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後ろの口は二枚舌

/後ろの口は二枚舌

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↓1文字目から官能小説です。






「んっ」

 月明かりの差し込む薄暗いほら穴の奥に、私の喘ぎ声が短く響いた。
 寝床の枯れ草の上で仰向けになるトールの顔を膝立ちで跨ぐと、首回りまで伸びるレントラーの立派な(たてがみ)が内股をくすぐった。おまんこに彼の荒い吐息がかかるだけで、キスを済ませた体のほてりが急速に加熱する。

「すっげー……ポプラのここ、何度見てもエロいよな。ぷっくり膨らんで、喋るたびにひくひく動いて……」
「恥ずかしいからホント言わないでよぉ!」
「ごめんごめん、まずはポプラを気持ちよくしてやるから」

 軽く目を血走らせたトールが、がっついたように顔をうずめてくる。彼の肉厚な舌が私のおまんこの表面を撫でただけで、抑えていたつもりなのに声が漏れた。へなへなと力が抜けて彼の胸に座ってしまう。金属質な私の山吹色の皮膚に彼の体毛がこすれて静電気がぴりついた。

「ぁ……んやっ、やめ……!」
「あ、わりぃ、つい夢中になって……。痛くしたか?」
「そんなつもりじゃないの。ホントに気持ちいいから大丈夫……続けていいよ」

 そうか、と微笑みまた舌遣いを再開したトール。体躯の大きい彼はお世辞にも器用とは言いがたく愛撫の仕方も大味で、ざらついた舌で何度も撫でつけるだけ。なのに私の蜜壺はすっかり愛液で溢れ返っていた。
 応えるように、私もトールに愛撫し返す。彼が私にしてくれるのと同じよう口で、だ。
 おまんこをペロペロされたまま、私は後ろを振り返った。藍と黒の体毛からはみ出した、ビビッドピンクの彼のペニス。血管の浮き出た巨大な円錐めがけて、私は自分の後頭部から伸びる大顎を曲げて先端でそっと咥えこんだ。
 クチート族に特有の鋼の大顎は、獲物を捕らえる他にも器用に使えたりする。鋭利な歯を避け顎で挟み太い舌で彼のペニスをにゅくにゅくと転がしてあげると、内側から押し開くようにそれが膨張してゆく。舌先に感じる雄臭さ、どくん、と力強く脈打つペニスに、したしたと舐められている私のおまんこが喜んでさらに我慢汁を吐き出した。

「おぉっふ……そろそろ、いいか?」
「うん」

 普段テーブルとして使っている丸岩、汗のにじんだ手をそこについてトールに背を向ける。いきり立った彼のペニスが侵入するのはぐしょ濡れにされた膣口、ではなく。

「ポプラ、ちょっと顎を上げておいてくれな」
「……うん」

 やはり、と言うべきか。私は後頭部から伸びる大顎をくいっと持ち上げた。
 そう、彼とのまぐわいはいつもこう。規格外のそれは、私の小ぶりなおまんこでは到底受け止められないのだ。
 トールのどでかいペニスが、にゅるり、と大口に侵入してくる。顎は体のどこよりも正直だ。おまんこを舐められているときから、彼に掻き回されることを想像してすでによだれまみれになっていた。そっと顎を開けば、ぬちゃり、覗く鋭利な歯と歯の間に泡立ったツバが糸を引く。

「く……すげーな、今日は一段とぬるぬるしてるぞ。……どうした?」
「そんなこと言って……トールだってもうイきそうなんでしょ? いつもより大きく膨らんでるし、すごいビクビクしてる」
「……バレたか。なんだか収まらなくて」
「いいよ、激しくして……きゃ」

 言ったとたん、トールが腰を突き出した。こつん、と小突かれたように頭を揺さぶられ、後頭部のくびれまで突き入れられたかと思うほど深い挿入に思わずえずきそうになった。溢れる彼の先走りを大顎の舌で絡めとると、むにむにとおまんこを弄る自分の指に熱が籠もる。

「く……、そろそろ出そうだ……っ。ご、ごめんな、いつも俺ばっかり気持ちよくなってさ」
「仕方ないよ……好きだって気持ちが伝わってくるだけで、ホント十分だもん。思いっきり出して?」

