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夜桜乱舞

/夜桜乱舞

注意:この作品には軽度の流血描写と暴力表現。官能描写が含まれます。


 薄暗い海底洞窟。海流に身を任せるだけでは絶対に辿り着けないこの場所を住処として選んだのは、強大な力を持ち同種の中でも一際特別な色を持つ彼女にとってこの場所が無益な争いを生みかねない自身を隠しておくために一番適していると考えたからである。しかし、誰の侵入も許さないというこの場所は裏を返せば……
 両の翼を傷つけられ飛ぶ事も泳いで逃げる事すらも困難になった彼女が目の前の黒い同族から逃れる術がないという事だった。
「そろそろ、その汚い物を見るような目を止めてもらえると俺としても嬉しいんだけどなぁ」
「ふざけるな」
「つれないなぁ。まぁ、そういう奴こそ堕としがいがあるんだけどさ」
 黒い海神はやれやれと首を振ると、その口元を嫌らしく歪めながら地に伏す彼女に近づいていく。
「近づくな!」
「もうさぁ、自分でも分かってるでしょ?俺に敵わないってことは」
「グッ……!」
 力なく睨みつける海神のそばまで近づくと黒い海神は軽々と同じ背丈の彼女の両翼を片腕で掴み持ち上げた。傷を受けている翼を掴まれたことで鈍い痛みが鋭くなり、表情を強く歪ませる。その表情を眺めた黒い海神はへらへらと笑いながら、発した黒いオーラで彼女を天井に吊らせる。
「その体で抵抗できないとは思うけど、無駄な労力は使いたくないし」
「放せ、下種……!グッ!?」
 海神が黒い海神を敵意に満ちた目を向けた瞬間、海神の頬に強い衝撃と鋭い痛みが走った。無理やり視線を逸らされた海神が黒い海神が発する殺気に気付き身震いしながら元の方向に視線を直すと、強い怒気に包まれた黒い海神が佇んでいた。
「何回このやり取りするつもり?俺の名前ノクスって教えたよね」
「……」
「俺としてもお前の紅と白の綺麗な体にこれ以上余計な赤を足したくないんだけど」
「ならばお前、ガッ……!」
 再び海神の頬に痛みが走る。今度は先ほどとは逆の頬に先ほどよりも強い痛み。衝撃で口の中が切れたのか、海神は鉄の味を感じた。より強い怒気を感じて今度はノクスと名乗った黒い海神の方を見ることが出来なかった。少しの静寂の後に恐怖に震えていた海神は無理やりノクスに顔を向けさせられた。
「今日はこのくらいで許してあげるから。ほらこっち向いて」
「ンンッ」
 先ほどまでの怒気を突然収めたノクスに唖然としていた海神は突然自身の口がノクスの口によって塞がれたことに一瞬気が付かなかった。抵抗しようと体をばたつかせるが吊られている状態ではその行為は余り意味をなさず、顔もノクスの翼で抑えられ容赦なく舌を絡ませられる。
 咄嗟の出来事に呼吸の仕方を一瞬忘れてしまった海神は流し込まれたルクスの唾液で咳き込んだ。
「ガッ!ゲホッ!」
「こっちもいつまでたっても慣れないねぇ」
 楽しそうな笑みを浮かべながらルクスは海神の尻尾の付け根に片翼を伸ばす。その行動に気付いた海神は引きつった顔を浮かべた。そしてルクスはその伸ばした翼を海神の雌の部分に当てがい、ツプリという音を立てて侵入させた。
「ヒッ……!」
「あれ?もしかしてキスだけで興奮しちゃった?」
「ち、がっ、ンッ……!」
「最近は声も我慢出来てないし、好きになってきちゃったんじゃない?」
 ルクスはニヤニヤと意地悪い笑みを浮かべながら侵入させた翼を動かすスピードを上げていく。その動きに合わせて吊られた海神の腰が跳ねあがり、透明な液を散らせる。一際大きな水飛沫を海神が上げるとルクスは海神を責めるのを止め、自身の翼を海神の前に持っていく。
「はい、今日も綺麗にしようか?」
「……グッ」
「俺は別に昨日みたいに気絶するまで責め続けても良いんだけど?」
「わ、分かったから……ンッ」
「初めの時はすごい抵抗したのに、今はなれたもんだね」
 自身から出た体液を舐めさせられるという屈辱も昨日の責め苦に比べると、この場で終わるのであればまだマシと思ってしまうくらいには海神の心と体は疲弊していた。一通り綺麗にルクスの翼を舐め終わるのと同時に海神の瞳からは小さな涙がこぼれた。その雫を海神の唾液でベトベトになっている翼で拭う。
「うん、ありがとう。じゃあ、本番にしようか」
「なっ……!今日はこれで終わりだと……!」
「終わりとは言ってないよ、それに自分だけ気持ち良くなるのも神様としてどうなのさ?」
 そう言い終わるとルクスは先ほどまで責め立てていた海神の牝穴に隆起した自身の雄槍を押し込んだ。
「ヒゥ……!」
 突然の刺激と自身の身体に侵入した熱を持った他人の器官に先ほどの行為で惚けきったその穴は侵入してきたその雄槍に抵抗は示さず、むしろそれを優しく包み込み伝わる熱を彼女の体全体に快感として伝えた。
 体を包み込む熱は珍しい深紅の色を持つ彼女の頬をそれ以上に紅く染める。そしてその表情はルクスの加虐心を煽り、よりその責め苦を強く激しい物にしてしまう。
「アッ!ンッ、フッン!」
「あぁ……本当に綺麗だよ、お前の色」
「いやっ、やめっ……!」
「研究所の人間を殺して、自由になった俺が初めて見た綺麗な色」
「そ、んな、こと、しらな、い!」
「まだ俺がこの姿になる前に一度見た『桜』みたいでさ。俺だけのものにしたくなった」
 ルクスは彼女を責め続けながらも言葉を続けた。すると、快感に支配されつつある彼女への責め苦を突然止めた。
「そういえば今更だけど名前は?」
「な、まえ……?」
 涙でぐちゃぐちゃになった顔で海神はルクスを見つめる。その表情を見たルクスは一瞬責め苦を再開しそうになったが、寸での所でそれを我慢し、優しい顔色で言葉を続ける。
「そう。名前教えてよ、いつまでもお前じゃムードないでしょ?」
「な、まえ、ない。わたしは、うみがみ、だから」
 荒い息で彼女はそう告げた。その言葉を聞いた途端ルクスは考えるような素振りを見せた後楽しそうに口元を歪めた。
「ふーん、じゃあ俺が名前付けてあげる」
 その言葉の直後、快感に犯された海神の耳にはあの黒い同族の口から出たとは思えない優しい響きの単語が届いた。
「スリジエなんてどう?」
「すり、じえ?」
「俺の元住処があった所の言葉で桜。お前にはピッタリだろ?」
 そう言うとルクスは止めていた責め苦を再開した。自分に勝手につけられた名前を否定する暇もないうちに再開された責め苦は海神の身体をビクリと強く跳ねさせた。だが、彼女の頭の中にその名前付けに対しての嫌悪感は全く無く、むしろその名前の響きになぜか少しの嬉しさと心地よさを感じていた。
 
