作者:ぽーにょ
「知ってるかしら?世の中にはオレソの実ってのがあるらしいわ。食べるとダメージ受けるみたい」
「何かオレンみたいな名前だな」
とあるダンジョンの中を、テッカニンとガブリアスが歩く。
「外見も結構似ててわからないみたいなの」
途中に拾ったぱっちりメガネを頭に乗せたテッカニンがブンブンと辺りを飛ぶ。
「んじゃどうしろっての・・・食べるまで解らないのか?」
同じく途中に拾ったくっつかずきんをかぶったガブリアスが文句を言う。
と、二人が階段の部屋に差し掛かった瞬間、ポケモン達が一斉に飛び掛かって来た!
「しまった!モンスターハウスか!?」
しかしテッカニンは冷静に対処する。
「こういう部屋はアイテムとトラップの数が半端ないわ・・・さっき拾ったぱっちりメガネで・・・」
とテッカニンがメガネをかけるとどうだろうか、ポケモン達がテッカニン目掛けて攻撃してきたではないか!*1
「きゃああっ!」
「テッカニン!えっと・・・たしかオレンの実が」
オレンの実を取り出したガブリアスが、テッカニンに向けてそれを投げる。
「ありがとうガブリア・・・」
しかしキャッチしたテッカニンの脚がネバネバになる・・・
「・・・ちょっとコレ、ネバネバじゃないの」
>テッカニンに1のダメージ
「あれ?おかしいな・・・」*2
テッカニンはゴソゴソとバッグを漁った後、せんたくだまを取り出しきれいにした。
「よし、回復よ!」
むしゃむしゃ・・・
・・・きゅるる~
「はうぅ!?」
「テッカニン!?」
「きゅ、急にお腹が・・・まさか・・・オレソの実?」
「もう回復アイテムは無いぞ!」
「でも・・・大丈夫。ふっかつのたねがあるわ・・・」
テッカニンのふっかつのたねから発せられた光がテッカニンの体を包む・・・
「・・・ぷっ」*3
今ご主人は友達と電話中なんだ!
「・・・でさー・・・うん・・・」
ツボツボの自分には何について言ってるのか分からないんだけどね。
「あ、そうそう・・・アレ、どうしよう?」
・・・ん・・・アレ?
「・・・そうだったね、そこら中茶色一色になったっけな」
・・・茶色一色?
「・・・ああー、あの時調子悪かったしね」
・・・調子悪かった?
「大丈夫、ちゃんと流したから」
・・・
・・・・・・!?!?
「あのままにしてたらツボちゃんも気まずかったろうし・・・」
あわわわわ・・・な、n何言って
「流石にあの時はアレになっちゃったけど、そろそろリベンジマッチも近いじゃない?」
ご主人やめて・・・ここでリベンジしないで・・・ぼくおとこのこだよ・・・?
「・・・え?相手は誰かって?・・・それは・・・いつも傍に居てくれた・・・ボソボソ・・・なの」
ご主人が顔を赤くして・・・はうぅ・・・そんな、ぼくまで顔が真っ赤になっちゃうよ・・・
「ま、明日だね。明日、思い切ってやってみる!」
・・・え?明日・・・よかった、まだ猶予あるんだ!
「・・・うん、頑張ってみるね!・・・え?うん、・・・うん?、分かったわ!それじゃあねー」
電話を切ったご主人が純粋な瞳でこう言ったんだ。
「なんかね、友達が『ツボちゃんに「ご愁傷様」って伝えといて』てさ?ご愁傷様ってどういう意味なんだろ?」
・・・ああ、ルギア様ホウオウ様ぼくは何か良からぬ事をしたのでしょうか?
「明日バレンタインだからね・・・一緒にチョコ、作ろ!」
・・・チョコ?ああ、チョコ・・・ね。・・・よかった
次の日、渡されたチョコで悶絶したのは言うまでもありません・・・
ふしぎなアメ・・・効果:レベルが1上がる。
・・・それだけ。
とあるダークライがゲットされて一週間、彼はゲットされた事に激しく後悔していました。
「行け・・・ディーアン」
相手のトレーナーは・・・育てたポケモンにはすべて名前を与え、ふしぎなアメなどは邪道と考える・・・いわば廃人。
「いけっ!ダークライ!」
このダークライ、レベル100でありながら何一つステータスが300を越えなかった、
ゲットされてからふしぎなアメしか食べられなかった不運なポケモン・・・
(レディアン相手に俺とか・・・このトレーナー、タイプとかステータスとか全く考えてない!)
