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月夜の空に-朝日-

/月夜の空に-朝日-

MMH``F


注意!
この作品には官能的な内容が含まれます。18歳以下の方はご遠慮ください。

初執筆なので多少は許していただきたいです。



どこか、遠い所へ

あいつらの手が届かないような所へ

僕は走る。走り続けなければならない。

きっとある、自由な場所を目指して……


綺麗な満月が、今にも近づいてきそうなくらい大きく輝いていた。
家の屋根から見る星空が一番最高だ。中でも満月はなお、良い。
そんなことを思いながら屋根の上で呆けているのは僕――イムルであった。種族はブラッキーである。
『イムル』という名前は僕のご主人のメイロウが付けてくれた名前だ。ご主人はとてもやさしい人だ。
崖から落ちてしまっていた僕を助けて、介抱してくれた。その時から僕はご主人のポケモンになった。
ご主人が名前を付けてくれたのも、僕が崖から落ちた影響か、自分がどこから来て、何故崖から落ちたのかがまったく思い出せないからだった。
記憶が無く、不安だった僕にご主人はやさしく、いろいろ世話をしてくれた。
だから僕はブラッキーに進化したんだと思う。今日みたいな満月の綺麗な夜に。
僕は月が好きだ。いつ頃からだったのかは詳しく覚えていないけれど、僕は毎晩月を見ることを日課としている。月は毎日形を変える。三日月、半月、満月――イーブイの頃から月に憧れていた僕は、ブラッキーになれて幸せだと思う。ブラッキーになることで月の力を吸収できる。まるで月の一部になったようだった。
もちろん夜のほうが動きはいいが、それでもやっぱり眠くはなる訳で……
「ふあぁぁ……」
思わず大きなあくびが出てしまった。
もうそろそろ寝よう……
そう思って家の中に入ろうとした時。何かが目の端で光ったような気がした。
僕が何かが光ったと思われる、家の右横にある大きな森の方を見た。しかし何も無い。
「……?」
まあいいか……そう思った矢先に、その森の方で爆発が起こった。
この家からは距離が遠くてよくは見えないがほのお技を使っているだろうということが分かった。
このままであればもしかしたら森に火がつくかもしれない……
そう思い、僕は走り出した。
屋根を飛び降り、森の中を爆発が起こったであろう方向へ駆ける。
程なくして爆発の原因が見えてきた。
初めに見えたのは大きめの2匹のヘルガーだった。
ヘルガー達の顔はかげぶんしんをしたかのようにそっくりだった。しかし1匹の顔にだけ大きな傷がついていた。
2匹は何か小さな影に向かってかえんほうしゃを交互に撃っていた。かえんほうしゃを外す度に爆発わ起こっていた。
ヘルガーの方に集中していたからかもしれない。
僕の方向にその小さな影が向かって来ていることに気づくのが遅れてしまった。
咄嗟に避けられなかった僕と小さな影は正面からぶつかってしまった。
「きゃっ!?」
「うわっ!?」
僕は後ろに倒れる。その時に小さな影の正体が分かった。
その正体は――少し小柄なエーフィだった。
こんな状況にもかかわらず、僕はエーフィに見とれてしまった。
綺麗で澄んだ瞳。
しなやかに伸びる足。
別世界の生き物のように綺麗で完璧だった。
「ちょっと!何でこんなところに突っ立てんのよ!?早くどきなさい!」
「え……?」
「え?じゃないわよ、早くどいて……」
エーフィが言い終わる前に後ろでまた爆発が起こった。
「きゃあ!?」
その勢いで飛んでしまいそうになったエーフィを僕はエーフィの下に滑り込み、なんとかキャッチした。
「ぐぼっ!?」
……運悪く、お腹にエルボーかまされたけど。
「な、なによ!あんたがそこにいたのが悪いんだからね!?」
「分かってるよ……」
僕がお腹を押さえながら言った。
そんな会話をしている内に、藪をかき分けてヘルガー達がやってきてしまった。
「やっと追いついたぜ……」
「なんだ?このチビは?」
傷のあるヘルガーが僕を見て言った。するともう1匹のへルガーがニヤッと笑った。
「いいじゃねえか。いっそのこと2匹まとめて……なあ?」
それに続けてもう1匹も言った。
「それはいい……いま散々逃げられてムカついていた所だったんだよ……」
2匹はじりじりと近づいてくる。
僕とエーフィも同じようなスピードで後ろに下がっていった。
すると、2匹のヘルガーは同時に止まり、大きく息を吸った。
「……?」
僕が不思議そうに見ていると隣にいるエーフィが叫んだ。
「何をしているの!?あの構えはオーバーヒートよ!早く逃げなさい!」
