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夏の日の思い出~last summer~7

/夏の日の思い出~last summer~7

長編小説

人×ポケです・・・。  作 ピカピカ


<第15話 再開>
次の日の午後、制服を着て学校へと向かった俺は水泳部の顧問の先生、カメックス先生の所へと向かった。
リムにはカメックス先生がいる職員室の扉の前で待っててもらうことにした。
「失礼します」
ドアをノックし、扉を開けた俺はカメックス先生のいる机まで向かった。
職員室はそんなに大きくなく、先生もカメックス先生の他に5、6人しかいなかった。
さすが過疎地域・・・って今そんな事言ってる場合じゃなかった。
俺はカメックス先生のいる所へ歩き、椅子に座っているカメックス先生の前に立った。
「アノンじゃないか。どうしたんだ?」
「先生、今日は先生にお話があってここに来ました」
俺がそう言うと、先生は少し目つきを変えた。
「ほう・・・いったい何の話だね?」
「はい・・・実は・・・」
俺はそれから自分の決意したことをありのままに話した・・・。カメックス先生は俺の話を黙って聞いていた・・・。そして話をする事20分、俺の話は終わった。
「これが俺の今の気持ち・・・決意です・・・」
「・・・・そうか・・・」
「先生、俺は・・・また泳ぎたいんです・・・あの場所でラフや他のみんなと一緒に・・・」
「だがお前の足は・・・」
「大丈夫です。もう完治しています。先生、どうかお願いします!!」
俺は頭を下げた・・・そしてカメックス先生はこう言った。
「足は完治したんだな・・・けじめもつけたのだな・・・」
俺は頭を下げたまま「はい」と答えた。
「・・・じゃあこれは要らないな?」
俺は頭を上げた。そう言ったカメックス先生の手には・・・
「それは・・・俺の退部届け・・・」
「私は信じていたよ・・・お前が再び戻ってくることを・・・お前が部にいないだけで水泳部は随分と衰えていたからな・・・みんなにも活気が見えなかった・・・アノン、お前がいないだけでな・・・」
「・・・」
俺は少し黙った・・・しかしすぐにカメックス先生の顔を見て俺ははっきり言った。
「その退部届けは・・・もう要りません・・・!!俺は・・・部に戻ります!!」
俺がそう言うとカメックス先生は少しだけ笑い、手に持っていた退部届けを破った。
「お前はまだ水泳部のエースだ。それを忘れずにもう一回だけ夢に向かって走れ!!いいな?大会までは残り一週間だからな!!」
「・・・はい!!」
俺は再び頭を深く下げた。そして職員室を出た・・・本当は思いっきり走りたいくらいだったが・・・ドアを出ると、リムが・・・あれ?ラフとイナ?
「聞いたぞ・・・アノン・・・」
「えっ・・・もしかして全部聞いてたのか?」
「リムから連絡があってね・・・もしかしたらと思って来てみたのよ・・・」
「そ、そうか・・・で、肝心のリムは・・・」
「プールに先に向かったよ・・・行ってやれよ?」
ラフがそう言って俺に笑いかける・・・イナも俺に向かって笑みを送っていた。
俺は頷いて外にあるプールへと走っていった・・・が、そこで二人に呼び止められる。