結果は残飯・・・否、惨敗。
「なんでだよー!レベル100のダークライなのに!?」
(そりゃあんた、こんな育て方じゃあ限界だっての・・・)
「・・・」
(ああー・・・相手なんか呆れた顔でそのまま帰ってるし・・・)
夜・・・
「ちくしょー・・・なんでなんだよ・・・」
(そうそう、悩んで悩んで、悩んだ末にもっと個性を活かした育て方を・・・)
「ま、いっか!あしたはみんなつれてリベンジだ!」
とボールから出されたのは・・・
(おいおい・・・冗談だろ・・・!?)
そこにはディアルガ、パルキア、ギラティナ、シェイミ、そして・・・
(ア・・・アルセウス様!?)
まさにシンオウ伝ポケオールスター!
しかし彼等は文句タラタラである。
(ああ・・・また無益な戦いに駆り出されるのですか・・・)
(だーりぃな・・・ったく、こんな奴にゲットされなきゃ良かったぜ)
(・・・・・・)
(ミーの力はこんなものじゃ無かったハズ・・・でしゅ・・・)
(文句を言ったら負ける・・・文句を言ったら負ける・・・)
みんなの目が死んでいる所、全員ふしぎなアメで過ごして来たのだろう。
ギラティナは黙ったまま、じっとしていた。
(おいギラティナ・・・何か話したらどうだ?)
(・・・・・・)
(おい、ギラティナ!)
・・・返事が無い。
(おーい)
(・・・OMG)
(へ?)
(Huuuuuh! Holy shit! I wonder you know what you do such a terrible thing!? And you die!)*4
「あ、ギラティナはしらないくにからコリンクとこうかんしたんだ!よくあばれるけどね」
(・・・ダメだ、負ける。)
次の日、キレたギラティナの暴走によって敵味方全員倒されてしまい、少年はその夜にそれはそれは恐ろしい悪夢を見たそうな。
みんな大好きポフィン、みんなはもう作ったかな?
「・・・!」
一匹のポケモンが涙を流しながらポフィンを食べていた。
「ど・・・どうしたのクチートちゃん、そんなに泣いて?」
「グス・・・トゲキッスおばさん・・・」
トゲキッスおばさんは母性溢れる声でクチートを宥める。
「さ、泣いてたらせっかくのポフィンも悲しい味になっちゃうわ。元気だしなさい・・・」
クチートは落ち着くと、彼女に悩みを打ち明けた・・・
「おばさん・・・ポロックて・・・知ってますか?」
「・・・聞いたことあるわ。ポフィンの元になったお菓子でしょう?」
「私の主人は・・・その昔、ポロックの錬金術士と呼ばれてました・・・(悪い意味で)」
「錬金術士・・・(いい意味で)」
「ポロックマシンに入れたきのみはそのまますり潰される要領なんだけど、主人のポロックはいつも一線を画しているのです。(悪い意味で)」
「それは・・・すごいわね(いい意味で)」
「だから・・・このポフィンを食べる度に昔のポロック味を思い出して・・・(悪い意味で)」
「涙が溢れてきたのね・・・(いい意味で)」
「はい・・・」
トゲキッスおばさんは何かを考えた・・・
「クチートちゃん、ちょっと待ってて?」
「?・・・はい」
しばらくすると、トゲキッスおばさんが帰ってきた。
「クチートちゃん、後ろ向いて」
「・・・?」
む?後ろの口に何か入れられたみたい・・・
・・・ポロックだ・・・懐かしいな・・・(悪い意味で)
「探すの大変だったけど、ようやく見付けたわ!」
「・・・!こっ、この味・・・もしかして・・・!」
「錬金術士のポ・ロ・ッ・ク!」
「な・・・に・・・さらしてくれとんじゃあ!・・・うぷ貴様も味わえ!」
クチートがトゲキッスおばさんの口に噛み付く!
「きゃああああまずい!まずいわ、マズすぎるわ!」
ポフィン教室からは断末魔が響き渡り、程なくしてポケモンセンターには急患が二匹、搬送された。
それから半年、ポフィン作りを極めた「ポケモン」としてある二匹が栄光を掴むのはまた別のお話。
話が出来たらまた更新したいですね・・・
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