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守るべき存在

/守るべき存在

by瀞竜
守るべき存在



雨が地面に強くたたきつけられている。今は雨の音しか聞こえない。俺の体も芯から冷え切り、指一本動かすこともできない。…次第に思考までおかしくなっていく。

―俺には存在する意味はないのだろうか…―

パートナーを必死で守りその人のためだけに尽くした…なのにそのパートナーは、いともたやすく俺を捨てた…。止まない雨と俺の世界を覆っている雨雲を見ながら、考えた。ふと耳に聞こえてきた葉を踏みきしむような音。今の俺には食べられようが捕まろうがどうなってもいい…。生きる意味がないのだから。
「…お前は何のために存在しているのだ?」
顔も知らない人物からいきなり質問された。動揺もせず、すぐに答えた。
「…そんなものない」
「人もポケモンも…何かをするために生まれてくる…存在している限りな」
「俺は自分のパートナーのために…尽くした。なのに!そのパートナーは…」
雨のせいで俺の涙は見えなかった。
「…それはお前が守るものではなかったからだ」
「っ…」
「私と共に来るか?そうすれば、お前がなぜ生きているかわかるかもしれないぞ?」
行く当てもなく…生きる希望さえも失っていた。だけどその声に何かを動かされた…そして俺は。
「…あんたの名は?」
礼儀も知らない俺は見知らぬ人に溜口で聞いた。
「私はワカシャモだ」
「…俺はリオル…これから世話になる」
「…ああ、ついて来るがいい」
俺たちの会話が終わるころ、太陽の光が2人を照らしていた。

「起きろ!ルカリオ!!」
まばゆい光と共に耳に響く、雄らしい雌の声。
「…もうちょっと優しい声をかけられいものかな?バシャーモ姉貴」
「姉貴はやめろ…自ら起きなかった自分を恨むのだな」
そういってドアを開けたまま、出て行ってしまった。3年前のあの日から俺はあのワカシャモ…今で言うバシャーモ(姉貴)と共にすごしてきた。俺もリオルからルカリオへと進化をとげていった。しかし姿が変わってもまだ俺がこの世に存在している理由は見つかっていない…。
「顔でも洗いに行くか…」
ベットからおきて、歩き出す。ここはバシャーモが開いている「ポケモン道場」だ。タイプ関係なく、己の精神を鍛えるために開いている道場だ。バシャーモはその主将…俺は一番弟子となる。冷たい水で顔を洗い眠気を覚まし、リビングへ向かう。リビングの入り口に差し掛かったところで俺は防御に体制をとる。とたんに頭の上から強い衝撃が走る。
「そう毎回やられてたまるか…」
「いい動きだ、精進するのだぞ」
ため息を漏らしつつも、俺はバシャーモの後についていったそのときだ。
ドンッ!!
「うわぁ!!」
いきなり後ろに吹っ飛ばされた。しかも腹に重い衝撃が走っている。
「いつつ…」
「常に、気を配ることが大切だ」
「…朝飯ぐらいもまともに食わしてくれよ…」
「お前のためを思ってやっているのだぞ?」
正直ありがた迷惑だ…。朝の一騒ぎからようやく朝飯が食える、いつも以上に動いたせいか、かなりお腹が空いていた。
「今日も己の精神を鍛えるぞ」
「ああ…」
「私は家のことをするから先に道場へ行っていてくれ」
「わかったよ」
そういい残しリビングから出て行こうとしたが、その前にまたバシャーモのパンチが飛んでくる。俺はそのパンチを受け止めた。
「いい加減にしてくれよ…」
バシャーモの余計な部分が少しムカッと来る…俺はため息を漏らしながらリビングを出た。

