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折れた剣は朽ちてゆく

/折れた剣は朽ちてゆく

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作者:オレ

この作品には強姦等の要素があります。苦手な方はご注意ください。
なおこの作品はフィクションです。実在の人物、団体等には一切関係ありません。


折れた剣は朽ちていく 



「まったく、なんでこんな……!」

 スマートホンをベッドに転がしながら呟くダイケンキの声は、凛とした女性のものだ。しかし満面に悔しさをにじませており、憤懣やるかたないのが伺える。点けっ放しのスマートホンの画面には、SNSのタイムラインが表示されている。そこには「ダジュ」という名前のダイケンキ自身の写真がアイコンになっているアカウントに対し、無数の非難が並んでいるのが見て取れる。具体的には「勝手に行って拘束されて、自己責任だろ」「もう二度と外国に行かせるな」などといったものである。

「私は……! 現地でしか知れない真実を取材に行ったというのに……!」

 ベッドの脇の机の上には、新聞が広げられている。そこには「ジャーナリストのダジュ氏、無事解放」の見出しが掲げられている。何年も異邦で拘束された生活を送った自分が、無事解放されたというニュースである。取材のために危険地域へと乗り込んでいたのだが、運悪くそこで拘束されてしまったのだ。勿論拘束されて方々に迷惑をかけたのは認める。だが自分は自分で苦労をしてきたというのに、迎えた祖国の目線は優しいものではなかった。

「くそっ! 見ていろよ……!」

 ダジュは独り吐き捨てる。この声はSNS上の批判者たちには届かないだろうが。だがそれなら、連中もぐうの音も出ないような記事を仕上げてやろうと心に決める。

「とはいえ……」

 ダジュはため息をつき、机の上の文書に目を向ける。それはダジュのパスポートを停止し、出国を禁じるという内容のものであった。出国ができないとあっては、当然危険地域を取材することはできない。ダジュはため息をつく。

「あれの出番だな」

 ダジュは鍵を手に取り、部屋の隅に置かれた金庫へと向かう。中には門外不出の資料がすし詰めになっているのを思い出す。ジャーナリストとして取材する中で掴んだ、政治家や権力者たちの弱みについてまとめられたものだ。勿論即座に記事にして首を飛ばすという選択もあったが、敢えて弱みを握ったまま泳がせて新たなネタを持って来ることを狙ってキープしていたのだ。勿論拘束されて何年も経ち、中には失脚したり引退したりした者もいるだろうが。それでも自分の次の出国に手を貸してくれそうな相手を見繕っておきたい。

「ダイヤルは……ん?」

 鍵穴に鍵を挿して回した瞬間、錠が落ちる音がする。刹那浮かび上がる疑問符。この金庫は唯一無二の鍵を入れた上で、さらに隣のダイヤルのシリンダーを複雑に回さないと開かない仕組みになっている。前に開けてからはもう何年も経っているが、これだけ大事なものを入れていたのだから忘れる筈が無い。だというのに縁に触れるとそれが夢だったかと言わんばかりにゆっくりと金庫の扉が開く。そして……。

「なっ!」

 目の前の光景を疑った。山ほどあったはずの資料の代わりに、一通の封筒が置かれているだけ。この時点でダジュはもう硬直するほかなかった。何者かはわからないがこの複雑な仕組みの金庫の封を突破したというのだ。金庫だけではない。ダジュはとある人気の高い政治家に批判的であったためだろう、その取り巻きの信者と思われる者たちから無数の誹謗中傷を浴びてきた。そのため事務所にも金を掛けてでも高度なセキュリティを導入していたのである。セキュリティに鍵にダイヤル……こうも多重の防御をしていたにもかかわらずそれを掻い潜って資料を奪っていく現実が信じられなかった。

「くっ! 落ち着け!」

 震える体に鞭打ち、残された封筒に手を伸ばす。そこには「優雅姫より」と差出の名前が書かれていた。ラメ入りのインクでハートのロゴを入れて随分と可愛らしいが、この状況だとその可愛らしさは何倍にもおぞましさとなって膨れ上がってくれる。そもそも名前自体も「優雅姫」と可愛らしいようで、SNSで執拗に批判してきた者のハンドルネームの一つなのだから憎悪が増してしまう。破裂しそうな脳を抑え込む頭蓋骨。こういう時にその更に上から包み込む兜の重みが救いに感じる。

「何の目的で……!」

 封筒の口を閉ざすシールは、こちらはこちらで宝石をかたどっていて可愛らしいが。ここまで可愛らしさを推す趣味は同性に好む者は多いが、自分は好きになれない。吐き出したくなる気持ちを手を震わせながらも器用にシールにのみ叩きつけ、仇敵の臓物を引きずり出す気持ちで中身を取り出す。

――人質生活、お疲れさま。ひとまず無事の帰還を祝って、乾杯してくるといいよ。改めて私の方で招待するから、この手紙を見たら私のアカウントにDMヨロシク――

 文章もラメ入りのインクという意味では封筒と同じだが、単語を強調する感じに色を使い分けている。文末にはいつものアンチを送りつけてくる見慣れたアカウントのIDも書かれている。そしてご丁寧に飲み屋のギフト券が五千ポケ分二枚を同封されている。店の住所は近所ではあるが、とてもではないが一杯飲むなどという気分にはなれない。即座に苦情をDMに書き込もうとスマホを取る。

「待てよ?」

 その瞬間思い立つ。先に連絡すべきは優雅姫ではなく警察ではないだろうか。いくらセキュリティの穴をついているといっても、もしかすると防犯カメラに一瞬でも何者かの影が捉えられているかもしれない。それどころかこのラメ入りのインクは全部が全部直筆なのでから、警察が筆跡鑑定を行なえば見つかる可能性はありそうである。筆も手のある種族から四足の種族、数十センチの小柄なものから数メートルの大型のものかくらいは把握しうると聞く。

「いや……」

 そこまで考えたところで、ダジュは首を振る。確かに警察が来れば優雅姫とやらの正体も引きずり出せるかもしれない。だが警察が来た時に真っ先に訊いてくるのは「盗まれたものは何ですか?」であろう。まさか「政治家を脅すためにまとめておいた資料です」などとは間違っても言えない。権力の家畜たる警察にそんなことを言った日には、自分の方が逮捕されてしまうだろう。もしお茶を濁した言い方をしたところで、資料が見つかった時には必ず警察の目が触れるだろう。そうなればキープしていたはずの政治家たちが檻の中へと奪い取られ、自分も様々なネタ元を失ってしまう。

「私が、自分の手で奪い返さなくては……!」

 ダジュは歯ぎしり一つ、警察への連絡を断念する。仕方なしにSNSのアプリを開き、優雅姫が指定してきたアカウントにDMを送る。幸いブロックされてはいないようだが、いつもいつも侮辱を浴びせてきたアイコンには反吐が出る。どういう風に言い出そうかと思い適当に言いたいことを並べていたところ、いつの間にか「これで終わると思うな」という一文が出てきていた。そうだ、これで終わらせるものか。

