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斜陽に咲く花

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斜陽に咲く花 

Writer:March Hare
Illust:朱烏
魔女先生シリーズ5作目。
アンソロジー2に寄稿した作品を少し改稿しました。


◇キャラクター紹介◇

○ロッコ:コジョンド
 高等部一年生。バトルは強い。

○ライズ:ニンフィア
 高等部一年生。ロッコの恋人。優等生。
 etc.


プロローグ 


「僕と、付き合って――ください」
 一年生の終わり、中等部の頃からずっと好きだったライズに、告白された。
 彼の言葉を耳にした瞬間、頭が真っ白になって、気がついたらベンチで寝かされていて。
「気がついた?」
「ぅうん……わたし……」
「急に倒れるから、びっくりしちゃった」
「そ、それは! ライズが、あんなこと……言うから……」
「今までロッコさんには助けてもらってばかりで、僕はロッコさんに何もしてあげられなかったから……これからは、ちゃんと僕も返していこうって思ったんだ」
 白いベンチの横に佇むライズがリボンの触角でロッコの頭を撫でた。それだけで顔が熱くなって、また気を失いそうになった。
 ライズは容姿端麗、成績優秀、品行方正と三拍子揃った、絵に描いたような優等生のニンフィアで、学園にはファンクラブまである。というか、ロッコもその一員だったりする。対するロッコは、ちょっとバトルの分野が得意なだけのどこにでもいる平凡なコジョンド。
 釣り合うわけがない。本当に、どうしてこんなことになったんだろう。


魔女先生の生徒達シリーズ 番外編 -斜陽に咲く花-

恋人の定義 


 ――あれは現実の記憶なのか、それとも夢だったのか。
 今となってはぼんやりとした光景が思い出されるばかりで、本人に確認しようにも恥ずかしくてできない。
 何事もなかったかのように春休みも明けて。
 ライズと恋人同士になった、なんて実感が持てないまま、気がついたら二年生になって一ヶ月が過ぎていた。
 一年前、ライズはロッコを"親友"だと言ってくれた。いつも一緒にいる、というよりはロッコが一方的について回っていると言ったほうが正しいのかもしれないけれど、とにかく、学園で過ごした時間は他の誰よりも長かった。
 中等部三年生、高等部一年生の二年間でライズの身には本当にいろいろなことがあって、その度に、迷惑かもしれないけれど、少しでも支えになれたらと、問題に首を突っ込んだ。ライズの弱いところも知ってしまった。
 それでも、この恋が成就することはないと思っていたのに。
「ロッコさん? 聞いてる?」
「……あ、ああ、ごめん。少し考えごとしてた」
 あのときと同じ、中庭ホールの白いベンチに座って、ライズと昼食時を共にしている。この学園ではカフェテリアのメニューが充実していて、ほとんどの学生はそこで昼食を取るので、中庭にはあまりポケモンの姿は多くない。
 あまり目立たず、誰かに邪魔をされることもないので、ときどきはここで二匹で一緒に食べよう、というのはライズの提案だ。そんなわけで今日も購買部でパンを買ってここへ来たのだけれど。
「最近ぼーっとしてること多くない? 前はそんなことなかったのに」
「わたしが悪い。せっかくライズがわたしと過ごすために時間を割いてくれているのに」
「や。僕もロッコさんと一緒にいたいと思っているんだから、それは変じゃない?」
 二匹の関係はどこかぎこちないままで、うまく噛み合わない。
「何か悩みがあるなら僕に言ってよ。恋人……なんだからさ」
「ライズがいるだけで、わたしは幸せ。悩みなんて何もない」
 ライズと友達になれたときは、彼がいるだけで、側で見ていられるだけで幸せだった。彼が同性の友人に叶わない恋をしていると知っても、妬ましいなんてこれっぽっちも感じなかった。
 彼の恋を全力で応援して、背中を押してあげて、ライズが納得できる結果に導くことができた、と思う。
 見返りなんて求めていなかった。それなのに、まさか恋人になってくれるなんて。
「本当に? やっぱりロッコさん、最近変だよ」
 ライズは驚くほど以前と変わらない。恋人だからロッコを気にかけてくれているというのは嘘だ。きっとライズ本人はそのことに気がついていなくて、本心からの言葉。だけど、長く付き合ってきた親友として、ライズのことは誰よりも理解しているつもりだ。たとえ友達のままでも、ロッコが悩んでいたら同じようにライズは心配して、助けてくれるだろう。
「あー、やっと見つけた! ライズ様ー!」
 ライズにどう伝えようか、悶々としていたら、ヒヤッキーの女学生が半ば跳びはねるようにして駆けてきた。
「ヤンレンさん……どうしてここに」
「それはこっちのセリフだよ! ときどき昼休みに消えちゃうと思ったらこんなところに……しかもロッコが一緒ってどういうこと?」
 二匹の関係については、周りには秘密にしている。中等部から腐れ縁で友人をやっているヤンレンもライズ様FC《ファンクラブ》の一員だ。ライズは手の届かない存在だから、皆で密やかに見守りながら応援しようという趣旨の団体で、つまり抜け駆けは本来許されないわけで。
「私はFCのみんなにチクったりとかしないけどさー。ホントにただの友達? こんなことばっかしてたら疑われちゃうよ?」
「ヤンレンさん、声が大きいよ……」
「あ、ごめん」
 ヤンレンは謝りつつも、身を屈めて、ベンチに横たわるライズに視線を合わせた。しかも肩に手を置いて、顔を近づけて……近い。近すぎる。
「ライズ様、ロッコとは友達なんだよね? 私も友達だから、おんなじだよね?」
 そんなことを確認するために、そこまで顔を近づける必要なんてないのに。
「お、同じだよ……ロッコさんもヤンレンさんも、友達だから」
「よかったぁ。ライズ様がそう言うなら安心」
 以前は何とも思わなかったのに、ヤンレンが馴れ馴れしくライズに触れることを嫌だと感じてしまう自分がいる。
 ――友達。ヤンレンと同じだって言われると、胸がざわつく。それがライズの優しさだと知っていても。
 でも、そんなライズだからこそ、ロッコは彼を好きになってしまった。自分だけに愛を注いでくれて他の友人に冷たくするポケモンなんて、ライズじゃない。
「私も一緒にいいよね?」
「あ、うん……」
「いいけどヤンレン、いつまでライズの体を触ってるの」
 実は中等部三年のときにいろいろあって、ヤンレンとロッコとライズの三匹は、他人に言うのは憚られるような秘密を共有している。ただの友達よりは少し関係の深い間柄だ。しかもヤンレンは去年も今年もライズと同じクラスだし、ライズとの付き合いの長さだけならロッコより上なのだ。ライズも中等部の事件の後はヤンレンを怖がっていた時期もあったが、今では満更でもなさそうで。
「えー? ロッコだってよくライズ様の背中とか撫でてるじゃん。ライズ様が嫌だって言うなら話は別だけどさ!」
 ヤンレンは表裏のない性格だから、きっと本当に気づいていない。悪気はないのだと思う。
 まっすぐに感情をぶつけられる、純粋な男女の友情。それが少し羨ましくて、自分はもう一歩先に進んでいるんだとアピールしたくなる。

