by蒼空
アマツとムオンはディアルガの封印場所を探していた。
ディアルガの復活――それが時の教団の真の目的だった。
「ムオン……新しい情報は何も手に入りませんか?」
「……肯定……」
「一万年にここで時と空間の神は争った……。何か情報が得られると思ったのですが……」
アマツが辺りを探していると草むらが不自然に揺れた。
ムオンは草むらを睨みつけ火炎放射を放つ。
手加減したため燃えたのは揺れた草むらだけだった。
「きゃっ! なんだよいきなり!」
雌のグラエナが慌てて火を点けられた草むらから出てきる。
年齢は二五歳前後でムオン、ミナヅキと同じ位だった。
「グラエナ? まさかあなたこの間の盗賊の一匹ですか?」
「盗賊? 違うよ! ワタシはエイガ。ただこの辺に伝わる神話を調べてるだけだよ。
なのに……いきなり火炎放射をするなんてどういうつもりだよ!」
「……無礼……」
アマツに対して馴れ馴れしく話すエイガをムオンは睨みつけた。
エイガはそんなムオンを見て驚くどころか嘲笑っていた。
「所詮は飼い犬か……。ワタシがそのキュウコンに敬語を使う理由があるの?
ワタシは時の教団の信仰者じゃない。神について調べてるは同じだけどね~」
「……貴様……」
エイガの一言がムオンを完全に怒らせた。
ムオンが飛び掛ろうとするとアマツはムオンに一喝した。
「ムオン! 相手は民間人です。あなたらしくないですよ!」
「……失礼……」
エイガはそんなムオンを見て笑っていた。
「私はアマツ。部下が失礼な事をしたことをお詫びします」
「……教団の団長様が庶民のワタシにご丁寧にどうも」
「ところでディアルガについて何か知ってる事はありませんか? どんな些細な事でも良いんです……。
先ほど神について調べてるとおっしゃっていたので……」
「ディアルガねぇ……」
エイガは何か考え始めた。
こいつらにどこまでの情報なら教えても良いだろう?
まったく教えないのはあまりにも不自然だ……。
誰にも知られてないで役にたたない様な情報でなければ……。
「ワタシが知ってるのは九千年位前にもう一度姿を現して誰かに封印されたって位かな?」
「九千年……パルキアを封印して千年が経ってからですか……」
「九千年前にディアルガは封印されるような何かをした……出なければ不自然でしょ?
戦いの勝利者が封印されるなんて……。だからワタシもディアルガを調べてるんだよ」
「情報ありがとうございました。ムオン行きますよ……」
「……了解……」
アマツはエイガに一礼をしこの場を後にした。
エイガは二匹がいなくなったのを確認し何やらブツブツと呪文のような言葉を言い始めた。
言葉を言い終わっても何かが起こることはなかった。
エイガはガックリと肩を落とし落ち込む。
「あ~あ。ここもはずれかぁ……。まったくこれだけ探して見つからないなんて……。
どこに神の力を封印したんだあいつは……。先に封印を解けばワタシ達の勝ち……。
そうすればこの世界はワタシ達の物になる。なんとしても先に見つけなきゃ……。
不完全な神の創った世界なんて壊れてしまえば良い。時の教団も本格的に動き出したしやり難くなったなぁ」
エイガは大きく溜息をついた。
「まぁ……時の教団はミナヅキが内部からうまくやってくれる事を信じて……。ワタシは自分の役割を果たさないとなぁ。
でもこんなに大変だったなんて……。面倒な事を引き受けちゃったな……。
ミナヅキにはもう少し時間をくれるように言ってみるか……」
エイガもブツブツと文句を言いながらこの場を後にした。
ミナヅキはアマツとムオンが遠征したため一匹で行動していた。
床には紙が一面に広げり何かのデータの整理しているようである。
「こことここもはずれだった……ならこの辺じゃないな……。
なら次に反応が強いのはここら辺になるか……」
ミナヅキは地図に次々に×印を付けていく。
時の教団の活動範囲の大半に印が付いていった。
「……くそ。オレの活動範囲ではそろそろ限界か……。
ならば後はエイガに頼むしかないか……」
ミナヅキは深く溜息をついた。
そして背後から何者かに話しかけられる。
「ミナヅキ……あまりワタシを頼りにするなよ。
元々ワタシの方が捜索地域が広いんだからな。
これ以上増やしたらお前に協力しないぞ」
その声の主はエイガだった。
彼女は確かに遠征したはずのアマツとムオンに会っていた。
アマツとムオンはまだ帰ってきていない。
いや、どんなに急いでも帰ってこれる時間はない。
ミナヅキの前に姿を現すのは通常ではありえない事だった。
そう、通常の手段では……。
「お……速かったな! で、捜索の方はどうだった?」
「そりゃあ、ワタシの能力を使ってまで急いで帰ってきたからねぇ。
それから、あんたの上司とその下僕に鉢合わせだよ……。来るなら来るって言ってよ。
そうすれば素直に別の場所から捜索したのに。
教えなくても良い情報をあいつらに教えたんだから!」
「何!? 馬鹿な! 確かにアマツはこの辺を中心に捜索すると言って出て行ったんだぞ!」
ミナヅキは地図でエイガが捜索していた方とは別の方向を指差す。
その方角は真逆で寄り道などで済む問題ではなかった。
「なるほど……あんたも信用されてないわけか……。
そろそろ教団をやめてこっちの仕事に専念すれば?」
「……まだそうと決まった訳じゃない。それにあいつ等はまだ利用価値がある。
それまではオレもあいつらと友達ごっこでも続けてやるさ……」
エイガはミナヅキに蔑みの目で見た。
しかしミナヅキはまったく動じない。
「あ、そうだ! 調査の結果だけどここら辺のエリアを全て調べたけど全部はずれ。
次からはこの辺を調査しようと思うんだけど……どうかな?」
「ああ、悪くない。だがこちらの方が高い反応が出てたんじゃないのか?」
ミナヅキの指摘にエイガは「待ってました!」と言いたげに胸を張り説明を始める。
エイガの態度にミナヅキは一瞬呆れたがすぐに真面目な顔に戻った。
「ああ、それの事ね……今までの結果からその数値のエリアは全て仕組まれた偽物……。
ならこっちの小さい反応の方が本物かもしれないってこと」
「だからこちらを優先して捜索すると? なるほど……面白い」
ミナヅキはニヤリと不敵な笑みを浮かべた。
その顔にアマツへの忠誠は既にない。
「そろそろ捜索ポイントも減ってきたし当たりを引くのも近いと思うよ!
