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心雪溶かすは紅葉の温

/心雪溶かすは紅葉の温

作者:ユキザサ


「わぁ、凄い!辺り一面真っ赤!」
 赤や黄の葉の絨毯の上で青白い九つの尾を楽しそうに揺らす1匹のポケモン。そしてそのポケモンに近づく黄金色のこれまた九つの尾。
「僕にとっては見慣れた景色なんだけどね。そんなに楽しい?スミレ?」
逆にこちらは気怠そうにスミレと呼ばれたキュウコンの隣まで歩いていき、横に欠伸をしながら、はしゃいでいたスミレの横に座った。
「あっちではこんな景色全く見れなかったからね!でも、私が住んでいた所は雪景色で真っ白なんだ!キキョウも見たらきっと驚くよ!」
 目をキラキラさせ、自分の故郷について楽しそうに話すスミレと呼ばれたキュウコンはついこの前、この地方にやってきた。そんな彼女がいつからこのような笑顔を見せてくれるようになったのかキキョウは思い返していた。私利私欲のためにポケモンを利用する人間がいること。ミユキはそんな人間たちに住処を奪われ虐待に近い事を行われていた。そして、たまたま仕事でアローラに行っていたキキョウのトレーナーが保護という形で引き取りジョウトに連れてきたのであった。
「あ、でも、キキョウ寒いの苦手なんだよね?」
「水に濡れるのが苦手なだけで寒いのはそこまでかな、それに僕、実は雪って見たことないんだよね。見てみたいなスミレの毛色みたいに真っ白で綺麗なんでしょ?」
 そう言われると、からかわないでと顔を赤くするスミレを見て、キキョウはまたやさしく微笑み、ミユキの背中に落ちてきた紅葉を前足で払う。
「私の生まれた地方って、基本的に海ばっかりだったし、雪も山の上とかそういった所にしかなかったし、こっちの地方に来てからいろんなものが見れるからうれしいんだ。来たばっかりはキキョウにもご主人にも迷惑かけちゃったけどね…」
そういってスミレは悲しそうに落ちる木の葉を見つめている。こちらの地方に来たばかりのスミレは極度の人間不信に陥っており、引き取る前からも食事をとろうとしなかった。そして引き取られた後にキキョウのトレーナーがあの手この手で何とかしようとし、結局キキョウがスミレの隣にずっといたことで心を開いた。
「あぁもう。湿っぽい話はやめよ!せっかくキキョウが一緒に歩いてくれてるんだし。ほら向こうも見に行こ!」
「あっ、ちょっ!」
 二匹が走るのに合わせて落ち葉の絨毯がサクサクと音を立て、ふわりと落ち葉が舞う。その中を楽しそうに跳ねる白い尾と、それを苦笑いで追う黄金色の尾。時折キキョウのほうを向き、落ち葉をかけてくるスミレに対してキキョウはそれを優雅に避けていき時折やり返す。そんなことをしながら少しの間はしゃぎまわっていた。
「スミレ、ストップ。これ見てごらん」
「え?うわぁぁ!この木、凄く大きいし、ここまでで見た中で一番色が綺麗!」
「ここのご神木だね。何百年、イヤ、もっと前からかも。ずっとここを見守ってるのかもね」
 風がさわさわと二匹の毛並みを揺らしていく。ここまで走りっぱなしだった二匹には心地よい風であり。二匹とも静かに目を閉じ、少しの間体の熱を落とした。
「なんか、これだけ大きい物を見てると、自分がものすごく小さい存在に見えてきちゃうよ」
「どういうこと?」
「ちょっとね」
「はぁー、スミレはもっと我儘言っていいんだよ?」
 スミレは元から自分の気持ちを押さえつけることが多く、今回の紅葉を見たいというのも、テレビを見ていた時にボソッと言った一言がきっかけで、スミレ本人がどうしても見たいといったものではなかった。
「えへへ、なんか言いづらくて。それに…」
「それに?」
「いや、何でもない!ほらそろそろ戻らないと、ご主人が探し始めちゃうかもしれないよ!」
「あ、またそうやってごまかして…」
 そういいながら、ゆっくりとスミレの後を追いかけていくキキョウは寂しそうにその背中を見つめていた。


