでも十分に生活できるのである。
 彼女は暖気が入り混むのを嫌がるためか、鍵をかけないのが普通のこの田舎町でも、住居兼職場は夏に訪れれば固く扉が閉じられていた。ノックをしてお伺いを立てると、すぐさま隙間から目を覗かせてくる。
「あれ、アルバス君じゃない……戦況はどうなってるの? この町は大丈夫?」
 この緊迫した状況の中、外に出ることもできない彼女は情報から取り残されていた。本来ならばこの夏の季節は氷室の中に夏野菜が溜まっていく時期なのだが、氷室の中は寂しいまま。世間話もできない状況なので、彼女は不安な日々を過ごしていた。
「戦況は思わしくないね……今日は、そのこともあってきたんだけれど」
「……何かあったの?」
 よほど不安なのだろう、シバレルは涙目になりながらアルバスに尋ね、彼を招き入れた。氷室には閂をかけ、かすかに光が届くだけの奥の方へと案内する。
 ゴーストタイプゆえか一つの場所にずっととどまり、退屈ともいえる日々を過ごすことに抵抗のない彼女だが、この氷室から出ることになれば数日もしないうちに体を壊してしまうだろう。そうなってしまえば、避難をしようとしなくとも彼女の運命に大差はない。
「実は、討伐隊が全滅して、俺達若い男たちにも徴兵令が出されたんだ……俺は、戦いになると防御とかそういうの、考えられないから……恐らく、撤退が遅れて生きては帰れないと思う」
 そう告げると、シバレルは口を開いて何かを言いかけるも、しばらく声が出なかった。ただでさえ冷え切った氷室の中に、さらに重い空気が立ち込める。
「……私、ここを離れることになったらどうやって生きていけばいいんだろう?」
 不安で縮こまったシバレルを見て、アルバスはそっと彼女を抱きしめる。
「大丈夫ということはできない……けれど、俺達で、救援が来るまでの時間を稼ぐことが出来る……外の国では、禁足地を不思議のダンジョンって呼んで、何度も潜り込んでは戦利品を持ち帰る専門の職業があるらしい。そういう人たちって、俺達の常識からは考えられないほど強くって、中には子供でも伝説のポケモンに匹敵する強さのやつもいるとか……」
「すぐにはこれないの?」
「十分な戦力を集めるのに時間がかかってるって話。親切な人の一部は即決してくれたみたいだけれど、一部は報酬で揉めているとか、即決した人は重くて長距離は運べないとか……それでさ。これが、最後のあいさつになるかもしれない、から……僕、このままじゃ死んでも死にきれないんだ」
 シバレルを抱きしめながら、ルバスは彼女に甘く囁く。
「今日一日、いや、たったひと時でいいんだ……君と、結ばれた時間を過ごしたい」
「……そうだね。でも、いいの? ……真剣な交際はギルガルドに進化してから、って」
「いや、俺は君に決めた。君を真剣に愛する……ずっと……好きだったから」
 そうアルバが甘い言葉を囁く。テレパシーで繋がった二人は、口説き文句の息もピッタリだ。普段の彼女ならこんな唐突な告白ではアルバスの正気を疑ったろうが、命の危険が差し迫った状態でこんな誘惑をされてしまえば、正常な判断はできない。シバレルは不安に駆られるままにアルバスの鞘を抱き返す。
「うん……それじゃあ、今日だけでも、私達は家族に……夫婦になりましょう」
 シバレルはそう言って、手の甲にキスをした。
「いいんだね?」
 ルバスが問う。何が、とは言わなかったが、シバレルはこくんと頷いた。抱きしめたまま、アルバスの手が彼女の下半身に伸びる。胴体の部分は空洞なので、巨大な耳たぶを触っているかのように手ごたえはない。触れば力を入れずとも凹んでしまうので、感触を楽しむことは難しい。ただ、シバレルのほうはきちんと触られている感触はあるし、普段は男に触られることなどない場所だからか、恥ずかしそうに声を抑えている。空洞の入り口まで撫でたアルバスは、彼女の胴体をめくりあげて内部に手をやる。
 内部はもちろん、普段は誰にも触れられることのない場所。粘膜というわけではないため痛みを感じることはないものの、ヒトツキ族にわかりやすく例えるなら刀身の根元や鍔の裏側。そういうところを撫でられるに等しい。敏感でくすぐったい、しかし、そのくすぐったさも、愛情が加わればいとおしいものになる。
 幼馴染から守ってあげると言われ、死んでも一緒だと言われ。そうして昂った気分はそのくすぐったさを快感と認識し始める。胴体の内側、そこを撫でられるだけで心が安らぎ、幸せな気分が次から次へとあふれてくる。
「あの……もっと、奥……触っていいよ」
 気分が乗ってきたシバレルは、一度アルバスの鞘を押し、抱擁から離れ氷室の床に横たわる。暗い氷室の中、シバレルは甘えた声を出しながらアルバスを誘惑する。
「わかったよ……」
