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思春期だから?

/思春期だから?

 


注意※この作品には獣八禁、♂×♂などの官能表現が含まれます

 苦手な方は、お戻り下さい。


 written by 多比ネ才氏






 “恋”って、一体どんな感情何だろう?

 “好き”って、どういう感覚何だろう?



 目が合う度に心臓がバクバクいって、胸が締め付けられるような感覚がすれば“恋”なの?

 四六時中頭の中から離れてくれないぐらいに想っていれば“好き”なの?



 僕にはそれがわからない。

 身体的にはもうほとんど大人だし、性欲だって人並み以上にはあるのだけれど。

 まるで“心”だけが成長していないみたいな自分が、嫌だ。




 だからなのかな?


 目の前にいるこの子が、最近やけに気になるのは――――







「――おい! 聞こえてんのか!?」

「えっ?」


 物思いに耽っていた時に、突然意識の中に聞き慣れた声が割り込んできた。目の前には幼馴染のリザードの姿があって、それでようやく僕は彼に呼ばれている事に気が付く。


「ぼーっとしてんじゃねぇよ。さっきっから何回呼んだと思ってんだ? 少なくとも3回は呼んだぞ」

「ごめんごめん。謝るからそんなに睨みつけないでよ~」


 鋭い目つきで僕の事を見てくる幼馴染。正直、恐い。


「あ? あぁ、そんなに今の俺、恐かったか?」

「うーん……少なくとも、僕が『にらみつける』を使うよりは防御が下がりそうだったけど」


 まあ、リザードは元々僕らマグマラシより目つきが悪いのだけれど。


「そんなに恐がらせるつもりは無かったんだけどなぁ。……ところで燈貴(トウキ)。今、何考えてたんだ?」


 目の前のリザードは、僕の名前を呼びながら僕の前の席に座った。


「え、いや、特に何でも」
「何でも無いわけはないだろ? 俺の顔をまじまじと眺めてきやがって」


 あぅ。まさか無意識のうちにそんな事をしてたとは。

 周りを見渡す。
 下校時刻に近い時間の為か、教室にはマグマラシとリザード……つまり、僕ら2匹しかいなかった。


「もしかして、この俺の格好良さに見とれてたとか?」


 ずいっと顔を近づける幼なじみに、思わずたじろいでしまう。


「いや、確かに竜火(リュウヒ)は格好いいと思うけど。……なんで、僕には好きな人が出来ないんだろうな……って考えてたんだよ」


 放課後の学校という時間と場所に2匹っきりというと、何やら甘酸っぱい雰囲気を想像してしまう。
 でも、残念。僕は雄のマグマラシだし、竜火も雄のリザード。そんな雰囲気になる訳がない。


「ちょっと待て、そこは否定しろよ! じゃねえと、何の為にボケてみたのかわかんねぇじゃねーか」

「えー? 真面目に格好いいと思うんだけどなぁ」


 口元を手で隠しながらちょっとだけ煽ててみる。実際に竜火はかっこいいんだけど、それを口に出して言ってみたらどうなるのか。
 お、頬が少し赤くなったぞ? かわいい奴め。


「……まあ、ありがとうぐらいは言ってやるよ」

「素直じゃないな~」


 そういうところも含めて、竜火はかわいいと思う。
 同性の、しかもどちらかと言えば厳つい顔立ちの幼馴染にそんな感情を抱くなんて、自分でもどうかしてるんじゃないかと思うけど。
 ……いや。幼馴染だからこそ、そういうところがかわいいと思えてくるんだろうか。


「にしても、好きな人か……。お前、本当に好きな人っていねぇの?」

「だから“好き”って感情からしてわからないんだってば! 大体“好き”ってどういう気持ちなの?」

「……一緒にいるとドキドキしたり、四六時中頭の中でそいつの事を考えてたり、かな」

「なら、やっぱり僕に好きな人はいないよ」


 雌の友達は多い方だけど、そういう気持ちになるような子は一人もいない。かわいい子やきれいな子がいないわけじゃないんだけどなぁ。


「あ、そうだ。竜火には好きな仔っているの?」


 そう言えば、竜火の恋愛事情については聞いた事がない。
 自分から聞いた事も無かったけど……もしかして、密かに誰かと付き合っていたりするのだろうか?


