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手取り足取り

/手取り足取り

Writer:&fervor


手取り足取り 

放尿、自慰とかの特殊プレイ入ってます。ムリダー! って人はバックバック。

プロローグ 

 行っては帰るを繰り返す水の音、柔らかな日差しと静かな潮風を肌に感じて、僕はぼんやりと目を開いた。
ここはどこだろう。見覚えのない場所なのは間違いない。そもそも、どうして僕はここにいるのだろう。
クリーム色の砂が僕の体を柔らかく包み込んでくれている。波打ち際、だけれども水には触れないぎりぎりの場所。
目の前にはごつごつとした茶色い岩、そしてそこに打ち付ける波。弾ける度に海の香りが辺りに広がる。
どうしてかは分からないけれど、全く体が動いてくれない。それどころか、せっかく取り戻した意識でさえも僕は手放しかけている。
駄目だ……意識が……。

Chapter-1 手取り 

「キミ、どうしたの!? 大丈夫!?」
 遠くで聞こえた声に起こされて、僕はもう一度意識を取り戻した。重たい体を何とか起こして立ち上がる。
「あっ、気がついた! よかったー! 動かないから心配しちゃったよ。キミ、ここで倒れてたんだよ?」
 声の聞こえた方にくるりと振り返ってみると、そこには緑色とクリーム色の小さなポケモン、ツタージャが。
けど、ツタージャってこんなに大きかったっけ。僕と大して変わらない、どころか僕より大きな背丈をしてる。確かに僕もそんなに大きい方じゃないけれど。
「私はセリン、よろしくね! ……それで、キミは? ここら辺じゃ見かけないようだけど……」
 見かけない、のかな。人間は確かにあんまりいないかもしれないけど、ひょっとしたら僕はいつの間にか随分と遠くに来ているんじゃないだろうか。
まあ、どこからどう見ても人間だよ、とだけ伝えておこう。人間がいないならいないなりに……何、するんだっけ。
「えっ、に、ニンゲンだって!? ……でもキミ、どっからどうみてもコリンクだよ?」
 まさか、そんなはずは、と思って右手を目の前に持ってきた、つもりだったんだけど。気づいたら四つん這いで立ってるし、右手は右前足になってるし。
くるくると体を見渡せる限り見渡してみても、確かにこの水色と黒の毛並み、星形の尻尾はコリンクの特徴。
そうか、だからツタージャ……セリン、だっけ。セリンの体が大っきく見えた訳か。僕の体が小さいんだから当たり前のこと。
でも、一体どうして。確かに僕は人間だったはずなんだけど、それなのに、今は確かにコリンクになっている。
考えても考えても、さっぱり何も出てこない。それどころか、倒れる前のことがさっぱり思い出せない。
「キミ、何か怪しいね。もしかして、私を油断させて騙そうとかしてる?」
 してないしてない、と全力で首を横に振る。というか、騙すならもっと上手くやると思うんだけどな。
心の中でツッコミを入れてももちろん誰も返してはくれない。なんというか、この仔、ちょっと天然なんじゃないか。
「ホントに? じゃ、名前は?」
 名前か。昔のことは思い出せないけれど、自分の名前くらいは覚えている。逆に言えば、人間だったことと、名前くらいしか思い出せないんだけど。
「僕はトリーク。……で、納得してくれた?」
「ふーん、トリーク、っていうの……。うん、どうやら怪しいポケモンじゃなさそうね」
 あんまりじろじろと僕の方を見られても恥ずかしい。何と言っても気になるのが、この全身を吹き抜ける潮風の感覚。
人間の時の様に服を着てる訳じゃないから、今の僕は素っ裸ということだ。もちろんポケモンからしてみればこれが普通なんだろうけど。
たぶん毛に埋もれて見えないだろうけど、男……雄としての部分だって外気に触れているのがよく分かる。
そして目の前にいるセリンはまず間違いなく雌のはず。いくら頭では分かってても、じろじろ見られたら恥ずかしいのは仕方のないこと。