(名前、名前か。そんなもの考えもしなかったな……)
 薄れゆく理性の中で自身の声とは思えない嬌声を頭に響かせながら、彼女の僅かに残った理性は冷静にそんな事を考えていた。自身の力のために自ら孤独を選んだ彼女が他人と関わること自体無くなっていた。その孤独の溝を埋めていく温かさをその言葉に感じていた。
(あぁ……この心地の良さはそう言う事か……)

 今はもう、スリジエの中の理性は少しも残っていない。どんな責め苦にも耐え続けた彼女を落としたのは自分だけの名前という単純なものだった。そして、そこからは早かった。
「もっと……」
「ん?」
「もっと、なまえ、よんで……?」
 その言葉に一番驚いたのは名付けたルクス本人であった。まさか、抵抗も無しに自身がつけた名前を受け入れた事よりも、今までこのような行為を何度行っても、堕ちなかった彼女が初めて自分から何かを求めたからである。そして、その事実は少しずつスリジエの心がルクスに堕ち始めている事を暗に示していた。その事実に嬉しさを隠しきれないルクスはニヤリと笑みを浮かべると、スリジエを吊るしていたオーラを解いた。
 突然吊るされていた状態から落とされたスリジエは重力に従って落下するが、それはルクスが受け止めた。そしてそのままルクスはスリジエを地面に押し倒しお互いの尻尾を絡ませた。
「じゃあ今日はいっぱい名前を呼んであげる。だから、スリジエも俺の名前たくさん呼んで?」
 ルクスがスリジエと名前を呼んだ瞬間組み敷かれている彼女の身体がビクリと跳ねた。
「るく、す」
「うんうん、良い感じだよスリジエ」
「あぅ!」
 尻尾を絡ませたままルクスはスリジエを責め立てる。名前を呼ぶたびにビクビクと体を震わせながら、スリジエは結合部から透明な液を噴き出す。先ほどまで吊るされていた両の翼は今自分の名前を呼んでくれる相手の身体に回されて、呼ぶことを拒絶していた者の名前を愛おしそうにこぼしながら、スリジエは大きく嬌声をあげる。
「最初の行為の時とは大違いだね、俺もいきなりこんなに堕ちるとは思わなかった」
「やっ!なまえ、よんで、くれなきゃ、やだぁ!」
 涙を零しながらスリジエはルクスの背中を強く抱き寄せる。
「随分子供っぽい我儘の言い方だね。でも可愛いよスリジエ」
「アッン!ンンッ!」
「そろそろ、俺も限界だから、出すよ……!」
 そう言うとルクスは突き入れる雄槍をギリギリまで引き抜いてまた力強くそれをスリジエに打ち付ける。そして彼女はそれを抵抗せずに受け入れて、ルクス、ルクスと譫言のようにこぼしながら、その快楽を貪る。
「ウッ!」
「アァァッ!」
ドクドクという音が聞こえそうなほど激しく脈打ちながらルクスの雄槍はスリジエに自身の子種を流し込む。昨日までのスリジエでは絶対にありえなかった子種を逃さない様に脈動するスリジエに全てを流し込み終えると、ルクスは小さく息を整えると首に回されていた、スリジエの翼をほどいた。掴むものが無くなった白い翼はヘタリと地面に落ちた。
 流し込み終えた、自身の雄槍を引き抜くとルクスは優しい顔つきでスリジエを見つめなおした。
「そうそう、桜は散り際が一番綺麗なんだってさ」
「ハッ……アッゥ……グッ!」
 肩で息をするというと聞こえが良いほどに疲れ果て、涙や汗でぐちゃぐちゃになったスリジエの顔を見下ろしながら、ルクスがそう呟いた直後、彼の顔を風の刃が通り抜けた。
少しだけ頬に痛みを感じたルクスだがその表情に含まれていたのは怒りではなく、喜びの表情であった。