ただあいつの動きが気になるな……。あいつの行動は予測しにくいから……」
「ウズキの事か? 確かに子孫達との合流も進んでいるみたいだしな……。
力は弱いにしろディアルガの能力を使うからな……やっかいな相手である事に変わりはないか……」
「不完全な神の不完全な力か……ワタシ達に比べれば微々たる物だろ?
ミナヅキは何を恐れている?」
エイガは弱者を見下す強者のような発言をした。
それこそがエイガの本心なのかもしれない。
「お前はいいかもしれないがオレの力はまだ完全じゃない……。
だからなるべく数を減らしたいんだよ……屑共の数をな」
「屑か……。生まれてくるべきでないあいつ等を殺したとしても心は痛まない?」
「……心? そんな物、生まれたときから捨てていた。主のためのは邪魔でしかなかったからな。
それに心ほど脆く単純な物は存在しない……」
心と聞いてミナヅキは蔑みの目をしていた。
「おお、怖い……。じゃあワタシは次のポイントに向かうからね」
「ああ、任せた。良い結果を期待する……」
エイガはまるで始めから存在してなかったようにミナヅキの目の前から消えていった。
朝になりグレンは目を覚ました。
ウズキはすでに起きていて向こうを向いていた。
グレンはウズキの姿を見て昨日の夢が蘇る。
ウズキの過去のあんな夢を見てしまったグレンはウズキに挨拶さえする事ができなかった。
ウズキはグレンに気が付き振り向いた。
当然グレンの心情など気にする事無く挨拶を交わす。
しかし、ウズキの視線が不自然でやや下の方を向いていた。
「おはようグレン。昨日はエッチな夢でも見た? 朝から起ってるよ」
「え? 起ってるって何が?」
グレンの反応にウズキがニヤニヤとした。
グレンはウズキが笑う理由が解らなかった。
「これだよ。これ!」
ウズキは近づきグレンの起っているモノに触れた。
グレンは触られてようやく気付いたのかウズキから離れ慌てて前足でモノを隠した。
しかし、大きくなったモノを隠しきれず、モノの頭は丸見えだった。
フィニティもまるでタイミングを計ったように起きてきる。
「おはようございます。ウズキさん、グレン……」
「フィニティ!? こっちを見ちゃ……」
グレンが止める前よりフィニティがグレンを見た。
フィニティがグレンを見た瞬間固まった。
一度交わった相手とはいえ朝起きていきなりこんなモノを見たら流石にショッキングだろう。
「す、すみません! わ、私別にグレンのモノなんて見てないですよ!」
「その初々しい反応……乙女だねぇ~」
「ウズキさんが親父っぽいだけだよ!」
すでにグレンとフィニティはパニックになっていた。
ウズキは二匹の反応を楽しそうに見ている。
「親父って……こんな美少女に向かってなんて発言を!」
「そんな事普通は自分で言わないよ! それに実年齢は知らないけどキュウコンの年齢の時点で少女は無理があるよ!」
「でも今のボクはロコンだから少女でも問題ないね~」
「あの~グレン……取り合えずしっかり隠しましょうよ……」
ウズキと口論している内にモノを隠すのをやめていたグレンが顔を真っ赤にする。
ウズキが動く楽しそうに笑いながらフィニティに近づく。
「でも、このまま小さくなるのを待つのもなぁ……。時間かかりそうだし……。頑張れフィニティ!」
「あ、あの……私が何を頑張るんですか?」
「大きくなったモノを小さくするにはやる事は一つでしょ? グレンとやればいいんだよ!」
フィニティがウズキの言葉の意味を理解するのに数秒の時間を要した。
意味を理解したフィニティの顔がどんどん赤くなっていく。
「そ、そんな! 朝からですか!? わ、私にはそんな事できませんよ!!」
「じゃあ夜ならやったの? フィニティがしないんなら……ボクがしようかな?
