ポケモン小説wiki
思い出と現在

/思い出と現在

大会は終了しました。このプラグインは外して下さって構いません。
結果を見る
投稿作品の一覧を見る





思い出と現在

もう何ヵ月前のことか…。
僕が君に恋をしたのは。
君とは幼馴染みで昔から親しかったけど、雄と雌の関係になるなんて思ってもみなかった。
雌にこんなこと言うのも難だけど君は雄っぽいし、普通の友達としての付き合いだった。
でも、違ったんだね。君は雌で僕は雄なんだ。
そのことに気付いたのは、否、気付かされたのはやっぱりあの時だよ。

「あれ?鍵が無い。」
それは絶望的な事実。部活で疲れた体にはまさに絶望的。
そういえば、今日親は9時に帰ってくるって言ってたっけ…。
不味い。自分の赤い顔がみるみる内に青く染まっていくのが分かる。
どうしようか。友達の家に行くのも何か戸惑われるし…。
窓とかは開いていないのだろうか。
一応試してみても窓は堅く閉ざされていて残るのは後悔のみ。
半ば自分の運命を呪い始めた所で天の声が聞こえた。
「ブースター、何やってんだ?」
体と同じように少しツンツンしたその口調は、
「サンダース…。」
「いや、俺の名前じゃなくて質問の答えを言ってくれよ。」
「言いにくいんだけど、鍵を忘れちゃって。」
「マジで何やってんだよ。」
「いや、だから鍵を「2度も言わなくていいって。」
「で、親は何時に帰ってくるんだよ?」
「9時。」
「はぁ…、じゃあ、俺の家に来いよ。」
「え?」
「9時まで待ってて風邪とか引かれたら明日の学校、暇で困るからな。」
「うん、ありがとう。」
思わぬ助け船が来て安堵と共に迷惑じゃないのかという不安が頭をよぎったが、
9時まで待っている自分の未来を考えると素直に彼女の好意を受け取り、感謝の言葉を言うしか無かった。

だが、いざ家にお邪魔させてもらうとなるとすごく行き場に困るものだ。
幼馴染みとはいえ、異性なわけで、多人数で遊ぶことはあっても今まで2人きりで遊ぶことなど無かったのだ。
そのため、彼女の部屋に行く訳にもいかず、今は廊下で右往左往しているという状況だ。
「何してんだよ?そんなとこでうろうろしてないで早く部屋に入れよ。」
「ああ、うん。」
しかし、入れと言われたら入るしか無いわけで…。
「しっかし、本当にあるんだな。鍵忘れるなんて。」
「煩いな。馬鹿にしないでよ。」
「悪い、悪い。でも、俺がいて助かっただろ?」
「まあね。サンダースには感謝してるよ。」
感謝の言葉が恥ずかしかったのか、サンダースは黙りこくってしまった。
僕もいい話題の変え方が浮かばず、結果、沈黙がうまれた。
こういう時、野次を飛ばしてくれるポケモンのありがたさが分かる。
一見迷惑そうに見えるポケモンも実は役に立っているのだ。
甘い時間というよりは息苦しいだけの気まずい時間が流れる。
「その、どういたしまして…。」
「……。」
その時、話題を考えていたからか、いつもより小さいサンダースの勇気を無視してしまった。
「ブースター?」
「ん、何?」
「いや、だから、どういたしましてって。」
「ああ、うん。」
「もう、お前が変なこと言うから調子が狂ったよ。」
こちらを見たサンダースの顔は心なしか少し赤かったように思った。

「何にやついてんだよ?」
どうやら目の前の彼女はこれ以上の回想を許してくれないようだ。
あの日の数ヵ月後、僕は彼女に告白した。
その返事は案の定イエスで、今もこうして一緒に遊んでいる。
正直、関係は変わらないという所はつっこまないでほしい。
でも前と違う所が1つある。
「大好きだよ!サンダース。」
「本当、気持ち悪いなぁ。」
僕らの少し甘い時間はゆっくり過ぎていった。




作者はです。

最新の10件を表示しています。 コメントページを参照

  •  今回の大会の作品すべてに感想を送らせていただいております。唐突に失礼します。

     正直、会話のマシンガンでついていけないような感が残りました。口調には一度は触れられていましたが、それだけでなく表情や部屋の中にあるもの等々を表現することが必要だと思いました。どういうものを見ることで異性としての意識が芽生えたのか、表情なり部屋の中なりの表現を頑張って欲しかったような気がしました。そういう細やかなところへの表現に気を配ることが、今後の上達につながっていくと思います。

     これからを楽しみにしております。
    ――オレ 2012-07-08 (日) 22:35:19
お名前:

トップページ   編集 凍結 差分 バックアップ ファイル添付 複製 名前変更 再読み込み   新規作成 ページ一覧 ページ検索 最近更新されたページ   ヘルプ   最終更新のRSS
Last-modified: 2012-06-17 (日) 00:00:00
This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.