「絶対に、後悔させてやる!」

 文頭に「手紙見た」だけを付け加え、二十文字にも満たない短いDMを送りつける。そうだ、後悔させてやろう。ダジュは学生時代、武術の大会で国内ベスト8に進出したほどの剛腕を持っている。人質になるという憂き目は見たが、それは危険な地域での取材の中でなのだから仕方ないことだ。自分の剛腕には今も自信を持っているため、罠にかかったと油断していたところを討ち取ってやればいい。こちらも警察は呼べないが、向こうだって同じことだ。ならばこの手で直々に後悔させてやるのが一番だろう。思いがけず湧いた名案に、ようやく口元が緩むダジュ。

「だったら前祝いだ。今は望むとおりにしてやろうじゃないか!」

 ダジュは封筒の中のギフト券を財布に突っ込むと、意気揚々と事務所から飛び出したのであった。






「いらっしゃいませ! 何名様でしょうか?」
「一名だ。これはこの店のだよな?」

 店のロゴが入った頭巾とエプロンを身に着けたルカリオが、快活な挨拶でダジュを出迎える。恭しくお辞儀をするルカリオに、ダジュは優雅姫から贈りつけられたギフト券を見せる。ルカリオは券を覗き込むと、すぐに首を縦に振る。

「はい、お使いいただけます。いただきものですか?」
「ああ。貰い物の中に入っていた」
「然様ですか。では、お席にご案内しますね」

 営業スマイルだろうが、この明るい態度は嫌いではない。ルカリオの案内に従い通された座敷。周りからは雑多に他の客の談笑が飛び交い、お互いをかき消し合っている。片方の席で酔ったワタッコが綿を激しく打ち鳴らしたと思えば、別の席ではデデンネが電気をスパークさせて盛り上げる。何年もこういう雰囲気からは離れていたため、やはり帰国したという実感がわいてくる。この国は、相変わらずだ。ルカリオに渡されたメニューを眺めている間に若いヒバニーがお通しを置いて行き、脇の呼び鈴のスイッチを押すと年配のデンリュウがやって来る。

「ご注文をお伺いいたします!」
「ブリー酒と、ヨワシの唐揚げを頼む」
「かしこまりました!」

 どちらもダジュの好物だ。内陸の山地で栽培されたブリーからはこの国の名物の醸造酒が作られるが、中でもダジュが愛飲しているメーカーのものと書かれていて迷うことはなかった。ヨワシの方は南海のダンジョンで獲れたものと書かれている。ダンジョンのポケモンは町で生きる者とは違い意思を持つわけではないので、こうして食用によく獲られてくる。デンリュウが出て行ったのを見てお通しを食べようと箸に手を伸ばしたその瞬間。

「ぎゃっ!」
「うわっ!」

 ただでさえ種族柄赤い顔を酒で更に赤らめたクリムガンが、ダジュの座敷に倒れ込んでくる。帰り際だろうか、随分と飲み過ぎた客だ。

「大丈夫ですか?」
「す、すみません……。すみません……」

 老いたクリムガンはえらく憔悴した様子で、店の頭巾とエプロンを着けたエモンガに手を引かれて起き上がる。ダジュと店員のエモンガに繰り返し詫びながら、覚束ない足取りで去っていく。

「あそこまで酔うほど、やってられないことでもあったのかね?」

 その背中を見送るエモンガの目は、面倒見のいい兄貴分といった様相だ。種族柄ずっと自分よりも小柄だが、こんな兄でもいれば頼もしいだろうなとダジュが少し思った瞬間。エモンガは怪訝な顔で床に手を伸ばす。

「おや? こちらはお客さんのですか? 違うのならさっきの方のですかね?」

 床に落ちていたらしい封筒を拾い、ダジュに見せるエモンガ。その瞬間、ダジュの胸中は一気に凍てつく。その封筒には例のラメ入りのインクで「優雅姫より」と書かれていたからだ。優雅姫が残していった封筒は事務所に置いて行ったはずなのに、何故ここに優雅姫の封筒が落ちているのか。

「あ、ああ……。私のだ。ありがとう」

 顔で平静を取り繕い、声が上ずらないように注意して。自分のものではないのはわかっているが、気取られないようにしながら封筒を受け取る。エモンガは「ごゆっくり」と一言残し、その場を去って行った。だがその後も思考が滅茶苦茶に入り乱れ、料理を持ってきた店員のジャノビーにも生返事で封筒を眺めてしまう。やがてある結論に至る。

「あのクリムガンも、脅されていたのか?」

 自分に対してあのような態度をとってきた優雅姫なのだから、他の者にも弱みを握って脅すようなことをしてもおかしくない。しかもこの店は優雅姫に招待されて来た場所である。優雅姫が「そういう場所」にしている可能性も十二分に考えられる。ダジュは自分の腕に自信があるので寧ろ意気揚々としていられるくらいなのだが、あの老いたクリムガンの場合弱みを握られたらどうしようもないのかもしれない。だから耐えきれずに痛飲してしまったのだとしたら。

「悪いとは思うが……」

 どちらにしてもこうして受け取ってしまった以上、クリムガンに返すにしても中身を見なければどうしようもない。その時は「道端で拾った」とでも言えばいい。それよりも書かれている内容次第では、優雅姫の不意を突けるかもしれない。事務所に残されていたものと同じ宝石をかたどったシールは既に破られていた。その口を開くと、やはり同様にラメ入りのインクで色分けされた文章が出てくる。その内容は――






「この程度!」

 ダジュは開けた扉から飛び出してきた頭ほどもある大きなトラバサミを、悠々とアシガタナで一刀両断する。続いて扉の中を確認すると、トイレであった。薄暗い中で口を開く白い陶器は、まるで奈落の底まで続いているようで。トラバサミの大きさから考えるとそんなことはあり得ないのだが、まるで便器の中から飛び出してきたかのようにも思える。

「あの老いたクリムガンなら掛かったかもしれないが、私ではこんなものは相手ではないのだよ」

 個室の中には特に誰かが潜んでいる様子もない。ただ、トラバサミの刃からは微かに異臭がするが。恐らく痺れ薬の類でも塗られているのだろう。

 優雅姫の手紙によると、あのクリムガンは上司であるドンファンのことで脅されていたらしい。何でもそのドンファンは生コンの業界を取り仕切っている親玉で、ズルズキンの女性政治家への献金をしていたというものだ。ダジュの知る限りではそのズルズキンは気鋭の政治家で、ダジュが批判している人気の政治家には強い対立姿勢を示している。一方でこのドンファンに対しては「親父様」と呼ぶくらいの仲だったとも聞いている。恐らくは優雅姫にはそれらの関係が気に入らないのだろう、口止め料の受け渡しを要求していたのである。酒場に行った日の翌日の夕方、この廃屋となったビルの最上階が指定されていた。

 現在は約束の時間よりも若干早い。あまり早く来すぎると状況を見て優雅姫が取引の延期をする可能性がある。直前を狙って向こうが準備しているところを急襲できればこれほど望ましいことはないが。実際のところ先程から至る所に罠があり、目的の場所に辿り着くのも骨が折れそうである。

「さあ、次はどう来る?」

 だというのにダジュは楽しそうに、飛んできた鉄パイプをアシガタナで叩き落す。実際のところこうして襲い来る相手の攻撃を捌く状況は、学生時代の武術の修行や試合を想起させるからだ。そんな懐かしさもあるし、優雅姫の種族は知らないが吠え面を掻かされた哀れな姿にこの手で堕とすことができると思うと興奮が止まない。着実に優雅姫を捕まえて資料を取り返し、ついでに気鋭のズルズキンたちを安心させてやりたい。取り押さえた優雅姫はクリムガンたちの所から生コンを買って、それに固めて海に沈めてやろう。そんなことを考えながら最後の階段を登りきる直前で身を伏せる。あくまでも不意を突くことを狙い、気付かれないように振舞っていたのだが……。