「さっきは疑ってごめんね。というのも、最近悪いポケモンが増えててさ……いきなり襲ってくるポケモンもいるし、何か最近物騒なのよね」
 確かにそれは物騒極まりない。道を歩いていたらいきなり襲われて大けがしました、なんて真っ平御免だ。
ひょっとして、僕が倒れていたのもそういうポケモンに襲われたから、だったりするんだろうか。ショックで頭をぶつけたとか。
さっきから思い出そうとはしているんだけどどうにも思い出せない。僕は何をしていたのか、どうしてここに来たのか。
クラブ達がさっきからあわをブクブクと吐き出し続けていて、それが夕日に照らされてきらきらと眩しい。細目でそれを見ながらぼんやり考えていると、遠くから。
「ん、なんだろ、あいつら」
 向こうから何やら柄の悪そうなポケモンが近づいてきた、かと思ったらいきなり彼女にたいあたり。吹っ飛ばされた彼女に僕も吹き飛ばされる。
彼女は僕の体がクッションになったからいいものの、僕は岩に体を打ち付ける羽目に。ポケモンの体は結構丈夫みたいだけど、それでも痛いものは痛い。
紫の毒風船と青い蝙蝠。うーん、いかにも悪者です、って感じだな。いきなり当たってきたぐらいだし、当たり屋とかかな。
「おっと、ごめんよ」
 にやにや笑いが気持ち悪い。全く今日はついてないにもほどがある。いつの間にかポケモンになってるし記憶は曖昧だし変な奴らに絡まれるし。
「なんなの、いきなり!」
 とセリンが怒るのも無理はないだろう。心做しかちょっと足が震えてるような気もするけど。ひょっとして結構気が弱いとか。
「へへっ、わかんないのかい? お前に絡みたくてちょっかい出してるのさ」
 目の前のズバットはにやにや笑いながらとんでもないことを言い出した。こういう奴とはあんまり付き合いたくないな。
絡まれるセリンが可哀想だ。聞きようによっては相手がただの変態に見えるし。これはさっさとこの場から逃げるに限るよね。
驚くセリンをつついてさっさと離れよう、としたけれど、その先に落ちているなにか変な破片に僕は目を止めた。
「それ、お前のもんだろ」
 ズバット達もその破片には気づいていた様子。というより、セリンには目もくれずその破片をじっと見つめている。
慌てふためくセリンを余所に、悠然とその破片を拾い上げるズバット。どうやらセリンにとっては結構大事なものらしい。
「けっ、てっきりすぐ奪い返しに来ると思ったが……なんだ? 動けねえのか? 意外と意気地無しなんだな」
 後ろから見るとよく分かる。垂れ下がった尾に震える足。取り返したい、けど勇気が出ない。そんな気持ちがこっちにまで伝わってくる。
二匹は満足そうに顔を見合わせると、行こうぜ、と僕たちの横を通り過ぎて行ってしまった。結局、最後までセリンは動くことなく。
「じゃあな、弱虫くん。へへっ」
 そう言い残して去っていった二匹。セリンは僕に向かってどうしよう、とか細く呟いた。泣きそうな声なのは僕にも分かる。
「あれ、私の大切な宝物なのよ……。あれが無くなったら、私は……」
 此処まで言われて、手伝いません、と言うわけにはいかない。流石に僕もそこまで鬼じゃないし。
どう言葉をかけたものかなあ、とアレコレ考えていたら、なんとセリンの方から力強い言葉が。
「こうしちゃいられない。何とか取り返さなきゃ! キミ、手伝ってくれる?」
 いや、手伝ってあげるのは僕の方なんだけど……。全く気が強いのか弱いのかよく分からない。僕に対してだけは強い気がするのは気のせいかな。
まあ、無下に断れるはずもないし、元々手伝ってあげるつもりだったし。不慣れな体だけど、がんばってみようかな。
「ほ、ホントに? ホントに手伝ってくれるの!? あ、ありがとう! 早く行こう!」
 ぱあっと明るくなるセリンの笑顔は良い感じに女の仔、といった印象。うーん、人間だった頃とは感性も違うのかなあ。
覚えてはいないけど、人間だった頃はたぶんポケモンにこんな気持ちを抱くことは無かったと思う。
ぼーっとしてるとセリンに手……じゃないや、前足をひっぱられたから、ひとまず僕は海岸にある洞窟へと足を踏み入れていった。

