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時の後継者 10

/時の後継者 10

時の後継者 

by蒼空


91 新リーダ- 


カレンのプライドを犠牲にし、この時代のダイヤを退ける事に成功した。
あとは連れ去られたダイヤを助けに行くだけ。

「さて、ダイヤに絡まれたおかげで余計な時間をくってしまったの。
 それではウズキを助けにいくとするかの」
「ちょ、ちょっと待った!」
「何じゃ。まだ、ワレに用があるのか?」

ダイヤは慌ててキュウコンの姿へ戻るとカレンに声をかける。
声をかけられたカレンは嫌そうな顔をして振り向く。

「ルーツ様達は一体何時までこの時代に居るつもりですか?
 特異点であるルーツ様は問題ないでしょうが連れのほうは問題が……」
「ようやく話を聞く気になったか……。
 ワレは初めから話し合いを所望していたんじゃがな。
 連れ去られた、ワレ等と同年代のウズキを取り返せたら素直に帰る予定じゃ。
 それとウヅキ。この姿のワレはカレンと呼んでほしいの」
「そうですか……。未来のボクを取り戻せば帰るんですか……」

カレンの答えを聞くとウヅキはぶつぶつを独り言を呟いている。
何かを企んでる顔……。それが今のウヅキの表情だった。
ウヅキとの付き合いはなくとも、やはり過去のウズキである。

「じゃあ、ボクもボクを取り戻すのに協力しますよ。
 その方が用件も早く終わるだろうし。
 あと、ルーツ様……カレン様が変な事をしないか監視しておきたいしね。
 そう言う事だから、短い間だけどよろしくね、皆!」
「……だそうじゃが? ウヅキに協力させるか?
 ワレは汝等の敵じゃからの。どうするかは汝等の好きにすると良いじゃろう」

やはり、ウヅキとの付き合いはなくとも、やはり過去のウズキである。
カレンはウヅキの言葉に呆れながらグレン達の方へと振り向く。
ウヅキの提案をカレンは他のメンバーに丸投げする。

「だそうだって言われても……。
 今更だけどこのメンバーの決定権って誰が持ってるの?
 年齢で行けばムオンさんで良いのか?
 そう考えると僕等のリーダーってウヅキさんだったんだね」
「俺? いや、俺はアマツの部下だからな。
 だから俺に任せるならアマツに任せてくれ。
 正直、俺は孤立してたから、群れを率いるのは苦手なんだ。
 そういう意味でも、アマツは時の教団の団長だし、俺よりも遙かに向いてるだろ」
「私ですか? 私とムオンはこのメンバーでは最後の加入ですよ?
 それなら古参の方が決めれた方が良いじゃないですか?
 確かに母様の娘ではありますけど、実際に私は記憶がありませんし……。
 新参者が偉そうにするのは組織として好ましくはないですよ」

グレンは決定権をムオンに向けた。
この状況は決定権を得る事はそのままリーダーになる事とイコールである。
付き合いが苦手なムオンは今度はアマツに丸投げした。
アマツ自身は新参者であることを理由にリーダーになる事を拒否する。

「それなら、俺はムオンとアマツの理由が両方当てはまるからパスだな」
「私もアブソルと言う種族がら集団行動は苦手だ。
 じゃあ、リーダーはグレンとフィニティのどちらかか」

話を振られる前に逃げの言葉を発するライガとサイ。
リーダーはグレンとフィニティの二匹に絞られる。

「私が一緒に行動するようになる時にはグレンとウズキさんは一緒にいましたよね?」
「そう言えばそうだったな。俺がフィニティを追いかけてる時にグレンとウズキが居たんだもんな。
 あん時はこうやって過去に飛ぶなんて考えてなかったな。懐かしい」
「じゃあ、これからはグレンがリーダーをお願いしますね」