 そう言ってアルバスは抜刀し、ルバスに鞘を持たせる。シバレルはタンザと違って巨体ではないので、一人ずつ相手をすることになりそうだ。
 彼女の胴体の奥の奥。普通の生物であれば喉の下あたり。彼女の性器はそこにある。その付近にある小さな穴を、指でなぞるように触ってみる。やはり、ここは一番大事な場所のようで、その分一番感じる場所。
 ずっと弄っていると、彼女の体温でもなかなか氷つかない、不凍液の体液が漏れ出てくる。滑りを帯びたその液体は、氷のように冷たい体ででもよく滑り、そしてとても甘い。彼女の体の生殖器が雄を受け入れる準備をしている証であった。
 彼女の体はまだ十分にほぐれていないし、滑りも不十分。いきなり指を突っ込むわけにもいかず、入り口を弄り続ける。時折、思い出したように指を差し込んでみると、抵抗なくめり込んでいけることろが、徐々に深まっていくのを感じる。身も心も、男を受け入れる準備が出来ているということだ。
 これがギルガルドに進化してからだと、小柄な彼女と交わるには少々難儀したろうが、ニダンギルのサイズなら、そう難しくはないだろう。
「ねぇ、シバレルは……こういうの初めて?」
「当たり前じゃない……こんなところ、自分以外触ったこと……」
「自分で触ることはあるんだ?」
「むー……」
 ルバスが下心丸出しの質問をすると、恥ずかしさからからかシバレルは眉間に縦筋を寄せて目をそらしてしまった。いくらニダンギルのものなら受け入れられるとはいっても、初めて性器に異物を入れたのであれば、もう少し初々しい反応くらいあっていいはずだ……それがないということは? そんなルバスの考えは見事当たっていたようだ。
 処女だけれど、それなりにこなれた彼女の性器は、氷タイプとは言えそこまで冷たくはない。氷タイプではないつがいとも子供を作るためなのだろう、普段は体内まで氷つくような温度ではない。
 ルバスは差し入れた指で彼女の中をかき回す。揉むように、撫でるように、いつくしんでいると、シバレルは目に見えて甘え始める。刀身から離れた鞘を抱きしめ、それに口づけをして小さく縮こまる。生憎、彼女の中を弄っている最中のルバスには見えなかったが、鞘を持たされているアルバには彼女の表情が良く見える。
 目を閉じて、まるで赤子のように頬ずりをするさまは、見ているだけでこちらまで幸せになりそうなほど。鞘から伝わる冷たい感触、ちょっとだけ辛いけれど、今日だけは彼女の思いが感じられるようで愛おしかった。
 やがて、彼女の抱擁がきつくなった。シバレル自身は意識しているわけではないのだろうけれど、こみ上げる感覚に耐え切れず、無意識のうちに縋りつける彼らの鞘に体を預けたようだ。一人ずつしか攻められない相手だけに、アルバは見物に徹しているが、直接体を味わわなくとも、この仕草だけで十分興奮する。
 ルバスも、テレパシーでその様子は伝わってくるものの、やはり生で見るということは格別だ。物理的な刺激を得て、ちょっと気持ちよくなっているはずのルバスがその顔を直接見たい、とそわそわしている。そんな風に気を散らしていると、シバレルは先ほどよりもずっと強く、二人の鞘を抱きしめる。んんん……と、くぐもった声を上げて、数秒間体を痙攣させたと思ったら、そのまま糸が切れたように脱力する。そうやって一足先に達した彼女に引っ張られるようにしてルバスも射精に導かれてしまった。
 そうして放心する様子をルバスは見る。幼いころから付き合いのあった女の子がこんな表情をするのかと思うと、ずっと見ていても飽きなかった。
「俺もいいかな?」
「え……うん……アルバ君も来て」
 シバレルは微笑み、照れた表情を見せながら、今度はアルバを受け入れる。逆に、ルバスは鞘に納刀し、鞘の間から素敵な表情を見せる彼女のことをずっと観察する。
「あんまりじろじろみられ……と、ちょ……恥ずかしいよぉ……あぁん」
 一度足した熱も冷めやらぬままにアルバに攻められ、上手く回らない口でシバレルは言う。アルバは彼女の声を聞きながら、そして彼女の体を味わいながら彼女の中に射精した。冷たい体の中で果てると、興奮で火照った体が程よく冷えていく。お互いに満足をしたところで、お互いしばし無言になる。
「本当に、私でよかったの? アルバス君は……他にも仲のいい女の子がいたはずだけれど」
「そりゃ迷ったよ……でも、君ならば、もし俺が死んでも魂を拾い上げてくれるって信じているから」
「そうすれば、僕達、体はなくとも魂だけは一緒でしょ? ……そしたら、生まれ変わるときは一緒だよ……来世でまた会おうよ」
 非常時とはいえ、平気で嘘をつくルバス。この男、最低であるが、普段は誠実でいい子なので、シバレルは疑うこともなく彼の言葉を信じて、泣きながら彼の鞘を抱きしめるのであった。