「んー? うーん……いないって言ったら、嘘になるな」

「えっっ!?」

「なっ、何驚いてんだよ。別に好きな奴がいたっていいだろ?」


 確かにいて悪い訳では無いのだけど、少しショックだった。
 自分だけが何かから取り残されているような感覚がはしる。自分はまだ子供の世界から抜け出せないでいるのに、竜火だけ一歩先に進んでいるような。

 そして、竜火の想っている人の事を考えたら、何故か胸の奥がモヤモヤした。


「とりあえず、さっさと帰るぞ。そろそろ先生が見回りに来るだろうし」

「え? あ、うん」


 様々な思いや考えで脳内が渦巻いたまま、急いで竜火の後について行った。








「ぇっと、かぎ鍵っと……」


 幼なじみというと何かと家が隣接していそうだけど、竜火の家は僕の家の斜向かいにある。……近所にある事には違いないし、小さな頃からずっと一緒だったから幼馴染という事実が変わるわけではないけど。
 そんな幼馴染の家の前に僕は立ち、竜火が鍵を開けるのを待っている。学校から帰宅する最中に遊びに誘われたから、家に帰らずにそのまま直行したのだ。


「ただいまー」


 ドアがやっと開いたようで、竜火は家の中へと入ってゆく。僕も入らなきゃ。


「お邪魔しまーす」

「邪魔するなら帰れ」

「……あ、そう? んじゃあ帰るよ。バイバ」
「待て、ゴメン、俺が悪かったから帰らないでくれ」


 家に入りかけた体の動きを止めて踵を返したところでストップがかかる。そんなに必死になる事でもないと思うんだけどなぁ。本当にからかい甲斐のある奴だ。
 竜火の慌てようを楽しみながら、僕も家の中に入っていく。


「……って、あれ? 今日は2階で遊ぶの?」


 大抵竜火の家で遊ぶ時は1階のリビングで遊ぶのに、竜火は僕を階段の方に手招きしていた。


「今日は親が帰ってくんのが遅いからな。……それに、見せたいモノもあるし」

「見せたいモノ?」

「ああ。久しぶりに、オカズと知識を提供してやろうと思ってな」


 竜火はニヤリと口角を吊り上げた。
 あ、成る程。……そういえば、ちょうど同じオカズで抜くのに飽きてきていた所だった。

 中学生の僕らにはそういうものを手に入れる手段がない……はずなのに、何故か竜火はエロ本とかを沢山持っているのだ。そのため、僕はそういう関連の事は専ら竜火から教えてもらったりしている。


「ほら、入れよ」

「はーい。……って、これは……」


 竜火の部屋へと招き入れられ、その瞬間に目に入ってきたベッド。と、その上に置いて(放置されて)ある異様な本。


「あ? なんかしたか――ぁっっ! ストップ! 今しまうから――」

「バルス!」

「目が、目がぁああ!!」


 短い言葉を叫びながら『えんまく』を顔面に直接食らわせる。ノリのいい反応ありがとうございます。
 ……まあ、元ネタと逆ベクトルになっているところはスルーしようね。

 で、とりあえず本を手にとって表紙を見てみると。


『夜の雄戯』『黒が白に染まる時』『男の仔の悩み』『みるくとほーす』


 ……リザードンに抱きつかれて頬が紅潮してるグラエナが表紙を飾り、その上に書かれたいかにもエロ本らしい題名の羅列。はい、エロ本なんですね? わかります。
 でも、普通のエロ本だったら隠す必要はないよね。今からそういうのを見せようとしてたんだし。

 てことは、これは何か特殊な性癖の人好みにでも描かれてるんだろう。
 僕の知らない、リザードの性癖……うん、見てみよう。


「ゼ――ット!!」

「うぶぇ!!?」


 後ろから急にタックルをキメられ、ベッドの上に倒れ込んだ。
 酷いよ、父さんにもタックルなんてされた事なかったのに。

 ……って、あれ? 何で目が見えてるの?