「ようこそだな。伏せてないでさっさと上がってきたらどうだ?」

 部屋に響き渡る男の声。同時にダジュの目の前に小石が投げつけられる。これには若干驚かざるを得ない。監視カメラでもつけていたのだろうか? 何はともあれ向こうもこちらの様子を伺っているのはわかる。もう不意打ちなどできないのだから、堂々と戦うしかないだろう。脅すターゲットをクリムガンにしていたのだから、襲ってくるのが優雅姫本人かは別にしても電気や草属性を備えているとは思えないが……。

「お前は……優雅姫の仲間か?」

 階段を登りきったダジュの目の前には、酒場の店員のエモンガが腕を組んで立っていた。確かクリムガンに対する優雅姫の脅しの手紙を拾い渡してきた相手である。それが目の前にいるということは、恐らくはあの段階から優雅姫は仲間を店に雇わせ入り込ませていたのだろう。店全体が優雅姫とつながっているかは不明だが。

「俺が、優雅姫だ!」

 耳を疑った。向こうは確かにエモンガという小柄な種族ではあるが、顔つきも声の質も「野郎」そのものでありとても「優雅姫」などという可愛らしい名前を使うとは思えないからだ。それが余程顔に出ていたのか、優雅姫は嬉しそうに口元を吊り上げる。

「流石にこういうことをするんだから、途中の段階で俺と優雅姫をイコールで結びつけられたら困るからな。敢えて女性趣味を全開にすることで、世間の目を欺いてたわけだ」

 確かに騙されたのは間違いない。こんな「野郎」そのものである相手が、ラメ入りのインクやハートのシールで手紙をデコレーションするような趣味だとは誰が思うだろうか。こちらをあざ笑うかのような態度に、ダジュは歯ぎしり一つ。

「汚い……! 何処までも汚らしい野郎だ!」
「ははっ! ついでに言えば俺はあの店の店員だったわけじゃない。店の奥からちょっと制服を拝借しただけだ。その方がお前に疑われずに近付けるからな」

 更に突き付けられた事実に、ダジュは戦慄する。店に雇われるにあたってはある程度の身分証明は必要であるはずだから、最悪は警察に突き出せば店員であれば足が付く可能性がある。だがダジュの事務所のあの警戒を掻い潜って資料を盗めるような優雅姫には、そんなことをする必要が無かったのだ。優雅姫が店に行く頻度にもよるが、ギフト券を買ったときと合わせて二回程度行った客では店も覚えてはいないだろう。

「じゃあ、あのクリムガンもお前の味方なのか?」
「いや。あれは知らない。本当に偶然お前の客間に倒れ込んだ他所の客。本当は『前の客の忘れ物』とでもしようと思ってたんだが、丁度いいから使わせてもらった」

 嗚呼、運も仇為すかとダジュは呪わざるを得ない。この程度の差ならそこまで大きくはないと思えなくもないのだが、それでも優雅姫に近づくきっかけを与えてくれた天を呪わざるを得ない。確かに思い返してみれば手紙には宛先をクリムガンに特定できる要素はなく、ただ「あんた」等の言葉で書かれていただけである。余程の偶然でもなければ、あのクリムガンがドンファンやズルズキンとつながっていることはないだろう。

「てことは、そもそもあの手紙は私をここに誘い出すものだったのか? しかも内容も全くの出鱈目だったってことか?」
「まあ、お前をここに誘い出したかったのは間違いないな。あれの真偽は、自分で確かめてみろ?」

 優雅姫は鼻で笑うと、両手をダジュに向けて突き出し構える。同時に空気が渦巻き刃となり、双振りの刃を形成する。

「生きて帰れたらな」

 エアスラッシュで作った刃を手に、優雅姫は一直線にダジュの眼前に切り込む。ダジュが構えたアシガタナを、優雅姫は空の双剣で打ち付ける。ダジュが押し返す勢いを利用して飛び退き、優雅姫はダジュから大きく距離をとる。天井が高い作りになっているのは、小柄で飛び回るのに有利な種族の優雅姫にはおあつらえ向けだろう。

「ご挨拶だな!」

 天井まで飛び上がると、優雅姫は体を返して床に跳ねるべく天井を蹴る。ダジュはその後ろを突進する。勿論罠の有無は警戒するが、それよりも今確実にこのエモンガを仕留めたい。着地して向き直し刃を構える優雅姫に、ダジュは右のアシガタナを袈裟斬りに振るう。軽く斜めに飛んで躱す優雅姫の軌道を、次は左のアシガタナで突き込む。体格こそ違うが双剣が得物であることが共通である以上、負けられない。ましてやこちらは全国大会ベスト8の実力者なのだから、負けてはその名声が泣く。

「上等!」

 優雅姫は双剣を交差させ、ダジュの突きを空中で受け止める。小柄な体では踏ん張れないし、そもそも踏ん張る気も無いらしい。弾かれるに任せて宙を退き、右の刃を投げて飛ばす。回転のかかった刃は真っ直ぐダジュの真正面へと斬り込む。ダジュは優雅姫を突いた方のアシガタナを返し、刃を打ち払う。両後ろ脚を大きく開いて直立するダジュの脇腹目掛けて、優雅姫は次の刃を投げ込んでいた。ダジュは先の払いの動きから更に体を軽く反らし、回転する刃を躱す。その刃に続いて優雅姫は再び両手に刃を形成しながら突っ込んでくる。

「軽い!」

 ダジュも左右のアシガタナを合わせ、優雅姫の斬り込みを受け止める。口では「軽い」と言ってみたものの、体格の割には重みがある。一応こうして勝負を挑んでくるだけのことはあるのだろう。しかしここからの押し合いなら体格が物を言う。押え込めば時間の問題。そう思った瞬間だった。

「がはっ!」

 ダジュの背筋に激痛が走り、思わず片方のアシガタナを取り落としてしまう。優雅姫はその隙を逃さず強く押し込み、ダジュをのけ反らせる。体勢を整えようとしたダジュだったが、一度崩れたものを一瞬で立て直せるわけがなく。押し戻されて宙に浮いたもう片方のアシガタナを持つ方の肘を撃ち込み、優雅姫はダジュの得物を両方とも落とさせる。

「馬……鹿なっ!」

 その瞬間になってようやく、ダジュの背中を撃ったのはブーメラン状に回転するエアスラッシュであったことに気付く。回転がかかっているためその軌道は湾曲し、最後はこちらに戻ってきたのである。気付いたところでもう遅い。優雅姫は左の刃でダジュの腹を突き込む。ダジュは突き飛ばされて派手に尻餅をつく。次は無防備に晒された顎を下から打ち上げる。小柄な優雅姫にとってはあまりにも綺麗に狙える位置であり、宙を回転すること数度。着地の瞬間には仰向けのダジュの腹を見ることになる。