「あれ、キキョウ?もしかして怒ってる?」
「怒ってはないよ。でも、僕ってそんなに頼りないかなって思って」
 夜の静寂の中突然スミレから投げられた疑問。若干の不安を含んだ目をキキョウはまっすぐに見つめた。さっきの事も含めて、正直にすべてを話してほしいという気持ちを伝えるためにも。かなり狡い言い方だがもうこれ以上スミレが何かで悩むのを見たくないという本音もあった。
「ち、違うの!そのキキョウやご主人が頼りないとか、信用できないとかじゃないの!ただ…」
「僕は君の力になりたい。もしかしたら、僕じゃ解決できないかもしれない。それでも話してくれれば少しは楽になると思うな」
「…わかった。じゃあ一つお願いしてもいい?夜の紅葉を見たいな。そこで全部話すから」
 窓から差し込む月の光を反射してより一層毛並みの輝きを増すスミレをまっすぐ見つめるキキョウ。その瞳には迷いなど微塵も感じられなかった。

「昼間とは違ってなんだか幻想的だね!月明かりに照らされて葉っぱがキラキラしてる」
「ここら辺は町の街灯も強くないからね、ほら、上見てごらん」
「本当だ!星も凄く綺麗…」
 上空に広がる星と周りを埋める紅葉を交互に見ているスミレの毛並みを時折吹く秋風が揺らす。そして、スミレの頬を涙が伝ったのをキキョウは見逃さなかった。
「ごめんね。すぐ泣き止むから…」
「だから、スミレは色々我慢しすぎ、溜め込むのは良くないよ。せめて、僕の前では我慢しないで?」
「うん。じゃあ少しだけ泣いても良い…?」
「少しなんかじゃなくて、全部出し切っちゃいなよ、全部僕が拭ってあげるから」
「ありがとう…」
 その言葉の後、決壊したように涙を流し続けるスミレの頭をキキョウはポンポンとやさしく叩き、顔を寄せる。そして、時折やさしく涙を拭った。
「少し落ち着いた?」
「うん、うん。これで話せそう。ごめんね?時間かかっちゃって」
「全然」
「フゥー。じゃあ、話すよ。私が何に悩んでたのか。簡単なことなんだ。私がこんなに幸せでいいのかなって」
 そう自嘲気味に言ったスミレはスッと目を閉じ、そのまま話をつづけた
「キキョウはご主人からもう聞いてるかもしれないけど、私のいたところは本当に酷かったんだ。言う事を聞かなかったら、暴力を振るわれるし、食事だってまともじゃない。進化だって無理やりさせられた。ここで私も死ぬんだって覚悟してた。」
 一つ一つポツリと言葉に出していくスミレにしっかりと向き合いキキョウは真剣な表情で話を聞く。
「私の家族もそこで死んじゃった。もう諦めていた所で、助けられたんだ。でも、もう私以外のキュウコンやロコンは絶望的だった。この後は私はご主人に引き取られて、キキョウやご主人のおかげで何とか今も生きてる」
 今までの過去をすべて吐き出したスミレはまた落ちる木の葉を見て、今度はキキョウのほうをまっすぐに見つめた。
「それでね、最近考えちゃうんだ。もしも、あの時生き残ったのが私じゃなかったらって。そしたら、私だけがこんなに幸せでいいのかなって」
「もし、それ自分は幸せになるべきじゃないて思ってるんだとしたら、本気で怒るからね」
「でも、私だけが幸せになっていいの?」
「スミレはその人たちの分まで幸せになるべき。いや、ならなきゃいけないんだ。僕はそう思う。」
 その言葉を聞いてなお、不安な面持ちのスミレに対してキキョウはため息をつきながら言葉を続ける。
「スミレはホントに優しすぎ。スミレが苦しんでると僕だって苦しいんだよ?だって」
 風がやさしく吹き、キキョウの毛並みを揺らし、少しの静寂の後、真剣な面持ちで上がる心音を抑え込みその一言を発した。
「スミレの事が好きだから。だから僕はスミレに幸せになってほしいし、僕がスミレを幸せにするから」