「ふん。俺は“目に異物が入ってもすぐに立ち直れる程度の能力”を持ってるんだぜ!!」

「随分と需要のない能力だね。それ」


 そんな僕のツッコミは華麗にスルーされて、竜火の腕がエロ本へとのびてきた。


「させるか!」


 見るのを拒まれると尚更見たくなるという摂理に従い、僕はエロ本を持った脚を振り回す。


「あ、止めろ! 破れるだろうが!」

「じゃあ見せてよ!」

「お前にはまだ早い!!」


 どこかで聞いた覚えのあるセリフと共に、エロ本が竜火の爪に弾かれた。


「「あ、」」


 エロ本はベッドのすぐ横に落ち、とあるページを開いて停止する。

 そのページには、表紙に描かれていたグラエナが、これまた表紙のリザードンに襲われている絵が描かれていた。
 リザードンの巨大な逸物がグラエナの下腹部に出入りし、淫猥な効果音が書かれている。

 まあ、それだけなら他のエロ本とは変わりないんだろうけど。

 だけどリザードンの逸物が刺さっている位置が普通より下にずれているし、グラエナの股からは見覚えのある赤黒い棒が。

 ……えっと、これは、どういう事?


「あぁぁ……見られた……」

「意気消沈してるとこ悪いけど……これ、何?」


 リザードンのモノが入ってるのは、おそらく肛門。うわぁ、痛そう。
 あれ? だけど、グラエナは痛そうな顔をしてない……なんで?


「……学校の保健の授業で、性的趣向の話があっただろ?」

「ヘテロセクシャリティがどーのこーのってやつ?」

「ああ。……これは、その時に出てきたホモセクシャリティの奴らがする行為を描いた漫画、だ」

「へー。……って、ぇええ!? 竜火ってホモだったの!?」


 竜火の発言に思わず素っ頓狂な声を上げてしまい、頭の中がごちゃごちゃになってきた。



「ち、違うから!」

「え、じゃあバイセクシャリティ!?」

「違うっっ!!」


 じゃあ、どうしてそういう類の本があるのさ。



「えっと、これは、その……なんというか……」





 ――――









 竜火が言うには、あの本は「年上のいとこに、読むことを強制されてる」らしい。その年上のいとこという人にいつもエロ本などを貰っていたようで、拒否することは出来なかったんだとか。
 ただ、昨日の夜に嫌々ながらも読んでいたところ、見事に勃起。そのまま自慰をして寝て、片付けるのを忘れて家を出てきてしまった。らしい。



「ふう……疲れた……」


 家に帰ってきた僕はすぐに自室のベッドに飛び乗り、ため息を吐く。
 すぐ脇に置かれた鞄からは、先程のエロ本が顔を覗かせていた。


「結局、借りて来ちゃったよ……」


『このエロ本を読まないと、お前にはもうオカズとか知識は提供しないぞ! いや、本当に興奮するってば! 自分で体験してみればわかるって。だから……』ってお願いされたら、借りて来らざるを得ないよね。うん。決して、自分で望んで借りてきた訳じゃない。


「……見るだけ見てみるか」


 本当にこんなので欲情できるのかな?
 いや、竜火の事を疑うわけではないし、何より竜火にホモであって欲しくないから読むけどさぁ……何が楽しくてこんな本を読むんだろ……。

