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想い重ねて、心繋げて

/想い重ねて、心繋げて

writer is 双牙連刃

新光も旧光を追い抜き、まだまだ終わりも見えておりませんが、鈍筆作者なりに頑張っていきますのでお付き合い頂ければ幸いにございます!


 現在俺は、氷のミュージアムと化したリビングで数体の氷像を眺めている。まぁ、元人間二人とポケモン数体なんだが。

「信っじられない! あたし達に相談も無くお見合いなんて決めるなんて!」
「確かにこれは弁解のしようがないが……フロスト、何もカラン殿やナックル達まで凍らせる事は無いだろう」
「五月蝿いレオ! ハヤトの近くに居たそいつ等が悪いのよそいつ等が! ふんっ!」

 とまぁ、超ご機嫌斜めなんですよ、俺の上でゴロゴロしてらっしゃるグレイシアお嬢様は。これ、俺の上で寛がせてなかったら俺も狙われてただろうなぁ。八つ当たりで。
どうしてこうなったかと言うとだな? まぁ、いつも通り奴がやらかしたからなんだが、なんとあの馬鹿、フロストとレンにお見合いの話が来てたのをすっかり忘れていてそれをついさっき二匹に話したんだ。
しかもそれが受けるかどうかの相談ではなく、受ける事になっちゃったから協力してくれという懇願だった訳だ。どうも前々からフロストとレンを交換してくれだのなんだのって言い寄ってきてる奴が居たらしい。
今回そいつが、せめてフロストとレンに自分の手持ちのポケモンと話をさせたいって持ちかけて来たそうな。で、その結果次第ではこっちの二匹の事をすっぱり諦めるってな感じの事を言われたんだと。
それでハヤトの阿呆も渋々ながら承諾しちまって、現在に至るという訳だ。全く……そんなの相手がメロメロなりメロメロボディ持ちなりってのを考慮して断るのが正解だろうに。最近ちょっとトレーナーとして悪くなくなったと思ったらこれだよ。

「ど、どうしたらいいんだろう、ライト……」
「そうさなぁ……受けるしかねぇんじゃねぇかなぁ? 第一、それでレン達が相手を気に入らなかったらこっちを諦めるんだろ? だったらそれでスパッと切って捨てちまえば終わりだろ」
「あんた簡単に言うけどね、ポケモンだけで話をする状況って事はその間は何かあってもハヤトからのストップも無いって事よ? それでもし向こうのポケモンが何かしてきたらどうするのよ」
「仮にそうなったら相手をボコボコにする免罪符が出来るだけだろ? おめぇとレンに勝てる奴なんてそうそう居ないだろうし」

 まぁ、見合いの席でそんな状況になる事事態がおかしいんだがな。想定だけど、ちっと過剰かねぇ?

「とにかく、なんにせよちょこっと話をする程度なんだろ? お見合いなんて言うから話がややこしくなるんだし、そういうの意識しないで軽く行ってくればいいだろ」
「それは……そうなんだけど……」

 なんだかレンも納得出来ないって顔してるな。そりゃあまぁ……俺も本当は行かせたかねぇけどさ。
しかし口約束とは言え、しちまった約束を反故にするってなると、そこまで執心してるらしい奴ならより難題を吹っ掛けてきてもおかしくない。それならここで手打ちにさせるのが最良だと思うんだよな。
けどやっぱりシチュエーション的に危険なのはメロメロの利用だよな。あれは異性への呪縛に近い能力だし、どれだけ気を張ってても通常なら防げない本能に訴え掛ける技だからな。それへのカウンターは用意しておいた方がいいか……。

「なぁ、そのお見合いってのにはまだ時間の余裕はあるよな?」
「え? うん、午後からってご主人は言ってたから、最低でも後3時間くらいはあると思うけど」
「3時間か……どうにかなるかな」
「何よあんた? 何かする気?」
「まぁ、ちょろっとな。リーフ、お前確か部屋でハーブ育ててたよな?」
「あ、はい。それなりに栽培はしてますね」
「オッケ、それちょっと使わせてくれ。上手く行けば、なかなかのもんが作れる。あ、それとレン、なんかバンダナとかハンカチとか、余ってるそういう布物ねぇかな?」
「バンダナ? えーっと、確か仕舞ってあるのがあるよ」

 うむ、素材も調達出来そうだな。そんなら時間も無いし、ちょこっと準備するか。
レンとフロストが気になってるようだが、それは出来てからのお楽しみって事にした。リーフにはちょいと協力してもらう為に、一緒に部屋に行く事にしたぜ。
そんで、リーフの部屋に到着っと。おぉ、こいつは見事な部屋だな。こんだけハーブがあれば、目当てのもありそうだ。

「それでライトさん、ハーブで一体何をするんですか?」
「リーフはメンタルハーブって知ってるか?」
「メンタルハーブですか? 確か、メロメロとかの精神に訴え掛ける技を一度防いでくれるハーブですよね?」
「おう。その効果を、ちょっとここのハーブを使って再現してみるかと思ってな」
「え!? そんな事出来るんですか!?」
「まぁ、確実にとは断言出来んがな。とにかく、やってみるとするか。リーフ、悪いが俺の助手を頼むぜ」

 これは、俺の知識と師匠の薬学の応用ってとこだな。元々メンタルハーブ自体が、各種ハーブの成分を濃縮して生み出したようなもんだからして、擬似とは言え同じような効果を生み出す事は出来なくもないさ。
まぁ、俺は知識があっても蒸留やら混合やらの動作が出来なくて作れないんだけどな。そこは、助手のリーフに頼んでやってもらおうってこった。
主要なハーブは大体育ってるようだし、確認したら材料については問題無かった。量がそこまで無いから、大量に作るってのは無理だがな。
でも今作とうとしてんのは、数滴あれば数時間は身に付けてるだけでメンタルハーブの効果を受けられる代物だ。効果が薄れない代わりに使い捨てのハーブと、効果は消えるが効果中は継続して使えるこれかは、使い時に寄るだろうな。
煮詰めたり蒸留したり、それを掛け合わせたりと……まさかリーフが本格的な器具まで持ってるとは思わなかったぜ。お陰で本腰入れて作成出来るけど。
聞いてみると、どうやらハヤトの親が使ってた器具をリーフが管理してたんだと。そういやあいつの親、妙な薬作って送りつけてきたっけな。

「よしっと。ライトさん、これで終わりですか?」
「あぁ、助かったぜ。後は、その濾過したのを小瓶にでも入れてくれれば完成だ」
「了解です。にしても……なんでしょう? なんだか凄く頭がすっきりするような感じがしますね」
「それが、今作った液体の効果さ。メンタルキュア、本来はもっと必要な材料もあるんだが、興奮を抑制して平常心を維持させるならそれで十分だ」
「メンタルキュア……そうか、メロメロや混乱への対処策ですね!」
「そういう事。こいつの効果が効いてる間、精神異常を狙った効果は無効化出来る。それさえ無きゃ、あの二匹でどうにか出来んもんは無いだろうよ」

 それを、レンから受け取ってきてたバンダナに数滴落として、メンタルバンダナの完成って感じだな。身に付けてればメンタルキュアの香りでメロメロボディのフェロモン効果も効かないぜ。

「やっぱり流石ですねライトさん。普通のハーブからこんな凄い物作れるなんて」
「知ってても自分で作れないってのが俺の欠点だがな。残りのそれは、リーフが自由に使ってもらって構わないぜ」
「じゃあ、頂いておきますね。時間としては……2時間半ってところですか。ライトさんが的確に何するか指示してくれてもこれですか……」
「もっと本格的に、大量に作ろうとしたら時間がどれだけ掛かるか分かったもんじゃないぜ。今回だって、相当省けるところは省いて簡略化してるしな」

 今回の場合、リーフの作業能力が俺の指示について来れたってのも大きいがな。ミス無く調合出来て助かった。
なんにせよ、俺が出来るのはここまでかね。後はレンとフロストの意思次第、か……。