ガラガラッ!!
道場の扉を開ける、真っ暗な道場だが辺りの窓を開けると眩い太陽の光が降り注いだ。誰もいない道場…俺はこの誰もいない空間でなぜかあの日のことを思い出す。
「……」
道場の中心で仰向けに寝る。するとあの日、あの時の記憶が鮮明に蘇って来た…。理由はない…悲しい訳でもない…しかし涙があふれてくる…俺はなんて涙もろいのだろうか…。
「ルカリオ?」
入り口からバシャーモの声が聞こえる。急いで涙を拭く
「グスッ…何?」
「お前こそ何をしている?」
「いや…寝転んでた」
「…?変なやつだな…。それよりも、もうすぐ弟子たちが来るぞ」
「うん」
同時に壁に掛けてある時計を見る。道場開放時間の10分前をさしていた。
「急いで支度をするぞ」
「はい!」
今はいやでも、俺の大切な意味を見つけるまで…。俺はそう思いながらバシャーモの背中を追った。時間になると、ぞろぞろといろんなポケモンたちがやってきた。。バシャーモの道場は近所でも評判がいい。入門しているポケモンは、ざっと30はいるはずだ。バシャーモが前に出る
「礼!!」 「『お願いします!!』」
挨拶が終わると稽古が開始される。バシャーモの練習は多からず少なからず、体に負担がかからないようになっている。さらに指揮を取るバシャーモの姿に俺はひきつけられる。
「よし!15分休憩だ!」
一回目の休憩が入る。水を飲むポケモンや床に寝転ぶポケモンまでいる。そんな道場の中、一番お気に入りの窓辺で日に当たっていると…
「ルカリオ」
バシャーモの声がした。
「何?姉貴?」
「はぁ…まぁいい、久々に戦るか?」
「そうだな…それじゃひとつお手合わせ願います」
「よろしい」
2人並んでバトルフィールドに向かう。それを見たポケモンたちがぞろぞろと集まってきた。
「手加減はしないよ」
「もちろんだ…鐘を鳴らしてくれ」
「カーン!」と鐘の音が響き渡る。同時に俺が動く。戦闘開始だ!

バシャーモに近づきながら波導弾を打つ。バシャーモはすかさず空中へ舞う。そのままバシャーモが何体ものかげで現れた。
「これを見破ることができるか!」
「くそっ…でも俺には…」
自ら影の中心へ向かい心を研ぎ澄ます。まぶたの後ろには影の波導がいくつも写っている。その中に濃くはっきりとした影が1つ…。
「そこかぁ!」
その1体に波導弾を放つ。目を開けると影はなくなっている。
「なかかなやるな…」
バシャーモが着地するところを狙い、ボーンラッシュを仕掛ける。しかし連続で放っても交されてしまう。
「この程度か!?動きが甘いぞ!?」
「そうか…ならこれはどうだ!?」
ボーンラッシュをやめ、勢いをつけてバシャーモの懐へ入る。同時に胸倉をつかむ。
「!!…まさか!」
「くらえ!はっけい!」
エネルギーをためた手でバシャーモを突き飛ばす。空中で着地の体制をするバシャーモ。もう一度俺はボーンラッシュで着地したところを狙う。バシャーモはすばやく着地をすると、俺に向かってくる。さらにとび蹴りに体制を構える。この技は…。
「ルカリオ!!勝負!」
とたんに炎が足を包み込む。ブレイブキックだ。
「はぁぁぁ!!」
お互いに勢いを殺すことなく真正面からぶつかる。接触したと同時に大爆発が起きる。煙が晴れるとお互いの殺気は消えていた。
「たいしたものだな、ルカリオ」
「いえ、まだ姉貴には及ばないよ」
お互いに手を差し伸べて握手をする。周りからは拍手がこだまする。その時だった。

バンッ!!

入り口のドアが強く開かれる。
「たのもぉ!!…道場破りだ」
いかついカメックスが乗り込んできた。最近、うわさになっている「道場破り」だ。
「お前が最近この付近で荒らし回っている者だな!」
「ああそうさ!!ここの一番を出せ!叩きのめしてやる…!」
「こ…尺…な…」
一歩踏み出したバシャーモがいきなり倒れこむ。
「姉貴!」
周りのポケモンが集まる。
「どうしたの!?大丈夫か!」
「平気だ…ルカリオ、お前のはっけいは強力だな…」
はっけい…そうか!俺は自分のしたことが遅れながらもわかった。はっけいはまれに麻痺にすることがある、その可能性はわずかだが…。
「姉貴、御免…おれ、俺ぇ…」
「泣くな…たかが麻痺…うぐっ!」
口では平気というが実際は辛そうだ。
「どうした!?そのバシャーモがここの一番ではないのか?」
「だめだ、ルカリオ…ここは潔く…」
「なっ…だめだよ姉貴!」
「しかし…」
絶体絶命のピンチ…俺は顔を上げてバシャーモの前に立ち…
「俺がここに一番だぁ!!」