 そんなこんなで、昼休みの貴重な二匹の時間は長続きすることなく、終わってしまった。
 昼休みだけじゃない。
 二年生になってから、ずっとそうだ。ライズは風紀委員の仕事があるので放課後はあまり会う時間を取れないし、全寮制のこの学園では、夜に会うこともできない。
 どうにかして、進展させたい。友達だった今までとは違うって。ヤンレンとわたしは違うって。
 わがままな自分が嫌になるけど、ライズが少しでもロッコを特別な目で見てくれているんだって知ってしまったら、どうしても今以上を望んでしまう。一度望んでしまったら、あれもこれもと欲望が尽きない。

 その日の夜、誰に相談するでもなく、ベッドの中でひたすら考えた。
 恋人になったはずなのに、何も変わらない。
 ライズは恋人として特別でいようとしてはくれるけれど、きっとライズ自身もあまりわかっていなくて、しかも周りが許してくれない。
 ――恋人。そうだ。ライズとはもう、友達以上の関係なんだから。
 もう一度なんて言わない。これからも何度でも。それくらい望んだっていいはずだ。

独占欲と嫉妬心 


 次の日。ライズと実戦演習の授業で一緒になったときに、伝えることにした。
「今日の放課後、二匹だけで話がしたい」
 他の学生の演習を観戦している間に、そっと耳打ちする。
「え? どうしたの、改まって」
「いいから。五時半になったら教室に来て。誰にも知られないように」
「えっと、もしかして……」
 ライズは一瞬、悲しそうな表情をした。何か勘違いしているのか。ライズを嫌いになるわけなんてないのに。でも、敢えてフォローせずにおいた。そんなことで不安になっているライズを見ると少し嬉しかったりするし、今のライズには驚かせるくらいがちょうどいい。
 好きなのに、ちょっと意地悪してやろうなんて思ったのは初めてで、どうにも変な気分だ。
「こらそこ二匹! 授業中にいちゃついてんじゃないわよ! 観るのも勉強なんだから!」
 担当教官のルージュラ、バナヘーア先生からお叱りが飛んできた。注目を浴びてしまって、ライズFC(ファンクラブ)の一部のメンバーには白い目を向けられた。
 今となってはもう、ライズとただの友達だなんて言えない。言いたくない。目を付けられてもいい。やっぱり、自分は特別なんだって思いたい。
 今日は誰に何と言われたって、絶対にライズとの仲を進展させてやるんだ。