 そんな事を考えててもしょうがないか。とりあえずページを捲ってみよう。



…………

十数分後

…………




『うぁっ!? ひ、ひゃめろぉっ』

『ほぉ、初めてにしては随分とよがるじゃねえか。……この様子だと、ココを責めたら壊れちまうかな?』

『うっ、ぁああっっ!!』

『はははっ! 前立腺を押しただけなんだが、やっぱりイっちまったか』

『く……ぁ……っっ』

『まだ休ませないぞ。……ほら、ケツの力抜けよ』

『こ、今度は何……て、っ! そ、そんなの入らな』

『おらぁ!』

『――ひぁ、ああっっ!?』




「……っっ!?」



 グラエナの肛門に、リザードンの赤黒い雄が突き刺さっている。やっぱり、痛そうにしか見えない。

 でも……その内容を見て、自分のモノは見事なまでに勃起してしまっていた。


「……なる程」


 確かに、竜火はホモではないようだ。
 いや、竜火も自分もホモだって可能性もあるにはあるけど。


「朱に交われば……なのかな」


 類は友をよぶ、の気もするけど。
 とにかく僕は竜火と同類らしかった。


 でも、竜火は好きなポケモンがいると言ってたから……


「僕が好きな人が出来ないのは……そっち系だからなのかなぁ……」


 現に、この本でこんな状態になってるし。
 ビクビクと波打つ僕自身が何となく恨めしい。



「……いいや。我慢しないでしちゃお」


 仕方ないだろう。よほどのノンケでもない限り、多少は欲情するはずだ。……そう信じたい。


「……うわぁ」


 先走りでぬらぬらとしている僕のモノは、ビクビクと震えている。
 これは、早めにしてしまった方が良さそうだ。



「燈貴ー! ご飯だよー!」



 ……なんで前脚をかけたタイミングで呼ぶかな。KYだよ、母さん。


「でも、すぐ行かないとうるさいし……はぁ……」


 別にいつだってできるさ。とにかく飯を食って来よう。







 この時の僕には、飯の後に妹の遊びに付き合わされるが為に、体力が無くなる事など予想も出来なかった。















「はぁ……」


 いつもは勢いよく吹き出す背中の炎も、今日はそのなりを潜めている。
 完全に出ていない訳ではないのだが、その火加減はとろ火といったところだろう。

 原因は、朝からずっと悶々としているせいだ。
 昨日は疲れ切ってしまったせいもあってすぐに寝ちゃったし、朝は朝で寝坊しちゃうし……処理なんかする隙は無いわけで。


「ん? 溜め息なんか吐いてどうしたんだ?」


 それに、今も竜火が目の前にいるんだもんなぁ。何故かエロ本のリザードンの姿を重ねてしまい、その度に血流が下半身へ向かう。
 そのせいで、僕のモノが何度起立しかけたか……今にもスリットの中から出てきそうなぐらいになってるってのに、何も知らないコイツは真面目に心配そうな顔を向けてくるし。

 止めて。そんな顔で見ないで。普段は強気な俺様系のクセにそんな目を向けられると、更に悶々してくるから。ギャップに弱いんだよ、僕。
 まあ……そんなコイツのギャップ見たさに、ついついいじったりしちゃうんだけどね。
 ……だって、可愛いんだもん。


「おいってば!! 反応しろよ!!」

「……ちょっとトイレ行ってくる」


 駄目だ。学校でするのに抵抗はあったけど、そんな事は言ってられない。


「あ? 腹でも痛いのか?」

「うーん……そんなとこかな」

「そんなとこって何だよ! ちゃんと言えし!」

「禁則事項です」


 竜火を軽くあしらい、トイレへと駆け込んだ。
 うわぁ、個室に入った途端に自己主張をしてるよ、僕の。
 先走りで濡れたソレは、先端に触れただけでも爆発しそうになる。


「ふぁっっ……」


 ヤバイ、ちょっと声出ちゃった。
 誰かが入ってきた音はしてないから大丈夫だ ろうけど……。


「――っ、――――っっ!」


 声を殺しながら先端を上下に擦る。体の構造上、掴んで擦るのはなかなかツラいものがある。
 逸物への刺激で得られる快感は、(竜火曰わく)雌のそれと比べるとかなり微弱らしいけど、ずっと焦らされているような状態だっただけに喘ぎを抑えるのも一苦労だ。
 あんまり強く刺激すると声が出てしまう。
 でも、次の授業もあるから早く達さないと。

 手のスピードが徐々に上がり、更に分泌される先走りがそれに拍車をかける。
 まだイケそうではないけど、この分だと早めに教室に戻れ――



 ガチャッッ バァン! バタバタバタ……ゴンゴンゴン!