 顎を抱きかかえ頭上に覆いかぶさるトールにそう囁くと、ぅぐっ、と小さく呻いた。
 どくっ、どくん……。ひっきりなしに舌の上を往復していたペニスが固まったかと思うと、どろどろの精液が大顎の中へ放たれる。蜂蜜のように甘くてねばっこくて。まだ足りないよ! とねだる仔供のように舌でペニスをなぞり上げると、優しいトールはそんな私をたしなめるように残り汁を絞り出してくれる。

「愛しているよ、ポプラ」
「うん……私も。ホントに愛してる、トール」

 長い長い吐精が終わって、柔らかくなったペニスを引き抜いたトールが背中から抱きしめてくれる。ふり返るようにして、小さいほうの口で触れるだけの優しいキス。疑いようもない、この瞬間が1番幸せだ。

 しっかりとした足取りで森の中へ消えていくトールの背中を見送って、ふぅ、と大きく息をついた。さて、やらねばならないことが山積みだ。
 ほら穴の入り口に自生しているモモンの葉を数枚、ごめんねを言って手でちぎる。そそくさと奥に戻ると、顎から垂れこぼれた彼の情熱をふき取った。
 木の実を貯蔵している洞窟の横穴から、水のたまった(かめ)を外まで引っ張り出す。大顎の先端を水面につけてすすりこみ、口を閉じてぶんぶん振るった。体を(ひしゃ)げ背筋に力を込めれば、後ろの舌のつけ根からどろり、トールの放った特濃の精液がねぐらの脇の茂みへ垂れ落ちた。

「ふふ、今日もこんなに出して……。ホントに私の口が気持ちよかったんだ……」

 愛おしそうに独りごちて、甕を引きずって横穴に戻る。干してあった香草を数種類、大顎に含んですり潰した。苦い青汁を水で希釈し、頭の上から全身に注ぐ。汗のこびりついた脇や袴のひだは念入りに。ハーブの清涼感が行為の残滓をかき消してくれるはず。

「これでよし……と」
「ようやく準備できた、ポプラちゃーん?」
「り、リコンさんっ……!」

 後片付けがひと通り済んだところでほら穴を出ると、待ち構えていたように掛けられたねちっこい声。さっと横を振り向くと、岩壁に背中の棘を埋め込むようにしてもたれかかったサンドパンが月の光に照らされていた。
 背は私より少し高いくらい、小柄な体躯に茶色い棘が光を反射して鈍く光る。ドングリを転がしたような円らな瞳は、けれどいびつに歪んでいて。舐め回すような視線はさっきまでのトールとの行為を見透かしているようでぞっとした。私に体毛があれば総毛立っていただろう。

「は、早く入ってくださいっ。誰かに見られたらホントまずいですからっ……」
「へへ……そうさせてもらうよ」

 鼻の下を伸ばしたリコンが、トールと私の愛の巣へずかずかと入っていく。周囲に他のポケモン――とくにトールがいないか入念に確かめてから、私も棘で覆われた背中について暗がりへ足を踏み入れた。

 私は今から、この雄と寝る。



後ろの口は二枚舌


水のミドリ




「くんくん……まだにおいが残ってるぞ。ポプラちゃんはお掃除が下手なんだね?」
「……いいから、さっさと始めましょう。終わったらすぐ帰ってください」
「せっかくヤるんだからお互い楽しんだ方が得だろー? 言い出しっぺはポプラちゃんなんだしさ」
「……っ」

 口を尖らせるリコンを一瞥して、彼を見ないように私は背を向けた。……反論できなかった。私から誘ったというのは、まぎれもない事実だから。
 トールとしたときと同じように丸石に手をつく。大顎を持ち上げ、そっとお尻を突き出した。せっかちなリコンはこうすればすぐ腰を掴んで、愛撫もそこそこに矮小なもので私のおまんこを貫いて――

「んゃ!?」

 脇を撫でられた!? 予期せぬ刺激に変な声が出た。振り返ると、大顎の下にするりと体を滑り込ませてリコンは私に抱きついていた。背中に感じる汗ばんだ脂肪、その不快感にわななく腕をさすりつける。

「へーそんな声も出せるの。ポプラちゃんって幼いのに本当えっちだよね?」
「ちょ、止めてください、もうオトナですからっ」
「えっちなのは否定しないんだ。こことか……好きなんじゃない?」
「んひゃあ!?」