         ◇

 放課後、誰にも知られないように、普通に帰るふりをして、教室を出たところでライズと別れた。ライズは風紀委員の仕事のために生徒会室へ、ロッコが図書室へ向かうところまではいつもと同じだ。風紀委員の仕事が終わる頃まで図書室で勉強して、校舎の前で待ち合わせをしている。委員会が早く終わったときはライズが図書室に迎えに来たりもする。
 ロッコの他にも放課後に図書室へ行く学生はたくさんいる。飛び級のあるこの学園では、少しでも早く卒業しようと熱心に勉強している者は少なくない。かくいうロッコもライズに追いつきたくて頑張っている一匹だ。
 とはいえ、その日はライズのことばかり考えていて、全然集中できなかった。気がついたらあっという間に五時を過ぎ、約束の時間が近づいていた。
 荷物をまとめて図書室を出たところで、予期せぬ面々に出くわした。
「あんた、二年のロッコよね。ちょっと来て」
 ブリガロンとハリテヤマの二匹組、ライズFC(ファンクラブ)の上級生たちだ。
 ブリガロンの名前はたしか、ステラとかいったっけ。ハリテヤマの方はなんといったか、覚えていない。
「わ、わたしはこれから……」
 ライズと約束が、とは言えなかった。
「何? またライズ様と会うの?」
 恋人なのだから会って何が悪いと言いたいところだけれど、今日のことは誰にも知られるわけにはいかない。
「……今日は寮に帰るだけ」
「それじゃちょっと顔貸しなさいよ。同じFCの仲でしょ」
 断っても良かったのだが、できるだけ穏便に事を運びたかった。ライズだって自分を好きでいてくれる者同士が争うことは望まないはずだから。
 彼女たちについて校舎を出ると、中庭ホールにはまだちらほらとポケモンが行き来していた。そんな学生たちを横目に、ロッコが連れ込まれたのは、垣根の裏の、死角になっている場所だった。
「で」
 ステラは腰に手を当ててロッコを見下ろした。
「わかってると思うけど。あんた、最近ライズ様を独り占めしてるそうじゃない」
「……べつに。同じクラスだから一緒にいるだけ」
「そんな言い訳が通じると思ってんの?」
 ブリガロンは露骨に不快感を露わにして詰め寄ってきた。
 戦闘技能ではロッコはすでに高等部の域を出ているから、怖くはないけれど、強くは言えない。本当は恋人になってしまったのだから。
「誰もライズ様の隣には並べないから、皆で応援しようってのがあたしたちFCの趣旨だったはずよ。あんたは近づきすぎなのよ」
「一方的に近づいたわけじゃない。ライズだってわたしを……」
 恋人だと思ってくれている。ライズに強制したわけじゃない。それでも付き合ってほしいと言ってくれたのはライズの方だ。
「へえ。随分と親しげに名前を呼ぶのね?」
「と……友達、だから」
「何? はっきり言いなさいよ!」
 いつかこんなことになるとは思って覚悟はしていたけど、やっぱり気分のいいものじゃない。
 もう誤魔化すのはやめだ。
「……ライズにもわたしが必要だから」
 はっきりと言った。ライズには自分が必要だ。ただ遠くから見ているだけの貴女たちとは違うんだって。
「は? 思い上がってんじゃないわよ!」
「わたしにどうしろと?」
「……生意気な子ね。言ってもわからないなら――」
 ステラの振り上げた拳が、真っ直ぐに落ちてくる。
 が、ロッコにはその軌道がはっきりと見えていた。
 そんなものには当たらない。打ち払って受け流し、一歩跳び退って距離をとった。
「やめて。わたしはこんなことしたくない」
「じゃああんたがライズ様から離れればいいのよ! テン、やるわよ!」
 後ろで見ているだけだったハリテヤマのテンが、構えを取った。背後は行き止まりで、二匹に詰め寄ってこられると逃げ場はない。腕に自信があるとはいえ、流石に上級生二匹を相手にしていたら無傷では済まない。それに何より、ライズとの約束の時間に遅れてしまう。
「ふーん、やっぱりこうなってたか」
 と、そこでステラたちの背後からさらにもう一匹、ポケモンが現れた。少しざらついた光を宿した目。好感は持てないけれど、美人といっていいペルシアンだ。
 彼女のことは、ロッコたちもよく知っている。
「キャミィ? どうしてあんたがここに……いや、違うのよ、これは」
 ステラは明らかに焦っていた。ロッコにしてみれば敵が一匹増えたようなものなのだが、どうも事情は複雑らしい。
「その子が裏に連れて行かれるのが見えたの。気持ちはわかるわよ。私だってそいつのことは鼻につくから」
「……え? そ、そうよね。わかればいいのよ。あはは、もっと真面目なヤツかと思ってたわ」
 これでもキャミィは昨年度の風紀委員長なのだ。表向きは真面目な優等生として通っているのかもしれない。
 しかし、彼女にはライズの弱みを握って無理矢理に交際していた過去がある。ロッコを誰よりも敵視しているはずなのだ。
「でもやめときなさい。ライズ君は本当にその子が大事みたいだから。傷つけたらきっとあんた達、ライズ君に嫌われるわよ」
 だから、キャミィがステラ達を諌めたのには、正直驚いた。
「それは……」
 ステラとテンは顔を見合わせて、苦虫を噛み潰したような顔をした。
「――ちっ。仕方ないわね。命拾いしたと思いなさい!」
 そうして彼女たちは、キャミィとロッコを残して、瞬く間に去ってしまった。
「……ありがとう。まさかあなたに助けられるとは思っていなかった」
「助けたつもりなんかないわ。私はライズ君のこと諦めてないから。でも、認めるわよ。ライズ君には貴女が必要なんだってことはね。だったら嫉妬するより恩を売ってやろうって思ったわけ」
 やっぱり、自分のことしか考えていない。他人の気持ちは見えているくせに。
「今回のことは感謝する……けど、あなたがライズにしたことは許さない。それだけは覚えておいて」 
 待ち合わせの時間はとうに過ぎてしまった。ライズを待たせるなんてとんだ失態だ。
 キャミィの答えは聞かずに、駆け出した。
 誰に何と言われても。そう決めたのだから。