そう言われて慌てて僕は飛び上がった。
2匹はほぼ同時にオーバーヒートを放った。
今まで僕らがいた場所は焼け野原になっていた。
「ちっ!外した!」
2匹は悪態をついたがすぐには攻撃してこなかった。
「どうして?」
僕が思わず言ってしまうとエーフィが呆れたようにいった。
「あんた何も知らないの?オーバーヒートは技を使ったあと、とくこうが下がってしまうのよ。その後すぐに技なんて出しても威力が低すぎて意味が無い……つまり、今がチャンスなのよ!」
エーフィはそう叫んで二又に分かれた尻尾の辺りから黄色い星をたくさん集めた。
「スピードスター!!」
エーフィが尻尾を振るといくつもの星がヘルガー達へ向かっていった。
「ぐわあ!?」
1匹には当たったが傷のあるヘルガーはぎりぎりで避けた。
「おしい!」
「何言ってるの?」
「へ?」
僕がエーフィを見たとき彼女は――笑っていた。
「スピードスターの効果すら知らないの?……馬鹿ね。スピードスターの効果……」
するとエーフィは顎でヘルガーの方をさしたので反射的にそちらを向く。
先ほど外したと思っていたスピードスターの星がヘルガーへ向かっている所であった。
「ぐああ!?」
そしてついに傷のあるヘルガーにも当たった。
「スピードスターは……必ず当たる!」
「うわあ……」
星の欠片が満月と重なりエーフィをキラキラ照らしていた。
「それじゃあね、おばかさん」
そう言ってくるっと後ろを向いて行ってしまおうとする。
「え、あ、待ってよ!」
「……なに?」
エーフィは立ち止まって振り向いてくれた。
しかし、呼び止めてみたものの、何を話したらいいのか分からない。
「えっと……その……」
「……あいつらのこと見てたでしょ?」
エーフィが伸びているヘルガー達を指した。
「私は追われているの。こいつらのほかにも、沢山の奴等に……」
とても悲しそうな顔だった。
そんな顔をしないでほしい。
どうしたらそんな顔を変えられるだろう?
どうしたら笑ってくれるだろう?
僕は……
「あ、あのさ!」
「……?」
「君は……誰かに追われているんだよね……?」
「そうよ。だからもう、さっさと……」
「行かないでよ」
僕は目一杯真剣な目で言った。
「今一人で行くのは危ないよ」
「……そうだけど。あんたに何かできるって言うの?」
エーフィは上目遣いで言った。
「僕は……戦って奴等を追い払える……とは言えないけど……」
「ほら、やっぱりそうじゃない。出来ない事は言わないことね」
「でもさ!」
僕は叫んだ。彼女の心に届くように……
「僕の家に匿ってあげることは出来る!その、街からは遠いし、本当に外れにあるから見つかりにくいと思うんだ。それに、ご主人はとっても優しいんだ!料理が得意で、掃除も出来て……それに……それに……や、やさしいんだ!!」
「……ぷっ……」
「うえ?」
僕が必死にご主人の良さを話していると、エーフィがいきなり吹き出した。
「あはは、やさしいって2回言ったわよ!本当、あんたってバカなのね!」
笑ってくれた……
僕ははずかしさよりもうれしさのほうが勝っていた。やっぱり笑っていたほうがかわいい。
「だ、だからさ、僕の家に……」
「それはできないわ」
「え?」
エーフィは僕から顔を背けて言った。
「ご主人ってのに興味はないし、それに……あんたみたいなバカがいる家に、行きたくないわ」
エーフィはキッパリと言って、尻尾を揺らした。
「でも、危ないよ!1人でいるなんて」
僕が必死に言い返す。でもエーフィはそれをかき消すように叫ぶ。
「わかんないの!?私は行きたくないのよ!」
「強がらないでよ!」
「!?」
「僕は守りたいんだよ!でも僕には力がないから……せめて、せめて……」
あぁ、次の言葉が出てこない。
君を守りたい。
何故か、出会ったばかりのこのエーフィを、守りたいと思った。僕より十分強くて、守るというより守られてしまいそうなエーフィを。
でも守らないといけないと思った。なんとしても……
「……わ……たわよ」
「……え?」
「わかった……って言ってるの。あんたがそこまで……言うなら行ってあげても……」
「本当に!?」
「う、嘘をつく必要があるわけ!?」
エーフィは顔を赤らめて言った。
「本当に……良かったぁ……」
「何であんたが安心するのかな……」
エーフィが呆れた様に言った。僕、そんなに変なこと言ったかな?
「こっちが僕の家だから……ね!」
僕はエーフィに笑顔を向けた。きっと、最高の笑顔。
「…………バカ……」
「へ!?なんで!?」
「いいから、行くわよ!こっちなんでしょう!?」
「え、ちょっと、そっちは逆ー!!」
僕は慌てて彼女を止めた。