 背後から抱きすくめられたまま、右のツインテールのつけ根を舐められた。気色悪さに肩甲骨が跳ね上がり、振り払おうにも力が入らない。にゅぽ、結局1度も絶頂に達していないおまんこの中に爪があっさりと挿しこまれ、自分の指さえ届かないお腹の奥を爪の先端でカリカリと削られる。

「旦那の不器用な指先じゃあ、ココまで弄ってもらえないんだろ? 良くしてやるからさ、へへ、力抜いててね?」
「あぁ、ふゃっ、なんで、やぁっ……!」

 喘ぐ口を押さえていた私の左手が、空いた方のリコンの手で乱暴に後ろへ回される。荒々しく握らされたのは、もうすでに熱く腫れあがった彼のモノ。
 リコンのペニスは、端的に言えば小さかった。トールのものとは比べるまでもなく、またサンドパンという種族の中で見たとしても、きっと平均を下回っている。手の中でぬらぬら蠢く気色悪い短小棒に、思わずひッ、と悲鳴が漏れた。

「へへっ、ポプラちゃんのおてては小っちゃいなぁ。……ほら、これが欲しいんだよね? 自分でおねだりしてみよっか」
「そ、そういうのはナシって約束で――んア!?」

 言い淀んでいると、ぐにぃ! と爪で子宮口を押し潰される。トールとまぐわっていたときから焦らされていた最奥が汁を飛ばして喜んだ。首筋に泥みたいな生温かい吐息がかかる。いや、だめ、しっかりしなきゃ――そんな私の理性をあざ笑うように大顎の舌がもごもごと動く。そそのかされるように、口走っていた。

「いいから……早く、リコンさんの……それ……入れてくだ……さいっ」
「それ、じゃない。"ちんぽ"だ。ちゃんと言わなくちゃ、自分はちんぽのことしか考えられない淫乱なメスなんです、って」

 脳裏をかすめるトールの顔。もしこんな私の痴態を見てしまったら、彼はどんな表情をするのだろう。思いつめたように悲しむのかな、それとも牙をむいて怒るのかな。ころころと顔色の変わるトールに向かって私は頭の中でひたすら「ごめんね」を呟いたけれど――2枚目の舌はすっかり肉欲に溺れ切っていた。

「ち……、ち、ち、ち――ちんぽっ! リコンさんのおチンポ、私の淫乱ロリまんこにズブズブしてくださいっ♥」
「へっへへ……よく言えました。そんなにちんぽが欲しけりゃ入れてやるよ!」
 汚らしくリコンが笑うと、ぬぽり、爪が抜けて物足りなくなったおまんこに、ひくつくおチンポが荒々しくあてがわれて。

 ずちゅんッ。

「お゛ッ――――!!」

 待ち望んだ快感に、全身を軋ませて叫んでいた。
 トールと抱き合っているだけでは決して得られない、雌としての至上の幸福。それを満たしてくれる膣の中の醜悪チンポに、従順な体はすっかり堕とされていた。

「へっへへへ、ポプラちゃんのおまんこ、オレの形しっかり覚えてるぞ。いい仔だ、ほら、お待ちかねのご褒美、ねッ!」
「んあ、ゃ、ゴリゴリだめ、リコっさ、ホントだめぇ♥」
「何がダメなんだ、こんなに吸い付いてきやがって……おらっ!」
「んひゃぃいいい♥!!」

 ぱん、ぱんっ、乾燥してかさかさな、しかし脂ぎったリコンの腹がお尻に当たってリズミカルな音を立てる。馬鹿正直な本能が愛液を飛び散らせて、彼の白い腹部に染みを作る。

「ポプラちゃん……ぅお、好きだ、中に出すよッ!」
「ゃ、だめ、ホントにそれだけは……ッ!」
「今の旦那とじゃれあっているだけじゃ、っお、一生タマゴ産めないぞ。……本当はタマゴ産みたいもんね? 中に精液たっぷり注がれてッ、種付けしてもらいたいんだもん、ね?」

