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新春大セール!高く買います!安く売ります!

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R18作品です

新春大セール!高く買います!安く売ります! 

作:COM

 私はメタモンだ。
 元々はとあるトレーナーの元で様々なポケモン達と交わり、今では世界最強と名高い彼のパートナー達の父母となった経験がある。
 それがある日、ひょんなことから私はまた自然界へと帰ることとなった。
 今まで多くの彼のパートナーとなり得なかったポケモン達がそういった結末を辿ったのはよく見てきたため、遂に自分にもその鉢が回ってきたのだと思っていたが、どうにも事情が違いそうだ。
 というのも何故か私にはトレーナーから渡されていた道具がそのまま手元に残っているのが何よりの証拠だろう。
 おそらく手違いだとは思うが、折角手に入れた自由を謳歌するのもまあ一つの選択肢だろう。
 幸い放された場所は木の実の豊富な場所だったため、明日と知れぬ身ではなさそうだ。
 周囲のポケモン達の争いも縄張り争いが殆どで、食料にするために襲いかかっているポケモンはいない。
 その代わりどうにも木の実がこの辺りでは通貨のような役割を果たしているらしく、野生の世界だが社会性が構築されている。
 暫く周囲の状況を観察したおかげでその不自然な自然が何故誕生したのかよく分かった。
 どうにもここはトレーナーから捨てられたポケモンが異様に多い事が原因のようだ。
 ポケモン同士で殺し合いをしていない理由や謎の社会性が腑に落ちた所で一つ閃く。

『ここならば、メタモンという自分の特性を最大限に活かせば不自由のない生活ができるのでは?』

 本来ならば周囲の同種のポケモンに変身し、攻撃されないようにして分け前をもらうのが正しい自然の生き方だ。
 だがここには自然らしい自然は存在しない。
 多種同士でも仲良く暮らしていたり、逆に縄張りを主張し合ったりと千差万別。
 謂わば個が尊重される未成熟な社会だ。
 ならば木の実の価値を物々交換の手段のままにするのは勿体無い。
 要は寝床や縄張りを木の実で売り買いするのではなく、もっと短絡的な用途があってもいいはずだ。
 仮にもトレーナーに育てられたことがあるためそこそこ強い自信はあるが、そもそも闘う事が面倒だ。
 これから先も性愛を心情に生き、愛し愛され甘い言葉を嘯く生活を変えたくない。
 考るが早いか、近くに落ちていた板切れを集めてイトマルに変身して糸で繋ぎ合わせ、ドーブルに変身して尾先の筆で文字を書く。

「あなたの春、売ります買います」

 手持ち看板にしたそれを手に、西へ東へと歩き回る。
 看板に書かれた文字を見ただけではその内容は分からないだろう。

「なあなあ、そこのメタモン。その『春を売ります買います』ってなんだ?」

 すると必然的に不思議に思ったポケモンが話しかけてくれる。
 そこで私はニッコリと微笑み、こう返すのだ。

「皆さん最近交尾してます? 好みの異性がいてもなかなか番になれなかったり、逆に思っていたのと違ったりしてませんか? その点私なら完璧ですよ! 理想通りの異性に変身して、あなたの性欲を満たせますよ!」

 話しかけてきたガバイトだけではなく、その周囲に集まっていたポケモン達にも聞こえるようにはっきりとした口調でそう話した。
 途端にその場に居たポケモン達の表情が変わる。
 当然だ。
 自然界でヤリたい時にヤレるなんて事は有り得ない。
 歪な社会性があるとはいえ、この辺りも基本のルールは弱肉強食。
 強い雄は沢山の雌を囲い込め、自分の縄張りを主張できる。
 そうでないポケモン達は互いを尊重し合いながら生きるが、それは同時に不自由さも生む。
 この世界には食欲を満たす大量の食料があり、襲われる危険性のないことによる安心できる睡眠があるが、三大欲求の最後の一つだけは例え社会がきちんと形成されていても満たされることはない。
 要は売春だ。
 そうして生きている雌も居なくはないだろうが、"何にでもなれる"という一点では世界中のどんな雄にも雌にも負けない最大の武器となる。