ここ数年してないから欲求不満で……。久しぶりにしたいんだよね……」
ウズキはフィニティがやらないのを予測していたようでグレンに近づいた。
「ちょ、ちょっと待ってよウズキさん! ぼ、僕の意思は! 僕の自由は!!」
「ボクとクゥの夢を見てそうなってるんだよ。夢の少女がしてくれるんだからもっと喜んでよ。
もっともキュウコンの方のが好みなら進化してあげるけど?」
ウズキがグレンの耳元で囁く。
グレンはウズキの猥談で興奮し、モノがいつまでたっても小さくならない。
「ロコンの方でお願いします。って! そうじゃなくて! ウズキさんは旦那さんがいるんでしょ!?」
「別にいいじゃない。今はボクと楽しもうよ~」
更にウズキはグレンに色仕掛けをする。
フィニティはグレンとウズキを見て不機嫌そうにしていた。
「ウズキさん! グレンから離れてください! 彼は私のなんですから!」
フィニティが珍しく怒鳴った。
グレンは勿論ウズキも目を丸くした。
ウズキが珍しく真面目な顔をして提案してきた。
「悪い……確かに少し調子に乗りすぎた。フィニティここはボクと二匹でグレンの相手をしよう」
「そうです。調子乗りすぎですよ。解りました二匹で……。って! 真面目な顔して何言ってるんですか!?」
「良し! 共に力を合わせ頑張ろうフィニティ!」
ウズキとフィニティが話し合いを始めた。
フィニティもウズキの巧みの話術で洗脳されつつある。
当の本人のグレンを差し置いて話しは変な方向へと進んで行く。
既にグレンの意思と自由は完全に無視されていたのだった。
ウズキとフィニティの意気込みにグレンは少し恐怖していた。
ウズキとフィニティはクルリと反転しグレンの方を向く。
「だから僕の意思と自由は……」
「美少女が二匹も相手してあげるのに何が不満なんだ?」
「もしかしてこの前の私が好きって言葉は嘘だったんですか?」
グレンに迫る二匹の少女。グレンに『嫌』と言わせる気は既にない。
いつもは大人しいフィニティもグレンを取られまいと強気に行動する。
「抵抗しないよね……グレン?」
「お、お願いします……」
流石にグレンの曖昧な答えに頭にきたのかウズキは目を紅くさせる。
ウズキを見たグレンに冷や汗が出る。
ウズキは覚醒している。ここで抵抗すればどうなるか解らない……。
グレンは素直に言う事を聞くことにした。
答えを聞いたウズキは覚醒を解く。
「素直でよろしい。では仰向けになるがいい」
「最初からそうすれば良かったんですよグレン」
グレンが仰向けになり逞しくなったモノを二匹の前に曝け出す。
ウズキとフィニティは顔をモノ前に近づける。
グレンは見られてるという恥ずかしさからに顔を隠してしまう。
「ボクが左側を舐めるからフィニティは右側をよろしく」
「はい。わかりました」
二匹の舌が同時に舐め始める。
美少女が二匹同時に自分のモノを舐めている。
そう考えるとそれだけでも興奮してくるだろう。
しかし今のグレンにそんな余裕などない。
「グレン……どっちが気持ちいい?」
「私の方が気持ちですよね?」
「そ、そんな……僕には選べないよぉお……」
ウズキはゆっくりと舐めていきフィニティは負けじと速く舐める。
左右から違う快楽が押し寄せグレンは限界の近づいていく。
「ご、ごめん……僕もう……」
「え~。もうイッちゃうの?」
「そうですよ……最初はあんなに抵抗してたのに」
二匹はグレンの発言を聞いて舐めるのをやめる。
打ち合わせをした訳でもないのにこの仲の良さにグレンは改めて雌の団結力を知ることになった。
「え? 良いとこだったのに……」
「グレン……たっぷり焦らしてあげますからね」
「そう……壊れる寸前までね」
二匹はグレンの射精感がひいたのを確認し再度モノを舐め始める。
グレンのモノを舐める二匹の舌はまるで生き物のように這わせていく。
時にはゆっくり、時には速くリズミカルに舐める。
二匹は出そうになったら舐めるのをやめ何回も焦らす。
グレンの瞳は虚ろになり限界が近そうだった。
「グレンの表情から余裕がなくなってきたしそろそろ出させてあげようか?」
「そうですね……良いんじゃないでしょうか」
「やっと……出させて……くれるの?」
二匹はグレンの言葉に頷き同時に先端を舐める。
何回も焦らされ敏感になったモノは一度舐めるだけで大量の精液を放つ。
その精液は二匹の顔から体に降り注ぎ前面を白く染め上げた。
「凄い……焦らしたとはこんなに出るとは思わなかったよ……」
「前とは比べ物にならない量です……」
ウズキとフィニティは降り注いだ精液の量に驚きを隠せない。
グレンは一度射精しただけでグッタリとしていた。
「グレン……起きたばっかで寝るには速いんじゃない?」
「そうですよ。自分だけ楽しまないで私達にもしてくださいよ」
「ふぇ? まだやるの?」
二匹が満面の笑みを浮かべる。
グレンにはその笑顔が悪魔のような笑みに見えた。
「当たり前じゃないですか」
「ボクとフィニティに出して……後は皆で同時にもイキたいよね?