涙を浮かべたまま、彼を睨みつける彼女の目は先ほどまでの彼を求めていた雌の目ではなく。以前の敵意のある目に戻っていた。その表情にニヤリとした笑みで返すとルクスはポタポタと自身の子種が溢れ出るスリジエの割れ目に素早く翼を滑り込ませ、ぐちゅぐちゅと激しくかき混ぜ始めた。先ほどまで責め立てられ続けたそこは、その激しい行為でも一切の痛みはなく、快感をより強くスリジエの身体に伝える。
「なんだ堕ちちゃったかと思ったけど良かった、まだ平気そうだね」
「ウァッ……!る、くす、ヤメッ……!ヒゥッ!アッ……!」
 名前を呼ぶことに対して抵抗はなくなったのかスリジエはルクスの名前を呼びながら、その手を止める事を懇願した。だが、そのようなことでルクスの責めが止まるわけもなく、スリジエはプシャリと透明な汁を拭いた後、これまでの行為で弛緩した割れ目から黄色がかった液体を零し、地面と自身の身体を濡らした。その事実を認められない彼女は譫言のように嫌だと何度も呟きながら首を強く振る。
「うん、今のスリジエ一番綺麗だよ。海の中で出会ったあの時よりもずっとね」
「いや、だ……」
「大丈夫、殺さないし死なせないから安心して?俺がずっと一緒に居てその名前呼んであげるから」
「んぅっ!」
 疲れ切っているからなのか抵抗は無く二匹は容易く口を繋げた。そして長い口付けの後お互いを繋いだ唾液の糸がポトリと雫になって地面に落ちる。少し怯えたような表情のスリジエを見つめてルクスは口元を歪めた。
「だからスリジエ」
 その言葉に海神はビクリと体を震わせる。忌むべきものに付けられた自分だけの名前。それが彼女を狂わせ、深い宵闇へとその心を心地よい闇へと堕としていく。
「まだまだ夜は長いし続きしようか?」
「やだ、やだ、そのなまえでよばないで……!」
 今宵も夜桜は乱れ舞う。


作者:ユキザサ


後書き 

 ボク悪いユキザサじゃないよ?本当だよ?
まぁ、冗談はさておき、感想会でボソッと言っていたものをスパスパと書いてみました。短いなぁ。
いや、マジこういう描写書けんという事を思い知りました。
でもキャラ自体は気に入っているので、いずれまたポッと続きが出るかもしれません。
最後に。
ボク悪いユキザサじゃないよ?

感想等何かございましたら 

最新の10件を表示しています。 コメントページを参照

  • 快感と暴力を天秤にかけられてエッチに逃げる伝説ポケモンはプライドへし折られているようで「堕ちた」感が強くて良きです。それまでの孤独を埋め合わせるように名前を呼んでくれと求める彼女はとても無様。股を白と黄色で汚しながら、我に返ったように風の刃を飛ばすあたり、流されてしまった海神の悲惨さが浮き上がりますね。これからも暴力をふるうダークルギアには抵抗するくせ、えっちになると途端に甘え出すんでしょうなあ。
    揺れ動かされる彼女の内心がビジュアルで描写されていて、短い作品ながらも読んでいてスゴク楽しめました。なんなら名前で堕ちるとこ、『その言葉に一番驚いたのはルクス本人だった。――』の説明も要らないかな、と感じられるくらいシッカリ描写されていて、分かりやすかったです。あとそうだ、ダークルギアの名前が揺れていた事が気になったですかね……。 -- 水のミドリ
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Last-modified: 2019-04-17 (水) 22:19:06
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