Chapter-2 足取り 

「お、おぼえてろ!」
 良くいるチンピラの捨て台詞を吐いて逃げ出す二匹。目の前に残った彼女の宝物は、洞窟の奥に差し込む光で鈍く照らされている。
洞窟にいたポケモン達が僕たちを襲ってきた理由はよく分からないけど、彼女の言っていたとおりこの辺は確かに物騒らしい。
そうして辿り着いたこの奥底で待っていた悪者二匹。洞窟でこの体に慣れたのもあるけれど、案外簡単に懲らしめることが出来たような。
「遺跡の欠片だ! よかったあ……私、ホントに取り返すことができたのね……」
 遺跡の欠片を蔦で持ち上げて、しげしげと眺めるセリン。ひょっとしてものすごく価値があるものなんだろうか。
「これも全てはトリークが手伝ってくれたおかげよ。ありがとう、トリーク!」
 成り行きで手伝っちゃったけれど、感謝されて悪い気はしない。とりあえず嬉しそうにしてるし、これでいいんだろうな、きっと。
それにしても、これから僕はどうすれば良いんだろう。行く当てもないし、帰る場所もないし……。
「さっ、海岸に戻ろ!」
 今はひとまず、セリンについて行くことにしよう。これからどうするかはここで決めなくたって良いことだよね。
……それより、僕にはまずやりたいことが一つあるし。セリンにはちょっと先に行っておいてもらうとして。
「ごめん、後で追いつくから先に行ってて!」
 と遠くのセリンに叫んでから、僕は岩陰にこそこそと。そういえば、考えたこともなかったけど、ポケモンだって生きてるもんなあ。
そう、何のことはなく、ただ単にトイレがしたくなっただけのこと。ポケモンはトイレなんて使わないだろうけど。
おまけにセリンは女の仔だし、直接言うのもちょっと恥ずかしい。それに、やっぱり何にも着てないってのはどうも慣れない。
岩陰まで来たのはいいけれど、今僕は四足歩行のポケモンだ。人間の頃のようなやり方は到底出来ない。
ここで想像するのはやっぱり片足をあげたあのポーズ。誰も見て無いってのは間違いないだろうけど、それは分かってるんだけど。
「やっぱ、ちょっと恥ずかしいな……」
 それでもそうせざるを得ないから、とりあえずやってみる。四足で歩く動作さえちょっと慣れなかった僕にとって、このポーズはなかなかにレベルが高い。
やってみて分かったけど、結構バランスを取るのが難しい。後足がふらついて倒れそうになってしまう。
やり終えた後で倒れ込んでしまったらそれこそ悲劇だし。せめてセリンが同い年の雄だったら、どうやってやるかとか聞けたんだけど。
それでもなんとか様になるようにして、暫く安定させてみる。後ろから見られたら恥ずかしくて死ねる。これは間違いない。
この体勢だと、僕のモノにもそれなりに風が通ってすーすーする。ちょっとの物音が気になって振り返ってはまた戻る。
「……急ごう。セリンも心配するし」
 あんまりのんびりもしていられない。彼女を待たせる訳にもいかないから、恥ずかしさに悶えてる場合じゃない。
今度こそ、と狙いを定める。一応標的物があった方がやりやすそうだし。僕のおしっこをかけられる岩にしてみれば堪ったもんじゃないだろうけど。
しかし、狙いを定めているとどうしてもふらついてしまう。かといって狙わなければ下手したら前足とかに引っかけてしまいそう。
なかなか踏ん切りがつかずにふらふらと片足を上げたまま悪戦苦闘する僕。物音も介せず、とりあえずさっさと済ませようとしたその瞬間。
「トリーク、遅いよ、何やって……あ」
 三本足で揺れる僕とぱったり目が合う。ちょうど彼女からは僕のお腹側が綺麗に見える。つまり、股間で揺れるモノも。
固まる彼女と僕。とりあえず足は降ろしたけれど、なんて言えばいいのか見当もつかない。っていうか、恥ずかしい。恥ずかしすぎる。
「ご、ごめん……。そっか、そうだよね、人間だったんだもん、時間かかるよね……」
 なんだか勝手に彼女には納得されているらしい。けど、見られたという事実は変わらない。それに、変なモノ見せたこっちにも非がある気がする。
恥ずかしいやら何やらで僕が声を出せないでいると、彼女が僕の方に近づいてきた。いや、僕はとりあえずトイレがしたいんだけど……。
「ねえ。どうせだし、手伝ってあげるね。見ちゃったものは仕方ないし……それに、苦労してたんでしょ?」
「い、いやいやいやいや。だっ、大丈夫だから! 独りで出来るから!」
 これはない。これだけはない。絶対にあり得ない。彼女からしてみれば別に何の他意もない誠心誠意のお手伝いなんだろうけど。
僕にとってはただの拷問だ。よりにもよって女の仔に、僕のトイレ姿をさらけ出すなんてそんな馬鹿な話があったもんか。
けれど、僕が動こうとする前に彼女は僕の後足を蔦で縛って持ち上げてきた。当然僕はさっきと同じようなポーズになる。
「はい。これで出しても大丈夫だよ。角度はこんな感じね!」
 なんでこんなにノリノリなんだろうか。いわゆる母性本能とか言う奴かもしれない。ここまでされて、今更断ったところで雰囲気が悪くなるだけなのは目に見える。
どうしよう、と迷っていても、やっぱり答えはただの一つしか浮かばない。彼女が僕のモノの先っちょをしげしげと眺める中。
初めは軽い水音。少し間が空いて、今度は勢いよく液体が飛び出す。一部は岩に跳ね返ってぴちゃぴちゃと飛び散りつつ、下の砂地をあっという間に水たまりに変えていった。
最後にトイレに行ったのは、少なくとも僕が人間だった時だろう。それ以来溜まりに溜まった分が、今吐き出されているんだから多いのは当然。
ようやく最後まで出し切ると、彼女がご丁寧に後足を軽く振ってくれた。一滴を切るのはやっぱり人間の方がやりやすい。
なるほど、こうやるんだなあという気持ちには残念ながらなれないけど。少しモノがぷるんと揺れた感触がして、顔から火が出そうなほど恥ずかしくなった。
「あ、足降ろすときも気をつけてね。踏まないようにしないと」
 彼女はどこでこんな事を覚えたんだろう、とか疑問に思う点もいくつかあったけど、それら全部がどうでも良くなるくらい、とにかく僕は恥ずかしくて。
ありがとう、という僕の声が震えていたことに、果たして彼女は気づいていたんだろうか。気づいてなかっただろうなあ。