「無様なものだな、全国ベスト8さん?」

 より鋭利にした刃をダジュの喉元に突き付け、優雅姫は悠々と言い放つ。その威に押さえつけられた前で一度呻くと、ダジュは息を漏らして力を抜く。完敗だ。

「知ってた……のか?」
「ああ。だからお前の試合の映像を集めた上で癖を探り、その癖を確認する形で罠を仕掛けまくった。それを踏み越える様子も、しっかり監視カメラで見せてもらったぜ?」

 どうやらこの建物に入った時点で、ダジュの敗北は確定していたらしい。地の実力こそ優雅姫の方が優れているかはわからないが、ダジュの試合の映像を見れば戦い方の大まかなところは確かに見抜けなくはない。見抜けたからこそこうして勝負に挑んできたのだ。勿論学生時代からは期間も空いているが、それでも癖が変わらないことを数々の罠で確認したのであろう。或いは学生時代を思い起こさせて癖を引き出させたのかもしれない。勿論罠の段階で仕留められればそれはそれで結果オーライだったが。

「殺せ……。お前の要求など聞かん……」

 あまりにも屈辱だった。確かに向こうはダジュの苦手とする電気属性の攻撃は持っていたのだろうが、それを全く使わなかったのだから。資料も取り返せず優雅姫に奪われたものはあまりにも多すぎたため、せめて優雅姫の目的を達成することだけは避けたかったのだが。

「殺しはしない。ただ、反省してもらおうとな」

 仰向けで四肢を投げ出し全てを受け入れる体勢のダジュに、しかし優雅姫は勝利の笑みを微塵も浮かべることはなく。いつの間にかエアスラッシュの刃は消え去っており、代わりにその手に雷電の閃光を纏わせる。その手をまっすぐと伸ばすと……。

「ぐあぁぁぁあっ!」

 無防備となったダジュの左脇腹に押し当てる。感覚的に敏感な場所を、敗北を突き付けた上で弱点属性で貫く外道。命に至るような威力ではなく、ダジュの苦痛を最大化させるように計算されつくした威力。それもやがて感じられなくなり、左脚の感覚が失われているのだけはわかった。

「こうして単身ここに現れた辺り、反省していないのはよーくわかった」

 僅かに顔を上げたダジュの目に、優雅姫の顔が映る。無様さを哂うわけでも加虐に狂喜するでもなく、ただ冷徹にダジュを見下ろし。その態度と先の「反省」という一言に加え、相手は自分が危険地での取材の中で拘束されたことを自業自得論で批判してきたその一であったことから一つの予想に思い至る。

「お前……私を処罰する正義漢のつもりか?」
「少なくとも正義漢を名乗るつもりはない。なんでかって言うとな……」

 打ちのめした上に電気で麻痺をさせて、既に相手が動けないのを確認した優雅姫。廊下の片隅に佇む古びたロッカーを開け、中からロープを取り出す。そしてロープでダジュの両腕を胴に縛り付け、両脚をひとまとめに括る。更に容赦はしないとばかりに、全身を網目状になるように絡みつかせていく。感覚も全てが麻痺しているわけではないため、ロープが食い込む部分には痛みを感じる。

「お前の撒き散らす害は、もう正当なやり方じゃ止められないからだ」

 優雅姫はロッカーの上に飛び乗ると、体を一振りして重心を傾かせる。そのまま重力に引かれてロッカーはゆっくりと横になる。軽く声を上げると、ロッカーは小さな優雅姫の体の上でバランスを保ち始めた。小柄ではあっても剛腕のダジュとある程度は押しあえるので、それだけの力はあるのがわかる。

「この蛮行で罪に問われるなら、甘んじて受けるつもりだぜ?」

 ロッカーをダジュの隣に寝せると、ダジュの腰の部分のロープを掴み引き上げる。ダジュの体が重いということはないようだが、小柄な体躯のため思いっきり腕を伸ばさないとロッカーのふちに手が届かないのだ。突き飛ばすように押し込むと、ダジュの体は二つ折りでロッカーのふちにぶら下がる格好となる。流石にここまでくればあとは簡単だ。優雅姫はロッカーの中に入ると、ダジュの背中のロープを掴んで前半身を引き摺り込む。

「もっとも、罪に問われるところまでいけばの話だがな」

 言いながらダジュの頭の甲冑状の甲羅に手を伸ばす。電気属性である優雅姫であれば、四六時中電波を放つそれの存在に気付くのは造作ない。ダジュも一応捕まる可能性を考えていなかったわけではなく、念のためにスマホのGPSをオンにしていたのである。もし自分が捕まっても拘束されている場所がGPSでわかるという算段だった。だが優雅姫の手元にそれが握られた今、最後の希望も絶望へと堕ちる。優雅姫が手に電撃を纏わせるとそれで一瞬、スマホは無残な音を立てて弾け飛ぶ。細かい部品は飛び散るが、全てこのロッカーの中。ダジュの行方がわからないという話になると数日後にはGPSを追ってここに警察が来るだろうが、スマホの部品が欠片も残っていなければそれ以上はお手上げだろう。

「あとはお前の事務所にもう一度忍び込んで、俺の手紙とかを回収すればそれで終わりだ」

 言いながら優雅姫はロッカーから這い出る。言う通り「罪に問われるところまでいかない」ことを重視した徹底的な用心深さだ。このような能力があるならもっと適切な分野を見つけて発揮すればいいのにと思いながら、ダジュは歯ぎしり一つ。優雅姫は開かれたロッカーの扉の下に回り、それを閉じるために突き飛ばす。次の瞬間ダジュの視界は夕刻の西日から完全に隔離される。納棺される遺体もこのような気持ちなのだろうかと思わずにはいられない。

「南無阿弥陀仏、だな」

 優雅姫も納棺を連想したのだろうか、軽く冗句を呟く。あとは搬出作業だ。先程はロッカーの陰に隠れていた自前のウインチを台車で運び、ダジュが閉ざされた棺ロッカーの脇の柱に括りつけて固定する。ロッカーを台車に載せて両端をロープで括り固定すると、そのまま窓の手前まで運んでいく。既に古びておりガラスは破れていたため、事前に足元の破片を払い格子を外しておいた。そこからダジュの入ったロッカーを吊るす。結構な高さがあるため、落下することになればダジュとは言え死にかねない。先程念仏を唱えはしたが、この後の目的があるのだから死なせるわけにはいかない。

 ウインチのところに戻り、重いハンドルをゆっくりと回す。時刻は夕刻前のため見る者はいるかもしれない。だが傍から見れば中に残された古いロッカーを搬出する作業にしか見えないだろう。中にダジュが入っているなどとは誰も思わず、即座に通報することはないだろう。勿論後日警察が捜査に入ればその時には「あれで運び出していたのか」という証言にまでは達するとは思うが、壁の向こうの優雅姫の姿まで見えることはないだろう。寧ろ下手に夜中に運び出せば「なんでこんな時間に搬出作業を?」と疑問に思われかねない。その辺も優雅姫は狙っていたらしい。






 どれほど時間が経っただろうか。ロッカーという棺の中のダジュには、恐らく軽トラックか何かで遠くに運ばれたことしかわからない。その間はずっと優雅姫の「お前の撒き散らす害」という言葉が頭の中に渦巻き続けていた。自分は確かに拘束されることで迷惑は掛けたかもしれない。だがそれは危険な地域の情報をこの国にもたらす中で起きたことであり、自分のような者がいなければこの国の者たちはそんな地域の事情を知らずに生きることになるだろう。それを「害」ばかりを言われて黙っている気にはなれない、そんな気持ちが大きくなっていった。

