正月にやったSSと同じ設定ですが一応キャラ紹介です
男 一人暮らしでブイズを愛する32歳(笑)もちろんブイズを全て手持ちに所持している(ただしブイズ達はあまり主人として思っていない)
イーブイ♂ まだ子供で色々と分からなく他ブイズをお兄ちゃん、お姉ちゃんと呼ぶ(兄弟ではない)
ブースター♂ もう一つの名称をやたらと気にしている
サンダース♂ ブイズ達のまとめ役、それだけ
リーフィア♀ タブーに切り込みまくり彼女を放っておくと作者生命の危機にもなる
グレイシア♀ リーフィアとは双子で、結構真面目
その他ブイズ 設定考えるの面倒くさくてほとんど出番無しorz
作者 フィッチ
※グダグダ文章ですので注意してください。
午後2時。気温も高く昼食後による満腹感でとても眠くなる時間帯である。
「うーん……せ、聖なる炎だぁ……スピー……」
よだれを垂らしながら幸せそうに眠っているのはブースター。夢の内容は寝言ですぐ分かる。
イーブイはグレイシアに寄り添って、一緒に眠っていた。シャワーズ、エーフィ、ブラッキーも気持ちよさそうに寝ている。そんな中リーフィアだけは何やらDVDを鑑賞している。内容は、
「全くグレイシアったら、私が気付かない訳ないじゃない、双子だもん。それにしてもエロいわねー」
グレイシアが雄のポケモンと性行を……。消音で観ているためのため寝ているグレイシアは気付かない。それにしても何故本人の前でそんなDVDを堂々と観るのだろうか、というかどこで隠し撮りしたのだろうか……。
「お、お前たち起きろ! 重大ニュースだっ!」
サンダースがドアを勢いよく開け入ってきた。その音で眠っていたイーブイ達は目を覚ます。
リーフィアは慌ててDVDを停止させディスクを取り出す。グレイシアには奇跡的に気付かれなかった。
「な、何よ……気持ちよく眠っていたのに……」
「うーん……どうしたの?」
「も、もう少しでメタグロスを倒せるところだったのに……」
寝起きで目が半開きなイーブイ達。しかしサンダースの次の一言で、彼らの眠気は完全に吹き飛んだ。
「ついに……ついに新しいブイズの存在が確認されたっ!!」
「……! ……で、情報はどこから?」
グレイシアは冷静だった。なお過去にも「新ブイズが発見された」と彼らの中で騒ぎになった事がある。当然嘘……というより、ある人の書いた架空のブイズの絵をブースターが信じて発展してしまったのである。それから「公式が存在を発表してから、新ブイズを伝える」というルールになっている。
「勿論公式だ! じゃあネット見てみろ! 今その話題でネットが大騒ぎだぞ!」
グレイシアが、本来は主人の男がオカズの動画探しなどに使っているPCの電源を入れ、すぐにインターネットを開き「新ブイズ」と検索する。
「あ、確かに盛り上がってるみたい。じゃあここをポチッと……」
グレイシアは「[公式]新ブイズの確認に成功……ってもう抑えきれん!! イーブイの新進化系『ニンフィア』キタ--------(゚∀゚)----------!!」というサイトをクリックする。顔文字を使うあたり公式サイトに見えないが、恐らくサイトでの発表担当者は相当なブイズ好きだったのだろう。
「ほ、本当のようね……それにしてもこの姿……」
「グレイシアお姉ちゃん、僕も早く見たい!」
「おいらもっ!」
イーブイ達は順番にPC画面に映る新しく発見された新ブイズ、ニンフィアを見る。
「か、可愛い! 僕も進化してみたいな!」
イーブイの一言に、見終わった他のブイズ達は仰天する。
「ね、ねえイーブイ、それだけはお姉ちゃん、認められないな」
「そ、そうだぜ。イーブイはこの前将来サンダースになりたいって言ったばかりだろ?」
グレイシアとサンダースが慌てて止める。見た目的に雄が進化するのはまずいと考えたのだろう。
「とりあえず俺達のマスターにも伝えないか? 泣いて喜ぶぜ」
「そ、そうね」
サンダースとグレイシアは主人である男の部屋に入った。男はいびきをかいてぐっすりと寝ていた。
「今日って平日よね? こんなんで大丈夫なの?」
「今日は会社が休みとか言ってたぜ。さて、起こすとするか。おーいマスター」
サンダースがベッドに乗り前足で男の体を軽く揺らすが、起きる様子は無い。