「マジか!? 俺と交尾してくれ!!」
「いいですよ~。木の実五個で一回、どのような容姿が所望なのか口頭で教えてくれればその通りに変身しますよ~」
「木の実五個!? 採ってくるから待っててくれよ!!」

 そう言ってそのガバイトはすぐさま木の実を採りに行ったが、周囲に居たポケモン達も一斉にその場を去っていった。
 皆目的は同じだ。
 性欲を支配することでこの世界に秩序を作ろう。
 そうして楽な社会を作ってしまえばいい。
 武器は何も変身できることだけではない。
 数多のポケモン達と交わり磨き上げたテクニック、同時に育てやで聞いた様々な知識も私の武器だ。
 数分としない内に先程のポケモン達が木の実を抱えて戻ってきた。
 期待に目を輝かせ、性欲に鼻を鳴らしている。
 後は今までやってきた事と大差ない。

「ガ、ガブリアスでお願いします!!」
「これでどうかしら? 卵は欲しいの? 坊や……」
「い、いえ! 交尾させてもらえればそれで満足です!!」
「いいわ……それじゃ木の実五個ね」

 見るからに彼は雌慣れしていない。
 その上真っ先に自分の進化先のポケモンを指定してきたということは、妖艶な風貌のおねえさんがご所望だろうと予想し、雌のガブリアスに変身し、同時に口調と声色を変える。
 木の実を差し出すよりも先に彼の股からペニスが伸びた所を見るに、長年の勘に狂いはなさそうだ。
 そうして殆ど投げるようにして私の横に木の実が置かれると、すぐに彼の方に尻を向ける。

「じゃあ早く私のココに、貴方のその立派なモノを頂戴……」
「ハイ! ヨロコンデ!!」

 鉤爪状の指先で既に糸を引くほど湿らせたヴァギナを開き、その中を彼に見せつける。
 これ以上ないというほどにその彼はヒートアップしたのか、完全に勃起した見事な二本のペニスを私の尻尾を持ち上げるように抱きついて擦りつける。
 興奮であまり痛みを感じていないからかは分からないが、このままでは鮫肌で怪我をして行為どころではなくなるため、そっとペニスの先を誘導すると、二本とも一気に挿入してしまった。
 未経験の雌であれば大惨事になりかねなかったが、そんなことを口にするのも野暮というものだ。
 彼は初めての雌の感触に挿入だけで感極まり、今にも射精してしまいそうなのかそれとも思考が固まってしまったのか、そのまま微塵も動かない。
 抱きつかれていた尾を動かし、彼の身体へと巻き付けて動かすと我を取り戻したのかがっつくように腰を乱暴に振り始めた。

「ンッ……! どう? 私の中、気持ちいい?」

 返事はない。
 というよりも必死すぎてそれどころではないといった様子だ。
 初めての交尾に没頭し、そのままペースを落とすことなくあっという間に彼は私の中へと精を放っていった。

「お疲れ様。素敵だったわよ……」

 ぐったりとした様子の彼にそう声を掛けて、そっと少し離れた場所に寝かせた。
 本来ならばこのまま受け取った精子で卵が出来るところだが、性器の部分だけを違うタマゴグループのポケモンのものに変身させるという、これまでの長い経験のおかげて会得した使い道のない芸当のおかげで避妊もバッチリとなっている。

「さあ、次にしたい人はだぁれ?」

 ただの観衆から既に全員がペニスを勃起させて待機する出歯亀へと成り果てたポケモン達にそう言うと、俺が俺がと次々に群がり始めた。




 毎日のようにポケモンが詰め寄せるようになってから数日が経ったある日、既に手元には十分過ぎるほどの木の実が山を幾つも作っていた。
 概ね予想通りだったが、一つ想定外だったとすれば本来の数倍の速度でそれらの木の実が集まってしまったことだろう。
 食料として消費したとしても数年は持つというほどの量がたった数日で集まってしまったということはあまり望ましくない。
 そう思っていた矢先、当然この騒ぎを聞きつけたポケモンが私の元へと訪れた。