 タマゴ、その響きに本能がきゅん、膣を引き締め仔種をねだる。雌の抱擁を種付けしていいと勘違いした矮小なペニスが、ほぐれた私の膣洞窟でぬこぬこと射精の準備を始めている。
 オレのタマゴを産め、と迫られたのは初めてだった。だからしょうがない、なんて思わないけど、二枚舌はどこまでも正直で。

「ほち、いよぉ……♥ 熱々のせーえき、私のいちばん奥……そそいでぇ♥」
「ぽ、ぽぷらちゃんっ!!」

 ぴくぴくん、捕らえられた小魚のようにリコンのペニスが私の膣内で跳ねまわる。白粘液を吐き出して萎んだ性器はすぐに抜け落ちて、ふぅ、とリコンは息をついた。

「へへ、ポプラちゃんはオレのチンポ大好きだもんね? どうよ、あんなヤツと別れて、オレのロリ嫁になる決心もついた?」
「……ってください」
「え? なんて言っ――」
「帰ってください!!」
「ひぇ!?」

 怒鳴る私の権幕から転がるように逃げ帰るリコンを、ぼーっと眺めていた。熱はすっかり引いて、我を忘れたほどの快感も嘘のように寒い。今はただ、トールの帰りが待ち遠しかった。





 リコンとこんな関係になったのはいつからだっただろう? アイツが去って静けさを取り戻した洞窟で、いつもの5倍の量のハーブでにおい消しをした丸岩にもたれかかっていた。満月がじくじくと冷えていく体を照らし出している。そう、きっかけを遡れば、それは愛しのトールと初めての夜を過ごそうとしたときのこと。
 レントラーの群れのリーダーを務めていた彼は、やはり体つきもそれに見合うほど大きかった。陰部もしかり、ざらつく極太ペニスを膣口に擦りつけられただけで悲鳴を上げた私を見て悲しそうな、申し訳なさそうな表情になった彼を覚えている。

「ここが無理なら……その、口でやってもらえないか?」
「ぅう……いいけど、小さいしホント自信ないよ」
「あ、違くて、こっちの硬そうな顎でさ」

 言いながらトールがぺろり、とひと舐めしたのは、私の後頭部から伸びたポニーテール。確かにこれなら彼の巨根をやすやすと受け入れられるし、少し激しくしたくらいで壊れる心配もない。以来、彼のペニスはこの怪力バサミで奉仕することになった。
 それでも、私の体を慮って彼がぎこちなく腰を振っているのが顎越しに伝わってくる。申し訳なくて、甘い行為の後で彼の豊満な胸毛に包まれながら私はつぶやいた。

「あのさトール……こんなんじゃいつも満足してないでしょ」
「そっ、そんなことないぜ! ポプラは魅力的で、壊れてしまわないか心配で……!」
「やっぱり遠慮してるんだ。じつは私も物足りなくてさ……。それで、提案があるんだけど」

 そうして切り出したのが、同じような悩みを抱えるつがい同士のスワッピング。そう、恋ポケ以外の異性と関係を持とうと言い出したのは私なのだ。
 段取りはこうだった。まず私とトールがお互いの愛を確かめあう。そして相手方の異性と交わり、体の熱を鎮める。それからまたトールと睦みあい、変わらぬ愛に念を押す。
 同じ境遇のカップルは案外早く見つかった。それがサンドパンのリコンとギャロップのランドマークという体格差カップルだ。同種の平均より小さいリコンの雄では、ゼブライカやバンバドロのような深い膣を持つランドマークを満足させられない。異性の取り換えは4匹全員の不満を解消するものだった。
 そうして半年ほど前の夜、私は初めてを見ず知らずのサンドパンに捧げたのだ。甘く夢見ていた初夜はひどいもので、強引に幼女扱いしてくるリコンのセックスに幻滅したと同時に、ちょっと安心もしていた。トールと違ってこうした経験を彼以外に知らなかった私は、もしそれがあまりに良いものだったら裏切ってしまうかも……と、心の底でちょっと、ほんのちょっとだけ恐れていたから。だけどその可能性もなくなった。そう確信していた。
 知らない雄に許すのは体だけ。交わっている最中でさえ、心はずっとトールの側だから! と何度も自分に言い聞かせていた。
 けれど。
 回数を重ねるうち、行為の最中にトールの優しい笑顔を思い描く余裕さえなくなってしまっていて。やはり私は二枚舌だ。あなたしか愛さないと誓っておきながら、間男に大好きだと囁いていた。タマゴは諦めようねと慰めあっておきながら、仔種を注いでと縋っていた。
 熱が引いて独りになったいま、つくづく感じる自分の浅ましさ。ほら穴の冷気が肌に浸透して、ぶるり、と体を震わせた。
 腰を浮かせて、大顎を背中から股に回す。舌先で膣を掻き出すと、感じるのは知らない雄の味。トールのものも大口に含んだはずなのに、こうも嫌悪感が勝るなんて。
 ぐ、と奥歯に力がこもる。どんなに洗い流しても落ちない裏切り者のあかし。トールが知ったらどう思うだろう? かっ開いた両目に涙がこみ上げてきた。