「しょうがねーな。グレイシア、行くぞ」
「ええ」
2匹は十万ボルトと冷凍ビームを同時に繰り出す。
「起きろマスター!」
「うぎゃああああああっ!!」
「お、起こすなら優しく……ハックション!」
痺れているのか寒さで凍えているのかどちらかは不明だが、男はとりあえず起床した。
「で、一体何なんだ?」
「ああ、ビックニュースだ! ついに公式から新ブイズが」
「新ブイズ」がサンダースの口から出た1秒後、男はPCの席でその姿を見ていた。
「うおおおおおおっ!! よっしゃああああああ!! か、かわえええええええええ!!」
画面に釘付けとなっている男の鼻息は異常に荒い。男は1分間しっかりとその姿を頭に刻み込んだ後、すぐさまパジャマから外出着に着替えた。
「よし、今からニンフィアをゲットしてくる!」
「いや待てよマスター! 判明したのは存在の確認と姿、大きさと重さだけだ! 後の事は全く分からないのに無茶すぎる!」
「いいんだよ、ブイズ愛さえあれば絶対に捕まえられるさ! よし待ってろよニンフィアちゃん! 俺が絶対に捕まえてやる!」
男はもうやる気満々で、体からやる気がにじみ出て炎のように燃え上がっている。その様子にイーブイ以外のブイズは呆れ果てていた。
「わー、マスターのやる気がすごーい!」
「マスターのあんなやる気、リーフィアとグレイシアが発見された時以来だぜ……。普段の仕事にもあれだけのやる気が出せれば出世できるんだがな」
「よし、シャワーズとエーフィとブラッキー、ついて来い、後は留守番頼む! おいおいそんな顔するなって、夕飯までには帰るからよ。あ、留守番組はついでに夕飯の支度を頼む」
男はシャワーズ、エーフィ、ブラッキーをモンスターボールに戻し家を飛び出して行った。
「ねえサンダースお兄ちゃん、ニンフィア見つかるかなぁ?」
残されたイーブイはサンダースに聞く。サンダースは首を横に振った。
「絶対無理だろ。幻のポケモン、ミュウを見つけるのと同じことだぞ」
「ニンフィア……ね」
グレイシアは浮かない顔をしていた。
「おいおいどうしたんだよ? しょうがねーだろ、発見されたんだから。今日は絶対無理だが、あのマスターの事だ。いずれどんな手段を使ってもニンフィアを手に入れるはずだ」
「それは分かってるけど……、新しい家族が増えるのよ? いろいろ大変じゃない? 家計とか……」
「あ、ああ……」
イーブイ達の主人は、実は現在、生活が相当苦しい状況である。8匹の食事に加え、シャンプーや石鹸はすぐに切れ、おまけにバトルをする度に薬代がかかってしまう。なおイーブイ達はよほど特別な事が無い限り、安物のポケモンフーズを毎日食べている。
「いやー、彼女も大変よね」
リーフィアがいきなり会話に入る。
「ん? 誰だよ彼女って」
「いや、架空の小説の話だけど、その小説も主人公のエーフィ含め7匹のブイズが主人の男と暮らしていて生活も苦しいみたいなの。まあ私達と違うのは向こうは雌だらけでとにかくエロシーンg」
「ストーップ!! や、やめろリーフィア、お前正月を忘れたのか?」
サンダースが止める。……正直リーフィアは放っておくとタブーに突っ込みまくる、爆薬庫のような存在である。
「えーっと、とにかく家計が大変になりそうだな。まあマスターの事だ、何とかなるだろ」
サンダースが話をまとめる。するとイーブイがこんな質問をする。
「ねーねーサンダースお兄ちゃん、家計って何のこと?」
まだ幼いイーブイには、金銭事情は全く分からないようだ。サンダースが質問を返す。
「ま、まあ子供は心配するな、な? とにかく、ニンフィアがブイズに加わって、俺達の家は賑やかになりそうだな!」
「……家計だけで済むと思ってるのかい?」
今まで黙って話を聞いていたブースターが、話に入ってきた。
「どういう事なのよ?」
「確かに家計も厳しくなる。だけど……ニンフィアが加わることでもっとおいらたちにとって大変なことがあるんだよ!」
イーブイ達は首をかしげる。大変なことが何なのか分かっていないからだ。
「何だよ? 言ってみろよ」
「いい? ニンフィアがブイズに加わることで……おいらたちのパーティ編成が大きく変わるかもしれないんだよ!!」
「うっ……」
「た、確かにまずいなそれは」
