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時の後継者 2

/時の後継者 2

時の後継者 

by蒼空


11 愛 


グレンとフィニティはキスをしている。唇が触れ合うだけのキスではない。
互いに舌を絡ませあい唾液を交換する。いわば愛し合う者にとっての儀式のようなもの……。

「フィニティさん……本当に良いんだよね……」
「はい。それとフィニティって呼んでください。だから私もグレンって呼んで良いですか?」
「もちろんだよフィニティ」
「ありがとう……グレン」

二匹は再度キスをする。
グレンはフィニティを仰向けに寝かせる。
そのことで普段は隠れて見えないフィニティの秘所が隠されることなく覗かせる。
グレンは始めてみる雌の秘所に釘付けになった。

「……恥ずかしいのであんまり見ないでください……」
「でも誘ったのはフィニティだよ……」

グレンはフィニティの股間に顔を埋め舌で舐めてみる。

「グレン!? そんな所……舐めたら……汚いですよ……」
「フィニティのここが汚いわけないよ……。だってこんなに綺麗なんだよ……」

グレンは再度、舌で秘所を舐める。
フィニティは舐められるたび快楽の声を上げ愛液が滴り始めた。
静かな夜に水を舐める音と少女の喘ぎ声が響き渡る。

「グレン! そんなにされたら私……変になってしまいそう!」
「じゃあ僕がもっと変にしても良い? 答えは……聞かないけど……」

グレンはそう言うと秘所の突起物を甘噛みする。

「グレン! そ、そんな!? ダメ! もうダメェェェ!!!!」

フィニティは悲鳴にも似た声を上げ愛液をグレンの顔に引っ掛けイってしまった。
グレンは嫌がることなくフィニティに笑顔を見せる。

「ハァハァ。グレン……今度……私にやらせてください……」
「うん……。お願いする……」

グレンはフィニティの前に大きく太くなったモノを出した。
フィニティは前足でグレンのモノを持ち先端を一舐めする。

「うぅ良いよ……フィニティ……」
「良かった……感じてくれて……私……初めてなんです……こういうの……」

モノを前足で持ち顔を赤らめる美少女……。
グレンはフィニティを見ただけで更にモノが大きくなる。

「ヒャッ! もっと大きく!?」

フィニティは更に大きくなったモノを再度舐めだす。
今度は一度だけではない。何度も何度も舌を這わしていく。

「フィニティ! 離れて! 僕……のが!」

グレンが叫ぶと同時にモノから白い白濁の精液がフィニティの顔面を汚す。

「ご、ごめんフィニティ……。僕の……かけちゃって……」
「グレンこれでおあいこですよ……。続き……してもらえますか?」

フィニティは仰向けになりグレンを誘う。
グレンもその誘いに答えフィニティに被さる。

「行くよ……フィニティ……」
「グレン……来て……」

グレンは頷きゆっくりとフィニティにモノを入れていく。
初めてと言ったフィニティの言葉も割には愛液のおかげで途中までスムーズに入っていった。
何かにぶつかりグレンのモノは止まる。

「……今更言う事ではないとは思うけど……僕はフィニティが……好きだよ……
 でも……フィニティは僕の事……どう思ってるの? 好きでもないなら……ここでやめたほうが……」
「私も……好きですよ……グレンが……。でなければ……頼みませんよ……」

グレンはフィニティの確認を取り壁を突き破ろうとする。

「あうぅ……」

フィニティは目を閉じ必死に痛みに耐える。
一瞬激痛が走りグレンのモノは全てフィニティの中に納まった。

「凄い……グレンのが……入ってるですよね……」
「……うん。フィニティの中に僕のが全部……」

二匹は互いのモノが入ったのを驚いていた。

「フィニティ……動くよ……」
「あなたを感じさせて……」

グレンはゆっくりと動き始める。
初めて味わう快楽に二匹とも長く持ちそうに無い。

「ごめん……フィニティ! もう僕!!」
「お願い! グレンのを私の中に!」

フィニティはグレンが離れないように前足を背中に回し抱きついた。

「フィニティィィィ!!!」
「グレェェェン!!!」

二匹は同時に果て、互いの名を絶叫した。
一度出したにも関わらずグレンは濃い精液をフィニティに流し込んでいく。
結合部からは中に入りきらなかった精液が溢れてきた。
グレンは残りの力を振り絞りフィニティからモノを抜きそのまま眠りについた。
フィニティもグレンと抱き合ったまま眠りにつく。
足りなかった愛を互いで埋めあうように二匹は幸せな顔をしてその日を終えた。


12 前夜 


金と朱の二匹のロコン……。
前にも夢で見たこの二匹。
会った事はない。でも確かに知っている。
遠い記憶のどこかで僕は知っている……彼等を……



二匹のロコンが以前の崖で話し合っている。
一匹は金のロコンもう一匹は朱色のロコン。
クゥとウヅキだった。以前と違うところは数年後なのか二匹は成長していた。

「明日が成人の儀か……もう出会って四年になるんだよねボク等」
「はい。私達の群れは未成年の婚約は認められていませんから……。
 明日に成人の儀が終われば私達は結婚できるんですよね……」
「ロコンでいるのも今日までか……。クゥ、明日の夜は眠らせないよ……」