「……心配、ですか?」
「え? あ、いや、俺は別にレンが見合いをしても心配をするような事なんかねぇし、ってあ」
「自分で気付いちゃうのがライトさんらしいですね。私はレンさんの事をなんて言ってない~って言おうとしたのに」

 頬を掻いて誤魔化すしかねぇやな。もう無駄だけどよ。

「私としては、レンさんが羨ましいですよ。こうしてどういう形としても、守ろうとしてくれる異性が居るって、素敵な事だと思います」
「これは守るっていうかなんというか……」
「守るんじゃないなら、他の誰かにレンさんを奪われないように、ですか?」
「ぐ、ぬぅ……なんか今日はぐいぐい来るな、リーフ」
「だって、レンさんが可哀想なんですもん。あんなにライトさんの事を想ってて、こんなにライトさんから想われてて、なのに何も変わらずにいるんですよ? 募ってるものだってある筈じゃないですか。なのに、それを向ける場所が無いんですもん、心配になっちゃいますよ」

 それは……俺がうだうだやってる所為、だよな。すぱっとレンの事を諦めるでもなし、レンに告白するでもなし。なんとなく一緒の部屋で寝起きして、それで満足した振りしてさ……。

「もう、レンさんの中では一生を共にしたい相手は決まってる筈です。ライトさんは……」
「願って、決めて、手を伸ばしていいのならそうしたい。けど、俺はその相手を幸せに出来ないかもしれない。不幸の只中へ突き落とすような事になるかもしれない。そう思うと、俺は相手の幸せを奪ってまで自分が幸せになるなんて事は、望めないんだよ……」

 俺の一言を聞いて、リーフが歯噛みをしたのが分かった。俺だって、レンと一生を共に出来ればどれだけ幸せだろう。けど、それには俺って存在は……力を持ち過ぎてるんだ。
どういう形としても、俺を狙う相手は俺って存在が居る限り後を絶たないだろう。そんな俺と一緒に居れば、その一緒に居る奴は当然危険に晒される。俺が守れるなら命を賭けてでも守るが、俺が傍に居てやれない事もある。ならば安全なここから連れ出す事は避けるべきだと思っちまうんだよ。

「もっと……もっと早く、ライトさんが今抱えてる苦しみを背負う前にレンさんと出会ってたら。なんて、思っちゃいますね……」
「そうだったら、きっと俺は今の俺にはなってなかったさ。ありがとうな、リーフ」

 この家の奴等は、どいつも優しい。俺には、少々温か過ぎるくらいに。けど、俺はその優しさに答えてやれない。答えたら俺は、こいつ等を傷付ける事になるかもしれない。それが、怖い。
……ちっと、話し込んじまったな。レンとフロストが出掛けちまったら意味が無いんだし、きちっとあいつ等にメンタルバンダナを渡さないとな。
リーフの部屋の扉を開ける。んや? なんだ、レオが居るぞ? 何してんだ?

「あれ、レオさん? どうして私の部屋の前に?」
「あ、いや、その、ライトがレンとフロストの為に何かすると聞いて気になってだな。べ、別に立ち聞きをしていたとかそういう訳ではなく」
「なんだ俺とリーフの話聞いてたのかよ。あまり聞かれて愉快な話じゃ無かったんだがな」
「済まん……だが、どうしても気になってな」

 ふぅん? レオがそんなに気にするのはちょっと意外だな。どうしたんだ?

「それで、一体何をするんだ? この見合いは反故には出来ん以上、止める方法はほぼ一つしか無いが」
「はい? 止めるって、見合いをか?」
「なんだ違うのか? 俺はてっきり見合いの会場に潜入する方法を模索しているのかと思ったんだが」
「潜入って、お前それやってどうするつもりだよ?」
「無論フロストが……あ、いや、フロストとレンに危険が及ぶようなら、相手を打倒して二匹を助けるつもりだったんだが」

 またど真ん中ストレートな方法を言い出すねこのバクフーンは。レオってそんなキャラだったっけ?
同じく話を聞いてたリーフまでキョトンとしちまったよ。どう考えても、レオが言い出すような策じゃねぇもんな。

「ど、どうしたんですかレオさん? なんと言うか、らしくないですよ?」
「そ、そうだろうか? いやしかし、主殿の知人のとは言え、見ず知らずのポケモンにもしフロストが……ん、んん! 二匹が手込めにされる様なんて、見たくもないだろう」

 ……なんか意外だけど、こいつこんなにフロストの事気に掛けてたんだな。あまり接点なんか無いように思ってたんだがな?
まぁこのそわそわしてる感じは、あれだよな。俺がレンにそう感じるそれと同様の分類に入るあれだよな。
リーフも察したのか微妙にニヤニヤした表情になってるし、そうだったんだなぁ。ふぅーん。

「な、なんだお前達、その何か言いたげな顔は」
「いんやぁ? べっつにー?」
「特にどうって言う事はないですけどー?」
「ぬぐっ……と、とにかく! 何かするのは確かなのだろ? 俺に手伝える事は無いか?」

 手伝ってもらう事はもう無ぇが、ここまで今回の件を気にしてる奴が居るんだ。こりゃ、もうちょい介入してもいいだろうな。
となれば、残り時間でもうちょい作戦を練るとすっか。提案したらリーフも協力してくれるようだし、やれる事はやってみるとするか。



 さて、時刻は午後1時23分。現在俺達はフロストとリーフをボールに収めて、見合いを持ち掛けてきた野郎との待ち合わせ場所に向かっている馬鹿一人を尾行してるところだったりする。

「うぬ……主殿を尾行など、やっていいものだったのだろうか」
「しゃあねぇっしょ? 何処でやるかなんて聞き出せないし、後尾ける以外方法が無ぇんだし」
「まぁ、ご主人が私達の尾行に気付いたとしても、恐らく『寧ろ頼む!』とか言いそうですけどね」
「シっ、そうだとしても、我々が気付かれるとハヤト御人の反応でその見合い相手とやらに気取られるやもしれませぬ。ゆめゆめ気付かれぬように」

 あぁ、こういうの得意そうだから、悪いとは思ったがシノビの助力を得てる。カランにも事情は話して納得してもらってるから大丈夫だろ。
カランも、『流石に有り得ないと私も思うから、馬鹿兄貴がドジったらお願いね』って言ってたからな。全く、ハヤトの阿呆っぷりには困ったもんだよ。
で、気付かれる事無く尾行を続けてるんだが、割と歩くな? 面倒臭ぇし、さっさと行けってのな。

「む、止まりましたな」
「あそこか……見た目は普通の家か?」
「そのようだな。ん? ここは確か……主殿の同級生のアキタという生徒の家だな」
「アキタさん……あぁ、そう言えば確かに、ご主人がレンさんやフロストさんの事を話したら一番食いついてましたね。フロストさんを連れてる時なんかは、撫でさせてーとか交換しようーとか言ってました」

 リーフが知ってるのはまぁ分かるが、なんでレオまで知ってる? と思ったが、どうやらハヤトに付き添って一度来た事があったらしい。その時も、ひょっとしたら今みたいな内容の為だったのかね?
お、玄関のインターホンを鳴らしたら家の扉が開いた。出てきた奴は、ふむ、確かにハヤトのアホと同じくらいの歳に見えるな。メガネ掛けてて、雰囲気的にはチョイ暗そうな感じかね? 無愛想って言えば合ってるかな。
っと、入っていったな。んー、なんとか中の様子が分かる部屋でやってくれればいいんだが。

「場所は分かったが、これからどうする?」
「ふむ、皆はここでしばし待たれよ。我が様子を見てくるとしよう」
「出来るか? シノビ」
「御意に。警備がある訳でも無し、造作も無き事」

 おぉ、さっと家の敷地内に入っていきやがったよ。本当、忍びの名前は伊達じゃねぇな。

「……なんでシノビさん、あんなにライトさんの言う事には素直なんでしょう?」
「さぁ? 俺がコテンパンにしてやったからじゃね?」
「そうではないように思えるが……まぁ、シノビの心境は当事者にしか分からんか」

 俺が野良ポケモン最凶の一角だって事を知ってるからだ、なんて絶対に言えんわな。シノビもその辺は分かってくれてるしな。
っと、ちょっと待ってたらシノビが戻ってきた。流石の仕事の速さだな。

「皆、こちらへ。ライト殿はリーフ殿を頼みます」
「ラジャ。リーフ、難しいかもしれんが俺に乗るような感じになれるか?」
「え? あ、はい、なんとかしてみます」
「レオ殿は我が。御免」
「む? うぉ!?」

 おぉ、やるねぇ。レオを抱えたまま跳躍出来るか。やっぱシノビのステータスも高いやね。
んじゃ、俺はリーフをば。うん、全然大丈夫だな。
一旦屋根を経由して、この家の裏側に回った。ほう、ハヤトん家の庭ほどじゃないが、なかなか広い庭があるじゃないか。
そのまま家の影に降りる。なるべくリーフに衝撃が行かないようにしたが、ちょっと苦しかったかね?