Chapter-3 何取り 

 ギルドに弟子入りして、探検隊を作った僕たち。それから色々あって……今はサメハダ岩の空洞で、セリンと一緒に生活している。
未来に行ったり、一度僕が消えちゃったり……本当に大変な大冒険だったけど、それも今ではちょっと前の話。
忙しい日々も一段落して、ようやくゆったりな生活が出来るようになった。そこまでは良かったんだけど。
あの頃とは違って心にも時間にもゆとりがある。それがどういう事態を引き起こすかというと、雄にしかたぶん分からないであろう苦しみだ。
いやひょっとしたら雌は雌でそういう気分になるときがあるのかもしれないけど。そんなこと誰かに聞けるわけもないし。
皆が寝静まる夜。暗くなると、どうもこう……変な気分になってしまうのは、きっと皆同じなんだと思う。
ただ、そんなときにどうするかがよく分からない。人間だった頃のやり方は手がないと出来ないし。一体皆はどうやってるんだろう。
そういうことをずっと考えていたら、やっぱりこのむらむらが収まりきらず。我慢できなくなって夜中にこっそり飛び出してきてしまった。
まさかセリンの隣で行為に及ぶ訳にもいかないから、ひとまず外の草陰まで来てみたもののここから先が思いつかない。
ただ、僕の後足の間にぶら下がるモノは何となく臨戦態勢に入ろうとしているらしく、いつもより揺れているのが分かる。
「……やっぱ、擦りつけるしかないかな」
 少し辺りを歩き回っていたところちょうど良く見つけた丸い岩。表面もそんなにざらざらしてないし、これなら多少荒っぽくやっても痛く無さそうだ。
まずは試しに、とその岩の上に寄りかかるように前足を乗せてみる。お、意外と良いサイズかも知れない。適度な圧迫感も保てるし。
そのまま腰を動かしてみるものの、ちょっと刺激が足りない。握って擦れたら一番楽なんだけど、この前足じゃ出来ないし。
かといって自分で自分のモノを舐めるっていうのも抵抗がある。というか出来なかった。胴体がもうちょっと長かったら出来そうなんだけど。
今ここで改めて試してみようと仰向けになり、思いっきり腰を折り曲げる。うーん、駄目だ。あとちょっとが届かない。
自分のモノも結構大っきくなってるのに届かない。となるとやっぱりこの体じゃ舐めるのは難しいらしい。進化すればあるいは……。
けれど僕たちは何故かは分からないけど進化できないらしいので、この体で何とかすることを考えるほか仕方ない。
再び立ち上がって悩んでは見たけど、他に良い案も浮かばない。結局お前に頼るのか、と目の前の岩を睨み付けつつ。
前足を乗せて、良い感じにモノが当たる場所を探す。そしてその状態でヘコヘコと腰を動かせば、それなりの刺激はくる。
何となくコツを掴めたような気がしてきた。一度岩から離れて、自分のモノがさらに大きくなっていることも確認してからもう一度岩に乗ろうとしたら。
「トリーク、トイレにもいないからびっくりしたよ。こんなとこに……!?」
 もはや狙って入ってきたんじゃないか。そう思えるような奇跡のタイミングだった。前にも似たようなことがあった気がするけど、いつだったっけ。
恥ずかしい、どころの騒ぎじゃない。穴があったら入れたいってこういうことだろうか。違う違う、入りたい、だ。
頭の中で繰り広げていた妄想がぱつんと泡のように消える。岩に乗っかって硬直する僕と、それを呆然と眺めるセリン。
今更言い訳なんて出来るわけはないけど、かといってストレートに自慰してました、なんて当然言えない。
彼女は彼女でなんと言えばいいのかさっぱり見当もつかない様子。僕だって他の雄のそんなとこに出くわしたらどうすればいいのか分からない。
ましてや彼女は進化前の異性。股でいきり立つピンクの肉棒なんて見たことないだろう。あくまで僕の予想だけど。