「さて、長旅お疲れ様だな?」

 優雅姫の野卑な声とともに、ロッカーの中の闇は一気に開かれる。電灯の作られた光といった印象だが、光であることには変わりない。外ではどの程度の時間が流れていたかはわからないが、とても久々の光のように感じる。手足の痺れは若干引いた気がするが、こうもロープで拘束されていては結局何もできない。横向きに開かれたロッカーから、ダジュは優雅姫に引きずり出されるままだ。

「何故だ?」
「ん?」
「私は、この国の中では知ることができない情報を取材するために危険地域に行った。勿論拘束されて迷惑をかけたのは悪かったが、私のように危険な場所に行く者も必要なんじゃないのか?」

 ダジュが引きずり出されたのはそれなりに柔らかいマットレスの上である。安い中古品を買ったのか若干嫌な臭いが鼻につくが、寧ろ硬い床に投げ出されなかったことに意外性を感じるほどだ。だがその一瞬の意外性はあっても、優雅姫のやることを庇い立てられるほどではない。優雅姫は自分の行いを「害」と言い捨て、あまつさえも「正当なやり方では止められない」とまで言い放った。認めることはできないのと自らの不屈の意思を奮わせるため、怒気を込めて切り出すが。

「はんっ! お笑いでしかないな!」
「何がだ?」
「危険な地域に行くやつが必要だってこと、俺だって百も承知だっての」

 自らの正当性を訴えていけば、ひょっとしたらどこかで優雅姫が折れて釈放するかもしれない。或いはもし仮に逆上して殺されたとしても、優雅姫の心に傷を残せるならここまで至った状況では満足とすることができる。しかし優雅姫から返ってきた答えは少々意外なものだった。

「ほう、必要なことをやっている私を……こうして拘束したわけか?」

 建物は見た限り簡素な作りのログハウスで、窓一つないため今の時間帯はわからない。隙間風が漏れている感じはないのだが、どちらかと言うと自分が声を上げても大丈夫なようにという意図なのだろう。実際のところ外からの音も全く聞こえない。電灯に照らされ優雅姫と自分だけの、完全に隔離された不気味な空間だ。

「行くやつ自体は必要だが、それに『お前』を選ぶ理由が無いからだ。他の安全に取材をこなせるやつじゃなくて、なんで『お前』を選ばないといけないんだ?」

 二度。優雅姫はどちらの『お前』も強調した。若干ため息交じりの呆れ口調ではあるが、その一方でこの言い合いを望んでいた様子もある。おもむろにダジュの正面に立ち、若干かがんで寝そべった状態にさせられているダジュに目線を合わせる。ダジュの額の棘の生えた角は多少振るったところで当たらない位置ではあるが。

「確かに私はダイケンキという種族だ。危険地での取材はもっと有利な種族もいるだろうが……そういった種族には無い特性を活かせる場面だってあるだろう?」
「それは拘束されて害をまき散らすことが無い場合の話だ。まず絶対条件として害をまき散らさないことが大前提で、種族や性別に隠れた意外性を求めるのはその次なんだよ」

 こういった危険地等の様々なものが錯綜する場に行くのは、どうしても種族的に限られることが多い。波導による探知能力に優れたルカリオや、幻影による隠密能力に優れたゾロアーク等。しかも男性の方が圧倒的に多い。ダジュはその風潮が気に入らず、そういった種族でもない上に女性の自分でもできることがあるということを示したかったのだ。だが実際、何度も拘束されて優雅姫の言う「害をまき散らす」状況になっているのは否定できない。

「お前を批判することが許されないのは、お前が害をまき散らしていない状況であっての話だ。確かにお前が害をまき散らしていないのに批判するなら『差別』と言えるがな」

 優雅姫は指先でダジュの角を弾く。ダジュは種族もそうだが、武術の大会で上位に食い込むほどの剛腕なのだ。寧ろ逃げも隠れもする必要のない場に活躍の路を求めるべきだったと言わんばかりだ。先程ダジュは優雅姫のこの凶行に「正しい活躍の場を求めればいいのに」と思ったが、それが自分に戻ってきた格好だ。思わぬ形にダジュは面食らうが、しかしそれでも引き下がることはできない。

「だが、だが! 私は取材のために危険地域に乗り込んだわけだ。その行動を何もしていないお前たちがどうして批判するんだ!」
「俺たちは何も危険地域に行く全員が全員を批判しているわけじゃない。お前以外にも戦場カメラマンとかこの国の出身者にいるわけだが、お前のような批判は受けてないはずだぜ?」

 引き下がれずに切り出したその先で、更に新たな一本を入れられるとは思わなかった。或いは優雅姫もこの辺に出てくることは予想していたのかもしれない。戦場カメラマン等の危険地取材を行う者は、実際この国出身者でもダジュだけではない。そしてそれらの者たちがダジュのような批判を受けているという話は聞いたことがない。思わず唸ってしまうダジュ。優雅姫の言葉に切り返せるだけのものを頭の中から絞り出そうと求めるが。

「まあどうせお前のことだから『人気のある政治家に批判的な発言をしていたから』としか思ってなかったんだろう? そうやって相手を『勢力』で見る考え方は、お前のやることを『種族に合わない』と批判した連中とどう違いがあるよ?」

 ダジュが出すより先に、優雅姫が突きつけてきた言葉に叩き落されてしまう。このエモンガは武力でも舌戦でも誘い出すだけ誘い出して、徹底的に叩き落してくれるらしい。SNS上なら何百何千の言葉に埋もれることもあり、この現実に気付かずにいることができたというのに。限られた空間の中でぶつけ合うからこそ、言葉の重みが違うというのを感じずにはいられない。記事を無数の群衆の中に一方的に投じる自分の生業に疑問を感じそうになってしまう。記事よりも拘束されたことに耳目が集まってしまうほど自らの仕事が軽かったことを、受け入れたくはないというのに。

「まあいい。どうせいくら口で言ったって、お前が簡単に変わることは無いと思っている。だからな……」

 優雅姫は傍らに横たわる鞄のファスナーを開ける。中から取り出したのはプラスチックのパッケージに入れられた何かと、白銀の糊のような何かが入った瓶。優雅姫はパッケージを開き中のものを左手に装着すると、右手で瓶を開けて中のものを左手の「それ」に振りかけ……。

「言葉なんか捨てて、お前の体に直接叩き込むことにした」
「それはっ!」

 ダジュは眼前に突き付けられた代物に唖然とする。ゴムのような伸縮性の抜群な素材に複雑な凹凸をつけてある。体に性的な刺激を与えて弄ぶ、所謂「玩具」だ。ダジュ自身は性的な刺激を好むわけではないが、自らの記事を売り込むために何度か男性と夜を共にしたことはある。そういう体の使い方をしたことに対して汚らわしさがあったため、心のどこまでも奥深くに封じ込めてきたというのに。

「お前を縛った時に見ていて思ったんだが、結構エロい体してるよな。本当は電撃やエアスラッシュで暴力の限りを尽くすつもりだったんだが、一段だけ減じてやる」
「やめろっ!」