声を張り上げて、叫ぶ。道場内はしんと静まり返る。
「ほぅ…お前が、ここの一番か…」
カメックスの問いに答えようとしたとき、バシャーモが足を掴んだ。
「ルカ…リオ、よすんだ…」
「いいんだ、こうなったのも俺のせいだ」
正面を向くと、カメックスの向かい大きく頷いた。
「ならば、この道場を駆けて、勝負を挑む!!」
「受けて立つぜ!!」
お互いに軽く、体を動かす。周りには道場内のすべてのポケモンが集まっている。バシャーモは隅の所で座ってみている。お互いにバトルフィールドに入る。
「いつでもいいぜぇ!」
「鳴らしてくれ」
道場内に、再び開始の音が響き渡る。動いたのはカメックスだ。
「ハイドロポンプ!!」
2つの穴から水が噴射される。真正面から食らったように見えたが、そこの俺の姿はない。
「どこに行きやがった!?」
カメックスに気づかれることなく、しんそくで後ろに回りこんだ。
「くらえ!」
波導弾を放つ。ヒットしたのはカメックスのこうらに当たる。直接的ではないがダメージはそれなりにあるはずだ。そこから俺は連続して攻撃を繰り出した。相手に攻撃させる暇なく、次々と攻撃を仕掛けていく。
「道場破りがこの程度か!?」
カメックスは無言のまま。俺の攻撃を食らっているから答えられないのかと思った。…変だな…そう思った時だ。
「引け!ルカリオ!!」
いきなりバシャーモが叫んだ。突然のことにカメックスから目を離したが、すぐに視点を戻した。そして今までカメックスが無言で俺の攻撃を食らい続けていたかわかった。水タイプのと特性で「げきりゅう」を持つものがいる。カメックスはその特性を発動させるために、攻撃を食らっていたのだ。
「…うずしお」
カメックスの反撃に俺は応じることができなかった。うずしおに飲み込まれる
「うわぁぁぁ!!」
渦の中からカメックスを見ると、次の攻撃の準備をしていた。
「終わりにしよう…ハイドロカノン!!」
水タイプ最強の技…避ける事も交わすこともできず、ただ俺はカメックスの放った水の竜の飲み込まれるしかなかった。食らうと同時に渦からも開放される。
「ルカリオ!!しっかりしろ!!」
バシャーモの声がする。頭を起こすとカメックスが近づいていた。
「この道場の一番が…この程度か…」
右手に力がたまるのがわかる。今食らったら…
「あばよ!」
ドスンという砕く音に皆が敗北に終わったかと信じたときだった。
「…っ!なに!?」
そこに俺の体はなかった。最後の力を振り絞りしんそくで後ろに回りこんだ。カメックスはすぐに振り向くが俺はすでに間合いをつめて、カメックスを掴んだ。そしてこんしんの一撃を放つ。
「…はっけい」
「うぐあああぁぁ!!」
「…っ!!」
突き飛ばされるカメックス。そしてはっけいの反動で体が後ろに吹っ飛ぶ俺。お互いに仰向けに倒れこんだ。

―体が重い…動かない、いや動かすことができない…―
「『お前の生きる意味は何だ?』」
まだ見つからない…もしかしたら、一生…
「『本当に見つからないのか?』」
姉貴に迷惑をかけた。その姉貴のために戦った…なのに…
「『お前は、生きる意味を見つけたよ…』」
え?どうゆうことだ…
「『人もポケモンも何かを守るために、生まれてくる…』」
守る…ため…
「『お前の守るものは…』」
…バシャーモ…姉貴!
「『そうだ!』」

意識が戻る。同時に騒ぐ声が聞こえた。
「ルカリオさん!立って!」「やられちゃうよ!!」
いろんな声が飛び交う中、ひときわ大きな声が聞こえた。
「ルカリオ!!立つんだ!!」
いつも聞いているバシャーモの声、いきなり聞こえて体がはねた。頭を起こし目を開けると、カメックスが技を構えていた。
「これで…おしまいだ!!」
―今度こそ…やられる―
そう思ったときだった。…攻撃してこない?カメックスを見ると、体を痙攣させ、俺の横に倒れてきた。
「ぐっ…そ」
先ほどのはっけいの麻痺だ。しかも今俺が立てば勝利が確定する。俺は力を振り絞り、立ち上がろうとする。しかし、限界を超えている体はいうことを聞かない。
「ダメ…だ」
片膝を着いて、肩で息をした。同時に俺の目にバシャーモが映る。
「『俺の…守るべきもの…!!』」
「うおおおお!!」
体の疲れないか、関係なかった。気合だけで俺はその場に仁王立ちする。同時に鐘が鳴り響く。一斉にポケモンたちが俺の元へ駆け寄ってくる。
「や…た」
安心した瞬間、俺は前に倒れたが誰かが支えてくれた。
「よくやってくれた…ルカリオ」
最後に聞いたその温かい言葉が俺の頭の中に何度も響き渡った。