「……あの、さ」
 ひとまず岩から降りて、まだそこそこ元気なモノはぶら下げたまま、セリンの前までやってきた。しかしここから先、なんて言おうか。
結局先に口を開いたのは彼女だった。ぎこちなく、どうしたのと答えると、彼女は戸惑いながら言葉を紡ぎ出した。
「見たことはないけど……あの、雄のポケモンって、手で……その、やるんでしょ?」
 謝られるのか、あるいは怒られるのか。どんなことを言われるかと思ったら、まさかの質問。
ただ、冷静さを完全に失っていた僕はその先に何が起こるかも考えず、とりあえずこくっと頷いてしまった。
「だよね。だから……トリーク、困ってたのよね? ……やれないから」
 要はそういうことだけど。これ以上僕に恥ずかしい思いをさせてセリンはどうしようって言うんだろうか。あ、ひょっとして。
いやいやいや、やっぱりまだちょっとそれは早い気がする。確かにずっと一緒に生活してきたけど、別に付き合ってるわけでもないし。
もちろん、僕としてはセリンなら大歓迎……って、そういうことじゃない。やっぱり駄目だよね、こういうのは。
先に断りを入れようとした僕だったけど、それよりも先にセリンが口を開いてしまって、またしても喋ることが出来ずに。
「それで、なんだけど……いいよ、私、トリークのパートナーだもん。やってあげるね、蔦で」
 やってあげる、で変な想像をしたところに、何やら余計な付け足しが入っていることに気がついた。どういうことだろうこれは。
ぽかーんと立ち尽くす僕を余所に、セリンの蔦がいつの間にか僕の足下を這っていて。伸びる蔦が目指した先は僕のモノ。
いきなり蔦が絡まってきたものだから、素っ頓狂な声を上げてしまった。セリンにしーっ、と合図されたけど、これは無茶だって。
そしてそのまま蔦が数回僕のモノにまきついて、上下に擦り始める。ここまできてようやく僕は理解した。やってあげるって、自慰の手伝いを、か。
雌に慰めて貰えるなんて、雄からしたらまたとない機会だと思う。ただ、そもそも僕はそれを求めてたわけじゃないし、何より相手がセリンだし。
これからもずっと一緒に暮らしていく仲間に、こんな恥ずかしい場面を見られるなんてあって良いんだろうか。
恥ずかしいからやめてくれ、と言いたい気持ちはそれなりにある。だけど、それ以上に股に伝わる快感が魅力的で。
ひあっ、と情けない声で悶えつつ、だんだん僕も全てがどうでも良くなってきた。気持ちいいのは確かだし。
「ど、どう……かな?」
「あっ……い、いいよ、セリン。……ふぁっ」
 周りから見たら何とも情けない光景だと思う。セリンからはどう見えているんだろうか。たぶんセリンも興味があってこんな事やってるんだろうけど。
そういえば最初にこんな事があったのは、出会ってすぐの時だったっけ。案外セリンは好き者なのかもしれないなあ。
まあ、これもセリンの信頼の証、って事だと思う。ポケモンになった僕に対しての気遣いは人一倍だったしね。
「あっ、セ、リン……も、もうっ、あああぁぁぁっ!」
 ぴくん、と大きく肉棒が爆ぜたのが分かった。今までずっと溜め込んできた白濁を、幾度にも渡って吐き出していく僕。
小刻みに跳ねる僕のモノや地面に散っていく白い液体に、どうやら彼女の目は釘付けの様子。
言いようのない射精の快感に、思わず笑みを零す僕。荒い息を吐きながら、長めの絶頂を味わいつくす。
「すっごいね……こんな風になるんだ。聞いた話だけで試してみたけど……どう、だった?」
「……うん、よかった、よ」
 全部を吐き出して冷静になったところで、いよいよ持って恥ずかしさがこみ上げてきて。なんて馬鹿なことをしてるんだろう僕は。
ただ、満更でもなかったので素直な感想をセリンに返しておいた。けどやっぱり、こういうことは独りでやりたい、かな。

