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恋仇

/恋仇

スランプ脱出&ダークな小説書きたい症候群により生まれた小説です。
注意をよく読んでから読んだ方がいいです~♪
それでは始まり始まり~♪


南十字

!!注意!!
流血、死などの表現がありますので苦手な方はお戻りを。
官能描写も入っております。素股とかがいやだって人はお戻りを。
えー。大変勢力の強い駄文9号が接近中です。備えのない方は完全防備。海より広い心で読んでくださいまし。










「きゃぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
耳を聾する悲鳴が暗がりの洞窟の中で響き渡った。声を発した雌のエーフィは大粒の涙をこぼしながら目の前に転がされた無残に腹部を斬り裂かれたブラッキーに声をかけ続けた。しかし、ブラッキーは決して目を開けることはなかった。それを嘲るかのような不気味な笑みを浮かべながら6つの翼を羽ばたかせ目の前に浮かぶ者がいた。エーフィは涙で潤む視界の中その姿を目いっぱい睨みつけた。その時、彼女はそっと後ろに縮こまっているイーブイを念力で物陰に押し込んだ。
その後、イーブイは物陰の間から何も見ることはできなかった。母の悲痛な叫び声が止むとともに彼女は物陰の間から洞窟の中を見渡した。黒い影は母であるエーフィを地面に打ち棄てると踵を返し洞窟の外に出た。1回だけ洞窟に振りかえった時に見えた6つの赤い瞳。その瞳の不気味さに射竦められそのポケモンが羽ばたき夜空にその姿を消すまでその場から身動きをとることができなかった。

「あぁ……あぁぁぁぁぁ…」
うわ言のように口から漏れてきた言葉、目から溢れてきた涙。母や父に触れたとき、赤黒い血がべっとりと両前足に付いた。
「お母さん、お父さん……。起きてよ………。遊ぼうよ……。ねぇ…」
そう言うと一抹の希望を胸に両親に擦り寄った。いまにも起きだしそうな安らかな寝顔は一生覚ますことのない眠りについた顔なのだとこの時のイーブイでは理解できなかった。
何度も何度も、両親に声をかけた。両親に触れた。そのたびにその身は赤く染まり、その脆い心は崩れ去ろうとする。
「あぁっ……うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!!!」
イーブイは泣き叫びながら外に飛び出した。満月の光に照らされその赤色に染まった体を映し出した。