これが、彼女との出会い。
あんまり良い出会い方じゃなかったなって思うけど……

ここから、たくさんの運命が動き始めたんだ。



「ほら、ここが僕の家……いや、えっとご主人の家だけど……」
「なんというか……無駄に大きいわね」
彼女の言う通りだ。屋敷……まではいかないけど、かなり大きい家だ。キッチン、ダイニングを除いても約10もの部屋がある。
たしかご主人の兄の私物だった気がする。
男2人だけで住んでいるにはあまりに大きすぎる。
「まずはご主人にきちんと話さないとね……」
僕がドアを開けながらエーフィの方へ振り向くと、彼女は何故か立ち止まったままだった。
「?どうしたの?早く入って……」
「名前」
「へ?」
「あんたの、名前」
そういえば言ってなかったかもしれない。僕も彼女の名前知らないし……
「僕はイムルって言うんだ。よろしくね」
「イムル……」
エーフィは一度呟いてから息を吸った。
「あ、ありがとう、イムル……その、ごめんなさい」
「え、な、なんで?謝るようなことしていないでしょ?」
僕がエーフィに聞くと顔を真っ赤にして言った。
「……そ、そうよね!あーあ、謝り損をしたわね!」
謝り損って……でもエーフィはとても清々しい顔をしていた。
「私の名前はソーレよ」
「ソーレか……良い名前だね」
僕が名前を褒めるとソーレは必死に言った。
「で、でしょうね!なんて言ったって私の名前だもの!」
「うん、うん」
「だって私の……名前だもん……」
「?」
ソーレが本当に小さく言った。
「いいから、入るわよ!イムル」
まるで自分の家のように堂々と入っていくソーレ。
「あ、待ってよ!」
そしてまるで僕が客のように慌てて家へ入っていった。