 優雅姫の口からは「減じてやる」という言葉が出たが、ダジュにしてみれば冗談じゃない。これなら暴力の限りを尽くされた方がマシであると。汚らわしい過去の行為は、それでも「記事を売り込み遠い世界のことを伝える」という崇高な目的のために耐えてきた。だが今のダジュに売り込む記事も無ければ、優雅姫に買うような立場も無い。そんな状況で汚らわしさに身を堕とすなどとても耐えられない。だが優雅姫が自らの腿に触れた瞬間、堰を切ったように崩れ落ちてきた。

「いやぁぁぁあっ!」

 心の奥底に固く封じ込めてきた、汚らわしい過去のトラウマが。
























「一段だけ減じてやる」

 言いながら自分でも、馬鹿な言葉だと感じる。目の前のダイケンキが記事を売り込むために枕営業をした過去があるかなどは知らない。だが枕営業ならまだ許せたかもしれないが、形はどうあれ理想のようなものを抱く女性が凌辱を受け入れられるとは思えない。武術に通じているくらいだし、暴力の方がまだ許せるに決まっている。それをわかっていて言うのだから、当然「馬鹿な言葉」のわけだ。

「やめろっ!」

 効果は抜群とばかりに恐怖するダジュの叫びをよそに、優雅姫はダジュの全身を見回す。先程網の目の如く括りつけたロープは、健康的で張りのいいダジュの肉に若干食い込んでいる。海獣の中でもダイケンキという種族は細かい体毛で徹底的に覆われており、遠目では滑らかな肌とも見紛うほどだ。だが寒い海ではこの体毛が体の冷えから身を守ってくれるとも聞く。胸は種族柄以上に鍛えられた屈強な肉体でありながら、後ろ半身に目線を流していくと吸い込まれるようなくびれはそそるものはある。そして……。

「いやぁぁぁあっ!」

 腿に手を伸ばした瞬間の絶叫には、ここまできた優雅姫も若干驚かされた。余程精神的に深いところを刺激してしまったのだろうか。鍛え上げられたのを示すように、彼女の腿は肉厚だ。拒絶に強張り硬くなっているのもまたそそるものがある。そしてその腿の存在によって内股の大事なところが隠れているもどかしさもまた煽情的だ。最初は「口先では『一等減じてやる』と言いながら究極の恥辱に堕とす」つもりで用意した玩具だったが、彼女自身がこれほど煽情的な肉体をしているとは思わなかった。

「うるさい!」
「がぁあああっ!」

 言いながら電撃を手にまとわせ、脇腹へと入り込ませる。刹那はじける音とともに、ダジュは大きく体をのけ反らせる。叫んだことへの制裁だけではない。彼女の体を縛る麻痺が、時間経過で若干和らいでいるのが見て取れたからだ。この扇情的な肉体、ぜひロープを解いてじっくりと眺めまわしたい。或いはその視線もダジュへの屈辱となるかもしれないが、もうどうでもいいことだ。とにかくロープを解くためには麻痺を万全なものにしないといけない。

「あーあ、つい手が出ちまったな。あんまりうるさく叫ぶから……つい、な。まあ、ここから先叫ぶなって方が無理か?」

 電気属性の目で見れば、麻痺が再び深くなったことはよくわかる。それは体を動かす部分を徹底的に麻痺させるもので、感覚的な部分は「そこ」を中心に残してある。ダジュの顔に目を向けてみれば、甲羅の隙間から恐怖と絶望に染まり切った目が見える。性的な屈辱は暴力よりも耐え難いことであるが、両方が重なるのは更に苦しいらしい。自分でも思ってもみなかった効果の抜群さだ。だが一方で、寧ろ叫び声をもっと聞きたいという気持ちも芽生えてしまう。

「うぅ……」
「先が長いから、あんまり一度に虐めすぎるのも酷か? 少しだけ楽にしてやるよ」

 言いながらダジュの体を拘束するロープを引っ張った次の瞬間。砂上の楼閣の崩れるがごとく、ロープが一瞬で解け落ちる。麻痺している部分は多いが、それでも全てのロープが落ちたことを感じ取ったダジュは流石に愕然とした。

「これは……?」
「俺の特製の縛り方だ。俺が知っているように引っ張れば一気に崩れ落ちるが、無茶な引っ張り方をすればどこまでもどこまでも締め上げていく……」

 解いてみたものの、毛の乱れが網目状になっておりその点はみすぼらしい姿だ。楽しむなら体の毛並みを整えてやりたい。とは言え世話をするなら眠っている間だ。苦痛と屈辱を与え続ける日々を過ごさせるのだから、期待を持たせてはいけない。優雅姫は説明に合わせて両手で締め上げるジェスチャーをして見せ。

「それはもう、血が止まるどころか皮を裂き骨を砕こうがお構いなしにな!」

 実際、このロープの縛り方を発見したときは自分でもげんなりしたものだ。その時の気分は今も頭の中を占めているのだが、だというのにこの興奮は何なのだろうか。瞳を濡らし顎を震わせ恐怖するダジュに対して、自分は何処までも狂っていると感じる。その狂気がダジュに伝わっているからこそ、向こうも尚更に恐怖するのだろう。

「さ、て?」

 優雅姫はダジュの胸の下に思いっきり腕を突っ込む。強張る硬さと震える柔らかさ、そして鼓動と熱。全てが優雅姫の頭の奥までを刺激する。だがまだ始まってすらいない。全身の力を込め、ダジュを仰向けにひっくり返す。

「ふむ?」

 胸の肉付きを強調するかのように、毛並みの色が分かれ目となっている。その膨らみはいくら撫でまわしても飽きることは無いだろう。腹回りのくびれはこの姿勢でも、寧ろ色白の毛並みのお陰でことさらに強調される気がする。その色が向かっていく先は彼女の一番大切な……。仰向けになるとその場所が恐ろしいほどに強調される。

「くっ!」

 そして聞こえてくるのはぎりぎりというダジュの歯ぎしり。目線だけでも相当に耐えかねているのがよくわかる。まだまだ苛め抜いていきたい気持ちもあるが、自分の欲望の方も次々と押し寄せており。

「そらっ!」
「っ……!」

 ローションにまみれた玩具を秘所に押し当てるだけで、ダジュはバネのように全身を竦ませる。だが先程の言葉が余程効いているのか、声を上げるのは必死に堪えている様子だ。ひとしきりより強い歯ぎしりを響かせると、その後は必死に息をして全身に駆け巡るものをなだめている。

「まだ撫でただけだぜ! これから入っていくんだぞ?」

 優雅姫は言いながら、割れ目をより深く撫で上げる。肩や腰は激しく震わせているが、そこから繋がる先が動かず抵抗にならない。二度目で割れ目を広げるように。三度目で更に深く……そう思った瞬間。

「いやぁあああっ!」

 ダジュは音を立てて潮を吹き。待ち望んだ声が出たところで、次の待つのは制裁だ。それを知らしめようとダジュと目を合わせようとしたが。

「ありゃ、こりゃ酷い」

 ダジュは白目を剥いて気絶していた。駆け巡る性感と次に来るものの恐怖に左右から引っ張られ、意識が引きちぎられたのだ。勿論電撃を浴びせて目を醒まさせてもいい。だが先は長いのだ。今日のところはこのくらいにしておこう。






「お前が捕まることで、関係ないやつが巻き込まれて状況が変わったんだ。お前は『現地のありのままの姿を』と言っていたが、お前の存在のお陰でどれだけ現地の姿は歪んでいるんだろうな?」
「うぅ……」