斜陽に咲く花 


 夕陽の射し込む教室は、いつも過ごしている場所なのに、日常から遠く離れた世界に来たような錯覚に陥った。
 窓際に佇むニンフィアの姿もオレンジ色に染められて、幻想的な風景に溶け込んでいる。
 まるで一枚の絵みたいだった。いつまでも眺めていたい。教室に入って静寂を壊すことが躊躇われてしまう。
 でも、その時間は長くは続かなかった。
「あ、ロッコさん」
 廊下に立ち尽くすロッコに気づいたライズが、窓際からリボンの触角をひらひらと振ってきて、我に返った。
 そう、彼はもう眺めているだけの存在ではなくなった。今は恋人なのだ。ロッコは彼の横に並ぶことのできる立場にいるはずだ。
「呼び出したのはわたしなのに、待たせてしまってごめん」
 教室に入って、ライズの側へと歩み寄った。近づくと花のような香りがして、いくらか緊張していた心が落ち着いた。
「べつに気にしてないけど、ロッコさんにしては珍しいね……何かあったの?」
FC(ファンクラブ)のメンバーに捕まってしまって」
「え? それは……大丈夫? 何もされてない?」
 中等部の頃、ライズのルームメイトだったキルリアのキャスが、妬みを買って虐めに遭っていたことがあった。
 いくら二匹の関係を秘密にしていたって、誰かに勘付かれたら同じことだ。
 ライズが心配するのも無理はない。
「大丈夫。わたしがライズを守るために側にいることは、皆も知っているから」
「そっか。僕がロッコさんといつも一緒にいるのは前からだもんね」
「そう。何も変わってない」

 ――だから今日、ライズをここに呼び出した。

「ライズは何も変わってない。わたしとライズが、友達だった頃から」
 ライズに近づいて、屈んで視線を合わせた。吸い込まれそうなクリスタルの瞳が、きょとんとしてこちらを見ている。
「ロッコさん……?」
「ライズは、わたしの恋人。合ってる?」
「もちろん……どうしたの、急に――わっ」
 ライズの脇の下に前足を入れて、抱き上げた。柔らかくて温かくて、細やかな毛並みはすべすべで、クチナシのような、薔薇のような香りの体臭が鼻腔をくすぐって、自分でもびっくりするくらいに気持ちが昂ぶった。ニンフィアは異性を虜にしてしまう体をしているというけれど、でも、そんなことは関係ない、と思いたかった。相手がライズだから。わたしの大好きな、ライズだから。
「それなら、ライズがわたしの恋人だって……実感させて」
「ちょ、と、待っ――!」
 近くの机に押し倒して、圧し掛かるように彼の唇を奪った。
「んんっ! ぁ、ふぁ……ん……っ!」
 ライズは一瞬だけ抵抗する素振りを見せたけれど、すぐに受け入れてくれた。舌の動きにちゃんとついてくる。
 ああ。尖った犬歯も頬の内側も歯茎の裏側も、全ての感触が愛おしい。
「んん、ふ……は、っく……ん……」
 自制心なんてもう残っていなかった。貪るくらいに舐め回して、息継ぎをして、すぐにまた舌を入れて。ライズの全身の力が抜けて、机から落ちそうになったのを支えながら。
 ライズとこんなことをするのはこれで二度目だ。友達でもいいからって、一度だけライズが身を許してくれたことがあった。だからライズが敏感なことも知っている。
「ん、ちゅ……ぁん、ぁ、ふぁあぁ……」
 前はこうしてキスをしただけでお漏らしをしてしまうくらいに弱かったライズだけれど、今度は大丈夫みたいだ。糸が切れたみたいに体の力が抜けていても、最後のところでいじらしくも抵抗しているらしい。
「は、ふ……ん……ぷはっ……ふぅ……ライズ、我慢できるようになった? えらい」
「……はぁ、はぁ……ロッコ、さん……急に、こんな……」


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挿絵は朱烏さんに描いていただきました!