「お前かい? ふざけた方法で木の実を集めてるって奴は」

 今日も今日とて長蛇の列を生み出していたポケモン達が一斉に左右に割れ、その中央を地響きのしそうな足音で一匹のバンギラスが現れた。
 見るからに屈強なそのバンギラスは至って不機嫌そうにそう口にする。
 行為の真っ最中だった相手のサイドンを怯ませ、そそくさと逃げ出させるほどの強者だというのは雰囲気だけでも十分に分かった。

「別にふざけてなんかいませんよ。私はただ皆の欲を満たすのに都合がよかった。ただそれだけです」
「アタシはね、お前みたいな姑息な奴がいけ好かないんだよ。この世は強さこそが全て。雄も雌も関係無い。そうだろ?」

 こうなることを避けたかったからこそ、ここまでの事態に発展することを避けたかった。
 目の前のそのバンギラスはすぐ近くの木の実の群生地を縄張りにしている存在だ。
 力こそが全てというタイプの彼女からすれば、私のやり方は当然気に食わないだろう。
 そうなると戦闘は避けられない。
 可能ならプレイ以外で痛めつけ合うようなことは避けたかったのだが、戦わなければ一方的に蹂躙されるだけだ。

「そうですね。……と言いたい所ですけど、こう見えて一応私強いんですよ。でも力で支配するのは性に合わないんです」

 そう言いながら目の前のバンギラスと同じ姿に変身する。

「だったらアタシを黙らせてみな!!」

 そう言うと彼女はいきなり飛び掛ってきた。
 本来ならばそこで私も応戦するべきなのだろう。
 だが応戦すれば彼女を傷付けることになる。
 ので軽く足を掛けながら受け流すようにして投げ飛ばした。
 バンギラスの巨体は正面から殴り合う分には強いが、投げ飛ばされたりなんかで転倒すると起き上がるのが難しい。
 やっとの思いで立ち上がった彼女はすぐさま硬化させた尾を振り抜いて攻撃してきたが、受け止める義理はないため退いて躱す。
 そうやって暫く彼女が攻撃してくる度に躱したり受け流したりし続けていると、遂に彼女の息が上がってきた。

「テメェ……!! 真面目に戦いやがれ!!」
「嫌ですよ。言ったじゃないですか。私怪我するのも怪我させるのも嫌いなんです」
「何を甘っちょろいことを!! どうせお前も捨てられたポケモンだろうが!! 強くなけりゃゴミと同じなんだよ!!」
「あ、違います。多分手違いで野生に戻りました」

 彼女はそう言い、更に苛立ちを募らせていた。
 だからこそ私はありのままそう答え、その予想外の返事で彼女の反応を一瞬鈍らせた。
 その一瞬を見逃さずに素早くテッカニンへと変身して彼女の背後に回り、今一度バンギラスの姿に戻って彼女を組み伏せた。

「離しやがれ!!」
「あなたの言う通り、力が全てならこれであなたは終わりです。降参してください」
「ふざけるな!! 誰がお前みたいな軟弱な奴に!!」

 皆境遇を同じにするからこそ、彼女のその言葉は痛いほど分かる。
 斯く言う私も実際似た立場だった。
 長くトレーナーのバトルを支え続けたが、それは何も彼の欲する子供を産み産ませをさせるだけではなく、実際にバトルでも支えていた。
 ここにいるポケモン達はその殆どが見限られて捨てられた者達。
 力に固執するのは分かるが、それは余りにも愚かだ。
 生まれ持った才能は覆らない。
 だからこそ皆ここにいる。