「ただいま、ポプラ」
「トールっ!」

 噂をすれば、とはこのことか。月明かりの逆光に照らされ、見慣れたシルエットがほら穴の入り口に佇んでいた。思わず駆け寄ると、それより早く彼も走り出していて。

「トールごめんね、ごめんなさいっ! 私、わたしっ……!!」

 胸に顔をうずめて泣きじゃくる私にトールは面食らったみたいだが、した、と濡れた頬をひと舐めしてくれる。そっと私を引き離して、彼は目をそらして苦々しくこぼした。

「……ごめんポプラ、俺も謝らなくちゃいけないさ」

 それがどういう意味か分からないほど私も幼くはない。トールも裏切ってしまったのだ。ランドマークの(はら)の中には、もう。

「トール、とーるぅっ!!」
「うわ!?」

 そう考えただけで、気付けば飛びついていた。もつれあって枯れ草に倒れ込み、無我夢中でキスをする。

「やっぱり……やっぱりトールに抱いてほしいよ……私、トールとのタマゴ、産みたい……!」
「ッ! 分かった、俺も、ポプラに俺の仔ども、産んでほしい……っ!!」

 いつもは彼を迎え入れる大顎、それを背に敷いて仰向けになった。下顎の中腹に背中を預け、体の力を抜く。重力に従いしなだれた手足の先に、大口から漏れる私自身の熱い蒸気がかかる。起伏の乏しい私の体つきも、強まった月明かりで少しは魅力的に映るかな。首をもたげてトールを誘うよう腕で自分の体をなぞる。鎖骨のくぼみ、呼吸に合わせて上下する胸、うっすらと浮き出た肋骨、そして柔らかく飛び出した私のおまんこ。
 差し出すようにぷっくりと腫れあがったそこに手を伸ばし、くぱぁ、と固い爪で左右に広げると、どろり、リコンの精が膣奥からにじみ出てきた。

「……お願い」
「……わかった」

 言葉少なに、トールは私に頬をすり寄せてくれた。溢れるほど溜まった涙をぺろり、とひと舐めして、汁濡れおまんこにペニスをもってくる。大顎を敷いたおかげで高さはちょうどいい。ひと晩ですでに2回も雌を相手にしたはずの大トンガリは、衰えるどころかもうすでに見たことないくらい強直していて。
 鬣にうずもれながら両手でそっと支えていると、いくよ、と耳元で甘く囁かれて、ヌヂッ、いびつな音がして体どうしがぐっと密着した。

「ぃあ゛ッ――――」
「痛い、よな……」

 痛いなんてもんじゃない。細まった先端が少し食い込んだだけで、リコンの矮小なものが優しさだったのではと錯覚するくらい圧倒的な質量。けれど、アイツにはない気づかいを彼は持っていた。衝撃に上ずった私の口許を、熱い舌で何度も何度も舐めてくれる。そのざらりとした感触が、ペニスをだんだんと銜えこむ下半身の激痛を紛らわせてくれて。

「あ――んぁあっ! ぁ、ふぁあぁぅ……♥」
「ポプラ、力、抜いてくれ……! キツキツで俺がイっちゃいそ――じゃなくて、なかなか入らないから……ッ」

 ぬち、みちぃ、何度も押し付けられるたびに、少しずつ掻き分けられていく膣壁。横隔膜を押し上げられる苦しさに裏返った声が漏れる。つらい、けど、がしがしと動きたいはずなのに我慢してくれているトールに、大丈夫だよ、と笑顔を作る。
 こちゅん、とペニスの先端が子宮口に優しくぶつかる感触。全部は飲み込めなかったけれど、よく頑張ったな、と言うように頬に落とされる優しい舌遣い。