 仰向けの状態で四肢を投げ出すダジュに対し、いつも通り説教から入った。だがすっかりダジュは己の考えを投げ出しており、時々呻く程度で終わってしまう。価値観を異にする相手なのだから思わぬ角度から反撃があればそれは新たな勉強になるのだが、もうダジュにそれを期待することはできないだろう。

「さて。説教はこのくらいにしておくか。それでだ。お前の性病の検査結果が出たぞ」

 その瞬間、ダジュは目を剥く。この閉ざされた空間でどれだけの時間が過ぎたのかはもうわかってはいないだろうが、玩具による責めはもう何度となくおこなってきた。それでも本番を始める様子が無いのだから、そちらに手を染める気はないのだといい加減勘違いしていた頃だろう。拘束されていた期間に強姦されていたことも考えられるので、性病の感染を恐れていてのことだったのだ。ダジュは辛うじて動く顎をわなわなと震わせる。自分の体のことであるというのに、どうか何かしらの病気を持っていて欲しいと祈らずにはいられなかった。

「全部陰性! おめでとう! 遂に本番ができるな!」

 祈りは打ち砕かれた。優雅姫は検査結果と思われる書類をダジュの目の前に広げて見せるが、もうそんなものは頭に入らない。勝ち誇ったように、優雅姫は書類を投げ捨てると股間に手を伸ばす。

「ずっと我慢してたが、ようやくたっぷり出してやれるぜ。まあ、お前にとってはこのサイズは物足りないか?」

 優雅姫の陰茎はへその辺りまで伸び、今か今かと待ち焦がれるように力を持っている。だが種族的な小柄さの壁は大きく、サイズだけは可愛らしいものである。だがダジュにしてみれば、今はそんな小物ですら伝説に登場する凶刃をも上回る恐怖を感じさせてくれる。

「さて。この数日で少しはほぐれていることだし、遠慮なく挿れさせてもらうぜ?」

 言うが早いか、優雅姫はダジュの下腹部にまたがり男根の先端を押し当てる。今まで責めに使ってきた玩具は優雅姫のものよりもずっと大きかったため、それはすんなりと入った。これなら孕むほどまで深い場所には出ないかもしれない。そもそも来てからの栄養摂取は全て注射でおこなってきたため、子を宿すだけの体力もないと思った。その瞬間。

「うぐあぁぁぁっ!」

 膣の内部に迸る電撃に、ダジュは絶叫する。叫ぶことすら恐怖するように仕込まれていたというのに、それすらも抑えられず叫ぶ。優雅姫は手先からも電撃を出せるのは見ていたが、まさかペニスの先から電撃を放てるなんて思ってもみなかっただろう。こういうことをするのでなければ役には立たない能力であるが、逆に今は見事に急所を射抜いている。

「いやっ! いやっ!」

 優雅姫の体格だと雄槍自体は腰を振ったところで大きな刺激ではないのだが、電撃が中でうごめいて暴れまわっているのがダジュの全てを狂わせているらしい。一方で優雅姫もダジュをここに連れ込んでから、玩具での責めだけで我慢していたのだ。迫るものはそこまで来ており。

「お、おぅふっ!」
「やぁあああぁぁぁんっ!」

 優雅姫の射精が最後の刺激となり、ダジュもまた絶頂の潮を吹く。そのまままた頭を投げ出し、すぐにでも白目を剥きそうなのが分かった。そんなダジュの腹を一撫ですると。

「へっ、へへっ……! これで終わりじゃないぜ?」

 快楽やまず覚束ない足取りで、部屋の片隅へと向かう。そこにある地味な腕輪のようなものに手を伸ばすと、優雅姫の体は光に包まれ。

「これは、耐えられるかな?」

 瞬く間に、優雅姫の体は巨大化していく。異邦で開発された秘術、ダイマックス。エネルギーの集まる場所で媒介となるねがいぼしと共鳴することで体を巨大化させるものだ。ちなみにこの場所だけでなく、実はダジュと刃を交えた廃ビルも同じくエネルギーが集まる場所だった。万が一読み違いで不利になることになれば使おうと思ったのだが、結局必要はなく今の今まで持ち越しになっていたのだ。

「待て! そんな! そんなもの、いくらなんでも!」

 優雅姫の体は既に廃屋にいっぱいいっぱいまで膨らんでおり、それに合わせて性器も巨大化していた。そんなものを受け入れては体がもたないと、ダジュは必死に哀願するが。

「知ったことじゃねえ!」

 優雅姫はほぐすこともせず、遠慮なくダジュの膣内にねじ込む。しかも先程同様に、電撃を纏わせてである。

「あ……っ! が……っ!」

 ダジュは絶頂の潮だけではなく、尿まで垂れ流してしまっていた。そもそも動けない状況なので排泄もここに来てからマットに垂れ流しだったのだが。薄れゆく意識の中で、ダジュは「こんな無様な姿、誰にも知られたくはない」という思いだけは芽生えていた。






「やっぱりこっちの方が楽しめるな」

 優雅姫はダジュの秘所から性器を抜く。巨大化している分相対的に締め付けられるため、ダイマックスしている間の方が優雅姫にとっては楽しめるらしい。仰向けで意識も朦朧としている状態で、ダジュは全てを投げ出している。涙腺も秘所も緩み切っており、どちらからもだくだくと汁をこぼしている。

「しっかし見れば見るほどエロい体だよな」

 ダイマックスを維持できる時間は短く、しかもその後はしばらく使うことができない。元の体に戻った優雅姫はダジュの脇腹に両手を伸ばす。薄れゆく意識の中でも感じてしまっているらしく、体を震わせるダジュ。ダイケンキ特有の脇腹のくびれから、左手は股下のラインをなぞるように、右手は尻の肉付きを検めるように。アシガタナを振るう勇猛な種族という印象が一般的だが、この肉付きは何度見ても官能的だ。

「ここに来たときはまだ張りや硬さがあったってのに、すっかり弱弱しい体になっちまったな?」

 言いながら優雅姫は手首を返し、そのままダジュに腹の上に馬乗りになりながら左右の胸に滑り込ませる。ここに来たときはアシガタナを振るう屈強な胸板だったのだが、ロープや麻痺に拘束されて動けない状態が長かったため、すっかり筋力は落ちてしまっている。揉み込まれて思わず強張る反応は、日に日に弱くなっていくのがわかる優雅姫である。

「こんな姿見たら、他の連中はどう思うだろうな? 全国ベスト8さん?」

 輝かしく思っていた自らの経歴を突き付けられ、ダジュは歯噛みする。勇猛な武闘派の側面も持つため、それが敵の手に堕ちて垂れ流しの生活をさせられたなどと知られたらどうなるだろう。マットは行為のたびに交換してもらえてはいるが、それでも干しただけでろくな洗浄はしていないのだろう。行為の最中の汗やよだれや両者の絶頂の液と、トイレに行くこともできず垂れ流した排尿のにおいが染みついている。

「さ、て。じゃあまた出かけてくるぜ?」

 優雅姫はダジュの体を紐で拘束することなく、そのまま扉を開けて出て行ってしまった。麻痺は時間経過に伴い抜けていくため、それさえ抜ければ逃げ出せるのではないか。そう思った瞬間、既に麻痺が抜けきっていた自らの体に気付く。