「ふぁ……やっぱり中も広いのね。それに綺麗なのね」
「うん、毎日ご主人が綺麗に掃除しているからね」
「よっぽど暇なのね、あんたのご主人」
ソーレはそう言いながらもきょろきょろと興味ありげに見渡していた。玄関からはちょうど家の真ん中を分けるように大きな階段がある。1階を右に行けば客間などがあり、左に行けばキッチンやダイニングがある配置になっている。2階はほとんど使われていないへやばかりだ。
「ご主人、起きてるかなぁ?」
気づけばもう1時を過ぎていた。ご主人はもう寝ているかもしれない。
「ちょっとご主人の部屋を見てくるよ。ここで待ってて」
僕はそう言ってご主人の部屋へ向かった。
ご主人の部屋は1階のダイニングの向かい側。初めは2階の部屋だったけど、こっちの方がいろいろ便利ってことでご主人はこの部屋を使っている。
ちなみに僕は2階の右側の1番端っこの部屋だ。そこからが1番屋上の階段に近いのだ。
僕はご主人の部屋の前に来て、もし寝ていたら悪いのでそっとドアを開けた。
するとご主人はまだ起きていた。ご主人はパソコンの画面に向かい、ヘッドホンを付けて真剣に何かを見ていた。
良かったと思い、ご主人に声を掛けようと歩き出したその時。
パソコンから繋がっていたヘッドホンのコードに足を引っ掛けてしまった。
その拍子にコードがパソコンから抜けてしまった。
すると……
『いやぁ~あはぁ~ん』
といういかにもあれな声が大音量で流れた。
「あ、え!?『あぁあん』イムル!?な、何で『イイ~!あぁ~』待って!『もっとぉ~』わー!!わー!!」
「ご、ご主人……」
ご主人は物凄い焦ってパソコンの電源を切った。途中で何度かマウスを落としそうになっていたけど。
「い、いきなりどうした?イムル。べ、別に、いけない事はしていないんだぞ?ハ、ハハハ……いや、そ、そんなに引かないでくれ」
「わかってるよ、ご主人。引っかかった僕も悪いんだし……」
「お、おう。それで……?何の用だ?こんな時間に」
「あ、そうなんだよ、ご主人。それが……」
僕はさっきあったことをご主人に話した。
「なるほどなぁ……ヘルガーに追われたエーフィか……」
「だからご主人、ソーレをここに……」
「イムル、お前そのソーレのこと、好きだろ?」
ご主人が唐突に聞いてきた。
「うぇ!?なな、なんで!?」
「見てりゃ誰でも分かるだろ。『大好きオーラ』が出てるぞ」
「『大好きオーラ』!?ない、それ!」
「好きで好きでたまらないってオーラだよ。今思いついた」
ご主人が笑いながら言ってくる。僕は何も答えないけど、否定もしない。
まだ良く分からないけど、ソーレのことを嫌いではないことは確かだから。
「まあ、部屋だけは余りに余っているからな。いいだろう、ソーレをこの家に置いてやろうぜ?」
「本当に!?いいの、ご主人!」
「ああ、もちろんだ」
ご主人はにかっと歯を見せて笑った。やっぱりご主人はいい人だ。
「よし、じゃあ待ってるんだろ?俺も見たいし、早く行こう」
「うん!」
ご主人は立って、僕と一緒に部屋を出た。

僕たちが玄関に行くと、ソーレはそこに座っていた。
「あ、ソーレ!ご主人がここに居ていいって……」
僕が声を掛けるとソーレは何故か赤い顔をして振り向いた。
「ど、どうしたの……?顔が赤いよ?」
「どうしたのじゃないわよ!な、なんであんな……その、あんな声……大きな音で!」
あ、あれここまで聞こえてたんだ……。僕が見ていた訳じゃないのに恥ずかしくなる。
「いやぁ、ごめんな。あれ、俺でさ。君がソーレ?」
「そうよ……あんたがイムルのご主人様?ああいうのを見ているなんて……相当の変態ね」
「変態!?だいぶきついな!俺の名前はメイロウっていうんだ。よろしく」
「ええ、よろしく、変態さん」
「もう俺は変態扱いなんだ!?」
ご主人が今にも泣きそうな顔で言うので僕は思わず吹き出してしまった。
「ぷ、あはは、ご主人その顔面白すぎるって!」
僕が言うとご主人はもっと可笑しな顔になった。
「言うなよ、イムル!えー、こほん。それで、ソーレ。こんな男2人の家だが……よろしく頼むよ」
「まあ、お世話になってもいいわ。ただ、変なことをしたら承知しないけど」
ソーレがこわいかお以上に恐ろしい顔をして言ったので、ご主人が焦って言った。
「するわけ、ないだろ!そこまで変態じゃない!」
「ふーん、そう。じゃあさっさと部屋に案内しなさいよ」
「部屋?ああ、はいはいこっちですよ……って何で俺はこんな扱いをされているんだ……?」
ご主人がそうぼやきつつ、2階へとソーレを案内した。