俺が目を覚ましたときには、どれぐらいの時間が経っていたかわからない。
「……」
まだ勝ったという自覚が沸いてこない。ふとドアから声が聞こえる。
「ルカリオ…起きたか」
バシャーモ姉貴だ。安心した顔をしている。
「姉貴…もう、体は大丈夫なの?」
「…お前はいつもうそだな」
「えっ?何が?」
「自分のことより、私や他人のことを心配する」
「……」
「私はそんなお前の優しさ…」
少し照れくさそうに呟いた。
「嫌いじゃない…」
「…?何?」
「なっ…なんでもないぞ」
聞き取れなかったが、まぁいいか。
「そういえば、カメックスは?どこにいるの?」
「あいつは帰ったよ。伝言を残して」
「伝言?」
「ああ…「今度、戦うときはルカリオとバシャーモどちらとも倒すからな」…とさ」
「あはは…そりゃ大変だ」
厄介なことになりそうだったが、笑って済ましてしまった。ベットから出ようとしたが…。
「…痛っ」
水タイプ最強技を食らった体、やはり動かすのは無理だった。
「立てそうか?」
「どうだろう」
そんな俺を見かねたのか、バシャーモは背中を俺に向けてきた。
「無理はするな…ほら」
「いっ…いいよ!ガキじゃあるまいし…」
…と言いつつも、バシャーモの背中にもたれ掛かり、リビングへ向かった。
「ごめん…」
「助けてくれた礼だ、気にするな」
リビングには、すでに2人用のご飯が用意されていた。先ほど作ったのかまだ暖かそうだ。
「ここからは歩けるよ」
足を引きずるようにして、椅子に座る。バシャーモも座ると静かな食事が始まる。いつもなら気にならないが、なぜか今日は寂しく感じた。
「…姉貴、言いたいことがあるんだ」
「何だ?言ってみろ」
「あんたは…俺に生きる意味は誰にだってあるって言ったよね」
「……」
口に運びかけたご飯を戻す。
「そのことを胸におきながら、俺はあんたを追っかけてきた…」
バシャーモは、無言のまま聞いていた。
「さっき「自分のことより他人のことを心配する」って言ったよね…俺の意味もきっとそうなんだ…」
その言葉を聞くなり、バシャーモは立ち上がりその場を離れようとした。もちろん俺は声をかける。
「姉貴!どこ行くの!?」
「ルカリオ…その話は私の部屋で…」
そう言い残すと、姿を消してしまった。
「…姉貴」
一言呟くと、残ったご飯を黙々と食べ、俺もリビングを後にした。