「ふわぁ、とと」
「済まんな、俺自身そんなにデカイ訳じゃないし、苦しかったか?」
「それは全然平気でした。というかライトさん、よく私を背負って物音一つ立てずに跳んだり歩いたり出来ますね?」
「その辺はコツと経験ってとこだな」
「どれだけ出鱈目なんだお前は……」
「ま、まぁそれは今は詮無き事。レン殿とフロスト殿はあそこです」

 お、窓から見える部屋の中にレンやハヤトの姿が見える。どうやら見合いはこれから始まるみたいだな。
うっはぁ、フロストってば不機嫌だって顔に書いてあるような顔してやがるよ。露骨だのぅ。
部屋は小奇麗なところを見るに、客間ってところか? 裏はこの庭はあるが塀があるし、外部から見える作りでは無いわな。
んで相手さんのポケモンはっと。けっ、予想通りミミロップが居たか。性別は当然牡だろうし、場の空気を効果で埋めるには十分なポケモンだわな。
もう一匹は……なんだあれ? 白くて腕から垂れてる毛が異様に長いポケモンだな? 俺のデータベースに無いって事は、別地方のポケモンか?

「ミミロップとコジョンドか……あまりレン殿達にとって良くは無い組み合わせか」
「あの白いのの事、知ってるのかシノビ?」
「えぇ、武術ポケモンのコジョンドと言います。格闘タイプのポケモン故、ルカリオとグレイシアである御両者には厄介な相手かと」

 抵抗されるのも見越しての布陣、か。やれやれ、嫌な予感だけはどうして確実に当たってくれるかな畜生め。
とは言え、メンタルバンダナのお陰でメロメロの効果は受け付けない。あのコジョンドってのがどれだけの実力かは知らんが、やってやれない事も無いってところかね。

「くっ……」
「おいおいレオ、まだ何も始まってないのに突っ込む訳にはいかんからな? おまけにまだ部屋の中にハヤトのアホとアキタって奴も居る。手は出せんぞ」
「分かってる、俺だってそれくらいはな」

 あと部屋の中に不審物は見えんか……ポケモン達にも、おかしな様子は無いかね。
レンも元気は無いが、とりあえず笑って応対してるし、今はそこまで異常は無いだろう。まぁ、この二匹を当ててきた時点で裏が見え隠れしてるんだがな。
ん、トレーナー二人は退場したか。最後になんかしていったが、どうやら空調入れていっただけっぽいかね?
アキタとかいう奴の方のポケモン達がレンやフロストに席に座るよう促してる。初っ端から何か仕掛けてくるなんて愚行は流石にしねぇか。

「とりあえずは、何事も無く始まったか」
「ですね。あのミミロップの特性がメロメロボディだとしても、あのバンダナで無効化出来ますし」
「メンタルキュアという薬を染み込ませたバンダナ、だったな。本当に身に付けてるだけで効果があるのか?」
「顔周りから遠かったら効果も薄れちまうが、両方今巻いてるのは首だからな。心配あるめぇよ」

 レンにもフロストにも変わった様子が無いのがその証拠ってな。まぁ、メロメロボディもそこまで即効性がある訳じゃねぇだろうけど。
このまま何事も無く終わってくれれば問題無しなんだが、そうは問屋が卸してくれるかね? 出来れば踏み込むような事になって欲しくないんだけどな。
しばらく様子を見てたが、本当に軽く話をしてるだけみたいだな。フロストも不満そうではあるが話を合わせてるっぽいし、取り越し苦労だったかな?

「ふむ……妙ですな」
「妙? 何がだ?」
「机の上、恐らくこの寄り合いの為に用意した菓子類でしょうが、それがあるのは見えますな? レン殿達の方はクッキー等の洋菓子ですが、相手方にあるのは、あれはフエン煎餅。何故別の物が用意されてるのでしょう」
「確かに……」

 フエン煎餅、確か各種木の実を練り込んで作られた煎餅で、状態異常にも効果のある奴だったよな。……まさか?
今俺達が居る影じゃ空調が見えんな。一度屋根に登るか。
屋根に登って、気付かれないように部屋の天井近くにあるエアコンを確認。うわ、マジかよ。なーんか粉が僅かに付着してる小皿が仕込まれてるし。
粉ってなると、予想するとして眠り粉か痺れ粉か……どっちにしろヤバイ、メンタルキュアじゃ状態異常は防げないぞ。

「如何なさった、ライト殿」
「あれ見ろよ。あまり愉快じゃないもんがエアコンの中に仕込まれてるぜ
「ん? ……! まさか、空調の風に乗せて?」
「だろうな。どんだけ念入りな仕込みだってのな」

 窓枠は金属製、留め具はシンプル。侵入路を作るのは簡単か、なら留め具だけでも先に外しとくか。
チェーンボルトを窓枠に通して、留め具まで電気を走らせる。気付かれないように細いチェーンにしたから多分大丈夫だろ。
こっからは精神集中だ。送り込んだ先の電気を操作して、電磁石の要領で留め具を弄って開けるからな。これ結構疲れるんよ。
まずはロックを外して……留め具自体を引き下げる。よし、完了。まぁ、これも野良やってる時に培った技術の一つだな。人様の家に忍び込むのに、窓割って入ったりしたら足付くし。

「今……まさかライト殿、窓を開けたのですか?」
「留め具だけな。これで、奴等がレン達に手を出したら踏み込めるぜ」
「そんな事まで出来るのですか?」
「やってやれない事はねぇ、程度にはな。まぁ、疲れるからそんなにやりたくねぇけど」

 さて、仕込みも終わったし二匹のところに戻る。ついでに事情も説明っと。

「な、エアコンの中に仕込みだと!?」
「あぁ。恐らくって事にゃなるが、痺れ粉か眠り粉だろうな」
「んー、レンさんもフロストさんも眠そうにしてないところを見ると、痺れ粉でしょうか?」
「かもな。空調の風に乗せて飛散させてるから、少しずつ吸引する事になる。気付かない内に体は痺れに侵食されてくって寸法だな」
「あちらの二匹は煎餅を口にするから痺れは蓄積しない、という事ですか。それなりに練られた策ですな」

 うわ、レオが今にも窓ぶち破って殴り込みそうな顔してる。と、とりあえず落ち着かせる為に窓の留めは外してる事は伝えた。
しかしそんな仕込みまでしてるって事はそろそろ……やっぱり、動き出したか。
ミミロップが動いて、レンの顔にそっと触れた。その手を払おうとして、ようやくレンも自分に何が起こってるか分かったみたいだな。
冷静で居るつもりだが、奴がレンに触れたのを見て、胸の辺りがぞわっとするのを感じる。レンに触れられたのが……なんか無性に腹立つ。
コジョンドの方も動いて、奴はフロストの方へ向かった。うわ、レオの背中の炎がフルスロットルだ。

「ライト……もう、構わんな?」
「あぁ。俺も行こうと思ってたところだ」
「ぬ、ぬぅ……」
「あ、あの、ライトさん? レオさん?」
「シノビもリーフもちょーっと待っててくれ。すぐに終わらせてくるから」