「さ、ここを使ってくれ」
ご主人が示した部屋は、右側の奥から2番目の部屋……つまり
「え!?そこって、僕の部屋の隣……」
「それくらいいいじゃないか。なあ、ソーレ」
ご主人がソーレに聞いた。別にここじゃなくても部屋はいっぱいあるのに。
いや、駄目って訳じゃないけど……なんだか恥ずかしい。第一、こんなこと、ソーレが了承するはず……
「ま、まあ、私はどこでもいいし……」
「じゃ、決まりだな」
いいの!?本当にいいの!?
「じゃ、部屋のものは好きに使っていいからな」
「わかったわ」
そして、ご主人が僕のそばに来て言った。
「頑張れよっ」
……なにを……?

結局、ソーレの部屋は僕の部屋の隣になった。
僕はチラッとソーレ側の壁を見る。
僕の部屋にはベットとソファしかない。机はない。あっても使わないし。
ベットは壁にくっついていて、その上には丸い小窓がある。
ソファはソーレ側の壁にあるので、今、傍から見るとどうして僕はソファを睨みつけてるのかと思うだろう。
ソーレはなにをしているのだろう。
ソーレは綺麗で、強くて、気も強いけれど……
実はたまにすごく悲しそうな顔をする……そんな女の子なんだ。
守ってあげなきゃと思う。
僕ができることは少ないけど、やれることなら何でもやってあげたいんだ。
……どうして僕はこんなにソーレのことを考えているんだろう。
ソーレと出会ってから僕はずっとソーレのことを考えている。
あぁ、本当に……
僕はソーレが『大好き』なんだなって思う。

その時、いきなり僕の部屋のドアが開かれた。
「!?」
ドアの前には……ソーレが立っていた。
「ソーレ!?なんで……」
「……一緒に寝ても、いい?」
「は!?」
僕はものすごく驚いた。
「い、一緒に寝る!?僕と!?」
「他に、誰が居るのよ」
ソーレは下を向いた。その顔は、数メートル離れている僕でも分かるくらい真っ赤だった。
「別に、だ、駄目だったらいいわよ!変なことを言って悪かったわ。じゃあ……」
そう言って、ソーレはドアを閉めようとした。
「ま、待ってよ!」
その言葉を聴いてソーレは立ち止まった。
「え、えっと……いいよ?その、ここでいいなら」
僕も恥ずかしくって下を向いた。はずかしっくってソーレを直接見ていられない。
その後、返事がいくらたっても返ってこなかった。
「…………」
帰ってしまっただろうかと思い顔を上げた。
すると、ソーレが僕の目の前に立っていた。
「うわぁ!?」
僕はびっくりして思わず声を上げてしまった。
「じゃあ、寝る。一緒に」
なんだかソーレの言葉が単語単語だった。
「えっと……どうすれば?」
「つめて」
「あ、はい」
僕はソーレに言われたとおり少しつめた。そして空いたスペースにソーレが座る。
「え、ええっと……?」
「おやすみ」
ソーレはそれだけ言うと、こちらに背を向けて寝てしまった。
どうしてソーレはいきなり一緒に寝るなんて言ったんだろう。
さっきまで壁越しだったソーレが隣にいる。
こんな状態……寝れる訳ないじゃないか!
ソーレはなんとも思わないんだろうか。
ソーレは僕のことをどう思っているのだろう。
ソーレのこともっと知りたい……
「ねえ、イムル……」
「え、な、何?」
僕は何故かあわててソーレに背を向けた。
「きちんと居るよね」
「は?」
「イムルは……どこかにいなくなったりしない……?」
ソーレの声は本当に弱々しいものだった。
「い、いなくなるわけないよ!?まして、ソーレを置いてだなんて……」
「……本当?」
「嘘なんてつかないよ。いま誓ってもいい。絶対に……君のそばから離れないって」
僕が必死にそう言ったが、ソーレは黙っていた。
外の風の音しかしなかった。