「「アノン!!」」

「・・・?」
俺は後ろを振り返る。すると二人は揃って言った。

「「お帰り!!」」

「・・・おう!!ただいま!!」
俺はそう言って再び走った。
俺はプールへと急いで向かい、5分ほどしてプールへと着いた。
「リム~~!!どこだ~~?」
俺は辺りを見回しながらリムを探した。でもどこを探してもリムの姿は見当たらない・・・。
「おっかしいな~~・・・どこ行ったんだろう・・・」
俺は頭をポリポリと掻きながらプールの踏み切り台に両足を乗せて再び辺りを見回した。
俺はしばらくそれを繰り返していた・・・そして俺はその時後ろに居る気配に気づかず・・・。
「そ~れっ!!」
ードンッ・・・ー
「えっ・・・!?っと・・・!!わわっ!!」
ーバシャァンッ!!ー
俺は制服を着たまま誰かに背中を押されてプールの水へと落ちた。
いきなりの事だったが、俺は水の中で態勢を変えてプールから頭を出して、顔を左右に振り水を掃った。
「いったい誰が・・・ってリム!?お前かよ!!」
「えへへ・・・ビックリした?」
「ったく・・・何がした・・・うわっぷ!!?」
ーバシャァンッ!!ー
再びプールに水しぶきが跳ね上がった。それもそのはず、リムがプールに飛び込んできたからだ。
その水しぶきは俺の顔にかかり、さらに髪の毛などを濡らした。
そしてリムは俺の目の前に現れた。そして笑顔で言った。
「これでお相子様?」
「何言ってるんだか・・・ははは・・・」
リムのその屈託のない笑顔に俺は怒るではなく、笑うことしかできなかった・・・。
そしてリムも一緒に笑い、やがて俺に向かって言った。
「ねぇ・・・アノン?」
「んっ?何だ?」
いきなりリムは俺に顔を近づけて、唇を重ねる。そしてすぐに唇を離し言った。
「お帰り・・・」
「リム・・・・ただいま・・・」
俺たちは再び唇を重ねる・・・互いに湿った唇は俺たち二人の心をさらに潤してくれたような気がした・・・と、その時だった。
「あらあら・・・お熱いね~~お二人さん」
突如声がした・・・俺は慌てて振り返る。
「ラ、ラフ・・・それにイナ・・・」
「そういう事は家に帰ってからやりましょうね~~アノン?」
「イ、イナまで何を言うんだよ!?」
「ハハハハハッ!!アノンの奴、顔が真っ赤だぞ~~?」
「本当だ~~真っ赤だね~~・・・」
ラフとイナは顔を見合わせて笑った。俺はプールから出て、二人を追い掛け回した。
「いつまでもしつこいんだよ!!お前らは~~!!」
それから数十分後・・・
「ま、まぁ・・・とにかく無事にアノンも戻ってきたことだし・・・明日から練習再開だな・・・」
「・・・そうね・・・頑張りましょう・・・また4人で・・・」
ラフとイナはびしょ濡れの状態でそう言った。
この数十分の間で何が起こったかはお任せするとしよう・・・俺は二人の意見に頷いた。
「今日はひとまず体を休ませて明日の練習に備えるとしよう・・・」
「うん!!そうしよう!!」
リムは俺の意見に元気よく答えた。そしてその日俺たちは解散した。
辺りは夕方の真っ赤な太陽の光を浴びて、綺麗な町並みをさらに美しく輝かせていた。
さて・・・明日から頑張らなきゃな・・・残り一週間だし・・・。
<第15話 再開 終>

<第16話 危ない合宿?>
「またいきなりねぇ・・・合宿なんて・・・」
母さんが言ったことにたいして俺はバッグに色々詰め込みながら言葉を返す。
「まぁね・・・俺自身も相当驚いたよ。いきなり今日から合宿だなんてさ・・・。それにしてもいきなりごめんな、母さん。部活に戻るだなんて言ってさ」
母さんは笑みを浮かべながら少し鼻でため息をつくと言った。
「何言ってんの?何年あなたの母親やってると思ってるの?あんたが部に戻ることなんて分かっていたさ」
恐るべし母・・・18年も息子やってるけど母さんの気持ちを読み取ったことなんて一度もない・・・それなのに母さんは俺の気持ちを理解してくれてる・・・。
(何かありがたい反面、恐ろしいんだけど・・・)
そんなことを考えながらバッグに物を詰め込み終わった。
実は昨日家に帰ってからラフから電話があり、合宿があるからお前も参加しろと言われたのだ。もちろん合宿の場所は学校。一応設備も整ってるので心配はないだろう・・・多分。
水泳部の部員は少なく、女子の部員は居ない。リムとイナはマネージャーの役だし・・・。
男子は俺を入れても・・・6人ぐらいかな・・・?でも数は少なくとも実力者ぞろいだから心配ない。俺、ラフ、それと最近会ってないがリムの兄貴のフローゼルの「ゼル」。そしてそのゼルのパートナーの「アル」。そして他の二人は一年生部員二人。中々強い部員だ。