「すっ、スミマセン!! どなたか入ってますかぁっっ!?」



 too bad なタイミング☆
 オイ、一体誰ですかコノヤロウ。

 必死にアレをスリットに押し込み、出来るだけ自然な感じに前脚で隠しながらドアを開ける。


「うおぉぉぉ!! 助かったぁああ!!」


 ドアの前にいたのはサイドン。僕は中三だから同い年かそれ以下のはずだけど、種族的な体格差に思わず身をすくませ――る間も無く、いきなりサイドンは僕の体を持ち上げると個室の外に出し、そのドアを勢い良く閉めると鍵を掛けた。

 ……仕方ない。ちょっと危険が増すけど、小便器に向かってするしか――



 ガチャ

「――でさ、それが傑作なんだよ」
「マジで!? 今度見せろよ!」
「あ、俺も!!」



 団体さまがトイレにチェックイン致しましたようです。

 あれ? ……また、お預けなの?













「お前……本当に大丈夫なのか?」

「多分……」


 ごめんなさい、嘘です。ツラいです。

 あのまま放課後に突入。竜火と二人で下校する途中なんだけど、正直言ってかな~りヤバい。
 悶々としすぎて頭がクラクラするし、ちょっと気を抜いただけでも、アレが隙間からコンニチハーてな事になりかねない。
 あぁ、気が抜ける前に早く抜かないと……うん? 別に掛けた訳じゃないよ?


「おいおい、しっかりしてくれよ? どういう風に具合悪いのか知らねーけど」

「そんな事言ったってさ……」


 今ここで欲望を解き放てたなら、どれだけの開放感と快楽を得られるんだろう。いや、しないけどさ。


 ――っと、そんな事を考えてたら目の前に公園が出現!!



▽ 目の前に 公園が 出現した!
 燈貴は どうしますか?

→[公衆トイレに駆け込む]
 [公衆トイレに駆け込む]
 [公衆トイレに駆け込む]
 [でっていう]



「り、竜火、ちょっと鞄持ってて。トイレ行ってくる」


 迷ってる隙は、ない!


「ちょ……待てよ。さっき行ったばかりじゃ」
「さっきは邪魔されたの!!」


 竜火の頭の上には?が幾つも浮かんでいたが、そんな事を気にする隙もなく。
 その場に首から掛けていた鞄を投げ捨てて、急いで公衆トイレの中に突入。トイレには誰もいない。好都g(ry


「――くっっ」


 後ろに左前脚をまわして鍵を閉めながら右前脚を下腹部に伸ばすと、案の定起立したモノが。
 走ってる時には既に違和感があったから……下手すると竜火に見られてたかもしれないけど、気にしない。

 扉に向かい合う形で壁にもたれ、床に座ってモノを掴む。この脚は掴む動作にはやっぱり不便で、だけど今は快楽が欲しい。


「――っっ、ぁっっ」


 喘ぎは漏れ、血流は暴れる。
 爆発のように噴出する炎がタイルの壁を焦がすが、ススだらけになるぐらいで済むだろう。というか、そんな事にまで気を回す余裕はない。


「っっぁ、あっ、はぁっっ」


 絶頂が近づき、後ろ脚が弱く痙攣しだす。もう、喘ぎを抑える事は考えない。
 寸前に、後脚をギュウっと突っ張って。



「うぁあああぁぁあぁぁぁ!!」



 悲鳴とも思える嬌声をあげ、モノから白濁を放出した。


「あ、あぁぁ……」


 焦らされてたせいか、射精が止まらない。
 一気にビュルビュルと放出はされないのだが、脈動する度に先端から溢れるそれは卑猥で、それでいて気持ちいい。

 そんな快感に酔いしれようと、目蓋を閉じかけた瞬間







「燈貴!! 大丈夫か――――!?」







「…………ぁ」


 何故かドアが開き、その向こうに竜火が立っていた。






「……ぁは」



 何故か自嘲的な笑みがこぼれ、それに合わせるようにして最後の一滴がモノから垂れる。

 きっと悲鳴と勘違いして思わず開けてしまったんだろうけど。
 鍵が壊れてるとは思わなかったし。

 竜火は今にも泣きそうな、こちらまで苦しくなる程の悲痛な顔を浮かべている。普通、僕がそういう顔をするべきなのではないのだろうか?