「じゃあ……きちんと誓ってくれる?」
「きちんと誓う……?」
「私は……」
「え?」
「だから、私は……ああ、もう!」
ソーレはそう叫ぶと無理やり僕を向き合わせた。
2人の距離が近い。
「私は!さっき出会ったばかりのあんたが!好きになっちゃたのよ!?もしあんたが本当に私のそばを離れないって言うのなら……私とひとつになってほしいって言ってるの!」
ソーレはいっきに言った。ソーレの顔は真っ赤だった。
でもそれは僕も同じだろう。
「ソーレ……」
「も、もう!ここまで言わせるなんて……バカ!バカバカバカー!!」
「な、何で!?うわ、いたっ叩かないでよ!落ち着いて!」
ソーレを何とかなだめて、僕らは向き合った。
「…………」
「…………」
お互い黙っている。ここは僕がきちんと言わなきゃ駄目だ。
「……ソーレ……」
ソーレがこちらを真っ直ぐ見る。思わず言葉を止める。
でも、言わなければ……いけないんだ。
「ソーレ……僕はソーレを守りたい。ただ、守りたいんじゃない……好きだから」
そこで僕は一度大きく息を吸い、吐くのと同時に言った。
「僕でいいなら、君とひとつに……なりたいです」
言った。言い切った。思っていたことを……
ソーレは顔を真っ赤にしながら言った。
「じゃあ、キ、キスしよ」
「う、うん……」
僕たちは顔を赤くしながらも、どんどん距離を近づけていった。
ソーレの顔がすぐ近くにある。
絶対に離したりしないよ……ソーレ。
2人の唇が……重なった。


僕らは唇を離した後、ソーレはベットに仰向けになっていた。
僕はソーレのピンク色の割れ目に顔を近づけた。
「んっ」
ソーレが声を上げる。
「え?何か変だった?」
僕が心配して聞いたがソーレは「大丈夫」と言った。
「これからこんな声を出しても……気にしないで」
「そう……?」
僕は不安だったがまた割れ目に顔を近づけて、筋を舐める。
「ひゃん」
またソーレが声を上げた。
僕はこういうことをするのは初めてだ。今まで女の子になんて縁が無かったし……知識だってあんまり無い。
でも大体こんな感じかなっていうのは知っている。だからこうしている訳だが……
「ひゃあ!?」
少し考え事をしていたからだろう。僕の舌がソーレの陰核に触れてしまっていたようだった。
「え、あ、ごめんっ」
「大丈夫よ……気持ちよかったし……」
「え?」
僕が聞き返すとソーレがにらみつけながら言った。
「いいから、続けて!」
「は、はい!」
反射的に僕はそう答えて、先ほどの行為を続ける。
「ん……あ……」
時間が経つにつれて、だんだんとさっきとは違う味がしてきた。
ぴちゃぴちゃと音がしてくる。
「も、もういい……よ」
「あ……うん」
僕はソーレの言うとおりにする。
次は何をすればいいだろうか。
僕は本当に駄目だな……
そんなことを考えていると、いきなりソーレが僕を押し倒した。
「な!?ソーレ!?」
「次は私の番」
「え?」
ソーレはそう言うと前足をすっと下げた。
「ふああ!?」
僕は思わず声を上げてしまった。
ソーレは僕のモノを触っていた。
「ソーレ……っそこは」
僕が言ってもソーレは手を離さない。それどころか僕のモノに顔を近づけて、舐めた。
「うわぁ……」
ソーレが顔を動かしていく。。それに加えて前足でモノを握っていた。
「ソーレ!もういいよ!」
僕がそう言うとソーレは動きを止め、こちらを見た。
「……じゃあ……」
続きは言わなかったが、僕にも分かった。