俺は少し自分の部屋で考えた。
「…姉貴」
俺が変なことを言い出したせいか?そのせいで機嫌を損ねたのか?気持ちの整理がつかないが、俺はバシャーモの部屋に向かった。ドアノブを握ったところで、俺はまた考える。その時だ。
―中から…音がする…―
ドアに耳を当てて、目をつぶる。水がはじけるような音…何の音かはわからないが、姉貴にもしものことがあったら…。とにかく中の状況を見るために、バシャーモの部屋のドアを少しだけ開ける。そして…俺は見てはいけないものを見てしまったと後悔する。
『…っ!姉貴…』
部屋にはバシャーモ1人でベットの上に仰向けになっている。それだけなら良いが、自らの手で快感を得ていた。簡単に言うと自慰だ。
「んんっ…はぁ…やぁ!!」
無防備にされけ出されている、胸と割れ目。上では豆のように小さく立っていて、下ではトロリとした液が厭らしく垂れている。
「…っ!!いやああぁぁ!!」
ベットの上で、びくんと体がはねると、割れ目から大量の愛液が噴射された。
「はぁ…はぁ…はぁ」
バシャーモの…いや雌の自慰の姿なんてそうそう見られるものではない。いけないものだとわかっていた。しかし一回見てしまうと目を離せなくなる。その証拠に俺のものが痛々しいほどに大きくなっている。
「ルカリオ…」
俺の名前が呼ばれた、びっくりして息を飲んでしまう。
「いたのはわかっていた…いつからだ?」
「…さっき」
「とりあえず…中に」
「わかった…」
気まずい空気になることを承知の上で、俺はバシャーモの部屋に入っていった。
「鍵をかけてくれ」
無言で、ドアの鍵をかけるとベットの数メートル先で止まりバシャーモの話を聞いた。
「…見たな?」
「…ああ」
「『………』」
お互いにしゃべらない…ため息交じりにバシャーモが話す。
「私のことが嫌いになったか?」
「い、いや!そういうことは、誰にでもあるし…なんていうか…つまり…その…」
「…ん?」
俺はパニックになりかけたが、大きく息を吐いて心を静めた、そして…。
「姉貴…俺、生きる意味を見つけた…」
「……」
「いつも姉貴が、そばにいた。強くなりたいと思って姉貴を追ってもいた…」
姉貴がどんな顔をしているか暗くてわからなかったけど俺はすべてを出し切るようにして言い放った。
「俺は…姉貴を守るために…生きるんだ…今までも、これからも!!」
目をつぶって回答を待った。
「…ふぅ…それがお前の答えだな?」
「ああ…間違えないよ」
「そうか…」
ベットに腰掛けるようにして、座りなおし…。
「ルカリオ…こっちへ」
言われるままに、バシャーモに近づいた。すると、俺の体がバシャーモの腕の中に、吸い込まれていった。抱かれてるとわかり俺は目をつぶった。
「私はまだ体も丈夫だし…頼られる存在だ…しかしな…」
「しかし…?」
「お前だけには…体を預けてもよい」
「姉貴…」
「今更かもしれないがな…私がすること、考えることにお前がいなかったときはない…ずっとお前のことを思っていたのだ…」
「えっ?」
「簡単に言おう…ルカリオ、お前のことが好きだ」
プライドが高い、あのバシャーモ…いやもう姉貴でいい…。その姉貴が俺のことを思っていてくれてたなんて…。
「俺も姉貴のことを1秒たりとも…忘れたことはありませんよ…」
今度は俺が姉貴の体に手を回して、強く抱きしめた。そして耳元でこう囁いた。
「大好きですよ、バシャーモ姉貴」
ずっと姉貴を抱いていたかった…放したくなかった。
「ルカリオ…私に全てを捧げるか?」
「うん、そのつもりさ」
「ならば、それなりの、契りを結ぼうぞ…」
「契り?約束ってこと?」
「そうだ」