悲しき物語の始まりだった―――――――――――












「よし……これでおっけー」
木の実のたくさん入ったバスケットを右腕にかけ渓谷に見られがちな切り立った岩場を避けながらふわふわと6枚の翼のそれぞれの力の強さを加減し自分の住処へと向かっていた。いつも通り、普段と何ら変わりもない食料調達の時間だった。その時間に岩場に潜む一匹のポケモンの影があった。
「死ねぇっ!!」
急にどこからか聞こえた美しいソプラノボイス。それが聞こえたとともに何か物騒なことをを言っているなぁ。などと考えていると木の実を集めていたバスケットが宙を舞った。バスケットに冷気の塊がぶつけられバスケットは凍りつきながら右腕からすり抜け底が気の遠くなる渓谷の下へと落ちて行った。
「あぁ……。あ~ぁ……」
そう呻くように渓谷の下の方を見やるとバスケットはすでに見えなくなっていた。
「ちょっと。どういうつもりだい?」
狭く入り組んだ岩肌の一角を睨みつけた。すでに居場所がばれていると悟った襲撃者は岩場からその澄んだ碧をした体を現した。その姿に思わず息をのんでしまうのは雄の性なのだろうか。襲ってきた相手に一目ぼれとか命がいくつあっても足りない。そんなことを考えながら声をかけた。
「それで、俺に何の用?」
「とぼけるなぁッ!   お前が私の両親を殺したのだろうっ! この腐れドラゴンっ!」
目に涙をためながらそう叫んだ。全く、雌の吐く言葉じゃないよ。俺はまだ腐れる予定はないってーの。
「俺の名前はサウス。腐れドラゴンじゃないね」
「知るかっ!」
そう吐き捨てると再び冷気を口の前方に集中させる。避ける自信くらいはある。仮にも最強のドラゴンの血を受け継いだ最凶の種族である自負くらいは持っている。でもできればこれ以上撃ってほしくはないな。ほら、怒ってるときの彼女の顔、怖いしさ。
「まあまあ、とりあえず。落ち着きなって。なんで俺を殺そうとしてるの?」
「さっきも言っただろっ!  お前が私の両親を殺したんだろぉッ!!」
額に青筋を立てる勢いで怒りを露わにしている目の前のグレイシアには悪いけど……全く心当たりがなかった。でも……この様子じゃあ俺の言うことなんて信じちゃくれないだろ…。なんで俺が殺人犯になっているのかはよく分からないが誤解を解くのは難しそうだ。しばらく放っておいて疑いを晴らすのが一番楽か……?
「まあ疑うのも疑わないのも君の好きにしなよ」
とりあえずすべてを丸投げした。自分自身の命まで目の前のポケモンに丸投げしたような気もするが……まあいい。油断しなければやられない自信がある。それに、目の前で憤慨しているグレイシアも馬鹿じゃあなさそうだ。そのうち俺の無実に気がついて姿をくらますさ。
「否定はしないのね。じゃあ………好きにさせてもらうわっ!」
冷気を固めたエネルギーの塊が俺の急所に向けて飛んでくる。流石にもうひやひやした思いはごめんだね。寒さには弱いし。ほんの少しだけ息を吸い込みそれに熱を加えて吐き出す。空気中に吐き出されたその息はポケモンに宿る不思議な力によって自然発火しグレイシアへと吐き出される。グレイシアの吐きだした冷気の凝縮されたエネルギー弾はその炎により一瞬で蒸発し赤々と燃える炎はグレイシアの手前で止まりその熱気を消した。グレイシアは見せつけられた圧倒的な力に足が震えその場にぺたりと座りこんでしまった。
「それじゃあ、俺は行くよ」
「ま、まって!」
羽ばたこうとしたところをグレイシアに止められる。
「なんだ……。まだやんの?」
そう呆れ気味で声をかけるとグレイシアはさっき脅かされたばかりなのにもかかわらず凄みを利かせた瞳で俺を睨みつけながら言った。
「私はティル。……必ずあなたを殺す」
「あぁ、そうかい。  ……ところで、行く当てないならうちに来るか?」
全くグレイシアの言っていることを聞かずにそう軽く受け流す。見たところ行く当てもなさそうだったし住処に案内するのもいいと思った。……というよりも、もっと一緒にいたかったのかもしれない。命を狙われてるのにさ、つくづく俺はバカだと思うよ…。
「ふ、ふん。   わざわざ殺すチャンスをくれるのかしら?」
「俺みたいな悪タイプが悪ぶる分にはいいけど、ティルは笑っている方が似合ってるよ」
そう言ってふわりと数段高い岩場へと移動する。ティルは照れているのかしばらく顔を赤くしながら俯いていた。
ふわふわと切り立った崖を上へ上へと飛ぶ俺は特に苦労もないのだけれども下を見下ろすとティルが一生懸命岩肌にすがりつき泣きそうな顔になってがけを登っていた。流石にかわいそうだ。俺は崖にへばりつくティルの後ろ側へ移動した。
「な、なによ。ここで落とす気?  ……へっ…わっ!……きゃぁ!」
疑心暗鬼なのかなこの子は…。とりあえず大きなため息を吐くと共に両腕の口でティルの脇腹をつまむ。この一連の行動で脇腹を喰いちぎられるとでも思ったのか暴れ始め何度も落としそうになりながら住処の洞窟のまえに広がるひらけた岩場にティルを下ろすと俺はさっさと寝床の準備を始めた。別に眠いわけじゃない。こんな辺鄙で危険なところにわざわざ復讐しに来てくれたティルを労おうと思っただけ。……俺はどうにも素直じゃないなあ…。

結局寝床を作る前に日は沈み適当に洞窟の中に転がっていた木の実を2匹で分け眠りについた。結局ティルは疲れたのか泥のように眠り床の上で寝ている俺を襲ってくるようなことは無かった。








サウスとティルが出会ってから丁度2週間がたった。その間サウスは何度も命を狙われながらも決してティルを傷つけたり自分だけ逃げだしたりなどはしなかった。ティルから繰り出される殺気のこもった技を寸ででかわしティルに軽口をたたくと何かとティルの世話を焼くようになった。ティルにとってはその行動すべてが不可解で仕方がなかった。なぜ命を狙われているのにもかかわらずサウスは逃げ出さずに私の世話をしてくれているのか。不思議で不思議でたまらなかった。最初はただの仇のつもりだったのにいつごろからか湧き出してきてしまった感情。私のために何かと尽くしてくれたサウスに抱き始めてしまった感情。
認めたくはない感情を押し殺しながらサウスを睨む。その瞳に力が無いというので心配を始めるサウス。なんでこんなにも彼は私に優しくするのか。気づきたくない感情が自分の中であふれだす。
「好き……なの?」
留守番を任され1匹で洞窟の中に座りそう呟いた。いけない。こんな感情抱いてはいけない。サウスは両親を殺したんだ。あの日、私がまだイーブイだった日……!
好き。だけど殺さなきゃいけない存在。愛し合ってから死ぬか?そんな都合のいいように行くか?彼はたとえ眠っていたとしてもぎりぎりで技をかわす。そんなサウスを殺せるか。愛し合ってそのまま殺せずじまいでは天にいる両親は悲しむだろう。そんなことを考えていると洞窟の外から明るい声が洞窟内に響く。
「おーい。かえったよ~」
間違いない。サウスだった。今日こそは殺してやる。そんなことを考えながら夕食を楽しそうにサウスと食べてしまう私はほとほと自分に嫌気がさした。