 そう言った後、無言で歩き出したレオに続いた。
ゆっくりなんて言わず、勢い良く窓を開け放つ。二匹に事を起こそうとしてる馬鹿共は、それに驚いてこっちを向いた。
が、そんな一瞬には俺もレオもそれぞれの相手の顔面を殴り抜いていた。すっ飛んでいって壁にぶつかったが、もうそんなの構いやしねぇ。

「ライ……ト……」
「レ、オ……?」

 安心させる為に笑い掛けて、レオはフロストを抱え上げ、俺はなんとかレンを乗せた。まだ、痺れで体に力が入らないみたいだな。

「やるこたぁ終わった。ずらかるぜ」
「だな」

 堂々と家の玄関から出てやろうかと思ったが、後々面倒そうだからまた窓から出た。今度はこそこそする必要も無いから、普通に歩いて出て行くがな。
終わった事をリーフとシノビにも伝えて、帰り足になる。ふぅ……。

「あ、あの……」
「あんた等、なんで……」
「まぁ、その、あれだ。やっぱ、どうしても気になっちまってな」
「う、うむ」
「ライトさんはそのバンダナだけにしようと思ってたんですけど、レオさんからの申し出で、ここまで来たって感じです」
「結果、お二方の危機を未然に防ぐ事は出来ましたがね」

 やばい、やってからアレだが、なんか凄い恥ずかしい事したんじゃね? 俺とレオ。見合いの席に乗り込んで牝側を拐っていくとか、ドラマかよ。
ま、やっちまったもんはもうどうしようもねぇし、どっちも何もされてないんだからいいよな。

「れ、レオ、あの……」
「ん? どうした、フロスト」
「こ、この抱っこのままって、その……恥ずかしいんだけど」
「そうか? だがまだ体が痺れているんだろ? 他の格好では辛くないか?」
「外の空気吸って少し楽になったから大丈夫。抱っこより、えっと、背中に背負ってくれた方がいいわ」
「ははっ、無理に言い方変えないでおんぶって言えばいいじゃねぇか」
「う、煩いわね。なんかそう言ったらその、変に恥ずかしいじゃない」

 恥ずかしがる事あるめぇよ。いつも俺には何の気兼ねも無しにだらだらしに乗って来るんだし。
リーフも手伝って、フロストはレオの背に移動した。ま、その方が安定はするわな。

「レンも体は大丈夫か?」
「うん、フロストちゃんも言ってたけど、外の空気吸って落ち着いてきたみたい」
「そいつは良かった。俺も予測が甘かったぜ、まさか直接麻痺させてくるまでやるとはな」
「既成事実があればーとか、俺達無しじゃダメな体にしてやるーとか、思い出すとこっちを嘗めてるとしか思えない奴等だったわ。あぁ、あんな事言われてやり返せなかったのにムカつくわぁ」
「でも本当に危なかったよ……ライトとレオ君が乗り込んでくるのが後ちょっと遅かったら何されてたか……」
「あの時のレオさんとライトさん、格好良かったですよねー」
「うむ、不貞の輩を一撃の元に打倒し親愛なる者を救う。牡としてこうありたいという模範だった」
「ば、バッカ、照れるからやめれって」

 そんなん言われたら助けた方も助けられた方も恥ずかしくなるだろ。現にシノビとリーフ以外は照れてるし。
と、とにかくさっさと帰って一休みするか。……あ、ハヤトの奴の事忘れてたな。まぁ……大丈夫だろ。



「たっだいまー」
「ん? ようやく帰ってきたか」

 俺達が帰ってきてから大体一時間か。ようやくハヤトの阿呆の声が聞こえた。声の様子からして、とりあえず難は無かったみたいだな。

「てってってーと。お、やっぱりレンとフロストは帰ってたか。助けてくれたのは、やっぱりライト先生?」
「厳密に言えば、俺がレンを担当してレオがフロスト担当、アシストにリーフとシノビって布陣だな」
「おぉ! リーフとレオも来てくれてたのか! おまけにカランのシノビ君まで!」
「兄さんがしょうもない約束するからでしょ? レオ君達から聞いたけど、危うくレンちゃんもフロストちゃんも襲われるところだったみたいよ?」
「それについては本当に申し訳ない。アキタの奴には全部吐かせて事情は分かったから、もう二度と俺に関わるなって脅しといた!」

 詳しく話を聞くと、どうやら俺達が踏み込んでた時、こいつはこいつでアキタって奴に足止めを喰らってたらしい。様子を見に行こうとする度にあれこれ妨害してきたから不審に思ったそうだ。
で、俺とレオがあの馬鹿二匹をぶっ飛ばした時の音で何事かと駆け付けて、伸びてる二匹を見てこんな事は有り得ないってアキタって奴が漏らして、どういう事か問い詰めたんだと。

「嫌になるよ。そりゃあルカリオもグレイシアも、クラスで俺以外は連れてないけどさ。無理矢理自分のポケモンにしようとか有り得ないっしょ」
「あのな、俺とレオが行かなかったらそうなってたかもしれねぇんだぞ? 反省しろ反省」
「お、おう……今度こういうの持ちかけられたら、必ず皆と相談してからにしますです」

 是非そうしてくれ。今回は間に合ったが、下手すりゃメンタルキュアも作れなかった可能性もあるんだからな? 事前に聞いておければそんな心配も無いしな。
なんにせよ、今回は乗り切ったと思っていいだろう。やれやれだぜ。

「あ、あのー……レンもフロストも喋んないけど、やっぱりまだ、怒ってる?」
「……怒ってはいるけど、まぁ助けに来た皆の顔に免じて、今回は許してあげる」
「けどご主人、こんなのはこれっきりにしてね? 私もフロストちゃんも、本当に怖かったんだから」
「あぅぅ、マジでごめんなさい……」

 あぁ、今日はレンも大変な目に遭ったからな、家事は他の皆で分担してやってるぜ。俺は当然の如くフロストのベッドなんだがな。

「にしてもさー……アキタの奴、結構良いポケモン連れてるのに、なんでレンとフロストの事まで欲しがったんだろ」
「さてな。単に好きなポケモンだったってのが一番でねぇの? そんなに何処にでも居るポケモンじゃなくて、更に人気のあるポケモンだし」
「実際、そういう被害もあるのが困りどころよね。他のトレーナーのポケモンを自分のポケモンの虜にして奪う手口って、検挙数実は多いのよ」
「へぇー」
「この被害を広げない為には、やっぱりトレーナーがそういう被害や危険性を理解して、疑念のある取引ややり取りをしないって言うのが一番ね」

 現在揃ってる全員でハヤトをジト目で見てやった。ちゃんと反省してるのか、萎縮して小さくなりやがったよ。

「でも改めて思うと、兄さんの連れてる皆って珍しいポケモンと人気のあるポケモンが揃ってるよね」
「そうかぁ? まぁ、あんまり連れてる奴は見掛けないけど」
「自覚が無いのも、今回の問題に拍車を掛けた原因の一部かもな」
「やれやれね……」

 呆れる俺達を他所に、奴はなんでなんでー? って小さいガキみたいな反応をしてる。フロストじゃねぇが、やれやれだな。
そんなやり取りの間に、ふとレンと目が合った。と思ったらハッとして視線を逸らされちまったよ。あれ、どうしたかね?

「ん? レンちゃんどうしたの? なんだかちょっと嬉しそうだけど」
「え!? い、いや、特にはなんでもないよ」
「はっはーん? さてはレン、ライトに助けてもらって上機嫌だなー?」
「ち、違っ! わなくもないようでも無いけど!」
「あら、ライト君とレンちゃんってそんな仲だったの?」
「え、あ、いや、別にそんなその、言及するような仲じゃねぇよ?」

 ハヤトのドアホウめ! なんでこんな所で妙な話を始めやがる! カランにも妙な勘ぐりされちまうじゃねぇか!

