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或るベーシストの苦痛

/或るベーシストの苦痛

※この作品には軽い性的描写と過度な残酷描写(流血表現、ならびに性器へのかなり痛そうな描写)が含まれております。苦手な方はご注意ください。



 ストリーミングが始まってすぐ写された映像はこうだった。小綺麗で洗練されたデザインの洗い場とバスタブ、タイルの床の上に整然と置かれたエタノール、サインペン、透明な液体に満たされた中に針状の器具と、ポストとキャッチを分けて置かれたピアスの浮かんだ銀のトレイ――そういったものの傍らで、一匹のローなすがたのストリンダーがバスタブを背に寄りかかって床に胡坐をかいたまま、独特な目の細め方で微笑んで視聴者に呼びかけた。

「……やあ、みんな。聞こえてるかい……?」

 この映像を撮るために少し離れた位置で浮遊するスマホロトムを覗き込みながら、彼はゆったりとした口調で語り掛けた。

「……よしよし、大丈夫みたいだね……やあ、こんばんは……そうそう、ボクん家のお風呂場。これからスゴい事になっちゃうからねえ、フフ」

 まず彼は、チャット欄で目についたいくつかのコメントに対して答えていった。他愛のない雑談のようなそれらに、数分間の間次々と答えていく。そして目ぼしいコメントが途絶えたのを見計らって、本題に入った。

「……さあ、初めてのヒトのために改めてこのストリーミングの紹介をしていこう。まあ、タイトルを見れば一目瞭然だと思うけど……これからアパドラビアをセルフで開けていこうと思うんだ……フフッ、いきなり専門用語で戸惑ってしまったかな。アパドラビアっていうのはね、まあチンポに開けるピアスの一種なんだけど……ボクのこの亀頭にね……」

 言いつつ、既にスリットから屹立した自身のペニスを映させる。それはヒトのモノのような亀頭にびっしりとイボの付いた一本竿であり、丁度人間とトカゲ型ポケモンの合いの子のような形をしていた。そのイボまみれの亀頭の上部と下部を指で指し示しながら、こう続けた。

「……尿道を貫通させる形で、垂直にピアスを通すんだ。……特に男性視聴者なら分かると思うけど、すごく敏感なトコロだし、ものすごく痛い――そう……それがキモなんだ。フフフッ、みんなよく分かってるね……知っての通り救いようのないド変態マゾヒストのボクは、その激痛を愉しむ為に自傷しながら、絶対に消せない変態行為の証でチンポにデコレーションを施す……最高だと思わないかい……?」
「全く……毎度毎度よくやるロトなぁ……」

 先ほどまで撮影に専念していたロトムが、呆れた口調でボヤく声が聞こえるが、彼には聞こえなかったのか、あるいは敢えて無視しているのか、リアクションを返すことはなかった。
 それから彼は速いペースで流れていくチャット欄を眺め、ファン達の反応を伺った。相変わらず変態的で最高だ、想像しただけで痛くなってきた、といったコメントに混じって、血はどれだけ出るのか、貴方のオチンチンから出た血なら全部飲みたいという倒錯的なコメントも流れてきたのを見て、愉快そうにニチャリと表情を歪ませた

「……フフフッ、このボクのオチンチンの血飲みたいって言ってるヒト、さてはこの前特別会員になったあの子だね……? そう、確かヘマトフィリアで重度リョナラーだって言ってた、キリキザンの……ジャック君だよね? ……フフフッ、凄い喜び様だねえ。今までの会員にない性癖だったから、よく覚えてるよぉ……」