姉貴の言う、約束とは…何のことだろう?
「約束って?」
「つまりは…」
「えっ…んぐっ…」
俺の口が塞がれている。しかもそれだけではない、ピチャピチャと、水のはねる音がする。止まっていた思考が動き出す。…キスされている。舌と舌が何度もぶつかる。お互いの唾液も吸ったりと、キスを堪能した。
「『…っはぁ』」
お互いに唇を離す。唾液の橋が、お互いの口を結んでいたが、はかなくも崩れていった。
「こういうことをすればいいだけだ…」
なるほど、交えれば、2つの意味で約束ができるというわけか…。
「わかりましたよ、うまくできるかはわかりませんが…」
「ルカリオなら大丈夫さ、そんなに緊張するな…」
そういって姉貴は俺をやさしくベットに寝かせる。当然、先ほどのディープキスで俺のものは出来上がっている。
「雄のものは硬くなると聞いていたが、これほどまでとは…」
「姉貴…やるなら早くしてくれよ…その、恥ずかしいから…」
「それは悪かったな…とりあえず」
彼女の手が俺のものを包み込む。そして強弱をつけながら扱きあげる。1人でやるときよりも感じるものは比ではない。
「くぅ…はぁ…」
うっとりとした表情で俺のものを見つめる姉貴。そんな姉貴の表情を見てるだけでも、でそうになる。
「んっ?…なんか出てきたな…」
俺のものから出ている先走り汁を見て姉貴がこぼす。
「それは…もうすぐ…イキそうって…こと…」
「そうなのか…それじゃ」
姉貴が唇をものに近づける。軽く当たると同時にパクリとものを咥えた。
「うわぁっ!…姉貴…やめっ…!!」
「クチュ…レロ…なかなか…だな…」
強弱をつけながら、確実に絶頂へ向かっている。
「姉…貴…口を…」
「えっ?」
「う…うわああぁ!!」
あふれんばかりにものからたくさんの精が放出された。
「はぁ…はぁ…」
「ルカリオの味…よいものだぞ…」
姉貴は精を顔色1つ変えずに飲み込んでいく。それを見ているだけで、俺のものはまた元気を取り戻す。
「まだまだ、物足りないようだな…」
「いや…ちがっ」
「ふふっ…言わずともわかっている…しかし私のほうも気持ちよくしてくれ…」
そういうとゆっくりとベットに仰向けにして寝る。そこにはすでに愛液で濡れた割れ目があった。
「なんだか見られると恥ずかしいな…」
「俺だって恥ずかしかったんだ…お互い様さ…」
と言いつつ、俺は姉貴の胸に手を伸ばした。大きな乳に触れる。
「んっ…」
甘い声が漏れる。手の中でこりこりとした小さな豆のようなものが当たる。それを指でつまんだ。
「んんっ!!」
さっきよりも声が大きくなると同時に俺の中の本能へのスイッチが入った。顔を乳に埋め、擦り付ける。くすぐったいような表情をしている。さらに乳に舌を這わせる。
「はぁ!…ルカ…リオ…やめっ…!」
「誘ってきたのは…姉貴だろ…」
そう呟くと、乳に這わせていた舌を胸の豆に移す。
「ひゃん!…ああっ…」
クリクリと味わいながら、舌で豆を転がした。
「そろそろかな…」
胸から舌を放し、舌の割れ目に視線を移す。程よく濡れていて今すぐにでも入れることができそうだが…。もう少し彼女の反応を見たかった。
「姉貴の…綺麗だな」
「…早く…してぇ…」
もう待てないと言った感じか…。なら、ご希望通りに…そう思いつつ、とろとろと割れ目から溢れている愛液をなめ取ると、割れ目に舌を這わせる。
「ひゃぁぁ!!らめぇ…ひゃめてぇ…」
呂律が回っていないところを見ると相当感じているようだ。俺は口を話すと、割れ目に指を埋める。何事もなく指を受け入れた。膣はとても熱く指が溶けるかと思った。少し動かしてみると…
「ひやぁ!?…ック!」
「…?何だって?」
指を2本に増やして、ピストン運動をする。
「らめぇ!!イクゥ!イッちゃう!!」
「そう…」
割れ目から指を離す。彼女の目はすでに焦点があっていない…。口を近づけると愛液を吸い上げる。
「ジュル…ジュルル…」
「!!…ひゃぁぁ!!イクゥ!!!」
体が大きく震えると、割れ目から大量の愛液を噴出す。顔中愛液まみれになってしまったが、いやではなかったむしろ彼女を満足させてあげることができたことが嬉しかった。まだ彼女は体を痙攣させている。
「はぁ…はぁ…はぁ…」
「派手に出ましたね…」
「ああ…気持ちよかったからな…ありがとう、ルカリオ」
「いえ…そんなことないですよ…」
「ふふっ…」
お互いに満足したところで、少し休憩を挟む…残るは本番だけだ。

「い…いよいよだな」
「はい…」
やはりお互いに、緊張している。ゆっくりと仰向けに倒れる姉貴、その上から俺は覆いかぶさるようになる。
「いくよ…」
「ああ」
ゆっくりとものを割れ目に埋めていく。少し入れただけで締め付けの感覚が体を駆け巡る。
「入って…来てる」
「すごい…」
しばらくすると、ものが壁に当たる。
「姉貴…」
彼女の目を見ると、すぐにでも奪ってくれと訴えかけるような目をしている。俺は小さく頷くと、腰を突き出す。