「言及するような仲じゃない相手を、真っ先に飛び込んできて助けるのかしらねー」
「う、煩ぇや! おめぇだってレオに抱っこされてる時、顔赤くしながら嬉しそうにしてたじゃねぇか!」
「ちょ、な!」
「え、マジで!? そういやさっきフロストの事はレオが助けたって言ってたっけ!? お、俺が知らない間にレオもフロストとイチャイチャしてたのか!?」
「わーわー! 何変な事言ってるのよハヤト! 変な誤解されるような事をでっかい声で言うんじゃないわよ!」

 ちょ、俺の上でジタバタするなっての。でもあの時のレオは、普段の見方から印象が変わるのには十分だったかもなー。

「レオは幼馴染! ただそれだけだったら!」
「……否定はしないが、それだけと言われるのは少々傷付くな」
「れ!? れれれれれレオ!? あんたいつの間に居たのよ!?」
「いや、皆寛いでるから茶でも出そうかと思って持ってきただけなんだが……あ、カラン殿どうぞ」
「あら、レンちゃんがお茶淹れてくれた事は多いけど、レオ君からは始めてかも。ありがとー」

 カランがお茶を受け取ってる間に、やらかして恥じらいが爆発したフロストが俺の首の毛の中に顔を埋没させたのを確認。普段俺とレンを弄ってくるんだからいい気味だぜ。
レオもあの時は凄まじい剣幕でフロストの事助けたってのに、今は普通に戻っちまってるよ。寧ろいつもよりさっぱりしてるくらいだ。
お茶だけ置いてそそくさと戻っていっちまうし、なんだかな?

「へぇ……」
「ん? レン?」
「フロストちゃんと話してる時、レオ君の波導が凄く揺れてたよ。多分、顔も赤くなってたんじゃないかな」
「へ!? レオが!?」
「ほぉう? あいつそっち方面に興味無さげかと思ったが、なんだかんだ言って年頃って奴かねぇ」

 そしてまた俺の毛の中に埋没するフロスト。これ、普通のサンダースの毛並みだったら大変な事になってるよな。
にしても、レオとフロストか……これまた両極みたいな二匹が惹かれ始めたもんだ。ま、他者の恋慕に首を突っ込むような無粋な真似はしねぇけどよ。

 で、そのまま夜になった訳だが……。

「お前らさ、何その微妙な距離は?」
「え、あ、いや……その……」
「べ、別にレオを意識してとかそういう訳じゃないわよ? ただ今日は助けてもらったし、きちんとお礼も言ってないなと思ったからレオの手が空くこの時間まで待ってて言おうと思っただけだし」
「それなら俺とかレンとか、リーフも居なくてもいいじゃねぇかよ。二匹で好きにやれよ」

 まぁ、そんな感じでして。飯も食ってやる事も無し、部屋に戻ろうとしたらフロストに(足を凍らされて)引き止められて、無言でここに居ろってプレッシャーを受けたんで付き合ってるところだ。俺以外の被害者はさっき言った二匹である。

「まぁまぁライトさん。今日は慣れない事ばかりでフロストさんも落ち着かないんでしょうし、これくらいいいじゃないですか」
「本当だねぇ。普通にお話するだけだったら良かったのに、変な事しようとするなんて……改めて思い出すと、なんだか怖くなっちゃうよ」
「痺れ粉まで用意されてるたぁ俺も予想してなかったからなぁ。結果として、レオが付いて行くって言い出したのが功を奏したな」
「あだ、ま! お、俺はただお前がレンやフロストの為に何かするのを手伝うと言っただけで!」
「その時既に付いて行く気満々だったじゃねぇか。主にフロストを助けるって言いながら」

 うぉぉ、火柱と氷柱が同時に立ったよ。なるだろうなーと思って、薄めのシールドを部屋に張っておいて良かった。

「お前ら分かり易いなー……」
「ライトさんもここぞとばかりに煽っていきますね。普段煽られる側なのに」
「煽られる側って……誤解を生む表現をしないでくれリーフ」

 レンは照れ爆発を起こした二匹を見てクスクス笑ってるよ。普段俺とレンの事を散々弄ってくる癖にだらしないもんだ。
思うと、余裕綽々で居るけどこいつ等だってそういう経験ゼロなんだよな。煽られるのに耐性無いのは当然か。
ま、どっちもここまで照れるくらいお互いを意識してんなら、野次馬するのも悪いだろ。そろそろ部屋に撤退するかね。

「とりあえず、その分だと俺達が居なくても問題無いだろ。邪魔しないから二匹でよろしくやってろよ」
「よ、よろしくやるって! 別にそういう如何わしい事は絶対に無いぞ!」

 レオ、その発言をするって事は内心そう思ってるって事の暴露になってるって事だぞ。と、心の中で思いつつ、リーフにも余計な事は言わない方がいいと視線で指示を出しておいた。
そのまま二匹を残してリビングを後にした。もうどうせなら、あっちはあっちで正式にくっ付いてしまえばいい。誰も文句は言わないだろうし。

「でーも意外でしたね。まさか、レオさんがフロストさん狙いだったとは」
「意識し始めたのは最近なんでないかね? それらしい反応が出始めたのは確か……前にフロストとレオが一緒に買い物に行った時でねぇかな」
「あぁ、あの時。そう言えば、買い物から帰ってきた後にレオ君、ちょっと様子が変だったかも」
「フロストさんも自分で幼馴染なんて言っちゃう辺り、確実にレオさんの事を特別な対象と見てますもんねー。あーぁ、いいなぁいいなぁ」
「リーフの狙いはあいつだろ? レオなんかみたいに奥手でも無いし、ドストレートに熱血というか、情熱的なんだし、思いきってリーフから言っちまえばいいんでねぇの?」
「ほぶぉ!? な、何を言い出すんですかライトさん! そ、そそそそんな事出来る訳無いじゃないですか!」

 盛大に取り乱してるな。こっちはこっちで分かり易いんだし、ちょっと本気でなんか言えばゴールイン出来そうなのにな。
ありゃ、これ以上何か言われるのを避けたのか、失礼しますって言って部屋に行っちまったよ。純情だねぇ。

「ふふっ、ソウ君とリーフちゃんも、両想いなんだからもっと素直に言えばいいのにね」
「あんれ、レン知ってたのか?」
「うん。と言うか、ソウ君に相談された事あるんだよね。リーフちゃんの事が好きなんだけど、それを伝えるにはどうしたらいいかって」

 マジでか!? し、知らなんだ……ソウ、そう言う話はレンにしてたのかよ。まぁ、俺に聞かれても返答に困ってたけどな。

「それでその時は、自分の気持ちを素直に言ったらいいんだよって言ってあげたの。そしたらソウ君、なんて言ったと思う?」
「んー……強くなって、リーフの事を自分で守れる自信が出来たら言う! とか?」
「すっごーいライト、大正解。大好きな相手くらい、やっぱり自分で守れるようになりたいッス! って言ってたの。あ、これライトが家に来る前ね」
「ほう……ならソウの筋トレとかって、やってる理由の一つってそれなのか?」
「多分ね。なんだか凄いよね、大好きな相手に大好きって伝える為に、一生懸命強くなろうとするって」

 本当にな。でも、ソウらしいのかもしれねぇな。ああいう奴は惚れた相手一筋だろうし、末永くお幸せにって言うしかあるめぇよ。
にしても、家の連中は本当に一途な事で。浮気とかする気絶対起きないだろうなー。まぁ、良い事なんだろうけどよ。
なんて話をしてれば、当然の如く部屋の前に居たりする。ま、家の中の部屋を移動するなんてそう距離があるでもなし、当たり前なんだけどよ。
扉を開けると、電気を点けてないからか、月明かりに照らされた暗い部屋が俺とレンを迎えた。なんかこういう部屋も独特の雰囲気あるよなぁ。

「ふぅ……なんだか今日は疲れちゃったなぁ」
「お疲れさん。展開はともかくとして、無事に終わって何よりだったな」
「ライトが助けてくれたお陰だけどね。これで二回目だよね、ライトに助けてもらうって」
「そうだったっけか?」
「ほら、前にライトと私とで出掛けた時に」

 そういやそうだったっけな。レンが襲われかけて、レンに振るわれた拳から俺が守ったんだった。あの時は、ここまでレンの事を想ってなかったかな……。
大切なもの。確かにあの時もそうだった。けど、今は……。