最低でも後三回はがんばってもらうからねグレン」
「さ、三回も!? 僕……そんなに持たないよ……」
グレンがどんなに叫ぼうと二匹の行為は止まらない……。
グレンは既にウズキとフィニティのおもちゃになっていた。
ウズキとフィニティはどちらが先にグレンのモノを入れるかで揉めている。
「フィニティは一度やってるんだからボクからで良いじゃないか」
「グレンは私の彼氏なんですから私の方が先ですよ」
「……解ったよ……フィニティからすればいいよ」
ウズキは口論してもしょうがないと思いフィニティに先を譲った。
フィニティはグタッリとするグレンにまたがり自分の秘所にグレンのモノを挿入していく。
一度交わっているためすんなりと奥まで入っていった。
「……フィ、フィニティ!?」
「すんなり入りましたね」
グレンはグッタリトしていても体はまだ快楽を求めていた。
その証拠にグレンは自らフィニティを突いていく。
ウズキはそんな光景に我慢できず自らの秘所を前足で弄っていた。
だが交わる快楽とは比べ物にならず更に欲求不満へと陥る。
「ひゃん! 気持ち良いですグレン……」
「フィニティの中……とっても気持ちいいよ……出すよ?」
「あぁん! ボクも速くグレンのが欲しいよぉ……。グレンの太いのが欲しいよぉ……」
グレンは更に加速しフィニティの中に精液を流し込んだ。
フィニティもそのまま絶頂を向かえた。
グレンからモノを抜きフィニティは横になった。
「今度はボクの番だよ……」
ウズキも同様にグレンにまたがり挿入していく。
グレンはフィニティとは違った快感にまたモノを大きくする。
フィニティはその光景を少し不満そうに見ていた。
「あん! 久しぶりのモノは気持ち良いよぉ……」
「ウズキさん……」
ウズキはフィニティと違い自ら動き出した。
それによりグレンには先ほどとは別の快楽にすぐに絶頂を向かえてしまう。
ウズキはあまりの速さに目を丸くした。
「え? もう出しちゃったの? ボクはまだ満足してないよ……」
「だって……ウズキさん激しいんだもん……」
「まだ……続けるからね……」
ウズキは余韻に浸るグレンを無視し再び動き出す。
グレンも今度は自分からも動いていた。
「あぁん! 良いよぉグレン……。もっと激しく動いて……」
「こ、こうかな?」
「そ、そう……グレンはスジが良いね……」
グレンはうずきに言われたとおりに動いてみた。
ウズキは与えられる快楽に身を任せうっとりとしている。
「ウズキさん……僕……また……」
「良いよ……ボクにもう一度熱くて濃い精液を出して……」
グレンは再びウズキの中に精液を流し込んだ。
今度はウズキも絶頂を向かえることができた。
「……ウズキさんの中には二回出すなんて随分楽しんでますねグレン」
「フィ、フィニティ!? こ、これは……その……」
「フィニティったら怒っちゃって可愛いんだから~」
フィニティは自分には一回だったのにウズキに二回出した事が相当不満のようだった。
グレンは相当焦って言い訳を考えるが良い言葉が思いつかない。
この状況を作った当の本人であるウズキはグレンをまったくフォローしなかった。
「じゃあ最後は皆で一緒にイキたいよね~。同じような事言ったけど……」
「ですができるんですか?」
「そんなの簡単じゃない!」
フィニティの疑問にウズキは答えを言う前に行動で示した。
それはフィニティを仰向けに押し倒し抱きつく形となる。
ウズキが位置を調整し互いの秘所を密着させた。
「これでグレンがボク等の合わせめに入れれば大丈夫でしょ?」
「はい。そうですね」
「じゃあフィニティ、ウズキさん……いくよ」
グレンは二匹の合わせめにモノを入れていく。
入れられるのとは違う快楽にウズキとフィニティは困惑する。
「ひゃん! グレン……」
「あぁん! 良いね……良いよグレン……」
「くぅうう」
三匹の喘ぎ声が辺りに響く。
グレンは最高速を出し一気に絶頂へと向かわせる。
「グレン……私もう……ダメ!」
「ボクも我慢できないよぉ!!」
「皆で一緒にぃいい!!!」
三匹は同時に絶頂を向かえることに成功した。
グレンの精液は二匹の腹を白く染める。
三匹とも激しい快楽の余韻に酔いしれていた。
行為を終えた三匹はグッタリと横になっていた。
ウズキは意識があるがグレンとフィニティは気を失っている。
そこに一匹のポケモンが通りかかった。
いや、通りかかっただけならまだ良かっただろう。
そのポケモンは三匹に近づいてきた。
「よぉ! お前等久しぶり……」
そのポケモンはライガだった。
三匹の現在の姿を見れば何があったかは容易に想像がつく。
ライガを絶句させるには十分な光景だった。
「す、すまない! べ、別に邪魔する気は無かったんだ!!」
ライガは三匹に背を向け走り去ろうするが何かに押さえ込まれた。
「どうしたライガ? 見てはいけないような物でもあったのか?」
「姉さん!? 十分あったからこうして……」
押さえ込んだのはサイだ。
サイも三匹の姿を見て顔を背けた。
「す、すまん! べ、別に邪魔をする気は無かった……」
サイもライガとほぼ同様の言葉を言い、去ろうとする。
そこが二匹が姉弟だと改めて実感できた。
しかし、二匹とも誰かに掴まれ前には進めない。
「ちょっと逃げるのは酷いんじゃない? この辺に体を洗えそうな場所ってない?」
掴んだのはキュウコンに進化したウズキだった。
ライガとサイは掴まれた事で抵抗するが無意味に終わる。
「……お前誰? て言うかロコンはどこ行った?」
「まぁこの辺に小川があるが……ライガと同じ質問だが誰?」
二匹は進化したウズキが誰がか解らないようだ。
当然といえば当然だろう。ウズキは進化すれば年齢は十六から二十五になる。
始めて見て同一人物を解るほうが可笑しいだろう。
「ん? ボクだよボク。前会ったロコンだよ。ってそう言えばボク達って自己紹介してないんだよね?」
「ああ……聞いた覚えはまったくない。聞く理由がなかったからな」
「私なんか一度しか会ってないからな」
ウズキが二匹を放す。
二匹とも掴まれていた事でグレンの精液がついた事に不快に思ったが顔に出さないようにした。
ロコンに負けた自分達にキュウコンに勝つ手段があるはずもない……。
怒らせて何かあれば無傷で済むことはないと判断したからだった。
「え~と。あのガーディがグレン。で、そっちのイーブイがフィニティ。ボクがウズキ。解った?」
「ああ。しかし小川に案内するのは良いんだが……その格好で行くのか?」
「へ? キュウコンの姿で何か問題でも?」
ウズキはサイの質問の趣旨を理解していなかった。
サイは前足を突き出し大声で宣言した。
「キュウコンの姿に問題があるんじゃない! 全身精液まみれになった姿で出歩くのかって言ってるんだ!