明日クゥ達の群れでは成人の儀が行われる。
成人の儀とは二十になったロコン達に炎の石を渡しキュウコンになり群れの一員として認める儀式。
未成年の婚約、性行為は認められていないため成人の儀を行うまで二匹の進展は微々たるものだった。
しかしそれも今日で終わる。明日からそんな束縛もなくなり二匹は恋人から夫婦になれる。

「はぁ~。でもロコンの頃のクゥとできなかったのは群れの規制を怨むよ……」
「ウヅキさん……言ってる事がセクハラですよ……」
「今更気を使う仲じゃないでしょ。ボク等は将来を誓い合ったんだから」
「それとこれとは話が別ですよ! もうウヅキさんの馬鹿……」

ウヅキの婚約者発言にクゥは顔を真っ赤にした。
ウヅキはそんなクゥを見て大笑いする。

「あはは。クゥって本当に可愛い奴だな!」
「そんなに笑う事ないじゃないですか! 雄に可愛いって褒めてるんですか!?」
「……十分褒め言葉ですよお姫様」
「お姫様じゃないですよ! 私はこれでも雄なんですから!」

クゥが頬を膨らませウヅキがわざとらしく頭を下げた。
これではどちらが雄でどちらが雌か解らなくなりそうである。

「明日になれば君を抱いても問題ないんだよね。キュウコンに進化したクゥはどれだけ綺麗になるかな?」
「だからウズキさん……セクハラ発言です」
「気にしない気にしない。自慰を見せ合った仲じゃない。クゥが我慢できないって……。
 あの時はクゥも欲求不満になるなんて雄だよなぁ~って思ったけどね」
「あ、あの話はしない約束じゃないですか! ……こう見えても私だって雄ですから……。
 欲求不満くらいにはなりますよ……」

クゥが最初は怒鳴るがどんどん威勢がなくなっていく。
ウヅキはそんなクゥを見て耳元で囁く。

「今日もする? ロコン最後夜になるわけだし……。それとも明日のために精力は残しておく?」
「明日のために取っておきましょうよ……。私……そんなに体力も精力もないですから……」
「……残念……。明日なら良いんだよね。今そう言ったし……」

クゥの言葉にウヅキは俯くがすぐに顔を上げ笑顔になる。

「そう言えば子供の名前はどうする? あ、でも雄か雌かで変わるもんね」
「ず、随分と気が早いんですね……。私……名前の候補ならありますよ。
 雄でも雌でも大丈夫そうな名前なんですけど……」
「クゥだって名前決めてるなんて十分気が早いと思うけど……」

クゥはウヅキの質問に恥ずかしそうに答えた。
ウヅキはクゥが名前を考えてるとは思っていなかったのか驚き半分、呆れ半分といった顔をしていた。

「……で、どんな名前? 教えてよクゥちゃん」
「ウヅキさん随分楽しそうですね……。それに……ちゃん付けまでして……。
 馬鹿にしてるんですか? そんなウヅキさんには教えません!」

クゥはまた頬を膨らませウヅキはいつものようにクゥに頭を下げ続けた。


13 神の意思 


森の中を三匹のポケモンが走っている。
そのポケモンは雌のキュウコン、雄のヘルガーとサンドパンだった。
年齢はキュウコンが二十前後、ヘルガーとサンドパンが更に五歳上といった感じだ。
リーダー格のキュウコンがサンドパンに質問する。

「ミナヅキ……この方角に盗賊団が逃げたのですね?」
「オレ……失礼……自分の掴んだ情報に間違いが無ければそのはずですアマツ様」

ミナヅキと呼ばれたサンドパンが返答する。
続いてアマツと呼ばれたキュウコンがヘルガーに話しかけた。

「ムオン……敵は多いでしょうけど……戦闘ではあなたが要です。頼みますよ」
「……御意……」

ムオンと呼ばれたヘルがーはアマツの前で立ち止まり頭を下げる。
ムオンが立ち止まったためアマツとミナヅキも立ち止まった。
その忠実さにアマツは苦笑いしミナヅキは呆れる。

「しかし……なぜアマツ様が自ら先頭に? 自分達だけ十分でしたのに……」
「私もディアルガの神子と呼ばれる存在……安全な場所で結果だけを待つわけにはまいりません」
「ですが……アマツ様に何かあっては時の教団は瓦解してしまいます。お気をつけて」
「解っています。ですからムオンとミナヅキに一緒に来てもらってのですから」

ミナヅキもアマツに質問し返答されると頭を下げた。
アマツは二匹に頭を上げるよう命じ再び走り出す。

「これ以上悪を野放しにしておく事はできません。ここで決着をつけますよ!
 ですが殺害は認めません! 必ず生かしておいてください」

争いはなぜなくならないの?
互いが血を流す事に意味なんてあるのですか?
力が支配し弱いもの一方的に押さえ込む。
確かに争いはなくなり平和になるでしょう。
しかしそれは誰かに与えられた見せかけの平和でしかない……。
そんな事をしても誰も幸せにはできないでしょう。
全ての者が手を取り合い平和の道を模索しなければ……。
時の神ディアルガ様の意思を私が継いでみせる!