「自分にとって大切なものを守るのは当然だろ」
「……うん、そうだよね」
「けど、今は少し違うかな。大切ってとこは変わらないけど、ものなんて言えねぇよ」
「え?」
「やっぱり、どう言い訳しても無駄みたいだわ。俺、レンの事が……」

 そこまで言って、一つ深呼吸をした。ここで何も言わずはぐらかして終わりって言うのが今まで。けど、今は……気持ちが揺れてる今だから、言える事もある。
恐らく、ここをはぐらかして終わらせたら、間違い無くこの先も俺がこのフレーズを言う事は無いだろう。レンだけじゃない、他の奴にもだ。

「好きだ」

 ……静かだった部屋の中が、更に静かになったように感じる。嫌に煩いのは、俺の心音だな。
あーぁ、言っちまったよ。これまで散々言い訳なり逃げなりを繰り返してたってのに、言っちまうとこうもあっさり口に出来るもんなんだな。

「今日、あのミミロップがレンに触れたのを見て、怒りなんだか憎みなんだか、それとも妬みだったのか。とにかく、口で表せん気持ちになっちまったんだよ。そんなの自覚しちまうと、流石に自分を誤魔化す事も出来ん」
「……」
「俺が危険なポケモンだってのは変わらない。けど、それでも俺は……レンの事が好きだ。他の牡と一緒になるのを、黙って見てるなんて出来ねぇ」

 えっと、俺の独白の間、レンは口に手を当てて尻尾と耳を立たせて固まってた。そんな反応されると、なんかもっと恥ずかしくなってくんだけどな。

「……これが、俺のレンへの気持ちだ。もちろん俺の勝手で一方的な気持ちだし、レンのこれからなんて想定に入れてない。自分勝手で、とことん我が儘だってのは分かってる。けど……」

 これ以上誤魔化したくない。って言おうと思ったんだが、その言葉が出る前に俺の口は塞がれた。何でかは、まぁレンの口が俺の口に触れてるんだからそういう事だ。
そっと繋がった口が離れて、涙目になったレンが目の前に居る。俺は今、どんな顔してんのかな。自分でもよく分かんねぇや。

「今日、ご主人にお見合いを受けてって言われて、凄く辛かったよ。だって、本当に好きな相手がもう居るんだもん」
「レン……」
「あのミミロップさんに襲われそうになって、本当に怖くて。そんな時に浮かんできたのは、やっぱりその大切な相手の事だったの。お願い助けてって、気持ちを伝えてないのに、こんなのは嫌だって」

 ぺたんと座り込んだレンの腕の中に、俺はそっと体を預けた。広げて俺を迎え入れてくれるこの腕の中に、俺は……入ってもいいんだよな?

「ライト……大好き。誰よりも、何よりも。離れたくない、ずっと一緒に居たい」
「俺もだよ、レン。ずっと、一生。傍に居たい。どんな事があっても」

 触れたレンの温かさが、心にも体にも広がっていく。けど……この温かさを本当に受け入れる為には、俺にはレンに言わなきゃならない事がある。
俺の過去と、俺の……罪を。そして、俺と共に居れば、どんな危険がレンにあるかを。

「レン……聞いて欲しいんだ。幻滅するかもしれない、俺の事を恐ろしいと感じるかもしれない。けど、俺はレンに教えないとならないんだ。『俺』って存在を」
「うん……聞くよ。それがどんな事であっても、受け止めたい。どんなに大変な事でも、辛い事でも、ライトの事……知っていたい」

 ゆっくりと深呼吸をして、一度、空に輝く月を見上げた。願わくば、生まれて始めて、それこそ誰にも開示した事のない俺って存在全てを晒す勇気を、分けてもらえるように。



 最初から一つずつ、今の俺に至るまでの道をゆっくりと語った。本当に、全てを包み隠さずに。
PRLを潰した事も、消滅の光の事も、ハルの事、師匠との夢、歩いてきた全てを。
レンはそれを静かに聞いていてくれた。一つも聞き逃さないように、真剣に。

「……ふぅ、大分掛かっちまったけど、これが『俺』。嘘吐きで、臆病で、化物なサンダースのライト、さ」

 それぞれのベットに座るようにして話を続けてたんだが、部屋の明かりを点けてないから、まだ月明かりに照らされながら話をしてるんだよな。別に明るくして話したいって訳でも無かったからいいんだけどよ。
けどこう、月明かりに照らされてるレンがその、いつも見てるより雰囲気が違ってなんとも言えない気持ちになってたりするんだよな。

「ライト……ずっと、ずっと独りで色んなものと戦ってたんだね……」
「あぁ……それだけ俺の事を恨んでる奴も居れば、俺自身や俺の首を狙ってる奴も居る。本当は、こうして一つの所に留まり続けるのも避けるべきだったんだ」
「けど、ライトがここに居てくれたから、私はライトの事を知る事が出来たよ。こうして……」

 すっと立ち上がって、レンは俺のベッドに腰掛けた。そして、座る姿勢になってる俺の前足に、そっと触れた。

「ライトに触れる事が出来る。私は、それが嬉しいな」
「レン、俺は……」
「待って。ライトが私に隠してた事、全部聞かせてくれたんなら……私もご主人以外の誰も知らない事、教えるね」

 そう言って立ち上がって、レンが手にしたのは鋏だった。何故急に鋏を?
疑問に思ってる俺の前で、レンは自分の胸の辺りに鋏を近付ける。な、何を?

「……これが、私。本当の、私の姿」

 パチンと音がして、鋏が何かを断ち切った。すると、レンの胸にあった棘が、するりとレンの手の中に落ちた。

「それは……」
「未成熟な進化って言うんだって。ポケモンが本来ある姿じゃなく、進化前と進化後の中間くらいの姿で進化が止まって、そのままの姿になっちゃう現象らしいよ」

 俺もちょこっとは知ってる。原因には諸説あるが、何らかの原因でポケモンの進化が阻害され、未変化の部分が発生する事があるって。まさか、レンがそれだったとは。
そのままレンは両手にあった棘も取り去って戻ってきた。俺は、そのレンの腕の中に包まれる事になった。

「私は進化しても、胸にも腕にも棘が生えなかったの。けど、それじゃあ普通のルカリオと違うから変に思われるってご主人が心配しちゃって、ポケモンセンターで付けてもらったのがあれなんだ」
「そうだったのか……」
「でも棘が無いお陰で、私はこうしてライトを思いきり抱き締められる。ライトの事を体いっぱいで感じられるなら、あんな物が無くても平気」

 今まで、胸の棘があるからこんなにレンの温かさを我が身で感じる事なんて出来なかった。誰かに抱き締められるって、こんなに……温かいものだったんだな。
こんなに体を預ける事、ハルにも無かった事だ。正直、戸惑ってる俺が居る。けどそれ以上に、レンの存在に安堵してる俺が、確かにここに居る。

「正直なところね、私も不安だったんだ。誰にも言った事無いこの事を言って、ライトに嫌われないかな、変に思われないかなって。ライトが言わないようにしてた事に比べれば、取るに足らない事だけど」
「そんな事無いさ。誰だって他の誰にも隠してる事は少なからずあるだろうし、それを言うのは不安なもんだろ」
「うん。でも良かった、ライトにはきちんと伝えられた。これで、お互い隠し事は無いね」
「あぁ。それで、その、だ」
「ふふっ、全部教えて貰っても、私の気持ちは変わらないよ。これからも、ライトの傍に居たい。ずっとね」

 そのままふわっとベッドに横になって、もう一度唇を重ねた。何も言ってないけど、これが答えでいいんだよな。
ゆっくりと目を閉じて、レンの存在を感じながら眠りに落ちていく。なんだか、いつもよりずっとよく眠れそうだ……。



 朝日が差し込んできて目を覚ますと、目の前には眠るレンの顔があった。って事は、昨日の事は夢とかじゃなくて本当の事なんだよな。
少しだけ視点を落として、レンの胸の辺りを見ると、そこにはやっぱり棘は無い。昨日外しちまったけど、どうすんだ? いや、俺は教えてもらったからそのままでいいけど。