「落ち着くまでこうしてるから」
「うん……ありがとっ。ゎ……私もうね、二枚舌を使うのは止めようと思うの」
「二枚舌? 大顎のほうの舌ってこと?」
「うぅん、そういうことじゃなくって――やっぱり何でもない。顎なら使ってあげるよ、こうやって♥」
「おっふ!?」

 驚いてばっと後ろを振り向くトール。舌をしまい忘れているところがいじらしい。
 ベッドにした大顎の先端を、くいっと持ち上げて舌を出した。私の蜜壺を貫いてなお余りはみ出している彼のペニスの根本を、そっと舐めあげたのだ。

「どう?」
「な、なんか、新感覚……」
「じゃあこれは?」
「お! ぅ、ふぅぅ……!」

 黒の毛並みに隠れた睾丸を舌先で探り当て、8の字を描くようにグリグリとかき混ぜる。栄養をため込んだブリーの実のようにタプタプに膨れ上がった双球を転がすたび、湿った地面に食い込んだトールの後ろ脚が崩れそうになる。ペニスのつけ根を探り当てるようにほじくって、そこから尿道に沿ってそっと撫で上げると、たまらず私にもたれかかってきた。

「お゛、あ、これ、すげぇっ……!!」
「んゃ、ぁ、トールぅ、動かない、でっ♥」

 トールが足を踏みかえると、突き刺さったペニスが膣口の浅い肉をもちあげた。できたわずかな隙間からごぽ、と愛液が零れ落ちる。袴のような私の脚のつけ根と尻を伝って、下顎に沸き立つ粘液だまりを作った。
 負けじと舌先を蠢かせると、

「ああ、ダメだ、出るッ!! ぁ、っぐ、うぁぁあッ!!」
「んぇっ!?」

 不意に首を持ち上げたトールが雄たけびのように吠えた。挿し込まれたままのペニスがビリッ、と痙攣して、待望の精液が膣に注がれる。1回も動かすことなく放電したせいかその量はさほどでもなかったけれど、それがかえってトールに火を付けたみたいで。

「こ……このまま、いくぞッ!」
「え、待っ――んひゃぁあ♥!」

 高粘度の精液を潤滑剤にして、トールは私の蜜壺を思いっきり突き崩しにかかった。ずむずむと子宮口を袋叩きにされるたび、快楽の電流がおまんこを震わせ荒くれペニスを食いしばる。相当な痛みも全部、麻痺した脳が雌悦へと変換していた。
 ごちゅ、どちゅ! 容赦ない突きこみに「とーる、とぉ、る……っ♥」ととぎれとぎれに彼を呼ぶ。快感に細まった眼でいとしい彼を見上げると、胸を浮かせて私の下腹を睨むトールの瞳が黄金色に輝いていて。

「く……こんなもの、掻き出してやる……!」
「んぁあ、やっ、激しっ――ぁあああ♥!!」

 透視能力を使って私の体内を覗きこんだ彼の目には、きっとリコンの精子が泳ぐ子宮の断面図が映っているだろう。ある意味雄として最も重要なところで闘争心を発揮したトールが、しゃかりきにピストンを過熱させた。

「孕め!俺の、俺の仔を孕めッ!!」
「うんっッ、ちょーだぃ♥ わたしっ、トールとのあかちゃん、うみたいっ♥」

 不器用で愛の言葉は少なくとも、じかに伝わってくるトールの愛。強烈な絶頂感はそれだけのせいじゃない。彼と初めて繋がって、今まで使っていた二枚舌も許してもらえたような気がして。

「好きだぞポプラ、ぽぷ、ら、出る――ッうぁあああああ!!」
「すき、トール好きぃ! あなたが、あなただけがすき――んっぁああああ♥♥♥」

 びゅるぅ、びゅくびゅぅううっ!!!
 子宮壁に飛び散りへばりつくトールの精液。1発1発が全体重を掛けて絞り出したような、ありったけの射精。発情期の熱を苦笑いでやり過ごすあいまいな慰めあいなどではない、雌に種を植え付けようとする本能むき出しの仔作り交尾。