アマツの号令にムオンとミナヅキは「……承知……」「了解しました」と返事をし後を追う。
しかしミナヅキは納得のいかない顔をしていた。

何が殺害を認めないだ……甘いんだよ小娘。
相手を一方的に蹂躙し力を見せる。
その行為を全ての悪に見せ付ける。
そうすれば相手は迂闊に行動できない。
時の教団に逆らうものはいなくなり……強者がこの島を統治する。
それはオレが望む……空間の神パルキアが望んだ世界。
それを実行できる力をこの組織は持っている。
だからオレはこの組織に入団し子の地位を手に入れた。
なのになぜ力を使わない! ぬるい……ぬるすぎる。
オレがこの組織を変えてやる……絶対に。



三匹が走り続けると大きな木の周りを囲むグラエナの集団が見えてきた。
集団の中心には一七歳前後のガーディとイーブイの二匹のポケモンが確認できた。
襲われるのは時間の問題だろう。子供二匹で勝てる相手で無い事は解っている。
子供で勝てれば時の教団が動く必要なんてない。

「いましたね……。ムオンは背後からミナヅキは地中から強襲してください。
 私は正面から二匹のポケモンを救出します。救出後は各個に敵を捕縛していきます。
 親衛隊の……あなた達二匹の力……頼りにしています。各員戦闘準備開始!」

ムオンとミナヅキはアマツの指示に従い行動を開始する。
アマツは単身で敵の集団へ飛び込んでいく。二匹のポケモンを救うためそして盗賊団を捕縛するために。
それはムオンとミナヅキを信頼しているからこそできる無茶な作戦だった。


14 成敗 


グレンとフィニティが目を覚ますと周りにはグラエナの集団がいた。
全員怖い顔でこちらを睨んでおり自分達の状況が穏やかでなおこと知る。
グレンとフィニティが抱きあって震えていると大柄のグラエナが前に出てくる。
グラエナは二匹を値踏みするようにジロジロと見ていた。

「ククク。イーブイの方は中々の上物だな……。ガーディの方は殺せ」

グラエナの言葉に他の部下達が返事をした。
二匹が襲われるのは時間の問題だった。
群のグラエナが襲いかかろうとした瞬間に周りから悲鳴が聞こえていた。

「ッチ。どうした何があった!」

不測の事態にグラエナたちはパニックになりリーダーの指示など耳に届いていない。
グラエナは自らグレンとフィニティに近づこうとするが炎が目の前を走り立ち止まった。

「罪を犯す不届き者よ! この私アマツが神に代わりあなた達を成敗します!」
「まさか時の教団トップのアマツ様自ら出陣ですか? 暇なんですね~」

火を吐いたそのポケモンは二十前後の美しいキュウコンだった。
グラエナはそのキュウコン見て悪態をついた。

「……だがな小娘一匹増えたくらいで変わらないんだよ!」
「私は一匹でここに来た訳ではないですよ」

アマツが言った途端に混乱はさらに広がった。
後方からはムオンが地中からはミナヅキが姿を現す。

「……討伐……」

ムオンはグラエナの群に火炎放射を放つ。
直撃する者はいないにしろ混乱が続き逃げ出す者まで出ている。

「……おいおい。森で火炎放射なんか使うなよ……。アマツ様もムオンになんか言って……」

ミナヅキはムオンの行動をアマツから止めてもらおうとするが言葉は途中で消えた。
アマツの目の前も何かで焼き払われた後があったからだ。

「……何で炎ポケモンはこう使う場所を選らばないんだ? 森の木に火が引火したらどうすんだよ……」

ミナヅキは頭を抱え呆れる。
グレンとフィニティはあっという間に壊滅していくグラエナの群を茫然と見ていた。

「くそ! 撤退だ! 撤退するぞ!」

リーダーのグラエナが叫ぶと他のグラエナも逃げていく。

「ムオン、ミナヅキ追いかけますよ!」
「ご心配なくアマツ様」

アマツがグラエナを追いかけようとするとミナヅキは余裕の笑みをした。
アマツはその笑みを見て困惑する。

「なんだこれは! グワワアアアア!!!」

逃げたはずのグラエナ達から次々と悲鳴が聞こえてくる。
グラエナの方を向いてみると全員が落とし穴にはまっていた。

「ムオンとアマツ様が撹乱している間に掘っておきました」
「流石はミナヅキ。素晴らしい手際の良さですね」
「お褒めに与り光栄です」

ミナヅキは膝を付き頭を下げた。

「……捕縛……」

ムオンはグラエナの群の捕縛を開始していく。
ミナヅキはグラエナの数を数える。

「リーダーの捕縛には成功。団員は三匹ほど逃げたみたいですね。探し出しますか?」
「リーダーの捕縛で十分です。帰還しますよ」

アマツはムオン、ミナヅキと共にグラエナを連れ帰えろうとする。

「あ、ありがとうございました……」

グレンは去ろうとするアマツにお礼を言う。
アマツは振り返りグレンを見る。

「弱い者を助け悪を成敗するのが私達の使命。お礼を言う必要はないですよ」

アマツは再び振り帰りムオンとミナヅキに指示を出す。
ミナヅキはチラチラとグレンとフィニティを見ていた。

「アマツ様……調べたい事があるのですが……先に帰還してもらっても良いですか?」
「解りましたミナヅキ。ムオン行きますよ」

アマツはムオンと共に歩き出した。
ミナヅキはアマツとムオンが見えなくなったのを確認し振り返る。

「君達ウヅキって名前のオレと同い年くらいの雌のキュウコンを知らないか?」
「……いえ、キュウコンに知り合いはいませんので……。
 あ、でも! ウズキさんっていう私と同い年の雌のロコンなら知ってますよ!」