 やがて、アルバとシバレルの交わりも終わり、アルバスは彼女の家を後にする。二人の女性と交わって気分も晴れた二人は、馴染みの研ぎ師の元へ赴き、切れ味を最高に仕立てると、家に帰って明日に備えて眠るのであった。
 そして、翌日。集合場所へと集まり、アルバスは出発する。
「やれやれ……何が悲しくて男を抱いて死ななきゃいけないんだ」
「どうせなら盾を抱いて、シバレルに見守られながら死にたかった……」
 そんな愚痴を漏らしながら、いまだ暴れ続ける巨大な掌を足止めに向うと、そこにはすでに先客がいた。巨大な盾を携えた赤の狼、巨大な剣を咥えた青の狼。緑と黒の巨人、そしてピンク色で6本腕の巨人。全員、常識から外れた強さで掌と渡りあっている。
 予定では援軍が来るのはもっと先になるはずだったが、どういうわけかすでに到着していたようだ。
「すげぇ……あれが援軍なのか? 俺、あの青い狼に咥えられたい!」
「あの赤い狼……僕を使ってほしい」
 アルバ、ルバスで正反対な感想を漏らしながらその戦いを見守っていると、討伐隊を率いるメタグロスが前に躍り出た。
「ボーっとするな! 俺達も続くぞ!」
 その掛け声で我に返った寄せ集めの討伐隊は、勇気をふり絞って接近し、持ちうる限りの技で巨大な『掌』を攻撃。赤い狼が攻撃を引き付けている間に背後から攻撃された巨大な掌は体勢を崩し、青い狼の巨大な一太刀によりとどめを刺されるのであった。巨大な掌は、力を失って化石の骨のような姿となり、戦っていた面々も戦闘形態を解いて、狼たちは鋼を脱ぎ捨て、緑と黒の巨人は犬のような形態になり、6本腕の巨人は小さな悪ガキじみた見た目となる。
 死を覚悟していた討伐隊は、まさかの勝利で歓喜に沸き、巨大な掌を撃退した助っ人たちに次々と称賛を浴びせる。そんな祝勝ムードの中、ふと冷静になったアルバとルバスは重大なことを思い出す。
「帰ったら、修羅場じゃん……焼き入れされる……」
「氷結される……」
 彼(ら)の戦いはこれから始まる。