 真剣な面持ちから一変して、落ち着かない様子で深い深呼吸をしたキキョウは苦笑いを含みながら気恥ずかしそうに言葉を続ける。
「少し臭かったかな?これでも僕必死に考えて練りだしたんだけど?」
「本当に幸せになってもいいの?私は許されてもいいの?」
「自分で抱え込むのはもうやめよ?許されるための理由には僕がなるから。僕のために幸せになってよ?」
 その言葉を言ったのち、スミレの横まで歩み寄りその頬に自分の頬を擦り寄せ、その涙を舐め拭った。
「分かった、もうこんなこと言わないようにする。私は私のために生きていく。だから、ずっと一緒に居てね?」
「もちろん!でも、ちゃんとさっきの返事が聞きたいな」
 少し意地悪く笑いながら。顔を真っ赤にするスミレを下から見上げ、あたふたするスミレを見て思わず噴き出してしまう。
「キキョウ酷い!」
「ごめん、ごめん。余りにも想z」
 突如、キキョウの声を何かが遮った。それが何かに気づき、ここまでの余裕をなくし今度は逆にキキョウが顔を紅潮させることとなった。とはいえスミレはそれ以上に紅潮していたわけだが。
「これが答えだよ?私もキキョウの事が好き」
「突然積極的になるね。ちょっと驚いたよ」
「こんなの初めてなんだから、私だってわかんないよ!こないだご主人が見てたテレビで好きな人に思いを伝えるときにやってたから…」
「なるほどね。でも」
 キキョウは恥ずかしさで目線を合わせようとしないスミレの前足の間に自分の頭を下に潜り込ませ、そのまま彼女の体を押し倒し、その前足をスミレの顔を挟み来むように置いて、見下ろしながら言葉を続けた。
「こんな甘―い雰囲気の中でキスなんて、こうしても良いのかなって思っちゃうよ?」
「キ、キキョウ?ちょっと怖いよ?後、さっきのキスっていうの?後、近いの恥ずかしいよ…」
「ちょっと待ってスミレ、赤ちゃんってどうやって生まれるか知ってる?」
「えっとね、私の地方では、ドデカバシさんが卵を運んできてくれるって聞いたけど?」
 その一言を聞き、キキョウは深いため息をついた。そして、この状況を見て何ともやるせない気持ちになり、この後どうしようかと必死に考えを巡らせていた。
「違うの?じゃあ本当はどうやって生まれるの?」
「答えづらいなぁ、ここまでやっておいて言うのもなんだけど。知りたい?」
「知りたい」
 しかたない、とキキョウは静かに前足を下に下にとずらしていき、スミレの後ろ足の間辺りで止め、そのままその前足を降ろした。
「ヒゥッ!?そこはオシッコする所だから汚いよ!?」
「やっぱり知らなかったんだ。赤ちゃんはメスとオスが体を合わせることでできるんだよ」
「アッ!キ、キョウ!動かすの、やめ!な、はっ、んか、へん!」
 だんだんと体の奥から広がる疼きとも違う変な感覚に支配されていき、何も考えられなくなりつつあるスミレにキキョウは顔を近づけて一言
「スミレ?僕とするのヤダ?」
 まっすぐに見つめる瞳と優しい声。そして、なぜ出てくるのかもわからない涙をやさしく舐め取るキキョウの顔は今までで一度も見たことがないような不安を含んだ顔だった。その表情を見た途端、自分でも気づかないうちに前足をキキョウの首に回して、スミレは言った。
「キキョウと、ん、赤ちゃん育て、たいよぉ」
「うん、分かった。ありがとう。でもスミレ一回、イッちゃおう?スミレ初めてだし慣らさないと後がつらくなっちゃうし」
 そういって、キキョウは徐々に前足を動かすスピードを上げていく。
「やっ!まっ、てぇ!変、変に、なるぅ!」
「そのままその流れに身を任せて?」
 耳元でささやくその声が引き金となって、スミレの中の何かが弾けた。
「アァ!イァァ…」