ミナヅキの質問にフィニティが答える。
グレンはウヅキの名前を聞いてから夢の事を思い出していた。

ウヅキ……まさか夢のロコンの事かな?
でもあれは何年前の事かも解らないし……。
今は黙っておこう。

「ウズキか……。ありがとうディアルガの子孫達……」

ミナヅキの言葉にフィニティとグレンは顔を真っ青にする。
ミナヅキは振り返りアマツが歩いていった方に走り去っていった。


15 ウズキとウヅキ 


グレンとフィニティは走り去るミナヅキの背中を見ていることしか出来なかった。

「ねえグレン。ミナヅキさんってどう思います?」
「なんとなくだけどウズキさんに似てる気がした……」
「彼もディアルガの血をひく者だと思いますか?」
「……そこまでは僕には解らないよ……」

二匹をディアルガの子孫だと見破ったミナヅキは何者か。
いくら考えても答えは出なかった。
彼もウズキと同様に何かを知っているのは確かだろう。

「正体が解らないのはウズキさんもミナヅキさんも同じですね……」
「でもこれからどうするの? 二匹について調べてみる?」
「そうですね。取り合えずこの近くに住んでいたウズキさんからでしょうね」

二匹が今後の方針を決め立ち上がったら背後から声をかけられる。
それは二匹とも聞き覚えのある声だった。

「二匹でボクについてコソコソ調べるつもり? 何も解りはしないよ……
 ボクは他者と関係をつくらずに一匹で生きてきた……。
 つまりボクの事を知ってるのは君達とライガとサイの四匹だけって訳だ」

二匹が振り返るとウズキが立っていた。
しかしウズキの目は獲物を狙う狩人の目だった。
以前共に行動していたときの優しい目では無い……。

「では、ミナヅキさんとは誰ですか!?」
「ミナヅキ……まさか! いや、そんな事は……」

ウズキはミナヅキの名を聞いて明らかに動揺していた。

「知ってるんですね……彼を……ミナヅキさんを」
「答える必要は無い……。君のペンダントをボクが頂く。
 別れるときそう言ったからね……」

グレンは考えていた。
もし仮にウズキさんが夢のウヅキと同一人物だとしたら……。

「ウズキさん……色違いのロコンのクウコって知ってる?  知ってるはずだよね……」
「……どこでその名を知った……」

グレンは間違いかも知れないがあえて強気に言ってみる。
ウズキはミナヅキの名前を聞いたときより動揺している。
間違いない……ウズキさんはウヅキだ。
年齢が違うのは彼女が使える神の能力だろう。

「僕達も答える必要はないんだから……」
「クゥは生きているのか!? 答えろグレン!」

ウズキはグレンを睨む。
グレンはまさかこうも簡単に話すなんて思っていなかったので沈黙した。

「黙ってるつもりか……それとも知らないのか? なるほどグレン……君は思った以上に神の血をひいてるみたいだな……。
 迂闊に喋ったボクが愚かだったよ……。ディアルガの血をひく先祖の過去の記憶を引っ張り出したんだろ?
 ここで消えてもらおうか……君がボクの正体を知るのは時間の問題だろうからね……」

ウズキはそう言うと足元から火が噴出し全身を包み込む。
いくら炎タイプで、もらい火持ちでも無傷で済むような炎ではない。

「ウズキさん!」

フィニティが叫んだかと思うと火の中からウズキが現れる。
しかしそこにいたウズキはロコンでは無い二十五歳前後のキュウコンだった。

「どう、綺麗だろう? 君達を消し去ってやろう!」

ウズキの目はキュウコンの赤い目から紅い目と変化を遂げる。
二匹に進化し覚醒したウズキに勝つ方法など無いだろう。

「僕がもう一度覚醒できれば……」
「無理だろうね……。ボクが簡単に覚醒できるのは君達よりも神の血が濃いからだ……。
 できたとしてもボクに勝てると思う? 覚醒しても互角以下だよ」