「バトルでは皆何かしら欠点がある。なのに力に固執して生きるのはあまりに空虚でしょう? 別に今を謳歌したっていいじゃないですか」
「何を知った風な口を……!」
「それとも力づくで分からせられるのがお前の趣味か? そういう性癖だってんなら満足させてやれるぜ?」

 下で暴れる彼女のヴァギナに自らのペニスを擦りつけた。
 バトルなら遠慮するところだが、どうにも彼女からマゾの気配を感じ取ったため口調も声色も荒々しい雄のものへと変化させてそう訪ねてみた。

「お、お前……何を言ってんだ!? まさか今からここでするつもりか!?」
「んだよ。ポケモンのくせに見られるのは恥ずかしいってか?」

 口調は間違いなく焦っているが、彼女の抵抗はさほど変わっていない。
 本気で嫌なら全力で振りほどこうとしてくるが、抵抗する度に互いの性器が軽く触れ合うとその抵抗が弱まるため、しっかりと期待しているようだ。

「どうする? 力での支配を止めるってんなら……満足させてやるぜ?」
「べ、別に……アタシはアタシより弱い奴が嫌いってだけだから……」

 先程までの勢いは何処へやら、可愛げのあるツンデレを見せつつも太い尾はこっそり俺の尾に巻き付けようと動いている。
 戦慄していた観衆はあっという間に視姦する群衆に変わり、その状況が更に彼女を興奮させる。
 彼女の同意を得るまでもなかったが、パフォーマンスも兼ねていきなり彼女のヴァギナへと挿入した。
 ぎゅうと彼女のヴァギナが俺のペニスを締め付ける。

「ま、待ってくれ! 心の準備が……」
「待つ訳無いだろ? さあ、強さなんか忘れて楽しもうぜ?」

 彼女の中へと腰と腰が密着するほど深々と挿入し、そのまま尻尾を絡め合わせる。
 相当感じているのか短い呼吸を何度も繰り返し、必死に喘ぎ声を出さないように堪えている。
 育てやでしか交尾をしたことがないのなら、このような状況は彼女にとってはかなり新鮮だろう。
 先程まで戦っていた相手に急に挿入されるだけでも彼女からすれば羞恥心から十分に興奮できる状況だろう。
 だが更に周りには大勢のポケモンが居り、皆動揺しつつも興奮した様子で俺と彼女の様子を見ている。
 そんな状況で少し腰を動かせば、彼女はあっという間に堪えきれなくなった。

「ア"ッ……!? お願いだから……待って!!」
「待たないっつってんだろ!! ほら見ろよ? お前が醜態を晒してみんな興奮してるぞ?」

 言葉責めでも彼女のヴァギナはよく締まり、感じているのが分かる。
 ならばとことんまで責める。
 彼女を性愛のプロとしてとことんまで愉しませよう。
 そうして長いペニスを何度も突き入れる度、彼女は嗚咽混じりの嬌声を出した。
 何度も何度も深いピストンを続けていると遂に彼女が身体を痙攣させ、地面を爪で深く抉りながら一つ声にならない悲鳴を上げて絶頂を迎えた。
 接合部の下に小さな水溜りができるほど潮を吹く様はそれこそ数分前の彼女からは想像もできないだろう。

「よう。どうする? 俺との卵欲しいか?」
「……出してくれ」
「中に出して下さいだろぉ?」
「この卑しい雌に貴方の精液を下さいぃ!!」

 そこまでは言ってない。と思わず口に出しそうになったが、お望み通り彼女の中へと射精した。
 涎と涙で彼女の顔はグチャグチャになってはいたが、一先ず幸せそうだ。
 結局その後彼女が卵を産み、恥ずかしさから二匹きりになりたいと言ったため、その日は二匹きりで話すことにしたが、やはり捨てられたことがコンプレックスになっていたようだ。