あとがき 


 こんばんは、今回も仮面がぶ厚くて正体は誰にも分らなかった……仮面がぶ厚くて正体は誰にも分らなかった……仮面がぶ厚くて正体は誰にも分らなかった…… リングです。
 ツイッターでも書きました通り、このお話には元ネタがありまして、元ネタのように死を前にして性欲を暴走させた男を書きたくて、こんなお話になりました。
 竿役の候補は色々いたのですが……浮気しても情状酌量の余地がありそうなポケモン。ジヘッド、ドードリオ、バイバニラ、メタグロス、タイレーツ、ツンデツンデ……ただ、さすがに文字数の関係で二人以上は難しいと感じたことや、『来世でまた会おう』とかいかにも言いそうなポケモンであること。また、いかにも戦死しそうなポケモンということでニダンギルになりました! ちょっと幼児体形はあまりそそりませんが、ギルガルドはボンキュッボンのナイスバディだと思いますので、きっとエッチな方面にも需要がある事でしょう。ことでしょう! ことでしょう! ことでしょう!
彼は普段は誠実な子で、アルバもめちゃくちゃ言っているようで、きちんとルバスのことを気遣うなど、優しい心はきちんとあるんです、本当なんです。女性二人も普段からあんなに尻軽なわけじゃなく、吊り橋効果と同情もあったんでしょうね。

お相手の女性は、正反対を意識した結果タイプが相反する氷と炎になりました。鉱物グループだと選択肢が割と狭くなっちゃいますが、どちらもセクシーなポケモンなので問題ありませんね。セクシーなので問題ありませんね!

最後に助っ人として現れたポケモンは、ザシアン、ザマゼンタ、ジガルデ、フーパとなります。即決してくれた三人はも前者三人です……伝説のポケモンの中でも、戦って世界を守る使命を持って生まれたポケモンですが、ザシアンとザマゼンタは移動に難がありますね。報酬で揉めていたのはフーパですが、特に正義感が強いわけでもないので、色々揉めたことでしょう。
王を見定める目を持つポケモンであるアルバスにとって、ザシアンとザマゼンタはさぞかし魅力的に映ったのではないでしょうか。ただし、女性の好みだけじゃなく、主の好みも正反対な二人でした。

ニダンギルの生殖器の位置については気になっている方もいらっしゃいましたが、オトスパスやオクタンのように生殖腕があるという設定です。つい最近にもwiki本で書いたばかりですね、はい。ちなみに女性器は盾もしくは鞘です。

>面目なシーンに突如挟まれるギャグがシュールで面白かったです!(ギャグのつもりじゃなかったらすみません)「握手した時?」のところが最高でした。ニダンギルの今後に幸あれ。 (2022/07/05(火) 00:08)
今後は……焼き入れと冷凍保存、ですかねぇ? 二人揃って子供が出来ていなければ、なんだかんだ許してもらって平和に暮らせるかもしれません。ポケモンの中には手に性器があるポケモンもいるので、注意しましょうね!

>面白かったです! (2022/07/07(木) 07:18)
ありがとうございます。

コメント 

投票ページのコメント以外に何かありましたらよろしくお願いします。
モンハン楽しい

コメントはありません。 Comments/来世でまた会おう ?

お名前:



*1 ニダンギルの特性はノーガード

トップページ   編集 凍結 差分 バックアップ ファイル添付 複製 名前変更 再読み込み   新規作成 ページ一覧 ページ検索 最近更新されたページ   ヘルプ   最終更新のRSS
Last-modified: 2022-07-16 (土) 23:49:00
This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.