ウズキは明らかにグレンを見て嘲笑っている。
ウズキがグレンに近づき前足を振り落としグレンを地面に叩きつけ踏みつける。

「ライガにもこうやって踏みつけられたんだよね……。楽しいグレン?」

グレンは口をパクパクさせ必死にウズキに懇願の目を向ける。
なぜこんな事をするの? 僕達友達でしょ?
グレンの目はそう訴えかける。

ウズキの表情が一瞬だけ変わる。
その一瞬の顔は凶暴な顔ではなく友を思う優しい顔だった。


16 覚醒進化 


フィニティはウズキの行動を見ていることしか出来なかった。
目の前で友達同士が無意味に戦っている……。
それを止める事のできない自分に嫌気がする。

「ウズキさんなぜこんな事をするんですか!?」
「なぜ? 君達が知りすぎたからだ……。ただ言う事を聞いていれば良かったんだよ……」

ウズキはフィニティにも暴言を吐く。
言う事を聞いていれば良い……。道具になってれば良い……そう言ってるようにも聞こえた。

「私達は道具じゃありません! ウズキさん私はあなたを倒します!」

フィニティはそう叫ぶと目が紅くなり光に包まれる。
その光はどんどん大きくなっていく。
光が消えたとき、そこにいたのはシャワーズだった。

「フィニティも覚醒したか……。面白い相手になってやる。君の神の力をボクに見せてよ……」

ウズキはグレンを放り投げフィニティを睨む。
紅い目の二匹が睨み合う。
フィニティはウズキにハイドロポンプを放つ。
炎タイプウズキには最大のダメージとなる一撃。

「そんなもの……。消えて無くなれ……」

ハイドロポンプはウズキの言葉に反応するように消えてしまった。
よく見ると時間の歪みがウズキの前に出来ていた。
嘗てディアルガも使用し、グレンも使った基本の能力。

「ならこれで!」

今度はフィニティはサンダースに変化した。
高速の動きで放つ電撃は消える事無くウズキの左前足に直撃する。
電撃が直撃した後、時間の歪みが生じた。

「ッチ。やるじゃないか……。まさか時間の歪みを作る前に攻撃を当てるなんて……。でもね……」

ウズキは傷ついた自分の右前足を見ても無反応だった。
ウズキは右前足で左前足の傷を撫でると傷は何も無かったように綺麗になる。

「時間を操ればこんな事も出来るんだよ……便利だと思わない?」
「そんな……攻撃がきかない!?」
「こんなんじゃ神を倒せないよ……。神を倒すんでしょ?
 そうしなきゃ……君達は生き残れないよ……。
 まだ本気じゃないんでしょ? 見せてよフィニティ……君の本気を……」

そうだ私は神を倒して自分自身の存在理由を決める!
そのためにこんな所でやられるわけにはいかない!

「私は……神を超えてみせる!!」

フィニティが叫ぶとエーフィに変化を遂げる。
そして首のペンダントが眩く輝き始めた。

「これが私の最大の一撃!!」

フィニティのサイコキネシスがウズキに襲い掛かる。
ウズキは全面に歪みを作るも衝撃は消える事無く全身を襲って吹き飛ぶ。
全身傷だらけでそれでも立ち上がってきた。

「ふはは。やるじゃないか……これで良い……」

ウズキは笑い出すと再び全身に炎を纏った。
炎を振り払いでてきたのはロコンの姿のいつものウズキだった。
全身の傷は最初から何も無かったように存在しなかった。

「……もう十分だ。じゃあ頑張って」
「……どういうことですウズキさん?」

ウズキの行動がフィニティには理解できなかった。
ウズキは笑いながら話始めた。

「君達は神の力を使えた……。神と十分戦えるよ。君達を試すような真似をして悪かったね。
 後……進化したフィニティも可愛かったよ。ボクがいない間にグレンと何かあったんでしょ?
 グレンて呼び捨てで呼んじゃって……憎いね~」

フィニティはウズキの言葉を無視し睨みつける。
その表情を見たウズキも真剣な顔になった。

「ウズキさんは秘密を知りたがるのに自分の事は何も言わないんですね……」
「冗談は通じないか……。ボクの事知りたいの?」
「ええ。知りたいです」
「グレンもフィニティと同じ意見? 起きてるだろ解ってる」
「……気付いてたんだ……」

グレンはウズキに言われた通り起き上がり首を縦に振った。
フィニティはウズキに交戦の意思はもう無いと判断しイーブイに戻る。
疲れの性か足がふら付いたがグレンが支えたため倒れることはなかった。

「……なるほど。もう君達は運命から逃れる事はできない……。
 確かに知る権利はあるだろう。……と言いたいけどボクは秘密主義なんでんね。
 グレンがボクの事を知り始めてるし改めて言う事じゃないでしょ!」

グレンとフィニティはウズキの言葉に目を丸くした。

「な、何で話してくれないんですか!?」
「そうだよ! 話すような素振りしておいて!」
「ははは。それがボクってポケモンだ! グレンその事は夢でも解ってるだろ?
 ボクは誰かをからかうのが趣味の一つなんだよ。君達のさっきの表情……最高だったよ」

ウズキはグレンとフィニティに文句を言われるがまったく気にしない。

「まぁ……その方がウズキさんらしいか……」
「そうですね……。でもこれは真面目に答えてください。
 ウズキさんは私達と一緒にきてくれるんですか?
 一緒に戦ってくれるんですか?」

ウズキはフィニティの質問に笑顔で「勿論」と答えた。


17 力 


グレンとフィニティは再びウズキと行動を共にする事にする。
ウズキは素性を明かしはしないものの今は信じるしかなかった。

「ところでウズキさんって実際は何歳なの? ロコンでは十六位だしキュウコンでは二十五位だったからさ……」
「雌に年を聞くのはタブーだと思うんだけどグレン君。ねぇフィニティ?」
「私は年齢よりも体重の方が禁句だと思いますけど……」
「……くそぉ。これだから若い奴は……。まぁ君達よりは遥かに年上だよ」

ウズキはフィニティの反応に悔しそうにする。
この言葉だけでも相当な年齢であることは予想がついた。

「じゃあ、何で名前ウヅキからウズキに変えたんですか?」
「今では『ヅ』より『ズ』の方が一般的でしょ? ちなみに今の方は渦姫(ウズキ)って書いてね。まあ後から考えたけど……」
「そんな事で変えるんですか……」

グレンの質問にウズキが珍しく答える。
フィニティはその答えを聞いて呆れていた。

「じゃあ今度はボクから質問しようかな? さっきの質問だけど昨日の夜に何があった?
 ボクが別れる前はグレンさん、フィニティさんって呼び合ってたのが呼び捨てだもん。これは気になるよ~」