 そのようにしてしばしファンとの交流を楽しみながら、器具類の準備を進めていく。その間に彼はそれら器具類や施術について具体的な解説も行った。消毒用のエタノールや位置決め用のマジックペン、ニードルの先端を受け止める為のコルク、銀のトレイの中にはエタノールが満たされていて、ネジ式のキャッチとポストを分けて置かれたバーベルタイプのファーストピアス、そして太い注射針のように内部が中空になった12G(約2.0mm)のニードルが、エタノールの中で消毒されながらその出番を待ち構えている。施術は至ってシンプルで、亀頭全体を消毒したらピアスを通したい位置にペンでマーキングし、その箇所をニードルで刺し貫く。最後にファーストピアスとして用意したバーベルピアスをニードル後端に嵌め込んで、ニードルを抜き去ると同時に新たなピアスホールにピアスが通る――これらの丁寧な解説の合間合間にも、彼はその激痛を想像してマゾヒスティックな興奮にペニスをビクビクと震わせて我慢汁を滴らせる様子を映して見せ、チャット欄は更なる盛り上がりを見せた。やがてこれらの解説が終わると、メインイベントの開幕を待ちわびる声に溢れた。

「さあ、これで準備はオーケー……ご覧、今からこのニードルが、ボクのチンポに突き刺さっていくんだよ……もう居ないと思うけどグロ耐性のないみんなは、今のうちにブラウザか目を閉じる事をお勧めするよ……これは最終警告だ……本当にヤるからね、ボクは……!」

 手にした12Gニードルを、よく見えるよう左掌をバックにしてスマホロトムに映してみせる。

「あぁっ……これから味わう苦痛を思うと、それだけでザーメンお漏らししちゃいそうだよ……でもまだだ。本当の快楽はまだこれから……」

 我慢汁塗れの亀頭を綺麗にエタノールで拭い、マジックペンでマーキングした箇所をスマホロトムに映させる。そしてマーキング箇所にニードルを宛がうと、躊躇なく鋭利な先端でイボ亀頭を抉った。

「ぁがぁぁぁッッッ! ふッ、ぎィィィッッッ……!!」

 ニードルが僅かに亀頭に食い込み、肉を抉っただけで激しく悶え出す。鋭く研ぎ澄まされた銀の針が亀頭を抉る毎に血が噴き出し、脂汗を滲ませながら、それでも彼の口角は吊り上がったままだった。

「あはッ……」

 ニードルを持つ手はその地獄のような痛みに躊躇うことなく、容赦なく敏感な粘膜を抉り、掘り進め、少しずつ肉の中へ呑み込まれていく毎に夥しい量の鮮血を撒き散らす。それが寧ろ快感なのだと雄弁に語るかのように、彼のペニスは尚硬く硬く張り詰めてゆき、血液を集めたそばから激しく漏洩させていく。

「あアぁぁぁッッッ……ジャック君、大興奮だねェ……フフッ……」

 痛みのためか、それともマゾヒスティックな快楽のためか、荒く息をつき脂汗を滲ませながらも、彼は尚チャット欄のファン達の反応を伺う余裕を見せていた。

「もう尿道までたどり着いたよ……つまり折り返し地点……この苦痛(かいかん)が、まだまだ味わえるってワケだ……! んッ、グゥゥッッ……! 」

 チャット欄では、がんばれーだの、苦痛に歪む顔がエロいだの、ローくんの海綿体に集まった血だというだけでご飯三十杯いけるだのというコメントで溢れかえっており、その非常に盛況な様子を見て更に上機嫌に笑みを浮かべるが、ふとニードルを持つ手が止まり、荒い息をついて長い首に据えられた頭を抱えて俯き出した。

「はァ……はァ……頭が、クラクラする……ロトム君、輸血を頼めるかい……」
「おわっ、りょ、了解ロトーっ!」

 敢えてペニスへの止血をしていなかったために、(むしろ狙い通りではあったようだが)彼は多量の出血による貧血状態に陥っていた。タイルの床面を見てみれば、彼の股間部を中心に一面が真っ赤に染まっていた。ロトムがスマホをスタンドに置いてから抜け出してしばらくすると、画面外から物音が聞こえ、輸血パックとスタンドを引いてロトムが戻ってきた。彼は息も絶え絶えの状態で何とか腕を差し出し、ロトムが慣れた手つきで輸血を行った。その後数分の間、輸血を受けつつただじっと俯く彼の姿だけが映し出された。