 でも、そんな顔も……可愛いんだよなぁ。



「……今の、見ちゃった、よね」


 今の僕はとても落ち着いた目をしてるんだろうな、と思いながら、白濁で汚れた体を起こす。我慢していたせいかその粘性は通常より高く、数滴はボタボタと落ちるもののかなりの量が毛に絡まっている。
 その白はクリーム色の僕の腹にでさえよく映えて、それが故に扇情的で。

 そんな僕を見て、竜火は更に顔を強ばらせる。その瞳はいつ決壊してもおかしくない程に涙を湛えていて。


「そんな目で見ないでよ。……襲いたくなるでしょ?」


 襲う、というワードに反応したのか、僕を見ながらびくりと体を震わせる。

 ああ、駄目だ。頭が正常に働かない。
 一度果てただけでは、僕の欲情は晴らしきれなかったようだ。
 むしろスイッチを入れるのには十分過ぎたようで、体の芯は火照ったままである。


 我慢、出来ない。
 脚が、前に進む。
 血が、氾濫する。
 棒が、奮い立つ。


 僕は少しづつ近づき、竜火は一歩だけ後ずさる。
 あ~ぁ、走って逃げ出せばいいのに。
 そうしないのは、体が強張って動かないのか。それとも、満更でもないからなのか。


「……ぁ、ご……め」


 声はガクガクと震えてるし、とうとう涙が流れ出してるし。
 もっと強気でいてくれた方が攻め甲斐があるのにな。……別にいっか。これはこれで可愛いし。
 ……って、僕は何を考えてるんだ。これじゃただの変態じゃないか。


「僕の恥ずかしい姿を見たんだから、竜火も恥ずかしいの、見せてよね……」


 わぁお、自分の意思とは反対の言葉が出てくるし。
 でも、体が快楽を求めてるのも事実なんだよね~。

 ずいっと竜火のすぐそばまで詰め寄り、目を合わせる。
 肩に前脚を乗っけると、一際大きく体を震わせて涙を零す。

 ……もう、なさけないなぁ。
 普段はそんなに泣き虫じゃないでしょ? 何をそんなに怯えてるんだか……。オナニーをしてるのを見たぐらいで、僕らの仲が壊れるとでも思ってるの?


「ひぁあ!?」


 あんまり泣くもんだから、舌で右頬の涙を拭き取ってあげた。うん、思い通りの反応だ。泣き止んでもくれたみたいだし。


「ふふ……本当、可愛いんだから」

「ふ、ふざけ――ひぁっ、あ!?」


 竜火の言葉を遮って左頬の涙も舐めとってやり、ついでに体を引き寄せて密着させる。
 ぐちゃぐちゃの腹の毛と抜き身が竜火の肌に擦れて、ぬるぬるとした感触に骨の髄までとろけそうになる。しかし、まだまだイく訳にはいかない。
 ま、出したばっかりだしイく気もないけど。


「止めろっっ、舐め、んなぁっっ!!」

「……止めないよ」


 頬から顎、首筋、鎖骨へと舌を這わせ、涙と冷や汗で塩味のついた体を味わう。


「く……ぁっ……!?」

「おいしいからね」


 もちろん、2つの意味でだけど。


「いい加減にしろってゃぁあ!?」

 種族上、竜火には乳頭が無いために胸の愛撫はあまり意味を成さない。
 だから鳩尾から顎にかけてを一息で舐めたのだが、予想以上に快感を得られたようだ。

 首筋が弱いのか、鎖骨が弱いのか。それとも全身が性感体なのか。
 そのいずれにしても、頂点に上りつめるには程遠い快感である事は間違いないのだけど。

 でも――


「へぇ……感じてくれてるんだ」


 僕のモノと下腹部を、何か硬い物が押し上げる感触がする。
 体を密着させる時に竜火のスリットと僕のモノをわざわざ合わせたのだから、確認せずとも何が起きたのかは把握できる。