「ライズが……恋人らしいこと……してくれないから……」
「恋人、らしいこと……って……こんなところで……もし誰か来たら……」
 ライズは残された僅かな力で体を起こしてロッコを押しのけようとした。でも、力ならコジョンドのロッコの方が強い。
「大丈夫……誰も来ない。ライズが騒がなければ」
 こんな時間に教室に戻ってくる生徒はいないだろうけれど、保証はない。
 それでも今このときは、二匹きりでいられる気がした。ここでやめてしまったら、もう二度と同じ手は使えない。
「やっぱりロッコさん、変だよ……」
「確かに、最近のわたしは変だったかもしれない。でも、気づいてる? ライズのせいだってこと」
「僕の……せい?」
 ライズは抵抗をやめて、驚いた様子でロッコを見つめ返してきた。
「……ううん、違う。これはきっと、わたしのわがまま」
 ライズはちゃんと、ロッコを特別扱いしようと努力してくれている。悪いのはロッコだ。ライズの気持ちを信用しきれないでいる。自分が素直になれないのを相手のせいにしているだけだ。
「わがままでも、正直な気持ち。わたしはライズの何もかもが欲しい。本当は独り占めしたい。でも、ライズに嫌われたらどうしようって……そればかり考えてた」
「嫌いになんて……なるわけないじゃない」
 わかってる。少しくらいわがままを通したって、ライズが簡単に心変わりするような子じゃないってことは。怖がっていたのは、ロッコの方だ。
「告白したときに……僕、言ったよね。僕はロッコさんに頼ってばかりだから……今度は僕が、ロッコさんの望みを叶えてあげたいって」
「……わたしの望みがこんなことでも?」
 今度は軽く、口先が触れ合うだけのキスをした。
 もう友達じゃないって。恋人だって。実感したい。誰にでも分け隔てなく接するライズだって、身を許す相手は選ぶはずだから。わたしはその相手に選ばれているってこと。
「ん……僕に……叶えてあげられる望みなら、なんだって……」
「そんなこと言われたらわたし、抑えられなくなりそう」
「教室に呼び出していきなり襲っておいて、今さら?」
「……わたしに簡単に組み敷かれてるくせに、生意気なんだから」
 ライズとの関係は、友達として接するようになってから、ずっとこうだった。彼の好きな相手が男の子だって知ったときも驚きはしなかった。もともと、ライズと仲良くなったきっかけもライズの恋を応援することだった。それでもライズは、ロッコの想いを見て見ぬ振りはしなかった。わたしが男の子になればいいんじゃないかって酔狂な提案に乗ってくれて、部屋にきてくれた。
 あの夜のことは今でも忘れられなくて、ずっとずっと、この胸を焦がしている。
「ライズ……んっ……」
 今度は彼の体をしっかりと抱いて、キスを再開した。
「んぅ……ちゅ……ぁ、ふ……」
 キスを続けながら、背中に回した右前足でライズの背中、尻尾の付け根をまさぐった。
「んぁ、ぁ、は、ぁあっ……!」
 ニンフィアみたいなネコ型のポケモンが触られると一番気持ちの良い場所。ライズが明らかに今までと違う反応をした。体がびくんと震えて、縋るようにぎゅっと抱き返してくる。
「ちゅ……はぁっ……ふぅ……ライズって、やっぱり……女の子みたい……」
「はぁ、はぁ……だから、僕、は……」
 女の子みたいだって言うとライズはいつも必死に否定するけど、ライズのことは誰よりもよく理解しているつもりだ。
「言わなくてもわかってる。そういう意味じゃないから、安心して。素直になっていい。わたしはそんなライズが好きだから」
 男の子を好きになったからといって、心が女の子だと誤解されるのは、ライズにとってはすごく嫌なことらしい。何かの折に好意の対象と性自認は別だって力説していたこともあった。
「ぁひっ、ふぁあっ……! ロッコさんのばかぁ……」
 でも、ライズが欲しているのは抱くことよりも抱かれることなのは明らかだ。普段はどうあれ、ベッドの上ではロッコが男の子役になってあげないといけない。
「可愛い声出しちゃって……静かにしないと誰か来ちゃうよ」
「だってっ……ロッコさんの手っ……やぁんっ……」
「何? ここがそんなに気持ちいいの?」
 尻尾の付け根を撫でている手を、少しずつ尻尾の反対側へと移動させていく。
「やっ、ま、待ってぇ……そこ、は……」
 後ろの穴の近くを触ったら、ライズは身を捩って嫌がるそぶりを見せた。
「……前に一度してるじゃない」
 ロッコは自分の尻尾をライズの体に巻きつけて、先端を目の前で揺らして見せた。
「挿れてほしいんでしょ?」
「ま、まだ、覚悟が……きょ、今日のロッコさん、優しくないよ……」
「ここが教室だってこと、忘れてない? のんびりはしていられない」
「そんなぁ……やっぱりやめようよぉ……」