私はそんな奴に後ろからついて来てほしくないんだよ!」
「……姉さん声が大きい。大声を出したくなるのは解るけどさ……」
ライガの指摘にサイは顔を赤くした。
「だから……取り合えず何かで拭くなり歩けるような格好にしてくれ」
「何かで拭けって言われてもねぇ……」
ウズキは辺りを見渡す。
こんな森のど真ん中で体を拭けそうな物なんてあるはずもない。
ウズキはサイを見てニヤリと笑った。
「ねぇサイ? 白い毛だったらついても目立たないよね?」
「ま、まさか……。それはやめろ! いや、やめてください!
私が悪かった! その格好のままで良いから!」
サイはウズキが何をしようとしているのかを理解し顔を真っ青にする。
しかしサイの言葉を聞き入れずウズキはサイに近づいていく。
サイは後ろに下がって行くが木にぶつかった。
もう逃げ道はない……。
「じゃあ体を拭こうかな……」
ウヅキはサイに飛びつく。
ライガもウズキを引き離そうとしたが敵うはずもなく逆にタオルにされた。
サイとライガの悲鳴が森に大きく響き渡った。
サイを先頭にライガとウズキが続いて歩く。
フィニティはライガの背中にグレンはウズキの背中に乗せている。
始めは同姓同士を背中に乗せれば良いとサイは提案した。
ウズキについていた精液がグレンのだと予想できたのかライガはグレンを背中に乗せるのを拒否した。
当然だろう。今サイとライガの体にもウズキに擦り付けられたグレンの精液が体中についている。
サイもその事を覚ったのかライガが雌を乗せると言った事に一瞬嫌な顔をしたがすぐに納得した。
「はぁ~。……にしてこれは酷いよな……。俺の自慢の漆黒の毛が……精液でガビガビに……」
「文句を言うな……と言いたいが愚痴りたくもなるな……」
サイとライガは口を開くたび愚痴と溜息しか出ない。
「どうした君達! 元気がないぞ! 元気を出せ!」
ウズキの発言にサイとライガは睨む。
二匹とも「誰の性だよ」と目で訴えるもウズキはまったく気にとめない。
「もうすぐ小川につく。早く体を洗いたい……。私の毛が……」
「案外誰にも見つからなかったね?」
「この辺は時の教団でも幹部しか侵入を許されてない地域だ。だから正直見つかったら犯罪になる訳だ。
……もっともそれ故に見つかりにくい」
ウズキの疑問にサイが簡単に答えた。
流石は姉弟、文句はライガと同様である。
グレンとフィニティが聞いていたなら顔を真っ青にしていただろう。
「……なるほど。灯台下暗しってやつだ」
「そう言うことだ。しかし長居は無用だけどな」
「当然だね」
ウズキとサイがあれこれ話しいるうちに小川につく。
その景色は小川の周りに花が生えていて庭のような印象を受ける場所だった。
小川につくとサイとライガはすぐに体を洗い始める。
ウズキは一瞬何かに気付いたような顔をしたがそのまま体を洗い始めた。
「そうだこいつらも洗わないとな……」
「ふ~ん。ライガって結構気が利くんだね。惚れちゃいそう」
「お、俺には両思いの彼女がいるから!」
グレンとフィニティを川につけたライガを見てウズキがからかう。
年上の雌にからかわれたライガは顔を赤くする。
その時サイがライガを睨んでいたのは言うまでもない。
グレンとフィニティも水の冷たい感覚で目を覚ました。
「あれ? ここは?」
「あ! お久しぶりですサイさん、ライガさん」
グレンは状況が解らずキョロキョロとする。
フィニティはサイとライガを見つけ挨拶をした。
「早く体を洗っちまいな。ここに長く居座ると不都合だからな……」
グレンとフィニティは「はい」と返事をして体を洗い始める。
五匹が体を洗っているといつの間にか雌のグラエナが何かを調べていた。
こそこそしている感じから時の教団の幹部には見えない。
そのこそこそしているグラエナはエイガだった。
「ん? あのグラエナ……。まさか気付いたのか……ここの秘密に……」
エイガを見たウズキは川から飛び出し襲い掛かった。
普段のウズキからは考えずらい行動に一同は何が起こったのか解らないでいる。
ウズキはエイガを押し倒し踏みつけ動けなくした。
「久しぶりだなウズキ? それとも始めましてかな?