足を張り詰めながら、キキョウが抑えていた秘所から愛液を噴き出しスミレは生まれて初めての絶頂を味わい。目じりに涙を浮かべたまま、前足を息が上がっている口元に運び、必死に息を整えようとしていた。
「ん、随分と激しくイッたね。今のスミレいつも以上に可愛い」
 だが、その行動はかえってキキョウの情欲を誘ったようで。意地悪く笑いながら、自らの前足に付いたスミレの愛液をペロリと舐めた。
「ききょう?いまのな、に?」
「女の子は気持ちよくなったら、こんな風になるんだよ、もう十分かもしれないけどもう少しだけほぐしとこうか」
 そう言ってキキョウは再びスミレの秘所に前足をゆっくりと乗せ、じっくりとこねくり回すように動かしていく。
「あぅ、ん、くぅ、ききょう!もっと、もっとぉ!」
 顔を紅潮させ、少しの笑みを浮かべながら快感に体をゆだねるスミレの姿がキキョウの加虐心を刺激した。そして、その加虐心からか、ニヤリと笑ってスッと前足を秘所から外し、今度は涙や涎でぐちゃぐちゃになったスミレの顔をやさしく舐め上げていく。
「やめないでぇ、体の中、切なくておかしくなっちゃうのぉ!」
「あはは、もう快感の虜みたいだね?でも、スミレばっかり気持ち良くなるのも狡いんじゃない?」
 僕だってと、自身の後ろ足の間から隆起した一物をわざと見えるようにしながら、スミレに軽く口付けをする。
「ききょう?それな、に?」
 快楽からか呂律が回らないようだが、キキョウの物には興味と恐怖の両方を含んでいるようで、潤む瞳でしっかりと見据えていた。
「僕のこれをスミレのここに居れてお互い気持ちよくなると、赤ちゃんができるんだよ」
「わたしのここと?」
 うん、とうなずきながら反対の前足でスミレの頭をなでながら
「もう本番に行っても良いんだけどね。どうせなら僕もスミレに気持ちよくしてもらいたいなって。だめ?」
 わざとらしく、そして首を傾げて言う。このように頼むとスミレが断れないとわかっているからこそキキョウはこのような意地悪な頼み方をしたのである。
「でも、私どうすればいいのかわからない…」
「僕が教えてあげるから、ね?」
「どうすればいいの?」
 それじゃ、と体の向きをひっくり返し、キキョウはちょうどスミレの顔の位置になるように体の位置を調整した。
「前足でこすってもらっても良いんだけど、スミレ今起き上がるのはきついでしょ?後は舐めてもらうのが基本だから、周りをやさしく舐めてみて?」
「う、うん」
 初めて見るオスのそれに対して、困惑しながらもペロっと表面の部分を舐めた。舌に残る独特な味になぜかもっと欲しいと思い今度は口全体でそれを含んだ。その瞬間今まで攻めていたキキョウからうめき声が聞こえた。
「くっ」
「ご、ごめん!痛かった…?」
「だ、大丈夫、スミレの口がちょっとひんやりしててびっくりしただけだから。続けて」
「わ、分かった」
 今度はゆっくりと、先端から根本まで満遍無く舐めていく。決して上手とは言えないが、一所懸命に自分の物を舐めるスミレの愛らしさが余計にキキョウを高ぶらせた。逆にスミレもこの行為の最中も、さっき途中で止められた事も相まって、キキョウの顔前にある秘所は絶えず蜜を垂らしていた。
 その秘所を見て先ほどの意地悪な笑みを浮かべ、その場所を一舐めした。
「ひあぁぁぁ!?」
「あぁ、ごめんね、つい美味しそうだったから。でも、スミレ、もしかして変態さん?」
「ち、ちが!?あっ、ん!」
 否定しようと言葉を言いかけると、また刺激を与えられ、体の火照る感覚がじんわりと広がっていき、次第にスミレの息が荒くなっていく。
「これだけ濡れてれば痛みもちょっとで済むかな。正直、僕も我慢の限界だし、本番行っちゃおうか?」
「い、いたいの?」
「初めてだしね。ちょっとは痛むと思うけど、できる限りやさしくするし、痛かったら教えて?」