ウズキがニヤニヤしながら質問してくる。
大方の答えは予測しているのだろうがあえて本人の口から聞こうとするのがウズキらしかった。

「えっと……それは……ノーコメントで!」

グレンは顔を真っ赤にして答える。
フィニティも同じく顔を真っ赤にして首を縦に振り続けた。

「やったか……。二匹とも隅に置けないねぇ~。ボクがいなくなったらするなんて。
 もしかしてボクは始めから邪魔者だった? そうだったら謝るよ」

ウズキの言葉に二匹は更に顔を赤くして黙り込んだ。
ウズキはその反応を見て大笑いする。

「良いよねぇ何も制約が無いのは……。ボクなんか成人の儀を終えてから……キュウコンになってからだもんなぁ……。
 ロコンの頃のクゥともやりたかったなぁ……。キュウコンでは綺麗だったけどロコンの頃は可愛くてねぇ……」
「ウズキさん。どう考えてもセクハラ発言ですよ……」
「フィニティもクゥみたいな事言うねえ。昔はよくそうやって言われたよ……」

フィニティの何気ない一言にウズキは目線を空に向け思い出に浸る。
その横顔は楽しげでもあり……また悲しげでもあった。

「今、クウコさんは何してるの?」
「生きているのか……死んだのかも解らない……。
 ある事件で離れ離れになってそれから会ってないんだ……」

グレンはウズキの答えに口を閉じてしまう。
フィニティはウズキも答えを聞いて何かを思い出している様子だった。

「だからこそ……ボクは戦うんだ……。もう何も奪われないように……」
「ウズキさんは強いんですね……。戦う理由を……信念を持っているんですもの……」
「ボクは弱いよ……確かに力はあるかもしれない……。でも何も守れなかった……
 愛した雄も娘も……何も守れなかった。何も救えなかったんだボクは……」

ウズキは二匹に背中を見せた。
それはウズキが他者に弱さを見せたくなかったからかもしれない。

「……だからかな。ボクが君達に協力するって言ったのは……。
 もう誰にも大切なモノを失ってほしくないんだ……」
「ウズキさん……。今はその言葉だけで十分です。あなたが何者でも構わない……。だって私達の大切な友達ですから……」
「シリアスな過去話はここでおしまい! 二匹とも今日はもう寝たほうがいいよ! 特にフィニティは覚醒したんだから疲れてるでしょ?」

ウズキがこちらに笑顔で振り返る。
グレンとフィニティは「おやすみなさい」とウズキの挨拶をして眠りについた。

神と戦う事が運命ならボク等はその運命に挑む。
それが世界を変える事になろうとも……。

ウズキの笑顔はどこか寂しげで悲しい瞳をしていた。


18 成人の儀 


最近よく見る二匹のロコンの夢……。
ウズキさん……いや、ウヅキさんの記憶。
彼女は一体何者なのだろう?



成人の儀の当日、クゥは不安な顔をし、ウヅキは期待に満ち溢れた顔をしていた。

「ウヅキさんは不安じゃないんですか?」
「ん? 何が?」
「とぼけないでくださいよ! もうすぐ始まる成人の儀の事ですよ!」
「ん~別に。特にする事ないじゃん。炎の石を渡してもらってキュウコンに進化する……何が不安?」

ウヅキの反応にクゥは更に不安になった。

ウヅキさんはなぜここまで気楽でいられるのだろう……。
自分の姿が変わってしまう事に不安にならないのだろうか……。

「う~ん。言い方が悪かったかな? 成人の儀が終わればボク等は自由になれるんだよ!
 確かに悪い言い方をすれば守られる事はなくなり全ては自己責任になるけど……。
 ボクは進化してこの世界がどう変わるのかを見てみたい……君と共に……」
「もぉウヅキさんったら……。恥ずかしい事も平然と言えるんですね」

ウヅキの言葉にクゥは顔を真っ赤にし俯いてしまう。
ウヅキはクゥの顔を見て微笑んでいた。

「じゃあ、ボク等も広場に行こうか!」
「そうですね……」

ウヅキは軽い足取りでクゥは重たい足取りで広場に向かっていった。



広場につくと十数匹のロコンにその親だと思われるキュウコン達が集まっていた。

「ふ~ん。結構いるみたいだね……暇人の親が。まぁボク等に親は関係ないしね」
「私はそうですけどウヅキさんも親……来ないんですか?」
「親? ボクに親はいないし」

四年間つき合って来たがウヅキが自分の事について話すのは殆どなかった。
クゥはその事実を知って困惑している。

「……え。親……亡くなったんですか?」
「う~ん。まぁ厳密には違うけど……そんなとこかな。嫌いでも……憎んでいてもいるだけ良いんじゃない?」

クゥはウヅキという人物が解らなくなっていた。

なぜ彼女は親を失ってこんなにも明るく振舞えるだろうか?
それとも、ただ強がっているだけなのだろうか?
私は親に虐待を受けたのに親がいる事に安心してるの?
私は今……確実にウズキさんに同情していた……。
私は親をどう思っているのだろう……。

クゥが考えている間に四十過ぎの雄のキュウコンが前に出る。
その事で親達は離れていき、クゥとウヅキを含むロコン達は一列に並びだす。

「さぁ皆の者。今宵はこの者達の成人の儀を執り行なう!」

そのキュウコンの一喝で辺りは更に静まり返る。
その一喝で時間が止まったような錯角さえ感じた

「我等は大人になりゆく子供達に炎の石を託そう!」

長の言葉に昨年儀式を終えたばかりの若い雌が炎の石の詰まった籠を咥えて来る。
そして、その石を一つずつロコン達の前に置いていく。
石を前にしたロコン達の反応は様々なものだった。
期待に胸を躍らせる者……不安な表情を浮かべる者……実感がわかないのか無表情な者。
クゥがウヅキの方をチラッと見ると彼女は以外にも無表情だった。
先ほどの笑っていた表情はない……ただ炎の石を見つめている。