えっ?そんな事は初耳?そこは気にしないで・・・。

まぁ、この4人は実力者なんだな・・・自分で言うのもなんだけど・・・。
合宿だから久しぶりに会うことになるけど元気にしてるかなぁ・・・。
「リム?そろそろ行くぞー!!」
俺が呼ぶとリムは既に玄関に居て、行く気満々の顔で俺を待っていた。
「随分お早い行動で・・・」
俺は苦笑いしながら玄関で靴を履き、母さんに行って来ますと言った。
母さんは玄関まで来て、行ってらっしゃいと言ってくれた。俺とリムはそれに笑って答える。
家を出て10分位すると、もう学校が見えた。学校の玄関前にはラフとイナが待っていた。
「やっと来たな!!よし、これから大会まで一週間、頑張るぞー!!」
「「おー!!」」
「おー・・・」
リムとイナが元気よく答えるなか、俺は気づかれないよう口を大きく開けながら小さい声で言った。
そして俺たちが学校に入り、全4階の内の3階まで上り、泊まる部屋の前まで廊下を歩いて行くとノックをしてドアを開けた。
そこには既に一年生部員とゼルとアルの姿があった。
「あっ・・・久しぶりだね、アノン・・・」
と、俺に気づいて言ってきたのはアル。眼鏡を掛けていて、成績優秀、スポーツは水泳以外はあまり出来ないちょっと変わった俺の同級生だ。アルは読んでいたのであろう本を閉じてゼルを連れて俺の傍まで来た。俺はその場に立ち止まっていたが、その間にラフとイナは部屋の奥に荷物を置き、すぐにくつろいでいた。そしてアルがニコッと笑いながら俺に言った。
「また戻ってきてくれて嬉しいよ、アノン」
「ふん、心配かけやがって・・・休んでるうちに俺の妹に何かしてないだろうな?」
「こら、ゼル?駄目じゃないか・・・ごめんね、アノン」
「ははは・・・気にするなって・・・いつもの事だから・・・」
今、俺に向かってちょっと挑発的な態度をとっているのが、アルのパートナーこと、リムの兄貴のゼルである。
(つーかすみません・・・妹さんとしちゃいました・・・)
なんて死んでも言えない・・・言ったらアクアジェットで吹き飛ばされること間違いなしだ。
と、そこに俺の後ろに居たリムが顔を出してゼルに言った。
「お兄ちゃん!!アノンの事、悪く言ったりしないで!!」
リムがそう言うと、ゼルはうっ、と息詰まった後、リムに言った。
「だ、だけどなぁリム?兄ちゃんはお前の事が心配で心配で・・・アノンに変な事されてるんじゃないかと・・・」
「アノンはそんな事しないもん!!それに私とアノンはねぇ・・・二日前にむぐっ!?」
リムがすべてを言い終わる前に俺はリムの口を塞いでいた。
「だーーーーーっっ!!何でもない!!どうかお気になさらずに!!」
俺の焦った様子を見て少し疑問に思ったようだったが、ゼルは少しだけフンッ、と鼻を鳴らすと、アルと一緒に元居た場所に戻っていった。
「ふう・・・ギリギリセーフ・・・」
「むーーっ!!」
「あっ・・・悪い悪い」
俺が安堵の息をつくと、リムは塞いでいる手を叩いた。俺は慌てて手を離す。
そしてリムがちょっとだけ頬を膨らまして俺に言った。
「何で邪魔するの!?」
「あんな事言ったら俺が殺されるだろうが・・・!!」
「でも、いずれ話すことになるじゃない・・・早めに言ったほうが・・・」
「俺がその内話すから・・・な?」
小声でそう話すと、リムは小さく頷いた。そして俺たちも部屋の奥の方に行き、荷物を置く。
部屋は畳20畳分と結構広い。そこに俺たちは一緒に寝泊りを繰り返すわけだ・・・。
そして部屋の隅の方で座っていると、リムが近づいてきて残念そうな顔をして言ってきた。
「しばらく出来ないね・・・アノンと・・・」
「・・・我慢しろよ・・・つーか、やったって言ってもまだ一回や二回だろ?」
「うん、そうだけど・・・私は毎日だってアノンとしたいと思ってるんだからね・・・?」
リムが紅潮させた顔を俺に近づけてそう言うものだから、俺は恥ずかしくなり仕方ないから俺も多少頬を紅潮させながら本音をリムの耳元でそっと呟いた。
「俺も同じだよ・・・リムとだったら毎日したい・・・だけどしばらくは我慢な?」
「・・・うん・・・嬉しい・・・私、頑張って我慢する・・・」
そう言ってリムは胡座をかいている俺の足に座り込んだ。俺はリムの頭を少し撫でてやった。
さて、合宿が始まるぞ・・・気を引き締めて行くか・・・!!
<第16話 危ない合宿? 終>