「ん、ぅ……ぁ、ライト、お早う」
「お早う、レン」
「ライト、温かくて気持ち良い……んー……」
「おいおい、二度寝は不味いだろ? これからは、なんだ、いつでもこうして寝れるんだしさ」
「え? いい……の?」
「そりゃあ、まぁ。結局明言しなかったから今言うけども、あれだ、こ、告白したんだし、レンも受け入れてくれたんだし、な」

 嬉しそうに笑って、レンが身を寄せてきた。まだ流石に恥ずかしさもあるけど、俺もやっぱり嬉しいかな。
まぁ、将来的に俺がこの家に残るのか、それともレンと一緒に旅暮らしに戻るかって問題はあるんだけどさ。それも、レンと相談してこれから決めていけばいいよな。
って事で、このままベッドの上でだらだらしてたい気もするが、レンの家事もあるから起きるとするかって事で部屋を出た。時間は、まだ5時半だ。

「うー……」
「ん? リーフ?」
「おうー……お早うございます、レンさんライトさん」
「お早う、はいいけど、どうしたのリーフちゃん? 凄く眠そうだけど」
「そりゃあ寝不足にもなりますよ……隣からあーんな声や音が聞こえてきたら。全く、ライトさんもレンさんも、少しは自重して下さいよぉ」

 ……はい? なんのこっちゃ? 声とか音って、そりゃあ昨日はレンと語り合ってけどよ、そこまで煩くなんかしてないぞ? そもそも音ってなんだ?

「あの……どういう事?」
「惚けちゃって……夜中辺りから3時間くらいですかね? 所謂営んでらっしゃったんでしょ?」
「はい? 俺とレンが?」
「それしか居ないじゃないですか。って……あ、あれ? なんか、お二方共心辺りが全く無い感じですか?」
「生憎ながら」
「さっぱりだよぉ?」

 そりゃあ一緒のベッドで寝起きはしたが、それだけだぞ。本当に。
リーフも俺達の態度が本気で困惑してるって感じ取ったらしい。けどそうすると、リーフが聞いた声や音ってなんだ?

「ど、どういう事でしょう? 確かに思い出してみると、声はレンさんじゃなかったです」
「とするとだ、俺達の側じゃないリーフの部屋の隣だとすると……」
「それって……」

 フロストの部屋、なんだよな。って事はだ、つまりは……はっ!? そういう事か!?
レンとリーフも察したようだ。いや、同時に何故俺の顔を見る。断言なんて俺にも出来ないからね!?

「ま、まさかのまさかなんでしょうか?」
「わ、分からん。が、聞いて答えるような奴等じゃないしな……一発で分かる証拠があればある程度問い詰められるが」
「でもでも、あの二匹がお互いを意識したのって昨日が始めてな筈だよね? 一晩でそんな事まで?」
「いや、あの二匹って確かご主人がトレーナーになった時からほぼずっと一緒だった筈ですよね? その積み上げてきた関係が一気に恋や愛に変換されてしまったとするとですね」
「一気に発展する可能性はあったって事か……」

 どれだけ推理しても、あくまで結論には至れないんだけどな。けどリーフが実際色々聞いちまってるんだから、何かあったのは確かだよな。

「まぁ、ここで推理をしてたって埒が明かないし、とりあえずは通常通りに行こうぜ」
「だ、だね。……私なんて昨日まであんなに頑張ってきたのにキスまでなのになぁ」
「ん? レンさん何か言いました?」
「え!? あ、いや、な、なんでもないよ」

 なんとなくレンの言わんとした事は分かったが、それまでやるにはその、俺の方にも心の準備が必要でだな。
って、んな事今はどうだっていいやな。これからもレンと一緒に生きていくって誓った以上、話なり準備なりする時間はまだまだあるだろうしな。
もう眠れそうにないからって事で、そのままリーフも一緒に1階に降りてきた。で、俺は発見してしまった訳だ、なんでか風呂場の明かりが点いてるのに。

「あれ? 風呂場の電気って消し忘れたっけな?」
「え? そんな筈無いよ、だって昨日三匹で消すまで確認したよね?」
「確かに。あの後誰かお風呂場なり洗面所なり使ったんですかね?」

 夜中にか? 考えられなくもないが、どうなんだろうな?
なんて考えてる内に、俺達が見てる前で風呂場の扉が開いた。で、まーたホットな話題の奴等が出てきやがったよ。

「はぁ……ようやくさっぱり出来たわ。まさかあんなベタベタする物だなんて知らなかったし」
「あ、あぁ。じゃあ皆が起きてくる前に部屋……に……」
「戻って何するつもりだ? 続きか?」

 俺達三匹の姿を見て、フロストとレオは固まった。うん、これは確定ですね、ありがとうございます。

「な、なん! ななな!」
「あのな、レンと俺の起きる時間をお前らは甘く見過ぎだっつの。レンがやってる朝の家事は、何も朝食作るだけじゃねぇの」
「でぇ~? どーしてレオさんとフロストさんが一緒にお風呂から出てくるんでしょうねぇ~。不思議ですねぇ~」
「い、いや、これはその、あれだ! 寝ていてフロストが俺の温かさで汗を掻いたと言うので、俺にも責任があるから背中を流したんであってな」
「レオ君、ちょっと落ち着いた方がいいよ? それ、フロストちゃんと一緒に寝てたって自白してるよぉ?」

 おぉ、レオが口を開いたまま固まった。フロストは額に前足当ててやらかしを悔いてるようだし、これ以上弄ったら間違い無く氷像案件だな。
おっと、動き出したかと思ったら二匹並んで土下座の状態に。なんぞ。

『お願いします、この事はここだけの事に』
「声揃ってんなー……」
「って事は、やっぱり昨日の夜、シちゃったんですね」
「ぐっ!? そ、その事までもうバレてるのか!?」
「いや、ここにリーフが居るって事は、そういう事よね」
「そういう事です」
「ったく、俺に節度を守れだのなんだの言っといて、自分はあっさり階段を登り切るとはな」
「う……め、面目ない」

 こりゃ、生真面目なレオの性格から言って、フロストを裏切るような事はまず出来んだろうし……おめでとさんってところだな。

「どうしよう? 今晩お赤飯とかにした方がいいかな?」
「ちょっ、お願いだから止めて! そんな事したらハヤトはともかく、まずカランに何があったか探られるから!」
「にしても二匹で勝手にしろとは言ったがよ、まさかそこまでフリーダムな事になるとはな」
「そ、その……しばらく二匹で話していたら昔話に花が咲いて、そのままの流れというか勢いと言うか……」
「最終的には私が誘う形で部屋に入って、話を続けてる内に妙なテンションになったと言うかなんと言うか……」

 ちらっとお互い顔を見て、頬赤らめて視線を外す。うん、これはもう当事者達の中で答えは固まってるな。何よりだ。

「とりあえず、他に良い言葉が無いからこう言うが、まぁおめでとさん」
「な、何よ、あんたとレンだってその、何かしたんじゃないの」
「残念でした、俺とレンはまだそこまで行ってませーん。まぁ、ノリで告白はしちまったけどな」
「マジですか!?」
「あぁ、そりゃあ事に及んだカップルよりは、話題性には欠けるがね」

 おうふ、なんか今度はリーフを凹ませる結果になっちまった。そりゃあ、今ここに居るのでソロなのってリーフだけって事になるもんな。

「う、うぅー……酷いですぅ! 私を取り残して皆関係が発展しちゃってぇ! 私だってソウ君と告白したり顔赤らめるような事したいのにぃ!」
「な、リーフ!?」
「いやまぁ……この場で俺もリーフと同じ境遇になったら泣きたくなるだろうし、何にも言えねぇや」
「り、リーフちゃん落ち着いて。きっとリーフちゃんとソウ君も上手く行くから」
「その切っ掛けが無いんですよぅ! うぅぅー! 私にもお見合い来てくれないですか! もちろん本命はソウ君ですから間違い無く振りますけど、それでソウ君に振り向いてもらえるなら何件でも何十件でも受けてやりますようわーん!」

 ……意外と、リーフも飢えてるんだなぁ……。まぁ、同じ屋根の下で慕う相手が生活してるんだから、そらこうもなるか。
同じ目をレンにもさせてたんだろうし、これからしばらくはそれの償いからかな、俺とレンの関係は。まぁ……気長にやるさ。
そんじゃ、傷心してるリーフにフォローを入れつつ、今日も一日楽に行くとしますかね。



~後書き!~
はい、ついにライトとレンがお互いの気持ちにけじめを付けて正式カップルに! ……まぁ、今更感はマックスですが。
そしてその裏で一気に関係が発展してしまったレオとフロスト。幼馴染から恋ポケどころか番いの領域へ。まぁ、こっちは実は旧光からこうしようと思ってたのを形にしたという感じなのですがねw バクフーンとグレイシアのカップル、あまり見掛けないですが如何でしょうか? これからのこの二匹の事も、温かく見守って頂ければ有難いです。そしてリーフ……めげるな、頑張れ!
と言った所で今回はここまでと致しましょう! ここまでお読み頂き、ありがとうございました!

