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彼女の祈りと五つの宝石 - No02

/彼女の祈りと五つの宝石 - No02

 森の中をフワフワと散歩する一人の少女。全身紫色で、首元にはネックレスみたいなのと白いオカリナをぶら下げて、涼しい夜風が吹く。彼女の名前はレイエル。種族はゴーストタイプでムウマである。
 そしてココは『コークン』と呼ばれる緑豊かな集落で、木の実も豊富で争いごとも少なく、数少ないギルドと言う物も建設されている。

 ギルドには三種の部門があり、
  救助をメインとする『救助隊』
  未知の場所を探索する『探検隊』
  情報収集をメインとする『情収隊』
 が存在して、更にその部門を管理する
  親方
  副親方
 が居て、その他に隊員の栄養面の管理と衛生面、医者も含めて一つのギルド、一つのチームとして成り立っている。因みにレイエルは元々持ち合わせている行動力と知識が評価され、情収隊に所属している。

「気持ちいいわねー。でもこれからもっと暑くなるのよね...はぁ、夏ほど嫌いな季節はないわ。 暑いし、日差しは強いし、夜は蒸す...し?」
 ふと、空に光が見えた気がして見上げる。すると先程まで何もなかった夜空に何かが光っていて、何かの技かと思ったが、なんかどうも違う気がした。
「あれ...何かしら? ちょっと近づいてみようかしら...」
 レイエルはその光が分かるところまで一気に上昇していく。30m程上ってみると、球体状なのが分かったが、それ以外は何も分からない。
 けど、技だとしたらかなり高すぎるし、発動時間が長すぎるし、知ってる中で青やら緑にが混じって、オーロラのように綺麗な物は見たことが無かった。むしろ、オーロラを球体に詰めたような...その表現の方が正しいかもしれない。
「...よく分からないけど、綺麗っちゃ綺麗ね。 ...賭けだけど"サイコキネシス"で動かせるかしら?」
 瞳を閉じ、開くと目の色が青色に変わる。そして、目線をその球体に合わせ、引っ張ろうとした瞬間

...パキャーーーン!!!

 球体が破裂し、四色の光が凄まじい速度で四方に飛び散る。が、それよりもその球体の中から現れた者にレイエルは脅かされた。それは、宝石を護るように両手で抱き込んでいるピチューだった。浮いてるのも、宝石も、この子自身にも、どうすれば良いのか迷ってると...
「...ちょ!? .........ふぅ、危ないわね。いきなり落ちていかないでよ...」
 浮力を失ったのか、下にスッと落ちた瞬間に再度"サイコキネシス"を発動させてピチューをキャッチする。当然宝石もキャッチしている。因みに大きさは縦5cm位で、一番大きい太さで3cm程ある、透き通った白色長六角形だった。
 因みにピチューの大きさは若干標準小さめの印象を受ける。
「...取りあえず、運んで手当ね。 傷の感じからして擦り剝き傷だけど、なんでこんなに毛並みが汚れてるの...まるで砂嵐の中を歩いてきたような...」
 黄色い毛並みが茶色くなっていて、払うとちょっとだけ綺麗になるが、ますますピチューがどこから来たのか分からなくなった。
 実はこの辺りには砂漠や浜辺など無く、二日か三日休まず歩いて到着するほどの長距離。そしてペリッパー郵便が高速で飛んでも、そこまで行くのには半日も掛かってしまうほどの距離なのだ。
「...明日、調べる必要があるわね。 その為にはこの子を明日までに元気にさせて起こさせなきゃ」
 そう言って、レイエルは今来た道を全速力で戻るのであった。不審な視線を感じながら...。


 帰りに何度も視線を感じた為、振り返ると付いてきた、いかに悪そうなストライクが居たので"シャドーボール"をダウンするまでお見舞いしてから自分の家に戻り、ピチューを手当てする。っと言っても、怪我の患部を水で濯いで綺麗なタオルで拭き取り、消毒液を塗り、包帯を巻くだけ。後はオレンの実を絞って喉にゆっくり流し込むくらいである。
 後することは容態悪化が直ぐに分かるように横に寝る事。こうすれば、もし身体の震えがあれば気が付くし、体温が高い低いも身体で感じることが出来るからである。因みにレイエルの家はお風呂トイレ別のスタンダード1LKで、キッチン付きワンルーム。
「ふう、コレで大丈夫なはず。 それにしても、この辺じゃまず見ない子だけどどこから来たのかしら。そしてこの宝石...さっきは気が付かなかったけど、なーんかみたことあるのよね。書物だったかしら...」
 お得意の"サイコキネシス"で拾い上げ、真上に浮かべてジーと見つめる。少々暗闇でもほんのりと暖かい光を放ち、まるで持っているだけで力が湧いてくる...そんな気がした。
「不思議な宝石ねー...それに、書物で見たのに思い出せない。そのページは目に浮かぶのに、何処で読んだのか、いつ読んだのか、どういう書物だったのかも...もしかして、もう老けた? いやいやいや、そんなの困るわよ私...」
「それは...無いと思う...けど?」
「ありがとう...えっ!? い、いつから起きてたのよ!?」
 不意に声がして相槌を打ったが、アレっと思って横を向くと、そこには辛そうに目を開けて頭を押さえ、息は荒く、周りから見たら寝なさいと言われても仕方が無い状態の彼女が目を覚ましていた。
「丁度...今です...。 ところで、ココは...?」
「私の家よ。けど、まだ寝ててもらおうわよ。 見た目は全然回復しきっていないようだし?」
「いえ...私は大丈夫...で......」
「...危ないわね、まだ全然回復してないじゃない。 今日はゆっくり寝なさい。話はそれからよ」
 倒れそうになったのを支え、今まで寝かせていたソファーから自分のベットに運んで寝かし、布団を掛ける。だか、起きようとしたので問答無用でレイエルは"催眠術"を掛けて寝かせた。
「...この子、なかなか無理をするタイプみたいね。このタイプだと大概ストッパーが居たはず...居ないなら、私がなるしかないわね。お休みピチュー、元気だったら明日いろいろ話してね」
 そう言って、ゆっくり頭を撫でる。そうすると心なしか笑ってくれたような気がした。っと同時に、レイエル自身にも強烈な睡魔に襲われた。
 全速力で飛び、その間ずっとサイコキネシスを発動し続け、オマケに催眠術を使用...。実はレイエルはサイコキネシスを使うと1/5の確率で自分にも影響が出てしまう。疲労が溜まるほどそれの確率が上がってしまうのだ。
 そしてこの強烈な睡魔こそ、それが誤爆した結果となる。起きようと踏ん張っても余計に眠くなり、力がどんどん抜けていく。そして、間もなくしてレイエルは深い眠りの世界に落ちた.........。


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Last-modified: 2015-07-03 (金) 12:43:15
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