じゃあ、行くよ、とキキョウは自身の物をスミレの秘所に先端を添わせた。その瞬間、ヒッと小さな悲鳴をスミレがあげた。
「怖くない、怖くない。さぁ力抜いて?」
「う、うん」
 その後、ゆっくりとキキョウはスミレの秘所に先端を押し込んでいく。先ほどまでの前戯で十分にほぐされていたためか、先端は簡単に飲み込んだ。しかし、キキョウがさらに腰を落とそうとすると、どんどんときつくなっていき、ある所を超えようとすると何かに阻まれ、それ以上進まなくなってしまった。それは、スミレの純潔を証明するもの。
「行くよ」
「ふっ、んぐぅ!」
「ゆっくり深呼吸、ゆっくり、ゆっくり」
 言われた通り、ゆっくりと深呼吸をすると今まで強かった圧迫感がほんの少し弱くなった。しかし、すぐにさらに侵入を試みる、キキョウのもので圧迫感が増していく。そして、ミチミチと純潔の証が破られていく。
「い、ったいぃ」
「ごめんね、もう少しで全部入るから」
 痛みで強張るスミレに口付けをしながら、前足で腹部をやさしくなで、中間まで入れていた逸物をまた侵入させていった。そしてついにスミレはキキョウのすべてを飲み込んだ。
「あぁぁぁぁ!」
「根本までちゃんと入ったね。落ち着くまで動かないから。呼吸整えて」
 キキョウの体は炎タイプらしく高温であり、その体に密着しているスミレの体温はどんどんと上がっていく。逆に、氷タイプのスミレは常時冷気を発しているが、その温度はキキョウに吸われていく。多少自身の体が冷気を出しているため冷やすことが出来ても、すぐに熱を帯びる。この繰り返しがどんどんとスミレの感覚を鮮明にしていく。
「もう平気かな?」
「う、うん」
「じゃあ、行くよっ」
 ぬぷっ、と逸物を引き抜いていく。その瞬間にまた甲高い喘ぎ声をあげるスミレの頭をなでながら、ギリギリまで引き抜くと今度はそれを突き入れる。
「あっ、また、へん、へんに!」
 出し入れを繰り返すたびに、スミレの秘所からは絶えず蜜がどろどろとあふれ出し。二人の動きを速めるための潤滑剤になっていく。キキョウもどんどんと動きを速めていき、スミレは押し寄せる快感に嬌声を上げながら耐えるしかなかった。
「我慢しないで良いんだからね?イキたいときにイっちゃって良いよ」
「も、う、だぁ、めぇぇ!」
 我慢の限界を迎えたスミレは無意識にキキョウを前足で抱き寄せて、快感で口を開いたままだらしなく笑みを浮かべていた。その表情はさらにキキョウを燃え上がらせた。
「かわいい」
「ひぅあぁぁあぁ!み、みぃ!かまないでぇ!」
 そして、またどんどんと出し入れのスピードを上げていく。しかし、どことなくその動きは今までのやさしさを含んだ動きではなく、自分が快感を得るための少し乱暴な動きに変わっていった。
「スミレ、僕も、もう限界っ!」
「ききょ、う!き、きょう!」
 そして、キキョウは自身のものをスミレの一番奥まで突き入れ、溜めていたもの爆発させた。
「おなか、あつぃ!」
 自身の中にいまだ吐き出され続ける熱い液体は、すぐにスミレの中を満たしていき、二匹のピッタリとくっついた体の間から少しずつ溢れ出ていき、二匹の腹部を汚していく。
腹部からじんわりと広がっていく感覚によってスミレは何回目とも分からない絶頂を迎え、躍動するキキョウのものを強く締め付けて、余韻に浸る。
「ふぅ…僕も久々だったからだいぶ出たね、スミレ大丈夫?」
「ききょう、おなかあったかいの、なぁにこれ…?」
「これが赤ちゃんの元みたいなものだよ。後は…」
 キキョウが引き抜こうと力をいれると、突然スミレが後ろ足を絡ませてきたために引き抜くこともできなくなってしまい。繋がったまま、互いに見つめあう形になった。
スミレの突如行った行動にキキョウはあっけらかんとしていたが、次にスミレが発言した言葉によって、再び理性を飛ばすこととなった。
「ききょう?もっとおなかいっぱいにして?」
「はぁぁ…もう、容赦しないからね」
 また、突き入れられることで、気持ちよさそうに体をくねらせるスミレ。まだまだこの二匹の長い夜は続くようだった。