<第17話 合宿で・・・(前半)>
「うぁぁ!!キツかったぁ!!」
合宿が始まって三日が経とうとしていた。
練習を終えた俺たちは部屋に戻り好きな事をしていた。
ラフは部屋に戻って早々相変わらず寝転がり叫ぶ。
アルは読み途中の本を開いて部屋の隅の方に座っていた。これも相変わらず。
俺はと言うと・・・
「アノン、お前しばらく見ないうちに泳ぎが遅くなったんじゃないかぁ?んん?」
相変わらずゼルに説教(?)を喰らってました・・・。俺は苦笑いしながらそれに答える。
「ははは・・・久しぶりだったもんでね・・・」
「ったくよぉ!!お前それでもこの部のエースかよ!?しっかりしてくれよな!!」
「ハイ、以後気をつけます・・・」
ゼルは散々俺に文句を言った後、アルの元に行き、その隣に座った。
俺はため息を一つついて自分の荷物が置いてある場所へと座った。
「ふぅ、ゼルの言うとおりかもしれないな。俺自身分かるくらいだ」
そう、俺は明らかに遅くなっている・・・泳ぎのスピードが・・・。
極端に遅いわけではない。ただ、普通の人より少し早いくらいだ。
俺は自分の手の平を見て呟く。
「もっと頑張らなきゃな」
「積み上げていくことはとても難しい。けど積み上げてきたものなんて脆いもの・・・すぐに壊すことが出来てしまうんだよね・・・」
「アル?」
いつの間にか俺の隣で座っていたアルが呟いた。
「あまり頑張りすぎてもそう簡単には戻らないと思うよ?じっくりやることが大切なんじゃないかな?少なくとも僕はそう思うよ」
「・・・かもしれないな」
俺は少し顔を俯かせる。その隣でアルはニッコリと笑っている。
そしてそのニッコリ顔を崩さずにアルは言った。
「いつも通りの自分が一番って事だよ」
「アル・・・」
「さてと、僕はまたゼルの所に戻らなくちゃ。じゃあ、これからも頑張ろうね」
「あ、あぁ。アル、ありがとな」
俺が言うとそのアルの顔は再びニッコリと笑って言った。
「どういたしまして」
アルがまた元の位置に行くのを確認した後、俺は少しの間目を瞑る事にした。
何かさっきまでモヤモヤしていたものが取れたような気がした。
(久しぶりにアレをやってみるかな)
俺は頭の中で呟くと、一つのイメージを頭の中に集中させた。
それは自分が泳いでいるときのイメージだった・・・。
俺は昔から泳ぐ前にこうやって集中力を高めていた。

水しぶきの弾ける音・・・
ターンをする時の追い上げ・・・
勝敗が最後まで分からないあのタッチの瞬間・・・

全てが俺にとって最高の刺激だった。
そして何より嬉しかったのはリムの笑顔。
いつも見ているはずなのに、だけど何か違う・・・
いつも見る笑顔とは違ったもう一つの笑顔・・・
それが見たくて俺はここまで頑張ってこれた。
もちろん仲間の応援もあったからだけど。うん。
「・・・・」
俺は自然と笑みが零れていたに違いない。
でも、本当のことなんだから仕方ない。
俺はしばらくそれを続けていた。

「アノン?」
「どわぁっ!!?」
いきなり声をかけられてそのうえ目を開けてみたら目の前にはリムの顔。
どんだけ俺はお得意のパターンでビックリしてるんだか・・・。
「ど、どうした?リム?」
俺は平然を装ったフリをしてリムに聞いた。
「もう皆食堂行っちゃったよ?アノンも早く行こうよ」
「へ?あ、あぁ」
随分長い間イメトレをしていたらしい。部屋の窓を見れば夕日が沈みかけていた。
俺はリムと一緒に部屋を出て、鍵を閉めた。そして一階の食堂まで歩いていった。
食堂に着いた早々ゼルからお叱りをうけた。遅すぎると。

それから数十分が経ち、皆が食べ終わり部屋に戻った。
ラフは何故だか呻いていた。イナがラフの背中を擦っていた。
(あの様子だと食いすぎたんだな・・・)
俺の予想は80パーセントは当たる。間違いないだろう。
さて、この後は何もすることがない・・・。
皆は大体眠りに入る。俺も寝ようかな?明日に備えて。
ジャージに着替え、布団を敷く。俺はどっちかというとベッドより布団の方がいいんだよな・・・。
そんなどうでもいい事を考えてるうちに皆(俺を含む)が布団を敷き終わっていた。
そして皆が布団に入ろうとしたその時だった。
突如ドアが開き、カメックス先生が入ってきて、こう言った。
「就寝時間だ。明日に備えて寝れよ~?」
「は~い」
言われなくとも・・・。