この姿で君と会うのは始めてだもんな。でも随分手荒い挨拶だねこれは」
「そんな事はどうでもいい! 貴様……封印を説く気か!?」
「その焦りよう……ここにパルキアの封印があるって言ったようなもんだね……。
お前は本当に感情的になりやすい……。欠点だよ」
ウズキは「しまった!」とでも言いたげな顔をするが声にはならなかった。
「どうやら正解のようだね? やっぱりあの辺は君のフェイクだったか……。
ん? 誰か他にも来るみたいだね? お互い見つかったら厄介なんじゃない?」
ウズキが大声を上げたため近くにいたポケモンがこちらに向かう足音が聞こえた。
足音的に四足のポケモンが二匹、二足のポケモンが一匹だろう。
ウズキは足音に気を取られてエイガを離してしまう。
ウズキから開放されたエイガは一瞬の内に姿を消した。
それに気づいたウズキが辺りを探すがエイガの姿は見つからない。
「あなた達ここで何をしているんですか?」
「……排除……」
「ウズキ!? こんな所に!?」
三匹のポケモンはアマツ、ムオン、ミナヅキだった。
やはりウズキとミナヅキは知り合いらしい。
しかしウズキはまだミナヅキに気付いていない。
寧ろアマツの存在に動揺しているように見えた。
ウズキ達は壁を背にしアマツ達に包囲されていた。
もう既にウズキ達五匹に逃げ道はなかった。
「良く見るとあなた達……この前グラエナに襲われていたガーディとイーブイですね。
後の者は知りませんが……。ミナヅキ、あなたはあのキュウコンは知っているのですね?」
「ええ。知っています。まぁ昔のライバル……ですかね」
アマツとミナヅキは会話していて隙だらけだがムオンは常にこちらに警戒し戦闘態勢を取っている。
アマツの顔を見たウズキは驚きを隠せないでいる。
だがエイガを見たときとは表情が違う。それはまるで嘗ての友人と偶然再開したよう顔だった。
「……まさかアマツ? 生きていた? それとも似てるだけ? いや、でもアマツはあの時……」
「あなた私を知っているのですか!?」
「アマツ様は有名な御方。あのキュウコンが知っていても何の不思議はありません。ここは侵入者を速やかに排除すべきです」
ミナヅキの言葉にアマツは納得し戦闘態勢を取った。
ウズキにはまだ迷いが生じている。
ライガとサイもつられて戦闘態勢を取った。
グレンとフィニティは現在の状況を理解しきっていない。
ウズキはミナヅキと目が合い睨みつけた。
今やっとミナヅキの存在に気付いたようだ。
ミナヅキは「やっと気付いたか……」と言いたげな表情をしていた。
「パール……貴様がなぜここにいる! それになぜプルートと手を組んでいる! 答えろ!!」
「パール? なるほどウズキではなくダイヤとしてオレに話があるか。だが答える義務はない」
ウズキの言葉にミナヅキは不適な笑みを浮かべる。
ウズキとミナヅキの会話はこの二匹にしか通じていない。
それ故にこの場の全員が二匹に注目していた。
「ならば力ずくで聞き出すまでだ!」
「面白い……随分と好戦的になったじゃないかダイヤ!!」
ウズキは覚醒しミナヅキに襲い掛かる。
怒りに身を任せた攻撃はミナヅキを捉えることはなかった。
ウズキの攻撃を避けるミナヅキの速さは尋常ではない。
ミナヅキは大きくジャンプしウズキと距離を開ける。
「……お前相変わらずワンパターンだよな。でも今戦って勝ち目はなさそうだな……。
さて、じゃあ今度はオレが質問しようか……。別に無理に答えなくても良いぞ。
ウズキ……なぜこの世界はこうも歪んだ? 神のせいか……それともここに住むポケモンのせいか?」
「何を今更……。ボクが間違ってたと言いたいのか?」
「違うな……。オレの答えはここに住むポケモンの方だと思うな……。
ここには沢山の種類のポケモンがいる……。
でも全てのポケモンが自分達以外の種族を認め合っていない……。
それが歪みの正体だとは思わないか?」
ミナヅキの言葉にここにいる全てのポケモンが考えた。
そんな中フィニティは強く叫ぶ。
「そんな事はありません! 私達は分かり合えます!!」
「それはどうかな……。お嬢ちゃんだって経験してるだろ? 全ての者は自分と違う者が怖いんだよ……。
『神の血』をひく君の一族はどうなった? そう、全滅だ……。
それは他の連中が君達の一族に恐怖したからさ……。つまり『普通』じゃない君達が怖かったのさ……。
ガーディの少年だって似たような群で育ってきただろう? 全て『純血』で構成された群だったろう?
理由は簡単さ……。他の種族を受け入れられなかったからそうなった……。怖かったんだよ……。
そっちのアブソルとレントラーも混血のようだな……。
つまりオレ達は初めから拒絶し合って生きてるんだよ!
世界は初めから歪んでいた……。もうこんな世界必要ないと思わないか?」
「なるほど……それが今のお前の答えか……。でも今を必死に生きている者もいる。
分かり合おうと努力した者もいる! それをお前が否定する権利はない!!」
ミナヅキの言葉にウズキが怒鳴った。
ウズキの瞳はまだ紅い色をしている。
そんな会話の中エイガが再び姿を現した。
その口にはフィニティのペンダントと同等の大きさの真珠の玉が咥えられていた。
エイガはミナヅキの姿を確認すると真珠を投げ叫んだ。
「遊びは十分だミナヅキ。封印の真珠を受け取れ。時間稼ぎご苦労さん」
投げられた真珠はミナヅキの手の中に納まる。
ミナヅキは真珠の玉を見て不敵な笑みを浮かべた。
「それは! やはりそれが狙いかパール!」
「当然だな……出なければ時の教団なんて組織に入っていない!」
ミナヅキは叫ぶと何の躊躇もなく真珠の玉を砕いた。
すると光に包まれる。
「さあ見ていろ! 神の復活の瞬間をな!」
ミナヅキを包んだ光は四メートルを超える巨大な光となった。
光が消え中からは桃色の体に紫のライン両肩に真珠が付いたポケモンが姿を現した。
パルキアだった。ミナヅキこそが一万年前に封印されたパルキアだったのだ。
「ミナヅキが空間の神パルキア!?」
「もうお前等に用は無い……消えろ神の力を使う忌まわしき存在よ!!」
アマツは部下の真の姿に驚いていた。
パールの肩が激しく光り空間が歪んだ。歪んだ空間は刃となりアマツに迫る。
アマツは現実を受け入れられないで茫然としていた。
「アマツ!!」
アマツの目の前にウズキが割ってはいる。
時間を歪ませ盾をはっても一万年前のディアルガの時と同様に意味は無い……。
ウズキはアマツの盾となり全身を切り刻まれた。
亜空切断を受けたウズキはその場でうずくまる。
「っち。ダイヤが庇ったか……。だからお前は甘いんだよ!」
「なんで私を庇ったんですか? 私とあなたに何の関係もないのに……」
「目の前で自分の娘を見捨てる親なんていないよ……アマツ……会いたかった……。
こんなに……大きくなって……ボクは嬉しいよ……。やっと……あ……えた……」
ウズキはそっと前足でアマツの頬を撫でた。
しかし、そのままウズキ前足はそっと地面に落ちる。
アマツはウズキの言葉の意味を理解しようとした。
この方は私が母親?