ズブリッ…

中の膜がやぶれ俺のものは完全に割れ目に吸い込まれていった。彼女は少し痛そうな目をしていた。
「御免…痛かった?」
「いや…大丈夫さ…それよりも…」
「ああ…1つになれましたね」
「うん…さぁ。ルカリオ、動いてくれ…」
またも小さく頷くとゆっくりとものを引く。最初はゆっくりとしたスピードで…段々と早くしていく。
「…うぅ…すげぇ…気持ちいいよ…」
「あっ…あっ…気持ちいい…もっとぉ…」
互いに腰を振る。感じる快感も変わってくる。俺たちは快感におぼれていた…そして、快感が最骨頂まで上り詰めた。
「姉…貴…俺…もうっ…」
「いいぞ…ルカリオ…中に…」
「でも…」
腰を振りながらも、俺は彼女を見つめた。
「ずっと…一緒…だろ…」
そういうと口を塞いでくる。反論は許さないと言う感じで舌を絡ませてくる。その行動に答える俺は、ラストスパートに入る。そして…。
「ルカリオォ!!」
「姉貴…!」
お互いに体を痙攣させた。ものから精を吐き出し、彼女の膣を満たしていく。それでも尚、収まりきらない精が割れ目から溢れてくる。
「『はぁ…はぁ…はぁ…』」
肩で息をするのが精一杯。辛うじて残った力で、俺はものを引き抜く。栓を失った割れ目からは、精が溢れてくる。
「ルカリオ…」
顔を上げると満足な笑みをした彼女がいた。
「姉貴…俺たち…もう…」
「ああ…2人でともに歩んでいこう…」
唇を重ねると、睡魔に身をゆだね、深い眠りへと落ちていった。

朝、俺が起きるとベットには姉貴はいなかった。いつも通りに俺は顔を洗うと、リビングへ向かう。そしていつものように防御の体制に入る。…あれ?殴りかかってこない…?
「ルカリオ…」
名前を呼ばれて、俺は目を開ける。すると…、いきなり唇を奪われた。
「…姉貴?」
「お前の唇は誰にも渡しはしないぞ…」
そういうとキッチンへ戻っていく。俺は照れくさそうにテーブルへつく。静かな朝、そこに俺と姉貴だけの朝食が始まる。
「…姉貴…」
「なんだ?」
「俺はあなたをずっと…守りますよ…」
「…ああ」
お互いに恥ずかしくなり、さっさと朝食を済ませてしまった。今日も道場はポケモンたちでいっぱい…しかし、見慣れた顔のポケモンが一匹…。
「お前は!!…カメックス!!」
「…よぉ」
あの日倒したはずのカメックスが、道場に来ている。
「なぜお前がここにいるんだ!?倒したはずだろ!?」
「…俺はこの道場のポケモンとしてきたんだ」
「えっ?」
この道場のポケモンになったと言うことか…。
「けど…なぜ?」
「簡単なこと…内側から、お前とあのバシャーモを叩きのめすためさ…」
そういうことか…ならこちらも話は簡単だ。
「そんなこと絶対にさせない…」
俺は姉貴を守り抜いてやる…絶対に。
姉貴と言う存在を…。

俺の生きる意味を…なくさせはしない…。

―END―



あとがき
長年にわたり考え続けてきた作品ここに誕生。
正直、時間かかりすぎました…orz
自分的には初の戦闘シーンを取り入れることができたのでよかったです。
まだ未熟な部分は多いですが、そこは大目に(汗;
ここまで読んでくださったことに感謝です。



原稿用紙(20x20行)】37.6(枚)
【総文字数】10543(字)
【行数】449(行)
【台詞:地の文】51:48(%)
【ひら:カタ:漢字:他】55:7:29:7(%)
【平均台詞例】「ああああああああああああああああ」<BR>一台詞:18(字)読点:66(字毎)句点:62(字毎)
【平均地の文例】あああああああああああああああああああああああああ、あああ。<BR>一行:31(字)読点:53(字毎)句点:22(字毎)</TD>




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  • 余計なお世話でしたでしょうか。……ま、以後参考にしてくださいw
    ともあれ。生きる意味を見つけたルカリオ。心を許せる存在だと認め合った姉弟。……いきなりラヴラヴになっちゃって、周囲困惑でしょうが、まぁw
    心地よい終わり方で良かったです。それでは。 -- 2008-10-26 (日) 00:42:08
  • カメックスがいい味出してますね〜。こういうキャラクター、好きですよ!ルカリオの良きライバルになることを祈ります。では、頑張ってください! -- 在る時 ? 2008-10-26 (日) 14:19:21
  • カメックスの策士さと、兄貴肌っぽさに惚れましたwww。まぁ、もしこの後、姉貴とルカリオの関係に気づき、脅しとか入れたら嫌うだろうが。 ルカリオ、姉貴とお幸せにw -- メタリック ? 2009-07-02 (木) 18:48:31
  • よかったです。
    ちなみにカメックスはバシャーモが弱るまで外でスタンバってたのかな…
    ―― 2011-05-15 (日) 11:01:35
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