「……っあ」

 本気の彼に呼応するように、トールの形を上書きして覚えこんだ私の膣肉もきゅうきゅうと痙攣する。大好きな彼との仔を宿す確率を上げるように、ショートしたペニスの尿道から精液を1滴残らず絞り上げる。胎内だけでは受け止めきれなかった濃粘液が卵管を逆流する。

「はあぁ……っ」

 後ろ足を突っぱね腰を押し付け、私を孕ませようと全力射精するトールはこの上なく幸せそうで。強張る彼の肩に腕を回してぎゅっと抱きつくと、玉袋が縮み上がってさらに仔種を流し込んでくれる。

「んあぁ……、はぁあぁぁぁぁ……♥」

 トールが腰を引くと、ぬろー……と柔くなったペニスが私の秘所から抜き取られる。濁った本気汁を引いた先っぽに続き、ごぷ、と白い泥のような塊が吹き出して尻から垂れ落ちた。
 とさり、と私の横に倒れ込んで、息を切らした彼と笑って見つめあう。

「すげ……本気でやると、こんな気持ちいいんだな」
「ぅん、私も、気持ちよかった、ぁ」
「……じゃ、そろそろ2回目いい?」
「え、まだやるの!?」
「ポプラと初めてちゃんとシたってのに、こんなんで収まるかよ。……そういや、群れにいた頃は2日で100回はしたな」
「ひゃ……!? ()()()!?」
「俺がポプラに嘘ついたことないだろう」

 トールと1回愛し合っただけでこの疲れようなのに、これが何度も繰り返されるなんて! 想像しただけでくらっと来た。
 自然とにやけてしまう。底抜けな彼の性欲に、ではない。だって、これから始まる長い初夜に、性懲りもなく私のおまんこは濡れ始めていたのだから。





あとがき

 以前に呟いたのですが、満足に交尾できないくらいの体格差カップルはこういうことしてるんじゃないかなっていう妄想をかきました。えっちな文は読んでくれる人が勝手に行間を補ってくれる(と信じている)のでかなり無理ある表現ができるはとてもバカバカしくて楽しいです。えっちくなっているかはともかくも。
 それはさておき体格差カップルですが、タマゴを諦めてまで結ばれる(グループが違うときも)には子孫を残すことが第一の恋愛観ではない、つまり人間程度に娯楽水準が高く幸せの在り方に多様性のある世界でないと成立しないのかなぁ、なんて考えたり。レントラーのリーダーであったトールが群れを捨ててまでポプラを娶ったり、そのあたりは省略していますがかなり人間的。その辺に合わせて甕で水を貯めたりと野生っぽくない要素も多くなって、読み返してちょっと違和感カナ、と思ったポイントでした。
 おカタイことはともかく内容的にはクチートでできることを全部やったカンジです。欺きポケモンであるクチートは口がふたつあるのに二枚舌を生かした作品は見たことがなかったので。本来ならもっと葛藤する予定だったのですが濡れ場が膨れ上がって気づけば淫乱なだけになっていました。ちなみに図鑑だとクチートの大顎に舌はないっぽいです。書き終わった後に知りました。でもあったほうがロマン。
 サンドパンさんがロリコンなのは仕方ないね、公式だもんね。



以下コメント返しです。

・一番投票します (2017/03/11(土) 23:22)

 1作品に1票までです!!
 ……でもお気持ちは80票くらい貰っておきますね。貴重な1票ありがとうございます。


・クチートをついつい幼女扱いしたくなる気持ちわかります (2017/03/11(土) 23:28)

 後ろに延びるポニーテール、前はツインテール、短い手足にあどけない口許。ロリなのは人間目線で、ですがロリコンのリコンには格好の的だったワケですね。個人的にはあまりロリでなくてもいいと思ったのでこんな内容になりましたが。彼女自身はすごい気にしていそうです。そういうところ弄るあたり性格悪いよなぁリコンさん。株は下がる一方です……。


投票&コメントくださったお二方、読んでくださった皆様ありがとうございます。



「ここがえっちかった」「こうするともっと扇情的」など教えてくだされば次回作に生かされる……かも。

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Last-modified: 2017-03-04 (土) 21:44:59
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