「ち、ちげぇよ!! こっ、これは……」

「これは? 続きを言ってみてよ」


 首筋を甘く噛みながら体を上下に擦り付ける。


「っ、くぁ、はぁっ……!」

「ぅ、ふ、ぁっ」


 元々僕の白濁で汚れていたのに加え、2人の先走りまでもが潤滑油となって快楽を倍増する。


「や、止めろぉ……出ちまうっ!!」


 竜火のモノはビクビクと痙攣していて、確かに今にもイキそうだ。口では止めろって言ってるけど、全力で抵抗しないあたり、本当は気持ち良くなりたいって事だろう。

 でも、僕の意地悪スキルが発動する。



「あー、じゃっあ、止めようかな?」

「――!?」


 竜火の肩から両前脚を下ろし、密着を解く。
 体格と体勢の関係上、僕の目の前――よりは若干上かな?――に竜火のモノが突きつけられる。


「あれ? 竜火、どうかした?」


 なんか、期待を激しく裏切られたような顔をしている。これまた期待通り。


「してほしいの?」

「ばっ、馬っっ鹿じゃねえのか!? 俺が、そんな事を思うわけ――」
「へー……こんなにしてるのに?」

 僕の手が、竜火のモノをなぞる。


「くぁあっっ!!」


 それだけなのに、竜火は声を上げると床にへたり込んでしまった。


「全く、素直じゃないね」

「う、うるせえ!!」


 足や腕の力が完全に抜けてしまってるみたいで、尻尾も足の間に入るようにして地面にへばっている。

 でも、そんな格好だとアノ部分まで見えてしまうのが自然で。

 ソコは、僕の悪戯スキルを更に刺激した。


「でも、僕はさっき1回自分でしちゃったから、あの程度の刺激だと物足りないんだよね……」


 竜火に覆い被さるように再び詰め寄り、右前脚の指先に竜火のモノとその周辺に付いたぬめりを絡めて。


「だから――ココ、使うからね」


 そのまま、竜火の蕾に指を入れた。


「う、ぁあっ!?」

「……あれ? 意外にすんなり入った……えいっっ」

「ぃいぁぁあ゛っっ!!」


 ぬめりは指先にしか絡めてなかったのに、ソコはかなりスムーズに指全体を飲み込む。
 ……まさか。


「竜火、ココいじった事ある?」

「…………っっ!!」


 歯を食いしばって目を閉じて、しかも僕から顔を反らして。
 ……肯定の仕草だね。


「ふぅん、竜火はそんな事を……」

「ち、違うから!! 誤解するなし!! だ、誰だって、気持ちいいって聞いたら、試してみたくなるだろっ!?」

 うわぁ、あたふたしてるあたふたしてる。顔真っ赤にして、手をぶんぶん振って。説得力のかけらも無い。


「……それで、こういう事を自分でしてた訳ね?」

「ふぁああぁ!?」


 昨日のエロ本でリザードンがしていた事を見よう見まねでやってみる。
 最初は指を中でぐにぐにと動かし、次は腸壁をなぞるようにゆっくりかき混ぜて。


「ひにゃぁあっ!」


 その途中、お腹側を指でなぞった時にあった丸い膨らみ。
 そこをなぞった途端、竜火が一段と大きな嬌声を上げた。


「ここ、もしかして前立腺?」


 短い指を全部入れ、お腹の方の膨らみに向けてくにっと曲げる。


「ぅにゃぁああ!?」

「ビンゴ、だね」


 こりっとする感触を確かめ、そこを中心に中を弄る。


「止めっ、ろぉ!!」

「こんなに感じてるのに?」

「まっだ、後ろだけじゃイケにゃああ!?」

 どうせ、イく姿を見られたくないだけでしょ。
 そう思い、抜き差しの動作も加えながら愛撫を続ける。





 続けたんだけど……。


「も、う、止めて……っ」


 竜火はビクビクと体を震わせているけど、先程から一向にイく様子がない。
 ここまでよがってれば、簡単にイきそうなもんだけど……そこまでいじくりまくってた訳ではないのか。……残念。