 いつ誰が来るかわからない危険と隣り合わせ。ロッコはそんな状況を楽しんでさえいた。火が点いた身体はもう止められない。今さらやめようなんて言われても無理な話だ。
「……そう。それじゃここでやめてもいい?」
 本当は自分の方が強く求めている。でも、敢えて強気に出た。今日はただライズと行為がしたかっただけではないのだ。
「はぅ……それは……」
「ライズがどうしてもしてほしいって言うなら、考えるけど」
「えぇ……ずるいよロッコさん……ここまでしておいて、そんなぁ……」
 ライズはとろけるような表情で、甘えた声を出した。抱き合ったまま、こんなに近くでそんな顔をされたら屈してしまいそうだ。
 しかしここで乗せられるわけにはいかない。
 わたしが欲しいって、ライズに言わせたい。懇願させたい。
「わ、わたしは……ライズの可愛いところを見れたし、キスもしたし……もう、十分すぎるくらいだから」
 ライズの体を強く抱きしめながらこんなことを言っても説得力がなかった。でも、ライズには冷静に判断する余裕もないみたいだった。密着しているせいで、ライズの体がしっかりと反応しているのが伝わってくる。
「……やだ……」
「ん?」
「ぼ、僕は……やだよ……これで終わりなんて……」
「……そう。やっぱりわたしの尻尾がほしいの?」
「っ……」
 ライズは顔を背けてしばらく躊躇う素振りを見せたが、いよいよ覚悟を決めたのか、ぎゅっと目を瞑った。
「……ほしい……です……」
 おねだりをするライズがあまりに可愛くて、胸の高鳴りに耐えられず、一瞬意識が遠のいた。
「……そんなに言うなら……仕方ない」
 それでもどうにか持ち直して、自分の尻尾の先を咥えた。入れやすくするために唾をつけて湿らせ、ライズの後ろから股の間へと近づけてゆく。
「ぁ、ぁあっ……ふ、ぁく……んぅっ……!」
 すぅっと吸い込まれるように先端が入った。
 ライズはロッコに全身でしがみついて、歯を食いしばっている。
「……大丈夫? 痛くない?」
「んぁっ……ちょっと、だけ……ふぅ……でも、大丈夫……ロッコさんなら……」
 ライズはふっと力が抜けたみたいに笑って、ロッコを抱く力を強めた。
「もっと奥まで……ちょうだい……」
?
「……もうっ。今日のライズ、可愛すぎ」
 ライズのお尻をしっかり支えて、尻尾をさらに突き入れた。
「ぁっ、ぁ、ぁ……! ひぁあぁっ……!」
「熱っ……ライズの中……すごく、熱い……」
 これで二度目だから、どうすればライズが喜ぶかはだいたいわかっている。挿れた尻尾の先を少し曲げて、手前に引っ張るように動かした。
「ふぁ、ぁああぅ……っ……! ぅあ、ぁ、ああっ……!」
 ライズは涙ぐんでいて、口をだらしなく開き、快楽に溺れた嬌声を上げた。体もがくがくと震えていて、しっかりと支えないとすっぽ抜けて落ちてしまいそうだった。
「ライズ、ライズぅ……わたしも……っ、ぁ、ぅ……」
 尻尾の付け根からじわじわと、何とも言い表せない刺激が体の方に上がってきて、つい情けない声を漏らしてしまう。
「……し、尻尾なのに……はぁぁ……っ……なんだか……気持ち、が……!」
「ぁ、ふぁん……も、もう、だめぇっ……ゃ、ぁぁああ……あぁ……っ!」
 ライズの体がひときわ大きく跳ねたとき、お腹に熱いものが浴びせられた。
「……もう、ライズ……ったら……また……お漏らししちゃって……」
 じわじわと広がりながら、腿をつたって、足下へと水溜まりを作っていく。気持ちの良い感覚ではないはずなのに、お漏らしをしてしまうくらいにライズをめちゃくちゃにすることに、快感を覚えている自分がいる。
「はぁ、ぁぁぁ……ロッコ……さぁん……ぅう……んぁ……」
 何か言おうとしたみたいだけれど、言葉になっていなかった。
「そんなに気持ちよかった……?」
 これ以上刺激したら、ライズが失神しかねない。気絶させてみたい気持ちも少しはあったけれど、ロッコは尻尾をそっと引き抜いた。
「ぁふっ……はぅ……はぁ、はぁ……」
 へたり込んで肩で息をしているライズは女の子にしか見えなくて、本当に自分が男の子になった気分だった。
「ライズを女の子にしてあげられるのは、わたしだけ……皆、ライズの本当の望みなんて叶えてくれないでしょ」
「はぁ、ふぅ……僕は女の子じゃないって……何度言ったら……」
「わかってる。ライズがちゃんと男の子だってことは」
 本当は男だとか女だとか、そんなものはないのかもしれない。好きになる相手が男の子でも女の子でも、関係ない。体の形が違うだけで、心が求めるものは皆それぞれなのだから。
「わたしに任せて」
 座り込んでいるライズの前足を持ち上げると、股の間に屹立したピンク色のものが、ふるふると震えていた。
「ぁっ……待って……」