「折角ここは捨てられたポケモンばかりなんですから、もっと別の方向に考えましょうよ。例えばこんな風に好きに生きられるような所にしてしまえばいいんです」
「アタシだってそうしたかったよ……。下手に強いもんだから可愛いなんて言ってくれる奴が居なくてさ……。意地張るしかなかったんだ」
「あなたがそうやって意地を張ったからですよ。誰とでも交流できるようにしてしまえばあなたを可愛い子だと扱ってくれる人も現れますよ」
「本当に? アンタじゃダメ?」
「別に構わないですけど、その代わり交尾自体は他の子達ともし続けると思うので、それでよければ」

 そう言うと彼女は悲しそうな瞳をパァと輝かせた。
 早速番と子供を手に入れたのだが、これも正直想定外だった。
 もっと戦わなくてもいい社会性を磐石にして、好きに生きられるようにしてからのつもりだったが、頼られて悪い気はしないためしっかりと愛してあげるべきだ。
 そうして彼女は自らの縄張りをみんなと分かち合うことに同意してくれたことで十分な量の木の実と一応の縄張りを手に入れた。




『メタモンの縄張りなら、自由に交尾が出来る』
 という噂が他の縄張りまで広まったこともあり、次第に様々なポケモンが私の元へと訪れるようになった。
 あるいは性欲を満たすため、あるいは元々の縄張りだと力関係が億劫だったから。
 そうして集まったポケモン達で様々な意見の交換を行い、秩序を保つための規律が生まれ始めた。
 奪い合わないで済むように話し合い、ポケモン達が協力し合って新たに木の実が取れる場所を増やしてゆく。
 恋愛に関しては当然口出しはできないが、恋に破れたポケモン達も私が満たすことで次の恋へと後押しするようになった。
 が、思ってもみなかった問題が発生し始めた。

「キルリアたんの見た目で髪の長さは長めのメカクレ属性で左目だけ見える髪型かつ胸は盛り目手足はスラリと長く普段はとても勝気な性格なのに僕と交尾するときだけはとてもエッチになる娘でお願いします」
「スタバかよ」

 少々不思議な客が増え始めた。
 ただ性欲を満たすだけだったはずなのだが、どうにもやばいポケモンや闇が見え隠れするポケモンが連日とまではいかなくても数日に一回のペースで来る。
 今回のスリープもその内の一匹だが、異様に早口な上に声が微妙に聞き取りづらい。
 その上挙動不審なため正直メタモンの私でも少々身の危険を感じるが、これも仕事だ。

「これでいいの? するんなら……向こうで二匹っきりになりましょうよ……」
「フオォォォォォォォ!!? 早く! 早く行きましょうぞ!!」

 彼が何故モテないのかは正直分かる。
 というかあまりにも気持ち悪すぎて演じきれる自信がない……が、こちらにもプロとしての意地がある。
 最後までヤリ遂げてみせよう。

「キルリアたん、挿れるね! 僕ので善がらせてあげるからね!!」
「早く……! もう待てないの!」
「えっ。もう入れてるよ」

 とは言ったものの、彼のペニスはあまりにも貧相過ぎて……否、太りすぎていて脂肪のせいで殆ど挿入できていない。
 元が小さいのもあるが相当な事がない限りは問題ないのだが、マイナスとマイナスの要素が合わさって、これまでの経験で初めて挿入されていることに気が付けなかった。

「違うの! もっと奥まで!!」

 誤魔化したが内心気が気でなかったが、彼は気にせず腰を振り始めた。
 そのまま抱きついてきてディープキスをしようとしたのだが、舌を入れてくるのではなく吸ってきた。
 凄い勢いで私の唾液を吸い上げる。
 ドレインキッスかな?
 HPではなく何か見えないポイントが吸い上げられている気がするが、お構いなしだ。
 そしてそのまま私が何かしらの演技をする前に勝手に一人で果てたのだ。