「でも、これだけ弄れば大丈夫だよね」

「ひぁっっ!?」


 なんの前触れもなしに指を引き抜き、ソコに自分のモノをあてがう。
 正直、僕も限界だ。


「ま、まさか……っっ」


 竜火は、期待と恐怖が入り混じったような表情を浮かべている。


「そんな顔しないでってば……。 可愛いすぎて、手加減が出来なくなっちゃうからさ」

「だから、まずその可愛いって考えがおかしゅぅぁああ゛っっ!!」


 僕のモノが、深々と竜火に突き刺さる。


「ヤバい……これ、気持ち、いいっ」

「ふっ、あっ、やぁっっ!!」


 ヌルヌルしていて柔らかな中がモノを締めつけ、その快感によって限界まで硬度と大きさを高められる。


「ひゃらぁっ、やめれぇっっ!」


 竜火のいつもはつり上がっている目尻は垂れ下がり、顔は涙と鼻水でべちょべちょ。そそり立つモノからは先走りが垂れている
 こんな状態でもイケないっていうのはなんか可哀想になってきた。

 でも、ここまできておいてお預けになるのはごめんだ。


「じゃあ、竜火も悦くしてあげるよっ」


 腰を動かしたまま、竜火もモノに前脚をかけて勢い良く上下に擦り付けた。


「りゃあっっ、ふゃぁああああ!!」


 それだけで竜火は達していまい。



「うぁっ!? ぼ、僕も、駄目ぇっっ!!」



 ひくひくと蠢く中に耐えきれず、僕もつられてイってしまった。

















「てめぇ、いい加減にしろよぉぉお!?」

「いたいいたいいたい痛いからっっ! 謝るから、爪立てるのは止めてっっ!!」


 酷いよ、いきなりほっぺたをつねるなんて。
 余韻 をふにふにしたお腹の上で味わってたのに、台無しじゃないか。


「取り敢えずどけっ! というか抜けっ! 2回目のくせに、何でこんなに出るんだよ……」


 まだ抜いてないからわかんないけど、随分な量を出してしまったらしい。


「えー? もう1回ぐらいしたかったのに……」

「や、止めてくれっっ!! 俺が持たねぇから!!」


 必死になってる竜火を見ると、やっぱり嗜虐的な考えが浮かんでしまう。

 ……その場の勢いでシてしまったけど、何故か後悔は感じられなかった。


「……ねえ、竜火」

「あ? なんだ?」

「やっぱり、僕ってホモなのかな……?」
「……」

「こんな事するなんて、やっぱりおかしいよね……」


 一瞬、間をおいて。


「……いや、そんな事もないと思うぜ? 思春期の雄には、そういう奴が結構いるらしいし。
 それに、そういう奴もそのうち異性にしか興味を持たなくなるらしいしさ」


 それでも、竜火はしっかりと答えてくれた。

 ……嬉しい。


「お、おいおい! なんで泣いてんだよ……。お前に好きな奴が出来るまでは、俺がそばにいてやっから……だから、泣くなよ」

「……うん」



 竜火はむせかえるような精の臭いに包まれながら、僕を抱き締めてくれた。



 そんな優しい所も愛おしい。



 ま “友達” として、だけどね。








 若干書き足し&書き直しました。
 前の文より悪くはなってない……はず。
 ……なってないですよね?




 と、とりあえず、ここまで読んで下さり、本当にありがとうございましたっ!!


 by 多比ネ才氏




 手直しはあきらめた←




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Last-modified: 2010-07-26 (月) 00:00:00
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