「……ああ、少しマシになってきた……うん、大丈夫だよ。心配をかけたね……さっきのクラクラする感じも、あれはあれでキモチ良かったけど……手元が狂ってピアッシングが出来なくなるのがマズかったんだ……ああ、もう大丈夫……」
「いやいやいやもうちょっと気にする所あるでしょロトー!?」
「ハハッ、ごめんごめんって。それじゃあ続きをやっていくよ……」

 ロトムはそれでも尚施術を続行しようとする彼の図太さに絶句しつつ、それでも常人なら目を覆いたくなるようなこの行為を撮影しなければならない自分の立場に絶望しながら、スマホの中へ戻っていくのだった。

「がぁぁぁぁ……ッッッ!!」

 再び容赦なくニードルをぎりぎりと捻って肉を抉り、残り半分を掘り進める。そして――

「うぐッ……はぁぁ……ッ!! ホラ見てよみんな……! ロトム君、もっと近くに……」
「えっ、いや……コレ、マジで撮らなきゃダメですかロト……?」
「当然だろう……? ホラ、ファンのみんなも早くって言ってるじゃないか」
「ひえぇロトぉ……」

 ロトムがしぶしぶ接写し、ヒエッと小さく悲鳴を上げたのは、夥しい血に塗れながらすっかりニードルが垂直方向に貫通した彼の亀頭。手にはニードルの先端をクッションする役目を終えたと思しき、一部を赤く染めたコルクが納まっている。だがそんな惨たらしい状態にあっても尚、彼のイボ付き竿は勃起状態を保っていた。彼はニードル後端の空洞にエタノールの滴るバーベルピアスのポストを据えて、ラストスパートにとりかかった。

「後はこのニードルを下まで通せば……っぐ……!」

 ニードルが下部までスポンと抜けると同時に、バーベルピアスが新しく開かれたホールに通り、仕上げに下部に顔を覗かせたネジ山にキャッチを嵌め込み、丁寧に締め上げた。

「……ハァーッ……よし、これで出来上がりだ……」

 血の海の真中で、彼は自身の陰茎に通された、血に塗れた無骨な銀のピアスを誇らしげに見せつけ、コメント欄の激励に目を通してはニチャリと笑みを浮かべた。

「ほらほらっ、遊んでないで早く回復マシンに入るロト! 余裕そうに構えてるけど、アンタ今出血多量でヤバい状態なんですロトからね!?」
「ちょっと待ってよ、今からこの猛烈な苦痛でギンギンに昂ったボクの情欲を鎮めるために一発公開センズリをかまそうと――」
「やってる場合かロトッ!!」
「もう、しょうがないな……ロトム君がうるさいから、今日のストリーミングはここまでだ。今月末に新譜がリリース予定だから、こっちも是非ともよろし――」
「はいはいさよなロトー!!」

 ストリーミングはここで途切れたようだ……




 主に某かいじゅうグループ系ポケモンホモなりきりスレその後色々あって立てた専用なりきりスレ(※大スカ注意)で使っているガワのスピンオフ的な短編になります。
 あっちでは色々なハードプレイが出来ると謳ってはいるものの、いつも絡んでくれる名無し君の性癖上どうしてもプレイ内容が偏りがち……なので別な可能性を提示する為のネタ投下としてしたためたのがこの作品。
 しかし構想を練るうちにいかに読者をタマヒュンさせるかとかそういう事の方がメインになってしまい、ネタ投下用としては今一つ扱いづらいものになってしまった……まあ新ジャンル(グロ系)の開拓という側面では拙いながらも概ね成功かなと思う次第であります。

 ちなみに、性器ピアスの開け方につきましてはいくつか資料をググった上でローくんの好みで意図的に激痛&大量出血を伴いそうな感じにしているので、良いポケモナーの皆様におかれましては絶対にこの小説を参考にセルフ開けを実行しないようお願い申し上げます。(そんなん居ないって信じてるけど)

Author: テルミン ?

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Last-modified: 2021-10-03 (日) 06:38:25
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