俺は布団に入り、静かに目を閉じた・・・。

それから数時間が経った頃・・・。
(どうしよう?今日に限って全然眠れん!!)
俺は目は閉じているもののまったく眠りにつけていなかった・・・。
(しょうがないな・・・こうなったら何かを観察して眠くなろう)
俺は薄暗い部屋を見渡して耳を傾けた。

ーギリッ・・・ギリッ・・・ー
(誰だよ歯軋りしてんの・・・)
「んっ・・・もう・・・馬鹿・・・」
(・・・何今の?喘ぎ声!?まさかね・・・どっかの誰かが愛に飢えてるに違いない)
「スースー・・・」
(つーか何気にラフって寝相いいよなぁ・・・でも何で膝立ててるんだろうか?)
「リム~~リム~~!!お兄ちゃんを見捨てないでくれ~~!!」
(・・・・・)
あれ?そういえばリムの姿が見当たらないな・・・?
トイレだろうか?まぁその内戻ってくるだろう。

それからまた数十分後・・・。
(いくらなんでも遅すぎじゃないか?しょうがない、探しに行ってみるか・・・)
俺は布団を跳ね除け部屋を静かに出る。トイレは少し遠いな・・・。
俺はまずトイレに向かって歩く。やけに遠く感じるのは気のせいだろうか?
そしてやっとの事でトイレのドアの前に着いた。
(・・・居ないかな?)
俺がトイレのドアノブに手をかけたその時だった。

「あっ・・・ふぁっ・・・ん・・・」
「!!?」
俺は一瞬自分の耳を疑った。聞こえてきたのは間違いなくリムの声。
だけど様子が明らかおかしい・・・何ていうかその・・・喘ぎ声っぽいものが・・・。
俺はゴクリと息を呑んでドアノブを回した。女子トイレに入るなんて男として嬉し・・・じゃなくて恥ずかしいが、今はそんな事を考えている場合じゃない。
トイレの中は女子トイレなだけあって全てが個室。うん。そしてその声は奥の個室から聞こえてきた。俺は静かに歩み寄り近寄る。
よく見れば鍵が開いてる。俺は止まらない心臓の鼓動を抑えながら静かにドアを開けた・・・。
<第17話 合宿で・・・(前半) 終>

<第17話 合宿で・・・(後半)>
ドアを開けた途端に、俺は目の前で起こっていることに驚くことしか出来なかった。
目の前にはリムがいた。だけどリムは自慰をしていたのだ。
そして俺がドアを開けたと同時にリムがビクッと体を動かして俺を驚く目で見ていた。
「ア、アノン・・・」
「リム・・・」
リムは今にも泣きそうな目で俺を見ていた。そしてあまりの驚きに手の位置が秘所の所に置かれたままだった。俺はそれをつい見てしまう。リムはうっすら涙を浮かべ、俺に向かって話した。
「こ、これはその・・・私・・・我慢できなくって、それで・・・」
リムは声が震えていた。俺はそのリムの様子に何だかやりきれない気持ちになって、思わずリムをそのまま抱きしめてしまった。
「ひゃっ!!アノン!?」
「イキたいんだろ?だったら一人じゃなくて俺に任せてみろよ・・・」
「!!それはっ・・・そうだけど・・・」
「決まりだな。行くぞ」
俺はすぐに下のジャージを脱ぎ、モノを取り出す。リムは俺のモノを見て少し顔を赤くする。
俺のモノは自分でも気づかないほどに肥大化していた。それほどまでにさっきのリムの自慰が刺激的だったのだろう。俺自身も実を言うと我慢の限界だ。
俺は便座の上にリムを四つん這いにさせる。そしてピクピクと痙攣を繰り返している秘所にモノを宛がった。リムはビクッと動く。
「ひゃんっ!!い、いきなり挿れるの・・・?」
「いや、この前みたくやったら痛いからな。少しだけ慣れさせてもらうぞ?お前ので」
「どうやって・・・?」
「こうするんだよ」
俺は呟くように言うと、宛がったモノを前後にこする様にして腰を動かす。

ークチュクチュ・・・ー

「んやぁっ!!にゃっ・・・何これぇ・・・?こすられて・・・気持ちいいよぉ・・・」
「擬似性行、だったかな?挿れはしないけどこれも気持ちいいな・・・結構」
「ひぐっ・・・アノンの熱いのがクチュクチュ言ってるぅ・・・」
「リムのも愛液で濡れてて・・・凄く滑りがいい・・・」
俺たちは夜の学校、それもトイレで如何わしい行為をしていた。
あんまり声を出すとヤバイけど、我慢できそうにもないな、コレ。