――無理か……。

 長い間拘束されて動けなかった状況で、既に筋力は完全に弱り切っていた。逃げ出そうにも立ち上がることもできない体とわかり、絶望するほかなかった。優雅姫が次に戻ってくるまでの間でも、扉を開けて外に出ることも難しいだろう。

――外国での拘束でも、こんなことはなかったのに……。

 帰国したときに出された健康診断の結果は、おおむね問題なしとのことだった。仮に解放されたとしても、これでは何か月ものリハビリを必要とされるだろう。自分がここからどこまで復活できるかも見えない恐怖に歯噛みした瞬間、股の間が熱くなるのを感じる。垂れ流しの日々が続いたため、ちょっとしたことでも失禁するようになってしまったのだ。






 既にどれほどの期間拘束されたかわからない。ロープでの拘束も無くなってからだって何度行為を繰り返したのかもわからない。優雅姫はいつものようにダイマックスを解く。この後はまたマットを替えて出ていくのだろうと思った瞬間。優雅姫はダジュをマットから降ろさず、乗せたままドアの外に引きずって行く。

「飽きた」

 優雅姫の一言が、何故かダジュの心を打ち砕いた。扉を開けて久方ぶりの外だが、現在は漆黒の闇夜だ。ログハウス内から漏れる明かりのお陰で、辛うじて森の中だとわかる程度だ。

「どうせ証拠も残してないし、世話が面倒なだけだ。もうどこにでも行っちまえよ」

 ログハウスの階段から地面までマットに乗せられた状態で運ばれ、言い捨てられるダジュ。つまりは解放してくれるということなのだが、まったくもってそれを「解放」と取ることができなかった。拘束されて何年になったのかはわからないが、この状態で衆目の前に出たとしてどんな言葉が並べられるかの恐怖が先に来てしまう。

「この三か月、十分楽しませてもらったよ」

 優雅姫の一言で、ダジュは更に追い打ちを掛けられる。自分の中では何年も拘束されているという感覚だったのだが、外ではまだ三か月しか経っていないらしい。時間の感覚すらも喪失していることが、さらなる衝撃を与えるのであった。

「ほら、行けよ!」

 言いながら優雅姫はダジュの尻を軽く蹴り上げる。尻の肉もすっかり痩せ細っており、震え方も鈍い。勿論それで動けるようになるばかりではなく、股の間が熱くなるのが分かった。わずかな刺激でも失禁するような体に出来上がってしまったのである。

「頼む……」
「何だ?」
「こんな無様な姿、誰にも見せられない。このままここにいさせてくれ。頼む……」

 ダジュは言いながら目を閉じる。優雅姫のことだから、殺してくれと頼んでも聞かないだろう。だからせめてこのままここで恥を晒すことなく消えてしまいたいのだ。

「そうか。なら……」

 優雅姫はエアスラッシュの刃を構えると、ダジュの眼前を一閃する。ダイケンキの額には甲冑から伸びた角があるのだが、それを斬り飛ばしたのだ。ダジュの角は宙で高速で回転し、そのまま隣に突き立つ。それはさながら墓標の如く。

「まだ使っていないこっちで奉仕してもらおうか」

 優雅姫はダジュの眼前に立ち、毛並みの中からものを引き出す。何度見せられても種族柄小さいとは思わされるが、ダジュ自身もこれで数知れず泣かされてきたのだから何も言えない。

「わかった、わかった……」

 ダジュは開けられるだけ口を開く。と言ってもここに来てからの栄養は注射のみでおこなってきたため、口を動かすのは嬌声を上げるときくらいである。そんなやっとやっと開いた口に、優雅姫はいきらせたものを半ば強引にねじ込む。角が残っていたらここで邪魔になったであろうが、それは朽ちていく折れた剣のごとくただ隣に突き立っている。

「食いちぎろうなんて考えるなよ?」

 優雅姫の念押しに対し、ダジュは口の中で呻くような声で応える。ダイマックスしていない限り優雅姫のものはそこまで大きいわけでもないし、マズルの長いダイケンキなら喉の奥を突かれるようなことにはなりづらい。だが「食いちぎる」という方向に動かないという意味では、口での奉仕というのは完全な屈服の証である。栄養摂取が注射のみであったため咀嚼力は完全に減衰してしまっているが、歯を立てるくらいならできる。しかしダジュは全てを諦め、舌で優雅姫のものを撫でまわす。

「ぅっ、飲めよ?」

 ものを包み込み撫でまわす舌は、秘所とは違い今度は意思を持って攻め立ててくる。舌での奉仕は初めてなのかぎこちないところはあるが、徐々に優雅姫の奥にあるものを吸い出しており。優雅姫は命令からしばらく後に。

「つはっ!」

 ダジュの口の中で射精する。口の中に広がるのは屈服の味。しかしそれを吐き出すことはしないが、飲み込むこともできずに呆然とする。何かを飲み込むなどこの三か月の間一度もなかったのだから、その部分でも劣化してしまったのだ。やがて力なく口の中から唾液と精液を垂らす。咳き込む様子もなくただただ垂れ流してしまったことで、優雅姫はダジュの体の劣化を知り。

「あーあ、もう物を飲むこともできねえのか。確かにそんな姿他の奴には見せたくねえか?」

 勝ち誇ったようにダジュの顔を見下ろす。自らの正義を打ち砕かれて、肉体も無残なまでに衰え尽くし。ダジュという折れた剣は朽ちていくだけとなってしまった。






 どうも、自分です。今回もわかりやすかったですね。遅刻大変申し訳ないです。仕事の方で契約変更等があり、この数か月はすっかり体調を崩し切っていました。同じような流れで遅刻してしまったことが何年か前にもあり、その時もやっぱり得票ゼロでした。勿論剣盾やFE風花雪月等にかまけていたというのもありますが、それでもネタ自体はだいぶ出来ていた段階でエントリーしていたので、やっぱり体調が落ち着いていれば間に合ったんじゃないかという悔しさも。結果として得票ゼロだったのは作品にも体調の粗が出ていたからなのかもしれませんね。

 今回は官能だけでなく、ものを伝えるうえで「取材をする」「職業倫理」という点にスポットを当ててみました。端くれながら文章を書いている身としては、こういったものに思うところは出てくるのではないでしょうか。マスコミのメディアスクラム等が著しく害をまき散らしていることは昨今言われていますが、仕事で大事なのは「社会に貢献すること」だと思うというのを前半で綴ってみました。自分では「仕事」と口にしていても、害をまき散らしているようではそれは「仕事ではない」「テロ行為」だと自分は思うんですよね。

 キャラの名前はいつも通り種族名から一時取りました。ダジュは「ダ」イケンキにミ「ジュ」マル、優雅姫はエモン「ガ」という形です。

 それにしてもダイケンキさんはエロいですよね。雌だといいですよね。胴のくびれや丸い尻は非常にエロスそそるものを感じます。今回はそのダイケンキさんのエロさを書きなぐってみました。枕元にダイケンキさんのぬいぐるみを置いており、寝る前に股に顔を突っ込んで楽しんでいます。これをもっと感じさせる作品を書ければというのはあります。

 とはいえ遅刻した上に得票ゼロなので何を言っても敗者の弁。この辺で失礼しようと思います。


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Last-modified: 2019-12-28 (土) 16:46:40
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