ソーレはまた仰向けになった。
「イムル……1つだけ言っていい?」
ふいにソーレが言った。
「何を……?」
「私……初めてだから……」
ソーレは顔を赤らめて言った。
「ソーレ……実は僕もなんだ」
僕は笑いながら言った。
ソーレは一瞬目を見開いたがすぐに笑った。
「じゃあ、一緒だね」
「うん」
そう言って僕らは笑いあった。
「……いくよ?痛かったら言ってね?」
「大丈夫よ」
僕はその言葉を聴いてからゆっくり僕のモノを入れた。
「うっ……」
「あっ」
僕らは声を上げる。思ったよりきつい。
「いいっ……」
ソーレの顔が少し歪んだ。
「……大丈夫?」
「大丈夫だから……最後まで」
僕は決心して、モノを最後まで……入れた。
「うああ!」
「いいっああ!」
僕は一度そこで止めた。息が落ち着くまで待った。
「……動いて平気……?」
「うん……」
そしてゆっくり……動かし始めた。
「あ……ああ」
「う、あ……」
出し入れするたびにスピードが速くなる。
「あっあっあ」
「ソーレ……僕、もう……」
「私も……一緒に!」
「でも、中は……」
するとソーレは笑顔で言ってくれた。
「いいよ……だって私、イムルが大好きだから」
「ソーレ……」
僕はもう限界だった。
「ソーレ……ぼくもだよぉぉぉ!」
「イムル――!」
2人は同時に……イった。


「ソーレ……」
「イムル……」
僕らは見つめ合い、もう一度だけ、唇を合わせた。

                             To be continued


あとがき
どうもはじめまして、MMH``Fです。
初めにも書きましたが、これは初作品です。字が汚いですね。すみません。
一応ツンデレのソーレとちょっぴりヘタレ?なイムル……やっぱり初めてなのでエーフィとブラッキーもペアを。
書ききりました。書ききったたよ、母ちゃん!
これからも続く予定です。
コメントなどどんどん送ってください。ダメだしでもいいです!参考にします。
返事は遅いかもしれません。ごめんなさい。
それではこれからもよろしくお願いします。


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  • 初めまして、ずっと初心者の春風と申します。
    小説を拝見していただきました、初作品とは思えない出来栄えですね、僕が初めて書いた作品はもう読み返せないほど下手なんで(笑)
    これから追われているエーフィとイムルがどうなっていくのか気になります。
    執筆頑張ってください!!
    ――春風 2011-07-02 (土) 17:01:34
  • いきなりですが、すごく面白いです!
    初作品でこんなにうまいなんて・・・うらやましいです。
    僕の心は期待でいっぱいだ!←(なんだ・・・こいつ・・・)
    執筆頑張ってください!応援してます!
    ――黒い天使 ? 2011-07-02 (土) 20:05:06
  • はじめまして、もう本当に初心者のMMH``Fです。僕はコメントをもらうことがこんなにうれしいものとは思っていませんでした。泣きそうです。本当に、ありがとうございます!!
    春風さん、僕にはもったいないお言葉ありがとうございます。僕もこの作品をなんじゃこりゃと思いつつ書いています…。頑張って書きたいと思います。
    黒い天使さん、コメントありがとうございます。期待なんて…本当にありがとうございます。まずは、頑張ってこの作品を書ききりたいと思っております。
    ――MMH``F 2011-07-03 (日) 23:37:20
  • 僕はソーレに言われたとうり少しつめた。そして空いたスペースにソーレが座る。

    とうりではありません。とおりです。初等教育を受けていた時代に教わりませんでしたか?
    ―― 2011-07-08 (金) 02:44:03
  • あ…本当です。
    修正しておきました。
    また小学校からやり直します…
    ありがとうございました。
    ――MMH``F 2011-07-08 (金) 23:28:32
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Last-modified: 2011-07-06 (水) 00:00:00
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