 そのまま口を近づけて咥えようとしたら、ライズがリボンの触角でロッコの頭を押し戻した。
「ロッコさんは……僕の恋人だって……実感がほしいって……言ってた、よね……」
「……言ったけど」
「ロッコさんは……ちゃんと、僕の恋人だよね……僕のために、男の子みたいに……抱いて、くれて」
 言いづらそうにしながらも、真剣な表情になったライズは、今までに見たことがないような、凛々しさを感じさせた。胸がどきりとした。
「だから僕も、ロッコさんのために……今は、ロッコさんが女の子のままでいいように……」
「……え、っと……それって」
 ライズの言いたいことがわかってしまって、急に恥ずかしくなった。
「……抱いてあげたいって、思ったんだ」
 体に力が入らなかった。ライズに押し返されて、簡単に仰向けに転がされてしまう。
「……わ、わたし、こここ心の準備が……っ」
「のんびりしていられないって言ったの、ロッコさんでしょ」
「ライズ、待っ――」
 ライズが四本足で上に跨って、触角でロッコの両前足を封じてきた。力はロッコの方が強いはずなのに、なぜか抵抗できなかった。
「……見た目には準備万端って感じだけど」
 どういう意味なのか、一瞬わからなかったけど、ライズがロッコの下半身にちらりと目をやったので気づいてしまった。抱き壊さんばかりの勢いでライズにあんなことをしているうちに、自分でも驚くくらいに濡れていた。
「み、見ないで……! そんなの、汚いだけだし」
「……そんなこと言ったら、お漏らししちゃった僕の方がさ……」
「ライズは綺麗だし……それにフェロモンの香りがすごくて、いい匂いだし。わたしとは全然違う」
「……やめてよ。僕だって好きでこんな体質に生まれたわけじゃないし……それに、ロッコさんを汚いなんて思ってたらこんなことしないよ」
 そのとき、下に向かって突き立っているライズのピンク色のものの先から、つつ、と分泌液が落ちた。
「ひゃっ!?」
 敏感なところに落ちてきたものだから、つい変な声を出してしまった。でもそれは、ライズもロッコと同じ欲求を解放したくてたまらないという証拠だった。
「ど、どうしたの?」
 おまけに本人は気づいていないのだからたちが悪い。
「なんでもない……!」
 ライズには素直になれなんて言っておきながら、自分はちっとも前に進んでいない。
 今は、正直に。
「いいから、早く――」
 自分は何を言おうとしているのか。でも、ここで止めたら二度と言えない気がした。
「――早く、わたしを抱いて」
 言ってしまった。
 ライズは一瞬だけ驚いた顔をして、それからすぐににっこりと微笑んだ。
「やっと素直になってくれた」
 そうして、迷わずに腰を落としてくる。
 いや、ちょっと、確かに言ったけど、覚悟は決めたけど、もう少し間があると思って――
「ぁ……はぅっ……!」
 入り口に彼の先端が触れただけで、電磁波を受けたときみたいな、しびれるような感覚が全身を走った。
「いくよ……? ちょっとだけ、痛いかもしれないけど……」
「……平気だからっ! これ以上、焦らさないで……!」
「わ、わかったよ……それじゃ……」
 もはや考えて言葉を口にすることができなかった。
 自分の言っていることを恥じる間も与えられず、ライズが中に入ってきた。
「つっ……ひぁっ、く……ぁあっ!」
 少しだけ痛みを感じたけれど、その後は意外にすんなりと奥まで受け入れることができた。
 ニンフィアはコジョンドよりも少し体格が小さいから、こんなものなのかもしれない。
 直後に、ついにライズと一つになった実感が湧いてきて、幸福感と一緒に強い快感がまた全身を駆け巡った。
「ぁ、ふぁ……! ライズぅ……ぁは、わたしの……中に、ライズが……んぁっ……!」
「はぁ、ん……っ、ロッコさん……大丈夫……? 痛くない……?」
「い、痛くはない、けど……大丈夫じゃないかもっ……ぁふぅ……」
 これ以上この感覚が強くなったら、頭がおかしくなってしまうかもしれない。それでも求めてしまう。
 ライズが油断した隙に、自由になった前足で彼の体をしっかりと抱きしめた。
「わ、ぁあん、ちょっ、ロッコさんっ……!」
「ライズぅ……ひあぁっ……ライズ、好き……! もっと、わたしを……ぁうっ、ぁ……はぁあっ……!」
 気がつくと自分から刺激を求めて、ライズを求めて腰を動かしていた。ライズもそれに合わせて動いてくれて、海岸に打ちつける波のように何度も強い快感が襲ってきて、その度に視界が真っ白になった。
「ぁ、ぁあっ、ぁ、は、ぁあああっ……!」
「やぁっ、んん、ひあぁっ、そ、そんなに、されたらっ、僕……ふぁ、ぁ、ぁあ~っ……!」
 ライズの声もあまり聞こえていなかった。
 でも、彼のものがどくん、と脈打って、わたしの中に流れ出す熱は、はっきりと感じていた。
 