現在男は、ブイズのみを使ってバトルをしている。イーブイはまだ幼くバトルをすることはできないが、それでもフルバトルの場合誰か一匹はパーティに加わることができない。そして今回のニンフィアが入ると、もう一匹パーティに入れなくなってしまう。
勿論フルバトルで無くても、どのブイズを出すか選択の幅は広がる。元々8匹の中からどのブイズで戦おうかという状況なので、現在のブイズ愛好家をさらに苦しませる事となるだろう。
「ニンフィアが強かったらおいらリストラされるかも……。だって唯一王だもん……」
「で、でもよ、俺達のマスターは基本順番を決めて出すだろ? 多分変わらないと思うぜ。そこまで強さを求めてないからよ」
「マスター、嫌われないように私達を均一に出してるからね。大丈夫よ」
「そ……そうだよね……」
ブースターは少し安心したようだ。
「ニンフィアに関してはこの辺にしようぜ。まだ分からない事だらけだし、続報を待つことにするか」
「そうね。ふふ、会うのが楽しみだわ!」
「僕も! ふぁー……、ねー、もう一眠りしていい?」
「じゃあ俺がマスターの夕飯作っとくから、グレイシアは頼むぜ」
「ええ、私も寝ようかしら……」
ニンフィアの話題が終わりかけたその時……。
「待って、もうひとつあるわ」
そう言ったのはリーフィア。キッチンへと歩き出したサンダースは足を止める。
「まだあるのかよ? もう話題なんてないだろ?」
「いや、あるわ。それは……2次創作よ!」
「……とりあえず、タブーに切り込みそうになったら全力で止めるからな」
「大丈夫。いいみんな? 今マスターがドはまりしてる小説サイトを例に挙げると、とにかく登場ポケモンにブイズの採用率が高いわよね」
「ま、まあな……。そりゃ俺達の容姿が人気だから仕方のない事だろ」
サンダースが頷く。そのサイト内の半分近くの小説にブイズが登場する……と思われる。
「ええ、その通り。そして今回のニンフィア……はっきり言って、この子は確実に引っ張りだこになるわ! この可愛さに加えブイズのブランドよ?」
「別にいい事だろ? 俺達も採用されまくって嬉しいし」
「確かにそうだけど、これからどうなるかしら? 私達の出番がニンフィアに取られたら……」
「確かに、雄に選ばれやすいサンダース、ブラッキー、ブースター辺りはまだいいかもしれないけど私とリーフィア、それにエーフィはたいていが雌よね。まだ詳しい情報が分かってないからすぐ小説に登場することは無いと思うけど、問題ね……」
グレイシアは少し不安な表情を見せる。
「そう。で、今私が最も心配なのは……」
リーフィアがそこで言葉を切り下を向く。イーブイが尋ねる。
「リーフィアお姉ちゃん、何が心配なの?」
「なあ、嫌な予感がバリバリするんだが……す、ストッ」
「……言おうか言わないか迷ってるけど……ええい、言っちゃえっ! 私は……某リーフィア好き作者がニンフィアを溺愛したら……それが心配なの!」
サンダースが止めようとしたが遅かった。リーフィアは勢いのまま話し続ける。
「もしリーフィア以上に愛しちゃったらどうなると思う!? 現在その人の作者ページの絵はリーフィア一色! ついでにリーフィアは某戦記物小説でヒロインを務めているの! で、もしニンフィアに乗り換えたらこうなるはずよ!
・トップ絵変更(ニンフィアが一面にドドーンと)
・某戦記物小説に登場→着々と昇格→主人公ニンフィアに変更
・その他の場面(新作やキャラ雑談所など)でニンフィアが優遇され、リーフィアの影が薄くなる
今まで私……リーフィアは約2年間ずっと愛されていたのに……その座を奪われたくないのよっ!」
「…………」
「ゼー……ゼー……」
熱弁で息切れしているリーフィア。目に涙も浮かべいる。突っ込んでいいのかいけないのか、部屋が異様な雰囲気に包まれしばらく全員固まっていた。
なおこの後、イーブイ達の主人は当然ニンフィアを見つけられず帰宅した事は言うまでもない。
――end
これはひどい……。
なお某リーフィア好き作者様には許可を事前に頂いています。
しかし申し訳ない気持ちでいっぱいです。
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