夜も更けていつもならサウスは寝ている時間。床の上のサウスはいまだ寝ずに起きていた。もぞもぞと体を動かしながら壁を見つめているのかティルはサウスの背中をじっと見つめていた。一緒に暮らすようになってから分かったこの背中の頼もしさ。そんな背中を眺めながらサウスの様子を観察していた。
「なあ。  ティル?まだ起きてる?」
「……起きてるわよ。なに?」
そうティルは不機嫌そうに答える。本当は不機嫌なんかではなかった。未だにサウスを好きでいていいのか悩んでいた。サウスはそんなことをティルが悩んでいるとも知らずにティルに背を向けたまま言った。
「俺さ……ティルに会えてよかったよ。  なんか、いろいろ楽しかった」
「……何言ってるの?」
ティルには理解できなかった。思えばサウスの何が理解できていたのかとティルは自分自身に問いかけてみるものの返ってくる答えはゼロであった。
「ティルに会えてよかったって言ってるんだよ。  なんていうのか。甘酸っぱい気持ちって何なのかわかった気がする」
「………」
少し間をおいてサウスはごろりと転がるとティルと目を合わせた。その顔に思わずティルの胸が高鳴る。その顔は徐々に近づきティルの唇にその唇を重ねていた。驚くティルを尻目にティルをやさしく抱きよせさらに深くキスを堪能する。二つの舌が絡み合いその度にお互いの欲は抑えが効かないものとなっていった。
とろとろに濡れたティルの秘所を舌でなぞる。その秘所の大きさを見てサウスは項垂れた。繋がることはできない。それは一目瞭然であった。肥大し姿を露わにした雄の象徴はティルの後足の大きさほどあった。サウスはティルの膣内から溢れだす愛液を周りに広げるかのように舌を使って後足をなめ続けた。
「ティル……俺のを足で挟んで……そう。動くよ…」
サウスの言うとおりに秘所に肉棒が押し付けられるように力を入れた後ろ足で肉棒を挟み込んだ。先ほど後足に塗りたくられたサウスの唾液とティルの愛液がサウスの肉棒の通りを良くする。サウスが腰を振るたびに秘所は強く擦られ快感がティルの体を駆け巡る。徐々に上げられていく腰を振るスピードそれに呼応するかのように高くなっていくティルの喘ぎ声。
快楽に溺れ無我夢中で腰を振るサウスはティルの小さな体をぎゅっと両腕で抱きしめると腰を引くと一気に突いた。
「っぁ~~~っっ!」
声にもならない叫びをあげるとひんやりとした洞窟の床に白濁色の液体が音を立てて零れ落ちその液体に2匹はまみれながら絶頂の余韻に浸っていた。荒い息をつきながら2匹は暗い洞窟の天井を見つめていた。





先に起き上がったのはティルの方であった。サウスは未だに虚ろな視線を宙に泳がせていた。ティルは思った。仕留めるのは今しかないと。ティルが近付くとサウスは焦点の定まっていない赤い瞳をティルに向け左腕をティルの頭にのせた。撫でるように静かに動く左腕を感じていてはいられなかった。ティルは歯に冷気をため右肩へとかみついた。
突然の痛みに目を大きく見開くサウス。すぐにその痛みの正体が分かったがその時には追い打ちと言わんばかりに腹部に強烈な冷凍ビームが放たれていた。まだ命の火が燃えているような赤い瞳をティルに向け弱弱しく微笑んでいた。

なんで……っ。なんでまだ生きてるの!ティルは洞窟内の空気を凍らせ冷気の風を作った。それは相手の体温を徐々に下げ死へと近付けていく技。吹雪であった。
ティルの目の前に転がるサウスは体温が下がり既に弱まっている体が余計に弱まっていった。
「なん……せい………」
「は?」
サウスが凍えながらそう言った。今にも消えてしまいそうな弱弱しい声でサウスは続けた。
「ここから……南西に、4キロ……ノウズと名乗る…サザンドラが………お前の仇だ…」
「なっ……!」
いきなりのサウスの犯人の告白にティルは戸惑いを隠せなかった。それと同時に怒りと悲しみが湧き上がってくる。
「なんで……っ!なんで教えてくれなったの!」
「教えたら……。ティルは…俺のそばから………離れちゃうだろ?」
「そんな……そんなことのために…」
いつの間にか洞窟の中に充満していた冷気は霧散していた。ティルは目の前のサウスが弱っていくのをただただ涙を流し見ることしかできなかった。
「ティル………2週間…。俺……幸せだっ…た……よ……」
そう言うとサウスは静かに目を閉じた。頭にのせられていた左腕は力なく床へと落ちていった。




「サウス、サウス……。起きてよ…。また馬鹿言って私を笑わせてよ……。ねぇ……」
満足げな顔をしたサウスの体をゆすりながらティルはそう声をかけ続けた。今にも起きだしそうなサウスの安らかな寝顔が一生動いてくれないだなんて思いたくもなかった。
何度も何度も呼びかけて。何度も何度もゆすって。私は外に飛び出した。



「あ゙あ゙ぁぁぁぁっ!!!」
満月に向かってそう泣き叫んだ。

悲痛な叫びが渓谷を木霊した――――――――――





ダークな物を書きたくなってしまい。この有様に(汗
官能表現は……力尽きてしまったのですorz



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(コメントの数=これからのティルの幸せの数)




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Last-modified: 2013-08-13 (火) 00:00:00
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