「さぁ子供達よ大人への第一歩を踏み出すが良い!」

長の言葉にクゥは慌てて前を向きなおす。
その言葉を聞いたロコン達は次々に炎の石に触れ眩い光に包まれていく。
ウヅキも炎の石にそっと前足を置いくと当然例外なく光に包まれる。
クゥもウヅキが前足を置いたのを確認し石に触れた。
ロコン達から光が消えたとき既にロコンは存在しない。
全てのロコンはキュウコンへと進化した。

「では今夜は皆で成人した者を祝福しよう!」

長の一言で場は一気に盛り上がり親達は進化した我が子の元へ駆けつける。
そんな明るい場の中でウヅキとクゥは誰にも祝福される事はなかった。


19 神という存在 


ウヅキとクゥは宴を隅の方から眺めていた。
始めから『自分達は関係なかったのだ』とで言うように……。

「こういう場面では寂しいもんだね……」
「そうですね……」
「慣れてはいたつもりだったけど……虚しいな」

ウヅキの言葉にクゥも黙ってしまった。

「もう行こうか……。ここにいても気が滅入るだけだし……」
「そう……ですね……」

二匹は広場に背を向け歩き出す。
クゥが何かを探すように後ろをチラチラと見ている。

「本当は両親に来てほしかったんでしょ?」
「え? そんな事は……無いと思います……」
「素直じゃないね……君もボクも……」

ウヅキは振り返りクゥを見た。
クゥの表情は暗かった。まるで『待ち合わせをしたのに来てくれなかった』そんな表情だった。
クゥはウヅキの行動に首を傾げる。

「そうだ、まだ言ってなかったよね。キュウコンに進化したクゥも綺麗だよ。銀の体毛が良く似合ってる」
「ウヅキさん……。あなたも大人びて美しくなったと思いますよ」

二匹が互いに褒め合い笑い合う。
この瞬間こそが二匹の求めていたものなのかもしれない。

「じゃあ今夜はボク等が出会った思いでも場所で……たっぷり愛し合おうかクゥ」
「もうウヅキさんったら……。でも私もあなたが欲しい……。今日は私を一匹にしないでください」

クゥはウヅキに抱きついた。
ウヅキは一瞬戸惑ったがクゥを抱き返す。

「……愛してるよクゥ」
「……ウヅキさん私もです」

二匹は広場を後して思い出の地へと向かって行く。
勿論二匹が広場を後にした事に気づく者はいなかった。



崖の上に着いた二匹は並び合い星を眺めていた。
この崖は自殺の名所としても有名だが炎の石が採れる貴重な場所でもある。
そのためキュウコン達の群だけでなくウインディの群もまたこの周辺に縄張りが存在する。
後は物好きなイーブイも見かけることがあり、以外と活気のある場所。
……と言っても年がら年中、炎の石を取りにくる者はいないので今はウヅキとクゥの二匹だけである。

星と炎の石の輝きの幻想的な丘。この景色ゆえに輝きの丘とも呼ばれていた。
呼ばれてはいるが自殺の名所である方が有名なため、用のない者は物好きでない限りこの場に近寄らない。
それがウヅキとクゥは二匹だけでいられる一番の理由だった。

誰にも祝福されない二匹を祝福するように炎の石は月の光で眩く輝いている。
美しい風景に金と銀の美しいキュウコン達……これだけでも十分絵になっているだろう。

「夜はこんなにも暗く不安にさせるのにウヅキさんと一緒と思うと安心できますね」
「そう言ってもらえるとボクも嬉しいよ。似てるんだよね……ボク等は」
「ええ。こんなにも違うのにこれだけ一緒の事もあって……。出会えたことを神に感謝ですよね」
「神に感謝か……。ボクは神は嫌いだ。高い所で見下ろされてる感じが特に……」

ウヅキの神に対する反応はこの時代のこの島では珍しいものだった。
時の神ディアルガによって創られた世界。神を否定するのは世界を否定することになる。
神の戦いの起こったと伝わるこの島ではそういう考えが普通だった。

「神が嫌い……なんですか?」
「好きか嫌いかの二択なら嫌いだね……。神はボク等に何をしてくれた?」

ウヅキの言葉にクゥは黙ってしまった。
答えは出るはずもない。ディアルガは世界を見守っているだけの存在。
始めから神は何もしていないのだから……。

「世界の民を守る事が神の行いだとすればディアルガは何もしていない……。
 これじゃあ、勝利するのはパルキアの方が良かったのかもしれないよ」
「パルキア……この世界を力で支配しようとした好戦的な神……ですよね?」
「そう……。でもパルキアの考えだって別に悪い訳じゃなかった。
 ただディアルガに敗北したから……それだけで悪者扱いだよ?
 この世界に正義なんてないよ……。それは神でも同じ事……。
 何が正しくて何が間違っているかなんて誰が決める事?」