――解らない。私には二百年前より以前の記憶がない……。
でも確かにこの方の温もりを私は知っている……。記憶を失うずっと昔から……。
アマツはウズキを茫然と眺めていた。
ウズキはパールの攻撃を受け相当のダメージを負っていた。
しかし、パールの亜空切断を直撃したのだからこれでも軽いダメージだろう。
「少しやり過ぎだなパール」
「一万年ぶりの原身の力を上手く制御できなくてな……。
だがダイヤを完全に封印すれば今度はオレの勝ちだ……。問題は無いだろうプルート」
エイガはパールの一撃に呆れている。
パールは完全なる復活に喜び手加減をしていなかった。
「力で……捻じ伏せる……このやり方は……間違っている……パール……」
「まだ立てたか……流石と言うべきかダイヤ……。
力? ……違うな……。神の力を使う者は初めから存在すべきじゃない。
だから消す必要がある。お前も含めてな……」
ウズキは無理して全身傷だらけの体を動かし立ち上がった。
むしろ立てるのが不思議なくらい重症だ。
「フィニティ……ペンダント……ボクがもらうよ……」
「ウズキさん? その体で戦うんですか?」
フィニティの言葉にウズキは頷いた。
ウズキが何かを呟くとフィニティの首にかかっていたペンダントは消えウズキの前に現れる。
それはまるでペンダントが初めからウズキを待っていたように……。
目の前に現れたペンダントをウズキはそっと触れた。
ペンダントは音もなく崩れ去り、ミナヅキの時と同じくウズキの全身を光が包んだ。
光は五メートルを超え光が消えた時、藍色の体をしていて蒼のライン胸に金剛石がついたポケモンが姿を現す。
そこには神話に伝わる時の神ディアルガが立っていた。
キュウコンの姿より傷は少ないが0ではない。
「ウズキさん……なの?」
「ウズキさんがディアルガ様……」
「私はどこかで……ディアルガ様を……見た事がある気がする……」
グレンとフィニティの驚きの言葉……。
今まで一緒にいた彼女こそがディアルガだった。
その驚きは隠せない。
アマツもまた過去の記憶を思い出そうとする。
過去確かにどこかでディアルガを見た事はあった。
でもそれがどこでどのように出会ったかは思い出せない。
「ダイヤも本来の姿を取り戻す準備は既にできてた訳だ……。
私が九千年前と同様に禁忌を犯したダイヤ……お前を封印してやろう」
エイガも全身が光に包まれる。
光が消えたとき姿を現したポケモンは銀の体に胸には真紅と漆黒の横縞の模様、禍々しい翼のはえた六本足のポケモンだった。
冥王ギラティナ……それが目の前のポケモンの名前である。
「ワタシの名はプルート。世界の裏側にある死の世界を司る冥王……ギラティナだ。
禁忌を犯し時の神とその子孫達には創造主より死の罰が科せられる。安らかに眠れ……永遠に」
プルートはグレン達を睨んだ。
今ここに時の神、空間の神、冥王の三匹の神々が一同に会した。
これから起きることは世界の破壊かそれとも世界の存続か……。
戦いに勝利し者が新たなる世界を創ることができる。
しかしプルートはパールに協力をしていた。
そう考えればダイヤはパールとプルートの二匹を相手にすることになる。
傷ついたダイヤに二匹を相手に勝利することは不可能に近かった。
「それは理想だよプルート。創造主に生み出されたボク等にも意思はある。
いつまでも創造主の言いなりはボクはごめんだね。
プルート……お前は創造主命令を理由にまたボクから大切な者と居場所を奪う気か?
ボクを封印し、クゥとアマツを奪ったあの時のように……。
それが創造主の意思ならばボクは絶対に従わない。
ボクは一匹のキュウコンとして居場所を奪ったお前達が嫌いなんだよ……。
君達はいつまで創造主の言いなりになってるつもりだ。処女と童貞君?
そうやっていつまで道具になっている? 死ぬまでか?」
ダイヤは二匹の神を挑発する。
挑発の仕方は姿こそ違えどまさしくウズキ本人であった。
「しょ、処女!? お前が禁忌を犯しただけだろ! このスケベダイヤがぁああ!!」
「お、おいプルート! どうしたんだよいきなり……」
プルートがキレた。触れてはいけない何かに触れたらしい。
パールは一瞬驚いたかが、すぐにキレたプルートを必死になだめ始めた。
今のプルートに神の威厳はまったくない。
プルートをなだめるパールの姿もとてもシュールだった……。
「ワタシが気にしてる事をぉぉおおお!!!」
「気にしてたのか!?」
パールがどんなになだめてもプルートの怒りは収まらない。
どうやら雌として相当、気にしていたらしかった。
「みんなボクの周りに集まって今のうちに逃げるよ! アマツとそっちのヘルガー……ムオンも!