 夜も明け、朝焼けが一つの影を伸ばしていく。日の光で乱反射する黄金色の毛玉とその上に乗っている白銀の毛玉そのどちらもが所々カピカピになっている。そして、少し気怠そうに欠伸をするキキョウにその背からスミレが気まずそうに声をかける。
「ごめんね…足腰立たなくて」
「んー、別に。でも、あそこまでスミレが乱れるとは思わなかったけどねー」
「だ、だってあんなの初めてだったし、その、き、気持ちよかったし」
「なら、良かった。途中から僕も理性保てなくなっちゃったし。でも、あんな事言ったら誰だって理性飛ぶからね?」
 その言葉にスミレは少しむすっとした顔になり、キキョウの首に回していた前足をきつく締めた。
「ちょ!スミレ首!苦し!」
「キキョウ以外にあんなこと言えないよ!もう!」
「あはは、ごめんごめん。さぁ、さっさと帰らないと。シャワーも浴びなきゃ、体ベトベトだし」
「あっ、ちょっと降ろして貰ってもいい…?」
「え?うんでも、大丈夫?」
 そして、キキョウの上から降りたスミレはご神木の前で静かに目を閉じた。最初は怪訝そうに見ていたキキョウだったが、途中から一緒になって目を閉じて、横にピタッとついた。
 しばらくして、ふぅという声と共に目を開いたスミレは今まで以上にすっきりした表情をしていた。
「よーし!報告も終わったし帰ろうか!」
「報告?」
「うん。あなたたちの分まで私が幸せになりますって」
「そっか。じゃあ僕もちゃんと責任取らないとね」
 そう言って、キキョウはスミレに軽く口付けをする。今回は口を軽くつけるだけのキスだったが。それだけでもスミレは顔を真っ赤にした。
「もう少しスミレがこういうのに慣れるには時間がかかるかな?」
「うぅぅ…」
「さぁ、急いで帰ろう。ご主人が起きちゃうとめんどくさいしね。よっと」
「わぁ!もう自分で歩けるよ!」
「まぁまぁ、このほうが早いでしょ、ちゃんと捕まっててよ?」
 その言葉にうんと頷いたスミレはキキョウの首元に顔をうずめて、小さくつぶやいた。
「ん?スミレなんか言った?」
「何でもなーい!」
 ただ一言、ありがとうと。


後書き 

 以前別所に投げたものをこちらにも。事実上の処女作のような物で登場キャラにはとても愛着を持っております。
キュウコン同士のお話もっと増えないかなぁ。

何かございましたら 

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Last-modified: 2018-04-08 (日) 00:20:04
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