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扉を開けりゃ姉ちゃん地獄　一日目　2

…もう一度俺は考え直してみた。
じょ、女子と共同生活！？しかも俺にとっては結構な年上…

俺は雄。れっきとした雄。回りには可愛い女子五人。つまり俺から見れば血は繋がらないが『姉ちゃん』だ。
頭の中で何度も再生。何度も何度も。
そして出てきた雄の俺の答え。

最高じゃん。天国じゃん。女子と絡めんじゃん。つか雄だったら普通はこうなるよね？ね？
それに今日から『共同』で生活する…『共同』は共に行動すること。

飯食うとき皆と

話す相手もほとんどは皆。

寝る時も…

バカバカバカバカァ！何を俺は自分でも分かるが屑丸出しな事考えてんだ！
そんな訳…


さすがに寝床は離されてるよな…

まあいい。保険所とは雲泥の差の素晴らしい生活は今日から幕を開けるんだ！外来種にはまぁ感謝しようじゃないか。顔は別として。
もう一匹位気の合う雄が居てくれても良かったんだけど。また自分でも分かるが俺異性に対して執着ハンパねぇな…
と考えを終えるとすぐさま問題が発生した。
話すネタが底をつき、消滅。スーパー沈黙タイムが始まっちゃったよ～初対面の恐ろしさはココだな…どうしようどうしようどうしよう。生まれて一番の気まずい空気だ…ココだけワープしてまた帰って来たい…
するとマリルリのアキさんが助け船を出すように話出す。
「皆…ここに居てもずっと暇だし…部屋に行きませんか？コタ君にも紹介出来るし」
「お～アキ！ナイスアイデーア！じゃ早速行こ～！喉乾いた～」
「ん。アタシも」
サナさん、大王と続け話していく。ところで途中で悪いんだが皆の言ってる部屋っちゅーのはナニ？まあ部屋は部屋だけど特別なのか？質問だが話すネタが一つできた。とりあえず言ってみるか。
「あの～ですね。皆さんの言う部屋ちゅーのは？」
空気を軽くしないとまた重たい空気来ちゃうから慣れた感じで言ってみた。
こんな感じで馴染めるといいんだけど。
「あっ！コタ君はこの和室が初めてだったっけ？」
「そーですよ」
そういえば外来種にここに行けと言われたから他の部屋には何処にも入ってない。廊下を突っ走った時にチラチラ見た所では部屋は結構な数だったと思うが。
「そっか。じゃあ皆についてきて！」
「ああ～丁度アイス食べたかったんですよね！ゴリゴリ君！」
「ミオ…よく毎日食べてお腹壊さないね…」
「アタシはソーダ系はゼッタイムリ！」
やはりミミロップのミオさんの物は卑猥極まらん…依存する位に誘惑するような大きさ…ていうか俺ももう依存してんのかな…無意識に視線は物に…
おっといけない。現実に戻ろう。
部屋にアイス？アイスしかないの？それじゃ会話的な紹介アイスだけじゃ部屋入っても俺の心にアイスの概念深く根付いちゃうよ！？まぁ確かに俺もゴリゴリ君は大好きだけどね♪


って大王！？なんつった？今？君にはゴリゴリ君の素晴らしさが分からないのか！？泣くほど感動する部分が沢山あるじゃないか！？
まず安さだよ！これは外せん！そして外壁の歯触りの良いソーダアイス！その中には更に感動を呼ぶシャーベットォ！！あのシャリシャリは二億年経っても忘れられない！
そんな非の打ち所の無い神の賜物を超簡易的に否定するなんて！後でガッツンと言ってやるぅ！
怖くないよ。ビビってなんかないよ。絶対。
ゴリゴリ君の熱論を頭の中で言い放ちながら俺は和室をミオさんに続き後にした。



その部屋は和室のすぐ隣のドアを入って目にした。
っとまた豪華なこと。
その部屋は何か特別に広いって感じで三十畳位ある。その部屋の大体二割程度を占めるのは木製の白銀のシーツが敷かれた大きなベッドだ。エアコンも二台あるし、冷蔵庫、キッチン、テーブルも二台程。液晶のテレビもある。ぱっと見超快適そう。つーか何でこんなにクッソでかい家建てたり…どういう経緯で金持ちなんだ？
それはさておくと、ミオさんが喋りだす。
「コタ君、ここはですね。えーと何で言えばいいかな？」
「アタシ達ポケモンだけの部屋。」
ナツさんが突如助け船を出すように早口で言った。
「あ…ありがとうございます」
こんな感じに気まずくなるから俺はナツさんとは自然な感じで円滑に話したかったんだけどなぁ。でも相手から話してくれたから心がちっと暖まったわ。
ポケモンだけの部屋か…つまり皆の個室をこの広い部屋にぶちこんだ訳か。
寝るときはどーするんだろ？このベッド…見た感じ六人が快適に寝るのには余裕だな。ムフフフッ★コレはもしかして…
体が熱いぜ…
肩に何かが乗った。
「女子と寝られると思ってまた…」
アキさんの声。
「ぎゃああぁぁぁぁ！？ち、違います！」
「にしては随分体はホットだね～」
大王登場。いつの間にか俺の額に手を触れている。
「いえいえいえいえ！あのですね今日は暑いから！」
適当な嘘を塗り固める。…アキさん怖いな…マリルリってエスパータイプだっけ？
とにかくアキさんは多数の意味で凍り付く。俺の心を当たり前の様に分かっちゃってる。
でも俺は雄だ！女子がドンびきする妄想して何が悪い！創造豊かと言ってほしいんだがな。別の意味で。
つかもう皆各自で寛ぎ態勢に突入しちゃってるし。あともうひとつ質問があるんだよ。聞いておくれ～