         ◇

 窓から差し込む光も消えて、教室はすっかり暗くなっていた。
 しばらくはそのままライズと抱き合って語り合っていたけれど、明日の話になったとき、色々なものが飛び散って汚れてしまった教室の床を見て二匹して我に返った。慌てて掃除用具を持ってきて、雑巾で床を綺麗に拭いて、どうにか後始末をつける頃には、寮の門限のギリギリの時間になってしまっていた。
「ライズ、今日は急に呼び出して、あんなことしてしまって――」
 別れ際、ライズに謝ろうとしたら、リボンの触角で口をぴたりと塞がれてしまった。
「いいの。こんなときに謝らないで」
「……わかった」
 そうして、頬にキスをされた。
「ありがとう、ロッコさん。こんな僕を好きでいてくれて。また明日ね!」

エピローグ 


 中庭ホールの白いベンチに座って、いつもみたいに、ライズの背中を撫でている。
 でも、今はもう二匹きりじゃない。
「ライズ様、いい匂いだし、撫でると気持ちいいし……こんなの独り占めしようとしてたなんてずるいよ、ロッコ」
 今ライズを膝の上に乗せているのはヒヤッキーのヤンレンだ。あれから、ライズと仲良くする他の女子生徒を見ても、不思議と何も感じなくなった。
「それはわたしが悪かった。反省する」
「んー、でも減るもんじゃないし、いっか! お陰で私もこんな風に……ふひひひ」
「あの、ヤンレンさん? ぁっ……ちょっ、そこ、だめっ……!」
 前言撤回。
「ヤンレン、調子乗らないで」
「え? あ、いや、ごめんって、そんなに怒らないで……ああ、ライズ様ぁ!」
 ロッコの手からライズを取り上げて、地面にそっと下ろした。
「あ、ありがと」
「ライズはガードが甘すぎる。ヤンレンに気を許すのはいいけど、そこは油断しちゃだめ」
「はい……」
 なんだか、こうして言い聞かせていると。
「ロッコってなんかライズのお母さんみたいだよね!」
 思っていたことを先にヤンレンに言われてしまった。
「そう……かなぁ? それはちょっとロッコさんに失礼じゃない?」
「べつに、わたしは何でもいいけど」
「それじゃロッコがお母さんってことで! 私はお姉ちゃんになろっかな?」
「や。ヤンレンさんはどっちかって言うと妹じゃないかな……」
「私、これでもお姉ちゃん歴長いんだから! 弟も妹もいるんだよ?」
「そ、そう……」
 ライズは苦笑いしながら、ロッコに困った視線を向けてきた。
 それには何も答えずに、微笑みだけ返しておいた。
「え、何? 今、ロッコとライズ様、なんか……恋人みたいだったよ?」
「気のせいだよ!」「気のせい」
 二匹して同時に否定してしまって余計に怪しまれ、それからヤンレンを納得させるのにまた一日を費やすことになってしまったけれど、鈍感なヤンレンにまで疑われるほどに、二匹の距離が近づいたのだと思うと嬉しく思えた。

 ライズを遠くから見守っていた頃と比べると、欲望は尽きないけれど。
 この関係が永遠に続いてほしいとは願わない。どんな未来が待っていようと、ロッコは一生ライズを守るために生きると決めている。
 ライズとの一日一日を噛み締めて、思い出を積み重ねていこう。
 いつ終わりが来ても、後悔のないように。
 

 -Fin-


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Last-modified: 2018-05-31 (木) 01:56:43
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