「ありがとうキルリアたん! また来るよ!!」
「ご遠慮願います……(またのお越しをお待ちしております)」

 思わず本音が飛び出したのも彼が初だろう。
 モテないのが原因で私の元へとやって来る雄は多い。
 基本的にはピロートーク代わりにモテるための改善点を教えているのだが、彼だけは初めて生理的な嫌悪感からすぐに去ってもらった。
 無性別であるメタモンを性的な恐怖で怯えさせるのはある意味の才能だと思う。
 ……何に使えるかは置いておくことにする。
 この手の客はあまり気にしていないが、次に地味に多いのは性癖に難があるポケモンだ。
 他人の嗜好にとやかく言うつもりは無いが、世界は広いと驚かされることも間々ある。
 ある日やってきたルクシオは見た目も普通で明朗な受け答えをするため、非常に好印象だった。

「ウインディに変身していただけますか?」
「いいわ。こんな感じでどうかしら?」

 自分よりも二回り以上も大きなポケモンを指定してくる事は少なくない。
 体格差が好きなポケモンは多いが、私ならばある程度柔軟にしてしまえば問題はないが逆のパターンだと雌に掛ける負担が大きすぎるため、そういった不可能に近い願いを叶えるために訪れる雄は多い。

「あ、いえ。雄でお願いします」
「あ、雄。ならこんな感じかな?」

 爽やかな雌に変身したが彼はどうやら同性愛者のようだ。
 こういった性癖のポケモンは基本的に同じ性的嗜好のポケモンと番になるため、私の元を訪れることは少ない。
 彼の性格から雄に性別を変えても爽やかな感じを変えずに口調と声色だけを変えると嬉しそうに返事をした。

「ありがとうございます! そのまま僕を掘ってください!」
「……? えっと……君と僕、ざっくり二倍ぐらいの体格差だっていうのは理解してるかな?」
「はい! そのために普段から拡張してきたんです! 今日だってきちんと洗浄してきました! 彼氏もいるんですけどレントラーに進化してからしかダメだって言うので……」

 このルクシオの彼氏の方はまともだが、僕という存在がいたのが運の尽きだったことだろう。
 入るサイズに小さくして欲しいのかとも聞いたが、どうにも彼の胴とほぼ同じサイズもあるウインディのペニスを挿入して欲しいそうだ。
 安請け合いしすぎたと後悔したが、既に木の実は受け取っているためプロとしては応えるべきだ。
 そのため入念に肛門を舐める。
 今日のために準備をしたと言った通り、非常に綺麗なうえにかなり尻の筋肉が柔軟になっている。
 中まで舌でしっかりとほぐし、今一度ウインディのままのペニスを彼の肛門に宛てがうが、一目で無理だと分かるサイズだ。
 そのためバレないようにペニス部分をメタモンに戻し、ゆっくりと挿入してゆく。
 彼の反応を見つつ、許容できる限界のサイズを確かめながら改めてペニスだけを変身させる。
 感触と彼の表情から察するに、ゾロアークぐらいのサイズが限界だろうと感じ、そのまま腰を動かし始めた。
 ギリギリのサイズということもあり、ぎりぎりと締め付けられるような感覚の方が強かったが、彼の方は相当な快感を味わえているようだ。
 腰を動かす度に揺られる彼のペニスの先端からは精液が止めどなく溢れており、随分と開発したのが分かる。
 そのまま瘤が膨らむまで彼の尻穴をしっかりと味わい、がっちりと固定されてからは射精が止まるまで暫くの間、彼の喘ぎ声を聞きながら収まるのを待ったりもしたものだ。
 また別の日に訪れたジャラランガは見た目こそ普通のポケモンだった。
 受け答えも別段おかしいところはなく、同種の雌に変身して欲しいとそのオーダーも至って普通だっただろう。

「あの、差し支えなければマインという名前で呼んでもいいですか?」
「ええ、大丈夫ですよ」

 名前をもらったポケモンや自分で名前を決めたポケモンも少なくはないため、破れた恋人の名前を呼びながら交尾をするものも間々いる。
 きっと彼もそうなのだろうとあまり気にしていなかった。