ウヅキの話はクゥを混乱させるには十分だった。
難しい話の性でクゥの思考は停止寸前になっている。

「……ごめん。変な話をしちゃったね。難しい話は終わりにして今日は楽しもうかクゥ!」
「は、はい! そうですね!」

クゥはようやく思考が戻りウヅキの言葉に慌てて反応する。
ウヅキはクスクスと笑いながらクゥを仰向けに押し倒した。


20 開放されし束縛 


ウヅキは倒れたクゥにキスをする。
当然、唇が触れ合うだけでは終わらない。
始めはクゥも驚いたが次第にウヅキの舌を受け入れ始めた。

「四年という歳月は長くもあり短くもあった……」
「……もう私達を縛るものは存在しないんですよね」

ウヅキは首を縦に振り前足をクゥの股間へと持っていく。
クゥはウヅキの前足が自らのモノに触れると体をビクリと振るわせた。

「ウ、ウヅキさん!? そんないきなり……」
「どう? 自分でするより気持ちいい?」

顔を赤くするクゥに対しウヅキは意地悪な質問をする。
クゥは顔を隠しながらも恥ずかしそうに首を立てに振った。

「うん。良い子だ……。もっと気持ち良くしてあげるからね……」

ウヅキはクゥのモノを握り扱き出す。
時にはゆっくりと時には激しくクゥのモノを弄る。

「あぁぁん! ウヅキさん気持ちイイよおぉぉ!!」

性器を弄られ激しく喘ぐクゥの姿に先ほどまで美しさは感じられない。
今はただ喘ぎ声をあげるただの雄だった。

「クゥも良い声を出すね~。ボクも興奮しちゃうよ。大サービスだよ」

ウヅキはニヤリと笑いクゥのモノをぺろりと舐める。
クゥは声にもならないような喘ぎ声をあげた。
ウヅキは今度は根元を横から咥え先端の方へと舌をゆっくりと這わしていく。

「ひゃぁん! す、凄いよぉ……」

クゥは未知の快楽にただ身を委ねウヅキのされるがままになる。
しかし本人はそんな事を考える余裕なんてない。
ウヅキは更に舐め続けクゥに快楽を与え続ける。

「ウヅキさん……わ、私もう……」

クゥの言葉にウヅキは上目使いで「出しちゃいなよ」という視線を送る。
ただし目を瞑っていたクゥにそのアイコンタクトが届くことはないが結果的にウヅキの望む結果となった。
ウヅキは出る寸前にモノを一気に咥えクゥの精液を口内に流し込んだ。

「ぷは! クゥの精液……思った通りの濃い味だったよ。おすそ分けだよ」

ウヅキはクゥの精液が口に入ったままキスをしクゥの精液をクゥ自身の口に流し込む。
クゥは自らの精液を飲み込み奇妙な味に困惑の顔をした。

「不思議な味……ですよね?」
「なんで、そこでボクに質問するの? まあいいや……ボクも気持ちよくさせてよ」

ウヅキは腰をクゥの前に差し出す。
クゥはウヅキの性器を見て自らのモノが再び膨張するのを感じる。
クゥは我慢しきれず膨張したモノを一気にウヅキの中へとねじ込んだ。
ウヅキの純潔は呆気なくクゥの侵入をゆるした。

「え! ちょ、ちょっとクゥ! いきなりなんて! あぁん!」

ウヅキはまさかいきなり入れられるなんて思っていなかったのか、いつもでは考えられないような高い声をあげた。
クゥはそんなウヅキを構う事無く腰を振り始めた。

「ま、待ってよクゥ! ボクまだ……あぁぁん! お願い……待ってよぉぉ!!」

ウヅキはクゥに懇願の瞳を向けるがクゥは聞こうとしないのか聞こえていないのか解らないがウヅキの願いは届かない。
クゥはウヅキを無視し己の欲望のまま腰を振り続けた。まるで獣のように……。

「ウヅキさん……出しますね」

不気味なほどに冷静なクゥの声。ウヅキは首を縦に振り続けた。
クゥはニヤリと笑い腰を振るスピードを一気に上げる。

「あぁぁぁん!! クゥウウウウ!!!!」

加速に耐え切れなかったウズキが絶頂を迎える。
ウヅキの秘所がクゥのモノを締め付けたと思うとクゥも二度目の射精を行う。
二度目にも関わらず衰える事ない激しい量の精液はウヅキの中に入りきらず結合部から溢れてくる。
クゥがモノを抜くとウヅキの秘所から精液、愛液そして純潔の証の混じったピンクの液体が流れてきた。
ウヅキはハァハァと息を切らしクゥの方を見ていた。クゥのモノはまだ衰えることはなく大きく反り立ったままだった。

「クゥ激しすぎるよぉ。初めてだったんだから優しくしてよ……」
「ご、ごめんなさい。私……その、我慢できなくて……」

ウヅキは先ほどの疲れはどこに行ったのやらクゥを押し倒し騎乗位で再度挿入した。
クゥは再度来る気楽の渦に飲み込まれる。

「今度はボクが一方的にクゥを苛めてあ、げ、る……」
「え! そんな……わ、私まだ!」
「問答無用! 雄らしくないぞクゥ!!」
「今まで散々乙女扱いしてきたのはウヅキさんですよ……ひゃっ!!」

今度はウヅキが腰を動かし一方的にクゥを攻めだした。
クゥはウヅキにされるがまま三度目の射精を行った。
この晩二匹の行為は朝まで続いたのだった。


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Last-modified: 2009-12-01 (火) 00:00:00
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