勝てない戦と負け戦は違うからね。反論は受け付けない! 死にたくなければボクに従え!!」
「……了解……」
グレン達は素直に頷きダイヤの周りに集まる。
ムオンはダイヤの言葉に一瞬考えたようだった。
しかし現在の状況を理解すればダイヤとパールのどちらが味方かは明らかである。
ムオンは動こうとしないアマツを担ぎダイヤに近づいた。
「じゃあ、ボク等はこれで失礼するよ。また会おう諸君!
出来れば会いたくないけどね!」
ダイヤはそう言うと時間を逆行させこの場から消えた。
いわゆるタイムスリップという奴である。
「逃げるのかぁダイヤァアア!! いつの時代に逃げたか絶対突き止めてやる!!」
「あの~プルートさん? キャラが変わってますよ……」
パールは最後まで必死にプルートをなだめていた。
プルートの怒りは数時間、収まることは無かった……。
ダイヤ……ウズキは周囲を警戒していた。
流石にディアルガの姿では目立つからが理由かどうかは解らないが今はロコンになっている。
「さて……急いでたから年代を指定する余裕がなかったけど……いつの時代かな。
でも流石にこの人数の時間転移は疲れるな……。しばらくはこの姿かな……」
ウズキが気絶している者達を見て溜息をつく。
その場の勢いとはいえこの場にいる全員に自分の正体をばらした。
皆はボクの事をどう思うんだろう……。
ボクにも個人的に神と戦う理由がある。それが憎しみだとしても……。
罪を犯した愚かな神と罵り突き放すか……共に神と戦う同士として向かいいれてくれるか……。
どちらにしても今までの関係は壊れる事になるだろうな……。
ウズキが空を眺め考え事をしてるとフィニティが意識を取り戻した。
「ダイヤ様……起きてたんですか?」
「ダイヤか……君はボクを友としてではなく神と見るか……」
フィニティはウズキを見て挨拶をする。
ウズキはフィニティの言葉を聞き本人に聞こえないように悪態をつく。
本人に悪気はないがウズキは嫌そうな顔をした。
「……緊急事態だったとはいえペンダント……壊してごめん」
「そんな! ダイヤ様の復活に必要でしたのなら喜んで差し出しました」
フィニティの大声を出したからか他の者も順に目を覚ました。
「あ……ウズキさん、フィニティおはよう」
グレンの今までと変わらない反応に安心した顔をする。
「ふわぁ~。よく寝た」
「ライガ……随分と呑気なものだな……」
「皆さんもご無事でしたか」
「……起床……」
皆、随分と眠そうな顔をしてウズキの方を見る。
「まぁ皆の言いたいことは大体は解るから答えていこう。
まずボクは君達が見たとおり時の神ディアルガだ。今はロコンだけど……。
あ! 年齢は答えないからね! と言うか気にしないで! 気にしたら時の神の神罰が下るよ!
次にあの時何をしたかだけど過去への時間転移……タイムスリップって奴だね。
先に言っておくと年代は解らないよ。ちなみに帰るのはしばらく無理!
莫大なエネルギーを消費したからボク自身に休養が必要なんだよ。
後……君達がボクを味方として見るなら味方だから安心してね!
まぁボクに喧嘩を売ってメリットはないと思うけどね~。
神を味方につけとけば便利だと思うよ~。
以上! 後は個人で質問を!! 質問タイム!!」
ウズキの質問タイムに皆が挙手する。
ウズキは一番最初に目が合ったライガを指名した。
「俺達って無関係だと思うんですけど!」
「確かにそうだが言い方があるだろう……」
「君達は神の戦いに巻き込まれました! はい次!
あ! 別に自分達で元の時代に帰れるならお好きにどうぞ~。
絶対に無理だと思うけどね~」
ウズキの答えにライガとサイは「タオルにされて巻き込まれたのかよ……」「神は無慈悲だ……」と愚痴を言った。
ウズキは次にグレンをライガと同様の理由で指名した。
「呼び方は今までどおりウズキさんで良いの? それともダイヤ様の方が良いのかな?」
「勿論OKだよグレン君! と言うかフィニティに限らず皆さんダイヤ様はやめてね……。だからってウズキ様もなしだよ」
「ダ……ウズキさんがそう言うのなら解りました」
「ありがとうウズキさん」
フィニティもグレンと同様だったのか残ってるのはアマツとムオンの二匹。
ムオンは会話になりそうにないのでアマツを指名する。
「過去の世界でも注意事項はなんでしょうか?」
「真面目な質問だね。取り合えずあまりこの時代のポケモンとあまり接触しない事。
勿論未来の事は言わない。歴史を変えるよう事は絶対ダメ。こんなとこかな。
ムオンもこれで十分でしょ? 質問内容は同じでしょ?」
「……承諾……」
ムオンは珍しく「なぜ解った!?」とでも言いたげな顔をしたが一瞬でいつもの無表情に戻った。
「なぜ解ったかって? ボクは時の神……他者の記憶という時間くらいなら力を使わないでも解る。
ほんの一秒前だって記憶だからね。実際考えが解ると言っても良いんだよね」
「ウズキさんが妙に鋭いと思ったらそういう事だったんだ!」
「でも前に私のかまいたちに当たったよな。考えが解るなら避けれたんじゃ……」
「……近くじゃないと解らないんです……。偉そうなこと言ってすみません……」
グレンは感心するがサイは痛いとこをつく。
ウズキはサイに頭を下げ事情を説明する。
サイは慌てて前言を撤回したのだった。
コメント頂けると嬉しいです。