「マイン……やっぱり君は素敵だ。あの頃の君のままだ」
「そう言ってくれると嬉しいわ……」

 彼の言葉にそう返しながら後ろから首を絡めてくる彼に私も首を絡める。
 互いの鱗が擦れ、ジャラジャラと音がなるのは種族特有でもあり、個人的には趣はあるとも思える。
 ゆっくりと彼のペニスが挿入されてゆき、私の中が全て彼のペニスで埋め尽くされると、ゆっくりと腰を動かし始めた。
 嬌声も接合部の水音も鱗同士の擦れあう音にかき消される。
 しかしさらに動きを激しくするほどにその鱗の音に混ざるように腰を打ち付ける音と私の声が響く様はまるで小さな音楽会のようだ。

「イクよ……! マイン!」
「来て……!」

 その言葉の通り、彼のペニスが一つ大きく跳ね、私の中で脈動する。
 抱きしめるようにしっかりと挿入し、溢れるほどの精液を私の中へと放った。
 彼は雄では珍しく、卵が欲しいとのことだったため、産まれた卵を渡すととても嬉しそうに微笑んでいた。

「もし差し支えなければ聞きたいんですけど。マインさんというのは恐らく……番だった方ですか?」

 どうしても最初に口にしていた『あの頃のままだ』という言葉が気になってしまい、そう訊ねると恥ずかしそうに彼は頷いた。

「いつまでも亡くなった番の事を気に掛けるべきではないと頭では理解しているんですけどね……すみません」
「いえ! 素敵な方だったんでしょうね」
「ええ、とても素敵な雌でした」

 彼はそう懐かしむように口にしたあと、卵を受け取り、その場を離れた。
 彼とマインさんのような睦まじい番というものにも憧れるが、私は性質上そういうのとは縁遠い存在だ。

「早く大きくなってねマイン……」

 最後の言葉は聞かなかったことにしよう。
 とまあ、こんな感じで私の元を訪れる者が増えるにつれ、縄張りを主張する者は次第に減り始めた。
 これから先もまだまだいざこざはあるだろうが、それでも少しだけでも争いのない世界というものができていけばいい。
 今はこれで十分だろう。


あとがき 

どうも私です。
まさかこんな大接戦を制し、同率優勝させていただけるとは思っても見ませんでした。
自分としてはかなり珍しいポケモンのチョイスをしたのではないかなぁと思います。
今年の春はあまり春らしい気候ではありませんでしたが、作品内でぐらいは春らしくてもいいよね?
ということで残りは大会中のコメントへの返信です。
大会の主催及び、参加者、読んでいただき投票していただいた読者の皆様、また何かの作品で会いましょう。

コメント返信
面白かったです! バンギちゃんかわいい

>>バンギチャンカワイイ!ヤッター!!
  おっきな子はそれだけで可愛いんですよ。

その手の欲求に対してはプロ級であるメタモンならではの野生で生き残るための知恵……やり手でした。
うっかり逃がしてしまったトレーナーの悲鳴が目に浮かぶようです。

>>実際寝ぼけてたりで操作ミスをすることはありますからね。
  リアルならすぐに電源を切ればいいですが、あちらの世界では逃せばもうほぼ出会えないでしょうし……。

おもしろかった

>>ありがとうございます

どこもかしこも春だらけでしたね(

>>春らしい作品に仕上げました。(嘘は言ってない)

犬ちんいいですね。ルクシオと彼氏さんの春も気になります。

>>彼氏さんは良識のある大人なのでしっかりとレントラーになるまでは健全なお付き合いをすることでしょう。
  進化したらどうなるかは分かりませんが……。

色んなお客さんたちの姿がとても楽しく愉快でした。冷めてるメタモンくんもすごい好みでした!

>>仕事は仕事、としてもやはりメタモンにだって気になる部分はあると思うので、そういった意味でも感情豊かなメタモンにできたかなぁと思います。
  気に入っていただけたのならよかったです。


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Last-modified: 2021-05-02 (日) 14:08:29
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