最新の10件を表示しています。 コメントページを参照

  • はじめまして。
    いつも双牙連刃様の作品を楽しんで読ませてもらっています(^^)
    今回の作品がとても楽しめましたのでコメントさせてもらいました。
    ミミロップは個人的に好きなポケモンでしたし、もしライトとレオが間に合わなかったらとか、レオとフロストが具体的にどんな行為をしたとか、妄想しだしたらすごく興奮しました(*゜∀゜)
    「とある才能豊かな探検家のお話」や「波間の囚われ海イタチ!」のような、強引だけどその後丸く収まる官能表現が好きです。
    お体に気をつけて執筆頑張って下さいm(_ _)m

    追伸
    if展開や番外編など、お忙しいところ恐縮ですがご検討いただけましたら幸いです。長文失礼しました。
    ―― ? 2015-12-23 (水) 14:50:42
  • もうこれお腹いっぱい過ぎて胸焼けしそうです(*´ω`*)
    次回を正座して待たねばですね♪
    ――優気 ? 2015-12-24 (木) 12:29:03
  • よもや、カップルを通り越して肉体関係を持ってしまうとは幼馴染みの関係ってすごいですなぁ、フロスト姉さんやっぱりツンデレ入ってたことがわかった途端にデレ100%もう少し素直に成れないフロスト姉さんを見たかったですが、ここは、どこかでこの夜の話を書いてくださると信じて待つことにします。
    兎にも角にもフロスト姉さんおめでとうございます! 次からはライトの上ではなくレオの上(意味深)で寝れまs……あぁ、ごめんなさい! 調子に乗りすぎましt(土下座の氷像
    (前から少しやってみたかったんです)
    ――196 ? 2015-12-25 (金) 01:56:48
  • 更新お疲れ様です!
    とうとうというかやっとというか、ようやくレンとライトが正式なカップルになりましたね。長い間想い続けたレンの気持ちがかなってうれしいです。
    そしてそれを余裕で追い抜いていくレオとフロストwずっと一緒にいたとはいえレオさん…あんた手ぇ早すぎでしょw
    今後の進展、(特にレンとライトのあれやこr…ゲフンゲフン)に期待しながら待ってますw頑張ってください!
    ――赤いもふもふ ? 2015-12-26 (土) 02:47:05
  • 脇道とか番外編でレオとフロストのやり取りを見てみたいかも
    ――キュウコン大好きなケモナー ? 2015-12-29 (火) 01:11:19
  • >>12-22の名無しさん
    バクフーンとグレイシアの組み合わせ、お粗末さまですw
    どうせくっ付けるなら何か一波乱あってからの方がいいかと思いこんなドラマになりました。リーフとソウにもこんなドラマがあれば一気に進展が……あればいいのですけどねw

    >>12-22 18時の名無しさん
    元々燻っていた導火線に火が点いた、というところでしょうかね。二組とも、お互いの事を意識してはいましたし、それが燃え上がるには十分な刺激だった、というところです。
    そんな流れに全く絡まない(絡ませられない)プラス君……ま、まぁ、彼は彼なりに活躍する場面が来る筈です。た、多分。

    >>カザウタさん
    ご満足頂けたのなら何よりです! リーフとソウについては、両思いからが長いカップル枠をライト&レンから受け継いだ、というところですかねw
    フロストとレオについては分かりませんが、レンとライトの子供がハヤトの家族になるかは、正直微妙ですね。ライトが反対するでしょうしw
    これからもゆっくりめではありますが、頑張らせて頂きます!

    >>12-22 21時の名無しさん
    読んだ皆さんにも少しでも幸せな気持ちになってもらえるとは、この二組が愛されてて作者としても嬉しい限りです!
    今年初の更新はどんな作になるかまだ決まっておりませんが、これからも楽しめる作品をお送り出来るよう努力させて頂きます!

    >>ポケモン小説さん
    レン&ライトはもうとっくにカップルのようなものでしたけどねw プラスについては……まぁ、まだ恋愛に興味を持つ歳じゃないので、そういう絡みはまだまだ先やもしれませんです!

    >>通りすがりの傍観者さん
    はい、バリバリ進展しております! まぁ、ライト達はこれからもう一段階進展を残してますがね。その進展は、果たして何時あるか? ライトはその辺やっぱり臆病者だったりするのです。

    >>12-23の名無しさん
    おうふ、やらかしておりましたか……キャラを増やすと誰にスポットを当ててるかが混乱してしまう事があるのです。気をつけなければ。

    >>廻さん
    私の作品をお楽しみ頂きありがとうございます!
    今回の作には、IFがあるとどうなっていたかというのをなかなか仕込んでいるので、その辺りを想像して頂けるのも嬉しいですな。作者としても色々考えていたりしますw
    私はどうも、強引な関係がそのまま強引で終わってしまうのが苦手でして。お好み頂けてありがとうございます。
    IF展開が作品になるかはまだ明言出来ませんが……これからの作品もお楽しみ頂けますよう頑張ります!

    >>優気さん
    胸焼けする程ご満足頂けたのなら、ありがとうございます♪
    次作も、足が痺れてしまう前に出せるように頑張ります!

    >>196さん
    積み重ねてきたものが一気に燃え上がった結果、という感じですかね、幼馴染の関係で恋愛というのは。まぁ、何があってもフロストはフロストなので、これからも変わらず見守ってやって下さい!
    しかし、うちのグレイシアの照れ隠しは毎度の事ながら激しいですなw 氷像がどんどん出来ていくw

    >>赤いもふもふさん
    間違い無くやっと、でしょうねw レンとしても想いが成就してまずは一安心、というところでしょうか。
    恋愛関係にネガティブな奥手であるライトとは違い、特にレオは何か背負ってる訳ではないですからね。炎タイプらしく、燃え上がればあっという間だったという事でw
    レンや読者の皆さんも期待してるし、頑張れライト! 私もせっせと制作を頑張ります!

    >>キュウコン大好きなケモナーさん
    やっぱりシたという事実が分かっている以上、気になってしまいますよね。……が、頑張ります!
    ――双牙連刃 2016-01-05 (火) 15:21:03
  • どこかの世界でライトが食いまくりプレイボーイとか茶化されていましたが、このままだとレオがそうなりそうな気がしましたごちです。
    ―― 2016-01-08 (金) 07:02:35
  • >01-08の名無しさん
    お粗末さまですw
    レオはプレイボーイ向きな性格ではないですからねぇ…フロスト専属のプレイボーイ、みたいにはなる可能性があり、というところでしょうか? 依存すると凄そうな気がしますw -- 双牙連刃
  • いや~いい展開になってきましたね!続きに期待してます! -- 輝く夢 ?
  • とても面白い話で続きが楽しみです。ゆっくりでいいので更新頑張ってください! -- BuRAmU ?
お名前:

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Last-modified: 2015-12-22 (火) 14:10:05
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