ークチュクチュ・・・ニュプッ・・・ー

だんだん愛液の量が増えてきて違う音までするようになってきた。そろそろリムも限界に近いはずだ。喘ぎ声もだんだん我慢しているものの、大きくなってきている。
そして俺が予想していたとおり、リムは限界を訴えていた。
「も、もうダメぇ・・・ひんっ・・・イッちゃうよ・・・」
「よし、出していいけど声は極力我慢しろよ?」
俺が言うとリムは目をギュッと瞑りながらコクッと頷いた。
それから俺が前後に腰を十回ほど振った頃にリムは手で口を抑えながら絶頂を迎えた。
体をブルブル震わせ、秘所からは以前よりも多く愛液が放出され、俺のモノを満遍なく濡らした。
「ハァッ・・・ハァッ・・・」
「さて、イった直後に悪いが次に行くぞ」
俺は再び肥大化したモノをリムの秘所に宛がおうとするが、リムはいきなり便座に手をつき、もう片方の手でお尻をグイっと横に掴み、秘所を俺に差し出した。俺はそのリムの誘っているポーズに少し息が荒くなり、リムに言った。
「やってほしいか?リム」
「う・・・ん・・・」
ちょっと意地悪っぽく聞くが、リムは早くと言わんばかりに俺に秘所を差し向ける。
「やってほしいって言ってみろよ?元はと言えばリムから始まったことだし」
そう言って俺はリムの秘所を擦るように人差し指を宛がいスライドさせる。
「んっ!!い、イジワルぅ・・・」
リムは少し反抗の眼差しを俺に向けるが、今降りかかっている己の性欲には勝てなかったらしく、口を開いてこう言った。
「い、挿れてください・・・アノンのモノを・・・」
「何処に?」
俺はスライドさせていた指をさらに早くした。
「んっ!!あ、アノンのモノを・・・私の此処に・・・挿れてくださいっ・・・!!」
「へへっ・・・可愛いよ、リム」

ーズプゥッ・・・ー

「あっ!!にゃっあぁ!!」
「くぁっ・・・凄い締まりだ・・・」
「んくぅっ・・・は、入って、きたっあっ・・・!!」
「動くぞ」

ージュプッジュプッー

「ひっ・・・んっ!!」
「はっ・・・はっ・・・!!」
俺はすぐに息が荒くなった。今まで我慢してきた分が一気にぶり返したんだろう。
すぐに俺は一発目をリムの中に放ってしまった。

ードクッドクッ・・・ー

「ふぇっ?も、もうっ?」
リムは予想外の事にタイミングを逃したのかイかなかった。
だが、俺の今まで我慢していた分はこんなもんじゃない。俺はすぐにまた動き始める。
「ひゃっ!!ま、たぁ・・・」
リムは再び甘い喘ぎ声を発する。
それからというもの、俺はその夜ずっとリムを抱いていた。何回精を放ったか数知れない。
リムはその度に体をビクビク動かし、何回も俺の手によってイカされ、最終的にはもう声すら上げることも出来なかったらしい。
気づけば周りは薄っすら明るくなっていた。辺りには俺の精、リムの愛液などが散乱しており、トイレは独特な臭いを放っていた。
「り、リム?大丈夫か?」
「ふ・・・うん。何とか。それにしてもアノンがこんなにしてくるなんて思ってもみなかった・・・」
「あぁ、俺自身ビックリしてる。悪かったな、何か一方的にやっちまって」
俺が言うと、リムは首を横に振り、俺に向かってニッコリと笑った。
「いいよ。私も凄く気持ちよかったし。何よりアノンとこんなに出来たのが一番嬉しいから」
「リム・・・」
「なんてね。さ、早く片付けちゃお?皆が起きる前に」
「そうだな」
そう言葉を交わして俺とリムは軽く口付けをする。
そしてそのトイレの掃除は30分にも亘(わた)って行われた。
トイレもスッキリしたし、何より俺自身が何かスッキリした。
今日の練習は何だか上手くやっていけそうだ。頑張るかな、無理をしない程度に。
<第17話 合宿で・・・(後半) 終>


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Last-modified: 2011-09-29 (木) 00:00:00
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