グレンの意見を聞く事無く話は進んでいく。
他のメンバーもグレンがリーダーで納得している。
今更、グレンが何を言っても無駄だろう。

「ほ、本当に僕がリーダーで良いの?」
「大丈夫だ。問題ない。任せたぞグレン」
「頑張ってくださいね。グレンさん」

心配そうにするグレンを年長組が励ます。
すでに蚊帳の外になっているウヅキは退屈そうにしていた。


92 時の後継者 


リーダーの話が大体終わったところで、やっとウヅキの話が始まる。
退屈そうにしていたウヅキも、この話には耳を傾けていた。
断る理由も特になく戦力は多い方が良い。
ウヅキの提案を受け入れる方向で話は進んでいった。

「ウヅキさんに協力してもらうって事でいいよね?
 じゃあ、ウヅキさん。よろしくお願いします」
「やっと話がまとまったみたいだね。
 こっちこそよろしくねグレン隊の諸君!」
「あの……。流石にグレン隊っていうのは不良っぽいのでやめませんか?
 別に私達は暴力行為を行ってるわけではありませんし……」

話がまとまるとウヅキに挨拶をするグレン。
ウヅキが深い意味もなく言ったグレン隊の名称にアマツがすかさず異議を唱える。
これでも一応、時の神を中心に集まった集団に相応しいとは思わなかったのだろう。
最もその名前を提案したのが時の神本人なのは誰も気にしていない。

「アマツ。ここで愚連隊の話をしても若い奴らには分からないぞ。
 ここはせめて、グレン団にしよう。そのままが嫌って言うなら大所帯だし大グレン団にするか?」
「それ、どっかで聞いたことあるぞ。確か、無理を通して道理を蹴っ飛ばすって奴だよな?
 流石にそれもダメだろ……。そうだな俺や一部の奴は違うけど、時の後継者って言うのはどうだ?」
「時の後継者か。私も関係ない方だけど、悪くないんじゃないか?
 まぁ、半数近くは時の後継者に関係ないのか」

ムオンは愚連隊の代わりにグレン団、大グレン団を提案する。
さすがに不味いと思ったのか、アマツの時と同様に今度はライガがすかさず異議を唱えた。
前の二つに比べてまともな意見な為、今回はすぐには反対されない。
むしろ、時の後継者というライガの意見にはサイが賛成する。

「えっと、当てはまらないのって半数も居たんでしたっけ?
 今、このメンバーで時の後継者に当てはまるのは……。
 私とグレンに、アマツさんも勿論そうですから……。
 あとはライガさんにサイさん、ムオンさんは違いますよね?
 ウズキさんじゃない、ウヅキさんは本人だから数えないでしょうし。
 カレンさんとウヅキさんの関係っていうのはどうなんですか?」
「ボクとカレン様の関係? どうって言われても……。
 そうだね。まぁ、上司と部下の関係が一番近いのかな。
 あとはボクから見れば創造主だよね。
 更に個人的な事を言うとボクの一番嫌いなポケモンかな。
 先に言っておくけど、別に血は繋がってないから親子じゃないよ。
 そうですよねルーツ様?」
「この場合の呼び方はカレンでなくルーツでも良いか。
 まぁ、ワレは汝等を創りはしたが産んではおらんからの。
 血縁者を親子と言うなら、親子でないのは確かじゃな。
 じゃが、一番嫌いなポケモンとは、はっきり言ってくれるの」

フィニティの質問にウヅキは素直に答えた。
本人の前でも誤魔化さないのは流石若いウズキである。
カレン自身もウヅキの言葉に特に気にしてる様子はない。

「まぁ、ボクの事は大体分かってるんじゃないの?
 だって君達の仲間にボクが居たんだし。
 ボクに親しく話す時点で、ボクとの仲はそれなりに良かったんだよね?
 否定意見がすぐに出なかったから時の後継者で良いのかな。
 じゃあ、改めてよろしくね時の後継者の諸君」
「は、はい。こちらこそよろしくお願いしますウヅキさん。
 でも、ウズキさんを助けに行くのに何だか変な感じがする……」

ウズキを助けに行くのにウヅキが加入する。
助けに行く対象がチームに居るという変な状況に一同は困惑を隠せない。
それでも皆、ウヅキを受け入れるのだった。


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Last-modified: 2018-02-24 (土) 17:55:47
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