エピローグ 

 全ての元凶もいなくなって、いよいよ平和になった世界。僕たちも無事進化することができて、レントラーとジャローダに。
泉の前で姿を見比べると、セリンは大分雰囲気も変わった気がする。僕はそんなに変わってないから嬉しいやら寂しいやら。
「やっぱりトリークはずっと四足だったね。手がないのって、大変じゃない?」
「でも、流石に慣れたかな。色々大変だったけど、セリンが手伝ってくれたり、教えてくれたりしたし……」
 この世界にポケモンとしてやってきて、分からない事だらけだったけど。いつも隣にはセリンがいてくれた。
セリンは僕に勇気をもらったらしいけど、それに負けないくらい、僕はセリンに色んなことを教えてもらった。
最初に出会ったのがセリンでよかったなあ、と今更ながら感慨に耽っているところに、セリンの声が。
「そうそう、それなんだけどね。今日の夜……もう一個だけ、トリークに教えて上げようかなって」
 もう一個って何のこと、と聞くと、セリンは少し意地悪そうな顔をしてから、こう付け加えるのだった。
「トリークには手がないけど、細かいことは気にせずに。手取り足取り何取り腰取り、ってね!」

スペシャルエピソード 腰取り 

つづく?



最新の10件を表示しています。 コメントページを参照

  • 何ともこのwikiらしい作品でしたね。
    ポケモンらしさも上手くにじみ出ていましたので、上手く出来た作品だと思いました。

    難点があるとすれば、一人称であるためにセリンの心情をわかりにくくしていることでしょうか。もちろん、セリンの心理をトリークの眼に頼るしかない状態なので、他人の心情はわからないと言えばそれまでなのですが。
    会話や仕草からそれを読み取れるように工夫できればと思うほか、トリーク自体の動作にも力を入れられれば一味もふた味も化けると思いますよ。

    次回作があれば頑張ってくださいませ。
    ――リング 2012-04-11 (水) 23:39:29
  • >>リングさん
    ポケダンで何がネタに出来るかなあと考えたらここに行き着いてました。ポケモンらしさを出せるかどうかが勝負でしたねー。
    とにかく急いで書いてたので確かにセリンの描写はちょっと少なめです。トリークの気持ちと実際の行動の他は端折った感じが否めません……。
    とりあえずこのお話はきちんと続きまで書いての完結なので、またやる気が来たら書こうと思ってます。やる気が来れば、ですけどw
    コメントどうもありがとうございました。
    ――&fervor 2012-08-08 (水) 03:18:31
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Last-modified: 2012-03-22 (木) 00:00:00
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